JPH06138420A - 着色されたプラスチックレンズ - Google Patents

着色されたプラスチックレンズ

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JPH06138420A
JPH06138420A JP4292342A JP29234292A JPH06138420A JP H06138420 A JPH06138420 A JP H06138420A JP 4292342 A JP4292342 A JP 4292342A JP 29234292 A JP29234292 A JP 29234292A JP H06138420 A JPH06138420 A JP H06138420A
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JP
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plastic lens
group
colored plastic
vehicle
colored
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JP4292342A
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English (en)
Inventor
Ichirou Ono
五千郎 小野
Hiroko Toda
裕子 戸田
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 プラスチックレンズを着色する際に、0.3
ミクロン以下の粒子系を有する顔料とビヒクルとからな
る塗料を用いる。 【効果】 透明性、耐候性及び耐光性、カラーバランス
に優れたプラスチックレンズが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顔料を用いて着色され
たプラスチックレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは成形が容易なこ
と、軽くて割れにくいこと、着色により容易に着色が可
能であることなどの特長を持つことから、近年、光学レ
ンズ特に眼鏡用レンズとして広く用いられるようになっ
ている。とりわけ、着色により容易に着色できるという
メリットは、ファッション性、遮光性の点から眼鏡用レ
ンズとして好まれ、眼鏡用プラスチックレンズの70パ
ーセント以上は着色して市場に供されていると言われて
いる。
【0003】こうしたことから、プラスチックレンズを
多種多様な色で均一に大量且つ安定に着色する必要性が
でてきている。従来、プラスチックレンズを着色する際
には、分散染料を界面活性剤と共に水中に分散させて着
色液を調整し、この着色液を加熱した上でプラスチック
レンズを浸漬する、いわゆる浸漬着色方法(浸染法)が
主として用いられている。
【0004】また、上記浸漬着色方法以外の着色方法と
して次のようなものが知られている。例えば特公昭35
−1384号公報には、有機顔料を昇華させプラスチッ
クレンズを着色する方法が、また特開昭56−1533
21号、特開昭56−159376号、特開平1−27
7814号の各公報には昇華性染料を昇華させてプラス
チックレンズを着色する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来行われてきた上記
浸漬着色方法は、着色液中の分散染料濃度、着色助剤
量、着色液の温度、プラスチックレンズ基材の着色性の
ばらつきなどによって色調が大きく変わりやすく、均一
且つ安定した着色プラスチックレンズを大量に得ること
は困難であった。
【0006】また、特開昭56−153321号、特開
昭56−159376号公報における固体着色性染料を
用いた気相着色方法は、ブロック状固形染料を用いるた
め、レンズ面に染料を均一に加熱できない、着色濃度の
調整が難しいといった問題がある。特開平1−2778
14号公報の着色方法では、雰囲気を真空にするといっ
た作業が必要となる。
【0007】こうしたことに加えて、浸漬着色方法や気
相着色方法で着色したプラスチックレンズにおいて、染
料は分子の形でプラスチック表面に位置しているため、
夏の強い日差しの中や冬の雪山で紫外線に当ったり、長
期間使用していると変色したり、色ヌケが生じるといっ
た耐光性や耐候性に問題があった。一方、特公昭35−
1384号公報で用いられている顔料による着色では、
雰囲気を真空にし、処理温度も150℃〜200℃であ
るため、この方法では作業性に問題があり、また処理温
度が高いため、プラスチックレンズ自体が侵されしま
い、プラスチックレンズの光学性能を失う恐れが生じて
しまうという問題点がある。
【0008】本発明は上記したような従来技術の問題点
を解決し、均一且つ安定した着色プラスチックレンズ
