JPH06138467A - 白色導電膜およびその製造方法 - Google Patents
白色導電膜およびその製造方法Info
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- JPH06138467A JPH06138467A JP29252692A JP29252692A JPH06138467A JP H06138467 A JPH06138467 A JP H06138467A JP 29252692 A JP29252692 A JP 29252692A JP 29252692 A JP29252692 A JP 29252692A JP H06138467 A JPH06138467 A JP H06138467A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光散乱作用及び導電性があり、散乱部材兼用
の電極として使用することができる白色導電膜を提供す
る。 【構成】 酸化インジウムあるいはインジウムを主成分
とし、白色導電膜表面の酸化インジウムの酸素とインジ
ウムの比が０．５〜１．５であり、白色導電膜内部にお
いては酸素とインジウムの比がより小さいことを特徴と
する。
の電極として使用することができる白色導電膜を提供す
る。 【構成】 酸化インジウムあるいはインジウムを主成分
とし、白色導電膜表面の酸化インジウムの酸素とインジ
ウムの比が０．５〜１．５であり、白色導電膜内部にお
いては酸素とインジウムの比がより小さいことを特徴と
する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は白色導電膜、特に反射型
液晶表示装置等における反射電極層として好適に用いる
ことができる白色導電膜に関するものである。
液晶表示装置等における反射電極層として好適に用いる
ことができる白色導電膜に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、反射型液晶表示装置としてツイス
トネマティックタイプの液晶表示装置が用いられてい
る。この液晶表示装置は、ツイストネマティック液晶を
挟んでその両側に、それぞれ偏光板が配置された上部電
極基板と下部電極基板を配置し、電圧印加により液晶の
配向を変化させ、偏光板を通る光を透過または遮断する
ようにしたものである。このような液晶表示装置におい
ては、偏光板を使用しているために光の利用効率が悪
く、表示が暗くなるために下部電極基板側に配置された
偏光板の下側に反射率の大きいＡｌ等の金属を光反射部
材として用いているのが普通である。
トネマティックタイプの液晶表示装置が用いられてい
る。この液晶表示装置は、ツイストネマティック液晶を
挟んでその両側に、それぞれ偏光板が配置された上部電
極基板と下部電極基板を配置し、電圧印加により液晶の
配向を変化させ、偏光板を通る光を透過または遮断する
ようにしたものである。このような液晶表示装置におい
ては、偏光板を使用しているために光の利用効率が悪
く、表示が暗くなるために下部電極基板側に配置された
偏光板の下側に反射率の大きいＡｌ等の金属を光反射部
材として用いているのが普通である。
【０００３】ところで、近年、高分子の３次元ネットワ
ーク中に液晶組成物を充満させた液晶層を有する反射型
液晶表示装置が提案されている。この液晶表示装置で
は、電圧を印加しない状態では液晶の配向がランダムの
ため光が透過せず、電圧を印加すると液晶の配向が揃っ
て光透過性となるもので、偏光板を使用する必要がない
ために、光反射層を基板上に設けることができ、また金
属膜を電極と反射層に兼用することができるので製造プ
ロセス上簡略化を図ることができる。
ーク中に液晶組成物を充満させた液晶層を有する反射型
液晶表示装置が提案されている。この液晶表示装置で
は、電圧を印加しない状態では液晶の配向がランダムの
ため光が透過せず、電圧を印加すると液晶の配向が揃っ
て光透過性となるもので、偏光板を使用する必要がない
ために、光反射層を基板上に設けることができ、また金
属膜を電極と反射層に兼用することができるので製造プ
ロセス上簡略化を図ることができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような液
晶表示装置では光の利用効率が良いため、逆に観察者の
視角や照明の位置によって反射率の高い金属光沢の反射
層により表示画面が見ずらくなってしまうという問題が
あった。また、反射型液晶表示装置に光吸収体を使用す
