JPH06145187A - ショ糖脂肪酸エステル板状体の製造法 - Google Patents
ショ糖脂肪酸エステル板状体の製造法Info
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Abstract
エステルの溶融温度以上で薄膜蒸発器を用いて溶媒含有
量5%以下まで濃縮し、得られた溶融状ショ糖脂肪酸エ
ステルを、内部に冷却媒体を有する回転ドラムとエンド
レスベルトとの間に挟んで板状に冷却固化することを特
徴とするショ糖脂肪酸エステル板状体の製造法。 【効果】 SE溶融物をコンパクトな装置で連続的に板
状に成型することができる。板状体は粉砕してSE粉末
として利用することができる。
Description
(以下SEと略記する)板状体の製造法に関する。詳し
くは本発明は、SE溶液を濃縮してSE溶融物とし、更
に冷却固化して板状体を製造する方法に関する。
及び高い安全性を兼備しているので、従来、食品、化粧
品、医薬品、台所用洗剤、飼料、樹脂等の添加剤とし
て、また化学工業においては、例えば重合反応、酸化反
応等の反応系の助剤として用いられており、極めて有用
な化合物である。
ムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒中で、ア
ルカリ触媒の存在下、ショ糖と脂肪酸アルキルエステル
とを反応させる方法、有機溶媒を用いずに水を使用して
ショ糖を脂肪酸石鹸と共に溶融混合物とした後、アルカ
リ触媒の存在下、脂肪酸アルキルエステルを反応させる
方法、更にはショ糖と脂肪酸とを特定酵素の存在下に直
接反応させるいわゆるバイオ法等が知られている。
と精製工程を経て製品化され、最終製品の形態として
は、ペースト、粉末等がある。ペーストはSEの希薄溶
液を適宜濃縮して製造することができる。粉末の製造法
としては、SEの希薄溶液を濃縮しながら乾燥する噴霧
乾燥法が知られている(特開平2−117691、特開
平2−134391、特開平2−40390)。
単である利点はあるが、熱源費が大きい上に溶媒の切れ
が十分でなく、粉末品の固結の原因となり易い。噴霧乾
燥以外の方法として、濃縮されたSEをいったん冷却固
化しペレットやフレークとし、更に粉砕する方法が考え
られるが工業的に満足すべきものはまだ提案されていな
い。
な事情を鑑み、鋭意検討を行った結果、SE溶液を効率
的に濃縮して溶媒含有量を十分に減らし、更に効率的に
冷却固化することによって、粉砕されても固結しにく
く、良好なSE粉末を与えることのできるSE板状体が
得られることを見い出して本発明を完成した。
エステルの溶液をショ糖脂肪酸エステルの溶融温度以上
で薄膜蒸発器を用いて溶媒含有量5%以下まで濃縮し、
得られた溶融状ショ糖脂肪酸エステルを、内部に冷却媒
体を有する回転ドラムとエンドレスベルトとの間に挟ん
で板状に冷却固化することを特徴とするショ糖脂肪酸エ
ステル板状体の製造方法にある。
おけるSEとしては、炭素数6〜30、好ましくは12
〜22の飽和または不飽和脂肪酸(例えばカプロン酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの飽和脂肪酸;リノ
ール酸、オレイン酸、リノレイン酸、エルカ酸、リシノ
ール酸などの不飽和脂肪酸など)と炭素数1〜6の低級
アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノールなど)とのエステルとショ糖とをエス
テル交換反応させることにより製造される。
ン、n−ブタノール、イソブタノール、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のSEを溶解する有機
溶媒、及び水であり、これら溶媒を単独または混合して
使用できる。食品、化粧品、医薬品、飼料等の用途向け
SEを製造する場合、水が特に好ましい。本発明におけ
るSE溶液中のSE濃度としては通常1〜90重量%で
あり、好ましくは20〜60重量%である。
よる予備濃縮と薄膜型蒸発器を組み合わせて使用でき
る。かかる薄膜型蒸発器としては、通常、上昇薄膜型、
流下薄膜型、水平薄膜型、及び上記各種型と加熱管内で
回転羽根を回転させる形式のものが採用される。好まし
くは、流下薄膜型と加熱管内で回転羽根を回転させる形
式を組み合わせた形式、及び水平薄膜型蒸発形式と加熱
