JPH06137929A - 感震器 - Google Patents
感震器Info
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- JPH06137929A JPH06137929A JP4358982A JP35898292A JPH06137929A JP H06137929 A JPH06137929 A JP H06137929A JP 4358982 A JP4358982 A JP 4358982A JP 35898292 A JP35898292 A JP 35898292A JP H06137929 A JPH06137929 A JP H06137929A
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Abstract
した感震器を得る。 【構成】感震素子1は円板4に電気絶縁性の充填材6で
固定された導電端子ピン5を有した蓋板2と導電性のハ
ウジング3により容器が構成されている。ハウジング3
中には導電性の固体の慣性球8が転動可能に収納されて
いる。導電端子ピン5にはしなやかな導電材性の接点部
材7が固着されている。加速度の印加時には慣性球8は
転動して接点部材7の腕状部7Aとハウジング底面3A
との間に入り込みながら腕状部7と摺動接触し、導電端
子ピン5とハウジング3の間を電気的に接続する。この
時、腕状部7Aはその先端を除く部分で慣性球8との接
触を行う。そのため慣性球8との摺動抵抗は低くなると
共に安定する。また慣性球の正規位置への復帰運動に対
する摩擦力も安定する。
Description
ンガス等のマイコンメーターに取付けられたり、石油暖
房機やガス燃焼機器や電気機器の制御装置等に取付けら
れ、地震等の震動を感知して前記マイコンメーターや制
御装置に検知信号を送る感震器に関するものである。
提唱されている。例えば特開昭63−29286号公報
には所定の震度以上の地震に於いて感震球が第1の接点
を駆動し第2の接点に接触するようになされ、ケース内
で自動的に水平を保つ感震装置が記載されている。また
特開昭64−79624号公報には金属容器に水銀粒を
封入した感震器が記載されている。また特開平2−18
6224号公報には球体が転動する事により、容器内の
上方から懸垂された可動接点と容器の内側に設けた固定
接点とを開閉し、容器は外ケース内に吊り下げられ、容
器と外ケースの間に液体を入れた感震器が記載されてい
る。さらに特願平4−272387号において本出願人
は導電性の固体の慣性球により接点板とハウジングとの
間を短絡し電路を閉成する構造とした感震器を提案して
いる。
タ等の燃焼機器に取付けられ、所定の地震等の振動を受
ける事によって1回以上の所定の時間をこえるオン信
号、又はオフ信号を出力し、この信号を受ける事によっ
て該燃焼機器の制御部は消火・燃料供給停止等の適切な
保安処置を行う。また、例えば感震器を都市ガスやプロ
パンガス等のマイコンメーターに取り付けた場合には、
該マイコンメーターにより地震と外乱振動とを区別し、
地震を感知したときには適切な保安処置がとられる様に
なっている。この地震とその他の外乱振動とを区別する
ための手段としては、例えば1回の継続時間が例えば4
0ミリ秒以上のオン信号及びオフ信号が所定の時間内、
例えば3秒間以内に3回以上出力された時に、マイコン
等により地震と判断して信号を出力する構造とされてい
る。
と外乱振動とを区別する場合には、感震器が地震の振動
領域である周波数帯域に於いては所定の動作特性を示
し、それ以外の周波数帯域に於いては別の動作特性を示
すようにする必要がある。
感震装置においてはその点に関しては全く考慮されてい
ない。つまりこの感震装置では可動接点と固定接点との
接触時に可動接点の単なる駆動源である感震球によって
可動接点が固定接点に衝接せられる形になるので、事実
上固定接点と感震球との剛体同士の単純な接触と同様に
なりその反発力により瞬時に感震球と可動接点は固定接
点から開離するために、接触時間を所望する値に調整す
ることができずスイッチとしてのオン信号の出力時間を
長くできない。
は、可動接点が重心より僅かに高い位置を支点として懸
垂されておりかつ非常に部品点数が多く構造が複雑であ
り組み立て難く小形化が難しい。また可動接点が球体と
一緒に水平方向に移動するため、球体と可動接点との摩
擦損失の為に球体の質量を多く必要とし、感震器の小形
化には自ずと限界がある。
器のように水銀を使ったものはマイコン等による制御に
非常によくあう特性を有し且つ長期的にも安定した性能
が得られる高性能なスイッチではあるが、昨今、環境問
題等から水銀を使用しない形式の感震器の要求が高まっ
ており、水銀を使わず、且つ従来の水銀を使用した感震
器と同様の特性を有する感震器が求められている。
人は特願平4−272387号の感震器を提唱した。こ
の感震器は、慣性球により接点板とハウジングとの間を
短絡する構造とされているが、接点板にその加工時に発
生した微小な凹凸が残っていたり、慣性球の表面にも荒
れや微小な疵がついていたりすると、接点板と慣性球と
の間の接触摺動が不円滑となり接触時間が不安定になっ
たり、また最悪の場合には感震器が正常姿勢に復帰静止
しても、慣性球は接点板とハウジングとの間を短絡した