る場合、現在の高分子３次元ネットワーク中に液晶組成
物を充満した液晶層は、光散乱能力が充分でないため
に、液晶層の膜厚を厚くする必要があり、このように液
晶層の膜厚を厚くすると、液晶表示装置を駆動させるた
めの駆動電圧が高くなってしまうという問題があった。
晶表示装置では光の利用効率が良いため、逆に観察者の
視角や照明の位置によって反射率の高い金属光沢の反射
層により表示画面が見ずらくなってしまうという問題が
あった。また、反射型液晶表示装置に光吸収体を使用す
る場合、現在の高分子３次元ネットワーク中に液晶組成
物を充満した液晶層は、光散乱能力が充分でないため
に、液晶層の膜厚を厚くする必要があり、このように液
晶層の膜厚を厚くすると、液晶表示装置を駆動させるた
めの駆動電圧が高くなってしまうという問題があった。
【０００５】また、チタンホワイト等の白色顔料を反射
型液晶表示装置の光散乱層として用いると、良好な白黒
表示を得ることができるが、導電性がないためＩＴＯ等
の透明導電膜を電極として設ける必要があり、製造工程
が複雑となってしまう。
型液晶表示装置の光散乱層として用いると、良好な白黒
表示を得ることができるが、導電性がないためＩＴＯ等
の透明導電膜を電極として設ける必要があり、製造工程
が複雑となってしまう。
【０００６】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、光散乱作用及び導電性があり、散乱部材兼用の電極
として使用することができる白色導電膜およびその製造
方法を提供することを目的とする。
で、光散乱作用及び導電性があり、散乱部材兼用の電極
として使用することができる白色導電膜およびその製造
方法を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の白色導電膜は、
真空槽内で、インジウムないしインジウム化合物を主成
分とする蒸着源を持ち、必要に応じて酸素ガスないし不
活性ガスを導入し、基板上に酸化インジウムあるいはイ
ンジウムを主成分とする白色導電膜を形成するに際し
て、成膜時の真空度を１×１０-4〜１×１０-3Torrの範
囲に保持し、表面の酸素とインジウムの比が０．５〜
１．５で、膜の内部にいくにしたがって酸素とインジウ
ムの比を小さくしたことを特徴とするものである。
真空槽内で、インジウムないしインジウム化合物を主成
分とする蒸着源を持ち、必要に応じて酸素ガスないし不
活性ガスを導入し、基板上に酸化インジウムあるいはイ
ンジウムを主成分とする白色導電膜を形成するに際し
て、成膜時の真空度を１×１０-4〜１×１０-3Torrの範
囲に保持し、表面の酸素とインジウムの比が０．５〜
１．５で、膜の内部にいくにしたがって酸素とインジウ
ムの比を小さくしたことを特徴とするものである。
【０００８】酸素とインジウムの比が０．５以下である
と導電性は良好であるが、もはや膜表面は金属光沢が強
くなり、散乱（拡散）反射率が低下してしまい、白色と
はならない。また、表面の酸素とインジウムの比が化学
量論比から本発明の製造方法では１．５以下である。ま
た、表面の酸化インジウムの粒子の直径は０．４〜０．
８μｍであり、成膜時の真空度の違いにより表面の粒子
の凹凸に違いが生じ、抵抗率、散乱反射率が変化する。
と導電性は良好であるが、もはや膜表面は金属光沢が強
くなり、散乱（拡散）反射率が低下してしまい、白色と
はならない。また、表面の酸素とインジウムの比が化学
量論比から本発明の製造方法では１．５以下である。ま
た、表面の酸化インジウムの粒子の直径は０．４〜０．
８μｍであり、成膜時の真空度の違いにより表面の粒子
の凹凸に違いが生じ、抵抗率、散乱反射率が変化する。
【０００９】本発明における酸化インジウムあるいはイ
ンジウムを主成分とする白色導電膜の酸素とインジウム
の比は、ＥＳＣＡで、また表面の粒子形状はＳＥＭで測
定することにより得られた。
ンジウムを主成分とする白色導電膜の酸素とインジウム
の比は、ＥＳＣＡで、また表面の粒子形状はＳＥＭで測
定することにより得られた。
【００１０】
【作用】本発明は酸化インジウムあるいはインジウムを
主成分とした膜において、白色導電膜表面の酸化インジ
ウムの粒径と組成比を制御することにより、導電性を有
し、かつ白色である白色導電膜を得ることができる。
主成分とした膜において、白色導電膜表面の酸化インジ
ウムの粒径と組成比を制御することにより、導電性を有
し、かつ白色である白色導電膜を得ることができる。
【００１１】蒸発源としてインジウムまたはインジウム
の化合物を用い、必要に応じて酸素ガスないし不活性ガ
