JPH06138157A - 電気抵抗測定方法及びその装置 - Google Patents
電気抵抗測定方法及びその装置Info
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- JPH06138157A JPH06138157A JP29167692A JP29167692A JPH06138157A JP H06138157 A JPH06138157 A JP H06138157A JP 29167692 A JP29167692 A JP 29167692A JP 29167692 A JP29167692 A JP 29167692A JP H06138157 A JPH06138157 A JP H06138157A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 被測定物の微小な電気抵抗を個別にかつ高精
度に測定することのできる電気抵抗測定方法及びその装
置。 【構成】 この装置Aは,超電導接続部2と,この接続
部2よりも電気抵抗の大きな分流回路3とからなる並列
回路4へ所定電流を供給する電源5と,接続部2に実質
的に電流が流れない程度まで接続部2を含む回路の抵抗
を増大させた状態で分流回路3側の抵抗を測定する電圧
計8と,接続部2を含む回路の抵抗の増大のない使用状
態で分流回路3側へ流れる電流を測定するホール素子9
と,電源5からの供給電流値と,抵抗器8,ホール素子
9による各測定値とに基づいて接続部2の使用状態下で
の抵抗値を演算する演算部10等とから構成されてい
る。上記構成により被測定物の微小な電気抵抗を個別か
つ高精度に測定できる。
度に測定することのできる電気抵抗測定方法及びその装
置。 【構成】 この装置Aは,超電導接続部2と,この接続
部2よりも電気抵抗の大きな分流回路3とからなる並列
回路4へ所定電流を供給する電源5と,接続部2に実質
的に電流が流れない程度まで接続部2を含む回路の抵抗
を増大させた状態で分流回路3側の抵抗を測定する電圧
計8と,接続部2を含む回路の抵抗の増大のない使用状
態で分流回路3側へ流れる電流を測定するホール素子9
と,電源5からの供給電流値と,抵抗器8,ホール素子
9による各測定値とに基づいて接続部2の使用状態下で
の抵抗値を演算する演算部10等とから構成されてい
る。上記構成により被測定物の微小な電気抵抗を個別か
つ高精度に測定できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気抵抗測定方法及びそ
の装置に係り,例えば超電導線等の持つ微小な電気抵抗
を測定可能な電気抵抗測定方法及びその装置に関するも
のである。
の装置に係り,例えば超電導線等の持つ微小な電気抵抗
を測定可能な電気抵抗測定方法及びその装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年,超電導技術が様々な分野に適用さ
れるようになった。例えば,生化学分野の研究に不可欠
な計測器である核磁気共鳴装置はその一例である。この
核磁気共鳴装置に用いられる超電導マグネットは通常複
数個のコイルを組み合わせて製作され,コイル材には各
々別々の超電導線を使用している。このため,これらの
超電導線を電気的に接続する必要があり,装置の性能確
保上,接続部の抵抗値として10-11 〜10-12 Ω以下
の微小な値が要求される。従来,このような微小抵抗を
測定する方法としては,4端子法及び誘導法が用いられ
ていた。この内,4端子法は測定対象物に電流を通電
し,その電圧を計測することにより抵抗値を求める方法
である。4端子法では,図4に示すように測定対象物で
ある抵抗Rへの接続線を電流Iを供給する線と,電圧E
を測定する線とに分けている。そして,電圧計Vの抵抗
を,抵抗Rに比べて非常に大きなものとし,電圧計Vへ
は実質的に電流が流れないようにする。この状態で測定
対象物の抵抗Rを測定することにより,接続線の抵抗等
の影響を一切受けることなく,抵抗RをR=E/Iとし
て求めることができる。一方,誘導法は超電導マグネッ
トに永久電流を流した状態で,マグネットの抵抗による
磁場の減衰を磁気センサの一種であるホール素子で測定
することによってマグネットの抵抗を求める方法であ
る。従来は,これらの方法によって微小抵抗を測定して
いた。
れるようになった。例えば,生化学分野の研究に不可欠
な計測器である核磁気共鳴装置はその一例である。この
核磁気共鳴装置に用いられる超電導マグネットは通常複
数個のコイルを組み合わせて製作され,コイル材には各
々別々の超電導線を使用している。このため,これらの
超電導線を電気的に接続する必要があり,装置の性能確
保上,接続部の抵抗値として10-11 〜10-12 Ω以下
の微小な値が要求される。従来,このような微小抵抗を
測定する方法としては,4端子法及び誘導法が用いられ
ていた。この内,4端子法は測定対象物に電流を通電
し,その電圧を計測することにより抵抗値を求める方法
である。4端子法では,図4に示すように測定対象物で
ある抵抗Rへの接続線を電流Iを供給する線と,電圧E
を測定する線とに分けている。そして,電圧計Vの抵抗
を,抵抗Rに比べて非常に大きなものとし,電圧計Vへ
は実質的に電流が流れないようにする。この状態で測定
対象物の抵抗Rを測定することにより,接続線の抵抗等
の影響を一切受けることなく,抵抗RをR=E/Iとし
て求めることができる。一方,誘導法は超電導マグネッ
トに永久電流を流した状態で,マグネットの抵抗による
磁場の減衰を磁気センサの一種であるホール素子で測定
することによってマグネットの抵抗を求める方法であ
