JPH06145924A - アルミニウム製プーリーの製造方法 - Google Patents

アルミニウム製プーリーの製造方法

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JPH06145924A
JPH06145924A JP33485392A JP33485392A JPH06145924A JP H06145924 A JPH06145924 A JP H06145924A JP 33485392 A JP33485392 A JP 33485392A JP 33485392 A JP33485392 A JP 33485392A JP H06145924 A JPH06145924 A JP H06145924A
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aluminum
pulley
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power transmission
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JP33485392A
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Masamichi Tanaka
正道 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動力伝達用プーリーを軽量化するためにアル
ミニウム製とし、耐久性を持たせるために、必要部分の
みの機械的強度を向上させたものである。 【構成】 動力伝達面やシャフトへの取付部のように、
機械的強度の要求されるところだけを部分的に処理する
ものである。すなわち、高密度熱エネルギーを利用し
て、部分的に再溶解すると同時に金属元素を添加し、高
合金層を折出させたものである。高合金層に均一に折出
した金属間化合物が耐磨耗性のような機械的強度を向上
させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動力伝達用に使用され
るアルミニウム製プーリーに係わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、工業製品には軽薄短小化が求めら
れ、更に材料リサイクルの観点から、機器類をアルミニ
ウム材で製作することが多くなってきた。しかし、一般
に使用されるアルミニウム材は、展伸材でも鋳造材で
も、構造部材としては、軟らかく耐磨耗性などの機械的
強度が不足しているのが現状である。銅などを添加した
耐磨耗性のよいアルミニウム材などもあるが、高価であ
ったり、加工性に問題が有ったりして、プーリーに向
く、経済性に優れた適当なものが見当らない。
【0003】動力伝達用プーリーが、回転力を伝達する
場合、駆動側の回転力は、プーリーを介し、ベルトによ
って従動側に伝えられる。従って、ベルトは可撓性のあ
る材料でできていて、常に引張り力を受けて、プーリー
に密着している。そのため、プーリーの動力伝達面に
は、平滑で且つ耐磨耗性に優れていることが要求されて
いる。
【0004】また、プーリーとシャフトは強固に固定さ
れていて、回転中は一体となって、回転トルクを伝達し
なければならない。しかし、装置への組み込み、その後
の補修などを考慮し、分解可能な固定方法を採ることが
求められている。そのため、プーリーとシャフトは、ネ
ジやキーなどで固定されており、その部分には硬度など
機械的強度が要求されている。
【0005】しかし、プーリーの動力伝達面とシャフト
への取付部が、部分的に強度が要求されるからと言っ
て、部材全体を高価な高級アルミニウム材で製作するこ
とは、生産コストの面で問題がある。
【0006】従来よりプーリーには、その用途に合わ
せ、いろいろな材料が使用されているが、高温など厳し
い条件下で使用される場合には、一般的に金属材料を使
用している。このようなプーリーに使用される経済的金
属材料となると、鉄をベースにしたものが主流となり、
その密度の高さから重量の大きいものとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】工業製品に求められる
軽量化は、装置の一部としてのプーリーにも求められる
課題となっている。また、プーリーに対する軽量化は、
始動・停止時の慣性力の軽減により、機器の操作精度向
上及び消費電力節減の面からも求められている問題であ
る。
【0008】しかし、プーリーに使用されるような一般
的アルミニウム材は、展伸材でも鋳造材でも、構造部材
としては、軟らかく耐磨耗性がないなどの耐久性が不足
しているのが現状である。
【0009】耐磨耗性など機械的強度を向上するための
改質強化法として、鉄系材料には滲炭、焼き入れ、窒化
など簡便な処理法が工業的に普及している。一方、アル
ミニウム系材料には、これに当たるような改質強化法
も、未開発の状態である。
【0010】すなわち、アルミニウム系材料に対する改
質強化法として、従来より溶射,メッキなど表面に皮膜
を形成して強化する方法はあるが、被覆された表皮以外
の下地は、元のままで、塑性変形などに耐え得るものに
は改質されていない。また、アルミニウム系材料に対す
る新しい改質法も、イオン注入など最近話題となってき
たが、処理層の深さが表面より1mm以下で、耐磨耗性