まま原点復帰しなくなる可能性があった。また慣性球に
より変位させられた接点板の先端が慣性球の表面やハウ
ジングの内壁と不都合な角度で接触した場合にも同様に
接点板が慣性球の復元を妨げたり、慣性球は正規位置に
戻っても電路が開放されなくなる可能性があった。
387号の感震器の問題点を究明し改良した、さらに新
規な感震器を提唱するものであり、その特徴は有底円筒
形の導電性のハウジングと、概ね円形の板のほぼ中心に
導電端子ピンを電気的に絶縁して貫通固定した蓋板を有
し、前記ハウジングの底面にはほぼ中心部から外側に向
かって同心円状に緩やかに上昇する傾斜面が形成され、
前記蓋板の周縁部にハウジングの開口端が固定されて容
器を形成し、蓋板の導電端子ピン端部には導電端子ピン
を中心としてほぼ同心円状に接触部を配設する複数のし
なやかな弾性を有した腕状部を持つ導電材製の接点部材
が導電的に固着され、前記容器の内部には導電性の固体
の慣性球が正規姿勢において静止時には重力によりハウ
ジングのほぼ中央部に位置するように収納され、振動を
受ける事により慣性球が揺動し接点部材と接触して変位
させるとともに摺動し接点部材を慣性球によってハウジ
ングに電気的に接続するように構成され、慣性球は前記
接点部材の腕状部の先端を除く部分で接触するように構
成された感震素子を正規姿勢に保持することにある。
ウジングと、概ね円形の板のほぼ中心に導電端子ピンを
電気的に絶縁して貫通固定した蓋板を有し、前記ハウジ
ングの底面にはほぼ中心部から外側に向かって同心円状
に緩やかに上昇する傾斜面が形成され、前記蓋板の周縁
部にハウジングの開口端が固定されて容器を形成し、蓋
板の導電端子ピン端部には導電端子ピンを中心としてほ
ぼ同心円状に接触部を配設する複数のしなやかな弾性を
有した腕状部を持つ導電材製の接点部材が導電的に固着
され、前記密閉容器の内部には導電性の固体の慣性球が
正規姿勢において静止時には重力によりハウジングのほ
ぼ中央部に位置するように収納され、振動を受ける事に
より慣性球が揺動し接点部材と接触して変位させるとと
もに摺動し接点部材を慣性球によってハウジングに電気
的に接続するように構成され、慣性球の移動可能範囲に
おいて慣性球と接点部材の間の摩擦力のハウジング底面
と平行な方向の分力と慣性球とハウジング底面との摩擦
力との合成力に基づく拘束力よりも、接点部材により慣
性球に与えられる反発力と慣性球の重量とのハウジング
底面と平行な方向の分力の合成力に基づく復元力が大き
くなるように設定された形状からなる感震素子を正規姿
勢に保持することにある。
み量は腕状部と慣性球の衝接点に慣性球の重量に相当す
る力を腕状部1本に印加した時に0.25mm乃至5mmと
なる値に選定されたことにある。
を慣性球の直径に4mmを加算した値以内とし、且つその
底面の傾斜角度が4°乃至10°に設定されていること
にある。
垂直方向の距離を慣性球の直径の5%以上とすることに
ある。
ける接点部材と慣性球との接触位置の水平面に対する角
度β0を、45°<β0<75°とし、慣性球がハウジン
グ底面と側面とに当接した時の水平面に対するハウジン
グ底面の接線傾斜角度をα、水平面に対する接点部材の
傾斜角度をβ(但しα≧0,β≧0)とすると、α+β
≧40°であることにある。
との固着部近傍に剛性の高い保護体を設け、慣性球の衝
突による接点部材の永久変形を防止したことにある。
グ内面の少なくとも慣性球と接触する部分と慣性球表面
には使用雰囲気によって導電性を害される事の無いよう
に表面処理が施されていることにある。
いて説明する。図1は本発明の感震器に使用する感震素
子の一実施例の断面図であり、図2はその部分拡大図、
図3はこの感震素子に使用する接点部材の図である。こ
の感震素子1は蓋板2とハウジング3とを溶接により固
定して容器を構成している。その蓋板2は、円形の金属
板4のほぼ中心に貫通孔4Aが穿たれており、この孔を
貫通して導電端子ピン5がガラスやセラミックなどの電
気絶縁性の充填材6により固定されている。また例えば
蓋板とハウジングとの固定がかしめ等によって行われる
場合には、蓋板は円形の電気絶縁材料の中心に導電端子
ピンを貫通固定したものでもよい。
り、その底面3Aには傾斜面が形成されている。本実施
例においては傾斜面の形状は傾斜角度α0をもった直線
を回転して得られる円錐面状とされているが、その形状
はこれに限定されるものではなく、途中で傾斜角度が変
化する円錐面や、上下に緩やかな曲率を有した曲線を回
転して得られる凹曲面又は凸曲面も含むものである。こ
れらの曲面の傾斜角度とは慣性球の静止位置に於ける接
触点と慣性球の最大転動位置に於ける接触点を結ぶ直線
の角度と規定する。また前述の曲線は傾斜方向が変化し
なければ、途中で若しくは徐々に曲率が変化していても
よい。
周縁部に溶接やかしめなどにより固定することにより容
器が形成される。導電端子ピン5の容器内側先端には導
電材製の接点部材7が溶接などにより導電的に固着され
ている。この接点部材7は図3(A)及び(B)に示す
如く複数のしなやかな弾性を有した腕状部7Aを有して
おり、導電端子ピン5を中心に後述の慣性球8との接触
部がほぼ同心円状に配設されている。慣性球の質量が
0.7グラム程度の場合には、接点部材7の材質として
例えば厚みが0.01〜0.03mmのリン青銅板が使用
される。