る。従来は,これらの方法によって微小抵抗を測定して
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
電気抵抗測定方法では以下のような問題点があった。 (1)4端子法では,高精度の電圧計を用いても正確に
測定できる最小電圧は10-6〜10-7Vである。このた
め,数百Aの電流を流しても測定できる抵抗値は高々1
0-8〜10-9Ωであり,これ以下の抵抗値に対しては測
定精度を確保し難い。従って,超電導線の接続部の抵抗
値が許容値内であることを判定するには不十分であっ
た。この問題を解決する方法としては、所謂ジョセフソ
ン接合を有し,より高精度なセンサとして働くSQUID 電
圧計を用いることが考えられる。SQUID 電圧計は10-8
〜10-9Vの電圧をも測定できるが,各々の接続部(1
0〜20箇所)にそれぞれSQUID 電圧計を取りつけるこ
とはコストの面でもスペースの面でも困難であり,実用
的とはいえない。 (2)一方,誘導法では,測定時間を長くすることによ
り10-12 Ω以下の抵抗値の測定をも行なえるが,超電
導マグネットのコイル全体の抵抗を測ることになり,こ
のマグネットを構成するコイルに使用される複数の超電
導線の複数の超電導接続部の抵抗を個別に測定すること
はできない。現実には超電導マグネットの接続抵抗は永
久電流モードの状態で磁場の減衰をホール素子よりも高
感度なNMRプローブで測定することが多いが,接続抵
抗値が許容値内に収まっていない場合には,どの接続部
の抵抗値が高いのかを判定することができない。このた
め,検出抵抗が大きすぎる場合には全ての接続部を再製
作するという方法をやむなく行っていた。本発明はこの
ような従来の技術における課題を解決するために,電気
抵抗測定方法及びその装置を改良し,被測定物の微小な
電気抵抗を個別にかつ高精度に測定することのできる電
気抵抗測定方法及びその装置を提供することを目的とす
るものである。
電気抵抗測定方法では以下のような問題点があった。 (1)4端子法では,高精度の電圧計を用いても正確に
測定できる最小電圧は10-6〜10-7Vである。このた
め,数百Aの電流を流しても測定できる抵抗値は高々1
0-8〜10-9Ωであり,これ以下の抵抗値に対しては測
定精度を確保し難い。従って,超電導線の接続部の抵抗
値が許容値内であることを判定するには不十分であっ
た。この問題を解決する方法としては、所謂ジョセフソ
ン接合を有し,より高精度なセンサとして働くSQUID 電
圧計を用いることが考えられる。SQUID 電圧計は10-8
〜10-9Vの電圧をも測定できるが,各々の接続部(1
0〜20箇所)にそれぞれSQUID 電圧計を取りつけるこ
とはコストの面でもスペースの面でも困難であり,実用
的とはいえない。 (2)一方,誘導法では,測定時間を長くすることによ
り10-12 Ω以下の抵抗値の測定をも行なえるが,超電
導マグネットのコイル全体の抵抗を測ることになり,こ
のマグネットを構成するコイルに使用される複数の超電
導線の複数の超電導接続部の抵抗を個別に測定すること
はできない。現実には超電導マグネットの接続抵抗は永
久電流モードの状態で磁場の減衰をホール素子よりも高
感度なNMRプローブで測定することが多いが,接続抵
抗値が許容値内に収まっていない場合には,どの接続部
の抵抗値が高いのかを判定することができない。このた
め,検出抵抗が大きすぎる場合には全ての接続部を再製
作するという方法をやむなく行っていた。本発明はこの
ような従来の技術における課題を解決するために,電気
抵抗測定方法及びその装置を改良し,被測定物の微小な
電気抵抗を個別にかつ高精度に測定することのできる電
気抵抗測定方法及びその装置を提供することを目的とす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は,被測定物と,該被測定物よりも電気抵抗の
大きな分流回路とからなる並列回路へ所定電流を供給
し,上記被測定物に実質的に電流が流れない程度まで該
被測定物を含む回路の抵抗を増大させた状態で上記分流
回路側の抵抗を測定し,上記被測定物を含む回路の抵抗
の増大のない使用状態で上記分流回路側へ流れる電流を
測定し,上記供給された所定電流値と,上記測定された
上記分流回路側の抵抗値及び電流値とに基づいて上記被
測定物の使用状態下での抵抗値を演算してなる電気抵抗
測定方法として構成されている。また,被測定物と,該
被測定物よりも電気抵抗の大きな分流回路とからなる並
列回路へ所定電流を供給する供給手段と,上記被測定物
を含む回路の抵抗を増大させる抵抗変化手段と,上記抵
抗変化手段により上記測定物に実質的に電流が流れない
程度まで該測定物を含む回路の抵抗を増大させた状態で
上記分流回路側の抵抗を測定する第1の測定手段と,上
記被測定物を含む回路の抵抗の増大のない使用状態で上
記分流回路側へ流れる電流を測定する第2の測定手段
と,上記供給手段により供給された所定電流値と,上記
第1,第2の測定手段により測定された上記分流回路側
の抵抗値及び電流値とに基づいて上記被測定物の使用状
態下での抵抗値を演算する演算手段とを具備してなる電
気抵抗測定装置である。更には,上記第2の測定手段
が,ホール素子を取り付けたヨークに上記分流回路を構
成する導線を巻きつけたもので構成されてなる電気抵抗
測定装置である。更には,上記ホール素子及び上記ヨー
クの廻りに外部磁場を遮断する遮断手段を設けてなる電
気抵抗測定装置である。更には,上記抵抗変化手段が,
上記被測定物を含む回路を加熱して該被測定物を含む回
路の抵抗を増大させる加熱手段である電気抵抗測定装
置。更には,上記並列回路の上記被測定物を含む回路と
