JPH06140439A - ショットキ接合型電界効果トランジスタ - Google Patents

ショットキ接合型電界効果トランジスタ

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JPH06140439A
JPH06140439A JP4290278A JP29027892A JPH06140439A JP H06140439 A JPH06140439 A JP H06140439A JP 4290278 A JP4290278 A JP 4290278A JP 29027892 A JP29027892 A JP 29027892A JP H06140439 A JPH06140439 A JP H06140439A
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effect transistor
diffusion layer
type impurity
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Application number
JP4290278A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Ishii
達也 石井
Kazutoshi Miyamoto
和俊 宮本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 縮小化によって特性の劣化が生じない電界効
果トランジスタを得る。 【構成】 n型シリコン基板1と、前記シリコン基板1
面上の、ソース電極2aとなる第1の領域と、この第1
の領域に隣接配置されたチャネル領域2bとなる第2の
領域と、この第2の領域に隣接配置されたドレイン電極
2cとなる第3の領域との3つの領域からなるp型不純
物拡散層2と、前記第2の領域(チャネル領域2b)の
p型不純物拡散層2表面に接続されたBa(バリウム)
からなるゲート電極3から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特にダイナミック・
ランダム・アクセス・メモリ(以後DRAMと記す)に
用いられる電界効果トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体記憶装置はコンピュータな
どの情報機器の目覚しい普及によって、その需要が急速
に拡大している。機能的には大規模を記憶容量を有し、
かつ高速動作が可能なものが要求されている。このよう
な背景下に、半導体記憶装置は大規模高集積、高速化さ
らに高信頼性化を図る技術開発が進められている。
【0003】半導体記憶装置のうち、記憶情報のセンダ
ムな入出力が可能なものにDRAMがある。DRAM
は、多数の情報を記憶するメモリセルアレイと、単位記
憶回路を構成するメモリセルの指定、および外部との入
出力を制御する周辺回路から構成されている。
【0004】このうち、メモリセルアレイを構成するメ
モリセルは、1個の情報電荷蓄積用キャパシタと、1個
の絶縁ゲート電界効果トランジスタ、いわゆるMIS
(Metal Insulator Semiconductor)トランジスタからな
る。このタイプのメモリセルは、その構成が簡単なため広
く一般的に用いられる。
【0005】図5は、エム・サカオ(M.Skao)他が、
「アイ・イー・イー・イー アイイーディーエム テク
ニカル ダイジェスト(IEEE IEDM Technical Diges
t)」1990年のp.655〜658頁に記載された
「64メガビットDRAMのためのキャパシタ−オーバ
ー−ビット−ライン(シーオービー)セル ウィズ ア
ヘミスフェリカル−グレインストレージノード(A CAPA
CITOR-OVER-BIT-LINE(COB) CELL WITH A HEMISPHERICAL
-GRAIN STORAGE NODE FOR,64Mb DRAMs)」に開示された
従来のDRAMメモリセルの構造の一例である。このメ
モリセルにおいて、MISトランジスタは半導体基板主
表面の平面部分に配置されており、キャパシタはスタッ
クド型である。両者によって構成されたメモリセルは、
p型シリコン基板5の主表面において、分離酸化膜10
で囲まれた領域に2個のメモリセルが1個のビット線コ
ンタクト8を共有して配置されている。このビット線コ
ンタクト8を中心にnチャネルMISトランジスタのゲ
ート電極3が左右に配置されている。nチャネルMIS
トランジスタは、p型シリコン基板5上に薄いゲート誘
電体膜17を介して形成されたゲート電極3と、その左
右に隣接配置されたn型不純物拡散層9からなるソース
およびドレイン電極9a,9cとからなる。ドレイン電
極9cは、ビット線6に接続されており、ソース電極9
aはキャパシタを構成するストレージノード7に接続さ
れている。また、MISトランジスタのゲート電極3
は、これに接続される第1のワード線を兼ねており、折
り返しビット線方式を採用していることから、分離酸化
