JPH06136420A - 高炉の操業方法 - Google Patents

高炉の操業方法

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JPH06136420A
JPH06136420A JP30931392A JP30931392A JPH06136420A JP H06136420 A JPH06136420 A JP H06136420A JP 30931392 A JP30931392 A JP 30931392A JP 30931392 A JP30931392 A JP 30931392A JP H06136420 A JPH06136420 A JP H06136420A
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erosion
furnace
shape
refractory
blast furnace
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興一 栗田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 損耗防止対策を集中的に実施して炉床の寿命
を延長する。 【構成】 複数の測温センサーにより測定した炉底温度
分布に基づき、有限要素法、境界要素法または有限差分
法を用いて3次元の伝熱解析を行い、炉底耐火物の侵食
形状を求め、最深の侵食形状13aと比較して侵食進行
領域を更新し、3次元の伝熱解析を行い、炉底耐火物4
の目地差し形状12を求めて先に求めた目地差し面形状
と比較して進行した目地差し面領域を更新すると共に、
目地差し面12と過去最深の侵食面13aと比較し、過
去最深の侵食面13aと炉内側の目地差し面12との間
を凝固層8とすることを繰返し、炉底耐火物の侵食形状
ならびに侵食された炉底耐火物上に生成した炉内溶融物
の凝固層形状を推定し、侵食防止対策を講じる。 【効果】 高炉の寿命を大幅に延長でき、高炉巻替えの
ための設備投資を著しく軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高炉の炉底耐火物の
侵食形状ならびに炉底耐火物上に生成した炉内溶融物の
凝固層形状を3次元的に推定し、その結果に基いて損耗
防止対策を講じることによって高炉の寿命を延長できる
高炉の操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の低経済成長の状況下においては、
従来の高生産性を追求した高炉の苛酷な操業条件や、巻
替えによる大型化に替わり、安定操業を行いつつ高炉寿
命を延長して銑鉄単価を切り下げることが重要課題とな
ってきている。通常高炉の寿命は、羽口から上部につい
てはステーブの取替え等の技術があるため、休風中に修
理が可能で延長できるが、炉底の湯溜り部については、
溶銑が存在して容易に修理することができないため、炉
底耐火物の損耗によって決定されていた。
【0003】したがって、高炉の安定操業と寿命延長の
ためには、高炉操業中の炉底耐火物の侵食状況を常時把
握し、侵食箇所の損耗防止対策を迅速かつ的確に取るこ
とが重要である。また、同時に侵食箇所の損耗防止対策
により耐火物侵食面上に生成、消滅を繰返す炉内溶融物
の凝固層の分布状況を把握し、耐火物保護対策の定量化
を図ると共に、凝固層厚や層厚分布の制御を行うことも
重要である。
【0004】すなわち、耐火物侵食面上に生成、消滅を
繰返す凝固層は、耐火物保護の面からは炉底耐火物の侵
食面全域に亘って厚く生成している方が望ましいが、出
銑口レベル以上に凝固層が生長すると炉底が冷え込み状
態となり易く出銑滓作業の妨げとなる。また、凝固層が
炉底中心で局部的に大きく生長した場合は、溶銑滓の流