上記分流回路との間に,上記加熱手段により加熱された
状態の上記被測定物を含む回路から上記分流回路への伝
熱を阻止する断熱手段を設けてなる電気抵抗測定装置で
ある。更には,上記分流回路を構成する導線の,上記並
列回路中の上記分流回路の取り付けのための半田付け部
の長さを調節する調節手段を設けてなる電気抵抗測定装
置である。
に本発明は,被測定物と,該被測定物よりも電気抵抗の
大きな分流回路とからなる並列回路へ所定電流を供給
し,上記被測定物に実質的に電流が流れない程度まで該
被測定物を含む回路の抵抗を増大させた状態で上記分流
回路側の抵抗を測定し,上記被測定物を含む回路の抵抗
の増大のない使用状態で上記分流回路側へ流れる電流を
測定し,上記供給された所定電流値と,上記測定された
上記分流回路側の抵抗値及び電流値とに基づいて上記被
測定物の使用状態下での抵抗値を演算してなる電気抵抗
測定方法として構成されている。また,被測定物と,該
被測定物よりも電気抵抗の大きな分流回路とからなる並
列回路へ所定電流を供給する供給手段と,上記被測定物
を含む回路の抵抗を増大させる抵抗変化手段と,上記抵
抗変化手段により上記測定物に実質的に電流が流れない
程度まで該測定物を含む回路の抵抗を増大させた状態で
上記分流回路側の抵抗を測定する第1の測定手段と,上
記被測定物を含む回路の抵抗の増大のない使用状態で上
記分流回路側へ流れる電流を測定する第2の測定手段
と,上記供給手段により供給された所定電流値と,上記
第1,第2の測定手段により測定された上記分流回路側
の抵抗値及び電流値とに基づいて上記被測定物の使用状
態下での抵抗値を演算する演算手段とを具備してなる電
気抵抗測定装置である。更には,上記第2の測定手段
が,ホール素子を取り付けたヨークに上記分流回路を構
成する導線を巻きつけたもので構成されてなる電気抵抗
測定装置である。更には,上記ホール素子及び上記ヨー
クの廻りに外部磁場を遮断する遮断手段を設けてなる電
気抵抗測定装置である。更には,上記抵抗変化手段が,
上記被測定物を含む回路を加熱して該被測定物を含む回
路の抵抗を増大させる加熱手段である電気抵抗測定装
置。更には,上記並列回路の上記被測定物を含む回路と
上記分流回路との間に,上記加熱手段により加熱された
状態の上記被測定物を含む回路から上記分流回路への伝
熱を阻止する断熱手段を設けてなる電気抵抗測定装置で
ある。更には,上記分流回路を構成する導線の,上記並
列回路中の上記分流回路の取り付けのための半田付け部
の長さを調節する調節手段を設けてなる電気抵抗測定装
置である。
【0005】
【作用】本発明によれば,まず被測定物と,該被測定物
よりも電気抵抗の大きな分流回路とからなる並列回路へ
所定電流が供給される。次に,上記被測定物に実質的に
電流が流れない程度まで該被測定物を含む回路の抵抗を
増大させた状態で上記分流回路側の抵抗が測定され,上
記被測定物を含む回路の抵抗の増大のない使用状態で上
記分流回路側へ流れる電流が測定される。そして,上記
供給された所定電流値と,上記測定された上記分流回路
側の抵抗値及び電流値とに基づいて上記被測定物の使用
状態下での抵抗値が演算される。従って,被測定物ごと
に上記並列回路を構成することにより,上記被測定物ご
との抵抗値を測定することができる。上記第2の測定手
段は,ホール素子を取り付けたヨークに上記分流回路を
構成する導線を巻きつけたもので構成することができ
る。この場合,上記導線に流れる電流がその巻きつけ部
に磁場を発生させる。この磁場を,ヨークを介してホー
ル素子により検出することにより,分流回路側に流れる
電流値を高精度に測定できる。更に,上記ホール素子及
び上記ヨークの廻りに外部磁場を遮断する遮断手段を設
けてもよい。この場合,外部磁場が印加された状態でも
分流回路側に流れる電流値を高精度に測定できる。更
に,上記抵抗変化手段を加熱手段とすることにより,上
記被測定物を含む回路を加熱して該被測定物を含む回路
の抵抗を増大させることができる。更に,上記並列回路
の上記被測定物を含む回路と上記分流回路との間に,上
記加熱手段により加熱された状態の上記被測定物を含む
回路から上記分流回路への伝熱を阻止する断熱手段を設
けてもよい。この場合,被測定物を含む回路のみを加熱
してその抵抗を増大し,加熱されない分流回路側へのみ
実質的に電流が流れるようにすることにより,分流回路
側の抵抗値を高精度に測定できる。更に,上記分流回路
を構成する導線の,上記並列回路中の上記分流回路の取
り付けのための半田付け部の長さを調節する調節手段を
設けてもよい。この場合,被測定物の予想される抵抗値
に応じて半田付け部の長さを調節することにより,分流
回路の抵抗値を調節でき,被測定物の抵抗値の測定精度
を上げることができる。その結果,被測定物の微小な電
気抵抗を個別に,かつ高精度に測定することのできる電
気抵抗測定方法及びその装置を得ることができる。
よりも電気抵抗の大きな分流回路とからなる並列回路へ
所定電流が供給される。次に,上記被測定物に実質的に
電流が流れない程度まで該被測定物を含む回路の抵抗を
増大させた状態で上記分流回路側の抵抗が測定され,上
記被測定物を含む回路の抵抗の増大のない使用状態で上
記分流回路側へ流れる電流が測定される。そして,上記
供給された所定電流値と,上記測定された上記分流回路
側の抵抗値及び電流値とに基づいて上記被測定物の使用
状態下での抵抗値が演算される。従って,被測定物ごと
に上記並列回路を構成することにより,上記被測定物ご
との抵抗値を測定することができる。上記第2の測定手
段は,ホール素子を取り付けたヨークに上記分流回路を
構成する導線を巻きつけたもので構成することができ