膜10上に隣接メモリセルのゲート電極に接続される第
1のワード線3aが存在する。ビット線6は、ビット線
コンタクト8に接続されて第1のワード線3aより上層
に形成されており、さらにその上層に第1のワード線3
aに並列接続されたアルミニウム配線による第2のワー
ド線3bが形成されている。
【0006】つぎに、このMISトランジスタの動作原
理を説明する。図6は、nチャネル型のMISトランジ
スタの断面構造を示している。図7(a)は、図6に示
したMISトランジスタのVD(ドレイン電位)−ID
(ドレイン電流)特性を示した図、図7(b)(c)は
図6に示したMISトランジスタの空乏層の状態を示し
た図で、以下これらに基づいて説明する。なお、ここで
説明するMISトランジスタのスレッショルド電圧Vt
hは1.3Vとする。図7(a)を参照して、(ゲート
電位)を3Vとした場合のVD−ID特性において、V
D=OVのときは(b)に示すようにVGはVth以上
の電位であるから、ゲート電極3下のp型シリコン基板
1にn反転したチャネル層が形成される。つぎにVDを
増加させると、これに伴って(a)に示すようにIDが
リニアに増加する。この状態を線形領域αと呼ぶ。しか
し、VDが(VG−Vth)以上の電圧になると、すな
わちここではVD=1.7Vを越えると、ドレイン領域
端部のチャネル層が存在できなくなり、(c)に示すよ
うに空乏層4がチャネルを塞いでしまう。ここから、I
Dは空乏層4内のアバランシェ現象(インパクトイオン
化現象)によって流れる。ここからさらにVDを高くす
ると、空乏層4はその分横方向に広がる。しかしその分
VDも高くなっていくから、空乏層3内の電界強度はほ
ぼ一定に保たれ、IDは(a)に示すようにほとんど増
加せず飽和傾向を示す。この状態を飽和領域βと呼び、
ドレイン領域端部の空乏層領域は特にピンチオフ領域と
呼ばれる高電界領域になる。つぎに、VGを3Vから低
くしていくと、(VG−Vth)の値が小さくなり、低
いVDで飽和領域βになる。したがって、(a)に示す
ように線形領域αと飽和領域βの変曲点がVGの低下に
伴い低いVDへとシフトする。ここで、VDSを5V一
定としVGを制御することで、(b)に示すようなON
状態(VG=7V,(a)に示す線形領域αのA点)や
(c)に示すようなOFF状態(VG=0V,(a)に
示す飽和領域βのB点)を得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図5に示した64メガ
ビットのDRAMからさらに256メガビット、1ギガ
ビットのDRAMへと集積度を上げていくならば、1個
のメモリセルあたりの半導体基板の占有面積の縮小化を
図らなければならない。特に、MISトランジスタの縮
小化に対しては、前述したドレイン領域端部のピンチオ
フ領域において、インパクトイオン化により発生したホ
ットキャリアにより、トランジスタの特性が長期的に劣
化するホットキャリア現象と呼ばれる信頼性上の問題が
生じてくる。この問題のため、MISトランジスタのチ
ャネル長がサブミクロン領域に入ってくると、その縮小
化が非常に困難になるという問題点があった。
【0008】一方、米国特許第4423490号には、
MISトランジスタと同じ電界効果トランジスタである
接合型電界効果トランジスタを用いたDRAMが開示さ
れている。しかし、接合型電界効果トランジスタはプラ
ス電位とマイナス電位の2つの電源を必要とし、どちら
か一方の電源しか必要としないMISトランジスタに比
べ回路構成が複雑になるという問題点があった。これに
ついて以下に説明する。
【0009】図8は接合型電界効果トランジスタの問題
点を説明した図で、nチャネルの例である。ドレイン電
極9cにはプラス電位が印加されている。チャネルの空
乏層を制御してON/OFFを行うため、ゲート電位は
p型不純物拡散層からなるゲート電極3を介してドレイ
ン電位9cとは逆のマイナス電位を印加せざるを得な
い。したがって、図8に示したようにドレイン電極9c
とゲート電極3には異なる方向の電位を印加しなければ
ならない。なお、pチャネルの場合それぞれの電極に印
加する電位は、nチャネルの逆になる。一方、図6に示
したnチャネル型のMISトランジスタの例では、ドレ
イン電極9cにはプラス電位が印加されている。絶縁ゲ
ート型であるから、チャネル領域は電気的に完全にゲー
ト電極3と分離しており、前述したようにチャネルの制
御はゲート電極3にプラス電位を印加することで可能で
ある(チャネル領域が電気的にゲート電極3と分離して
いなければ(すなわちゲート誘電体膜が無ければ)、プ
ラス電位の印加により順方向電流が流れバイポーラ動作
をしてしまう)。したがって、図6に示したようにドレ
イン電極9cとゲート電極3には同じプラス電位を印加
すればよい。なお、pチャネルの場合は両電極に印加す
る電位はマイナスになる。以上から、プラスかマイナス
のどちらか一方の電位しか必要としないMISトランジ
スタに対し、接合型電界効果トランジスタは両方の2つ
の電位を必要とする。
