JPH06137369A - 制振装置とその制御方法 - Google Patents

制振装置とその制御方法

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JPH06137369A
JPH06137369A JP28475192A JP28475192A JPH06137369A JP H06137369 A JPH06137369 A JP H06137369A JP 28475192 A JP28475192 A JP 28475192A JP 28475192 A JP28475192 A JP 28475192A JP H06137369 A JPH06137369 A JP H06137369A
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vibration
control
weight
amplitude
translational
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Application number
JP28475192A
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English (en)
Inventor
Kazuo Tamura
和夫 田村
Akira Mita
彰 三田
Yasuo Inada
泰夫 稲田
Keiji Shiba
慶治 柴
Mika Kaneko
美香 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造物の並進振動、捩れ振動を減衰させる。 【構成】 構造物Mの上方に錘12を配置し、この錘1
2の変位を制御する駆動装置14を配設する。構造物の
振動を検出する振動センサー16を複数設ける。これら
振動センサー16の検出結果に基づいて駆動装置14を
制御する制御システム15を設ける。制御システム15
は、振動センサー16の検出結果に基づいて構造物Mの
並進振動と捩れ振動とを判定する振動判定手段26と、
振動センサー16の検出結果に基づいて構造物Mの振幅
を算出する振幅算出手段27と、これら振動判定手段2
6と振幅算出手段27との結果に基づいて制御ゲイン定
数を決定する制御ゲイン決定手段28と、制御ゲイン決
定手段28の結果に基づいて駆動装置14を作動させる
出力手段29とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種建築・土木構造物
等に設置される制振装置にかかり、特に強風時、地震時
の制振装置の錘の振動を制御可能な制振装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】制振装置として知られるTMD(Tun
ed Mass Damper)は、高層構造物あるい
は塔状構造物などの、主に風に対する一次振動を低減す
るために用いられるものである。このTMDの原理は、
図8の質点系モデルに示すように、構造物(構造物質
量)Mの固有周期(一次固有周期)と等しい固有周期を
持つ付加質量mに適切な減衰を持たせたものである。図
9のTMD装置あり、装置なしの応答の比較図に示すよ
うに、構造物Mが一次固有周期で揺れると、その上部の
付加質量mが共振することにより構造物Mの揺れと逆方
向の力が作用して、構造物Mの揺れを低減することがで
きる。
【0003】このようなTMDに駆動装置を取り付け、
より効果的に錘を動かして制振性能を増大させるものと
してHMD(Hybrid Mass Damper)
がある。その実際の形としては、図10に示すように、
構造物Mに多段積層ゴム等の弾性体1を固定し、この弾
性体1に錘2(負荷質量m)を載せ、構造物Mが振動し
て、錘2がその制御作用をなすときに、駆動装置3が錘
2の変位を機械的手段により制御することによって、錘
2の制振効果をより高めるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記HMD
は、図11に示すように、構造物Mや錘2の振動を振動
センサーで検出し、この振動センサーに記憶された一定
の制御ゲイン定数を構造物Mや錘2の振動に乗じて、制
御力を算出し、この制御力に基づいて駆動装置3を作動
させている。かかる場合にあって、構造物Mの並進方向
