JP2024040153A - 溶鉄の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐火物由来の不純物の量を推定する溶鉄の製造方法を提案する。【解決手段】内面が略軸対称の形状であり、上部開口部の一部または全部が前記内面の対称軸に対し直交する平面にある溶融金属用容器の内面に内張した耐火物の表面形状を3次元測定する方法を用いて、前記容器に充填した溶融金属の精錬処理前後の耐火物表面形状を測定し、その差分体積から耐火物の損耗量を算定する耐火物損耗量測定方法であって、前記耐火物の表面形状を形成する3次元点群データに対して、対称軸を求め、求めた対称軸について前記容器の深さ方向を円筒軸とし、該円筒軸に対し任意の法線方向を動径とし、周方向を偏角とする円筒座標系を用いて、前記耐火物の表面形状を3次元の座標として測定する耐火物損耗量測定方法を用いて、前記容器に充填した溶鉄の精錬処理により損耗した耐火物の量を測定し、得た耐火物損耗量から、耐火物由来の不純物成分組成を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、製鉄分野で用いられる溶鋼や溶銑を搬送し、または、保持し、各種精錬を行う精錬容器の内張耐火物の形状を測定する方法、その耐火物の損耗量を測定する方法および溶鉄の製造方法に関する。
溶銑容器や溶鋼容器に用いられる耐火物は、高温溶融物に接する内張と鉄皮などの筐体側の外張に分けられる。内張の耐火物は、溶銑、溶鋼およびスラグとの接触による化学的な溶損や、熱負荷に起因する亀裂の発生やそれに続く剥離によって損傷する。そのため、内張耐火物が完全に消滅する前に、新しい内張耐火物と交換する。損傷状況は、目視による内張の監視に加えて、耐火物ライニングに埋め込まれた熱電対や、赤外線サーモグラフィーを用いた鉄皮温度監視および3次元測定器による残厚測定を実施している。以下、溶銑や溶鋼などFeを主体とする溶融金属を溶鉄と総称する。
例えば、特許文献1では、炉体の補修直後に測定して得られた炉内壁の3次元形状を基準データとして取得し、炉体を操業した後に測定して得られた炉内壁の3次元形状を操業データとして取得し、基準データと操業データとの差から、耐火物の損耗速度を求め、耐火物の損耗速度と炉体の操業条件とを基に、耐火物の寿命を予測している。
また、特許文献2では、耐火物に対して測定光を照射することにより炉内の2次元形状を測定する測定手段を、移動手段によって炉内で移動させつつ複数回測定することにより炉内の3次元形状を求め、求めた前記3次元形状に基づいて耐火物の損耗状態を測定している。そして、特許文献1や2では、TOF型距離センサや光切断型距離センサを用いている。
特開2015-178930号公報 特開2015- 52555号公報
しかしながら、上記従来の技術には、以下のような問題点がある。
特許文献1や2に記載された技術は、形状測定機器と測定対象容器の位置関係を測定できる場合にのみ実施可能である。一方、稼働中の溶融金属用容器には鉄皮にスラグが付着するため、位置を認識するためのマーカーを設定することができない。そのため、複数台の測定器を組み合わせて位置を認識する大規模なシステムを構築する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、溶融金属を搬送し、または、保持する、精錬容器の内面に内張された耐火物の表面形状を熱間で迅速に測定できる方法、耐火物損耗量の測定方法および溶鉄の製造方法を提案することを目的とする。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる耐火物表面形状測定方法は、内面が略軸対称の形状であり、上部開口部の一部または全部が前記内面の対称軸に対し直交する平面にある溶融金属用容器の内面に内張した耐火物の表面形状を3次元測定する方法であって、前記耐火物の表面形状を形成する3次元点群データに対して、対称軸を求め、求めた対称軸について前記容器の深さ方向を円筒軸zとし、該円筒軸zに対し任意の法線方向を動径rとし、周方向を偏角θとする円筒座標系を用いて、前記耐火物の表面形状を3次元の座標として測定することを特徴とする。