を向上させる手段として、工業的に利用できるような技
術には達していない。このように薄い表面層だけの処理
では、下地が軟らかいままなので、衝撃のような荷重な
どには弱く、プーリー用に使用するには機械的強度が不
足している。
【0011】プーリーとしての性能を充分発揮させるに
は、製品の寸法精度を確保しなければならない。そのた
め、仕上げは機械加工に頼ることとなり、仕上げ加工前
の素材に対しては、仕上げ代が要求される。従って、機
械加工後も、負荷に耐え得る改質部が、表面より数mm
の深さでが残るような強化法を必要としている。
【0012】本発明は、容易に入手できるアルミニウム
材を使用して、その動力伝達面やシャフトへの取付部の
ように、機械的強度を要求される部分だけを、部分的に
強化することを特徴とした、軽くて耐磨耗性の有るアル
ミニウム製のプーリーを製作しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
の展伸材や鋳造材などを用いて、強度の要求される部分
だけを、高密度熱エネルギーを利用して再溶融し、必要
に応じては高合金化して、機械的強度を持たせることに
より、経済的に有利に生産できる、軽量で耐久性の有る
アルミニウム製プーリーを提供するものである。
【0014】本発明では、この課題を解決するため、強
化の要求される部分だけを再溶融処理している。また必
要に応じては、溶融と同時に他の金属元素を添加して、
母材のアルミニウムを高合金化し、硬い金属間化合物の
微細組織を折出させることにより、部分的に改質強化す
るものである。
【0015】添加する金属元素としては、銅、鉄、ニッ
ケル、クロム、マンガン、チタン、モリブデンなどが有
るが、使用環境や加工の難易度などを考慮し、最も適し
たものを選んで、1種類または数種類合わせて使用す
る。
【0016】改質処理をする材料を、まず完成品に近い
形に成形加工する。素材には、展伸材などから削り出し
たもの、また鋳造や鍛造などで成形したものなど、最も
経済性に優れたものを使用することができる。
【0017】改質しようとする部分には、添加する金属
の形態に合わせた前加工を施す。すなわち、金属により
線材、板材、粉体などの形態で入手できるが、素材の形
状や利用する熱源などを考慮して素材と密着できる形態
のものを選択すればよい。従って、素材と密着させるに
は、選択した添加金属の形態により自動供給、貼り付
け、圧入、塗布、溶射など最も有利な方法を選択するこ
とが可能である。
【0018】再溶融するための熱源には、再溶融する部
分を素材の必要部分周辺のみに済ませ、その上融点の高
い添加金属も同時に溶解することを可能とする、高密度
熱エネルギーの得易い、例えば、電子ビーム,レーザ
ー,プラズマなどを利用する。
【0019】本発明では、硬化しようとする部{分のみ
を再溶融するに止めるので、電子ビーム加工機のような
高密度熱エネルギーの得易い装置を利用することが一番
適した方法と考えられるが、他の高密度熱源を利用して
施工することも可能である。
【0020】本発明で必要部分のみの再溶融に止めるの
は、余分なエネルギーを消費することを控えるのは勿論
であるが、溶磁時に溶融部周辺の温度を極力上げないよ
うにするためである。
【0021】すなわち、添加金属を含む溶融部は、短時
間で凝固することによって、通常の冷却速度では得難
い、常温で非平衡状態の高合金層とすることができる。
この高合金層は、急冷効果によって、硬い金属間化合物
が微細に折出した組織となり、要求される機械的強度を
満足するものとしている。
【0022】従って、添加金属との高合金化処理の済ん
だ後は、熱源を直ちに移動し、熱を周辺の低温部分に吸
収させ、非常に短い時間で凝固させる必要が有るため、
前記のように、再溶融は必要部分のみに止める必要があ
るのである。改質部の断面形状は、改質しようとする部
位に適した形にすることができる。それには、投入され
る熱エネルギーの入射条件を制御して、最も適した形の
得られるものを採用すればよい。
【0023】改質部は、素材および添加金属の種類にも
関係するが、添加量が重量比で約20〜30%までは含
有量に比例して硬度が上昇する。図4はこの関係を示し
たグラフである。硬度の上昇と共に引張強さも向上し強
化される。すなわち素材の材質、添加金属の種類、冷却
速度などにより折出物の物性が変わるので、使用条件に
最も適したものにすることが可能である。
【0024】改質部は添加金属が30%を越えると、金
属間化合物の折出が多くなって、脆くなることがある。
すなわち、硬度と引張強さの向上に反し、伸びは下降す
る。従って、加工上の問題も発生するので、製品に適し
た使用条件やコストなどを総合的に考え合わせた、成分
と含有量を採用することが望ましい。
【0025】現在の機械加工の経済性などを考え合わせ
ると、改質部の硬度が、HRB80〜100程度にする
のが、最も有利な改質条件である。
【0026】また、素材が鋳造材の場合、ポロシティー
による細かい空孔が強度低下の原因となっていることが
多く、このようなものは真空中での再溶融だけで、空孔
のない緻密な組織となり、必要な機械的強度を確保でき
ることもある。
【0027】
【作用】細かい金属間化合物の折出した高合金化組織
を、耐磨耗性などの機械的強度を必要する部分にのみ析
出させてあるのが、本発明により製作された軽量なアル
ミニウム製プーリーの最も特徴としているところであ