固有周期と捩じり方向固有周期とが異なる場合にあって
は、構造物Mの並進振動と捩じり振動とのいずれか一方
の振動を減衰でき、他方の振動は充分減衰できない。そ
して、構造物Mの並進振動や捩り振動の振幅が変化した
ときにあっても、振動センサーにある定数は一定に維持
されている。このため、構造物Mの振幅が変化した場
合、前記HMDでは構造物Mの振動を充分に減衰できな
い。一方、前記HMDにあっては、振動センサーの検出
結果に一定の定数が乗じられるから、HMDの制振能力
を越えた振動が伝達された場合、駆動装置3に多大な負
荷がかかるとともに、錘2が大きく変位し、HMDが破
損されるおそれがあった。
【0005】本発明は前記課題を有効に解決するもの
で、構造物の並進振動、捩れ振動等の各種の振動を減衰
可能な制振装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の制振装置
は、制振対象の構造物の上方に錘が配置され、前記構造
物と錘との間に、下端を構造物に固定し、上端を錘に固
定した弾性体が配設され、前記錘の変位を制御する駆動
装置が配設され、前記構造物の振動を検出する振動セン
サーが複数設けられ、これら振動センサーの検出結果に
基づいて前記駆動装置の駆動力を制御する制御システム
が設けられてなる複数の制振装置であって、該制御シス
テムは、前記振動センサーの検出結果に基づいて構造物
の並進振動と捩れ振動とを判定する振動判定手段と、前
記振動センサーの検出結果に基づいて前記構造物の振幅
を算出する振幅算出手段と、これら振動判定手段と振幅
算出手段との結果に基づいて制御ゲイン定数を決定する
制御ゲイン決定手段と、該制御ゲイン決定手段の結果に
基づいて前記駆動装置を作動させる出力手段とを具備し
てなることを特徴とするものである。
【0007】請求項2記載の制振装置は、請求項1記載
の制振装置であって、前記錘の変位を阻止するブレーキ
が設けられ、該ブレーキが前記制御システムに接続さ
れ、該制御システムには、前記ブレーキを作動させる停
止手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】請求項3記載の制振装置の制御方法は、請
求項1記載の制振装置を制御する方法であって、あらか
じめ前記構造物の並進振動及び捩れ振動と構造物の振幅
とに対する制御ゲイン定数を前記制御ゲイン決定手段に
複数記憶させておき、前記振動センサーの検出結果に基
づいて制御システムを作動させることを特徴とするもの
である。
【0009】
【作用】請求項1記載の制振装置では、複数の振動セン
サーが振動を検出し、この振動センサーの検出結果が制
御システムに送信される。この制御システムの振動判定
手段で構造物の並進振動と捩れ振動とを判定する。一
方、制御システムの振幅算出手段で構造物の振幅を算出
する。これら振動判定手段の判定結果と振幅算出手段で
算出された振幅とが制御ゲイン決定手段に送信され、こ
の制御ゲイン決定手段で最適な制御ゲイン定数が決定さ
れる。この制御ゲイン定数が出力手段に送信され、この
出力手段で駆動装置を作動させる。この駆動装置は、構
造物の上方に配置された錘の変位を制御する。
【0010】請求項2記載の制振装置では、請求項1記
載の作用を有するとともに、振動を検出した振動センサ
ーの検出結果が制御システムに送信される。ここで、制
振装置の減衰能力以上の大きさの振動にあっては、制御
システムの停止手段が作動し、この停止手段でブレーキ
を作動させ、このブレーキで錘の変位が阻止される。
【0011】請求項3記載の制振装置の制御方法では、
あらかじめ前記構造物の並進振動及び捩れ振動と構造物
の振幅とに対する制御ゲイン定数を前記制御ゲイン決定
手段に複数記憶させておき、前記振動センサーの検出結
果に基づいて制御システムを作動させる構成にしたか
ら、制御ゲイン決定手段に記憶された制御ゲイン定数が
選択される。このため、振動センサーの検出結果に素早
い対応が可能になる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の制振装置の一実施例を図1な
いし図6を参照して説明する。図2ないし図3に示すよ
うに、符号10は制振装置であり、この制振装置10
は、構造物Mに複数設置され、この構造物Mの上層部階
に固定状態に設置された多段積層ゴムからなる弾性体1
1と、この弾性体11上に載荷状態に支持される錘12