を、大量に得るための着色方法を提供することを目的と
する。また、耐光性及び耐候性の良好な着色プラスチッ
クレンズを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、プラスチックレンズ成形物の表面に、
平均粒子径が0.3ミクロン以下の顔料をビヒクルに分
散させた塗料をコーティングすることを特徴とする着色
されたプラスチックレンズを提供する。
【0010】
【作用】本発明によれば、着色されていながら透明性に
優れ、耐光性および耐候性に優れ、カラーバランスの良
い着色されたプラスチックレンズが得られる。本発明に
おいて使用されるビヒクルは、顔料が分散され、レンズ
表面に塗布した後硬化するものであればどのようなもの
でも使用可能であるが、特に、熱可塑性樹脂や熱硬化性
樹脂が好ましく用いられる。
【0011】これらの樹脂を例示すると、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、ポリエチレン、ポリ
カーボネート、ポリスチレン、フェノール樹脂、ポリプ
ロピレン、フッソ樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹
脂、ポリビニルアルコール、セルロース樹脂、アルキ
ド、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリ
エステル、シリコン樹脂等の樹脂が挙げられる。これら
の樹脂は一種でも使用可能であるが、数種を混合した
り、更に共重合体を使用することも可能である。
【0012】これらの樹脂の中で、ポリイソシアネート
とポリオールを主成分とするポリウレタンからなるプラ
イマーをビヒクルとして使用することにより、耐衝撃性
を向上させることができる。さらに、下記の一般式で表
される有機ケイ素化合物又はその加水分解物を使用する
ことにより、プラスチックレンズの耐擦傷性を向上させ
ることができる。
【0013】一般式(I): R1 a 2 b Si(OR3)4-(a+b) (但し、式中、R1 は、官能基又は不飽和2重結合を有
する炭素数4〜14の有機基であり、R2 は、炭素数1
〜6の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基であり、R
3 は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル
基又はアシル基であり、a及びbは、それぞれ0又は1
であり、かつa+bは、1又は2である。)一般式
(I)の化合物のうち、R1 が官能基としてエポキシ基
を有するものについて言うと、例えば、次のものが使用
される。
【0014】(1) 一般式(II):
【0015】
【化1】
【0016】(但し、式中、R4 は、炭素数1〜4のア
ルキル基又はアルコキシアルキル基又はアシル基、 R5
は、炭素数1〜6の炭化水素基又はハロゲン化炭素化水
素基、R6 は、水素またはメチル基、mは2又は3、p
は1〜6、qは0〜2である。)で表わされる化合物。
【0017】(2) 一般式(III):
【0018】
【化2】
【0019】(但し、R7 は、炭素数1〜4のアルキル
基又はアルコキシアルキル基又はアシル基、R8 は、炭
素数1〜4の炭化水素基又はハロゲン化炭素化水素基、
1は2又は3、rは1〜4である。)で表わされる化合
物。上記一般式で表される化合物は、いずれもエポキシ
基を有するので、エポキシシランとも呼ばれる。
【0020】エポキシシランの具体例としては、例え
ば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランな
どが挙げられる。
【0021】また、一般式(I)の化合物のうち、R1
が官能基としてエポキシ基を有するもの以外(a=0の
ものを含む)の例としては、例えば、次のものが使用さ
れる。メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメ
トキシエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、アメノメチルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、フエニルトリメトキシシラ
ン、フエニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエト
キシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメ
トキシシランなどの各種トリアルコキシシラン、トリア
シロキシシランあるいはトリアルコキシアルコキシシラ
ン化合物。
【0022】以上に挙げた一般式(I)の例示化合物
は、いずれもSi原子に結合するOR 3 基が3個ある
(a+b=1)3官能の例であるが、OR3 基が2個あ
る(a+b=2)2官能の相当する化合物ももちろん使
