JPH0613433B2 - 立方晶窒化ホウ素を含む焼結体を製造する方法 - Google Patents

立方晶窒化ホウ素を含む焼結体を製造する方法

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JPH0613433B2
JPH0613433B2 JP4125552A JP12555292A JPH0613433B2 JP H0613433 B2 JPH0613433 B2 JP H0613433B2 JP 4125552 A JP4125552 A JP 4125552A JP 12555292 A JP12555292 A JP 12555292A JP H0613433 B2 JPH0613433 B2 JP H0613433B2
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boron nitride
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重治 中
真一 平野
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Toshiba Tungaloy Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は少なくとも立方晶窒化ホ
ウ素(以下、CBNと略記)をその構成成分の1つとす
る立方晶窒化ホウ素を含む焼結体を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】立方晶窒化ホウ素焼結体の製造法として
従来から多くの提案がなされているが、これらは要する
に大きくは2つの流れとしてとらえることができる。す
なわち、その1つは一旦超高圧高温の手段によりCBN
を合成し、得られた該CBNを結合剤となる金属及び/
又は化合物と混合及び超高圧高温の手段を用いて焼結体
を形成する方法であり、他の1つの流れは窒化ホウ素
(以下、BNと略記)を出発原料とし、これを結合剤と
なる金属及び/又は化合物と混合、超高圧高温の手段を
用いて該BNをCBNに転換すると同時に焼結体を形成
すると言うものである。
【0003】言うまでもなく両者の方法を比較するとき
は、前者が最も費用のかかる超高圧高温の手段を2度利
用するに対し、後者が1度で済むと言う点で後者が望ま
しい方法なのであるが、しかし現実に工業的に実用され
ているのはほとんどが前者の方法である。その理由は極
めて明瞭である。すなわち、従来提案されている後者の
方法ではBNからCBNへの転換が100%行われるこ
とがほとんどなく、残留するBNが焼結体の性質及び性
能を著しく損うからである。
【0004】CBNへの転換率を幾分でも向上させる方
法として触媒物質を用いる方法が提案されている。例え
ば特公昭51−16199号公報に記載されているよう
に六方晶窒化ホウ素(以下、hBNと略記)に触媒とし
てCoを加え、高圧高温反応によりCBNに転換させ、
同時に焼結させる方法、或は特公昭52−17838号
公報に記載されているようにAINに周期律表第1b,
2b,4a,5a,6a,7a,8族元素および珪素か
ら成る群により選ばれた一種以上を触媒として用い、h
BNを高圧高温反応によりCBNに転換させ同時に焼結
させる方法等が知られている。
【0005】しかしながら、これらの製造法によるCB
Nを主構成相とする窒化硼素焼結体は、いづれも金属元
素が結合成分として存在するため硬度が低く工具材料と
したとき特性が劣り、またその他の用途において熱伝導
性、化学的安定性等が低い欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは先にこれ
らの欠点を排除するために金属触媒を全く用いることの
ないBNを出発材料とするCBN焼結体の製造法を提案
した。特開昭55−32771(特公昭58−3442
9)がそれである。この方法は、出発材料としてのBN
とそれのCBNへの転換反応において触媒として働くA
INを混合し、これを適当な容器に充填し、さらにキシ
レン,トルエン,エチルアルコールなどの有機溶剤をこ
れに注入して容器内の酸素量が2容量%以下になるよう
に調整したる後これらを超高圧高温下にさらし原料BN
をCBNに転換すると同時に焼結体を得るという方法で
ある。この方法によれば上記有機溶剤は超高圧高温処理
