JPH06145848A - Ti−Al系金属間化合物 - Google Patents
Ti−Al系金属間化合物Info
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- JPH06145848A JPH06145848A JP4328985A JP32898592A JPH06145848A JP H06145848 A JPH06145848 A JP H06145848A JP 4328985 A JP4328985 A JP 4328985A JP 32898592 A JP32898592 A JP 32898592A JP H06145848 A JPH06145848 A JP H06145848A
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Abstract
高強度なTi−Al系金属間化合物を得ることにある。 【構成】主たる金属組織がγ相とラメラ粒とからなりか
つラメラ粒の体積分率が64体積%以上またはラメラ粒
の平均粒径が100μm以上のTi−Al系金属間化合
物、あるいは主たる金属組織がラメラ粒の集合体からな
りかつラメラ粒の平均粒径が100μm以上であるTi
−Al系金属間化合物である。γ相は主としてTiAl
からなる微細結晶粒組織である。ラメラは、主としてT
iAl相とTi3 Al相とが交互に積層した層状組織で
ある。
Description
構造物あるいは高温用弾性部材などに好適なTi−Al
系金属間化合物に関する。
酸化性,耐摩耗性等に優れしかも軽量であるなどの優れ
た性質をもつため、各種用途に使われる素材として有望
視されている。この種の金属間化合物を利用する製品例
としては、高温で使用される外壁材や、タ−ビン部材、
ピストンやバルブシステム等のエンジン部品などが考え
られている。
属間化合物が知られている。ラメラは、主としてTiA
l相とTi3 Al相とがおおむね交互に積層した層状組
織であり、ラメラのみからなる金属組織もあるし、ある
いはγ相の中にラメラ粒が分散した金属組織も知られて
いる。γ相は主としてTiAlからなる多結晶粒組織で
あり、γ単相の組織は耐熱性と耐摩耗性および耐酸化性
などに優れている。これに対しラメラを含む金属組織
は、γ単相の組織に比べて強度が高いことが知られてい
る。また、特開平4−63237号公報に記載されてい
るように、Ti−Al系金属間化合物の室温での延性改
善を図ることを目的として、ラメラの体積分率を調整
(体積分率15%以上)することも提案されている。
いて、延性を良くすることと、強度や耐熱性を上げるこ
とは相反する問題である。例えば前述した従来のTi−
Al系金属間化合物は、700℃付近に延性・脆性遷移
温度を有しており、この温度以上の領域では延性により
強度が低下する。特に、900℃あるいは1000℃な
どの高温度域では耐クリープ性に劣るようになるなど、
耐熱性に難があった。
に高温において優れた特性を有するTi−Al系金属間
化合物を提供することにある。
開発された本発明は、主たる金属組織がγ相とラメラ粒
とからなりかつラメラ粒の体積分率が64体積%以上ま
たはラメラ粒の平均粒径が100μm以上であるか、あ
るいは、主たる金属組織がラメラ粒の集合体からなりか
つラメラ粒の平均粒径が100μm以上のTi−Al系
金属間化合物である。本発明でいうγ相とは、ラメラ組
織中に存在する主としてTiAlからなる板状結晶を含
まず、ラメラ組織以外の主としてTiAlからなる組織
を意味する。
結晶粒の集合体であって、TiAl単相で等軸粒からな
る場合が多いが、Al3 TiあるいはTi3 Alが少量
含まれていてもよい。本発明の金属組織はTiとAlの
反応合成法(反応焼結)によって容易に得られる。
系金属間化合物において、ラメラ粒の体積分率を64%
以上、あるいはラメラの粒径を100μm以上とするこ
とにより、900℃以上の温度でも高い耐熱性が示され
る。また、ラメラの体積分率が95%以上であれば更に
高い耐熱性が発揮され、1000℃以上の高温でも高い
耐熱性が示される。このような金属組織の900℃以下
での曲げ強度は、900℃以上の曲げ強度よりも高い。
Si,Nb,Mn,Cr,V,Pb等の添加元素や、T
iB2 ,Y2 O3 ,Ti5 Si3 のセラミックスあるい
は金属間化合物の微細強化物を加えて改質を行ったもの
も有効である。
(No.1〜No.7)のAl組成となるように混合
し、これらの混合体を圧粉成形したのち、アルミナ粉末
を圧力媒体とする擬HIPにより加圧しながら同表に示
される3種類の温度(1250℃,1300℃,135
0℃)で2時間保持し、反応焼結によってTi−Al系
金属間化合物からなる部材を得た。反応焼結(自己伝播