用することができる。2官能の相当する化合物の例とし
ては、ジメチルジメトキシシラン、ジフエニルジメトキ
シシラン、メチルフエニルジメトキシシラン、メチルビ
ニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなど
がある。
【0023】一般式(I)の化合物は、1種で使用して
もよいが、目的に応じて2種以上を混合して使用しても
よい。特に、2官能の化合物を使用するときには、3官
能の化合物と併用することが好ましい。併用した場合に
は、平均で2>a+b>1となる。更に、a+b=0の
4官能の相当する化合物を併用することも可能である。
4官能の相当する化合物の例としては、メチルシリケー
ト、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−
プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、t−ブチ
ルシリケート、sec−ブチルシリケートなどが挙げら
れる。
【0024】一般式(I)の化合物は、そのまま使用し
てもよいが、反応速度を増し、硬化温度を下げる目的で
加水分解物として使用することが望ましい。2〜4官能
の化合物の中で同一官能数の化合物を2種以上を併用す
る場合、或いは異なる官能数の化合物を2種以上を併用
する場合、加水分解後に併用してもよいし、加水分解前
に併用して共加水分解を行なってもよい。加水分解によ
りHOR3 なるアルコールが遊離され、一般式(I)の
化合物は、相当するシラノール:
【0025】
【化3】
【0026】になる。シラノールは、速やかに脱水縮合
が進み、オリゴマーになる。従って、この反応が十分に
進むように、加水分解後、1〜24時間放置(養生)さ
せてもよい。これらの組成物を使用した場合、硬度を上
げるためにゾルを、また、塗布時における流れ性を向上
し硬化膜の平滑性を向上するために、例えば、水、低級
アルコール、アセトン、エーテル、ケトン、エステルな
ど各種の溶媒を使用することが可能である。
【0027】上記したゾルとしては、例えば、酸化亜
鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタニウム、
酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化ベリリウム、酸化ア
ンチモン、酸化タングステン、酸化セリウム、酸化スズ
と酸化タングステンの複合ゾル等の無機微粒子のゾルが
使用可能である。また、これらのゾルは単独で使用する
だけでなく、必要に応じて2種以上を混合して使用する
ことも可能である。
【0028】特に、酸化チタニウム、酸化アンチモン、
酸化タングステン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、
酸化スズを使用した場合には、組成物の屈折率を高くす
ることができ、本発明は、このような高屈折率成分を使
用した際に、特に優れた効果を発揮する。分散媒として
は、水、アルコールその他の有機溶媒が使用される。ゾ
ルには、有機アミンその他の安定剤を添加することが好
ましい。
【0029】ゾルの粒子径は1〜200mμ、特に5〜
100mμのものが好ましい。これより小さいと製造が
困難であり、ゾル自身の安定性も悪く、かつ効果も小さ
い。これより大きいと、コーティング組成物の安定性、
塗膜の透明性、平滑性などが低下する。このようなゾル
は、一部公知であり一部市販品として入手可能である。
【0030】さらに、酸化スズを酸化タングステンと酸
化スズの複合ゾルで被覆した変性ゾル等も使用可能であ
る。この変性ゾルは、「酸化スズ(ゾル)のコロイド粒
子を核に、その周囲を酸化スズ−酸化タングステン複
合体(ゾル)のコロイド粒子が完全に又は不完全に取
り囲んだ、二重構造を持つコロイド粒子」が分散媒中に
コロイド状に分散したものである。核となる酸化スズの
コロイド粒子の粒径は一般に4〜50nmである。周囲を
取り囲む複合体のコロイド粒子の粒径は、一般に2〜
7nmである。核となる酸化スズ粒子は、正に帯電して
いる。そのため、これをそのまま一般式(I)で表され
る成分に混合すると、一般式(I)の分子は−SiO-
+ に由来して、負の電荷を持つので、凝集(ゲル化)す
る。それに対して、複合体粒子は負に帯電している。
そのため、これを一般式(I)と混合しても凝集しな
い。
【0031】酸化スズ−酸化タングステン複合体ゾル
は、一般には、タングステン酸ナトリウム水溶液をイオ
ン交換して製造したタングステン酸水溶液に、スズ酸ナ
トリウム水溶液を室温にて強撹拌下に加えることによっ
て、製造される。複合体ゾルのWO3 /SnO2 の重量比
は一般に0.5 〜100 である。0.5 より小さくても100 よ
り大きくとも、本発明のコーティング組成物を調製して
塗膜を形成したとき、性能の劣った塗膜しか得られな
い。