【0010】さらに、接合型電界効果トランジスタには
図9に示すようなショットキ接合型電界効果トランジス
タがあるが、これに関しても基本動作は同一である。同
図に示すように、従来のショットキ接合型電界効果トラ
ンジスタのゲート電極3にはPt(白金)が用いられて
おり、n型半導体との接触でショットキバリア効果を示
しダイオード動作をする。図9に示すように白金側、す
なわちゲート電極3側にマイナス電位を印加することで
逆バイアス状態になり、チャネルの空乏層を制御してオ
ン/オフを行う。したがって、ここでも同じように、プ
ラス、マイナスの2つの電位を必要とする。
【0011】そこで、この発明は、上記のような問題点
を解消するためになされたもので、メモリセルを構成す
るトランジスタにおいて、その縮小化によって特性の劣
化が生じない、かつ、一般の接合型電界効果トランジス
タのようにプラス電位とマイナス電位の2つの電源を必
要としない電界効果トランジスタを得ることを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るショットキ接合型電界効果トランジスタは、n型不純
物を含むシリコン基板と、このシリコン基板主面上の、
ソース電極となる第1の領域と、この第1の領域に隣接
配置されたチャネル領域となる第2の領域と、この第2
の領域に隣接配置されたドレイン電極となる第3の領域
との3つの領域からなるp型不純物拡散層と、前記第2
の領域(チャネル領域)のp型不純物拡散層表面に接続
されたBa(バリウム)からなるゲート電極とから構成
されたものである。
【0013】この発明の請求項2に係るショットキ接合
型電界効果トランジスタは、p型不純物を含むシリコン
基板と、このシリコン基板主面上のn型不純物拡散によ
る島と、この島上の、ソース電極となる第1の領域と、
この第1の領域に隣接配置されたチャネル領域となる第
2の領域と、この第2の領域に隣接配置されたドレイン
電極となる第3の領域との3つの領域からなるp型不純
物拡散層と、前記第2の領域(チャネル領域)のp型不
純物拡散層表面に接続されたBa(バリウム)からなる
ゲート電極とから構成されたものである。
【0014】
【作用】MISトランジスタにおけるホットキャリア現
象による影響は、ドレイン領域端部のピンチオフ領域
(高電界領域)においてインパクトイオン化によりホッ
トエレクトロンが発生し、これが絶縁ゲートにおける誘
電体膜にトラップされることによって、トランジスタ特
性が長期的に劣化することである。この発明のショット
キ接合型電界効果トランジスタにおいても、トランジス
タがオンからオフ、オフからオンに変化する際にホット
キャリア現象が生じ、ホットエレクトロンが発生する。
しかしながら、接合型電界効果トランジスタにおいては
誘電体膜が存在しないため、MISトランジスタのよう
にホットエレクトロンの誘電体膜へのトラップによるト
ランジスタ特性の劣化といった問題は発生しない。した
がって、トランジスタのゲート長の縮小化を図ることが
でき、高集積化が可能になる。
【0015】また、この発明のショットキ接合型電界効
果トランジスタは、シリコン基板のチャネルに対するゲ
ート電極に、シリコンと大きく仕事関数が異なるバリウ
ムを用いることから、一般の接合型電界効果トランジス
タおよび従来のPt(白金)を用いるたショットキ接合
型電界効果トランジスタのような、プラス電位とマイナ
ス電位の2つの電源を必要とし、回路構成を複雑にさせ
るという問題を生じさせずに、微細化を図ることができ
る。
【0016】
【実施例】実施例1.図1は、この発明の実施例1によ
るショットキ接合型電界効果トランジスタの断面構造図
である。n型シリコン基板1の主面上にp型不純物拡散
層2が形成されている。p型不純物拡散層2の中央部の
シリコン基板1主面上にバリウムからなるゲート電極3
が配置されている。ここで、ゲート電極3の下層に位置
するp型不純物拡散層2の領域がチャネル領域2b、そ
の両側のp型不純物拡散層2の領域がそれぞれソース電
極2a、ドレイン電極2cとなる。以上がこの発明のシ
ョットキ接合型電界効果トランジスタの構造で、ゲート
電極3の材料が白金からバリウムに変わった以外はまっ
たく従来と同様である。この発明のショットキ接合型電
界効果トランジスタは、図1に示したpチャネル型のみ
でnチャネル型は有り得ない。
【0017】図2は、この発明のショットキ接合型電界
効果トランジスタのエネルギバンド図で、以下、図2に
ついて説明する。図2は、バリウムからなるゲート電極
3とp型不純物拡散層2からなるチャネル領域2bの、
接触部分のエネルギバンドを示しており、この部分はい
わゆるショットキバリアダイオードの状態になってい
る。ここで、ショットキバリアダイオードのエネルギ障
壁の高さについて説明する。このエネルギ障壁の高さ
は、すなわち金属と半導体との仕事関数の差φMSであ
り、次式(1)により求まる。
【0018】 φMS=φM−(χ+Eg/2+ψB) (1)
【0019】ここで、φMは金属の仕事関数でバリウム
の場合2.51eV、χはシリコンの電子親和力で4.
