JPH06138417A - 物体識別装置 - Google Patents

物体識別装置

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JPH06138417A
JPH06138417A JP4291565A JP29156592A JPH06138417A JP H06138417 A JPH06138417 A JP H06138417A JP 4291565 A JP4291565 A JP 4291565A JP 29156592 A JP29156592 A JP 29156592A JP H06138417 A JPH06138417 A JP H06138417A
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Yasuhiro Takemura
竹村安弘
Toshiji Takei
武居利治
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Sumitomo Cement Co Ltd
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Sumitomo Cement Co Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials
    • G01N15/10Investigating individual particles
    • G01N15/14Optical investigation techniques, e.g. flow cytometry
    • G01N15/1429Signal processing
    • G01N15/1433Signal processing using image recognition

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  • Immunology (AREA)
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】安価に、高速に不定形物体を識別することがで
きる物体識別装置を提供することを目的とする。 【構成】コヒーレント光源11と、入力物体5及びその
周囲の該入力物体よりも著しく広くない領域に、該コヒ
ーレント光源より出射したコヒーレント光束12を照射
するためのレンズ系と;該コヒーレント光束において、
該入力物体を含む面に対して実質的にフラウンホーファ
ー回折像が得られる面内に配設した、該コヒーレント光
束の光軸を中心として同心円状に区分された複数の半円
或いは円形の受光領域を有する受光手段14と;前記の
各々の受光領域に対応した受光手段の出力を、該物体の
特徴パラメータとして、それらの特徴パラメータを基に
して、該物体の種類を識別する識別判定手段18とから
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液中の白血球細胞
や、癌細胞或いは水中、土中、動物体内等に存在する微
生物、溶液中に析出したタンパク質等の不定形物体の識
別を行なう物体識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、不定形物体の識別装置としては、
1例として白血球細胞の識別装置が提案されている。こ
の識別装置は、染色された白血球と赤血球の混在した顕
微鏡像の中から白血球の核が赤血球と染色濃度が異なる
ことを利用して白血球を捕捉し、デジタル画像処理技術
により、該白血球の核の面積、周囲長、細胞質及び顆粒
領域の面積等を測定し、更に核や細胞質、顆粒の色情報
を加えて特徴パラメータとして、この特徴パラメータに
より論理的に白血球を分類するものである。
【0003】このような識別装置においては、デジタル
画像処理により、その特徴パラメータを取得しているの
で、その演算量が非常に大きく、安価なコンピュータを
用いた装置では、非常に処理速度が遅くなり、十分な処
理速度を得るには、能力の高いコンピュータを用いなく
てはならないために、高価な装置とならざるを得なかっ
た。
【0004】また、細胞核や細胞質、顆粒等の形状に関
するパラメータが曖昧で、更に画像としての入力状態に
も大きく依存するために、認識を行なえないことが多か
った。更に、このような物体を人間が識別する場合、非
常にコントラストの低い模様や構造を特徴とする場合も
多く、デジタル画像処理では、人間と同様の特徴を捉え
られないことが多かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従って、上
記の問題点を解決するためになされたもので、比較的に
安価な半導体レーザや液晶パネル等の光学装置を使用し
て、特徴パラメータを検出でき、そして、処理されるデ
ータ量が飛躍的に縮小されているために、安価に、高速
に不定形物体を識別することができる物体識別装置を提
供することを目的とする。更に、本発明は、デジタル画
像処理のように、二値化を行なわないので、容易に特定
方向の形状に大きく依存しないパラメータが複数取得で
きるために、物体の形状やコントラスト等の染色状態に
影響されなく、安定な識別を行なうことができる物体識
別装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の技術的
な課題の解決のためになされたもので、識別すべき入力
物体の位置捕捉手段と、前記位置捕捉手段により位置を
捕捉した該入力物体の種類を判別する判別手段とからな
る物体識別装置において;前記判別手段は、少なくとも
コヒーレント光源と、該入力物体及びその周囲の該入力
物体よりも著しく広くない領域に、該コヒーレント光源
より出射したコヒーレント光束を照射するためのレンズ
系と、該コヒーレント光束において、該入力物体を含む
面に対して実質的にフラウンホーファー回折像が得られ
る面内に配設した、該コヒーレント光束の光軸を中心と
して同心円状に区分された複数の半円或いは円形の受光
領域を有する受光手段と、前記の各々の受光領域に対応
した受光手段の出力を、該物体の特徴パラメータとし
て、それらの特徴パラメータを基にして、該物体の種類
を識別する識別判定手段とからなることを特徴とする前
記物体識別装置を提供する。
【0007】また、そのレンズ系は、入力物体を拡大観
察或いは捕捉するための対物レンズを兼用するものが好
適である。更に、そのコヒーレント光束は、前記対物レ
ンズを通して入力物体に集束照射し、該入力物体を透過
した該コヒーレント光束を受光する前記受光領域を該入
力物体から一定距離以上離れた位置に配置したものが好
適である。
【0008】そして、更に、その識別すべき入力物体の
位置捕捉手段と、位置捕捉手段により位置を捕捉した該
入力物体の種類を判別する判別手段とからなる物体識別
装置において;判別手段は、少なくとも、入力物体を等
倍或いは拡大或いは縮小して結像する結像光学系と、結
像光学系により得られた像を撮像する撮像手段と、撮像
手段により得られた像をコヒーレントに表示する画像表
示手段と、コヒーレント光源と、画像表示手段に表示さ
れた該入力物体及びその周囲の入力物体よりも著しく広
くない領域に、コヒーレント光源より出射したコヒーレ
ント光束を照射するためのレンズ系と、コヒーレント光
束において、該画像表示手段を含む面に対して実質的に
フラウンホーファー回折像が得られる面内に配設した、
コヒーレント光束の光軸を中心として同心円状に区分さ
れた複数の半円或いは円形の受光領域を有する受光手段
と、各々の受光領域に対応した受光手段の出力を、物体
の特徴パラメータとして、それらの特徴パラメータを基
にして、物体の種類を識別する識別判定手段とからなる
ことを特徴とする前記物体識別装置を提供する。また、
撮像手段と画像表示手段との間に、撮像手段により取得
された画像に対してコントラスト改善及び濃度反転等を
実質的に実時間で行なう濃度変換手段を設けたものが好
適である。そして、その識別判定手段は、特徴パラメー
タを入力データとし、各判定カテゴリーに対する判定値
を出力値としたニューラルネットワークにより判定を行
なう識別判定手段であるものが好適である。
【0009】更に、識別判定手段は、特徴パラメータを
入力データとし、それらの複数のサンプルに対する各パ
ラメータの平均値を求め、各々の判定カテゴリーの各パ
ラメータの特徴量とその平均値との差を変数とし、各々
その差が正の領域で単調非減少、負の領域で単調非増加
な関数、或いは各々、その差が正の領域で単調非増加、
負の領域で単調非減少の関数を作成し、判定カテゴリー
内の各入力特徴パラメータの特徴量における前記関数の
出力値の各々の該関数が前者の場合は、最小値、該関数
が後者の場合は最大値に基づいて判定を行なう識別判定
手段であるものが好適である。
【0010】また、識別判定手段は、関数の平均的勾配
を特徴パラメータの複数のサンプルに対する各パラメー
タの値のバラツキの程度を基にして決める識別判定手段
であるものが好適である。また、識別判定手段は、関数
パラメータに対する各カテゴリーの関数の出力値を入力
データとし、各カテゴリーに対する判定値を出力値とし
たニューラルネットワークにより判定を行なう識別判定
手段であるものが好適である。更に、その識別判定手段
は、特徴パラメータに対する関数の出力値の最小値或い
は最大値と、各パラメータに対する各カテゴリーの関数
の出力値を入力データとしたニューラルネットワークの
判定出力との組合わせで判定を行なう識別判定手段であ
るものが好適である。
【0011】
【作用】上記のような本発明の物体識別装置の構成によ
り、コヒーレント光源から出射されたコヒーレント光束
は、レンズ系を通って、識別したい入力物体に入射す
る。この時、このコヒーレント光束は、その入力物体に
より空間的に複素振幅分布を変調され、透過或いは反射
して、その入力物体を出射する。出射したコヒーレント
光束は、この入力物体から十分遠い位置において、実質
的に入力物体を含む照射パターンのフラウンホーファー
回折像を観察することができる。