【0032】変性ゾルは、酸化スズの水性ゾルの“Sn
2 換算で100 重量部”に対して、複合体の水性ゾル
を“WO3 とSnO2 の合計重量換算で2〜100 重量部”
を、室温にて強撹拌下に加えることによって、製造され
る。この場合も、2重量部より少なくとも100 重量部よ
り多くとも、本発明のコーティング組成物を調製して塗
膜を形成したとき、性能の劣った塗膜しか得られない。
変性ゾルの二重構造コロイド粒子の粒径は、一般に4.5
〜60nmである。酸化スズの水性ゾルに複合体の水性
ゾルを混合すると、酸化スズの粒子と複合体の粒子
とは、化学的に結合するものと推定される。そのため、
製造された変性ゾルは安定に存在するものと推定され
る。このような変性ゾル自身は特開平3−217230号に詳
細に記載されているように公知である。
【0033】以上の成分の外に更に必要に応じて例え
ば、塗布される側の基材(成形物)との接着性改良を目
的として、或いはコーティング組成物の安定性を向上さ
せる目的で各種添加剤を併用してもよい。添加剤の例と
してはpH調節剤、粘度調節剤、レベリング剤、つや消
し剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などがある。
【0034】塗布時におけるフローを向上させ、塗膜の
平滑性を向上させて塗膜表面の摩擦係数を低下させる目
的で、各種の界面活性剤をコーティング組成物に併用す
ることも可能であり、とくにジメチルシロキサンとアル
キレンオキシドとのブロックまたはグラフト共重合体、
さらにはフッ素系界面活性剤などが有効である。上記し
た耐擦傷性を向上させる組成物は、耐衝撃性を向上させ
るポリイソシアネートとポリオールを主成分とするプラ
イマーをビヒクルとして使用し、レンズを被覆したあと
塗布することもできる。
【0035】本発明で使用される、ビヒクルに分散させ
る顔料としては、レンズの透明性を損なわないように、
粒子径の小さいものが好ましく用いられる。上記目的か
らすると、粒子径が0.3ミクロン以下の超微粒子顔料
が適しており、特に、0.1ミクロン以下のものが好ま
しい。これらの顔料を例示すると、フタロシアニン系、
アゾ系、キナクリドン系、スレン系、キノフタロン系等
の有機顔料および、カーボンブラック、酸化チタン被覆
雲母、群青、ホワイトカーボン、酸化亜鉛等の無機顔料
が挙げられる。
【0036】本発明で使用されるプラスチックレンズ
は、例えば、ポリメチルメタクリレート及びその共重合
体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリカーボ
ネート、セルロースアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、ポリウレタン樹脂、CR−39の重合体、
または、1種または2種以上のポリイソシアネートと一
種または2種以上のポリオールおよび/または一種また
は二種以上のポリチオールとを含む単量体混合物を重合
して得られるプラスチック基板などである。
【0037】その塗布方法は、刷毛塗り、浸漬、ロール
塗り、スプレー塗装、流し塗り等通常の塗布法を用いる
ことができる。この際、塗布条件は、主としてビヒクル
の性質によって決定される。顔料を含むビヒクルを塗布
したのち、反応を促進し、低温で硬化させるために、下
記のような硬化触媒を用いることができる。
【0038】硬化触媒は、ビヒクル成分を重合させて3
次元網目構造の塗膜を形成させる上で時間を短縮させる
ために、必要に応じ、使用されるもの(但し、コーティ
ング組成物の安定性を存なうものは好ましくない)であ
り、例えば、次のようなものが使用される。 (1) アミン類:モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、イソプロパノールアミン、エチレンジアミン、
イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モルホリ
ン、トリエタノールアミン、ジアミノプロパン、アミノ
エチルエタノールアミン、ジシアンジアミド、トリエチ
レンジアミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール。
【0039】(2) 各種金属錯化合物: 一般式:AlXn 3-n (但し、式中、XはOL(Lは低級アルキル基)、Yは
一般式M1 COCH2 COM2 (M1 、M2 は低級アル
キル基)及びM1 COCH2 COOM2 に由来する配位
子から選ばれる少くとも1つで、nは0又は1又は2で
ある)で示されるアルミニウムキレート化合物。
【0040】特に有用なキレート化合物としては、溶解
性、安定性、触媒硬化の観点から、アルミニウムアセチ
ルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテ
ートモノアセチルアセトネート、アルミニウム−ジ−n