高温合成法)は、TiとAlの混合粉末等をその反応温
度以上に加熱することによって混合粉末の一部に反応を
生じさせ、その時に発生する反応熱により次々と反応を
伝播させる方法である。
えば鍛造法や、更には鍛造後に熱処理を行い組織を調整
することによっても得られるものであり、製造方法は問
わない。ただし、上述のように粉末原料を用いる場合に
は、ラメラ粒の体積分率やラメラ粒径を調整することが
容易であり、更には上述の反応焼結を用いることにより
更に容易に製造できる。
とが空隙体積を減少させる上で効果が大きく、また、加
圧の手段としてアルミナ粉末等を圧力媒体とする擬HI
Pを用いることにより、簡便かつ容易に空隙を減少させ
ることができる。
る部材を、3×4×37mmの角柱状に研削加工し、表1
に示される2種類の温度(900℃と1000℃)で曲
げ試験を大気中で実施することによって、高温での曲げ
強度を求めた。曲げ試験は図5に示されるようなスパン
30mmの3点曲げ試験機を用いて、JISR1604
(ファインセラミックスの高温曲げ強さ試験方法)に準
拠して行った。ただし、表1の曲げ試験中に試験片は破
壊することがなかったので、荷重をかけ始めてからクロ
スヘッドを2mm移動させた際の最大荷重により曲げ強さ
を求めて曲げ強度とした。なお、試験片の表面粗さはR
max 2.2μm以下とした。
を研磨し、その組織を顕微鏡で観察することによって求
めた。また、ラメラ径はラメラ体積%の場合と同じよう
に組織観察し、ラメラ粒の平均粒径を求めた。
ラメラ体積分率(%)と高温曲げ強度との関係をプロッ
トしたものである。図4は、上記各例についてラメラ平
均粒径と高温曲げ強度との関係をプロットしたものであ
る。
織がラメラからなる。図2の写真は表1中のNo.2の
組織(主としてラメラ、一部にγ相を含む組織)であ
る。写真中に縞模様となって表れているのがラメラ粒で
ある。ラメラ体積分率が95体積%以上の組織は実質的
にラメラのみからなる組織と同じである。
されるように母相としてのγ相とこのγ相中に分散した
ラメラ粒とにより構成される複合金属組織である。N
o.3とNo.4のγ相は平均粒径が20〜50μm程
度の微細なTiAl結晶粒の集合した組織であり、これ
らのγ粒が部材全体にわたってつながっている。なお、
図1中のラメラ粒L1 ,L2 ,L3 のように互いにくっ
ついた状態のものも各々を1個の粒として数える。従っ
てこの図示例のラメラ粒L1 ,L2 ,L3 は、合計3個
の粒として数える。
l単相である場合や、Ti3 Alを微少量含むことによ
りTiAlとごく薄いTi3 Alとの層状組織を形成す
ることがあるが、Ti3 Alが少量のためにTi3 Al
の層厚さが極端に薄くて顕微鏡観察では判別できない場
合がある。このような組織は、主としてTiAlからな
る相の組成がTiとAlの原子分率において、Alが4
9〜53原子%の時に形成される場合がある。この場合
も、Ti3 Alがごく少量であるため組織全体として見
れば実質的にTiAl単相とみなすことができる。
高温曲げ試験結果から、ラメラ体積率が63体積%のも
の(No.5)に比べ、ラメラ体積率が69%に増加し
たもの(No.3,4)の強度が大幅に上昇した。すな
わちラメラ体積率が63体積%を越えるようにすること
により、900℃における曲げ強度が47kgf/mm2を
越える高い耐熱性を示すことが判った。また、図3中に
破線で示されるように1000℃の高温で行われた曲げ
試験では、ラメラ体積%が95%以上の組織で更に大き
な強度が得られることが判った。これに対し比較例の組
織(No.5〜7)は、高温時の曲げ強度が低かった。
積%以下であり、かつ空隙の平均径が15μm以下で空
隙の最大径は50μm以下であった。このように空隙を
微細にしかつ空隙を少なくかつ均一にすることが本発明
の効果を高めることに有効である。
が44〜48原子%とすることによって、本発明の金属
組織が容易に得られ、特に44〜47原子%にすること
によって、主たる組織がラメラである部材が容易に得ら
れ、より高温で高い強度が得られることが判った。
高強度化が図れており、耐クリープ性も優れている。ま
た、ラメラ粒径を100μm以上とすることにより高い
耐熱性が得られ、ラメラ粒径が150μm以上で更に高
い曲げ強度が得られている。また1000℃の曲げ試験
結果から、ラメラ粒径を250μm以上にすることによ
って、高い耐熱性が得られている。
上にすると室温での強度が低下し、使用に支障をきたす
場合もあるので、ラメラ径が2500μmを越えないよ
うにすることが望ましい。更には、1000μm以下に
した時に上記と同様の理由によって好ましい結果が得ら
れる場合もある。特に室温での強度を重要とするなら1