【0012】この十分遠い位置とは、入力物体の大きさ
即ち、入力物体を含む光束径により決まり、この径が1
0μm程度であれば、数mm程度の距離となる。また、
この径が数mm程度以上となると、この距離は数m以上
になるので、レンズを用いて集光することにより、実質
的にフラウンホーファー回折像を得る位置をレンズの焦
点面の位置まで近づけることができる。このフラウンホ
ーファー回折像が観察できる面を光学的フーリエ変換面
と呼び、この光学的フーリエ変換面では、光束の強度分
布は、入力物体を出射した直後の光束の複素振幅分布に
対する強度スペクトル分布となっており、その光軸を中
心とする同心円状の複数の受光領域を有する受光手段に
より、各々の受光領域の光量に基づいた出力を得ること
により、各々の出力は、入力物体の構造の空間周波数成
分に応じた出力となる。これらの出力を得るために必要
な時間は、光束の伝搬時間と受光素子及びその出力増幅
装置の応答時間のみであるから非常に高速に処理するこ
とができる。
【0013】ここで、これらの物体は、顕微鏡等の光学
的拡大手段を通じて観察及び位置の捕捉を行なうことが
多い。このような場合には、その対物レンズをフーリエ
変換レンズとして用いれば、光学系を簡略化することが
できる。特に、コヒーレント光源を対物レンズに対し
て、入力物体と反対側に設け、出射したコヒーレント光
束が対物レンズを透過して、入力物体上に集束し、その
透過光を入力物体から離れたところで観測すれば、そこ
で入力物体上の光束の複素振幅分布の強度スペクトルパ
ターンを観測することができる。この場合には、著しく
簡単な光学系で、入力物体の特徴パラメータを取得する
ことができる。
【0014】また、上記のような本発明の物体識別装置
の構成により、結像光学系で結像された入力物体の像
は、撮像手段により電気信号に変換されて、画像表示手
段に表示される。このとき、コヒーレント光源から出射
されたコヒーレント光束は、レンズ系を通って、識別し
たい入力物体に入射する。この時、このコヒーレント光
束は、その画像表示手段に表示された入力物体及びその
周囲の背景の像により、空間的に複素振幅分布を変調さ
れ、透過或いは反射して、その画像表示手段を出射す
る。出射したコヒーレント光束は、この画像表示手段か
ら十分遠い位置において、実質的に入力物体を含む照射
パターンのフラウンホーファー回折像を観察することが
できる。この十分遠い位置とは、前述のように、画像表
示手段上の入力物体の大きさ、即ち、入力物体を含む光
束径によって決まり、この径が10μm程度であれば、
数mm程度の距離となる。また、この径が数mm程度以
上になると、この距離は数m以上になるので、レンズを
用いて集光することにより、実質的にフラウンホーファ
ー回折像が形成する位置をレンズの焦点面の位置まで近
づけることができる。
【0015】このフラウンホーファー回折像が観察でき
る面、即ち光学的フーリエ変換面では、光束の強度分布
は、画像表示手段を出射した直後の光束の複素振幅分布
に対する強度スペクトル分布となっており、上記で説明
したと同様に、その光軸を中心とする同心円状の複数の
受光領域を有する受光手段により、各々の受光領域の光
量に基づいて出力を得ることにより、それぞれの出力
は、入力物体の構造の空間周波数成分に応じた出力とな
る。これらの出力を得るために必要な時間は、撮像及び
表示にかかる時間と光束の伝搬時間と受光素子及びその
出力増幅装置の応答時間のみであるから、非常に高速処
理が可能になる。
【0016】更に、前記の撮像手段により得られた画像
信号は、濃度変換手段により、重要な部分の濃度分布を
引き延ばし、更に、判断すべき特徴を有する画像が背景
よりも濃度の大きい画像である場合には、濃度反転を行
なうと、その光学的フーリエ変換面におけるフーリエ変
換像に含まれる入力物体に関する信号の割合は、飛躍的
に向上する。
【0017】入力不定形物体は、形そのものは不定で
も、その構造状の空間周波数分布には一定の特徴を有す
ることが多いため、これらの受光領域からの出力を特徴
パラメータとして用いることができる。特に、この受光
領域を細かく分割すれば、特徴パラメータが多くなり、
特に識別判定に寄与するパラメータを選択して用いるこ
とができる。
【0018】また、入力物体に光束を直接照射している
ために、濃度分布としては非常にコントラストの低い特
徴でも、位相分布としてフーリエ変換され、受光領域上
の強度スペクトル分布に確実に反映される。従って、よ
り多くの特徴を安定的に利用することができる。
【0019】これらの特徴パラメータは、ニューラルネ
ットワーク等を用いた学習型の識別判別装置を用いるこ
とにより、更に容易に且つ有効に判定される。ニューラ
ルネットワークでは、学習により、各々のカテゴリーの
判定に対する寄与度の大きいパラメータの判定基準への
重み付けを大きくし、寄与度の小さいパラメータの判定
基準への重み付けを小さくする。更に、特徴の類似した
複数のカテゴリーがある場合には、それらの特徴の差の
ある部分を特に強調して判定するので、とくに特徴パラ
メータ数が多い場合には人力ではほとんど不可能な判定
基準の作成も容易に行なうことができる。
【0020】また、これらの特徴パラメータについて、
複数のサンプルに対して各パラメータの平均値及びバラ
ツキの程度を基にして各々の判定カテゴリーの各パラメ
ータに対するファジー集合を作成することができる。こ
のファジー集合が凸のファジー集合であれば、入力され
た物体の特徴パラメータがこのファジー集合に対して各
々のメンバーシップ値を持ち、このメンバーシップ値
は、各々のパラメータがその平均値に近いほど大きな値
になる。このメンバーシップ値の最小値が最も大きい判
定カテゴリーは、その判定装置の判定結果とすることが
できる。
【0021】更に、このようなメンバーシップ値をニュ
ーラルネットワークに入力とすると、ニューラルネット
ワークでは、各々の入力が判定に寄与する度合いを学習
し、その度合いに基づいて各々のパラメータの重み付け
をすることにより、特徴パラメータ値に大きなバラツキ
があっても、また、特徴パラメータ値がカテゴリー間で
類似していても、各々のカテゴリーの他のカテゴリーと
異なる部分を強調して判定を行なうことができる。
【0022】更に、この場合、学習サンプルと大きく異
なる入力物体に対しても何れかのカテゴリーに属するも
のと判定するのが不都合な場合には、前記各メンバーシ
ップ地の最小値は、ファジー集合を作成するときのサン
プルデータに対して入力データが大きく異なるときに
は、非常に小さい値となるので、この値に対しても同時
に条件をつけることにより、学習サンプルと大きく異な
る未学習入力物体に対して誤った判定を下すことがなく
なる。
【0023】次に、本発明の物体識別装置について更に
詳しく具体的に以下実施例より、説明するが、本発明が
それらによって、制限されるものではない。
【0024】
【実施例1】図1は、本発明の物体識別装置の1実施例
の構成を示す構成図である。識別したい不定形物体は、
それらを取り囲む物質と共に、試料5として試料台4の
上にセットされており、染色処理等により、識別したい
不定形物体は背景と特定の光波長域における透過率が異
なっているものとする。不定形物体の位置捕捉信号観測
陽照明光束1は、レンズa3で集光され、試料台4上の
試料5を照明する。試料5を透過した照明光束1は、レ
ンズb6、ビームスプリッター7、レンズc8を通って
マスク9に到達する。マスク9は、試料上の不定形物体
の大きさに応じた開口を有し、また、その開口は、前記
特定の光波長域に対応した透過率の分散特性を持つもの
とする。
【0025】そこで、試料台4を試料台駆動回路16に
より矢印A或いは矢印Bの方向に動かすと、識別したい
不定形物体がマスクの開口内に入ったときのみ、検出回
路15にそのことを示す信号を得ることができ、不定形
物体が試料台上の特定位置にあることを知ることができ
る。即ち、ここでは、照明光束1、試料台4、試料台駆
動装置16、マスク9、フォトディテクタ10、検出回
路15等により、不定形物体の位置捕捉手段が構成され
ている。尚、これは、位置検出及び捕捉手段の一例であ
り、不定形物体の性質に応じて様々な具体例が考えられ
る。
【0026】上記のように、不定形物体の位置が捕捉で
きたとする。次に、半導体レーザ11から出射したコヒ
ーレント光束12は、レンズd13を通って略平行光束
となり、ビームスプリッター7で反射されて、レンズb
6を通り、試料5上に焦点を結ぶ収束光束となり、試料
5に入射する。このとき、入射したコヒーレント光束1
2が、捕捉された不定形物体に照射されるように、試料
台16が駆動される。最も簡単には、図1に示すよう
に、位置検出光学系とコヒーレント光束12の光学系が
併用されていれば、検出回路15において不定形物体が
検出された瞬間に試料台の駆動を停止すれば、コヒーレ
ント光束12は、試料5上の不定形物質に入射すること
になる。
【0027】なお、試料5上におけるコヒーレント光束
12の光束径は、レンズb6を通過したときのコヒーレ
ント光束12の光束径とレンズb6の焦点距離との比率
及びコヒーレント光束の波長とで決まる。不定形物体の
大きさが小さく、試料5上の光束径を小さくしたい場合
には、レンズb6の焦点距離に対してコヒーレント光束
12のレンズb6における光束径を大きくする必要があ
る。前記のように、不定形物体の大きさが小さい(10
μm程度)場合には、コヒーレント光束12は試料5を
出射して数mm〜数十mm伝搬したところでフラウンホ
ーファー領域に達する。従って、その位置に観測手段を
設置すれば、不定形物体を含んだ試料5上のコヒーレン
ト光束12に照射された部分の複素振幅パターンの強度
スペクトルパターンが観察される。従って、試料5を出
射したコヒーレント光束12は、レンズa3でほぼ平行
光束となり、ビームスプリッター2で反射されて、リン
グディテクタ14で受光される。このリングディテクタ
14は、レンズa3の試料台4側にビームスプリッター
を設けてレンズa3を通さずに、出力パターンを観測し
ても良いが、レンズa3を通すことにより、リングディ
テクタの光軸方向の設置位置のズレに対して、強度スペ