る。この場合,上記導線に流れる電流がその巻きつけ部
に磁場を発生させる。この磁場を,ヨークを介してホー
ル素子により検出することにより,分流回路側に流れる
電流値を高精度に測定できる。更に,上記ホール素子及
び上記ヨークの廻りに外部磁場を遮断する遮断手段を設
けてもよい。この場合,外部磁場が印加された状態でも
分流回路側に流れる電流値を高精度に測定できる。更
に,上記抵抗変化手段を加熱手段とすることにより,上
記被測定物を含む回路を加熱して該被測定物を含む回路
の抵抗を増大させることができる。更に,上記並列回路
の上記被測定物を含む回路と上記分流回路との間に,上
記加熱手段により加熱された状態の上記被測定物を含む
回路から上記分流回路への伝熱を阻止する断熱手段を設
けてもよい。この場合,被測定物を含む回路のみを加熱
してその抵抗を増大し,加熱されない分流回路側へのみ
実質的に電流が流れるようにすることにより,分流回路
側の抵抗値を高精度に測定できる。更に,上記分流回路
を構成する導線の,上記並列回路中の上記分流回路の取
り付けのための半田付け部の長さを調節する調節手段を
設けてもよい。この場合,被測定物の予想される抵抗値
に応じて半田付け部の長さを調節することにより,分流
回路の抵抗値を調節でき,被測定物の抵抗値の測定精度
を上げることができる。その結果,被測定物の微小な電
気抵抗を個別に,かつ高精度に測定することのできる電
気抵抗測定方法及びその装置を得ることができる。
【0006】
【実施例】以下,添付図面を参照して本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は本発明の一実施例に係る電気抵抗測定装置A
の概略構成を示す模式図,図2は電気抵抗測定装置Aの
等価回路図,図3は電気抵抗測定装置Aによる測定結果
を示す図表(a),(b),図4は4端子法における測
定の概略回路図である。図1に示す如く,本実施例に係
る電気抵抗測定装置Aは,主として,超電導線1を接続
する超電導接続部2(被測定物に相当)と,超電導接続
部2よりも電気抵抗の大きな分流回路3とからなる並列
回路4へ所定電流を供給する電源5(供給手段に相当)
と,超電導接続部2及び/又は超電導線接続部2に接続
する超電導線1の一部(以下,超電導接続部2を含む回
路と記す)を加熱して抵抗を増大させるヒータ6(抵抗
変化手段及び加熱手段に相当)と,ヒータ6により加熱
された超電導接続部2を含む回路から分流回路3への伝
熱を阻止するサーマルアンカ7(断熱手段に相当)と,
ヒータ6による加熱により超電導接続部2に実質的に電
流が流れない程度まで超電導接続部2を含む回路の抵抗
を増大させた状態で分流回路3側の抵抗を測定する電圧
計8(第1の測定手段に相当)と,超電導接続部2を含
む回路の抵抗の増大のない使用状態で分流回路3側へ流
れる電流を測定するホール素子9(第2の測定手段に相
当)と,電源5により供給された所定電流値と,電圧計
8により測定された分流回路3側の抵抗値と,ホール素
子9により測定された分流回路3側の電流値とに基づい
て超電導接続部2の抵抗値を演算する演算部10(演算
手段に相当)とから構成される。以下,この装置Aのよ
り詳細な構成について述べる。分流回路3はホール素子
9を挟み込んだ純鉄製のヨーク11に超電導線12(導
線に相当)を巻き付けたものであり,ホール素子9及び
ヨーク11の廻りには外部磁場を遮断するシールドケー
シング14(遮断手段に相当)が設けられている。そし
て,超電導接続部2を有する超電導線1と分流回路3の
超電導線12とは半田付けされ,接続部13(調節手段
に相当)を構成している。分流回路3の抵抗値は,この
半田付け部分の抵抗値が支配的となるため,接続部13
の半田付け長さによって調節できる。ここで,超電導接
続部2の抵抗値の正確な測定のためには超電導接続部2
の抵抗値が小さければ小さい程,分流回路3の抵抗値も
小さくしておく必要がある。このため,超電導接続部2
の予想される抵抗値に応じて接続部13の半田付長さを
調節することにより,分流回路3側の抵抗値を調節して
おく。
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は本発明の一実施例に係る電気抵抗測定装置A
の概略構成を示す模式図,図2は電気抵抗測定装置Aの
等価回路図,図3は電気抵抗測定装置Aによる測定結果
を示す図表(a),(b),図4は4端子法における測
定の概略回路図である。図1に示す如く,本実施例に係
る電気抵抗測定装置Aは,主として,超電導線1を接続
する超電導接続部2(被測定物に相当)と,超電導接続
部2よりも電気抵抗の大きな分流回路3とからなる並列
回路4へ所定電流を供給する電源5(供給手段に相当)
と,超電導接続部2及び/又は超電導線接続部2に接続
する超電導線1の一部(以下,超電導接続部2を含む回
路と記す)を加熱して抵抗を増大させるヒータ6(抵抗
変化手段及び加熱手段に相当)と,ヒータ6により加熱
された超電導接続部2を含む回路から分流回路3への伝
熱を阻止するサーマルアンカ7(断熱手段に相当)と,
ヒータ6による加熱により超電導接続部2に実質的に電
流が流れない程度まで超電導接続部2を含む回路の抵抗
を増大させた状態で分流回路3側の抵抗を測定する電圧
計8(第1の測定手段に相当)と,超電導接続部2を含
む回路の抵抗の増大のない使用状態で分流回路3側へ流
れる電流を測定するホール素子9(第2の測定手段に相
当)と,電源5により供給された所定電流値と,電圧計
8により測定された分流回路3側の抵抗値と,ホール素
子9により測定された分流回路3側の電流値とに基づい
て超電導接続部2の抵抗値を演算する演算部10(演算