の過程で結合水素を解放し、この発生機の水素は原料B
N中に物理的、化学的に存在していた有害な酸素を取去
り、AINの触媒作用と相俟ってBNは完全にCBNに
転換され、同時にCBN同志が結合した焼結体が得られ
る。しかしながら本発明者らは上記方法による焼結体を
更に詳しく研究した結果、次のような欠点のあることを
知るにいたった。すなわち、キシレン,トルエンなどの
有機溶剤は上記の如く作用して原料BN中に存在する有
害な酸素を取去りCBNへの転換、焼結体の形成に寄与
するのであるが、そのあとに残査として炭素を残し、こ
れがCBN同志の結合を妨げ、焼結体としての強度を不
十分にしていることが知られたのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の知見に基
づき完成されたものであり、出発原料としての周期律表
第4a,5a,6a族金属,珪素,アルミニウム,鉄族
金属の金属群及びそれらの金属の化合物群の両群から選
ばれる少なくとも1種をボラジン,ボラジンの誘導体及
び/又は加熱分解によって水素を解放し窒化ホウ素を生
じるようなホウ素と窒素と水素の化合物(総称して以
下、ボラジン等と略記)により湿潤または浸漬された状
態で適当な高圧用容器に充填され、しかるのち適当な高
圧装置に該高圧用容器ごと埋設し、圧力を4.5GPa
以上、温度を700℃以上まで上昇せしめ、選ばれた該
圧力、該温度に相応して適当な時間該圧力、温度を保持
し、該出発材料の中で該ボラジン等の加熱分解で生成す
るBNをCBNに転換するとともに該CBNを含む強靭
な焼結体を形成するというものである。
【0008】本発明の特徴は、出発原料が、超高圧高温
処理を受ける前にボラジン等により湿潤又は浸漬された
状態で高圧用容器に充填されるところにある。発明者ら
はその作用と効果について研究を重ねた次のような重要
な知見を得た。
【0009】先づ第一に出発原料である該混合粉末の空
隙を満たすようにボラジン等を加えることにより、該空
隙からの空気を追出す。このことにより該混合粉末を充
填した容器内の酸素の量は2容量%以下に保たれ、この
条件の充足によりBNからCBNへの転換率は著しく向
上する。
【0010】第二には、該空隙を満たすように加えられ
た該ボラジン等は加圧加熱の過程で熱分解し、水素を解
放するがこの発生機の水素は原料BNに物理的、化学的
に結合又は吸着している頑固な酸素を取去り上記第一の
効果を更に高める。
【0011】第三には該ボラジン等は上記の如く加圧加
熱の過程で熱分解し、水素を解放して結局BNを残す
が、このようにして得られる加圧下熱分解BNは極めて
純度が高い一方、比較的結晶度が低く、このようなBN
はCBN合成のためには最も好ましいものである。すな
わち発明者らの研究によると結晶度の高い市販のBNと
ボラジン等から加圧下熱分解によって得られた純度が高
く結晶度の低い非晶質BNとのCBNへの変換に要する
活性化エネルギーは、AINの存在の下でそれぞれ前者
が40〜60Kcal/モルであるのに対し、後者では
約20Kcal/モルであり、従って、純度高く結晶度
の低いBNはCBNへの変換率は極めて高いのである。
【0012】すなわち、本発明の発明者らによる先の発
明(特開昭55−32771)においては、添加したキ
シレン等がCBN焼結体に有害な炭素を残したのに対
し、本発明ではCBNの合成及びその焼結体の形成に最
も好ましい性質をもったBNを残したのである。
【0013】
【作用】かくして本発明の最も重要な特徴であるボラジ
ン等の添加がそうする作用効果は明白であり、その効果
として本発明の有する作用効果もまた極めて明白であ
る。これを更に詳しく説明する。
【0014】ボラジン等は常温常圧で液体である。高圧
用容器に充填させる出発原料は、充填前に各成分粉末を
配合、混合して調整されるが、このときボラジン等で湿
潤しながら、いわゆる湿式混合してもよい。従来法では
一般に乾式で混合し、しかる後この混合粉で適当な圧粉
体を作り、これを上記高圧用容器に充填するのである
が、上記の如くボラジンで湿式混合した場合は上記圧粉
体形成の工程を省き、湿潤状態の混合粉をそのまま上記
高圧用容器に充填することもできる。
【0015】従来と同様に乾式混合を行い成形ブレスで
圧粉体を作る方法を採用する場合には、成形圧力を適当
に選ぶことにより圧粉体の見掛け密度を適当にすること
ができる。逆に言えば圧粉体の有孔率に応じてボラジン