の少なくとも後述の慣性球8と接触する部分と該慣性球
8の表面とには使用雰囲気により導電性を害される事の
無いように、例えば金や銀の如き貴金属やあるいはニッ
ケル、鉛と錫からなるハンダメッキ等の表面処理を施し
たものが目的に応じて選定されるが、その表面が使用目
的に適する導電性を有していれば、表面処理をこれに限
るものではない。
2の周縁部にリングプロジェクション溶接などにより気
密に固定して密閉容器を形成することができる。この場
合には、気密容器内部の空気を排除して水素、ヘリウ
ム、アルゴン、窒素などの汚損防止用ガスと置換して封
入すれば、接点部材7や慣性球8やハウジング3の内面
を腐食や汚損から保護して長期にわたり安定した特性を
得るために好ましい。
慣性球8との接触をしないようにされており、特にその
長さが短い場合には例えば図3(C)の如く先端部分を
やや外側に湾曲させたりしておくことが望ましい。また
腕状部を例えば図4(A)及び(B)に示す如き形状と
してもよい。図4(A)の接点部材腕状部7Bは集中応
力のかかる根元側を保護するために、その根元側になる
ほど幅が太くなっている。また図4(B)の接点部材腕
状部7Cは慣性球8との接触部となる先端側になるほど
幅が広くされており、慣性球8との接触が安定しやすく
なる。さらに図5(A)及び(B)に示す如く接点部材
7と導電端子ピン5との固着部近傍に板厚が0.5mm程
度の金属板で作られた剛性の高い保護体9,10を設
け、慣性球の衝突による接点部材の永久変形を防止した
構造としてもよい。
が正規姿勢において静止時には重力によりハウジング3
の底面3A中央に設けられた静止部3Bに位置するよう
に収納されている。本実施例ではこの静止部3Bは半径
を慣性球8の半径の0.05倍乃至0.25倍に選定さ
れており、慣性球8が転動を開始する震動加速度を震度
5の時の振動加速度である80〜250ガルの範囲にほ
ぼ相当する値に設定されている。
限定するものではなく、例えば円錐面状のものにおいて
は球の転動開始加速度から導かれる傾斜角度とハウジン
グ底面3Aの傾斜角度が一致していればとくに孔はなく
ても底面3Aの中央部が慣性球を保持する静止部として
の役割を果たし、また傾斜角度の浅い曲面をもったハウ
ジングではハウジングの中央附近の曲率を変えて慣性球
との接触部の傾斜を大きくして慣性球が安定するように
してもよい。
であれば例えば図6の如く曲面状のハウジング底面3A
を有し、静止部をもたない形状としてもよい。
ンレス、銅やその合金、又は硬質鉛等種々の金属製の球
であり、鉄や銅等空気中で酸化し易くその酸化被膜が導
電性を害するおそれのあるものに対しては好ましくは前
述の如く金や銀等の貴金属やあるいはニッケル、鉛と錫
からなるハンダメッキ等の表面処理を施したものが目的
に応じて選定される。
場合、その直径が5mmの時には質量が約0.52グラム
になる。また慣性球の材質にタングステンを選定した場
合は直径5mmの時には約1.26グラムにまた直径8mm
の時には約5.17グラムになり、またアルミニウムで
は直径5mmの時約0.18グラムとなる。実験の結果、
慣性球の質量が0.2グラム未満のものではハウジング
底面との接触が安定せず、また接点部材との接触も安定
しないためその出力信号にノイズが多くマイコンなどに
プログラムされたソフトウェア例えば40ミリ秒以上の
オン時間と40ミリ秒以上のオフ時間のパルスによる地
震の判定には問題があり、慣性球と接点部材の接触角度
によっては接点部材によって拘束される可能性が高くな
る。また慣性球の質量が5グラムを超える場合には、ハ
ウジング底面及び接点部材との接触は安定するが、慣性
球の直径が大きくなるため感震素子全体が大型化してし
まい、小形の感震器を得にくくなる。
の振動が与えられるまで静止部3Bに保持され、所定の
値以上の振動が与えられると転動を開始し、前述の接点
部材7の腕状部7Aと摺動接触し接点部材7とハウジン
グ3の間を電気的に接続するように構成されている。
と、正規姿勢で静止時には慣性球8はハウジング3中央
の静止部3B上に保持されている。この時、慣性球8と
接点部材7とは離れており、従って導電端子ピン5とハ
ウジング3及び金属板4の間に導通はない。
と、慣性球8と静止部3Bとの半径によって決定される
所定の振動加速度に達するまでは慣性球8は静止部3B
上に保持され続ける。振動加速度が所定の値に達する
と、慣性球8は静止部3Bから飛び出してハウジングの
底面3A上で転動を開始する。こうして転動した慣性球
8が接点部材7の腕状部7Aと接触し、導電端子ピン5
−接点部材7−慣性球8−ハウジング3−金属板4の経
路の電路が閉路される。この信号を各種警報装置や制御
装置に入力する事により、例えばマイコンなどによりそ
の入力信号から地震の発生を判断し燃焼器やガスメータ
等の安全装置を作動させ地震による火災等の二次災害を
防ぐ事ができる。
状部7Aの長さ及び角度、慣性球8と接点部材7との距
離等が所定の関係となるように設定され、慣性球8と接
点部材7との摺動接触が慣性球8の静止部からの最大移
動範囲内の箇所においても腕状部7Aの先端を除く部分
で行われるよう配設されているので、該腕状部の先端で
接触する場合と比較して接点部材と慣性球の間の摺動抵
抗は低くなると共に安定し、慣性球8の正規位置への復
帰運動に対する摩擦力も安定する。また感震素子1に大