なお、本発明にかかる耐火物表面形状測定方法は、
(a)前記容器と3次元測定器とをそれぞれ所定の位置および姿勢に設置する第1ステップと、前記3次元測定器が前記容器の上部開口部から覗き込んで耐火物の表面形状を3次元の座標として取得する第2ステップと、を有し、前記3次元の座標は、第1の円筒座標系として、前記3次元測定器の基準光軸上の任意の位置に原点ODを置き、前記容器の深さ方向を円筒軸zとし、該円筒軸zに対し任意の法線方向を動径rとし、周方向を偏角θとして取得したうえで、前記耐火物の表面形状の任意の軸座標zにおける、A)第1の円筒座標系における前記耐火物の表面形状の動径座標rを偏角θ方向に高速フーリエ変換して得られる1周期の振幅と位相のずれから求めた対称中心の座標、または、B)平面上の動径座標rおよび偏角θについて、一部もしくは全部の測定点に対して最小二乗法で求めた対称中心の座標を円筒軸z方向に線形近似して、対称軸を求め、第2の円筒座標系として、求めた対称軸について前記容器の深さ方向を円筒軸zとし、該円筒軸zに対し任意の法線方向を動径rとし、周方向を偏角θとして、前記3次元の座標の座標値を補正することにより、前記3次元の座標を再設定し、前記耐火物の表面形状を3次元の座標として測定すること、
(b)前記対称中心の座標を最小二乗法で求めるにあたり、正則化最小二乗法を用いること、
(c)前記対称軸を求めるにあたり、測定点と最小二乗円との差の標準誤差の逆数を重みづけし、線形近似すること、
(d)前記対称中心の座標を高速フーリエ変換して求めるにあたり、初期の耐火物表面形状または直前に測定した耐火物表面形状を用いて補正すること、
(e)前記第1の円筒座標系における原点ODを前記容器の開口部の平面上に置き、前記原点ODと前記容器の開口部の対称中心OCとの距離を開口部の円相当直径の0.1倍以下とすること、
(f)前記容器の傾きを任意の方向に5度以下とする、ここで、容器の傾きとは、前記容器の開口部の平面に対する法線と前記3次元測定器の基準光軸とのなす角度とすること、
などがより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる耐火物損耗量測定方法は、上記いずれかの耐火物表面形状測定方法を用いて、前記容器に充填した溶融金属の精錬処理前後の耐火物表面形状を測定し、その差分体積から耐火物の損耗量を算定することを特徴とする。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる溶鉄の製造方法は、上記耐火物損耗量測定方法を用いて、前記容器に充填した溶鉄の精錬処理により損耗した耐火物の量を測定し、得た耐火物損耗量から、耐火物由来の不純物成分組成を推定することを特徴とする。
本発明によれば、溶銑容器や溶鋼容器の内張耐火物の表面形状を熱間状態で迅速に測定することができ、精錬処理における耐火物の損耗量を精確に把握することができる。したがって、溶鉄の製造時に耐火物由来の不純物成分組成を推定することが可能となり、産業上有益な効果がもたらされる。
本発明の実施形態に用いて好適な精錬容器および3次元測定器の配置を示す模式図である。 精錬容器の位置や姿勢が3次元測定器の基準光軸とずれている配置を示す模式図である。 図2の配置で任意の高さでの耐火物表面の動径r値と偏角θの関係を示すグラフであって、(a)は第1の円筒座標系の値を示し、(b)は補正後の第2の円筒座標系の値を示す。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