路が小さくなって通液抵抗が増加し、一回の出銑滓作業
で排出できる溶銑滓の量が減少し、溶融物が炉床に残り
気味となるので、炉内全体の通気性が悪化したり、装入
物の荷下りが悪くなる。上記したとおり、安定した出銑
滓作業と炉底耐火物の有効な保護を両立させるには、炉
底部凝固層の消長を制御できる技術を確立し、最適な凝
固層厚や分布を定量化し、最適条件で高炉操業を行うこ
とが必要である。したがって、高炉炉底耐火物の侵食形
状ならびに炉底耐火物上に生成した炉内溶融物の凝固層
形状を予測することが重要となる。
【0005】従来、高炉炉底の温度を基に炉底耐火物の
侵食形状ならびに炉底耐火物上に生成した炉内溶融物の
凝固層形状を予測する方法としては、炉底耐火物内また
は炉底耐火物の外表面に配設した複数の温度センサーに
よる炉底温度測定結果に基づき、高炉の操業推移を通し
た最高温度への到達を検出し、最高温度から境界要素法
を用いて炉底について、炉の縦軸を対称軸とする軸対称
体として伝熱解析により炉底耐火物の侵食形状を予測
し、ついで最高温度よりも炉底温度が低い範囲での複数
の温度センサーによる炉底温度の測定を継続し、継続し
て測定した温度と予測した炉底耐火物の侵食形状とを基
に境界要素法を用いて炉底につき、炉の縦軸を対称軸と
する軸対称体として伝熱解析を行い、侵食された炉底耐
火物上に生成した炉内溶融物の凝固層形状を予測し、そ
の後高炉の操業推移を通した最高温度が検出されたなら
ば、再び最高温度から境界要素法を用いて炉底につい
て、炉の縦軸を対称軸とする軸対称体として伝熱解析に
より炉底耐火物の侵食形状を予測し、ついで最高温度よ
りも炉底温度が低い範囲での複数の温度センサーによる
炉底温度の測定を継続し、継続して測定した温度と予測
した炉底耐火物の侵食形状とを基に境界要素法を用いて
炉底につき、炉の縦軸を対称軸とする軸対称体として伝
熱解析を行い、侵食された炉底耐火物上に生成した炉内
溶融物の凝固層形状を予測することを繰り返し、予測し
た炉内溶融物の凝固層形状を基に、その厚みおよび分布
を、炉底冷却条件を含む高炉操業条件の選択によって制
御し、予測した炉底耐火物の侵食成長を阻止する操業方
法(特公昭61−37327号公報)が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特公昭61−37
327号公報に開示の方法は、炉の縦軸を対称軸とする
軸対称体として境界要素法を用いた伝熱解析により炉底
耐火物の侵食形状ならびに侵食された炉底耐火物上に生
成した炉内溶融物の凝固層形状を予測するものである。
このため、炉の円周方向の炉底耐火物の侵食形状ならび
に侵食された炉底耐火物上に生成した炉内溶融物の凝固
層形状については、平均値でしか求められていなかっ
た。しかし、高炉炉底には、出銑口は多い場合4方位に
ついており、溶銑は出銑口に向かって流れるため、溶銑
の流動は軸対称ではない。このため、図13に示すとお
り、高炉21炉底の侵食22は、軸23対称に進行する
ものではなく、(b)図に示すように出銑口24のある
方位とない方位とでは侵食22の程度が異なる。また、
ある方位では、局部的に炉底耐火物の侵食が進行するこ
とがあり、この局部的な炉底耐火物の侵食が実炉の寿命
律速となる。したがって、高炉炉底耐火物の侵食状況を
常時監視し、侵食防止対策を講じることが必要である。
【0007】伝熱解析においては、軸対称として回転軸
断面上にある複数ヶ所の測温値の平均または最高温度と
同じ温度を与える図14(a)図に示す2次元モデル
と、軸対称として回転軸断面上にある複数ヶ所の測温値
の分布温度を与える図14(b)図に示す3次元モデル
とでは、侵食ラインに差が生じる。すなわち、図14
(b)図に示す3次元モデルでの耐火物残存厚さaは、
図14(a)図に示す軸対称2次元モデルでの耐火物残