きな震動加速度が与えられ、慣性球8がハウジング3の
側面3Cに衝接した時にも腕状部7Aの先端はハウジン
グ側面3Cとは接触しないような長さとされているため
に腕状部7Aがハウジング側面3Cに引っ掛かることは
なく、慣性球8が接点部材7との接触を解いたときには
確実にその電路を開放することができる。
の撓み量が腕状部7Aと慣性球8の衝接点に慣性球の重
量に相当する力を腕状部1本に印加した時に0.25mm
乃至5mmとなる値に選定されている。慣性球8の重量に
対する腕状部7Aの撓み量をこの様に選定することによ
り、接点部材と慣性球との接触時に接点部材が慣性球を
ハウジング底面3Aに押し付ける分力と慣性球をハウジ
ング中心方向へ押し戻す分力とを適切な値にすることが
できるとともに、慣性球との接触時間を適切な値にする
ことができる。
は、ハウジング3の内径及び慣性球8の直径を小さくす
る必要があるが、質量の小さな慣性球を使用すると慣性
球とハウジング底面3Aとの接触圧が少なく転動時にハ
ウジング底面との接触状態が不安定になる。またハウジ
ング底面3Aの傾斜角度を大きくすることにより、転動
時に水平方向に与えられる振動加速度の分力による慣性
球8とハウジング底面との接触圧は大きくできるが、慣
性球の転動に対する抵抗も大きくなるため転動距離が短
くなり、接点部材7との接触が不充分になる。
面の傾斜角度を4°乃至10°とし、且つその内径を該
慣性球の直径に対する加算値が4mm以内になるように設
定されている。こうすることにより感震素子を小形にす
るために、より小さな慣性球を使用しても、慣性球は水
平な震動に対して上下動を起こしにくく、且つ転動に対
する抵抗が少なく、慣性球と接点部材及びハウジング底
面とは所定の震動に対して安定した接触を得ることがで
きる。
を3°以下とした場合、感震素子1の取付時において正
規姿勢から1〜2°の傾きがあるだけで転がり摩擦によ
り慣性球8が中心に復帰しない可能性があるために高い
取付精度を要求される。また慣性球8が振動加速度を受
け転動したときにもその転動だけではハウジング底面3
Aにおし付けられる分力が不充分なためハウジング底面
3Aとの接触が安定せず、接点部材7と接触する時に所
謂チャタリングを起こす可能性がある。また傾斜角度が
10°を超えるものは、慣性球8の転動時に慣性球8を
ハウジング底面3Aに押し付ける分力は充分に発生し慣
性球8とハウジング底面3Aとの接触は安定するが、転
動に対する抵抗も増えるために転動距離が短くなるとと
もに慣性球8と接点部材7とが摺動により接触する距離
も短くなり、慣性球8と接点部材7との接触時間が不充
分になる。そのためオン時間とオフ時間の比が大きくな
り出力信号をマイコンにプログラムされた地震の判定基
準と合致させることが困難になる。
決定される。地震の振動は幅広い帯域の振動を含んでい
るが、主に1〜5Hzの振動であり、感震器としての特性
試験には代用特性として上記帯域の正弦波が印加され
る。このとき慣性球とハウジングの間の距離、つまりほ
ぼ慣性球の転動部分にあたる距離が片側最大2mmあれば
安定した出力信号を得ることができる。これ以上の距離
を設けることは単に冗長部分を設けるに過ぎず、また当
然感震器の大型化につながるものである。
には震度5の時の振動加速度のほぼ下限である100ガ
ルの時には片側約6mmの振幅が与えられる。例えば慣性
球が100ガルで転動を開始するように設定されている
場合には、慣性球の転動距離を片側2mm以内に設定して
あれば、慣性球はハウジング内の最大移動位置にまで移
動するため間違いなく接点部材と接触する。
のほぼ上限である250ガルの時は片振幅が約2.5mm
であるため、やはり慣性球は接点部材と接触する。実際
には接点部材との接触及び摺動により慣性球の運動は減
衰されるため、通常の振動に対しては慣性球の移動距離
は片側2mmあればよく、それ以上は必要ない。また慣性
球の移動可能距離を必要以上に設けた場合、輸送運搬時
などに比較的大きな衝撃加速度を受けて慣性球がハウジ
ング側面に当接する位置にまで移動したときに、接点部
材と慣性球の接触角度が浅くなり、慣性球の自重と接点
部材の反発力による復元力よりも慣性球がハウジング底
面に押し付けられて発生する摩擦による抵抗力が大きく
なり、慣性球が挟持される可能性が高くなり正規姿勢時
に正規の位置に戻れなくなる。
定することにより、異常な衝撃加速度等により慣性球8
がハウジング側面3Cに当接する位置にまで移動した時
にも、通常の振動による慣性球8の移動位置と比較して
接点部材7の接触角度は不必要に浅くなることはなく、
自重と接点部材7の反発力とにより戻りやすくなる。
約1mmとなるが、慣性球8と接点部材7との距離がそれ
以下に設定されていればオン−オフ信号は発生する。た
とえばここで周波数の上限値を5Hzとすると原理的には
1秒間にオン信号、オフ信号ともに10回ずつ発生する
ことになり、オン時間幅とオフ時間幅が同じならば1回
の信号は50ミリ秒となり5Hzを超える信号は検出しな
いことになるが、実際にはそれぞれの時間幅にはばらつ
きがあるためにこのままマイコンのソフトウェアをプロ
グラムすると5Hz以下の信号も検出しなくなる可能性が
ある。そこでこの数字に余裕を見て例えばオン時間幅、
オフ時間幅ともに40ミリ秒以上とすることにより6.