15eV、Egはシリコンのバンドギャプエネルギで
1.1eVである。ψBは、真性半導体のフェルミ準位
Eiと不純物半導体のフェルミ準位Efの差であり、実
施例のp型不純物拡散層2の場合0.3eVとすると、
φMS=−2.49eVになる。したがって、接触面に
おける半導体のエネルギバンドは、図2に示すように大
きく下側に曲がる。この大きなエネルギ障壁が得られる
バリウムを用いることが、この発明の特徴である。
【0020】つぎに、従来の白金によるショットキ接合
型電界効果トランジスタのエネルギバンド図と比較して
みる。図10は、従来の白金をゲート電極に用いたショ
ットキ接合型電界効果トランジスタのエネルギバンド図
で、半導体はn型となる。接触面における半導体のエネ
ルギバンドは、図2と比較すると上側に曲がる程度は小
さい。これは、白金の仕事関数φMが5.32eVであ
ることによるもので、n型半導体のψBを−0.3eV
とすると、φMS=0.92eVとなり、したがって、
エネルギ障壁はバリウムに比べ非常に小さくなる。エネ
ルギ障壁の高さは、半導体の電子親和力と金属の仕事関
数との差が、大きいか小さいかによって大まかに知るこ
とができる。なお、白金を半導体に接触させた場合、接
触面における半導体のエネルギバンドはp型半導体であ
っても上側に曲がり、このときのキャリアはホールであ
るから、エネルギ障壁は存在せずショットキ接合になら
ない。一方、バリウムを半導体に接触させた場合は、接
触面における半導体のエネルギバンドはn型半導体であ
っても下側に曲がり、このときのキャリアは電子である
から、エネルギ障壁は存在せずショットキ接合にならな
い。したがって、前述したように本発明のバリウムを用
いたショットキ接合型電界効果トランジスタは、pチャ
ネル型のみでnチャネル型は有り得ないのである。
【0021】つぎに、図1に示したこの発明によるショ
ットキ接合型電界効果トランジスタの動作を説明する。
まずその前に、図9に示した従来の白金をゲート電極に
用いたショットキ接合型電界効果トランジスタの動作を
説明する。図11が、これを説明したチャネル部分のエ
ネルギバンド図(a),(c)と、空乏層の状態を示し
た図(b),(d)である。まず(a),(b)はトラ
ンジスタがONしている状態で、VDは5V,VGはO
Vである。このとき(a)に示すように、金属3と半導
体9の接触面における半導体のエネルギバンドは上側に
曲がっているが、n型の領域は存在するため電子の移動
が可能で電流が流れる。すなわち(b)に示すように、
p型シリコン基板5とn型不純物拡散層9の間の空乏層
4と、ショットキバリア効果によるn型不純物拡散層9
内の空乏層4とは、接触しておらずソース・ドレイン電
極間のn型不純物拡散層9にはチャネルが存在するため
電流が流れる。一方、(c),(d)はトランジスタが
オフしている状態で、VDは(a)と同じ5V,VGは
−5である。このとき(c)に示すように、金属3と半
導体9の接触面における半導体のエネルギバンドは、金
属3へのマイナス電位の印加により大きく上側に曲が
り、n型の領域は存在できなくなる。したがって、電子
が移動する領域が無くなり電流が流れなくなる。すなわ
ち(d)に示すように、p型シリコン基板5とn型不純
物拡散層9の間の空乏層4に、ショットキバリア効果に
よるn型不純物拡散層9内の空乏層4が延びて接触し、
ソース・ドレイン電極間のチャネルがふさがっているた
め電流は流れない。
【0022】従来のショットキ接合型電界効果トランジ
スタの動作は以上のとおりであり、これと対比しなが
ら、この発明のショットキ接合型電界効果トランジスタ
の動作を説明する。図3が、これを説明したチャネル部
分のエネルギバンド図(a),(c)と、空乏層の状態
を示した図(b),(d)である。まず、説明の都合上
(c),(d)のトランジスタがオフしている状態から
始める。この発明のショットキ接合型電界効果トランジ
スタはpチャネル型であるから、オフ状態のとき、VD
は−5V,VGは従来のショットキ接合型電界効果トラ
ンジスタのオン状態の印加電位であるOVである。この
とき、従来のショットキ接合型電界効果トランジスタと