00〜250μm、更には100〜150μmとするこ
とにより、更に好ましい結果が得られる場合がある。ラ
メラ粒径のばらつきに関しては、粗大粒は少ない方が望
ましく、かつ粗大粒の大きさは平均粒径の5倍以下にす
るのがよい。
0℃と1000℃での曲げ試験中に材料の酸化はほとん
ど進行せず、このため酸化による破断を生じることがな
く、良好な耐酸化性を有していた。また、900℃以下
での曲げ強度は900℃での曲げ強度よりも高かった。
なお、前記実施例で示した高温曲げ強度の試験温度は、
耐熱性を評価するために採用した温度の一例に過ぎず、
この金属間化合物の使用温度を限定するものではない。
また本発明は、前記実施例の組成や組織のみに限定され
るものではない。
ープ性等の特質を発揮でき、特に高温において優れた特
性をもつTi−Al系金属間化合物が得られる。
模式的に示す図。
織を100倍に拡大して示す顕微鏡写真。
げ強度との関係を示す図。
曲げ強度との関係を示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】主たる金属組織がγ相とラメラ粒とからな
り、かつ上記ラメラ粒の体積分率が64体積%以上であ
ることを特徴とするTi−Al系金属間化合物。 - 【請求項2】主たる金属組織がラメラ粒の集合体からな
り、かつ上記ラメラ粒の平均粒径が100μm以上であ
ることを特徴とするTi−Al系金属間化合物。 - 【請求項3】主たる金属組織がγ相とラメラ粒とからな
り、かつ上記ラメラ粒の平均粒径が100μm以上であ
ることを特徴とするTi−Al系金属間化合物。 - 【請求項4】主たる金属組織がγ相とラメラ粒とからな
り、かつ上記ラメラ粒の体積分率が64体積%以上でし
かも上記ラメラ粒の平均粒径が100μm以上であるこ
とを特徴とするTi−Al系金属間化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32898592A JP3382273B2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | Ti−Al系金属間化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32898592A JP3382273B2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | Ti−Al系金属間化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06145848A true JPH06145848A (ja) | 1994-05-27 |
JP3382273B2 JP3382273B2 (ja) | 2003-03-04 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32898592A Expired - Fee Related JP3382273B2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | Ti−Al系金属間化合物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3382273B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105154871A (zh) * | 2015-09-06 | 2015-12-16 | 中国航空工业集团公司北京航空材料研究院 | 在钛合金上制备TiAl基合金梯度阻燃材料的激光制造方法 |
JP2017145501A (ja) * | 2016-02-17 | 2017-08-24 | 国立大学法人大阪大学 | チタン‐アルミニウム合金 |
-
1992
- 1992-11-16 JP JP32898592A patent/JP3382273B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN105154871A (zh) * | 2015-09-06 | 2015-12-16 | 中国航空工业集团公司北京航空材料研究院 | 在钛合金上制备TiAl基合金梯度阻燃材料的激光制造方法 |
JP2017145501A (ja) * | 2016-02-17 | 2017-08-24 | 国立大学法人大阪大学 | チタン‐アルミニウム合金 |
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JP3382273B2 (ja) | 2003-03-04 |
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