管内で回転羽根を回転させる形式を組み合わせた形式で
ある。薄膜型蒸発器は複数台を直列に接続して使用する
こともできる。
℃、圧力10〜760mmHg、好ましくは温度70〜
120℃、圧力50〜100mmHgの範囲で、溶媒含
有量が5%以下、好ましくは1.5%以下になるまで行
われる。溶媒含有量が5%以上であると、冷却固化した
SE板状体を更に粉砕する際、得られる粉末の固結の原
因となる。
機が使用され、内側に冷媒を供給して冷却された回転ド
ラムとエンドレスベルトとの間に、溶融状SEを一定時
間接触させて行われる。(特公平2−9273号参照) ドラム型は、据え付け面積が小さく密閉化が容易である
ため塵埃等の混入を防止できる。また冷却効率が良く、
熱収縮による変形が防げる。このような点についてドラ
ム型冷却機はスチール製ベルトコンベアー上に溶融状S
Eを流し一定時間滞留させて冷却するような、従来の装
置に比べ非常に優れている。
スベルトは、材質としては、通常鉄製材質が使用され、
ステンレス材質が好ましい。回転ドラムの表面は、通常
表面仕上げをしなくても使用できるが、表面仕上げした
方が高品質の製品が得られ、好ましい。回転ドラムの冷
却は、回転ドラムの内側から冷媒を供給して冷却する。
冷媒温度は溶融状態のSEを固化するのに必要な冷却が
必要であり、通常−20〜50℃、好ましくは−10〜
20℃の範囲の冷媒を使用する。
冷却されるが、冷却後の溶融SEの温度はSEの融点以
下であり、通常10〜50℃まで冷却する。固化したS
Eの結露防止の為に通常脱湿気体をドラム型冷却機装置
内に導入することが好ましい。この際ドラム型冷却機装
置の全体を密閉構造の囲いの中にセットし、囲いの中に
乾燥空気、乾燥窒素等を流通させることが好ましい。
スベルトの材質は限定しないが、通常、鉄、ステンレ
ス、銅、ガラス繊維、高分子材料等から選択できる。食
品、医薬品などの用途向け製品のSEの場合、グラスウ
ールをテフロンでコーティングした材質が好ましい。本
発明におけるドラム型冷却機のエンドレスベルトとドラ
ムで溶融SEから板状に固化したSEの厚さは特に限定
されないが、通常0.1〜10mmの厚さにすることが
好ましい。本発明における板状SEはその後限定しない
が、ドラム型冷却機内で連続的に粉砕することが工業製
造方法として効率的である。
その要旨を超えない限りこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。 実施例1 ジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒とした反応方
法で製造したパルミチン酸SE(モノエステル含有量は
80%、リョートーシュガーエステルP−1670相当
品)51.0重量%を含む水溶液を横形薄膜蒸発機(日
立株式会社製横形コントロ使用。伝熱面積は14m2 )
に816kg/毎時で供給した。蒸発条件は温度100
℃、圧力80mmHgである。横形薄膜蒸発機から排出
したパルミチン酸SE中の溶媒(水)含有量は0.62
%であった。次いで、横形薄膜蒸発機から排出した溶融
状態(約100℃)のパルミチン酸SEを419kg/
毎時でドラム型冷却機(三菱化成エンジニアリング
(株)社製、型式DC−1500S21)に導入した。
テフロンでコーティングしたものであり、回転ドラム内
の冷媒は0℃で供給した。固化したSEの厚さは3mm
になるように調整して行った。回転ドラムの回転数は
0.4rpmで行った。密閉されたドラムクーラー装置
内へ室温の乾燥空気を供給した。以上の条件で板状に固
化したSEの温度は30℃であった。得られた板状体を
ドラム型冷却機に付属した粗粉砕器で粉砕した後の形状
は縦横約2〜3cmの不定型フレーク状であった。この
フレーク状パルミチン酸SEを細川ミクロン(株)製の
衝撃式微粉砕機で微粉砕したところ平均粒子径32μの
水分含有量0.83%の白色粉末を得た。次いで白色粉
末をマヨネーズ瓶中で35℃で保存したところ1000
時間経過後も固結発生は認められなかった。
酸SEを用い、実施例1と同様に冷却固化を行い、厚さ
3mm、温度30℃のSE板状体を得た。次いで実施例
1と同様に粗粉砕、微粉砕により、水分含有量1.24
%のSE白色粉末を得た。35℃では110時間以上固
結は発生しなかった。
融状態のステアリン酸SE(リョートーシュガーエステ
ルS−117の相当品)を550kg/毎時でドラム型