同じ考えに基づけば、金属3と半導体2の接触面におけ
る半導体のエネルギバンドは下側に曲がっているが、キ
ャリアであるホールが移動するためのp型の領域は存在
するはずである。しかし、エネルギ障壁の高さが高いた
め空乏層4が従来のショットキ接合型電界効果トランジ
スタの場合より延びること、さらに、p型領域を深さを
調整することによって、(c)に示すようにp型領域が
存在できないようにする。したがって、ホールが移動す
る領域が無くなり電流が流れなくなる。すなわち、
(d)に示すように、n型シリコン基板1とp型不純物
拡散層2の間の空乏層4に、ショットキバリア効果によ
るp型不純物拡散層2内の空乏層4が接触し、ソース・
ドレイン電極間のチャネルが塞がっている状態である。
つぎに、(a),(b)はトランジスタがオンしている
状態で、VDは−5V,VGは−1.5Vを印加する。
このとき(a)に示すように、金属3と半導体2の接触
面における半導体のエネルギバンドは下側に曲がったま
まであるが、p型の領域が現れるためホールの移動が可
能になり電流が流れる。すなわち、(b)に示すよう
に、n型シリコン基板1とp型不純物拡散層2の間の空
乏層4と、ショットキバリア効果によるp型不純物拡散
層2内の空乏層4とは、接触面しておらずソース・ドレ
イン電極間のp型不純物拡散層2にはチャネルが存在し
ている。
【0023】以上に示した動作を得るには、つぎに示す
条件を満足できるようにチップ構造(p型不純物拡散層
2の深さ、それぞれの不純物拡散層の濃度等)を最適化
しておかなくてはならないことを付け加えておく。図3
(a)、すなわち図1におけるエネルギ障壁(φMS)
は、−2.49eVであるから、VG=−2.49V以
下の電位を印加するとゲートに順方向電流(ゲート電
流)が流れる。しかし、−2.49V以上でもゲート電
流は僅かに流れ、−2.49Vに近づくにしたがってゲ
ート電流は微妙に増加する。許容できるゲート電流値時
のゲート電位(VG)で、必要なだけのドレイン電流を
流すことが可能でかつ、VG=OVのとき(オフ時)の
ドレイン電流が許容値以下ではならない。
【0024】以上のようにこの発明のショットキ接合型
電界効果トランジスタは、ドレイン電位(VD)および
ゲート電位(VG)に同じマイナス電位を印加すればよ
く、従来の接合型電界効果トランジスタおよび、白金を
ゲート電極に用いたショットキ接合型電界効果トランジ
スタのように、プラス電位とマイナス電位の2つの電源
を必要とし、回路構成を複雑にさせるという問題を生じ
させずに、微細化を図ることができる。これは、ゲート
電極にバリウムを用いることによって、ショットキ接合
のエネルギ障壁を高くしたことに起因するものである。
【0025】さらに、この発明のショットキ接合型電界
効果トランジスタの動作説明を確実なものにするため
に、従来のショットキ接合型電界効果トランジスタをこ
の発明のショットキ接合型電界効果トランジスタと同じ
考えに基づいて動作させた場合について説明する。図1
2はこれを示したエネルギバンド図で、(a)がオフ状
態、(b)がオン状態を示す。(a)のオフ状態のと
き、VDは5V、VGはOVである。このとき、この発
明のショットキ接合型電界効果トランジスタと同じ考え
に基づいて、金属3と半導体2の接触面における半導体
のエネルギバンドは上側に曲がっており、キャリアであ
る電子が移動するためのn型の領域は存在しなくなるよ
うに、n型不純物拡散層9の深さを浅くするなどしてチ
ップ構造を設計する。つぎに、(b)に示すトランジス
タがオンしている状態では、VDは5V、VGは0.6
Vを印加している。このとき、金属3と半導体2の接触
面における半導体のエネルギバンドは上側に曲がったま
まであるが、n型の領域が現れるためホールの移動が可
能になり電流が流れる。ここでは、金属3と半導体2の
接触面におけるエネルギ障壁(φMS)が、0.92e
Vと小さいことから、VGは0.6Vと小さな電圧しか
印加できない。しかし、しきい値電圧(エネルギ障壁
(φMS)の値)に非常に近いことからエネルギ障壁が
低くなり、(b)に示すように電子が金属(白金)側に
流れ、ゲート電流を増大させてしまう。すなわち、許容