存厚さbより少なくなるので、高炉の炉底耐火物の侵食
に対する対策は、3次元モデルでの侵食ライン推定結果
を用いて立てる必要がある。しかしながら、軸対称3次
元モデルでの伝熱解析は、軸対称2次元モデルでの伝熱
解析に比較して飛躍的に難しくなるため、従来実施され
ていなかった。その理由は、要素が三角形要素から四面
体要素へ、または四角形要素から六面体要素へ変わるこ
と、また、節点数がn2(軸対称)からn3(3次元)へ
増加し(ただし、nは1辺の節点数) 、計算時間、計
算負荷が飛躍的に増加すること、さらに、計算プログラ
ムも線積分から面積分へ、面積分から体積積分へと複雑
化すること、さらにまた、表示方法も3次元グラフィッ
クスが必要となるためである。
【0008】この発明の目的は、高炉の炉底耐火物の円
周方向における侵食状況の不均一を検出し、その検出結
果に基いて円周方向方位別に炉底耐火物の損耗を防止す
ると共に、侵食された炉底耐火物上に炉内溶融物の凝固
層を生長させて炉床の寿命を延長できる高炉の操業方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々試験研究を重ねた。その結果、高炉炉
底耐火物内の温度分布に基いて有限要素法(以下FEM
という)、境界要素法(以下BEMという)、または有
限差分法(以下FDMという)を用いて3次元モデルで
の伝熱解析を行い、炉底耐火物の侵食形状、目地差し形
状および凝固層形状を3次元的に求めることによって、
炉底耐火物の円周方向における侵食状況ならびに侵食さ
れた炉底耐火物上に生成した炉内溶融物の凝固層形状を
正確に予測できること、また、予測した炉底耐火物の円
周方向における侵食形状ならびに侵食された炉底耐火物
上に生成した炉内溶融物の凝固層形状に基いて、損耗防
止対策を集中的に実施することによって、高炉寿命を大
幅に延長できることを究明し、この発明に到達した。
【0010】すなわちこの発明は、高炉の炉底部分の温
度に基いて炉底耐火物の侵食状況ならびに侵食された炉
底耐火物上に生成した炉内溶融物の凝固層形状を監視し
つつ操業を行う高炉の操業方法において、炉底耐火物内
および/または炉底耐火物の外表面に3次元的に複数ヶ
所配設した測温センサーにより測定した炉底温度分布に
基づき、有限要素法、境界要素法または有限差分法を用
いて3次元の伝熱解析を行い、炉底耐火物の侵食形状を
求め、過去最深の侵食形状と比較して侵食が進行してい
る領域を更新し、前記炉底温度分布を基に有限要素法、
境界要素法または有限差分法を用いて3次元の伝熱解析
を行い、炉底耐火物の目地差し面形状を求めて先に求め
た目地差し面形状と比較して進行した目地差し面領域を
更新すると共に、目地差し面形状と過去最深の侵食形状
と比較し、過去最深の侵食面と炉内側の目地差し面との
間を凝固層とすることを繰返し、定常的または非定常的
に炉底耐火物の侵食形状ならびに侵食された炉底耐火物
上に生成した炉内溶融物の凝固層形状を推定し、局部的
に侵食している部分には局部的侵食防止対策を、全体的
に侵食している場合には、全体的な侵食防止対策を講じ
るのである。
【0011】
【作用】この発明においては、炉底耐火物内および/ま
たは炉底耐火物の外表面に3次元的に複数ヶ所配設した
測温センサーによる炉底温度に基き、FEM、BEMま
たはFDMを用いて3次元の伝熱解析を行い、炉底耐火
物の侵食形状、目地差し形状ならびに侵食された炉底耐
火物上に生成した炉内溶融物の凝固層形状を3次元的に
求めるから、炉底耐火物の円周方向における損耗不均一
を検出することができる。そして、局部的に損耗が進行
している部分には、その直上の羽口からの送風を停止し
たり、または羽口からTi鉱石粉を吹き込む等の局部的
侵食防止対策を講じることにより損耗を防止する。ま
た、目地差しが進行している方位では、鉄皮とれんが間
