JPH0613710U - レフィル容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼却時に発生する熱エネルギーの低いレフィ
ル容器を提供する。 【構成】 化粧料６が収容された化粧皿１と、内部に化
粧皿１を収容する上面開放状のケース２と、上記ケース
２の上面を蓋する蓋材３とを備えている。そして、上記
ケース２と蓋材３の少なくとも一方が炭酸カルシウムを
含有させたポリプロピレン樹脂材で形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、新しい素材を用いて形成されたレフィル容器に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

従来から化粧用のコンパクトは、種々のものが開発されて実用化されており、 最近では、高級感のあるコンパクトの人気が高まっている。このようなコンパク トは高価であるため、内部に収容された化粧料を使い果たした後、レフィル用化 粧料と取り替えて繰り返し使用することが行われている。このようなレフィル用 化粧料は、例えば図６に示すようなレフィル容器に収容されている。このレフィ ル容器は、図示のように、容器本体１０と蓋体１１とを後部でヒンジ連結して構 成されており、この容器本体１０の底部に貫通穴１３が穿設されている。そして 、容器本体１０の内部に化粧料１２が充填された化粧皿（金皿）１４が収容され ている。この化粧皿１４はその底面に設けた接着剤層１５を介して容器本体１０ の内部底面に仮固定されている。このレフィル容器から化粧皿１４を取り外す場 合、貫通穴１３に細い棒１６等を挿入し、仮固定されている化粧皿１４を上方に 押し上げることにより、容器本体１０の内部底面から化粧皿１４を剥がして容器 本体１０から取り外すことが行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような化粧皿１４の取り外しは、通常、店内において店員等により行われ 、上記化粧皿１４が取り外された容器本体１０や蓋体１１は店員等により一個所 に集められた後まとめて廃棄されている。このような廃棄された容器本体１０や 蓋体１１は回収され焼却炉等で焼却処理されることが行われている。しかしなが ら、上記容器本体１０や蓋体１１は、一般にＡＢＳ樹脂等の合成樹脂材で形成さ れており、このような合成樹脂製品は燃焼カロリーが１０５００Ｋｃａｌ／ｋｇ と高いため、焼却炉等で多数焼却されると、焼却時に発生する熱エネルギーが非 常に高くなって、焼却炉の内壁が損傷する等焼却炉の耐久性が低下する。

【０００４】 この考案は、このような事情に鑑みなされたもので、焼却時に発生する熱エネ ルギーの低いレフィル容器の提供をその目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、この考案のレフィル容器は、化粧料が収容された 化粧皿と、内部に化粧皿を収容する上面開放状のケースと、上記ケースの上面を 蓋する蓋材とを備え、上記ケースと蓋材の少なくとも一方をアルカリ土類金属化 合物を含有させたポリプロピレン樹脂材で形成したという構成をとる。

【０００６】

【作用】

すなわち、この考案者は、焼却時に発生する熱エネルギーの低いレフィル容器 について一連の研究を重ねた。その結果、従来の材料を用いてレフィル容器を成 形したのでは、上記熱エネルギーを低くすることに限界があることを想起し、さ らに研究を重ねて、レフィル容器の形成材料としてアルカリ土類金属化合物を含 有させたポリプロピレン樹脂材を用いると、焼却時に発生する熱エネルギーを低 くできることをつきとめこの考案に到達した。この考案で、アルカリ土類金属化 合物とは、アルカリ土類金属塩もしくはアルカリ土類金属の水酸化物を指す。そ して、上記アルカリ土類金属塩として、具体的には、カルシウム，バリウム，マ グネシウムの炭酸塩が用いられ、好適には炭酸カルシウムが用いられる。

【０００７】 つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳しく説明する。

【０００８】

【実施例】

図１はこの考案の一実施例を示している。図において、１は内部にレフィル用 の化粧料６が収容されている化粧皿（金皿）であり、その底面には接着剤層７が 設けられている。この接着剤層７は、粘着力が２００〜３５０ｇｆの範囲に設定 されたホットメルト型接着剤（ＨＭ−６５１，セメダイン社製）を大きな粒状に 形成したものであり、この実施例では、上記粒状のホットメルト型接着剤を化粧 皿１の底面に４個接着している。

【０００９】 ２はケースであり、３は上記ケース２の上面を蓋する蓋材である。これらケー ス２および蓋材３は、図２に示すように、上記ケース２の後部に蓋材３を回動自 在に連結する連結部４とともにシート状体により一体成形されており、この一体 成形されたもので収容体５が構成されている。より詳しく説明すると、この収容 体５は、その材料として、従来公知の方法でポリプロピレン樹脂に炭酸カルシウ ムを３０〜４０重量％含有させた樹脂材を用い、この樹脂材をシート状体に形成 したのち図２に示す形状に真空成形したものである。このような収容体５を構成 するケース２は、図３に示すように、その上面に化粧皿収容凹部２ａが形成され ており、この化粧皿収容凹部２ａの底面に、シリコン樹脂塗料を焼付塗装するこ とにより形成したシリコン樹脂層８が設けられている。また、上記化粧皿収容凹 部２ａの周壁は、上記シート状体による二重壁構造に形成されており、その左右 両部分には、図４および図５に示すように、上側ほど幅広に形成された指挿入用 切欠き部９が相対峙するよう設けられている。また、上記連結部４は湾曲状に形 成されるとともにその左右両側部が三角形状に切り欠かれており、これにより、 蓋材３を開蓋方向に付勢するようになっている。２ｂは上記ケース２の前壁に形 成された係合凸部であり、蓋材３の前壁に形成された係合凹部３ａに着脱自在に 係合する。

