JPH06137208A - エンジン用アルミ合金製モノシリンダブロックとその製造方法 - Google Patents
エンジン用アルミ合金製モノシリンダブロックとその製造方法Info
- Publication number
- JPH06137208A JPH06137208A JP4312851A JP31285192A JPH06137208A JP H06137208 A JPH06137208 A JP H06137208A JP 4312851 A JP4312851 A JP 4312851A JP 31285192 A JP31285192 A JP 31285192A JP H06137208 A JPH06137208 A JP H06137208A
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- Japan
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- monocylinder
- liner
- block
- aluminum alloy
- liner hole
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 軽量で耐摩耗性が高いエンジン用アルミ合金
製モノシリンダブロックとその製造方法を提供するにあ
る。 【構成】 過共晶アルミ合金製モノシリンダブロックの
ライナ穴の内表面にNi溶射又は無電解Niメッキを数
10〜数100μm施し、この状態でYAGレーザ又は
CO2 レーザにより数mmオーダ深さ部分を溶融させ、
レーザ特性の急冷効果を利用して急冷凝固させ、Al単
一のモノブロックシリンダライナを製造する。
製モノシリンダブロックとその製造方法を提供するにあ
る。 【構成】 過共晶アルミ合金製モノシリンダブロックの
ライナ穴の内表面にNi溶射又は無電解Niメッキを数
10〜数100μm施し、この状態でYAGレーザ又は
CO2 レーザにより数mmオーダ深さ部分を溶融させ、
レーザ特性の急冷効果を利用して急冷凝固させ、Al単
一のモノブロックシリンダライナを製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軽量化されたガソリンエ
ンジン用シリンダブロックのライナ部をレーザ表面硬化
処理したエンジン用アルミ合金製モノシリンダブロック
とその製造方法に関する。
ンジン用シリンダブロックのライナ部をレーザ表面硬化
処理したエンジン用アルミ合金製モノシリンダブロック
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は従来のガソリンエンジン用の多シ
リンダライナを有するアルミ合金製シリンダブロックを
示す。即ち過共晶アルミ合金シリンダブロック21に多
数のライナ穴を設け、この穴に摺動性のよい鋳鉄製シリ
ンダライナ22を挿入し、さらにその内面に拡管器23
を入れて機械的に圧入固着させる。このようにして従来
は一体のシリンダブロックを形成していた。
リンダライナを有するアルミ合金製シリンダブロックを
示す。即ち過共晶アルミ合金シリンダブロック21に多
数のライナ穴を設け、この穴に摺動性のよい鋳鉄製シリ
ンダライナ22を挿入し、さらにその内面に拡管器23
を入れて機械的に圧入固着させる。このようにして従来
は一体のシリンダブロックを形成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記の如き鋳
鉄製ライナ22を挿入したアルミ合金シリンダブロック
21では重量が重くなる。従って軽量化のためには鋳鉄
製ライナを廃止し、モノブロックタイプのアルミ合金製
シリンダブロックにライナ部に相当する穴をあけるだけ
で使用することも考えられるが、アルミ合金母材の硬さ
はやわらかで、そのままでは耐摩耗性が不十分で使用で
きない欠点があった。
鉄製ライナ22を挿入したアルミ合金シリンダブロック
21では重量が重くなる。従って軽量化のためには鋳鉄
製ライナを廃止し、モノブロックタイプのアルミ合金製
シリンダブロックにライナ部に相当する穴をあけるだけ
で使用することも考えられるが、アルミ合金母材の硬さ
はやわらかで、そのままでは耐摩耗性が不十分で使用で
きない欠点があった。
【0004】本発明の目的は前記従来装置の問題点を解
消し、軽量で耐摩耗性が高いシリンダブロックを提供す
るにある。
消し、軽量で耐摩耗性が高いシリンダブロックを提供す
るにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は過共晶アルミ合
金製モノシリンダブロックのライナ穴の内表面にNi溶
射又は無電解Niメッキを数10〜数100μm施し、
この状態でYAGレーザ又はCO2 レーザにより数mm
オーダ深さ部分を溶融させ、レーザ特性の急冷効果を利
用して急冷凝固させたAl単一のモノブロックシリンダ
ライナとその製造方法に係わることを特徴としている。
金製モノシリンダブロックのライナ穴の内表面にNi溶
射又は無電解Niメッキを数10〜数100μm施し、
この状態でYAGレーザ又はCO2 レーザにより数mm
オーダ深さ部分を溶融させ、レーザ特性の急冷効果を利
用して急冷凝固させたAl単一のモノブロックシリンダ
ライナとその製造方法に係わることを特徴としている。
【0006】
【作用】前記手段は下記のように作用する。 (1)Ni溶射又は無電解Niメッキを施しメッキ厚さ
をコントロールすれば、レーザで溶融凝固させた時にN
i3 Al等の硬くて微細な金属間化合物粒子を均一分散
させることができるため、硬さが上昇し耐摩耗性が増大
する。 (2)YAGレーザ又はCO2 レーザにより急冷凝固さ
せると、過共晶アルミ合金の組織が微細化され硬さの増
大や硬い金属間化合物の分散による耐摩耗性が図られ
る。
をコントロールすれば、レーザで溶融凝固させた時にN
i3 Al等の硬くて微細な金属間化合物粒子を均一分散
させることができるため、硬さが上昇し耐摩耗性が増大
する。 (2)YAGレーザ又はCO2 レーザにより急冷凝固さ
せると、過共晶アルミ合金の組織が微細化され硬さの増
大や硬い金属間化合物の分散による耐摩耗性が図られ
る。
【0007】
【実施例】以下図1を参照し本発明の一実施例について
説明する。 (1)図1の(a)図はCO2 レーザによる無電解Ni
メッキ後のレーザ硬化処理したアルミ合金モノシリンダ
ライナを示す。先づ過共晶アルミ合金(A390)のモ
ノシリンダブロック01に必要数の多シリンダのライナ
穴02をあけ、この部分に無電解Niメッキ法により約
100μmのNi層を付着させる。 (2)(b)図に示すようにCO2 レーザ発振器03に
接続されたジャバラ11方式の光路系04内のミラー0
7を介してライナ穴部02に導かれたレーザ光12を凹
形放物面収束ミラー08でライナ内表面に収束させる。
レーザ光によるライナ穴02のNi層の硬化方式は次の
とおりである。
説明する。 (1)図1の(a)図はCO2 レーザによる無電解Ni
メッキ後のレーザ硬化処理したアルミ合金モノシリンダ
ライナを示す。先づ過共晶アルミ合金(A390)のモ
ノシリンダブロック01に必要数の多シリンダのライナ
穴02をあけ、この部分に無電解Niメッキ法により約
100μmのNi層を付着させる。 (2)(b)図に示すようにCO2 レーザ発振器03に
接続されたジャバラ11方式の光路系04内のミラー0
7を介してライナ穴部02に導かれたレーザ光12を凹
形放物面収束ミラー08でライナ内表面に収束させる。
レーザ光によるライナ穴02のNi層の硬化方式は次の
とおりである。
【0008】モノシリンダブロック01は回転ポジショ
ナ05のチャッキングつめ06でライナ穴02をチャッ
キングして回される。さらに伸縮自在なジャバラ11方
式の光路系04に接続された移動軸10は光軸方向用モ
ータ09を介して駆動される。前記モノシリンダブロッ
ク01のライナ穴02まわりの回転と、光路系移動軸の
ライナ軸方向の移動によりレーザ光12がライナ面をら
せん状に走査し、ライナ内表面02をレーザ処理により
溶融させ、(a)図に示す処理層13が形成される。さ
らに該処理層13を急冷凝固させてライナ穴表面にNi
3 Alよりなる微細金属間化合物を分散させた硬化層を
形成させ該硬化層をホーニング加工する。
ナ05のチャッキングつめ06でライナ穴02をチャッ
キングして回される。さらに伸縮自在なジャバラ11方
式の光路系04に接続された移動軸10は光軸方向用モ
ータ09を介して駆動される。前記モノシリンダブロッ
ク01のライナ穴02まわりの回転と、光路系移動軸の
ライナ軸方向の移動によりレーザ光12がライナ面をら
せん状に走査し、ライナ内表面02をレーザ処理により
溶融させ、(a)図に示す処理層13が形成される。さ
らに該処理層13を急冷凝固させてライナ穴表面にNi
3 Alよりなる微細金属間化合物を分散させた硬化層を