できるゲート電流値以下のゲート電位(VG)で、かつ
必要なだけのドレイン電流を流すという2つの条件を両
立できない。これは、ショットキ接合のエネルギ障壁が
低いことに起因するものである。
【0026】つぎに、図1に示したこの発明によるショ
ットキ接合型電界効果トランジスタの動作をさらに詳し
く説明する。図3(e)は、図1に示したこの発明によ
るショットキ接合型電界効果トランジスタのVD−ID
特性を示した図で、以下、これに基づいてショットキ接
合型電界効果トランジスタの動作を説明する。図3
(e)を参照して、VGを−1.5Vとした場合のVG
−ID特性において、線形領域αでは図3(b)に示す
ように、n型シリコン基板1とp型不純物拡散層2の間
の空乏層の4がショットキバリア効果によるn型不純物
拡散層2内の空乏層4が接触しておらず、p型不純物拡
散層2中にチャネルが存在する。したがってVDの増加
に伴ってIDがリニアに増加する。一方飽和領域βで
は、図3(d)に示すように高くなったVDによって、
ドレイン側の空乏層4が広がり、n型シリコン基板1と
p型不純物拡散層2の間の空乏層4がショットキバリア
効果によるn型不純物拡散層2内の空乏層4に接触す
る。その結果、IDは空乏層4内のアバランシェ現象に
よって流れる。ここでは、VDを高くしてもその分横方
向に空乏層4が広がり、空乏層4内の電界強度はほぼ一
定に保たれることから、IDはほとんど増加せず飽和傾
向を示す。つぎに、VGを−1.5から高くしていくと
ゲート電極3とドレイン電極2のp型不純物拡散層2間
の電位差が大きくなり、ショットキバリア効果によるn
型不純物拡散層2内の空乏層4がより広がりやすくな
る。したがって、低いVDでこのショットキバリア効果
による空乏層4が、n型シリコン基板1とドレイン電極
2c間の空乏層4に接触するようになる。ゆえに、
(e)に示すように線形領域αと飽和領域βの変曲点が
VGの上昇に伴い低いVDへとシフトする。ここで、V
DSを5V一定としVGを制御することで、図3(b)
に示すようなオン状態(VG=−1.5V,(e)に示
す線形領域αのA点)や(d)に示すようなオフ状態
(VG=OV,(e)に示す飽和領域βのB点)を得る
ことができる。
【0027】以上のように、この発明のショットキ接合
型電界効果トランジスタにおいても、トランジスタがオ
ンからオフ、オフからオンに変化する際に、飽和領域β
を通過することからホットキャリア現象が生じ、ホット
エレクトロンが発生する。しかし、接合型電界効果トラ
ンジスタにおいては絶縁膜が存在しないため、MISト
ランジスタのようにホットエレクトロンの絶縁膜へのト
ラップによるトランジスタ特性の劣化といった問題は発
生せず、したがって、トランジスタのゲート長の縮小化
を図ることができる。
【0028】実施例2.図4は、この発明の実施例2に
よるショットキ接合型電界効果トランジスタの断面構造
図である。p型シリコン基板5の主面上にn型不純物拡
散層からなる島20を形成し、この主面上にp型不純物
拡散層2が形成されている。p型不純物拡散層2の中央
部のシリコン基板1主面上にバリウムからなるゲート電
極3が配置されている。ここで、ゲート電極3の下層に
位置するp型不純物拡散層2の領域がチャネル領域2
b、その両側のp型不純物拡散層2の領域がそれぞれソ
ース電極2a、ドレイン電極2cとなる。以上がこの発
明の実施例2によるショットキ接合型電界効果トランジ
スタの構造である。実施例2の特徴は、図4に示すよう
に島20にドレイン電位やゲート電位と同じマイナス電
位(但しp−n接合のVth以下)や場合によってはプ
ラス電位を印加し、この値を調整することで、トランジ
スタのオン状態におけるドレイン電流やしきい値電圧を
制御できることにある。つぎに、動作については、図1
に示した実施例1とまったく同一で同じ効果を奏する。
【0029】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1に係
る接合型電界効果トランジスタは、n型不純物を含むシ
リコン基板と、このシリコン基板主面上の、ソース電極