と、この錘12に取り付けられる駆動装置14と、この
駆動装置14を作動させる制御システム15と、この制
御システム15に接続され、地震等の振動を検知する複
数の振動センサー16とから基本構成されている。以下
に、本実施例の制振装置の詳細を説明する。
【0013】図2に示すように、錘12には、該錘12
を略鉛直方向に貫通する貫通孔17が中央部に形成され
ている。この貫通孔17の下方には、錘12に反力を与
える反力台18が構造物Mに固定されている。この反力
台18の上方には、該反力台18の振動を伝達させる振
動ブロック19が前記貫通孔17を通って設置されてい
る。振動ブロック19には、該振動ブロック19の変位
を制御するボールネジ20が貫通されている。
【0014】このボールネジ20は、図3に示すよう
に、端部が駆動装置14に連結されている。この駆動装
置15は、構造物Mの内部に設けられた制御システム1
5に接続されている。この制御システム15には、構造
物Mと錘12とにそれぞれ固定された振動センサー16
に接続されている。すなわち、構造物Mの振動を振動セ
ンサー16がキャッチし、この振動センサー16の検出
結果が制御システム15に送信される。この制御システ
ム15で駆動装置14を作動させることにより、ボール
ネジ20を回動させ、振動ブロック19を変位させ、こ
の振動ブロック19が反力台18から反力をとることに
よって、錘12の変位を制御するものである。
【0015】制御システム15は、図1に示すように、
振動センサー16の検出信号を受信する制御部25と、
この制御部25に接続され、構造物Mの並進振動と捩れ
振動とを判定する振動判定手段26と、前記制御部25
に接続され、構造物Mの振幅を算出する振幅算出手段2
7と、前記制御部25に接続され、最適な制御ゲイン定
数を決定する制御ゲイン決定手段28と、前記制御部2
5に接続され、駆動装置14を作動させる出力手段29
とを有する構成にされている。
【0016】振動判定手段26は、前記振動センサー1
6の検出結果に基づいて構造物Mの並進振動と捩れ振動
とを判定する構成にされている。すなわち、図4に示す
ように、構造物Mの上に、長さLの間隔をあけて二台の
制振装置10が対象設置されている。これら制振装置1
0は、地震等で構造物Mが振動した場合、水平面内にお
ける一方向(X方向、Y方向のいずれか)に、X1、X
2の長さにそれぞれ変位する。これら変位X1、X2を
時間で微分することにより、速度X1′、X2′が得ら
れる。これら速度X1′、X2′を時間で微分すること
により、加速度X1″、X2″が得られる。したがっ
て、並進成分では、変位が(X1+X2)/2であり、
速度が(X1′+X2′)/2であり、加速度が(X
1″+X2″)/2である。捩れ成分では、変位が(X
1ーX2)/Lであり、速度が(X1′ーX2′)/L
であり、加速度が(X1″ーX2″)/Lである。これ
ら並進成分と捩れ成分との所定時間内における実効値の
比率により、並進振動又は捩れ振動が判定される。
【0017】振幅算出手段27は、振動センサー16の
検出結果に基づいて構造物Mの振幅、制振装置10のス
トローク振幅等を検出する構成にされている。すなわ
ち、振幅算出手段27には、瞬時における最大値で算出
する場合と、所定時間内における実効値で算出する場合
とがある。
【0018】制御ゲイン決定手段28は、構造物Mの並
進振動及び捩れ振動と構造物Mの振幅とに対する制御ゲ
イン定数が複数記憶され、振動判定手段26と振幅算出
手段27との結果に基づいて制御ゲイン定数を決定する
構成にされている。すなわち、並進振動が大きく、振幅
が大きい場合と、捩れ振動が大きく、振幅が大きい場合
と、並進振動が大きく、振幅が小さい場合と、捩れ振動
が大きく、振幅が小さい場合とに分類される。これら四
つの場合に分類し、各種の振動状態に基づいて、あらか
じめ定めておいた最適なフィードバックゲインテーブル
の値を取り込むものである。
【0019】出力手段29は、制御ゲイン決定手段28
の結果に基づいて駆動装置14を制御する制御力が算出
される構成にされている。すなわち、出力手段29は、
フィードバックゲインテーブルによって得られた最適な
制御ゲイン定数に、制振装置10の大きさ等による所定
の値を乗じることにより得られるものである。
【0020】このような制振装置10の制御方法につい