クトルパターンの大きさのズレが小さくなる効果があ
る。
【0028】リングディテクタ14は、コヒーレント光
束12の光軸を中心とした同心の輪帯状フォトダイオー
ドがその半径方向に並んだもので、その素子数は、8〜
128程度が適当である。この数が過小の場合には、特
徴量情報の不足をもたらし、過大の場合には、識別判定
演算速度が遅くなる。また、この輪帯状フォトダイオー
ドは、入力パターンに位相分布がない場合、そのフラウ
ンホーファー回折パターンが点対称パターンであるた
め、半円状でも構わない。
【0029】このリングディテクタ14で受光された光
量に基づく信号は、通常電流信号であり、検出回路17
により、電流電圧変換されると共に、観測に十分なレベ
ルに増幅される。例えば、図2のリングディテクタの受
光領域を示す説明図に示すように、リングディテクタを
受光領域14aから受光領域14hまでの8分割のリン
グディテクタとすれば、検出回路17を経て、各々の分
割領域の出力に対応するx1からx8までの8つの信号
(特徴パラメータ)を要素とする特徴量ベクトルX(本
明細書において、大文字Xはベクトル表示を示すものと
する。以下同様)が得られる。これらの特徴パラメータ
を、識別判定装置18に入力し、入力された不定形物体
がどのカテゴリーに属するかの判定を行なう。この判定
は、各々のカテゴリーの不定形物体の特徴パラメータが
どのような範囲の値を示すかをあらかじめ実験で調べて
おくことにより、それらの範囲が複数のカテゴリー間
で、全てのパラメータ(即ちリングディテクタ14の各
輪帯の部分からの出力)について、重なることがない限
りは、入力不定形物体の各パラメータの値があらかじめ
調べた範囲内に入るか否かの二値論理の組合わせから行
なうことができる。従って、識別判定装置18は、通常
のノイマン型コンピュータを用いてソフトウエアにより
判定機能を実現することができるし、同様の機能を電子
回路によりハードウエアにより実現することも容易にで
きる。
【0030】尚、本実施例においては、コヒーレント光
束を試料に集束照射しているが、試料となる不定形物体
が拡大観察を必要としない大きさの場合には、コヒーレ
ント光束をほぼ平行光の状態で照射し、不定形物体を通
過した後、レンズにより集束させて、その集束点にリン
グディテクタを配置しても良いことは勿論である。
【0031】
【実施例2】図5は、本発明の物体識別装置の他の実施
例の構成を示す構成図である。実施例1と同様に、識別
したい不定形物体は、それらを取り囲む物質と共に、試
料5として試料台4の上にセットされており、染色処理
等により、識別したい不定形物体は背景と特定の光波長
域における透過率が異なっているものとする。照明光束
1は、レンズa3で集光され、試料台4上の試料5を照
明する。試料を透過した照明光束1は、レンズb6、レ
ンズc8を通って、CCD50に到達し、試料5が結像
される。即ち、レンズb6とレンズc8とで結像光学系
を作っており、例えば、識別したい不定形物体が比較的
小さい物体である場合には、この光学系は、顕微鏡をそ
のまま用いたものでも構わない。
【0032】CCD50は、少なくとも前記特定の波長
に対して感度を持つものとし、その画面内の特定の位置
に、不定形物体を示す濃度値が現れたときに、検出回路
51により、それが認識されるようにしておく、そこ
で、試料台4を試料台駆動回路16により矢印A或いは
矢印Bの方向に動かすと、識別したい不定形物体の像が
CCD50の特定位置に入ったときのみ検出回路51に
そのことを示す信号を得ることができ、不定形物体が試
料台上の特定の位置にあることを知ることができる。即
ち、ここでは、照明光束1、レンズa3、試料台4、試
料台駆動装置16、レンズb6、レンズc8、CCD5
0、検出回路51により、不定形物体の位置捕捉手段が
構成されている。尚、これは、位置検出及び捕捉手段の
一例であって、不定形物体の性質に応じて様々な具体例
が考えられる。
【0033】前記で説明したように、不定形物体の位置
が捕捉することができたとする。次に、その不定形物体
の像は、周囲の背景の像と共に、検出回路51内に設け
られた液晶パネル駆動回路を通して液晶パネル55に表
示される。このとき用いる液晶パネルは、液晶テレビや
液晶プロジェクタ等に用いられるのと同等のモノクロ液
晶パネルで良い。但し、コントラスト及び表示速度の観
点から、アクテイブマトリックス型の液晶パネルが望ま
しい。そこで、半導体レーザ52から出射したコヒーレ
ント光束53は、レンズe54を通ってほぼ平行光束と
なり、液晶パネル55に入射する。この時、入射したコ
ヒーレント光束53が、補捉された不定形物体の像に照
射されるように試料台16が駆動される。最も簡単に
は、CCD50の画面中央に不定形物体が存在するとき
に、検出回路51において検出信号を出し、その瞬間に
試料台の駆動を停止すれば、コヒーレント光束53は、
液晶パネル55上で、試料5上の不定形物体像に入射す
ることになる。
【0034】前記に説明したように、液晶パネル55上
の不定形物体の大きさが小さい(10μm程度)場合に
は、コヒーレント光束53は、試料5を出射して数mm
〜数十mm伝搬したところで、フラウンホーファー領域
に達する。従って、試料5に入射するコヒーレント光束
を集束光束として、フラウンホーファー領域に達した位
置に観測手段を設置すれば、不定形物体を含んだ液晶パ
ネル上のコヒーレント光束53に照射された部分の複素
振幅パターンの強度スペクトルパターンが観察される。
従って、液晶パネル55を出射したコヒーレント光束5
3により、レンズf56を用いずとも、不定形物体の強
度スペクトルパターンをリングディテクタ14で受光す
ることができる。但し、現状では、そのように小さい画
像を表示できるほど解像度の高いマトリックス型液晶パ
ネルは存在しておらず、通常の液晶パネルでは、不定形
物体が小さい場合は、それを拡大結像して、数mm程度
の大きさに表示する方が適当である。この場合には、前
記の説明のように、コヒーレント光束53は、ほぼ平行
光束として液晶パネル55に入射させ、出射光をレンズ
f56により集光して、その集光点にリングディテクタ
14を置く。そうすると、前記のように、この集光点
は、液晶パネルに対して、フラウンホーファー領域とみ
なすことができる。
【0035】リングディテクタ14は、実施例1におけ
ると同様に、コヒーレント光束53の光軸を中心とした
同心の輪帯状フォトダイオードがその半径方向に並んだ
もので、その素子数は、8〜128程度が適当である。
この数が過小の場合には、特徴量情報の不足をもたら
し、過大の場合には、識別判定演算速度が遅くなる。ま
た、この輪帯状フォトダイオードは、入力パターンが強
度分布のみで表されている場合には、フラウンホーファ
ー回折パターンが点対称パターンであるために、半円状
でも良い。
【0036】このリングディテクタ14で受光した光量
に基づく信号の処理に関しては、実施例1での処理と同
様であるので、ここでは、省略する。
【0037】ところで、対象となる不定形物体の像は、
コントラストが低かったり、その特徴を含む部分の濃度
が背景の濃度よりも高かったりする場合がある。そこ
で、CCD50と検出回路15との間に、入力映像信号
のAD変換器及びAD変換された映像デジタルデータを
濃度変換するルックアップテーブル、濃度変換されたデ
ータをDA変換するDA変換器からなる濃度変換手段を
設けると効果的である。この場合のルックアップテーブ
ルは、不定形物体の特徴を表す部分の濃度分布を広げ、
これが背景よりも濃度が高い場合には、反転するように
設定することが特に効果的である。
【0038】
【実施例3】本実施例においては、リングディテクタ等
により特徴データを取得するところまでは、実施例1或
いは2と同様であるので、識別判定装置18による判定
に関する部分のみを説明する。
【0039】識別判定装置18による判定は、その識別
したい不定形物体のカテゴリーの分布により、実施例1
に示すように論理的に判定することができる場合もある
が、複数のカテゴリーにおいて、その全ての特徴パラメ
ータの取り得る範囲が確率的に重なりを有するような場
合は、単層ないし多層パーセプトロンに代表される階層
型ニューラルネットワークを用いて判定を行なうことが
有効である。即ち、このような階層型ニューラルネット
ワークにおいては、各カテゴリーの入力不定形物体の特
徴パラメータ(特徴量ベクトル)とそのときのカテゴリ
ーを示す所望の出力の提示を多数の入力不定形物体につ
いて行なうことにより、そのニューラルネットワークが
入力不定形物体に相応しいカテゴリーを示す出力を行な
うようにネットワーク内の結線荷重値が組織化されるの
で、二値論理の組合わせのみでは完全に分離することが
できないようなカテゴリーも判定可能となる。
【0040】従って、識別判定装置18は、既知のニュ
ーラルネットワーク装置によっても構成可能である。そ
の場合のニューラルネットワークの構成は、ハードウエ
アによるものでも、ソフトウエアによるものでも構わな
い。また、学習アルゴリズムも特に限定する必要はな
く、例えば、3層以上の多層パーセプトロン構造の場合
には、良く知られた一般化デルタルールに基づいた誤差
逆転伝搬法等でも、所定の結果を得ることができる。
【0041】
【実施例4】本実施例では、リングディテクタ等により
特徴データを取得するところまでは、実施例1或いは2
と同様なので、識別判定装置18による判定に関する部
分のみを説明する。
【0042】識別判定装置18は、ニューラルネットワ
ークを用いずとも、例えばファジー論理的な演算装置に
よっても実現可能である。このことを、図3のファジー
論理的判定の説明図を用いて説明する。図3では、説明
を簡単にするために、カテゴリーは2つとし、パラメー
タは8つとしているが、説明のためのみ、x1、x2、x
8のみを図示している。例えば、入力不定形物体の分類
として、カテゴリー1とカテゴリー2の2つのカテゴリ
ーがあるものとし、実験の結果から各々のパラメータx
1からx8の各々のカテゴリーにおける平均値が求められ
たとする。そこで、これらのパラメータの平均値を頂点
とする凸の単調関数(メンバーシップ関数)を考えれ