25Hz以上の周波数の振動の場合には地震と判定しない
ようにされている。
れるソフトウェアや、慣性球と接点部材との距離並びに
接点部材のバネ定数、ハウジングの底面の傾斜角度等が
決定される。
向の距離が狭いと以下の様な問題が発生する。即ち接点
部材7と慣性球8との接触点が同じになるように設定し
た場合、接点部材7と慣性球8との垂直方向の距離が狭
いものの方が接点部材7の腕状部7Aの長さが短くなる
ためバネ定数が高くなり、また同時に慣性球8の移動量
に対する腕状部7Aの角度変化が大きくなる。そのた
め、より質量の大きな慣性球を使用するか接点部材のバ
ネ定数を下げるかする必要がある。また腕状部7Aの角
度変化が大きいため、慣性球8がハウジング側面3Cに
当接するまで移動した場合に接点部材7との接触角度が
不必要に浅くなり接点部材の反発力による慣性球の復元
力よりも摩擦による抵抗力が大きくなる可能性が高くな
る。
直方向の距離を慣性球の直径の5%以上とすることを特
徴としている。この様にすることにより接点部材として
必要以上に薄い材料や細い構造のものを使用したり、質
量の大きな慣性球を使用することなく所望する性能の接
点部材を得ることができる。例えば5mmの慣性球を使用
したものにおいて、接点部材の腕状部の接触点を同一と
して比較した場合、慣性球と接点部材との垂直方向の距
離が0.5mmのものにおいてはオン時間幅及びオフ時間
幅は安定しているが、0.2mmのものにおいてはオン時
間幅、オフ時間幅ともに不揃いになる。これは前述の如
く、接点部材のバネ定数が高くなるためである。また本
発明によれば、製造時の組付誤差が必要以上に厳しくな
ることなく製造が容易になる。
現することが困難なため、前述の様に代用特性として正
弦波を印加して行うため、比較的滑らかに加速度は変化
するが、実際にはその変動が大きいため、慣性球8と接
点部材7との接触部の摩擦力が大きいと特に大きな震動
や衝撃加速度を受けたときなどに、慣性球8が接点部材
の腕状部7A及びハウジング底面3Aとの間に深く入り
込んだまま挟み込まれてしまい、振動がなくなって静止
したときに自重及び接点部材の反発力だけでは慣性球8
が元の位置へ復帰できず電路が開放されなくなる可能性
がある。
材とハウジングとの間に深く入り込んだときにも挟持さ
れることのない様、慣性球の移動可能範囲において、慣
性球と接点部材の間の摩擦力のハウジング底面と平行な
方向の分力と慣性球とハウジング底面との摩擦力との合
成力よりも、接点部材により慣性球に与えられる反発力
及び慣性球の重量とのハウジング底面と平行な方向の分
力の合成力が大きくなるように構成されている。
の移動可能範囲において、慣性球はハウジング内のどの
位置にあっても電極とハウジングとに挟み込まれて元の
位置に復帰できず、電路を閉路したままになることがな
くなる。
感震器に使用される感震素子の慣性球に作用する力を図
示したものであり、各々の記号はF:接点部材が慣性球
に与える反発力、W:慣性球の重量、P:慣性球の中
心、α:水平面に対するハウジング底面の接線傾斜角
度、β:水平面に対する接点部材の傾斜角度(β≧
0)、μA:慣性球と接点部材との接触点における摩擦
係数、μB:慣性球とハウジング底面の接触点における
摩擦係数とする。ここで云う接線傾斜角度αは慣性球と
ハウジング底面の当接点における接線の傾斜角度であ
り、前述の図2の如き円錐面状の底面の場合はハウジン
グ底面の傾斜角度α0と一致するが、曲面の場合は前に
規定した傾斜角度α0とは必ずしも一致しない。図7に
おいて前述の慣性球が正規姿勢で静止すると元の位置に
戻る構成とするためには、以下の数式の関係を満たす必
要がある。
性球をハウジング底面に沿って図示右側へ移動させる復
元力を示し、右辺は慣性球をその場に留める摩擦力を示
す。つまり左辺の力が右辺に勝れば慣性球は移動を開始
し、逆に右辺が左辺に勝れば慣性球はその場に留る。
られる復元力の項と、慣性球の自重Wによって与えられ
る復元力の項とに分けられる。すなわちF・sin(α+
β)は接点部材の反発力Fのハウジング底面と平行な方
向への分力即ち復元力であり、W・sinαは慣性球の自
重Wに基づくハウジング底面と平行な方向への分力即ち
復元力である。
と接点部材と慣性球との接触点(以下接触点Aという)
での摩擦力によって与えられる摩擦力の分力の項と、慣
性球をハウジング底面に押し付ける力と慣性球とハウジ
ング底面の接触点(以下接触点Bという)とにより与え
られる摩擦力の項とに分けられる。μA・Fは接触点A
に作用する摩擦力であり、そのハウジング底面に平行な
分力はμA・F・cos(α+β)となる。また慣性球は、
その重量Wのハウジング底面に垂直方向に作用する分力
W・cosαと、接点部材の反発力Fのハウジング底面に
垂直方向に作用する分力F・cos(α+β)との合力に
よりハウジング底面に押し付けられている。この力によ
り摩擦力μB(W・cosα+F・cos(α+β))が発生
する。
による摩擦力 μA0・Fと接触点Bでのすべり摩擦によ
る摩擦力 μB0(W・cosα+F・cos(α+β))の摩
擦力の低い方の接触点とすべりを起こし、他方とはすべ
りを起こさないためにその動きは転動となる。例えば本
実施例においてα=6°の時に慣性球の重量 W=0.