て説明する。あらかじめ構造物Mの並進振動及び捩れ振
動とM構造物の振幅とに対する制御ゲイン定数を制御シ
ステム15の制御ゲイン決定手段28に複数記憶させて
おく。そして、地震等の振動を振動センサー16が検出
したときに、この振動センサー16の検出結果が制御シ
ステム15に送信される。この制御システム15では、
図5に示すように、振動センサー16の検出結果が振動
判定手段26に送信され、この振動判定手段26で構造
物Mの並進振動と捩れ振動とが判定される。一方、振動
センサー16の検出結果が振幅算出手段27に送信さ
れ、この振幅算出手段27で構造物Mにおける振動の振
幅が算出される。
【0021】これら振動判定手段26と振幅算出手段2
7との検出結果が制御ゲイン決定手段28に送信され、
この制御ゲイン決定手段28でフィードバックゲインテ
ーブルから最適な制御ゲイン定数が選択される。この制
御ゲイン定数が出力手段29に送信され、この出力手段
29で駆動装置14の制御力が算出され、この出力手段
29の算出結果に基づいて駆動装置14を作動させる。
こうして、複数の制振装置10の各錘12の変位を制御
することにより、構造物Mの捩れ振動、構造物Mの並進
振動が減衰する。
【0022】ここで、構造物Mに、風等の外力によりね
じれ方向外力としてホワイトノイズが加わった場合、構
造物Mの並進方向の固有周期と、捩れ方向の固有周期と
の比率が1〜1.5まで変化したときに、制振装置10
に必要な制御力について、図6を参照して説明する。図
6の比較図に示すように、■、●は並進振動と捩れ振動
とを区別しないで制御したときの解析結果であり、□、
○は並進振動と捩れ振動とを区別したときの解析結果で
あり、■と□、●と○の制振効果は同程度である。並進
振動と捩れ振動とを区別しないで制御したときの■と●
は、区別したときの□と○に比べ、最大で20〜30%
大きな制御力が必要になる。すなわち、同じ制御力であ
れば、並進振動と捩れ振動とを区別した方が制振効果が
大きい。
【0023】このような制振装置10によれば、制振対
象の構造物Mの上方に錘12が配置され、前記構造物M
と錘12との間に、下端を構造物Mに固定し、上端を錘
12に固定した弾性体11が配設され、前記錘12の変
位を制御する駆動装置14が配設され、前記構造物Mの
振動を検出する振動センサー16が複数設けられ、これ
ら振動センサー16の検出結果に基づいて前記駆動装置
14の駆動力を制御する制御システム15が設けられて
いるから、振動センサー16が振動をキャッチしたとき
に、この振動センサー16の検出結果が制御システム1
6に送信される。この制御システム15で駆動装置14
の駆動力を制御することにより、錘12の変位が制御さ
れ、錘12は構造物Mの各種の振動に応じて変位し、構
造物Mの振動を減衰することができる。
【0024】制御システム15は、構造物Mの並進振動
と捩れ振動とを判定する振動判定手段26と、構造物M
の振幅を算出する振幅算出手段27と、これら振動判定
手段26と振幅算出手段27との結果に基づいて制御ゲ
イン定数を決定する制御ゲイン決定手段28と、該制御
ゲイン決定手段28の結果に基づいて前記駆動装置14
を作動させる出力手段29とを具備してなるから、複数
の振動センサー16の検出結果が制御システム15に送
信される。この制御システム15では、振動判定手段2
6で振動センサー16の検出結果に基づいて構造物Mの
並進振動と捩れ振動とを判定し、振幅算出手段27で振
動センサー16の検出結果に基づいて構造物Mの振幅を
算出する。
【0025】これら振動判定手段26と振幅算出手段2
7との結果が制御ゲイン決定手段28に送信され、この
制御ゲイン決定手段28で振動判定手段26と振幅算出
手段27との結果に基づいてフィードバックゲインテー
ブルから最適な制御ゲイン定数が選択される。この制御
ゲイン定数が出力手段29に送信され、この出力手段2
9で錘12の変位を制御する。このため、構造物Mの並
進振動、捩れ振動と、これらの振幅との検出結果から制
御ゲイン定数を選択でき、構造物Mの振動状態に応じて
制振装置10を作動できから、制振装置10の振動低減
能力を向上させることができ、複雑な振動を減衰でき、
制振装置10の能力を最大限まで利用でき、構造物Mの
安全性を向上させることができる。
【0026】一方、制振装置の制御方法によれば、あら
かじめ構造物Mの並進振動及び捩れ振動と構造物Mの振