ば、入力不定形物体における各々のパラメータ値に対す
る各カテゴリーの各関数の出力値が求められる。ここ
で、ある入力不定形物体に対する各パラメータ値は、x
1=a、x2=b、x3=cであるとすると、各々、図3
の破線で示すように、各関数の出力値が求められ、カテ
ゴリー1に関する関数出力の最小値はx2に関する関数
出力で、カテゴリー2に関する関数の最小値はx1に関
する関数出力であるとすれば、入力不定形物体は最小値
が大きいカテゴリー1の属するものと考えることができ
る。
【0043】なお、ここで示したパラメータ数や、関数
の形は1つの例であり、本発明の実施形態を規制するも
のでない。パラメータ数は、より多くすることも可能で
あり、また、関数の形は上に凸でも下に凸でも構わな
い。但し、上に凸の場合には関数出力の最小値が最も大
きいカテゴリーを結論として選択し、下に凸の場合に
は、関数出力の最大値が最も小さいカテゴリーを結論と
して選択する。更に、ここでは、三角形の関数が例示さ
れているが、ピークの周囲に高原部を持つ台形を有する
関数でも良いし、ガウス型関数でも良い。このような演
算装置は、ノイマン型コンピュータを用いても、ハード
ウエアによる演算装置を用いても構成可能である。
【0044】
【実施例5】実施例4では、関数の単調非減少或いは単
調非増加の勾配について、特に規制しなかったが、この
勾配をそのパラメータのバラツキの程度に基づいて設定
することは、更に新しい効果を生む。このバラツキの程
度を端的に表す評価値として、分散値或いは標準偏差が
挙げられる。例えば、これらの値をこの関数の勾配に影
響を与える項の分母に入れることにより、パラメータの
バラツキが大きい程勾配が緩やかになり、元々バラツキ
の大きいパラメータについては、平均値から離れた入力
値に対しても、相対的に平均値に近い評価を与えること
ができるようになる。
【0045】
【実施例6】更に、実施例4及び5の識別判定手段にお
いて、各関数の出力の最小値で判断するのでなく、各パ
ラメータに対する各カテゴリーの各関数の出力を改めて
入力ベクトルとして、単層或いは多層パーセプトロン等
のニューラルネットワークに入力して判定を行なうこと
により、更に新しい利点を得ることができる。即ち、図
4に示すような本発明の一実施例の識別判定手段の構成
では、検出回路17の出力である特徴量ベクトルXの各
要素x1からx8は、各々のカテゴリー及びパラメータに
対応した関数を掛けて、ベクトルXの要素数×カテゴリ
ー数の出力値が得られる。そして、これらを入力とする
パーセプトロンで学習を行なうことにより、その出力が
所望のカテゴリーを示すように結線荷重を決定すること
ができる。
【0046】尚、図4では、fijは、特徴パラメータx
jに対応するカテゴリーiに関する前記関数を示し、W
ijkは、特徴パラメータxjに対応するカテゴリーiに関
する前記関数の出力を単層パーセプトロン型のニューラ
ルネットワークにおいて、カテゴリーkを示す出力層ニ
ューロンに結線する荷重値を示し、Θiは、カテゴリー
iを示す出力層ニューロンへのバイアス入力を示し、F
は、出力層ニューロンの入出力特性を示す単調非減少関
数を示す。但し、Θiは、出力1の1つのバイアスニュ
ーロンとこのニューロンから各出力ニューロンへの結合
荷重値として表しても良い。このような構造において学
習を行なうと、各々の特徴パラメータの中で、特定のカ
テゴリーを強調するものと、逆に特定のカテゴリーを抑
止するものとが現れ、特に、人間の目から見てその特徴
が分かり難いような場合でも、良好な結果を得ることが
できる。このときの学習アルゴリズムは、実施例2と同
様に、特に限定する必要はなく、単層パーセプトロン型
の場合には、良く知られたデルタルールに基づく学習ア
ルゴリズムで良好な結果を得ることができる。
【0047】
【実施例7】また、識別判定手段18は、実施例4又は
5の構成と、実施例3又は6の構成を組合わせると、更
に新しい効果を得ることができる。実施例3又は6の構
成では、各パラメータからの寄与の総和により識別カテ
ゴリーが決定されるために、場合により、多数のパラメ
ータからの寄与が小さいにも関わらず、少数のパラメー
タからの寄与が非常に大きいために間違った判定を下す
こともあり得ないことではない。そこで、実施例4又は
5の構成において、可能性が低いと判定されたカテゴリ
ーをあらかじめ省くことにより、これらの誤りを低減す
ることができる。
【0048】また、逆に、実施例4又は5の構成では、
入力パターンに部分的欠落等があった場合、多数のパラ
メータは正しい反応を示すが、少数のパラメータが低い
反応をしてしまい、そのために正しい判定が得られなく
なる場合があり得る。そこで、これに実施例3又は6の
構成で得られた結果を総合することにより、正しい判定
を行なうことが可能となる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の物体識別
装置により、前記のような効果が得られた。それらをま
とめると、次のような顕著な技術的効果となる。即ち、
第1に、比較的安価な半導体レーザや液晶パネル等の光
学装置により特徴パラメータが検出され、処理されるデ
ータ量が飛躍的に縮小されているために、安価に、高速
な不定形物体の識別を行なうことができる物体識別装置
を提供できた。第2に、デジタル画像処理のように、二
値化を行なっておらず、容易に特定方向の形状に大きく
依存しないパラメータが複数取得できるために、物体の
形状やコントラスト等の染色状態等に影響を受け難い安
定な識別を行なうことができる。第3に、更に、それら
のパラメータのうちから有効なものの寄与を大きくして
判定を行なうことができるので、より一層安定な識別を
行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物体識別装置の1実施例の構成を示す
模式的構成図である。
【図2】リングディテクタの構造を示す構成図である。
【図3】本発明の物体識別装置で利用する各カテゴリー
の各パラメータに対する関数と、判定の手順を示す説明
図である。
【図4】本発明による物体識別装置の構成要素の識別判
定手段の一例を構成するニューラルネットワークの一例
を示す説明図である。
【図5】本発明の物体識別装置の他の実施例の構成を示
す構成図である。
【符号の説明】
1 照明光束 3 レンズa 4 試料台 5 試料 6 レンズb 8 レンズc 9 マスク 10 フォトディ
テクタ 11、52 半導体レー
ザ 12、53 コヒーレン
ト光束 13 レンズd 14 リングディ
テクタ 14a・・・14h 受光領域 15、17、51 検出回路 16 試料台駆動
回路 18 識別判定手
段 50 CCD 54 レンズe 55 液晶パネル 56 レンズf
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】 前記識別判定手段は、前記特徴パラメー
タを入力データとし、各判定カテゴリーに対する判定値
を出力値としたニューラルネットワークにより判定を行
なう識別判定手段であることを特徴とする請求項1〜8
のいずれかに記載の物体識別装置。
【請求項10】 前記識別判定手段は、前記特徴パラメ
ータを入力データとし、それらの複数のサンプルに対す
る各パラメータの平均値を求め、各々の判定カテゴリー
の各パラメータの特徴量とその平均値との差を変数と
し、各々その差が正の領域で単調非減少、負の領域で単
調非増加な関数、或いは各々、その差が正の領域で単調
非増加、負の領域で単調非減少の関数を作成し、判定カ
テゴリー内の各入力特徴パラメータの特徴量における前
記関数の出力値の各々の該関数が前者の場合は、最小
値、該関数が後者の場合は最大値に基づいて判定を行な
う識別判定手段であることを特徴とする請求項1〜8
いずれかに記載の物体識別装置。
【請求項11】 前記識別判定手段は、前記関数の平均
的勾配を前記特徴パラメータの複数のサンプルに対する
各パラメータの値のバラツキの程度を基にして決める識
別判定手段であることを特徴とする請求項10に記載の
物体識別装置。
【請求項12】 前記識別判定手段は、前記特徴パラメ
ータに対する各カテゴリーの前記関数の出力値を入力デ
ータとし、各カテゴリーに対する判定値を出力値とした
ニューラルネットワークにより判定を行なう識別判定手
段であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記
載の物体識別装置。
【請求項13】 前記識別判定手段は、前記特徴パラメ
ータに対する前記関数の出力値の最小値或いは最大値
と、前記各パラメータに対する各カテゴリーの前記関数
の出力値を入力データとしたニューラルネットワークの
判定出力との組合わせで判定を行なう識別判定手段であ
ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の物
体識別装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液中の白血球細胞
や、癌細胞或いは水中、土中、動物体内等に存在する微
生物、溶液中に析出したタンパク質等の不定形物体の識
別を行なう物体識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、不定形物体の識別装置としては、
1例として白血球細胞の識別装置が提案されている。こ
の識別装置は、染色された白血球と赤血球の混在した顕
微鏡像の中から白血球の核が赤血球と染色濃度が異なる
ことを利用して白血球を捕捉し、デジタル画像処理技術
により、該白血球の核の面積、周囲長、細胞質及び顆粒
領域の面積等を測定し、更に核や細胞質、顆粒の色情報
を加えて特徴パラメータとして、この特徴パラメータに
より論理的に白血球を分類するものである。
【0003】このような識別装置においては、デジタル
画像処理により、その特徴パラメータを取得しているの
で、その演算量が非常に大きく、安価なコンピュータを
用いた装置では、非常に処理速度が遅くなり、十分な処
理速度を得るには、能力の高いコンピュータを用いなく
てはならないために、高価な装置とならざるを得なかっ
た。