手段に相当)とから構成される。以下,この装置Aのよ
り詳細な構成について述べる。分流回路3はホール素子
9を挟み込んだ純鉄製のヨーク11に超電導線12(導
線に相当)を巻き付けたものであり,ホール素子9及び
ヨーク11の廻りには外部磁場を遮断するシールドケー
シング14(遮断手段に相当)が設けられている。そし
て,超電導接続部2を有する超電導線1と分流回路3の
超電導線12とは半田付けされ,接続部13(調節手段
に相当)を構成している。分流回路3の抵抗値は,この
半田付け部分の抵抗値が支配的となるため,接続部13
の半田付け長さによって調節できる。ここで,超電導接
続部2の抵抗値の正確な測定のためには超電導接続部2
の抵抗値が小さければ小さい程,分流回路3の抵抗値も
小さくしておく必要がある。このため,超電導接続部2
の予想される抵抗値に応じて接続部13の半田付長さを
調節することにより,分流回路3側の抵抗値を調節して
おく。
【0007】分流回路3は予め単独で電流を流し,分流
回路3に流れる電流とこの電流によりホール素子9に発
生するホール電圧との関係を調べておく。ヒータ6には
例えばマンガニン線を巻き付けたものを用いる。但し,
ヒータ6の材料としては超電導接続部2を含む回路を常
電導にすることができるものであればどのようなもので
も良い。しかし,このままではヒータ6により発生させ
た熱は,超電導接続部2を有する超電導線1の長手方向
に伝わり,分流回路3の超電導線12まで常電導に移行
してしまうので,接続部13とヒータ6の取り付け部と
の間にサーマルアンカ7を取り付ける。サーマルアンカ
7には例えば銅板を用いて超電導接続部2を有する超電
導線1に直接半田付けする。但し,サーマルアンカの材
料としては熱伝導が良いもので,超電導線1との接続が
簡単にる行なえるものであればどのようなものでも構わ
ない。この装置Aの等価回路は図2に示す通りであり,
この回路における回路方程式は次の2式で表すことがで
きる。 I=Ih +Is …(1) Rh Ih +Lh dIh /dt =Rs Is +Ls dIs /dt …(2) ただしRh ,Lh ,Ih はそれぞれ分流回路3の抵抗,
インダクタンス,電流,Rs ,Ls ,Is はそれぞれ超
電導接続部2の抵抗,インダクタンス,電流である。こ
こで,電流掃引速度α[A/sec ]で電源電流Iをあ
げ,時間to [sec ]後に電源電流IをIo に保持する
場合,時間t[sec ]時のIh は,t≧t0 のとき Ih =Io Rs /(Rh +Rs )−Cexp(−t/τ) …(3) τ=(Lh +Ls )/(Rh +Rs ) C=α(τ+Ls /Rs )Rs /(Rh +Rs )[exp (to /τ)−1] となり,t≫τ(時定数)のときには,超電導接続部2
の抵抗Rs が, Rs =Rh Ih /(Io −Ih ) …(4) と求められる。従って,この装置Aによれば,電源電流
IをIo に保持した状態で超電導接続部2に並列接続さ
れた分流回路3の抵抗Rh と電流Ih とを測定すること
により,超電導接続部2の抵抗Rs を算出できる。
回路3に流れる電流とこの電流によりホール素子9に発
生するホール電圧との関係を調べておく。ヒータ6には
例えばマンガニン線を巻き付けたものを用いる。但し,
ヒータ6の材料としては超電導接続部2を含む回路を常
電導にすることができるものであればどのようなもので
も良い。しかし,このままではヒータ6により発生させ
た熱は,超電導接続部2を有する超電導線1の長手方向
に伝わり,分流回路3の超電導線12まで常電導に移行
してしまうので,接続部13とヒータ6の取り付け部と
の間にサーマルアンカ7を取り付ける。サーマルアンカ
7には例えば銅板を用いて超電導接続部2を有する超電
導線1に直接半田付けする。但し,サーマルアンカの材
料としては熱伝導が良いもので,超電導線1との接続が
簡単にる行なえるものであればどのようなものでも構わ
ない。この装置Aの等価回路は図2に示す通りであり,
この回路における回路方程式は次の2式で表すことがで
きる。 I=Ih +Is …(1) Rh Ih +Lh dIh /dt =Rs Is +Ls dIs /dt …(2) ただしRh ,Lh ,Ih はそれぞれ分流回路3の抵抗,
インダクタンス,電流,Rs ,Ls ,Is はそれぞれ超
電導接続部2の抵抗,インダクタンス,電流である。こ
こで,電流掃引速度α[A/sec ]で電源電流Iをあ
げ,時間to [sec ]後に電源電流IをIo に保持する
場合,時間t[sec ]時のIh は,t≧t0 のとき Ih =Io Rs /(Rh +Rs )−Cexp(−t/τ) …(3) τ=(Lh +Ls )/(Rh +Rs ) C=α(τ+Ls /Rs )Rs /(Rh +Rs )[exp (to /τ)−1] となり,t≫τ(時定数)のときには,超電導接続部2
の抵抗Rs が, Rs =Rh Ih /(Io −Ih ) …(4) と求められる。従って,この装置Aによれば,電源電流
IをIo に保持した状態で超電導接続部2に並列接続さ
れた分流回路3の抵抗Rh と電流Ih とを測定すること
により,超電導接続部2の抵抗Rs を算出できる。
【0008】引続いて,この装置Aによる電気抵抗の測
定方法について説明する。測定に際しては,まずヒータ
6に通電する。この通電により超電導接続部2を含む回
路は加熱され,常電導状態へ移行する。すると,超電導
接続部2の抵抗R s 及び/又は超電導線1の抵抗は分流
回路3の抵抗Rh より遙かに大きくなり,超電導接続部
2へは実質的に電流が流れなくなるため並列回路4の合
成抵抗は事実上,分流回路3の抵抗Rh に等しくなる。