69グラム、慣性球により変位されていない自由状態で
の接点部材の慣性球との接触位置の角度 β0=55°と
して、慣性球がハウジング側面と当接する位置での接点
部材の角度 β=40°、その時の反発力 F=0.6g
となるような条件に選定した場合、接触点Bでの摩擦力
が接触点Aでの摩擦力に勝るため、慣性球は接点部材と
すべりを起こし、ハウジング底面上を転動することにな
る。その為、上記の様な条件に設定した場合は数1の数
式の右辺の接点部材と慣性球との接触点Aでの摩擦係数
μAは静摩擦抵抗係数に、慣性球とハウジング底面の接
触点Bでの摩擦係数μBはころがり摩擦係数になること
がわかる。
まるが、ここでその値として慣性球と接点部材又はハウ
ジング底面とのすべり摩擦係数を1.0、ころがり摩擦
係数を0.001として前述の数1の数式を計算する
と、上記の条件の感震素子では慣性球がハウジング側面
と当接した位置に位置したときにも数1の数式は成立
し、慣性球は自重と接点部材の力とにより転動すること
ができることがわかる。
表面の荒れや微小な疵などにより摩擦係数が前述の値よ
り高くなる可能性がある。この様な場合、慣性球は転動
しない理屈になるが実際には上述の感震素子ではそのバ
ネ定数などから、通常の振動加速度であれば慣性球はハ
ウジング側面に当接することはなく、またそれ以上の例
えば衝撃加速度などが加えられた場合にも慣性球がハウ
ジングに当接した位置で反作用による反動が全くなくな
ることは考えにくいため実用上問題とならない実験結果
が得られている。
と、慣性球は容易にハウジング側面と当接する位置にま
で移動し、上述の様に摩擦係数が高い場合には接点部材
の摩擦力により慣性球が拘束されてしまうことがある。
また自由角度β0を深くしすぎると接点部材の腕上部先
端が慣性球又はハウジング側面にあたってしまい、その
電路を開放しなくなる可能性がある。
態での接点部材の慣性球との接触位置の水平面に対する
角度β0を、45°<β0<75°とし、慣性球がハウジ
ング底面と側面に同時に当接した時の水平面に対するハ
ウジング底面の接線傾斜角度をα、水平面に対する接点
部材の傾斜角度をβ(但しα≧0,β≧0)とすると、
α+β≧40°であることを特徴としている。この様に
接点部材の自由状態及び最大変位状態での角度を設定す
ることにより、慣性球が接点部材とハウジング底面との
間で拘束されることはなくなる。
は、α+β≧40°とするためには慣性球による接点部
材の変位がほとんど得られないため慣性球に対する反発
力が得られなくなる。そのため接点部材のバネ定数を高
くしなければならず、また慣性球が摺動しながら移動す
る距離も短くなるために、その接触時間のばらつきが大
きくなる。またβ0を75°以上に設定した場合には、
腕状部の先端が慣性球若しくはハウジング側面に当接し
ないようにするためには、腕状部の長さの選定の自由度
が狭くなる。即ち、慣性球と接点部材の接触点が腕状部
の先端にならないように腕状部の長さを充分に設定する
と、慣性球がハウジング側面に当接する前に腕状部先端
がハウジング側面に当接してしまい、逆に腕状部先端が
ハウジング側面に当接しない様に短くすると、慣性球に
その先端が接触してしまう。従ってその部品としての寸
法公差及び組立公差は厳しくなり、その製造に非常に高
い精度を要求されることになる。
がハウジング側面に当接した時に、慣性球に対する接点
部材の反発力の分力の内、慣性球をハウジング底面に押
し付ける力が大きくなり、慣性球に作用する摩擦力が慣
性球の復元力を超えてしまい、慣性球は接点部材とハウ
ジング底面との間で拘束されてしまう。
接点部材と慣性球の摺動距離を短くすることがなく、ま
た腕状部の設定に余裕をもたせ組立てを容易にすること
ができ、さらに慣性球はハウジング側面と当接する位置
にあっても接点部材と自重とにより必ずハウジング中央
に戻ることができる。
規姿勢に保持する部材である樹脂製のケース12を有し
た実施例を示したものである。感震素子1はその金属板
4上にL字形の導電性の溶接ピン13が溶接されてい
る。この感震素子1をケース下面の開口部から挿入し、
その導電端子ピン5と溶接ピン13をケースに穿たれた
貫通孔12A,12Bに挿通し、ケース12の内側にあ
る面状もしくは少なくとも3ヵ所の突起の姿勢保持部1
2Cに金属板4を当接し感震素子の位置決めを行う。こ
の状態で導電端子ピン5及び溶接ピン13のケース上部
に突出した端部に、それぞれ端子14及び15を溶接す
ることにより、感震素子1はケース12に対して所定位
置に固定される。
ー等に取付けるに際して、このケース底面12Dを図示
しない石油ファンヒータの底板等の水平面に密着させ固
定用孔12Eにネジ等を通して感震器11をネジにより
締めつけて固定することによって感震素子1は正規姿勢
を成すように感震器11のケース底面12Dと感震素子
1とは所定の位置付けが為されているものである。尚、
この他にも感震素子を正規姿勢に保持する手段は種々の
形態が考えられ、たとえば導電端子ピン5に門形やL字
形等の所定の金具を溶接して、この金具が所定の取付面
に取り付けられることにより感震素子が正規の姿勢に保
持されるようにしたものはさらに容易な手段である。
る。図9はこの実施例における感震器21であり、樹脂
製の容器22と蓋23を超音波による溶着等により封着
してなるケース中に図1に示す感震素子1の導電端子ピ
ン5に吊り部たるフック24が固定されて感震素子1が
収容されている。このケースが感震素子を正規姿勢に保
持する部材となる。図1中の記号と同一の記号を付して
示したものについての説明は省略するが、容器22には
ケース内部と外部とを電気的に接続する端子25A,2
5Bがインサート成型により固定され、また後述の支持
体26が設けられている。感震素子1は容器22内に設
けられた支持体26にフック24の端部を揺動可能に支
持されて、重力により感震素子1が正規姿勢となるよう
に為されている。
性を選定した液体27が封入されている。また感震素子
1のハウジングと同電位の金属板4からは導線28が、
また接点部材7と同電位の導電端子ピン5からは導線2
9がそれぞれ端子25A,25Bに電気的に接続されて
いる。この導線28及び29は柔軟な細線であり感震素
子1が正規姿勢を得るための動作に影響を与えない様に
配慮されている。また感震素子1は金属製のハウジング
と蓋板を気密に溶接した気密容器とされているために、
シリコンオイル中に吊るされても感震素子1の内部にオ
イルが浸入する心配は全くない。
と、前述の感震器11の場合は取付けにおいて高い精度
が要求され、例えば取付け部分の傾き等によりその取付
角度が水平面から外れて傾きが1°あると約20ガル動
作値が低下する。しかし本実施例の感震器21において
は、感震素子1がフック24により支持体26に揺動可