【0004】また、細胞核や細胞質、顆粒等の形状に関
するパラメータが曖昧で、更に画像としての入力状態に
も大きく依存するために、認識を行なえないことが多か
った。更に、このような物体を人間が識別する場合、非
常にコントラストの低い模様や構造を特徴とする場合も
多く、デジタル画像処理では、人間と同様の特徴を捉え
られないことが多かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従って、上
記の問題点を解決するためになされたもので、比較的に
安価な半導体レーザや液晶パネル等の光学装置を使用し
て、特徴パラメータを検出でき、そして、処理されるデ
ータ量が飛躍的に縮小されているために、安価に、高速
に不定形物体を識別することができる物体識別装置を提
供することを目的とする。更に、本発明は、デジタル画
像処理のように、二値化を行なわないので、容易に特定
方向の形状に大きく依存しないパラメータが複数取得で
きるために、物体の形状やコントラスト等の染色状態に
影響されなく、安定な識別を行なうことができる物体識
別装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の技術的
な課題の解決のためになされたもので、識別すべき入力
物体の位置捕捉手段と、前記位置捕捉手段により位置を
捕捉した該入力物体の種類を判別する判別手段とからな
る物体識別装置において;前記判別手段は、少なくとも
コヒーレント光源と、該入力物体及びその周囲の該入力
物体よりも著しく広くない領域に、該コヒーレント光源
より出射したコヒーレント光束を照射するためのレンズ
系と、該コヒーレント光束において、該入力物体を含む
面に対して実質的にフラウンホーファー回折像が得られ
る面内に配設した、該コヒーレント光束の光軸を中心と
して同心円状に区分された複数の半円或いは円形の受光
領域を有する受光手段と、前記の各々の受光領域に対応
した受光手段の出力を、該物体の特徴パラメータとし
て、それらの特徴パラメータを基にして、該物体の種類
を識別する識別判定手段とからなることを特徴とする前
記物体識別装置を提供する。
【0007】また、そのレンズ系は、入力物体を拡大観
察或いは捕捉するための対物レンズを兼用するものが好
適である。更に、そのコヒーレント光束は、前記対物レ
ンズを通して入力物体に集束照射し、該入力物体を透過
した該コヒーレント光束を受光する前記受光領域を該入
力物体から一定距離以上離れた位置に配置したものが好
適である。
【0008】そして、更に、その識別すべき入力物体の
位置捕捉手段と、位置捕捉手段により位置を捕捉した該
入力物体の種類を判別する判別手段とからなる物体識別
装置において;判別手段は、少なくとも、入力物体を等
倍或いは拡大或いは縮小して結像する結像光学系と、結
像光学系により得られた像を撮像する撮像手段と、撮像
手段により得られた像をコヒーレントに表示する画像表
示手段と、コヒーレント光源と、画像表示手段に表示さ
れた該入力物体及びその周囲の入力物体よりも著しく広
くない領域に、コヒーレント光源より出射したコヒーレ
ント光束を照射するためのレンズ系と、コヒーレント光
束において、該画像表示手段を含む面に対して実質的に
フラウンホーファー回折像が得られる面内に配設した、
コヒーレント光束の光軸を中心として同心円状に区分さ
れた複数の半円或いは円形の受光領域を有する受光手段
と、各々の受光領域に対応した受光手段の出力を、物体
の特徴パラメータとして、それらの特徴パラメータを基
にして、物体の種類を識別する識別判定手段とからなる
ことを特徴とする前記物体識別装置を提供する。また、
撮像手段と画像表示手段との間に、撮像手段により取得
された画像に対してコントラスト改善及び濃度反転等を
実質的に実時間で行なう濃度変換手段を設けたものが好
適である。
【000位置捕捉手段は、少なくとも、入力物体を
2次元に移動する移動手段と、入力物体を結像する第2
の結像光学系と、第2の結像光学系の光路中に配置され
た、特定の波長域の光に対して比較的透過率が高く、そ
の他の波長域に対して比較的透過率が低い波長フィルタ
と、第2の結像光学系の入力物体の結像位置に配設され
たラインセンサとからなり、ラインセンサは、移動手段
の一つの移動方向に一致する方向に、複数の受光素子を
1次元に並べたものであり、入力物体は、その像が、特
定の波長域において、背景と比較して光量が多く或いは
少なくなるような透過率分布、或いは反射率分布を持つ
ように、染色処理をするものが好適である。第2の結像
光学系は、光路を2つ以上に分岐して、その分岐した光
路毎に同一の入力物体像を結像し、波長フィルタは、光
路毎に異なる波長域に対して比較的高い透過率を持つも
のを配設し、ラインセンサを光路毎に、それぞれ移動手
段の同一の移動方向に一致する方向に配設し、各ライン
センサの出力を演算して入力物体の有無及び位置を特定
するものが好適である。また位置捕捉手段は、少なくと
も、入力物体を溶質とした溶液を通し、その通路の幅
が、入力物体の内で最大のものと想定される大きさのも
のと同等で、光束を大きく散乱しない材質により成形さ
れた管よりなるものが好適である。
【0010】その識別判定手段は、特徴パラメータを入
力データとし、各判定カテゴリーに対する判定値を出力
値としたニューラルネットワークにより判定を行なう識
別判定手段であるものが好適である。更に、識別判定手
段は、特徴パラメータを入力データとし、それらの複数
のサンプルに対する各パラメータの平均値を求め、各々
の判定カテゴリーの各パラメータの特徴量とその平均値
との差を変数とし、各々その差が正の領域で単調非減
少、負の領域で単調非増加な関数、或いは各々、その差
が正の領域で単調非増加、負の領域で単調非減少の関数
を作成し、判定カテゴリー内の各入力特徴パラメータの
特徴量における前記関数の出力値の各々の該関数が前者
の場合は、最小値、該関数が後者の場合は最大値に基づ
いて判定を行なう識別判定手段であるものが好適であ
る。
【0011】また、識別判定手段は、関数の平均的勾配
を特徴パラメータの複数のサンプルに対する各パラメー
タの値のバラツキの程度を基にして決める識別判定手段
であるものが好適である。また、識別判定手段は、特徴
パラメータに対する各カテゴリーの関数の出力値を入力
データとし、各カテゴリーに対する判定値を出力値とし
たニューラルネットワークにより判定を行なう識別判定
手段であるものが好適である。更に、その識別判定手段
は、特徴パラメータに対する関数の出力値の最小値或い
は最大値と、各パラメータに対する各カテゴリーの関数
の出力値を入力データとしたニューラルネットワークの
判定出力との組合わせで判定を行なう識別判定手段であ
るものが好適である。
【0012
【作用】上記のような本発明の物体識別装置の構成によ
り、コヒーレント光源から出射されたコヒーレント光束
は、レンズ系を通って、識別したい入力物体に入射す
る。この時、このコヒーレント光束は、その入力物体に
より空間的に複素振幅分布を変調され、透過或いは反射
して、その入力物体を出射する。出射したコヒーレント
光束は、この入力物体から十分遠い位置において、実質
的に入力物体を含む照射パターンのフラウンホーファー
回折像を観察することができる。
【0013】この十分遠い位置とは、入力物体の大きさ
即ち、入力物体を含む光束径により決まり、この径が1
0μm程度であれば、数mm程度の距離となる。また、
この径が数mm程度以上となると、この距離は数m以上
になるので、レンズを用いて集光することにより、実質
的にフラウンホーファー回折像を得る位置をレンズの焦
点面の位置まで近づけることができる。このフラウンホ
ーファー回折像が観察できる面を光学的フーリエ変換面
と呼び、この光学的フーリエ変換面では、光束の強度分
布は、入力物体を出射した直後の光束の複素振幅分布に
対する強度スペクトル分布となっており、その光軸を中
心とする同心円状の複数の受光領域を有する受光手段に
より、各々の受光領域の光量に基づいた出力を得ること
により、各々の出力は、入力物体の構造の空間周波数成
分に応じた出力となる。これらの出力を得るために必要
な時間は、光束の伝搬時間と受光素子及びその出力増幅
装置の応答時間のみであるから非常に高速に処理するこ
とができる。
【0014】ここで、これらの物体は、顕微鏡等の光学
的拡大手段を通じて観察及び位置の捕捉を行なうことが
多い。このような場合には、その対物レンズをフーリエ
変換レンズとして用いれば、光学系を簡略化することが
できる。特に、コヒーレント光源を対物レンズに対し
て、入力物体と反対側に設け、出射したコヒーレント光
束が対物レンズを透過して、入力物体上に集束し、その
透過光を入力物体から離れたところで観測すれば、そこ
で入力物体上の光束の複素振幅分布の強度スペクトルパ
ターンを観測することができる。この場合には、著しく
簡単な光学系で、入力物体の特徴パラメータを取得する
ことができる。
【0015】また、上記のような本発明の物体識別装置
の構成により、結像光学系で結像された入力物体の像
は、撮像手段により電気信号に変換されて、画像表示手
段に表示される。このとき、コヒーレント光源から出射
されたコヒーレント光束は、レンズ系を通って、識別し
たい入力物体に入射する。この時、このコヒーレント光
束は、その画像表示手段に表示された入力物体及びその
周囲の背景の像により、空間的に複素振幅分布を変調さ
れ、透過或いは反射して、その画像表示手段を出射す
る。出射したコヒーレント光束は、この画像表示手段か
ら十分遠い位置において、実質的に入力物体を含む照射
パターンのフラウンホーファー回折像を観察することが
できる。この十分遠い位置とは、前述のように、画像表
示手段上の入力物体の大きさ、即ち、入力物体を含む光
束径によって決まり、この径が10μm程度であれば、
数mm程度の距離となる。また、この径が数mm程度以
上になると、この距離は数m以上になるので、レンズを
用いて集光することにより、実質的にフラウンホーファ
ー回折像が形成する位置をレンズの焦点面の位置まで近
づけることができる。
【0016】このフラウンホーファー回折像が観察でき
る面、即ち光学的フーリエ変換面では、光束の強度分布