この状態を保持し,電圧計8により分流回路3の抵抗R
h を測定する。この時,分流回路3に流れる電流Ih は
電源電流Io にほぼ等しくなり,分流回路3に発生する
電圧は最大となる。このため,4端子法を用いて分流回
路3の抵抗Rh を精度よく測定できる。次に,並列回路
4に供給される電源電流IをIo に保持したまま,ヒー
タ6による超電導接続部2を含む回路の加熱を停止し,
ホール素子9により分流回路3側に流れる電流Ih を測
定する。即ち,この時には分流回路3側の超電導線12
に流れる電流Ih により,ヨーク11への巻き付け部に
磁場が発生する。この磁場をヨーク11によりホール素
子9に導き,ここにホール電圧を発生させる。ホール電
圧と電流Ih との関係は既に調べているため,この発生
したホール電圧から分流回路3の電流値Ih を精度よく
測定できる。尚,超電導接続部2及びその近傍が磁場に
さらされている場合,ヨーク11がこの磁場で磁気的に
飽和し,分流回路3の電流Ih とホール電圧との関係が
成立しなくなる。このため,この装置Aではシールドケ
ーシング14によりホール素子9及びヨーク11の磁気
シールドを行い,上記外部磁場が印加された状態でも分
流回路3の電流値Ihの測定精度を確保している。そし
て,電源電流値Io ,分流回路3の抵抗値Rh 及び電流
値Ih を上記(4)式に代入することにより,超電導接
続部2の抵抗値Rs を求めることができる。この演算は
演算部10により実行されるが,各データとして上記の
如く高精度で測定されたものが用いられるため,演算結
果である超電導接続部2の抵抗値R s も高精度のものが
得られる。
定方法について説明する。測定に際しては,まずヒータ
6に通電する。この通電により超電導接続部2を含む回
路は加熱され,常電導状態へ移行する。すると,超電導
接続部2の抵抗R s 及び/又は超電導線1の抵抗は分流
回路3の抵抗Rh より遙かに大きくなり,超電導接続部
2へは実質的に電流が流れなくなるため並列回路4の合
成抵抗は事実上,分流回路3の抵抗Rh に等しくなる。
この状態を保持し,電圧計8により分流回路3の抵抗R
h を測定する。この時,分流回路3に流れる電流Ih は
電源電流Io にほぼ等しくなり,分流回路3に発生する
電圧は最大となる。このため,4端子法を用いて分流回
路3の抵抗Rh を精度よく測定できる。次に,並列回路
4に供給される電源電流IをIo に保持したまま,ヒー
タ6による超電導接続部2を含む回路の加熱を停止し,
ホール素子9により分流回路3側に流れる電流Ih を測
定する。即ち,この時には分流回路3側の超電導線12
に流れる電流Ih により,ヨーク11への巻き付け部に
磁場が発生する。この磁場をヨーク11によりホール素
子9に導き,ここにホール電圧を発生させる。ホール電
圧と電流Ih との関係は既に調べているため,この発生
したホール電圧から分流回路3の電流値Ih を精度よく
測定できる。尚,超電導接続部2及びその近傍が磁場に
さらされている場合,ヨーク11がこの磁場で磁気的に
飽和し,分流回路3の電流Ih とホール電圧との関係が
成立しなくなる。このため,この装置Aではシールドケ
ーシング14によりホール素子9及びヨーク11の磁気
シールドを行い,上記外部磁場が印加された状態でも分
流回路3の電流値Ihの測定精度を確保している。そし
て,電源電流値Io ,分流回路3の抵抗値Rh 及び電流
値Ih を上記(4)式に代入することにより,超電導接
続部2の抵抗値Rs を求めることができる。この演算は
演算部10により実行されるが,各データとして上記の
如く高精度で測定されたものが用いられるため,演算結
果である超電導接続部2の抵抗値R s も高精度のものが
得られる。
【0009】以下,この方法の妥当性を評価する。ま
ず,従来の4端子法のみにより予め測定した比較的抵抗
の大きな超電導接続部2′を本発明による上記測定法を
用いて算出した。分流回路3はホール素子9を挟み込ん
だ純鉄製のヨーク11にφ0.7mmのNbTi多芯超電導線
12を2回巻き付け,超電導線1に片側10mmづつ低融
点合金を用いて半田付けした。従来の4端子法のみによ
り測定した抵抗値Rs は7×10-10 Ωであった。次
に,ヒータ6に通電した状態で電流電圧特性を測定し,
分流回路3の抵抗値Rs =2.0×10-8Ωを得た。ま
た,予め分流回路3のみに電流を流し,流れた電流とホ
ール電圧の関係を調べ,2.6μV/Aを得た。次に,
ヒータ6の通電を停止した状態で,電源5により並列回
路4に電流I0 を供給し,ホール電圧を測定した。上記
(3)式に示したように,ホール電圧は時定数τを持っ
て変化するために電圧が一定値に落ち着いてから測定し
た。この測定を電源電流値Io を変化させて行い,各電
流値Io におけるホール電圧から超電導接続部2′の抵
抗値Rs を算出した。超電導接続部2′の抵抗値Rs は
6.9×10-10 〜7.4×10-10Ωとなった。この
結果を図3(a)に示す。図より,従来の4端子法のみ
による測定値と,本発明による測定値とがよく一致して
おり,本方法が妥当であることが分かる。次に,従来の
4端子法のみでは正確に測定できなかった微小な抵抗を
持つ超電導接続部2について本発明による方法で抵抗を
測定した。分流回路3の抵抗値R h は10-9Ω程度とな
るように調整した。この結果を図3(b)に示す。超電
導接続部2に流れている電流Is によらず抵抗値Rs が
ほぼ一定であることから,本発明による測定方法により
10-11 Ωの抵抗を正確に測定できることを確認でき
た。以上のように本発明によれば,超電導接続部2ごと
に並列回路4を構成することにより,超電導接続部2ご