形成させ該硬化層をホーニング加工する。
【0009】
【発明の効果】本発明は前記のとおり構成したので、N
i3 Al金属間化合物などの硬い金属化合物を急凝固組
織中に微細分散させることによりアルミ合金製シリンダ
ライナの耐摩耗性を向上させることができる。さらにシ
リンダブロック材のアルミ合金や添加された溶射又はメ
ッキ層の種類と厚さをコントロールすることにより、硬
さを自由にコントロールすることができ、要求に応じた
ライナ付シリンダブロックを供給できる。
i3 Al金属間化合物などの硬い金属化合物を急凝固組
織中に微細分散させることによりアルミ合金製シリンダ
ライナの耐摩耗性を向上させることができる。さらにシ
リンダブロック材のアルミ合金や添加された溶射又はメ
ッキ層の種類と厚さをコントロールすることにより、硬
さを自由にコントロールすることができ、要求に応じた
ライナ付シリンダブロックを供給できる。
【図1】本発明の第1実施例に係るCO2 レーザにより
無電解Niメッキしたライナ内表面をレーザ急冷凝固処
理したライナ図
無電解Niメッキしたライナ内表面をレーザ急冷凝固処
理したライナ図
【図2】従来例の図1(a)の応当図
01…アルミ合金モノシリンダブロック、02…無電解
Niメッキされたライナ穴部、03…レーザ発振器、0
4…光路系、05…ポジショナ、06…チャッキングつ
め、07…ミラー、08…収束ミラー、12…レーザ
光、13…レーザ溶融処理層。
Niメッキされたライナ穴部、03…レーザ発振器、0
4…光路系、05…ポジショナ、06…チャッキングつ
め、07…ミラー、08…収束ミラー、12…レーザ
光、13…レーザ溶融処理層。
Claims (3)
- 【請求項1】 アルミ合金製モノシリンダブロックにあ
けられたライナ穴の表面にNi3 Alよりなる微細金属
間化合物を分散させた硬化層を形成してなることを特徴
とするエンジン用アルミ合金製モノシリンダブロック。 - 【請求項2】 アルミ合金製モノシリンダブロックにあ
けられたライナ穴の表面にNi溶射又は無電解Niメッ
キを施し、これをレーザ光でアルミ合金層とともに溶融
後、急冷凝固させることによりライナ穴表面にNi3 A
lよりなる微細金属間化合物を分散させた硬化層を形成
することを特徴とするエンジン用アルミ合金製モノシリ
ンダブロックの製造方法。 - 【請求項3】 アルミ合金製モノシリンダブロックにあ
けられたライナ穴の表面にNi溶射又は無電解Niメッ
キを施し、これをレーザ光でアルミ合金層とともに溶融
後、急冷凝固させることによりライナ穴表面にNi3 A
lよりなる微細金属間化合物を分散させた硬化層を形成
し、該硬化層の表面をホーニング加工仕上げすることを
特徴とするエンジン用アルミ合金製モノシリンダの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4312851A JPH06137208A (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | エンジン用アルミ合金製モノシリンダブロックとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4312851A JPH06137208A (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | エンジン用アルミ合金製モノシリンダブロックとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06137208A true JPH06137208A (ja) | 1994-05-17 |
Family
ID=18034198
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4312851A Withdrawn JPH06137208A (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | エンジン用アルミ合金製モノシリンダブロックとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06137208A (ja) |
-
1992
- 1992-10-28 JP JP4312851A patent/JPH06137208A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000104 |