幅とに対する制御ゲイン定数を前記制御ゲイン決定手段
28に複数記憶させておき、振動センサー16の検出結
果に基づいて制御システム15を作動させるから、振動
センサー16の検出結果に基づいて、制御ゲイン決定手
段28に記憶された制御ゲイン定数が選択される。この
ため、構造物Mの振動態様に応じた制御ゲイン定数を素
早く選択でき、制振装置10を作動できるから、構造物
Mを素早く減衰でき、制振装置10の減衰能力を向上さ
せることができる。
【0027】なお、図7に示すように、制振装置10
に、錘12の変位を阻止するブレーキ35を設け、前記
振動センサー16を前記構造物M付近の地盤に設置し、
振動センサー16の検出結果に基づいてブレーキ35を
作動させる停止手段(図示略)を制御システム15に設
けておいてもよい。ブレーキ35は、例えば、エアブレ
ーキ、ディスクブレーキ、粘性ダンパー等からなり、前
記構造物Mと錘12との間に、下端が構造物Mに固定さ
れ、上端が錘12に固定され、かつ、前記弾性体11と
反力台18との間に複数配設されている。
【0028】このように制振装置10に、錘12の変位
を阻止するブレーキ35を設け、このブレーキ35を作
動させる停止手段を制御システム15に設け、振動セン
サー16を前記構造物M付近の地盤に設置することによ
り、地盤の振動が構造物Mに伝達されるよりも早く、ブ
レーキを作動させることができる。このため、制振装置
10で制振できない場合、すなわち、大きな振動が発生
したときや、急激な振動が発生したときに、かかる振動
を振動センサー16が地盤上で検出し、この振動センサ
ー16の検出結果に基づいてブレーキ35が作動し、錘
12の変位が阻止される。よって、制振できない振動に
対して錘12の変位を阻止するから、制振装置10に無
理な応力がかかるのを防止できるから、制振装置10が
破損されるのを防止でき、制振装置10の安全性を向上
させることができる。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の制振装置によれば、以下の効果を奏することができ
る。請求項1記載の制振装置によれば、制振対象の構造
物の上方に錘が配置され、前記構造物と錘との間に、下
端を構造物に固定し、上端を錘に固定した弾性体が配設
され、前記錘の変位を制御する駆動装置が配設され、前
記構造物の振動を検出する振動センサーが複数設けら
れ、これら振動センサーの検出結果に基づいて前記駆動
装置の駆動力を制御する制御システムが設けられてなる
複数の制振装置であって、該制御システムは、前記振動
センサーの検出結果に基づいて構造物の並進振動と捩れ
振動とを判定する振動判定手段と、前記振動センサーの
検出結果に基づいて前記構造物の振幅を算出する振幅算
出手段と、これら振動判定手段と振幅算出手段との結果
に基づいて制御ゲイン定数を決定する制御ゲイン決定手
段と、該制御ゲイン決定手段の結果に基づいて前記駆動
装置を作動させる出力手段とを具備してなる構成にした
から、複数の振動センサーが振動を検出し、この振動セ
ンサーの検出結果が制御システムに送信される。この制
御システムでは、振動判定手段で構造物の並進振動と捩
れ振動とを判定し、振幅算出手段で構造物の振幅を算出
する。これら振動判定手段と振幅算出手段との結果が制
御ゲイン決定手段に送信され、この制御ゲイン決定手段
で制御ゲイン定数が決定される。この制御ゲイン定数が
出力手段に送信され、この出力手段で駆動装置を作動さ
せることにより、構造物の上方に配置された錘の変位を
制御する。このため、構造物の並進振動、捩れ振動と、
これらの振幅との検出結果から制御ゲイン定数を選択で
き、構造物の振動状態に応じて制振装置を作動できるか
ら、制振装置の振動低減能力を向上させることができ、
複雑な振動を減衰でき、制振装置の能力を最大限まで利
用でき、構造物の安全性を向上させることができる。
【0030】請求項2記載の制振装置によれば、請求項
1記載の効果を奏することができるとともに、前記錘の
変位を阻止するブレーキが設けられ、該ブレーキが前記
制御システムに接続され、該制御システムには、前記ブ
レーキを作動させる停止手段が設けられている構成にし
たから、制振装置で制振できない場合、すなわち、大き
な振動が発生したときや、急激な振動が発生したとき
に、錘の変位が阻止される。このため、制振できない振
動に対して錘の変位を阻止するから、制振装置に無理な