との抵抗値Rs を測定することができる。また,超電導
接続部2を含む回路の抵抗を増大させて,実質的に分流
回路3側へのみ電流が流れるようにすることにより,分
流回路3側の抵抗値Rh を高精度に測定できる。また,
超電導接続部2を含む回路の抵抗の増大のない使用状態
での分流回路3側に流れる電流値Ih をホール素子9を
用いて高精度に測定することができる。従って,上記高
精度な測定データを用いることにより超電導接続部2の
使用状態下での抵抗Rs をも高精度に求めることができ
る。その結果,被測定物の微小な電気抵抗を個別にかつ
高精度に測定することのできる電気抵抗測定方法及びそ
の装置を得ることができる。尚,上記実施例では,分流
回路3の抵抗値Rh を測定した後に,分流回路3の電流
値を測定したが,実使用に際しては測定順を前後入れ換
えても何ら支障はない。尚,上記実施例では,説明の便
宜上,超電導接続部2が1個の場合を例示したが,実使
用に際しては複数個の場合にも適用できる。その場合は
上記分流回路3等を超電導接続部ごとにそれぞれ設置し
て各超電導接続部毎に上記並列回路4を構成すれば良
い。尚,上記実施例では,遮断手段としてシールドケー
シング14を設けたが,実使用に際しては超電導コイル
等をホール素子9及びヨーク11の廻りに設けてもよ
い。
ず,従来の4端子法のみにより予め測定した比較的抵抗
の大きな超電導接続部2′を本発明による上記測定法を
用いて算出した。分流回路3はホール素子9を挟み込ん
だ純鉄製のヨーク11にφ0.7mmのNbTi多芯超電導線
12を2回巻き付け,超電導線1に片側10mmづつ低融
点合金を用いて半田付けした。従来の4端子法のみによ
り測定した抵抗値Rs は7×10-10 Ωであった。次
に,ヒータ6に通電した状態で電流電圧特性を測定し,
分流回路3の抵抗値Rs =2.0×10-8Ωを得た。ま
た,予め分流回路3のみに電流を流し,流れた電流とホ
ール電圧の関係を調べ,2.6μV/Aを得た。次に,
ヒータ6の通電を停止した状態で,電源5により並列回
路4に電流I0 を供給し,ホール電圧を測定した。上記
(3)式に示したように,ホール電圧は時定数τを持っ
て変化するために電圧が一定値に落ち着いてから測定し
た。この測定を電源電流値Io を変化させて行い,各電
流値Io におけるホール電圧から超電導接続部2′の抵
抗値Rs を算出した。超電導接続部2′の抵抗値Rs は
6.9×10-10 〜7.4×10-10Ωとなった。この
結果を図3(a)に示す。図より,従来の4端子法のみ
による測定値と,本発明による測定値とがよく一致して
おり,本方法が妥当であることが分かる。次に,従来の
4端子法のみでは正確に測定できなかった微小な抵抗を
持つ超電導接続部2について本発明による方法で抵抗を
測定した。分流回路3の抵抗値R h は10-9Ω程度とな
るように調整した。この結果を図3(b)に示す。超電
導接続部2に流れている電流Is によらず抵抗値Rs が
ほぼ一定であることから,本発明による測定方法により
10-11 Ωの抵抗を正確に測定できることを確認でき
た。以上のように本発明によれば,超電導接続部2ごと
に並列回路4を構成することにより,超電導接続部2ご
との抵抗値Rs を測定することができる。また,超電導
接続部2を含む回路の抵抗を増大させて,実質的に分流
回路3側へのみ電流が流れるようにすることにより,分
流回路3側の抵抗値Rh を高精度に測定できる。また,
超電導接続部2を含む回路の抵抗の増大のない使用状態
での分流回路3側に流れる電流値Ih をホール素子9を
用いて高精度に測定することができる。従って,上記高
精度な測定データを用いることにより超電導接続部2の
使用状態下での抵抗Rs をも高精度に求めることができ
る。その結果,被測定物の微小な電気抵抗を個別にかつ
高精度に測定することのできる電気抵抗測定方法及びそ
の装置を得ることができる。尚,上記実施例では,分流
回路3の抵抗値Rh を測定した後に,分流回路3の電流
値を測定したが,実使用に際しては測定順を前後入れ換
えても何ら支障はない。尚,上記実施例では,説明の便
宜上,超電導接続部2が1個の場合を例示したが,実使
用に際しては複数個の場合にも適用できる。その場合は
上記分流回路3等を超電導接続部ごとにそれぞれ設置し
て各超電導接続部毎に上記並列回路4を構成すれば良
い。尚,上記実施例では,遮断手段としてシールドケー
シング14を設けたが,実使用に際しては超電導コイル
等をホール素子9及びヨーク11の廻りに設けてもよ
い。
【0010】
【発明の効果】本発明に係る電気抵抗測定方法及びその
装置は上記したように構成されているため,被測定物ご
とに並列回路を構成することにより,被測定物ごとの抵
抗値を測定することができる。また,被測定物を含む回
路の抵抗を増大させて,実質的に分流回路側へのみ電流
が流れるようにすることにより,分流回路側の抵抗値を
高精度に測定できる。また,被測定物を含む回路の抵抗
の増大のない使用状態での分流回路側に流れる電流値を
ホール素子を用いて高精度に測定することができる。従
って,上記高精度な測定データを用いることにより被測
定物の使用状態下での抵抗を高精度に求めることができ
る。その結果,被測定物の微小な電気的抵抗を個別にか
つ高精度に測定することのできる電気抵抗測定方法及び
その装置を得ることができる。
装置は上記したように構成されているため,被測定物ご
とに並列回路を構成することにより,被測定物ごとの抵
抗値を測定することができる。また,被測定物を含む回
路の抵抗を増大させて,実質的に分流回路側へのみ電流
が流れるようにすることにより,分流回路側の抵抗値を
高精度に測定できる。また,被測定物を含む回路の抵抗