は、画像表示手段を出射した直後の光束の複素振幅分布
に対する強度スペクトル分布となっており、上記で説明
したと同様に、その光軸を中心とする同心円状の複数の
受光領域を有する受光手段により、各々の受光領域の光
量に基づいて出力を得ることにより、それぞれの出力
は、入力物体の構造の空間周波数成分に応じた出力とな
る。これらの出力を得るために必要な時間は、撮像及び
表示にかかる時間と光束の伝搬時間と受光素子及びその
出力増幅装置の応答時間のみであるから、非常に高速処
理が可能になる。
【0017】更に、前記の撮像手段により得られた画像
信号は、濃度変換手段により、重要な部分の濃度分布を
引き延ばし、更に、判断すべき特徴を有する画像が背景
よりも濃度の大きい画像である場合には、濃度反転を行
なうと、その光学的フーリエ変換面におけるフーリエ変
換像に含まれる入力物体に関する信号の割合は、飛躍的
に向上する。
【0018ここで、前記位置捕捉手段は、入力物体を
含む試料を2次元に移動する移動手段により、その試料
面上を2次元に走査して、試料内にある入力物体を探す
ことができる。この時、試料面上の物体は、第2の結像
光学系により、移動手段の副走査方向に配置されたライ
ンセンサ上にその像を結像するが、その光束が入力物体
に特有の波長域に対する透過率が高い(或いは低い)波
長フィルタを通ることにより、その入力物体の像の部分
がラインセンサ上にきたときのラインセンサの出力は、
入力物体がないときに比較して変化する。そこで、ライ
ンセンサの特定の位置にその光量の変化した部分が出現
することにより、入力物体の有無を判定すると同時に、
その位置を特定することができる。
【0019さらに、その入力物体と背景の像の光量分
布が、特定の波長域は概ね相似であるが、他の特定の波
長域では大きく異なっているような場合には、この二つ
或いはそれ以上の波長域における光量を一次結合する事
により、より精度良く入力物体のみに対する出力を得る
ことができる。即ち、前記第2の結像光学系の光路を途
中で分岐して、その分岐した光路毎に、入力物体を含む
試料の像を結像し、それぞれの光路に前述の各特定の波
長域に対する波長フィルタを配置し、できた像は、それ
ぞれの光路毎に設けられたラインセンサによって受光さ
れる。そしてラインセンサからの出力を演算することに
より、入力物体が存在する位置において、背景の部分よ
りも大きな出力或いは小さな出力を得ることができ、入
力物体の位置を特定できる。
【0020】入力不定形物体は、形そのものは不定で
も、その構造状の空間周波数分布には一定の特徴を有す
ることが多いため、これらの受光領域からの出力を特徴
パラメータとして用いることができる。特に、この受光
領域を細かく分割すれば、特徴パラメータが多くなり、
特に識別判定に寄与するパラメータを選択して用いるこ
とができる。
【0021】また、入力物体に光束を直接照射している
ために、濃度分布としては非常にコントラストの低い特
徴でも、位相分布としてフーリエ変換され、受光領域上
の強度スペクトル分布に確実に反映される。従って、よ
り多くの特徴を安定的に利用することができる。
【0022】これらの特徴パラメータは、ニューラルネ
ットワーク等を用いた学習型の識別判別装置を用いるこ
とにより、更に容易に且つ有効に判定される。ニューラ
ルネットワークでは、学習により、各々のカテゴリーの
判定に対する寄与度の大きいパラメータの判定基準への
重み付けを大きくし、寄与度の小さいパラメータの判定
基準への重み付けを小さくする。更に、特徴の類似した
複数のカテゴリーがある場合には、それらの特徴の差の
ある部分を特に強調して判定するので、とくに特徴パラ
メータ数が多い場合には人力ではほとんど不可能な判定
基準の作成も容易に行なうことができる。
【0023】また、これらの特徴パラメータについて、
複数のサンプルに対して各パラメータの平均値及びバラ
ツキの程度を基にして各々の判定カテゴリーの各パラメ
ータに対するファジー集合を作成することができる。こ
のファジー集合が凸のファジー集合であれば、入力され
た物体の特徴パラメータがこのファジー集合に対して各
々のメンバーシップ値を持ち、このメンバーシップ値
は、各々のパラメータがその平均値に近いほど大きな値
になる。このメンバーシップ値の最小値が最も大きい判
定カテゴリーは、その判定装置の判定結果とすることが
できる。
【0024】更に、このようなメンバーシップ値をニュ
ーラルネットワークに入力とすると、ニューラルネット
ワークでは、各々の入力が判定に寄与する度合いを学習
し、その度合いに基づいて各々のパラメータの重み付け
をすることにより、特徴パラメータ値に大きなバラツキ
があっても、また、特徴パラメータ値がカテゴリー間で
類似していても、各々のカテゴリーの他のカテゴリーと
異なる部分を強調して判定を行なうことができる。
【0025】更に、この場合、学習サンプルと大きく異
なる入力物体に対しても何れかのカテゴリーに属するも
のと判定するのが不都合な場合には、前記各メンバーシ
ップ地の最小値は、ファジー集合を作成するときのサン
プルデータに対して入力データが大きく異なるときに
は、非常に小さい値となるので、この値に対しても同時
に条件をつけることにより、学習サンプルと大きく異な
る未学習入力物体に対して誤った判定を下すことがなく
なる。
【0026】次に、本発明の物体識別装置について更に
詳しく具体的に以下実施例より、説明するが、本発明が
それらによって、制限されるものではない。
【0027
【実施例1】図1は、本発明の物体識別装置の1実施例
の構成を示す構成図である。識別したい不定形物体は、
それらを取り囲む物質と共に、試料5として試料台4の
上にセットされており、染色処理等により、識別したい
不定形物体は背景と特定の光波長域における透過率が異
なっているものとする。不定形物体の位置捕捉信号観測
陽照明光束1は、レンズa3で集光され、試料台4上の
試料5を照明する。試料5を透過した照明光束1は、レ
ンズb6、ビームスプリッター7、レンズc8を通って
マスク9に到達する。マスク9は、試料上の不定形物体
の大きさに応じた開口を有し、また、その開口は、前記
特定の光波長域に対応した透過率の分散特性を持つもの
とする。
【0028】そこで、試料台4を試料台駆動回路16に
より矢印A或いは矢印Bの方向に動かすと、識別したい
不定形物体がマスクの開口内に入ったときのみ、検出回
路15にそのことを示す信号を得ることができ、不定形
物体が試料台上の特定位置にあることを知ることができ
る。即ち、ここでは、照明光束1、試料台4、試料台駆
動装置16、マスク9、フォトディテクタ10、検出回
路15等により、不定形物体の位置捕捉手段が構成され
ている。尚、これは、位置検出及び捕捉手段の一例であ
り、不定形物体の性質に応じて様々な具体例が考えられ
る。
【0029】上記のように、不定形物体の位置が捕捉で
きたとする。次に、半導体レーザ11から出射したコヒ
ーレント光束12は、レンズd13を通って略平行光束
となり、ビームスプリッター7で反射されて、レンズb
6を通り、試料5上に焦点を結ぶ収束光束となり、試料
5に入射する。このとき、入射したコヒーレント光束1
2が、捕捉された不定形物体に照射されるように、試料
台16が駆動される。最も簡単には、図1に示すよう
に、位置検出光学系とコヒーレント光束12の光学系が
併用されていれば、検出回路15において不定形物体が
検出された瞬間に試料台の駆動を停止すれば、コヒーレ
ント光束12は、試料5上の不定形物質に入射すること
になる。
【0030】なお、試料5上におけるコヒーレント光束
12の光束径は、レンズb6を通過したときのコヒーレ
ント光束12の光束径とレンズb6の焦点距離との比率
及びコヒーレント光束の波長とで決まる。不定形物体の
大きさが小さく、試料5上の光束径を小さくしたい場合
には、レンズb6の焦点距離に対してコヒーレント光束
12のレンズb6における光束径を大きくする必要があ
る。前記のように、不定形物体の大きさが小さい(10
μm程度)場合には、コヒーレント光束12は試料5を
出射して数mm〜数十mm伝搬したところでフラウンホ
ーファー領域に達する。従って、その位置に観測手段を
設置すれば、不定形物体を含んだ試料5上のコヒーレン
ト光束12に照射された部分の複素振幅パターンの強度
スペクトルパターンが観察される。従って、試料5を出
射したコヒーレント光束12は、レンズa3でほぼ平行
光束となり、ビームスプリッター2で反射されて、リン
グディテクタ14で受光される。このリングディテクタ
14は、レンズa3の試料台4側にビームスプリッター
を設けてレンズa3を通さずに、出力パターンを観測し
ても良いが、レンズa3を通すことにより、リングディ
テクタの光軸方向の設置位置のズレに対して、強度スペ
クトルパターンの大きさのズレが小さくなる効果があ
る。
【0031】リングディテクタ14は、コヒーレント光
束12の光軸を中心とした同心の輪帯状フォトダイオー
ドがその半径方向に並んだもので、その素子数は、8〜
128程度が適当である。この数が過小の場合には、特
徴量情報の不足をもたらし、過大の場合には、識別判定
演算速度が遅くなる。また、この輪帯状フォトダイオー
ドは、入力パターンに位相分布がない場合、そのフラウ
ンホーファー回折パターンが点対称パターンであるた
め、半円状でも構わない。
【0032】このリングディテクタ14で受光された光
量に基づく信号は、通常電流信号であり、検出回路17
により、電流電圧変換されると共に、観測に十分なレベ
ルに増幅される。例えば、図2のリングディテクタの受
光領域を示す説明図に示すように、リングディテクタを
受光領域14aから受光領域14hまでの8分割のリン
グディテクタとすれば、検出回路17を経て、各々の分
割領域の出力に対応するx1からx8までの8つの信号
(特徴パラメータ)を要素とする特徴量ベクトルX(本
明細書において、大文字Xはベクトル表示を示すものと
する。以下同様)が得られる。これらの特徴パラメータ
を、識別判定装置18に入力し、入力された不定形物体
がどのカテゴリーに属するかの判定を行なう。この判定
は、各々のカテゴリーの不定形物体の特徴パラメータが