のスタンプ材の間隙を埋めると同時に、鉄皮水冷を強化
する等の目地差し進行防止対策を講じることにより目地
差し進行が防止され、高炉寿命を大幅に延長することが
できる。
【0012】実施例 実施例1 以下にこの発明の詳細を実施の一例を示す図1ないし図
7に基いて説明する。図1は高炉炉底への測温センサー
としての熱電対の設置位置を示す炉底断面図、図2は高
炉炉底高さ方向の熱電対の設置位置を示すもので、
(a)図は図1のレベルA〜Dの熱電対の設置位置図、
(b)図は図1のレベルE、Fの熱電対の設置位置図、
(c)図は図1のレベルGの熱電対の設置位置図、図3
は高炉炉底の状態を示す縦断面図、図4は炉底床面の設
定方法の説明図、図5はれんが侵食ライン推定法の説明
図、図6は炉底凝固層の決定方法の説明図、図7は高炉
炉底の熱伝導度分布図である。
【0013】図1および図2に示すとおり、高炉1の炉
底の底盤2部分には、通常4〜6方位以上、高さ方向で
2段以上で熱電対3が設置され、れんが4の温度測定を
実施し、側壁5部分では、4方位以上でれんが内ならび
にれんが背面に熱電対3を設置し、温度の測定を実施し
ている。この測温点数が多いほど炉底耐火物損耗形状、
目地差し形状、凝固層形状を3次元的に正確に求めるこ
とができる。図3に示すとおり、高炉1の炉床は、健全
れんが6の上部に目地差し領域7が、炉底の側壁5との
境界部の目地差し領域7の上に凝固層8が形成される。
なお、9は溶銑+コークス塊を示す。先ず、炉床の目地
差し面の3次元形状を仮定し、目地差し等温面を銑鉄凝
固温度の1150℃とおく、さらに、底盤2および側壁
5の境界条件をその冷却条件に応じて設定する。例え
ば、底盤2の水冷を20℃で総括熱伝達係数を25Kc
al/m2・hr・℃、側壁5の水冷を20℃で総括熱
伝達係数を200Kcal/m2・hr・℃のように与
える。上記の条件下でれんが内の温度分布を3次元的に
FEM、BEMまたはFDMを用いて伝熱解析を行い、
れんが測温点での計算温度と実測温度とを比較し、実測
温度の方が計算温度より低ければ、目地差し面を隆起さ
せ、逆に実測温度の方が計算温度より高ければ、目地差
し面をさらに進行させる。
【0014】上記目地差し面の隆起および目地差し面の
進行方法は、図4に示すとおり、炉底半径にほぼ等しい
高さhまで計算領域に設定し、炉心10の高さhの所に
原点Oを置き、原点Oから炉底れんがの各測温点11に
向かって放射状に直線を引き、この直線と初めに仮定し
た目地差し面12との交点をPとする。そして前記れん
がの各測温点11での計算温度が実測温度より低けれ
ば、その温度差(ΔT)に相当するだけ目地差し面12
を原点Oに対してΔxだけ移動させ、この点をP’とす
る。ただし、Δxは図5に示すとおり、Δx=ΔT(O
P間距離/1350)により与える。逆に前記れんがの
各測温点11での計算温度が実測温度より高ければ、そ
の温度差(ΔT)に相当するだけ目地差し面12を原点
Oから離れる方向にΔxだけ移動させる。このようにし
て目地差し面12を実測温度と計算温度との差に応じて
移動させ、目地差し面形状を決定する。
【0015】このように更新した目地差し面12形状を
初期値として、前記底盤2および側壁5の境界条件をそ
の冷却条件、底盤2の水冷が20℃で総括熱伝達係数2
5Kcal/m2・hr・℃、側壁5の水冷が20℃で
総括熱伝達係数を200Kcal/m2・hr・℃を与
え、れんが内の温度分布を3次元的にFEM、BEMま
たはFDMを用いて伝熱解析して求める。そして前記方
法により目地差し面12を隆起または目地差し面12を
進行させることを繰り返し、計算温度と実測温度との差
を小さくし、この差が全ての測温点である一定値以下と
なった時点で収束したこととする。なお、れんが測温位
置は、離散的に分布しているので、その測温位置によっ