【００１０】 このような構成のレフィル容器は、ケース２から化粧皿１を取り外す場合、ま ず、片方の手でケース２を持ち、その状態でもう片方の手で蓋材３を持ち上げケ ース２の係合凸部２ｄと蓋材３の係合凹部３ａとの係合を解除するとともに、そ のまま後方に回動させて蓋材３をあける。ついで、上記ケース２に設けた両指挿 入用切欠き部９から指を挿し入れこれら両方の指で化粧皿１を持ち、そのまま上 方に持ち上げる。これにより、化粧皿収容凹部２ａの底面から化粧皿１を取り外 すことができる。このとき、上記化粧皿収容凹部２ａの底面にシリコン樹脂層８ が設けられているため、化粧皿１の底面に設けた接着剤層７が化粧皿収容凹部２ ａの底面に残存することなく、すべての接着剤層７が化粧皿１の底面に接着した ままで化粧皿３を化粧皿収容凹部２ａの底面から剥がすことができる。このよう にして化粧皿１が取り外されたのち、収容体５は一個所に集められ、まとめて廃 棄処分される。この廃棄処分された収容体５は回収され焼却炉等で焼却される。 この場合、収容体５は炭酸カルシウムを含有したポリプロピレン樹脂材で形成さ れており、この樹脂材の燃焼カロリーは６０００〜７０００Ｋｃａｌ／ｋｇであ り従来例のものに比べて低いため、上記焼却炉等での焼却時に発生する熱エネル ギーが非常に低くなり、したがって、上記焼却によって焼却炉の内壁が損傷する 等焼却炉の耐久性を低下させるということがなくなる。

【００１１】 このように、この考案のレフィル容器では、収容体５の燃焼カロリーが従来例 に比べて低いため、上記収容体５をまとめて焼却炉等で焼却する場合にも、この 焼却時に低い熱エネルギーしか発生せず、焼却炉の耐久性を向上させることがで きる。また、従来例では、化粧皿の底面に設けた接着剤層は容器本体の内部底面 に対しても強力に接着するため、化粧皿を容器本体から取り外すときに、上記接 着剤層の半分以上が容器本体の内部底面から剥がれず内部底面に付着したまま残 存することがある。したがって、このような化粧皿をコンパクト（図示せず）の 化粧料収容凹部に収容すると、化粧皿の上記化粧料収容凹部の底面に対する接着 力が弱く、上記化粧皿が使い果たされないうちに化粧皿が化粧料収容凹部の底面 から離れ、使用時に化粧料収容凹部から抜け落ちるという問題が生じている。し かしながら、上記実施例では、ケース２の化粧皿収容凹部２ａの底面に滑り性の よいシリコン樹脂層８を設けたため、化粧皿１の底面に接着した接着剤層７が上 記化粧皿収容凹部２ａの底面に残存することがなく、この底面からきれいに剥が れる。したがって、化粧皿１がコンパクトの化粧料収容凹部にしっかりと接着し 、化粧料６が使い果たされるまでに接着力が弱くなって抜け出すことがない。

【００１２】 なお、上記実施例では、シリコン樹脂層８を成形する方法として、シリコン樹 脂塗料を焼付塗装することが行われるが、これに限定するものではなく、シリコ ン樹脂塗料をはけで塗装する等各種の方法によりシリコン処理することが行われ る。

【００１３】 また、上記実施例では、ケース２と蓋材３と連結部４とを一体成形しているが 、これに限定するものではなく、それぞれを別体に形成してもよい。この場合、 ケース２と蓋材３の少なくとも一方を炭酸カルシウムを含有したポリプロピレン 樹脂材を用いて成形するようにする。

【００１４】 また、上記実施例では、収容体５の形成材料として、炭酸カルシウムを含有し たポリプロピレン樹脂材を用いているが、これに限定するものではなく、バリウ ム，マグネシウムの炭酸塩やカルシウム，バリウム，マグネシウムの水酸化物の 少なくとも１つを含有したポリプロピレン樹脂材を用いてもよい。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように、この考案のレフィル容器によれば、そのケースと蓋材の少なく とも一方を炭酸カルシウムを含有させたポリプロピレン樹脂材で形成している。 この樹脂材はポリプロピレン樹脂材にアルカリ土類金属化合物を含有させること で燃焼カロリーを低くしたものであり、このため、この考案のレフィル容器を焼 却炉等で多数焼却する場合にも、焼却時に発生する熱エネルギーが低く、焼却炉 の耐久性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示すレフィル容器の断面
図である。

【図２】ケースから化粧皿を取り出した状態を示す断面
図である。

【図３】上記ケースの斜視図である。

【図４】上記レフィル容器の蓋材を水平状態にあけたと
きの平面図である。

【図５】上記レフィル容器の蓋材を水平状態にあけたと
きの側面図である。

【図６】従来例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 化粧皿 ２ ケース ３ 蓋材 ６ 化粧料 ７ 接着剤層 ８ シリコン樹脂層

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 化粧料６が収容された化粧皿１と、内部
   に化粧皿１を収容する上面開放状のケース２と、上記ケ
   ース２の上面を蓋する蓋材３とを備え、上記ケース２と
   蓋材３の少なくとも一方をアルカリ土類金属化合物を含
   有させたポリプロピレン樹脂材で形成したことを特徴と
   するレフィル容器。
2. 【請求項２】 上記ケース２の内部の底面にシリコン樹
   脂層８を設けた請求項１記載のレフィル容器。