−ブトキシド−モノエチルアセトアセテート、アルミニ
ウム−ジ−iso−プロポキシドーモノメチルアセトア
セテートなどである。
【0041】その外、クロムアセチルアセトネート、チ
タニルアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセト
ネート、鉄(III)アセチルアセトネート、マンガンア
セチルアセトネート、ニッケルアセチルアセトネート、
EDTA、さらには、Al、Fe、Zn、Zr、Tiの
錯化合物。 (3) 金属アルコキシド:アルミニウムトリエトキシ
ド、アルミニウムトリn−プロポキシド、アルミニウム
トリn−ブトキシド、テトラエトキチタン、テトラn−
ブトキシチタン、テトラi−プロポキシチタン。
【0042】(4) 有機金属塩:酢酸ナトリウム、ナフ
テン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オ
クチル酸スズ。 (5) 過塩素酸塩:過塩素酸マグネシウム、過塩素酸ア
ンモニウム。 (6) 有機酸又はその無水物:マロン酸、コハク酸、酒
石酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸、O−フ
タル酸、テレフタル酸、フマル酸、イタコン酸、オキザ
ロ酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、1,2−ジメチルマレイン酸無水物、無水フタル
酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無水ナフタル酸。
【0043】(7) ルイス酸:塩化第二鉄、塩化アルミ
ニウム。 (8) ハロゲン化金属:塩化第一スズ、塩化第二スズ、
臭化スズ、塩化亜鉛、臭化亜鉛、四塩化チタン、臭化チ
タン、臭化タリウム、塩化ゲルマニウム、塩化ハフニウ
ム、塩化鉛、臭化鉛。
【0044】以上の触媒は、単独で使用することなく2
種以上混合して使用してもよい。特にビヒクル成分がエ
ポキシ基を持つときには、エポキシ基の開環重合触媒を
兼ねるものを使用してもよい。とりわけ、アルミニウム
キレート化合物は好ましい触媒の1つである。なお、本
発明の着色されたプラスチックレンズは、必要に応じて
反射防止膜およびその他の被膜を施すことも可能であ
る。
【0045】
【実施例】
(実施例1)ウレタン樹脂系プライマー40gに粒子径
0.06ミクロンである超微粒子顔料MICROPIG
MO BLACK AM−BK2(オリエント化学(株)
の商品名)を4g分散させた。この分散液を、NL70
((株)ニコン製)レンズの凹面にスピンコートを用いて
塗布および硬化を行った。
【0046】その結果、視感透過率82%の均一かつ透
明性が高い着色プラスチックレンズが得られた。また、
このレンズをキセノンフェードメーター(スガ試験機
製、FAL−25AX−XC−E)100時間暴露した
ところ、色差で0.32の良好な結果を示した。得られ
たレンズの分光透過率を測定し、その結果を図1に示し
た。
【0047】図1のグラフ1 示されたように、本発明
により得られた着色されたプラスチックレンズの分光透
過率は可視光域である400nm〜700nmの波長域
に渡ってほぼ平坦になっており、紫から青、緑、黄、
橙、赤に至る各色の光を平均して遮光しているため、通
常のカラーバランスを崩すことなく各色を感じることが
できる。
【0048】(比較例1)ブラウン系の分散染料を界面
活性剤と共に水中に分散させた着色液を加熱し、プラス
チックレンズを約10分浸漬した。その結果、視感度透
過率40%に着色した。
【0049】得られたレンズの分光透過率を測定し、そ
の結果を図1のグラフ2に示した。これよりわかるよう
に、染料を用いて着色されたプラスチックレンズは、長
波長域ほど遮光していないことがわかる。そのため、透
過光は赤く見えてしまう上、光源により色が異なって見
えてしまう。 (実施例2〜3)実施例1と同じ分散液を用いて、NL
III、NLDXII(いずれも(株)ニコン製)レンズの凹
面にスピンコートを用いて塗布および硬化を行った。こ
の結果、いずれのレンズも82%の均一かつ透明性の高
い着色プラスチックレンズが得られた。また、これらの
レンズをキセノンフェードメーター(スガ試験機製、F
AL−25AX−XC−E)100時間暴露したとこ
ろ、それぞれ色差で0.35、0.28の良好な結果を
示した。
【0050】(実施例4)ウレタン樹脂系プライマー8
gをセロソルブアセテート26.5gに溶解し、このビ
ヒクルに粒子径0.28ミクロンの超微粒子顔料CFレ
ッドEX−137(御国色素(株)の商品名)を8g分散
させた。この分散液を、レンズの凹面にスピンコートを
用いて塗布および硬化を行った。
【0051】その結果、視感度透過率60%に均一かつ
透明性が高い着色プラスチックレンズが得られた。ま
た、このレンズをキセノンフェードメーター(スガ試験