応力がかかるのを防止でき、制振装置が変形されるのを
防止でき、制振装置が破損されるのを防止でき、制振装
置の安全性を向上させることができる。
【0031】請求項3記載の制振装置の制御方法によれ
ば、あらかじめ前記構造物の並進振動及び捩れ振動と構
造物の振幅とに対する制御ゲイン定数を前記制御ゲイン
決定手段に複数記憶させておき、前記振動センサーの検
出結果に基づいて制御システムを作動させる構成にした
から、振動センサーの検出結果に基づいて制御ゲイン定
数が選択される。このため、構造物の振動態様に応じた
制御ゲイン定数を素早く選択できるから、構造物を素早
く減衰でき、制振装置の減衰能力を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制振装置の制御システムを示す概念図
である。
【図2】図1の制振装置を示す断面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図1の制御システムの作用を示す正面図であ
る。
【図5】図1の制御システムの作動状況を示すブロック
図である。
【図6】図1の制御システムを作動させた場合と、従来
の制振装置との制御力の比較を示す比較応答図である。
【図7】図2の変形例を示す下部平面図である。
【図8】一般的なTMD装置の質点系モデル図である。
【図9】図8のTMD装置の原理を説明するための応答
比較図である。
【図10】HMD装置を示す側面図である。
【図11】図10の制御を示すブロック図である。
【符号の説明】 10 制振装置 11 弾性体 12 錘 14 駆動装置 15 制御システム 16 振動センサー 26 振動判定手段 27 振幅算出手段 28 制御ゲイン決定手段 29 出力手段 M 構造物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴 慶治 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 金子 美香 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制振対象の構造物の上方に錘が配置さ
    れ、前記構造物と錘との間に、下端を構造物に固定し、
    上端を錘に固定した弾性体が配設され、前記錘の変位を
    制御する駆動装置が配設され、前記構造物の振動を検出
    する振動センサーが複数設けられ、これら振動センサー
    の検出結果に基づいて前記駆動装置の駆動力を制御する
    制御システムが設けられてなる複数の制振装置であっ
    て、該制御システムは、前記振動センサーの検出結果に
    基づいて構造物の並進振動と捩れ振動とを判定する振動
    判定手段と、前記振動センサーの検出結果に基づいて前
    記構造物の振幅を算出する振幅算出手段と、これら振動
    判定手段と振幅算出手段との結果に基づいて制御ゲイン
    定数を決定する制御ゲイン決定手段と、該制御ゲイン決
    定手段の結果に基づいて前記駆動装置を作動させる出力
    手段とを具備してなることを特徴とする制振装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制振装置であって、前記
    錘の変位を阻止するブレーキが設けられ、該ブレーキが
    前記制御システムに接続され、該制御システムには、前
    記ブレーキを作動させる停止手段が設けられていること
    を特徴とする制振装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の制振装置を制御する方法
    であって、あらかじめ前記構造物の並進振動及び捩れ振
    動と構造物の振幅とに対する制御ゲイン定数を前記制御
    ゲイン決定手段に複数記憶させておき、前記振動センサ
    ーの検出結果に基づいて制御システムを作動させること
    を特徴とする制振装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015025543A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 鹿島建設株式会社 免震滑り支承

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