て推定される目地差し面上の点も離散的である。したが
って、点から面を補完するためには、3次元のスプライ
ン関数を用いる。
【0016】収束後の目地差し面12が先に求めた目地
差し面12より侵食の進行した位置にあれば、目地差し
が進行したものと見なし、その目地差し面12をCRT
画面に表示し、高炉操業者に速報する。また、逆に収束
後の目地差し12面が先に求めた目地差し面12より隆
起した位置にあれば、先に求めた目地差し面12をCR
T画面に表示し、高炉操業者に速報する。上記操作によ
り目地差し面12が決定すれば、凝固層形状を決定する
ことができる。すなわち、図6に示すとおり、過去最深
のれんが侵食面13aより隆起した決定した目地差し面
12との間を凝固層8とするのである。なお、12aは
過去最深の目地差し面を示す。
【0017】れんが侵食面13は、目地差し面12より
一般に高い等温面(約1350℃)で規定される。れん
が侵食面13の推定は、上記目地差し面12の推定と同
様に、先ずれんが侵食面13を仮定し、この面上で温度
を与え(1350℃)れんが内温度分布を3次元的にF
EM、BEMまたはFDMを用いて伝熱解析を行う。こ
の場合の底盤2および側壁5の境界条件は、目地差し面
12の推定に用いた境界条件と同じである。そしてれん
が侵食面13のれんが測温点での計算温度と実測温度と
を比較し、そして前記方法によりれんが侵食面を隆起ま
たはれんが侵食面を進行させる操作を繰り返すことによ
って、計算温度と実測温度との差を小さくし、この差が
全ての測温点である一定値以下となった時点で収束した
こととする。このれんが侵食面13の収束方法は、前記
目地差し面12の推定アルゴリズムと同様である。
【0018】そして推定された収束後のれんが侵食面1
3が過去最深のれんが侵食面13aとを比較し、過去最
深のれんが侵食面13aより侵食の進行した位置にあれ
ば、れんが侵食面13が進行したものと見なし、そのれ
んが侵食面13をCRT画面に表示し、高炉操業者に速
報する。また、逆に収束後のれんが侵食面13が過去最
深のれんが侵食面13aより隆起した位置にあれば、過
去最深のれんが侵食面13aをCRT画面に表示し、高
炉操業者に速報する。
【0019】なお、3次元のFEM、BEMまたはFD
Mの温度計算において、過去最深の目地差し面12aよ
り炉外側で目地差し温度より低い領域では、建設時に測
定したれんがの熱伝導度を用いる。その領域より炉内側
で、過去最深のれんが侵食面13aより炉外側の領域の
うち、れんが侵食温度より低い領域を変質れんが層(建
設時のれんがに溶銑が浸透した層)と考える。変質れん
が層の熱伝導度は、建設時のれんがの熱伝導度と銑鉄の
熱伝導度との間の値を用いる。なお、れんが材質によっ
て溶銑の浸透度合いが異なるが、シャモットれんがでは
20Kcal/m・hr・℃とする。過去最深のれんが
侵食面より炉内側は、銑鉄凝固層と考え、熱伝導度も実
炉の実績から12Kcal/m・hr・℃とした。上記
による熱伝導度λの分布図の一例を図7に示す。なお、
図7中の熱伝導度λの単位は、Kcal/m・hr・℃
である。上記により求めた炉底の侵食面、凝固層の付着
状態、れんが変質、目地差し状態および温度分布は、3
次元的にCRT画面によりグラフ表示し、高炉操業者に
速報する。
【0020】上記3次元的にCRT画面によりグラフ表
示された結果から、局部的に炉底が侵食されていること
が判明すれば、高炉操業者は、局部侵食方位の冷却強
化、局部侵食方位へのモルタル圧入(出銑口へのマッド
の圧入も含む)、局部侵食方位の羽口への送風量の減
少、局部侵食方位の羽口へのTi粉鉱石の吹き込み、局
部侵食方位へのTi鉱石の装入、底盤の冷却強化、出銑
口回りの損耗の場合は、出銑口深さの増加等の対策を実
施する。
【0021】実施例2 前記実施例1の方法によって図8に示すとおり、No.