どのような範囲の値を示すかをあらかじめ実験で調べて
おくことにより、それらの範囲が複数のカテゴリー間
で、全てのパラメータ(即ちリングディテクタ14の各
輪帯の部分からの出力)について、重なることがない限
りは、入力不定形物体の各パラメータの値があらかじめ
調べた範囲内に入るか否かの二値論理の組合わせから行
なうことができる。従って、識別判定装置18は、通常
のノイマン型コンピュータを用いてソフトウエアにより
判定機能を実現することができるし、同様の機能を電子
回路によりハードウエアにより実現することも容易にで
きる。
【0033】尚、本実施例においては、コヒーレント光
束を試料に集束照射しているが、試料となる不定形物体
が拡大観察を必要としない大きさの場合には、コヒーレ
ント光束をほぼ平行光の状態で照射し、不定形物体を通
過した後、レンズにより集束させて、その集束点にリン
グディテクタを配置しても良いことは勿論である。
【0034
【実施例2】図5は、本発明の物体識別装置の他の実施
例の構成を示す構成図である。実施例1と同様に、識別
したい不定形物体は、それらを取り囲む物質と共に、試
料5として試料台4の上にセットされており、染色処理
等により、識別したい不定形物体は背景と特定の光波長
域における透過率が異なっているものとする。照明光束
1は、レンズa3で集光され、試料台4上の試料5を照
明する。試料を透過した照明光束1は、レンズb6、レ
ンズc8を通って、CCD50に到達し、試料5が結像
される。即ち、レンズb6とレンズc8とで結像光学系
を作っており、例えば、識別したい不定形物体が比較的
小さい物体である場合には、この光学系は、顕微鏡をそ
のまま用いたものでも構わない。
【0035】CCD50は、少なくとも前記特定の波長
に対して感度を持つものとし、その画面内の特定の位置
に、不定形物体を示す濃度値が現れたときに、検出回路
51により、それが認識されるようにしておく、そこ
で、試料台4を試料台駆動回路16により矢印A或いは
矢印Bの方向に動かすと、識別したい不定形物体の像が
CCD50の特定位置に入ったときのみ検出回路51に
そのことを示す信号を得ることができ、不定形物体が試
料台上の特定の位置にあることを知ることができる。即
ち、ここでは、照明光束1、レンズa3、試料台4、試
料台駆動装置16、レンズb6、レンズc8、CCD5
0、検出回路51により、不定形物体の位置捕捉手段が
構成されている。尚、これは、位置検出及び捕捉手段の
一例であって、不定形物体の性質に応じて様々な具体例
が考えられる。
【0036】前記で説明したように、不定形物体の位置
が捕捉することができたとする。次に、その不定形物体
の像は、周囲の背景の像と共に、検出回路51内に設け
られた液晶パネル駆動回路を通して液晶パネル55に表
示される。このとき用いる液晶パネルは、液晶テレビや
液晶プロジェクタ等に用いられるのと同等のモノクロ液
晶パネルで良い。但し、コントラスト及び表示速度の観
点から、アクテイブマトリックス型の液晶パネルが望ま
しい。そこで、半導体レーザ52から出射したコヒーレ
ント光束53は、レンズe54を通ってほぼ平行光束と
なり、液晶パネル55に入射する。この時、入射したコ
ヒーレント光束53が、補捉された不定形物体の像に照
射されるように試料台16が駆動される。最も簡単に
は、CCD50の画面中央に不定形物体が存在するとき
に、検出回路51において検出信号を出し、その瞬間に
試料台の駆動を停止すれば、コヒーレント光束53は、
液晶パネル55上で、試料5上の不定形物体像に入射す
ることになる。
【0037】前記に説明したように、液晶パネル55上
の不定形物体の大きさが小さい(10μm程度)場合に
は、コヒーレント光束53は、試料5を出射して数mm
〜数十mm伝搬したところで、フラウンホーファー領域
に達する。従って、試料5に入射するコヒーレント光束
を集束光束として、フラウンホーファー領域に達した位
置に観測手段を設置すれば、不定形物体を含んだ液晶パ
ネル上のコヒーレント光束53に照射された部分の複素
振幅パターンの強度スペクトルパターンが観察される。
従って、液晶パネル55を出射したコヒーレント光束5
3により、レンズf56を用いずとも、不定形物体の強
度スペクトルパターンをリングディテクタ14で受光す
ることができる。但し、現状では、そのように小さい画
像を表示できるほど解像度の高いマトリックス型液晶パ
ネルは存在しておらず、通常の液晶パネルでは、不定形
物体が小さい場合は、それを拡大結像して、数mm程度
の大きさに表示する方が適当である。この場合には、前
記の説明のように、コヒーレント光束53は、ほぼ平行
光束として液晶パネル55に入射させ、出射光をレンズ
f56により集光して、その集光点にリングディテクタ
14を置く。そうすると、前記のように、この集光点
は、液晶パネルに対して、フラウンホーファー領域とみ
なすことができる。
【0038】リングディテクタ14は、実施例1におけ
ると同様に、コヒーレント光束53の光軸を中心とした
同心の輪帯状フォトダイオードがその半径方向に並んだ
もので、その素子数は、8〜128程度が適当である。
この数が過小の場合には、特徴量情報の不足をもたら
し、過大の場合には、識別判定演算速度が遅くなる。ま
た、この輪帯状フォトダイオードは、入力パターンが強
度分布のみで表されている場合には、フラウンホーファ
ー回折パターンが点対称パターンであるために、半円状
でも良い。
【0039】このリングディテクタ14で受光した光量
に基づく信号の処理に関しては、実施例1での処理と同
様であるので、ここでは、省略する。
【0040】ところで、対象となる不定形物体の像は、
コントラストが低かったり、その特徴を含む部分の濃度
が背景の濃度よりも高かったりする場合がある。そこ
で、CCD50と検出回路15との間に、入力映像信号
のAD変換器及びAD変換された映像デジタルデータを
濃度変換するルックアップテーブル、濃度変換されたデ
ータをDA変換するDA変換器からなる濃度変換手段を
設けると効果的である。この場合のルックアップテーブ
ルは、不定形物体の特徴を表す部分の濃度分布を広げ、
これが背景よりも濃度が高い場合には、反転するように
設定することが特に効果的である。
【0041
【実施例3】本実施例においては、リングディテクタ等
により特徴データを取得するところまでは、実施例1或
いは2と同様であるので、識別判定装置18による判定
に関する部分のみを説明する。
【0042】識別判定装置18による判定は、その識別
したい不定形物体のカテゴリーの分布により、実施例1
に示すように論理的に判定することができる場合もある
が、複数のカテゴリーにおいて、その全ての特徴パラメ
ータの取り得る範囲が確率的に重なりを有するような場
合は、単層ないし多層パーセプトロンに代表される階層
型ニューラルネットワークを用いて判定を行なうことが
有効である。即ち、このような階層型ニューラルネット
ワークにおいては、各カテゴリーの入力不定形物体の特
徴パラメータ(特徴量ベクトル)とそのときのカテゴリ
ーを示す所望の出力の提示を多数の入力不定形物体につ
いて行なうことにより、そのニューラルネットワークが
入力不定形物体に相応しいカテゴリーを示す出力を行な
うようにネットワーク内の結線荷重値が組織化されるの
で、二値論理の組合わせのみでは完全に分離することが
できないようなカテゴリーも判定可能となる。
【0043】従って、識別判定装置18は、既知のニュ
ーラルネットワーク装置によっても構成可能である。そ
の場合のニューラルネットワークの構成は、ハードウエ
アによるものでも、ソフトウエアによるものでも構わな
い。また、学習アルゴリズムも特に限定する必要はな
く、例えば、3層以上の多層パーセプトロン構造の場合
には、良く知られた一般化デルタルールに基づいた誤差
逆転伝搬法等でも、所定の結果を得ることができる。
【0044
【実施例4】本実施例では、リングディテクタ等により
特徴データを取得するところまでは、実施例1或いは2
と同様なので、識別判定装置18による判定に関する部
分のみを説明する。
【0045】識別判定装置18は、ニューラルネットワ
ークを用いずとも、例えばファジー論理的な演算装置に
よっても実現可能である。このことを、図3のファジー
論理的判定の説明図を用いて説明する。図3では、説明
を簡単にするために、カテゴリーは2つとし、パラメー
タは8つとしているが、説明のためのみ、x1、x2、x
8のみを図示している。例えば、入力不定形物体の分類
として、カテゴリー1とカテゴリー2の2つのカテゴリ
ーがあるものとし、実験の結果から各々のパラメータx
1からx8の各々のカテゴリーにおける平均値が求められ
たとする。そこで、これらのパラメータの平均値を頂点
とする凸の単調関数(メンバーシップ関数)を考えれ
ば、入力不定形物体における各々のパラメータ値に対す
る各カテゴリーの各関数の出力値が求められる。ここ
で、ある入力不定形物体に対する各パラメータ値は、x
1=a、x2=b、x3=cであるとすると、各々、図3
の破線で示すように、各関数の出力値が求められ、カテ
ゴリー1に関する関数出力の最小値はx2に関する関数
出力で、カテゴリー2に関する関数の最小値はx1に関
する関数出力であるとすれば、入力不定形物体は最小値
が大きいカテゴリー1の属するものと考えることができ
る。
【0046】なお、ここで示したパラメータ数や、関数
の形は1つの例であり、本発明の実施形態を規制するも
のでない。パラメータ数は、より多くすることも可能で
あり、また、関数の形は上に凸でも下に凸でも構わな
い。但し、上に凸の場合には関数出力の最小値が最も大
きいカテゴリーを結論として選択し、下に凸の場合に
は、関数出力の最大値が最も小さいカテゴリーを結論と
して選択する。更に、ここでは、三角形の関数が例示さ
れているが、ピークの周囲に高原部を持つ台形を有する
関数でも良いし、ガウス型関数でも良い。このような演
算装置は、ノイマン型コンピュータを用いても、ハード
ウエアによる演算装置を用いても構成可能である。
【0047
【実施例5】実施例4では、関数の単調非減少或いは単
調非増加の勾配について、特に規制しなかったが、この