能に支持されているため、取付けに対する許容傾斜角度
以内、例えばケース内の空間において正規姿勢を取れる
余裕空間以内であれば重力により感震素子1は自動的に
ケース内の空間において補正されて正規姿勢となる。こ
の時ケース内の液体27はケースが傾いてから所定時間
内、例えば15秒程度で感震素子1が正規姿勢となるよ
うに粘性を選定されている。
震素子1が正規姿勢となった感震器21が震動や加速度
を受けると感震器21には粘性の選定された液体27が
封入してあるので、例えば周期が2乃至3秒以下の検出
すべき震動に対しては感震素子1はケースと一体に動作
し確実な検出を可能とする。
と、通常この種のメータは屋外に設置されているため
に、この附近を通る人が体や持ち物を当てたり、ボール
投げ遊びのボールがガスメータに衝突するなど外乱振動
が与えられる可能性がある。この場合、ガス配管の固定
金具の支持位置の間隔寸法等により多少の差はあるが通
常0.1秒前後の周期でほぼ正弦波形の1000ガル程
度から減衰していく振動加速度がガスメータに印加され
るという事が実験により認められた。たとえば感震器の
動作閾値が130ガルに設定され前述の如くオン時間が
40ミリ秒以上でオフ時間が40ミリ秒以上のオン−オ
フ信号が3秒間以内に3サイクル以上あれば地震が発生
したと判定するというようにマイコンのソフトの条件が
設定されている場合、感震器から0.1秒前後の周期に
同期したオン−オフ信号が出力されても、オン時間とオ
フ時間が40ミリ秒未満となるので、マイコンが地震の
判定をしない。
機器が転倒する事があり、この場合には感震器からの信
号はオンの状態を継続する事になる。そのため前述の制
御用のマイコンには所定時間、例えば1秒以上オンの状
態が継続すると機器を停止する等の制御をするようにプ
ログラムされている。
よる判断を行う以前に感震器を取り付けた機器が転倒し
たり傾斜した時には、当然感震器はオン状態となり、こ
の状態が1秒以上継続すれば所定の加速度を有する地震
を検出したと同一の判断となることは前に述べた通りで
ある。ただし傾斜角度がケース内の余裕空間から定めら
れた例えば5度程度の場合、ケース内に液体27が封入
されていないと感震素子24は即座に正規姿勢となるた
めに装置の傾斜が検出されないが、感震器21は液体2
7の粘度により制動され、急に感震器が傾斜した時には
前述の如く20秒程度の所定の時間内で徐々に正規姿勢
に復帰するようにされているので、オン時間が1秒以上
継続して感震器を取り付けた装置が傾斜したと判断し
て、警報を発したり制御対象機器を制御する事ができ
る。
ものではなく、例えば特開昭63−29286号公報
や、特開平3−17521号公報、特開平4−5252
2号公報、特開平4−286922号公報、実開昭61
−48325号公報、実開昭61−82336号公報、
実開昭62−62226号公報、実開昭62−8471
7号公報、実開昭62−193529号公報、実開昭6
3−85830号公報等に開示された方法としてもよ
く、また当然感震素子を正規姿勢とすることができれば
その他の方法でもよい。
及び角度、慣性球と接点部材との距離等が所定の関係と
なるように設定され、慣性球と接点部材との摺動接触が
慣性球の最大移動時においても腕状部の先端を除く部分
で行われるように為されているために、該腕状部の先端
で接触する場合と比較して接点部材と慣性球の間の摺動
抵抗は低くなると共に安定し、慣性球の正規位置への復
帰運動に対する摩擦力も安定する。また慣性球がハウジ
ングの側面に衝接した時にも腕状部の先端はハウジング
側面とは接触しないような長さとすることにより腕状部
がハウジング側面に引っ掛かることはなく、慣性球が接
点部材との接触を解いたときには確実にその電路を開放
することができる。
材とハウジングとの間に深く入り込んだときにも挟持す
ることのない様、慣性球の移動可能範囲において、慣性
球と接点部材の間の摩擦力のハウジング底面と平行な方
向の分力と慣性球とハウジング底面との摩擦力との合成
力に基づく拘束力よりも、接点部材により慣性球に与え
られる反発力及び慣性球の重量とのハウジング底面と平
行な方向の分力の合成力に基づく復元力が大きくなるよ
うに構成されているため、慣性球はハウジング内のどの
位置にあっても電極とハウジングとに挟み込まれたり電
路のオン状態を継続することはない。
部の撓み量を腕状部と慣性球の衝接点に慣性球の重量に
相当する力を腕状部1本に印加した時に0.25mm乃至
5mmとなる値に選定されているために、接点部材と慣性
球との接触時に接点部材が慣性球をハウジング底面に押
し付ける分力と慣性球をハウジング中心方向へ押し戻す
分力とを適切な値にすることができるとともに、慣性球
との接触時間を適切な値にすることができる。
径を該慣性球の直径に4mmを加算した値以内とし、且つ
その底面の傾斜角度を4°乃至10°に設定することに
より、感震素子を小形にするためにより小さな慣性球を
使用しても、慣性球は水平な震動に対して上下動を起こ
しにくく且つ転動に対する抵抗が少なく、慣性球と接点
部材及びハウジング底面とは所定の震動に対して安定し
た接触を得ることができる。
性球との垂直方向の距離を慣性球の直径の5%以上とす
ることにより、接点部材のバネ定数が不必要に高くなら
ないため慣性球との接触が円滑になり、また慣性球と接
点部材との接触角度が浅くなりにくいので慣性球は拘束
されなくなる。
状態での接点部材の慣性球との接触位置の水平面に対す
る角度β0を、45°<β0<75°とし、慣性球がハウ
ジング底面と側面とに当接した時の水平面に対するハウ
ジング底面の傾斜角度をα、水平面に対する接点部材の
傾斜角度をβとすると、α+β≧40°としたことによ
り、慣性球が接点部材とハウジング底面との間で拘束さ
れることはなくなる。また接点部材と慣性球の摺動距離
を短くすることがなく、また腕状部の設定に余裕をもた
せ組立てを容易にすることができ、さらに慣性球はハウ
ジング側面と当接する位置にあっても接点部材と自重と
により必ずハウジング中央に戻ることができる。
電端子ピンとの固着部近傍に剛性の高い保護体を設けた
ことにより、接点部材に対する慣性球の衝突による接点
部材の永久変形を防止することができ、安定した特性を
得ることが出来る。
及びハウジング内面の少なくとも慣性球と接触する部分
と慣性球表面に金や銀等の貴金属やあるいはニッケル、
鉛と錫からなるハンダメッキ等の表面処理を施すこと
で、使用雰囲気による表面の酸化や腐食等の発生を防ぐ
ことができ、導電性を害される事がなくなり長期間安定
した電気的特性を得ることができる。
の正規姿勢となるようにされた感震器においては、ケー
スの厳格な取付け姿勢が不必要となってプリント基板等
への装着に適する効果を奏する。
例
施例
施例
図
Claims (8)
- 【請求項1】 有底円筒形の導電性のハウジングと、概