溶銑容器や溶鋼容器は、図1に示すような内面が略軸対称、たとえば円筒形や逆円錐台の形状をとり、上部に円形状の開口部を有する。また、内面の水平断面が楕円形であったり、開口部の一部に排出口が構成されていたりする場合もある。開口部の一部または全部が内面の対称軸に直交する平面内に構成されている。そして、容器の内側には耐火物が内張されている。容器の内側の耐火物の損傷形態として、炉内に保持した溶融金属や、スラグによる化学的な溶損や摩耗に加えて、熱負荷による剥離がある。耐火物の損傷を管理することで、容器壁が溶損して、溶融金属が流出するトラブルを避けるとともに、廃棄物の最小化ができる。図1は溶鋼用取鍋の例を示しているが、本発明は、溶銑装入鍋、転炉、真空誘導溶解炉など内面が略軸対称であれば、いずれにも対応できる。また、図1の例では、可搬式容器1にトラニオン4と呼ばれる円筒形の突起が2か所にある。トラニオン4は、クレーンでの吊り上げ、台車への設置や、傾転装置に設置する際に、重量を預ける箇所となる。可搬式容器1を所定の位置に移動させる方法として、傾転装置に設置する方式、傾転装置に設置した後に90度傾けた状態とする方式、そして台車に設置し、台車を移動させる方式などがある。
(第1実施形態)
第1の実施形態は、容器内耐火物の表面形状を3次元測定する方法である。
そこで、本実施形態の耐火物表面形状測定方法では、まず、被測定容器1を所定の位置に設置し、3次元測定器2、たとえば、3次元レーザースキャナー2を所定の位置に設置する(第1のステップ)。このステップでは、被測定容器1の上部開口部外側から、内部の耐火物表面全部が視野に入るように3次元レーザースキャナー2を配置することが好ましい。また、被測定容器1の姿勢は、上部開口部を上に向ける場合だけでなく、容器1を90度横転させ、水平方向から覗き込んでもよく、姿勢は問わない。
次に、3次元レーザースキャナー2が被測定容器1の上部開口部から覗き込んで被測定容器1の内面に内張した耐火物3の表面形状を3次元の座標として測定する(第2ステップ)。このステップでは、3次元レーザースキャナー2を用いてレーザー光8を耐火物3表面に照射し、耐火物3表面からの反射光を受信するまでの時間を測定することで、3次元レーザースキャナー2と耐火物3表面の位置関係を座標として算出する手法を用いる。つまり、第1の円筒座標系として、3次元レーザースキャナー2の基準光軸6上の任意の位置に原点ODを置き、3次元レーザースキャナー2の基準光軸6上であって、被測定容器1の深さ方向を円筒軸zとし、その円筒軸zに対し任意の法線方向を動径rとし、周方向を偏角θとして取得する。第1の円筒座標系の原点ODとして、3次元レーザースキャナー2の基準光軸6と容器開口部の平面との交点を用いることができる。動径方向rの基準軸としては、たとえば、図1に示すような取鍋1の場合、一方のトラニオン4の軸の方向とすることができる。また、開口部平面は、被測定容器1の開口部を構成する周の任意の3点の座標を取得することで決定できる。ここで、図1のように被測定容器1の開口部を上に向けて配置する場合には、3次元レーザースキャナー2の基準光軸6を鉛直方向とすることが好ましい。
図1に示すように容器1内面の対称軸5と3次元スキャナの基準光軸6が一致することが好ましい。その場合には、第1の円筒座標系の円筒軸zが容器の対称軸と一致しているので軸対称の耐火物表面座標が得られるので補正の必要がない。一方、図2に示すように、被測定容器1が3次元測定器2に対し水平方向にずれたり、被測定容器1が傾いたりした場合には、第1の円筒座標系では軸対称の耐火物表面座標が得られないことになる。