勾配をそのパラメータのバラツキの程度に基づいて設定
することは、更に新しい効果を生む。このバラツキの程
度を端的に表す評価値として、分散値或いは標準偏差が
挙げられる。例えば、これらの値をこの関数の勾配に影
響を与える項の分母に入れることにより、パラメータの
バラツキが大きい程勾配が緩やかになり、元々バラツキ
の大きいパラメータについては、平均値から離れた入力
値に対しても、相対的に平均値に近い評価を与えること
ができるようになる。
【0048
【実施例6】更に、実施例4及び5の識別判定手段にお
いて、各関数の出力の最小値で判断するのでなく、各パ
ラメータに対する各カテゴリーの各関数の出力を改めて
入力ベクトルとして、単層或いは多層パーセプトロン等
のニューラルネットワークに入力して判定を行なうこと
により、更に新しい利点を得ることができる。即ち、図
4に示すような本発明の一実施例の識別判定手段の構成
では、検出回路17の出力である特徴量ベクトルXの各
要素x1からx8は、各々のカテゴリー及びパラメータに
対応した関数を掛けて、ベクトルXの要素数×カテゴリ
ー数の出力値が得られる。そして、これらを入力とする
パーセプトロンで学習を行なうことにより、その出力が
所望のカテゴリーを示すように結線荷重を決定すること
ができる。
【0049】尚、図4では、fijは、特徴パラメータx
jに対応するカテゴリーiに関する前記関数を示し、W
ijkは、特徴パラメータxjに対応するカテゴリーiに関
する前記関数の出力を単層パーセプトロン型のニューラ
ルネットワークにおいて、カテゴリーkを示す出力層ニ
ューロンに結線する荷重値を示し、Θiは、カテゴリー
iを示す出力層ニューロンへのバイアス入力を示し、F
は、出力層ニューロンの入出力特性を示す単調非減少関
数を示す。但し、Θiは、出力1の1つのバイアスニュ
ーロンとこのニューロンから各出力ニューロンへの結合
荷重値として表しても良い。このような構造において学
習を行なうと、各々の特徴パラメータの中で、特定のカ
テゴリーを強調するものと、逆に特定のカテゴリーを抑
止するものとが現れ、特に、人間の目から見てその特徴
が分かり難いような場合でも、良好な結果を得ることが
できる。このときの学習アルゴリズムは、実施例2と同
様に、特に限定する必要はなく、単層パーセプトロン型
の場合には、良く知られたデルタルールに基づく学習ア
ルゴリズムで良好な結果を得ることができる。
【0050
【実施例7】また、識別判定手段18は、実施例4又は
5の構成と、実施例3又は6の構成を組合わせると、更
に新しい効果を得ることができる。実施例3又は6の構
成では、各パラメータからの寄与の総和により識別カテ
ゴリーが決定されるために、場合により、多数のパラメ
ータからの寄与が小さいにも関わらず、少数のパラメー
タからの寄与が非常に大きいために間違った判定を下す
こともあり得ないことではない。そこで、実施例4又は
5の構成において、可能性が低いと判定されたカテゴリ
ーをあらかじめ省くことにより、これらの誤りを低減す
ることができる。
【0051】また、逆に、実施例4又は5の構成では、
入力パターンに部分的欠落等があった場合、多数のパラ
メータは正しい反応を示すが、少数のパラメータが低い
反応をしてしまい、そのために正しい判定が得られなく
なる場合があり得る。そこで、これに実施例3又は6の
構成で得られた結果を総合することにより、正しい判定
を行なうことが可能となる。
【0052
【発明の効果】以上説明したように、本発明の物体識別
装置により、前記のような効果が得られた。それらをま
とめると、次のような顕著な技術的効果となる。即ち、
第1に、比較的安価な半導体レーザや液晶パネル等の光
学装置により特徴パラメータが検出され、処理されるデ
ータ量が飛躍的に縮小されているために、安価に、高速
な不定形物体の識別を行なうことができる物体識別装置
を提供できた。第2に、デジタル画像処理のように、二
値化を行なっておらず、容易に特定方向の形状に大きく
依存しないパラメータが複数取得できるために、物体の
形状やコントラスト等の染色状態等に影響を受け難い安
定な識別を行なうことができる。第3に、更に、それら
のパラメータのうちから有効なものの寄与を大きくして
判定を行なうことができるので、より一層安定な識別を
行なうことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06F 15/64 320 C 9073−5L

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 識別すべき入力物体の位置捕捉手段と、
    前記位置捕捉手段により位置を捕促した該入力物体の種
    類を判別する判別手段とからなる物体識別装置におい
    て、 前記判別手段は、少なくともコヒーレント光源と、 該入力物体及びその周囲の該入力物体よりも著しく広く
    ない領域に、該コヒーレント光源より出射したコヒーレ
    ント光束を照射するためのレンズ系と、 該コヒーレント光束において、該入力物体を含む面に対
    して実質的にフラウンホーファー回折像が得られる面内
    に配設した、該コヒーレント光束の光軸を中心として同
    心円状に区分された複数の半円或いは円形の受光領域を
    有する受光手段と、 前記の各々の受光領域に対応した受光手段の出力を、該
    物体の特徴パラメータとして、それらの特徴パラメータ
    を基にして、該物体の種類を識別する識別判定手段とか
    らなることを特徴とする前記物体識別装置。
  2. 【請求項2】前記レンズ系は、入力物体を拡大観察或い
    は捕捉するための対物レンズを兼用することを特徴とす
    る請求項1に記載の前記物体識別装置。
  3. 【請求項3】前記コヒーレント光束は、前記対物レンズ
    を通して入力物体に集束照射し、該入力物体を透過した
    該コヒーレント光束を受光する前記受光領域を該入力物
    体から一定距離以上離れた位置に配置することを特徴と
    する請求項1に記載の物体識別装置。
  4. 【請求項4】識別すべき入力物体の位置捕捉手段と、前
    記位置捕捉手段により位置を捕捉した該入力物体の種類
    を判別する判別手段とからなる物体識別装置において、 前記判別手段は、少なくとも、 該入力物体を等倍或いは拡大或いは縮小して結像する結
    像光学系と、 該結像光学系により得られた像を撮像する撮像手段と、 該撮像手段により得られた像をコヒーレントに表示する
    画像表示手段と、 コヒーレント光源と、 該画像表示手段に表示された該入力物体及びその周囲の
    該入力物体よりも著しく広くない領域に、該コヒーレン
    ト光源より出射したコヒーレント光束を照射するための
    レンズ系と、 該コヒーレント光束において、該画像表示手段を含む面
    に対して実質的にフラウンホーファー回折像が得られる
    面内に配設した、該コヒーレント光束の光軸を中心とし
    て同心円状に区分された複数の半円或いは円形の受光領
    域を有する受光手段と、 前記の各々の受光領域に対応した受光手段の出力を、該
    物体の特徴パラメータとして、それらの特徴パラメータ
    を基にして、該物体の種類を識別する識別判定手段とか
    らなることを特徴とする前記物体識別装置。
  5. 【請求項5】前記撮像手段と前記画像表示手段との間
    に、該撮像手段により取得された画像に対してコントラ
    スト改善及び濃度反転等を実質的に実時間で行なう濃度
    変換手段を設けることを特徴とする請求項4に記載の物
    体識別装置。
  6. 【請求項6】前記識別判定手段は、前記特徴パラメータ
    を入力データとし、各判定カテゴリーに対する判定値を
    出力値としたニューラルネットワークにより判定を行な
    う識別判定手段であることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の物体識別装置。
  7. 【請求項7】前記識別判定手段は、前記特徴パラメータ
    を入力データとし、それらの複数のサンプルに対する各
    パラメータの平均値を求め、各々の判定カテゴリーの各
    パラメータの特徴量とその平均値との差を変数とし、各
    々その差が正の領域で単調非減少、負の領域で単調非増
    加な関数、或いは各々、その差が正の領域で単調非増
    加、負の領域で単調非減少の関数を作成し、判定カテゴ
    リー内の各入力特徴パラメータの特徴量における前記関
    数の出力値の各々の該関数が前者の場合は、最小値、該
    関数が後者の場合は最大値に基づいて判定を行なう識別
    判定手段であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の物体識別装置。
  8. 【請求項8】前記識別判定手段は、前記関数の平均的勾
    配を前記特徴パラメータの複数のサンプルに対する各パ
    ラメータの値のバラツキの程度を基にして決める識別判
    定手段であることを特徴とする請求項7に記載の物体識
    別装置。
  9. 【請求項9】前記識別判定手段は、前記関数パラメータ
    に対する各カテゴリーの前記関数の出力値を入力データ
    とし、各カテゴリーに対する判定値を出力値としたニュ
    ーラルネットワークにより判定を行なう識別判定手段で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    物体識別装置。
  10. 【請求項10】前記識別判定手段は、前記特徴パラメー
    タに対する前記関数の出力値の最小値或いは最大値と、
    前記各パラメータに対する各カテゴリーの前記関数の出
    力値を入力データとしたニューラルネットワークの判定
    出力との組合わせで判定を行なう識別判定手段であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の物体識
    別装置。
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