1出銑口14およびNo.2出銑口15の近傍の耐火物
溶損が激しいことが判明したので、No.1出銑口14
およびNo.2出銑口15からボタ16を圧入し、出銑
口深さを確保した。その結果、図9に示すとおり、N
o.1出銑口14およびNo.2出銑口15近傍に銑鉄
凝固層8が形成されたことが確認された。また、図10
に示すとおり、炉底の300°方位に側壁耐火物損耗が
激しい部分17があることが判明した。そこで炉底側壁
の300°方位の鉄皮内面にスタンプ圧入を実施したと
ころ、図11に示すとおり、炉底の300°方位の側壁
の熱伝導度が上昇し、炉内に凝固層8が形成されたこと
が確認された。さらに炉底の300°方位の側壁耐火物
損耗が激しい部分17に羽口からTi粉鉱石を吹き込ん
だところ、図12に示すとおり、凝固層8の表面にTi
2凝固層18が生成していることが確認された。
【0022】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、高炉炉底耐火物の円周方向における損耗を検知し、
円周方向方位別に諸対策を講じることによって、損耗を
防止すると共に凝固層を発生させ、従来の高炉の寿命の
最高13年を、20年と大幅に延長することができ、高
炉巻替えのための設備投資を著しく軽減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉炉底への熱電対の設置位置を示す炉底断面
図である。
【図2】高炉炉底高さ方向の熱電対の設置位置を示すも
ので、(a)図は図1のレベルA〜Dの熱電対の設置位
置図、(b)図は図1のレベルE、Fの熱電対の設置位
置図、(c)図は図1のレベルGの熱電対の設置位置図
である。
【図3】高炉炉底の状態を示す縦断面図である。
【図4】炉底床面の設定方法の説明図である。
【図5】れんが侵食ライン推定法の説明図である。
【図6】炉底凝固層の決定方法の説明図である。
【図7】高炉炉底の熱伝導度分布図である。
【図8】実施例2における出銑口近傍の耐火物の損耗説
明図である。
【図9】同じく出銑口からボタを圧入後の凝固層形成説
明図である。
【図10】同じく炉底の300°方位の側壁耐火物の損
耗説明図である。
【図11】同じく炉底の300°方位の鉄皮内面にスタ
ンプ圧入実施後の凝固層形成説明図である。
【図12】同じく炉底の300°方位の側壁耐火物の損
耗部に羽口からTi粉鉱石を吹き込み後の凝固層形成説
明図である。
【図13】高炉炉底の侵食状況を示すもので、(a)図
は縦断面図、(b)図は(a)図のA−A断面図であ
る。
【図14】軸対称と3次元との侵食ライン推定結果の差
異を示すもの、(a)図は軸対称の侵食ライン推定結果
説明図、(b)図は3次元の侵食ライン推定結果説明図
である。
【符号の説明】
1、21 高炉 2 底盤 3 熱電対 4 れんが 5 側壁 6 健全れんが 7 目地差し領域 8 凝固層 9 溶銑+コークス塊 10 炉心 11 測温点 12 目地差し面 13 れんが侵食面 14 No.1出銑口 15 No.2出銑口 16 ボタ 17 側壁耐火物損耗が激しい部分 18 TiO2凝固層 22 侵食 23 軸 24 出銑口

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉の炉底部分の温度に基いて炉底耐火
    物の侵食状況ならびに侵食された炉底耐火物上に生成し
    た炉内溶融物の凝固層形状を監視しつつ操業を行う高炉
    の操業方法において、炉底耐火物内および/または炉底
    耐火物の外表面に3次元的に複数ヶ所配設した測温セン
    サーにより測定した炉底温度分布に基づき、有限要素
    法、境界要素法または有限差分法を用いて3次元の伝熱
    解析を行い、炉底耐火物の侵食形状を求め、過去最深の
    侵食形状と比較して侵食が進行している領域を更新し、
    前記炉底温度分布を基に有限要素法、境界要素法または
    有限差分法を用いて3次元の伝熱解析を行い、炉底耐火
    物の目地差し面形状を求めて先に求めた目地差し面形状
    と比較して進行した目地差し面領域を更新すると共に、
    目地差し面形状と過去最深の侵食形状と比較し、過去最
    深の侵食面と炉内側の目地差し面との間を凝固層とする
    ことを繰返し、定常的または非定常的に炉底耐火物の侵
    食形状ならびに侵食された炉底耐火物上に生成した炉内
    溶融物の凝固層形状を推定し、局部的に侵食している部
    分には局部的侵食防止対策を、全体的に侵食している場
    合には、全体的な侵食防止対策を講じることを特徴とす
    る高炉の操業方法。
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