そこで、次に測定結果を補正する手法を説明する。第1の円筒座標系で表した3次元座標(r、θ、z)のうち、動径座標rを偏角θ方向に模式的に表したグラフを図3(a)に示す。図3(a)では、図2で原点ODとおいた、3次元レーザースキャナー2の光軸と被測定容器1の開口部平面の交点の座標に対し、容器の開口部の対称中心OCの座標(r、θ、0)が、(0.35m、90度、0)の場合を示している。ここで、開口部を直径4mの円形状としている。
第2の円筒座標系として、たとえば、偏角θはθと同じとし、動径rを{r-r・sin(θ-θ)}と置き換える。この変換により、新たな原点として、対称中心OCが得られたことになる。具体的には、3次元レーザースキャナー2を用いて測定した第1の円筒座標系の耐火物表面形状の座標を、高速フーリエ変換して得られる周方向の動径の振幅と位相のずれから補正する。つまり、円筒軸z方向の各位置の対称中心の座標を求め、円筒軸z方向に線形近似して対称軸を得る。この対称軸を第2の円筒座標系の円筒軸zとして、測定した3次元座標を再設定し、耐火物の表面形状を補正する。
対称中心の座標を求める他の方法は、最小二乗法でもよい。最小二乗法はデータ間隔によらず適用することができるので好ましい。耐火物の局部的な損傷がある場合、局部的に損傷した範囲の測定点を使用せずに最小二乗法で対称中心の座標を求めてもよい。具体的には、第1の円筒座標系における耐火物の表面形状の任意の軸座標zにおける平面上の動径座標rおよび偏角θについて、一部または全部の測定点に対して最小二乗法で対称中心の座標を求める。その対称中心の座標を円筒軸z1方向に線形近似して、対称軸を求める。第2の円筒座標系に基づく3次元座標の補正は上記高速フーリエ変換の場合と同様である。
また、正則化最小二乗法を用い、第1の円筒座標系で設定した原点から離れることに対してペナルティを設定してもよい。また対称軸を得る方法として、対称中心の座標ごとに重みを変えて線形近似してもよい。具体的には、最小二乗法で求めた円弧と測定点との距離の標準誤差の逆数を重みとして用いてもよい。
容器内の内張耐火物には、軸対称から外れた突起等を設けることがある。その場合、初期の耐火物表面形状や、直前の耐火物表面形状から、軸対称表面との偏差を事前に把握しておき、高速フーリエ変換によって対称中心を求める際に、補正することが好ましい。より精度の高い軸対称の耐火物表面形状の座標を得るためには、第1に、既設の測定器が出力する、耐火物表面の座標と耐火物厚みの合計から、パーマ面の座標を求め、第2に、得られたパーマ面の座標をフーリエ変換補正して対称軸を算出し、第3に、補正で得た対称軸により耐火物表面形状の座標を補正し内張耐火物の残厚を求める、という補正工程を経ることが有効である。ここで、パーマ面とは、使用に伴う減厚が発生せず一定の位置を保持するパーマ耐火物の内面のことであり、パーマ耐火物は使用に伴い減厚する内張耐火物の背面にある耐火物を指し、永久張り:permanent lining、外張耐火物ともいう。これにより、より精度の高い、軸対称の耐火物表面形状の座標を得ることができる。
ここで、図2に示す被測定容器1と3次元測定器2との位置のずれ量は、第1の円筒座標系における原点ODを被測定容器1の開口部の平面上に置き、その原点ODと被測定容器1の開口部の対称中心OCとの距離が開口部の円相当直径の0.1倍以下であることが好ましい。位置のずれは0に近ければ近いほど好ましい。これを超えると3次元測定器の角度解像度が不十分となり、座標位置の測定精度が下がったり、耐火物表面の凸凹に隠れて真の表面が測定できなくなったりするおそれがある。
また、被測定用容器1の傾きが任意の方向に5度以下であることが好ましい。ここで、被測定容器1の傾きとは、被測定容器1の開口部の平面に対する法線7と3次元測定器2の基準光軸6とのなす角度とする。この傾きが5度を超えると、第1の円筒座標系で測定する表面形状について軸対称からの偏差が大きくなりすぎて、後述する耐火物の厚みの測定精度が低下するおそれがある。
(第2実施形態)