スを導入して白色導電膜を作製する際の真空度を制御す
ることにより、白色導電膜の抵抗率、拡散反射率、色度
が制御できる。また、このような白色導電膜の抵抗率、
拡散反射率、および色度が、白色導電膜を形成する酸化
インジウムの粒径と組成比により変化する。
の化合物を用い、必要に応じて酸素ガスないし不活性ガ
スを導入して白色導電膜を作製する際の真空度を制御す
ることにより、白色導電膜の抵抗率、拡散反射率、色度
が制御できる。また、このような白色導電膜の抵抗率、
拡散反射率、および色度が、白色導電膜を形成する酸化
インジウムの粒径と組成比により変化する。
【００１２】したがって、本発明の白色導電膜を高分子
３次元ネットワーク中に液晶組成物を充満した液晶層を
有する反射型液晶表示装置に適用すれば、散乱部材兼用
の電極として使用することができるので、視認性の低下
を防止し、また製造プロセスの簡略化を図ることが可能
となる。
３次元ネットワーク中に液晶組成物を充満した液晶層を
有する反射型液晶表示装置に適用すれば、散乱部材兼用
の電極として使用することができるので、視認性の低下
を防止し、また製造プロセスの簡略化を図ることが可能
となる。
【００１３】
〔実施例１〕インジウム（Ｉｎ）の粒を蒸発源として蒸
着装置を下記の操作条件で操作して基板（７０５９板ガ
ラス：コーニング社製）上に白色導電膜（膜厚５０００
Å）を成膜した。
着装置を下記の操作条件で操作して基板（７０５９板ガ
ラス：コーニング社製）上に白色導電膜（膜厚５０００
Å）を成膜した。
【００１４】操作条件 成膜真空度…５×１０-4Torr 基板温度 …室温 形成された白色導電膜の抵抗率は１．８×１０-2Ω・ｃ
ｍであった。また６００ｎｍ（Ｒ）、５５０ｎｍ
（Ｇ）、４８０ｎｍ（Ｂ）での拡散反射率／全反射率は
それぞれ０．８８、０．８６、０．８４であった。な
お、拡散反射率／全反射率の測定は島津製作所性ＵＶ−
３６５分光光度計に付属の積分球反射測定装置を用いて
測定した。この白色導電膜をＥＳＣＡにより分析を行っ
たところ、表面の酸素とインジウムの比は１．４であっ
た。さらに白色導電膜の底部についてもＥＳＣＡで分析
したところ、酸素とインジウムの比は０．５であり、抵
抗率は５×１０-3Ω・ｃｍであったが、金属光沢を示し
た。
ｍであった。また６００ｎｍ（Ｒ）、５５０ｎｍ
（Ｇ）、４８０ｎｍ（Ｂ）での拡散反射率／全反射率は
それぞれ０．８８、０．８６、０．８４であった。な
お、拡散反射率／全反射率の測定は島津製作所性ＵＶ−
３６５分光光度計に付属の積分球反射測定装置を用いて
測定した。この白色導電膜をＥＳＣＡにより分析を行っ
たところ、表面の酸素とインジウムの比は１．４であっ
た。さらに白色導電膜の底部についてもＥＳＣＡで分析
したところ、酸素とインジウムの比は０．５であり、抵
抗率は５×１０-3Ω・ｃｍであったが、金属光沢を示し
た。
【００１５】〔比較例１〕実施例１において、成膜真空
度を１×１０-3Torr以外は実施例１と同様にして白色導
電膜を形成した。形成された白色導電膜の抵抗率は５×
１０2 Ω・ｃｍ以上であった。また６００ｎｍ（Ｒ）、
５５０ｎｍ（Ｇ）、４８０ｎｍ（Ｂ）での拡散反射率／
全反射率は、それぞれ０．７０、０．７６、０．８３で
あり、光拡散能は実施例１より少し劣る程度であるが、
導電率は著しく悪化した。
度を１×１０-3Torr以外は実施例１と同様にして白色導
電膜を形成した。形成された白色導電膜の抵抗率は５×
１０2 Ω・ｃｍ以上であった。また６００ｎｍ（Ｒ）、
５５０ｎｍ（Ｇ）、４８０ｎｍ（Ｂ）での拡散反射率／
全反射率は、それぞれ０．７０、０．７６、０．８３で
あり、光拡散能は実施例１より少し劣る程度であるが、
導電率は著しく悪化した。
【００１６】〔比較例２〕実施例１において、成膜真空
度を１×１０-4Torr以外は実施例１と同様にして白色導
電膜を形成した。形成された白色導電膜の抵抗率は１×
１０-5Ω・ｃｍ以上であった。また、６００ｎｍ
（Ｒ）、５５０ｎｍ（Ｇ）、４８０ｎｍ（Ｂ）での拡散
反射率／全反射率は、それぞれ０．５７、０．５９、
０．６１であり、導電率は良好であるが、実施例１に比
べて光拡散能は著しく悪化し、金属光沢を示した。
度を１×１０-4Torr以外は実施例１と同様にして白色導
電膜を形成した。形成された白色導電膜の抵抗率は１×
１０-5Ω・ｃｍ以上であった。また、６００ｎｍ
（Ｒ）、５５０ｎｍ（Ｇ）、４８０ｎｍ（Ｂ）での拡散
反射率／全反射率は、それぞれ０．５７、０．５９、
０．６１であり、導電率は良好であるが、実施例１に比