冷却機に供給した以外は、実施例1と同様に行った。そ
の結果板状に固化したSEの温度は30℃で板の厚さは
3mmであった。また実施例1同様に粗粉砕、微粉砕を
行い、35℃での保存性を観察したところ非常に良好だ
った。
融状態のステアリン酸SE(リョートーシュガーエステ
ルS−770相当品)を410kg/毎時でドラム型冷
却機に導入した以外は実施例1と同様に行った。その結
果、板状に固化したSEの温度は30℃で板の厚さは3
mmであった。次いで、粉砕を行い、保存性を観察した
ところ35℃で1000時間経過するも固結化は起こら
なかった。
ミチン酸SEについて実施例1と同様に冷却固化を行っ
た。つづいて粉砕を行ったが、できた粉末は、35℃で
はすぐに固結してしまった。 比較例2 横形薄膜蒸発機から排出した水分含有量5.1%のステ
アリン酸SEについて実施例3と同様に冷却固化を行っ
た。しかしつづく、粉砕の後、白色粉末はすぐに固結し
てしまった。
に板状に成型することができる。板状体は粉砕してSE
粉末として利用することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ショ糖脂肪酸エステルの溶液をショ糖脂
肪酸エステルの溶融温度以上で薄膜蒸発器を用いて溶媒
含有量5%以下まで濃縮し、得られた溶融状ショ糖脂肪
酸エステルを、内部に冷却媒体を有する回転ドラムとエ
ンドレスベルトとの間に挟んで板状に冷却固化すること
を特徴とするショ糖脂肪酸エステル板状体の製造法。 - 【請求項2】 冷却固化の雰囲気を隔壁により密閉し、
各密閉空間に乾燥気体を流通させることを特徴とする請
求項1の製造法。 - 【請求項3】 薄膜蒸発器を用いて水分含有量1.5%
以下まで濃縮した溶融状ショ糖脂肪酸エステルを使用す
ることを特徴とする請求項1の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29511992A JP3261764B2 (ja) | 1992-11-04 | 1992-11-04 | ショ糖脂肪酸エステル板状体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29511992A JP3261764B2 (ja) | 1992-11-04 | 1992-11-04 | ショ糖脂肪酸エステル板状体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06145187A true JPH06145187A (ja) | 1994-05-24 |
JP3261764B2 JP3261764B2 (ja) | 2002-03-04 |
Family
ID=17816538
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29511992A Expired - Lifetime JP3261764B2 (ja) | 1992-11-04 | 1992-11-04 | ショ糖脂肪酸エステル板状体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3261764B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019081578A (ja) * | 2017-10-31 | 2019-05-30 | 三菱ケミカル株式会社 | ショ糖脂肪酸エステルの保存方法 |
-
1992
- 1992-11-04 JP JP29511992A patent/JP3261764B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019081578A (ja) * | 2017-10-31 | 2019-05-30 | 三菱ケミカル株式会社 | ショ糖脂肪酸エステルの保存方法 |
JP2022046506A (ja) * | 2017-10-31 | 2022-03-23 | 三菱ケミカル株式会社 | ショ糖脂肪酸エステルの保存方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3261764B2 (ja) | 2002-03-04 |
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