JPH0614594Y2 - 車輌用シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、前後位置調整可能なシートクッションを有す
る車輌用シートの改良に関するものである。

従来の技術 従来、車輌用のシートにおいては、第４図で示すように
上部側が横断面コ字状で下部側がコの字の下端辺から直
角方向下方に折曲成形されたサイドフレーム部１を有す
るシートクッションフレームでシートクッションを組み
立て、車体フロアには横断面略Ｃ字状部を有するスライ
ドレール２を装備し、このスライドレール２の横断面略
Ｃ字状部と係合するスライドガイド３をサイドフレーム
部１の下部側に取り付けることにより、シートクッショ
ンをスライドレール２に沿って前後に位置調整できるよ
う装備するものがある。

そのシートクッションは、サイドフレーム部１の上部側
にクッションフォーム４を載置すると共に、このクッシ
ョンフォーム４をサイドフレーム部１の間に張設された
クッションスプリング５で支持し、更に、サイドフレー
ム部１のコの字の中間辺にはクッションフォーム４を被
包するトリムカバー６の端末を止着することにより組み
立てられている。然し、この車輌用シートではサイドフ
レーム部１の構造からシートの座面高さが高くなり、ヘ
ッドクリアランスをある程度取る必要もあって車高を高
く設定しなければならず、また、スライドレールがシー
ト下側部に露出位置することから体裁上も好ましくな
い。

考案が解決しようとする課題 本考案は、シートの座面高さを相対的に低く設定できる
と共に、スライドレールを外部に露出位置させないよう
組み立てられる車輌用シートを提供することを目的とす
る。

課題を解決するための手段 本考案に係る車輌用シートクッションにおいては、車体
フロアに取り付けられるスライドレールの横断面略Ｃ字
状部と摺動自在に係合されるスライドガイドをシートク
ッションフレームに取り付けることにより、シートクッ
ションをスライドレールに沿って前後位置調整可能に装
備するべく、シートフレームの各サイドフレーム部を横
断面略逆Ｕ字状に形成し、スライドレールを各サイドフ
レーム部の内側に収容位置すると共に、スライドガイド
を各サイドフレームの側壁部内面に取り付けて、各サイ
ドフレームの内側でスライドレールの横断面略Ｃ字状部
と係合することにより構成されている。

作用 この車輌用シートでは、シートクッションフレームのサ
イドフレーム部を横断面略逆Ｕ字状に形成することから
シートクッションフレームに剛性を付与できるばかりで
なく、その各サイドフレーム部の側壁部内面にスライド
ガイドを取り付けると共に、ガイドレールを各サイドフ
レームの内側に収容位置させてスライドガイドをガイド
フレームの横断面略Ｃ字状部と係合するため、ガイドレ
ールをサイドフレーム部の内側に収容位置する高さ分だ
けシートの座面高さを相対的に低く形成でき、また、ス
ライドレールを外部に露出位置させないようシートクッ
ションを装備することができる。

実施例 以下、第１〜３図を参照して説明すれば、次の通りであ
る。

この車輌用のシートにおいては、第１，２図で示すよう
に左右のサイドフレーム部１０，１１と前後のメンバー
パイプ部１２，１３とから略四辺形に一体成形されたシ
ートクッションフレームを用いることにより、シートク
ッションが組み立てられている。そのシートクッション
フレームには、サイドフレーム部１０，１１（第１図で
片側のみ図示）が横断面略逆Ｕ字状に形成されて剛性が
付与されている。このシートクッションフレームにて
は、車体フロア側に取り付けられるスライドレール２０
を各サイドフレーム部１０の内側に収容位置するようス
ライドレール２０が組み付けられている。また、そのシ
ートクッションフレームはスライドガイド１４を各サイ
ドフレーム部１０の略逆Ｕ字内に位置させて内側壁部１
０ａに複数個取り付け、このスライドガイド１４をスラ
イドレール２０の横断面略Ｃ字状と摺動動自在に係合す
ることによりシートクッションを前後に位置調整できる
よう組み付けられている。

そのシートクッションは、クッションスプリング１５，
クッションフォーム１６，トリムカバー１７をシートク
ッションフレームに組み付けることにより構成されてい
る。クッションスプリング１５は、端末をガイドフレー
ム部１０の頂部１０ｂに止着固定し、シートクッション
フレームの上部側に載置されるクッションフォーム１６
を支持するようシートクッションフレームに張設されて
いる。また、トリムカバー１７は端末を各サイドフレー
ム部１０の外側壁部１０ｃに止着することにより、クッ
ションフォーム１６から各サイドフレーム部１０を被包
するよう組み付けられている。その各端末は、サイドフ
レーム部１０，１１の頂壁部１０ｂ並びに外側壁部１０
ｃに設けられたフック１８，１８…、１９，１９…に掛
け止めることにより取り付けられている。

このシートクッションには、シートバックフレームをセ
ンタープレートＰで軸承装着することによりシートバッ
クが組み付けられ、また、レバーＲの操作でスプリング
バックするスライドリターン機構Ｓをサイドフレーム部
１０の内側に沿って挿通配置することにより装備するこ
とができる。

このように構成する車輌用シートでは、車体側に取り付
けられるガイドレール２０をサイドフレーム部１０，１
１の横断面略逆Ｕ字内に収容位置し、そのガイドレール
２０の横断面略Ｃ字状部とサイドフレーム部１０のスラ
イドガイド１４をサイドフレーム１０の横断面略逆Ｕ字
内で係合させる分だけ、第３図で示す如くシートの座面
高さｈを低く設定することができる。そのため、車内空
間を拡大できることによりヘッドクリアランスを大きく
取れると共に、必要なヘッドクリアランスを確保しても
車高ｂを低く設定することができる。また、トリムカバ
ー１７の端末をサイドフレーム部１０の外側壁部１０ｃ
の低い位置に止着できるから、サイドフレーム部１０，
１１は勿論、スライドレール２０もトリムカバー１７で
隠蔽することができる。

考案の効果 以上の如く、本考案に係る車輌用シートに依れば、シー
トの座面高さを簡単な構成で低く設定できて車内の居住
性を向上でき、また、スライドレールを外部に露出位置
させないよう隠蔽できることにより体裁上も良好なもの
にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車輌用シートのシートクッション
フレームを部分断面で示す説明図、第２図は同シートク
ッションのシートクッションフレームを俯角斜視で示す
説明図、第３図は本考案に係る車輌用シートの利点を示
す説明図、第４図は従来例に係る車輌用シートのシート
クッションを部分断面で示す説明図である。 １０，１１：シートクッションフレームのサイドフレー
ム部、１０ａ：サイドフレーム部の側壁部、１４：スラ
イドガイド、２０：スライドレール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体フロアに取り付けられるスライドレー
   ルの横断面略Ｃ字状部と摺動自在に係合されるスライド
   ガイドをシートクッションフレームに取り付けることに
   より、シートクッションをスライドレールに沿って前後
   位置調整可能に装備する車輌用シートにおいて、上記シ
   ートクッションフレームの各サイドフレーム部を横断面
   略逆Ｕ字状に形成し、上記スライドレールを該各サイド
   フレーム部の内側に収容位置させると共に、上記スライ
   ドガイドを各サイドフレームの側壁部内面に取り付け
   て、各サイドフレームの内側でスライドレールの横断面
   略Ｃ字状部と係合したことを特徴とする車輌用シート。