となる第1の領域と、この第1の領域に隣接配置された
チャネル領域となる第2の領域と、この第2の領域に隣
接配置されたドレイン電極となる第3の領域との3つの
領域からなるp型不純物拡散層と、前記第2の領域(チ
ャネル領域)のp型不純物拡散層表面に接続されたBa
(バリウム)からなるゲート電極とから構成されるの
で、従来のMISトランジスタにあったホットキャリア
現象によるトランジスタ特性劣化の問題、および従来の
接合型電界効果トランジスタにあったプラス電位とマイ
ナス電位の2つの電源を必要とし回路構成を複雑にさせ
るという問題を解消し、容易に微細化、回路の高集積化
を図ることができるという効果を奏する。
【0030】またこの発明の請求項2に係る接合型電界
効果トランジスタは、p型不純物を含むシリコン基板
と、このシリコン基板主面上のn型不純物拡散による島
と、この島上の、ソース電極となる第1の領域と、この
第1の領域に隣接配置されたチャネル領域となる第2の
領域と、この第2の領域に隣接配置されたドレイン電極
となる第3の領域との3つの領域からなるp型不純物拡
散層と、前記第2の領域(チャネル領域)のp型不純物
拡散層表面に接続されたBa(バリウム)からなるゲー
ト電極とから構成されるので、上述した効果の他に、島
20にドレイン電位やゲート電位と同じマイナス電位
(但しp−n接合のVth以下)や場合によってはプラ
ス電位を印加し、この値を調整することで、トランジス
タのオン状態におけるドレイン電流やしきい値電圧を制
御できるという効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す断面図である。
【図2】この発明のショットキ接合型電界効果トランジ
スタのエネルギバンドを示す図である。
【図3】この発明のショットキ接合型電界効果トランジ
スタの動作を説明する図である。
【図4】この発明の実施例2を示す図である。
【図5】従来のDRAMメモリセルの一例を示す断面図
である。
【図6】従来のMISトランジスタを示す断面図であ
る。
【図7】従来のMISトランジスタの動作を説明する図
である。
【図8】従来の接合型電界効果トランジスタを示す断面
図である。
【図9】従来のショットキ接合型電界効果トランジスタ
を示す断面図である。
【図10】従来のショットキ接合型電界効果トランジス
タのエネルギバンドを示す図である。
【図11】従来のショットキ接合型電界効果トランジス
タの動作を説明する図である。
【図12】従来のショットキ接合型電界効果トランジス
タの動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 n型シリコン基板 2 p型不純物拡散層 2a ソース電極 2b チャネル領域 2c ドレイン電極 3 ゲート電極 20 島

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型不純物を含むシリコン基板と、 このシリコン基板主面上の、ソース電極となる第1の領
    域と、この第1の領域に隣接配置されたチャネル領域と
    なる第2の領域と、この第2の領域に隣接配置されたド
    レイン電極となる第3の領域との3つの領域からなるp
    型不純物拡散層と、 前記第2の領域のp型不純物拡散層表面に接続されたB
    a(バリウム)からなるゲート電極と、 から構成されたショットキ接合型電界効果トランジス
    タ。
  2. 【請求項2】 p型不純物を含むシリコン基板と、 このシリコン基板主面上のn型不純物拡散による島と、
    この島上の、ソース電極となる第1の領域と、この第1
    の領域に隣接配置されたチャネル領域となる第2の領域
    と、この第2の領域に隣接配置されたドレイン電極とな
    る第3の領域との3つの領域からなるp型不純物拡散層
    と、 前記第2の領域のp型不純物拡散層表面に接続されたB
    a(バリウム)からなるゲート電極と、 から構成されたショットキ接合型電界効果トランジス
    タ。
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