の増大のない使用状態での分流回路側に流れる電流値を
ホール素子を用いて高精度に測定することができる。従
って,上記高精度な測定データを用いることにより被測
定物の使用状態下での抵抗を高精度に求めることができ
る。その結果,被測定物の微小な電気的抵抗を個別にか
つ高精度に測定することのできる電気抵抗測定方法及び
その装置を得ることができる。
【図1】 本発明の一実施例に係る電気抵抗測定装置A
の概略構成を示す模式図。
の概略構成を示す模式図。
【図2】 電気抵抗測定装置Aの等価回路図。
【図3】 電気抵抗測定装置Aによる測定結果を示す図
表(a),(b)。
表(a),(b)。
【図4】 4端子法における測定の概略回路図。
A…電気抵抗測定装置 1…超電導線 2…超電導接続部(被測定物に相当) 3…分流回路 4…並列回路 5…電源 6…ヒータ(抵抗変化手段及び加熱手段に相当) 7…サーマルアンカ(断熱手段に相当) 8…電圧計(第1の測定手段に相当) 9…ホール素子(第2の測定手段に相当) 10…演算部(演算手段に相当) 11…ヨーク 12…超電導線(導線に相当) 14…シールドケーシング(遮断手段に相当)
Claims (7)
- 【請求項1】 被測定物と,該被測定物よりも電気抵抗
の大きな分流回路とからなる並列回路へ所定電流を供給
し,上記被測定物に実質的に電流が流れない程度まで該
被測定物を含む回路の抵抗を増大させた状態で上記分流
回路側の抵抗を測定し,上記被測定物を含む回路の抵抗
の増大のない使用状態で上記分流回路側へ流れる電流を
測定し,上記供給された所定電流値と,上記測定された
上記分流回路側の抵抗値及び電流値とに基づいて上記被
測定物の使用状態下での抵抗値を演算してなる電気抵抗
測定方法。 - 【請求項2】 被測定物と,該被測定物よりも電気抵抗
の大きな分流回路とからなる並列回路へ所定電流を供給
する供給手段と,上記被測定物を含む回路の抵抗を増大
させる抵抗変化手段と,上記抵抗変化手段により上記測
定物に実質的に電流が流れない程度まで該測定物を含む
回路の抵抗を増大させた状態で上記分流回路側の抵抗を
測定する第1の測定手段と,上記被測定物を含む回路の
抵抗の増大のない使用状態で上記分流回路側へ流れる電
流を測定する第2の測定手段と,上記供給手段により供
給された所定電流値と,上記第1,第2の測定手段によ
り測定された上記分流回路側の抵抗値及び電流値とに基
づいて上記被測定物の使用状態下での抵抗値を演算する
演算手段とを具備してなる電気抵抗測定装置。 - 【請求項3】 上記第2の測定手段が,ホール素子を取
り付けたヨークに上記分流回路を構成する導線を巻きつ
けたもので構成されてなる請求項2記載の電気抵抗測定
装置。 - 【請求項4】 上記ホール素子及び上記ヨークの廻りに
外部磁場を遮断する遮断手段を設けてなる請求項3記載
の電気抵抗測定装置。 - 【請求項5】 上記抵抗変化手段が,上記被測定物を含
む回路を加熱して該被測定物を含む回路の抵抗を増大さ
せる加熱手段である請求項2記載の電気抵抗測定装置。 - 【請求項6】 上記並列回路の上記被測定物を含む回路
と上記分流回路との間に,上記加熱手段により加熱され
た状態の上記被測定物を含む回路から上記分流回路への
伝熱を阻止する断熱手段を設けてなる請求項5記載の電
気抵抗測定装置。 - 【請求項7】 上記分流回路を構成する導線の,上記並
列回路中の上記分流回路の取り付けのための半田付け部
の長さを調節する調節手段を設けてなる請求項2記載の
電気抵抗測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29167692A JPH06138157A (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 電気抵抗測定方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29167692A JPH06138157A (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 電気抵抗測定方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06138157A true JPH06138157A (ja) | 1994-05-20 |
Family
ID=17771985
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29167692A Pending JPH06138157A (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 電気抵抗測定方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06138157A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104459405A (zh) * | 2014-12-10 | 2015-03-25 | 国家电网公司 | 一种测量线路状态的方法 |
-
1992
- 1992-10-29 JP JP29167692A patent/JPH06138157A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104459405A (zh) * | 2014-12-10 | 2015-03-25 | 国家电网公司 | 一种测量线路状态的方法 |
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