第2の実施形態は、上記のように把握した耐火物の表面形状から耐火物の損傷状態を把捉する過程で生まれたものである。あらかじめ、基準状態として、内張耐火物が損傷していない施工直後の表面形状や、内張耐火物を施工する前の容器内面または外張耐火物施工後の表面形状を基準状態として上記方法により座標を測定し、または、設計情報からCAD(computer aided design)データを取得する。この基準状態とたとえば精錬処理後の耐火物表面形状の差分から耐火物の厚みを算出する。ここで、耐火物の厚みは、容器内表面の法線方向の耐火物の長さとし、内表面で平均するものとする。
次に、耐火物の損耗量は、上記のようにして測定した耐火物の厚みを精錬処理の前後で比較し、内表面で積分して、差分体積として算定する。
(第3実施形態)
第3の実施形態は、耐火物の損耗による溶鉄の汚染を把握するために開発したものである。内張した耐火物の種類ごとに上記第2の実施形態に基づき、耐火物の損耗量を求める。耐火物の組成、損耗量および溶鉄量から耐火物由来の不純物成分組成を推定することができる。
耐火物の表面温度は、溶鉄の精錬容器の場合、600℃以上とすることが好ましい。この温度以上であれば、被測定容器を用いた溶鉄の精錬処理後、とくに冷却することなく迅速に耐火物表面形状を測定できるので、得た情報を次工程の処理に反映することができる。たとえば、脱酸処理、脱炭処理あるいは介在物の形態制御が考えられる。上限は特に限定するものではないが、処理した溶融金属の温度以上となることはない。
(実施例1)
内面が円筒形状で開口部が直径4.5mの円形状であり、高さ4mの溶鋼容器である取鍋を対象に、取鍋の開口部平面から2.8mの高さに3次元レーザースキャナーを設置し、耐火物表面形状を測定した。耐火物の厚みの算定には、事前に施工後の耐火物表面形状を対称軸に基づく3次元座標として測定し基準状態とし、耐火物表面形状との差分を用いた。測定後に、実際に耐火物厚みを抜き彫りし、スケールで測定した。表1に条件および測定結果を示す。また、各測定結果は3次元レーザースキャナーの基準光軸を円筒座標系の円筒軸とする座標に基づく耐火物厚みと、高速フーリエ変換による対称軸を円筒軸とする座標に基づく補正後の耐火物厚みで比較し、誤差率を百分率で表した。また、取鍋と3次元レーザースキャナーとの設置位置のずれは、図2の円筒座標で表記した。
Figure 2024040153000002
取鍋は可搬式容器であり、測定時に毎回設置される位置がずれる。また、上部開口部から計測するために、傾けて設置する場合がある。そこで、取鍋-3次元レーザースキャナー間のずれ量と、取鍋の傾きを計測した。なお、3次元レーザースキャナーの基準光軸は鉛直方向に固定した。位置が全くずれていない(No.1)ときは、補正による効果はないが、位置がずれても(No.2~13)補正で修正可能であることがわかる。また、取鍋の傾きの角度が変わっても(No.6~14)、補正で実測値に近づけた値が得られることがわかる。耐火物厚みの正確な値を把捉することで、修理入りの判断に使用することができる。
(実施例2)
実施例1のNo.10~13について、高速フーリエ変換に変えて、最小二乗法を用いて、対称中心の座標を求め、表2のNo.15~18にそれぞれ示す。No.15および16は、それぞれ実施例1のNo.10および11で高速フーリエ変換に用いた座標のすべてを用いて最小二乗法で座標を変換した。また、No.17および18は目視で損傷が周囲に比べて特に大きい偏角範囲を除外範囲とした。除外範囲を除いた測定点に対し、最小二乗法で座標を変換した。表2中の除外範囲偏角θ欄で「-」は、全ての測定点を用いたことを表す。同じく「345-15」(度)は345度から360度までの範囲および0度から15度までの範囲を表す。
Figure 2024040153000003