機製、FAL−25AX−XC−E)100時間暴露し
たところ、色差で0.24の良好な結果を示した。 (実施例5)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン212.4重量部を仕込んだ容器を10度に保ち、
攪拌しながら0.01規定の塩酸水溶液48.6重量部
を除々に滴下し、滴下後直ちに冷却を止めた。
【0052】得られた加水分解物に粒子径0.06ミク
ロンである超微粒子顔料MICROPIGMO BLA
CK AM−BK2(オリエント化学(株)の商品名)を
20重量部分散させ、コーティング液を得た。市販の屈
折率nd=1.66のポリウレタン系眼鏡レンズを用意
し、これに、浸漬法(引上げ速度10cm/分)で上記
コーティング液を塗布し、100度で2時間加熱処理し
て塗膜を硬化させた。
【0053】その結果、視感度透過率78%に均一かつ
透明性が高い着色プラスチックレンズが得られた。ま
た、このレンズをキセノンフェードメーター(スガ試験
機製、FAL−25AX−XC−E)100時間暴露し
たところ、色差で0.28の良好な結果を示した。ま
た、得られたレンズをスチールウール(ナンバー000
0)で塗膜表面を摩擦し傷付き難さを調べた。その結
果、かなり強く摩擦しても傷つかなかった。
【0054】(比較例2)分散染料KPRD RED
306(三井東圧化学製)を界面活性剤と共に水中に分
散させた着色液を加熱し、プラスチックレンズを約10
分浸漬した。その結果、視感度透過率35%に着色し
た。また、このレンズをキセノンフェードメーター(ス
ガ試験機製、FAL−25AX−XC−E)100時間
暴露したところ、色差で57.7となり変退色が目視で
も明らかであった。
【0055】
【効果】本発明によれば、以下のような特徴を有する着
色されたプラスチックレンズが提供される。 (1)着色されていながら透明性に優れる。 (2)耐候性及び耐光性が良好である。 (3)着色されているとともに耐衝撃性に優れる。 (4)着色されているとともに耐擦傷性に優れる。 (5)カラーバランスに優れる。 (6)光源による色のばらつきが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2で得られたレンズの分光透過
率と比較例で得られたレンズの分光透過率を示した図で
ある。
【主要部分の符号の説明】
1・・・顔料によって着色したレンズの分光透過率曲線
図 2・・・染料によって着色したレンズの分光透過率曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B32B 27/00 Z 7258−4F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックレンズ成形物と、 前記プラスチックレンズ成形物の表面に塗布された、平
    均粒子径が0.3ミクロン以下の顔料をビヒクルに分散
    させてなる塗膜とからなることを特徴とする着色された
    プラスチックレンズ。
  2. 【請求項2】 請求項1の着色されたプラスチックレン
    ズにおいて、 前記ビヒクルが、ポリウレタンからなるプライマーであ
    ることを特徴とする着色されたプラスチックレンズ。
  3. 【請求項3】 請求項1の着色されたプラスチックレン
    ズにおいて、 前記ビヒクルが、一般式 R1 a 2 b Si(OR3)4-(a+b) (但し、式中、 R1 は、官能基又は不飽和2重結合を有する炭素数4〜
    14の有機基であり、 R2 は、炭素数1〜6の炭化水素基又はハロゲン化炭化
    水素基であり、 R3 は、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキ
    ル基又はアシル基であり、 a及びbは、それぞれ0又は1であり、かつa+bは、
    1又は2である。)で表される有機ケイ素化合物または
    その加水分解物であることを特徴とする着色されたプラ
    スチックレンズ。
  4. 【請求項4】 請求項1の着色されたプラスチックレン
    ズにおいて、 前記顔料は、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン
    系、スレン系、キノフタロン系から選ばれる有機顔料で
    あることを特徴とする着色されたプラスチックレンズ。
  5. 【請求項5】 請求項1の着色されたプラスチックレン
    ズにおいて、 前記顔料は、カーボンブラック、酸化チタン被覆雲母、
    群青、ホワイトカーボン、酸化亜鉛から選ばれる無機顔
    料であることを特徴とする着色されたプラスチックレン
    ズ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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