る。
【0028】動力伝達面の表面を、微細で強固な金属間
化合物を折出させた高合金層にすることにより、ベルト
との接触による耐磨耗性を増加させ、耐久性を向上させ
たプーリーとすることができている。
【0029】シャフトへの取付部を、微細化した高合金
層により強化することは、固定のためのネジやキー溝部
周辺の機械的強度を増加し、締め付け力を上げ、また取
付、取り外しを繰り返す場合の耐久性向上を可能にする
ものである。
【0030】
【実施例】図1と図2は、本発明による実施例の断面を
示す模式図である。動力伝達面は、使用するベルトの形
状に平,丸,V字型などが有るが、その接触面に合わせ
た形の改質部を形成するように施工する。
【0031】動力伝達にVベルトを使用する例を、図1
に示している。改質は、仕上げ代の付いた素材の状態で
処理するが、加工後改質部がベルトの接触面に沿って残
る形状になるように施工する。ベルト寸法により接触面
寸法も変化するので、加工後に残す改質部の形状を確保
するには、熱エネルギーの入射条件の選択によって最も
適したものを採用する必要が有る。V字型に残すために
は、或程度深い改質部を形成する必要があり、そのため
には電子ビームのように、アルミニウムに対しても、溶
融時に穿孔性の有る熱源を使用することが有利である。
【0032】動力伝達に平ベルトを使用する場合を、図
2に示しているが、改質方法については、Vベルトを使
用する場合と全く同じである。しかし、ベルトとの接触
面は平面なので、加工後の改質部も平面状に残っていれ
ばよく、処理深さはV字型に比し少し浅目でもよいの
で、TIGやプラズマ溶接機などでも熱源とすることが
可能である。
【0033】シャフトへの取付部の改質した例を、図1
及び図2に示す。固定に際しシャフトの回転トルクを完
全に伝達できる形とする必要が有る。例えばネジ込みに
よる固定法では、加工による成形後、ネジ径に対し10
mm以上の改質部が残るような形になるように処理すれ
ばよい。また、キーで回り止めをする場合は、図3に示
すようにキー溝の両側に改質部が残るようにする必要が
ある。
【0034】各改質部は、素材、添加金属、改質部の大
きさなど考慮すべき条件が多くあるが、アルミニウム鋳
造材での一例を示すと次のような条件で目的を達してい
る。銅を15%添加して、HRB65,ヤング率720
0kgf/mmであったものをT6処理後、HRB8
5,ヤング率9000kgf/mmと、ほぼ普通鋳鉄
並みの強度に改質している。熱源としては電子ビームを
使用し、入力は2.4KW、AC円偏向で周波数は10
0サイクルであった。試験片による磨耗試験では、改質
前の素材に比し約1/3の磨耗量を示した。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、動力伝達面とシャフト
への取付部が、部分的に強化されたアルミニウム製プー
リーが得られ、装置の軽量化、始動・停止時の慣性力の
低減による精度の向上や消費電力の低減などが図れるの
で、工業上顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】溝形プーリーにおいて、改質すべき部分の例を
示す断面図である。
【図2】平形プーリーにおいて、改質すべき部分の例を
示す断面図である。
【図3】キーを用いて固定する場合に、溝の補強に設け
る改質部を示す模式図である。
【図4】改質部の、銅含有量とHRB硬度の関係を示す
代表例を、グラフで表したものである。
【符号の説明】
1 素材 2 動力伝達面 3 固定部 4 改質部 5 ネジ 6 キー溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム製プーリーの、動力伝達面
    周辺を、高密度熱エネルギーにより、部分的に溶融し、
    高合金化することを特徴とする、アルミニウム製プーリ
    ーの製造方法
  2. 【請求項2】 アルミニウム製プーリーの、シャフトへ
    の取付部周辺を、高密度熱エネルギーにより、部分的に
    溶融し、高合金化することを特徴とする、アルミニウム
    製プーリーの製造方法
  3. 【請求項3】アルミニウム製プーリーの、動力伝達面及
    びシャフトへの取付部またはその何れかの周辺を、高密
    度熱エネルギーにより、部分的に再溶融処理することを
    特徴とする、アルミニウム製プーリーの製造方法
JP33485392A 1992-11-02 1992-11-02 アルミニウム製プーリーの製造方法 Pending JPH06145924A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5921559A (en) * 1996-03-31 1999-07-13 Frontec Incorporated Sealing structure for an airtight chamber

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5921559A (en) * 1996-03-31 1999-07-13 Frontec Incorporated Sealing structure for an airtight chamber

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