No.10および11とNo15および16との誤差率はほぼ同等であり、炉壁に大きな損傷がなければ、高速フーリエ変換と最小二乗法とに差はないと考えられる。周囲と比較して損傷が大きい個所を除外して最小二乗法で求めたNo.17および18は高速フーリエ変換で求めたNo.12および13より誤差率が改善している。
(実施例3)
実施例1のNo.12および13について、高速フーリエ版間に変えて、正則化最小二乗法を用いて座標変換し、表3にそれぞれNo.19および20で示す。
Figure 2024040153000004
正則化項(ペナルティ項)による補正でNo.19および20は高速フーリエ変換で求めたNo.12および13より誤差率が改善している。
(実施例4)
実施例3で求めた対称中心の座標に対し、線形近似して対称軸を求める際に、最小二乗法で求めた円弧と測定点との距離の標準誤差の逆数を重みとして重みづけした。結果を表4に示す。
Figure 2024040153000005
No.21はNo.19と重みづけによる軸の傾きおよび誤差率に差は見られなかった。No.22はNo.20と比べ、重みづけにより、傾きが10.1度になり、誤差率が改善した。
(実施例5)
次に、本実施形態にかかる耐火物表面形状測定方法を用いて、連続する2チャージの耐火物厚みを算出した。ここで、容器内の溶鋼量は300tで、溶鋼容器の耐火物はスラグラインれんがが高さ方向で2mと鋼浴部不定形耐火物が高さ方向で2mの合計4mで構成されている。スラグラインれんがは85質量%MgO-15質量%Cで嵩密度が3.0t/m、鋼浴部不定形耐火物は90質量%Al-10質量%MgOで嵩密度が3.3t/mである。
耐火物は、スラグラインれんがが42kg損傷しており、鋼浴部不定形耐火物が25kg損傷していた。この結果から、溶鋼1tあたりの最大で[Mg]が0.0077質量%、[Al]が0.0040質量%、[C]が0.0021質量%、[O]が0.0086質量%上昇しうることがわかった。ここで、[R]は元素Rが溶鋼中に溶存していることを表す。なお、耐火物にBなど他の成分が含まれている場合も同様の計算方法で溶鋼中に溶存しうる質量%の上昇分を得ることができる。
本明細書中で質量の単位「t」は10kgを表す。
本発明は、今回開示された実施例に制限されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において実施可能である。
1 容器(取鍋)
2 3次元測定器(3次元レーザースキャナー)
3 内張耐火物
4 トラニオン
5 容器の対称軸
6 3次元測定器の基準光軸
7 容器の開口部平面に対する法線
8 耐火物表面形状測定の光軸(レーザー光)
OC 容器の開口部の対称中心
OD 原点
z 円筒座標系の回転軸
r 円筒座標系の動径
θ 円筒座標系の偏角
φ 3次元測定器の基準光軸に対する容器の傾き

Claims (1)

  1. 内面が略軸対称の形状であり、上部開口部の一部または全部が前記内面の対称軸に対し直交する平面にある溶融金属用容器の内面に内張した耐火物の表面形状を3次元測定する方法を用いて、前記容器に充填した溶融金属の精錬処理前後の耐火物表面形状を測定し、その差分体積から耐火物の損耗量を算定する耐火物損耗量測定方法であって、
    前記耐火物の表面形状を形成する3次元点群データに対して、対称軸を求め、
    求めた対称軸について前記容器の深さ方向を円筒軸zとし、該円筒軸zに対し任意の法線方向を動径rとし、周方向を偏角θとする円筒座標系を用いて、
    前記耐火物の表面形状を3次元の座標として測定する耐火物損耗量測定方法を用いて、前記容器に充填した溶鉄の精錬処理により損耗した耐火物の量を測定し、得た耐火物損耗量から、耐火物由来の不純物成分組成を推定する、溶鉄の製造方法。
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