べて光拡散能は著しく悪化し、金属光沢を示した。
【００１７】
【発明の効果】以上のように本発明は、酸化インジウム
あるいはインジウムを主成分とした膜において、白色導
電膜表面の酸化インジウムの粒径と組成比を制御するこ
とにより、導電性を有し、かつ白色である白色導電膜を
得ることができる。
あるいはインジウムを主成分とした膜において、白色導
電膜表面の酸化インジウムの粒径と組成比を制御するこ
とにより、導電性を有し、かつ白色である白色導電膜を
得ることができる。
【００１８】蒸発源としてインジウムまたはインジウム
の化合物を用い、必要に応じて酸素ガスないし不活性ガ
スを導入して白色導電膜を作製する際の真空度を制御す
ることにより、白色導電膜の抵抗率、拡散反射率、色度
が制御できる。また、このような白色導電膜の抵抗率、
拡散反射率、および色度が白色導電膜を形成する酸化イ
ンジウムの粒径と組成比により変化する。
の化合物を用い、必要に応じて酸素ガスないし不活性ガ
スを導入して白色導電膜を作製する際の真空度を制御す
ることにより、白色導電膜の抵抗率、拡散反射率、色度
が制御できる。また、このような白色導電膜の抵抗率、
拡散反射率、および色度が白色導電膜を形成する酸化イ
ンジウムの粒径と組成比により変化する。
【００１９】したがって、本発明の白色導電膜を高分子
３次元ネットワーク中に液晶組成物を充満した液晶層を
有する反射型液晶表示装置に適用すれば、視認性の低下
を防止し、また製造プロセスの簡略化を図ることが可能
となる。
３次元ネットワーク中に液晶組成物を充満した液晶層を
有する反射型液晶表示装置に適用すれば、視認性の低下
を防止し、また製造プロセスの簡略化を図ることが可能
となる。
Claims (4)
- 【請求項１】 酸化インジウムあるいはインジウムを主
成分とすることを特徴とする白色導電膜。 - 【請求項２】 請求項１記載の白色導電膜において、白
色導電膜表面の酸化インジウムの酸素とインジウムの比
が０．５〜１．５であり、白色導電膜内部においては酸
素とインジウムの比がより小さいことを特徴とする白色
導電膜。 - 【請求項３】 請求項２記載の白色導電膜において、白
色導電膜表面の酸化インジウムの粒子の直径は０．４〜
０．８μｍであることを特徴とする白色導電膜。 - 【請求項４】 真空槽内において、インジウムないしイ
ンジウム化合物を主成分とする蒸着源を用い、成膜時の
真空度を１×１０-4〜１×１０-3Torrとし、基板温度を
室温として成膜したことを特徴とする白色導電膜の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29252692A JP3280090B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 白色導電膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29252692A JP3280090B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 白色導電膜およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06138467A true JPH06138467A (ja) | 1994-05-20 |
| JP3280090B2 JP3280090B2 (ja) | 2002-04-30 |
Family
ID=17782951
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29252692A Expired - Fee Related JP3280090B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | 白色導電膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3280090B2 (ja) |
-
1992
- 1992-10-30 JP JP29252692A patent/JP3280090B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3280090B2 (ja) | 2002-04-30 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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