ね円形の板のほぼ中心に導電端子ピンを電気的に絶縁し
て貫通固定した蓋板を有し、前記ハウジングの底面には
ほぼ中心部から外側に向かって同心円状に緩やかに上昇
する傾斜面が形成され、前記蓋板の周縁部にハウジング
の開口端が固定されて容器を形成し、蓋板の導電端子ピ
ン端部には導電端子ピンを中心としてほぼ同心円状に接
触部を配設する複数のしなやかな弾性を有した腕状部を
持つ導電材製の接点部材が導電的に固着され、前記容器
の内部には導電性の固体の慣性球が正規姿勢において静
止時には重力によりハウジングのほぼ中央部に位置する
ように収納され、振動を受ける事により慣性球が揺動し
接点部材と接触して変位させるとともに摺動し接点部材
を慣性球によってハウジングに電気的に接続するように
構成され、慣性球は前記接点部材の腕状部の先端を除く
部分で接触するように構成された感震素子を正規姿勢に
保持することを特徴とする感震器。 - 【請求項2】 有底円筒形の導電性のハウジングと、概
ね円形の板のほぼ中心に導電端子ピンを電気的に絶縁し
て貫通固定した蓋板を有し、前記ハウジングの底面には
ほぼ中心部から外側に向かって同心円状に緩やかに上昇
する傾斜面が形成され、前記蓋板の周縁部にハウジング
の開口端が固定されて容器を形成し、蓋板の導電端子ピ
ン端部には導電端子ピンを中心としてほぼ同心円状に接
触部を配設する複数のしなやかな弾性を有した腕状部を
持つ導電材製の接点部材が導電的に固着され、前記容器
の内部には導電性の固体の慣性球が正規姿勢において静
止時には重力によりハウジングのほぼ中央部に位置する
ように収納され、振動を受ける事により慣性球が揺動し
接点部材と接触して変位させるとともに摺動し接点部材
を慣性球によってハウジングに電気的に接続するように
構成され、慣性球の移動可能範囲において慣性球と接点
部材の間の摩擦力のハウジング底面と平行な方向の分力
と慣性球とハウジング底面との摩擦力との合成力に基づ
く拘束力よりも、接点部材により慣性球に与えられる反
発力と慣性球の重量とのハウジング底面と平行な方向の
分力の合成力に基づく復元力が大きくなるように設定さ
れた形状からなる感震素子を正規姿勢に保持することを
特徴とする感震器。 - 【請求項3】 接点部材の腕状部の撓み量は腕状部と慣
性球の衝接点に慣性球の重量に相当する力を腕状部1本
に印加した時に0.25mm乃至5mmとなる値に選定され
たことを特徴とする請求項1または請求項2の感震器。 - 【請求項4】 ハウジングの内径を慣性球の直径に4mm
を加算した値以内とし、且つその底面の傾斜角度が4°
乃至10°に設定されていることを特徴とする請求項1
乃至請求項3の感震器。 - 【請求項5】 接点部材と慣性球との垂直方向の距離を
慣性球の直径の5%以上とすることを特徴とする請求項
1乃至請求項4の感震器。 - 【請求項6】 接点部材の自由状態における接点部材と
慣性球との接触位置の水平面に対する角度β0を、45
°<β0<75°とし、慣性球がハウジング底面と側面
とに当接した時の水平面に対するハウジング底面の接線
傾斜角度をα、水平面に対する接点部材の傾斜角度をβ
(但しα≧0,β≧0)とすると、α+β≧40°であ
ることを特徴とする請求項1乃至請求項5の感震器。 - 【請求項7】 接点部材と導電端子ピンとの固着部近傍
に剛性の高い保護体を設け、慣性球の衝突による接点部
材の永久変形を防止したことを特徴とする請求項1乃至
6の感震器。 - 【請求項8】 接点部材及びハウジング内面の少なくと
も慣性球と接触する部分と慣性球表面には使用雰囲気に
よって導電性を害される事の無いように表面処理が施さ
れていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の感震
器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35898292A JP2930491B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 感震器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35898292A JP2930491B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 感震器 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31636392A Division JP2935485B2 (ja) | 1992-09-16 | 1992-10-29 | 感震器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06137929A true JPH06137929A (ja) | 1994-05-20 |
JP2930491B2 JP2930491B2 (ja) | 1999-08-03 |
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ID=18462125
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP35898292A Expired - Fee Related JP2930491B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 感震器 |
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JP (1) | JP2930491B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102174993A (zh) * | 2011-03-08 | 2011-09-07 | 重庆大学 | 可以调节的管道振动信号采集增强装置 |
CN115586576A (zh) * | 2022-09-28 | 2023-01-10 | 华亭煤业集团有限责任公司 | 一种矿井内地震监测装置 |
-
1992
- 1992-12-24 JP JP35898292A patent/JP2930491B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102174993A (zh) * | 2011-03-08 | 2011-09-07 | 重庆大学 | 可以调节的管道振动信号采集增强装置 |
CN115586576A (zh) * | 2022-09-28 | 2023-01-10 | 华亭煤业集团有限责任公司 | 一种矿井内地震监测装置 |
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