等の注入量が決まり、且つ注入されるボラジン等は上記
圧粉体を構成する成分粒子間の隙間をくまなく廻り満た
し、実質100%の密度の状態で出発原料とボラジン等
が上記高圧用容器を満たすことになる。このことは成分
粒子間隙間に存在する空気を追い出す効果のみならず焼
結体形成の過程で、上記高圧用容器に、極めて静水圧に
近い圧力状態を実現することになり、CBNへの転換及
び焼結体の形成には理想的な条件ということができる。
【0016】更に、上記成分粒子間を連続的に満たして
いるボラジン等は焼結の過程において水素を解放して熱
分解し、その発生機の水素は上記高圧用容器内の各成分
粒子を浄化する。そして熱分解の結果あとに残るBNは
上記出発原料の各成分粒子間を連続的に廻り、超高圧高
温の条件下で、上記出発原料中でCBNに転換し、連続
した3次元網目構造を形成する。
【0017】出発原料に例えばWCやTiCなどの硬質
化合物を含む場合、該硬質化合物は、超高圧高温下で塑
性変形しながら焼結が進行し、それら自身も互いに連続
した3次元網目構造を作ることが多く、上記のCBNの
網目構造と上記硬質化合物の網目構造が互いにからみ合
い、結果として極めて強靭な立方晶窒化ホウ素を含む焼
結体を形成するのである。
【0018】CBNの量が比較的少なく、従って硬質化
合物の量が比較的多い場合は当然CBNの網目構造が不
完全になることがあるが、この場合には硬質化合物の網
目構造が完全で全体の強度を保ち、その反対の場合はC
BNの網目構造が発達し、全体の強度を保つという関係
にある。
【0019】本発明の最も重要な点は再三述べるように
出発原料にボラジン等を添加するところにある。従って
この基本的な要件を満足させて展開できる実施態様は甚
だ多様である。
【0020】以下、具体的実施例を示す。
【0021】
【実施例1】50容量%のTiC、20容量%のTi
N、20容量%のWC、2容量%のNi、1容量%のN
b及び7容量%のAlからなる出発原料をジルコニウム
製カプセルに投入し660kgf/cm2の圧力で型押
成形し気孔率44%の圧粉体を作った。これにボラジン
を注入し、該カプセルを封止して高圧装置に埋設、先づ
6.5GPaに圧力を上げ、続いて温度を700℃まで
上昇せしめ、ここで10分間保持し、そのあと引続いて
温度を1400℃まで上昇、この温度で20分間保持し
た。降圧降温後本発明試料1を得た。
【0022】X線回折試験による本発明試料1からは強
いCBNによる回折ピークが観測され、工程中に注入さ
れたボラジンは高圧、高温処理により水素を解放してC
BNに変換されていることが確認できた。
【0023】本発明試料1を顕微鏡下で観察すると、ボ
ラジンから変換合成されたCBNと出発原料から焼結さ
れたTiC−TiN−WC−(Ni−Nb−Al)合金
の相は互いにからみ合い、それが立体的網目構造をなし
て全体として強靭な焼結体を形成しているのが認められ
た。
【0024】本発明試料1から旋削用バイト刃先を作
り、SCMの浸炭焼入鋼(表面硬さHRC62)に対し
て断続切削試験を試みた。被削材直径250mm、2ス
ロット型、切削速度100m/分、切込0.25mm、
送り0.15mm/rev乾式の条件で断続試験を試み
たところ12分間の切削後も尚チッピングを生せず、本
発明試料1が耐チッピング性にすぐれた工具材料となる
ことが確認できた。
【0025】
【実施例2】40%TiN−20%WC−7%Co−3
3%Al(容量%)からなる出発原料を用いて、実施例
1と同条件でもって圧粉体を作った。これを実施例1と
同様にして高圧装置に埋設し、保持温度を1500℃、
保持時間を30分とした以外は実施例1と同条件で処理
して本発明試料2を得た。
【0026】本発明試料2を顕微鏡下に観察すると、ボ
ラジンから変換合成されたCBNと出発原料とが焼結さ
れ、互いにからみ合い、それが立体的網目構造をなして
全体として強靭な焼結体を形成しているのが認められ
た。
【0027】本発明試料2を実施例1と同条件でもって
断続切削試験を試みた結果、20分間の切削後も尚チッ
ピングを生せず、本発明試料2が耐チッピング性にすぐ
れた工具材料となることが確認できた。
【0028】
【発明の効果】本発明はそのCBNの焼結体の製造方法
に関して簡便にして極めて効率の高い、経済性にすぐれ
た効果を発揮し、また、本発明の方法で得られる焼結体
は、切削工具として用いた場合に耐チッピング性にすぐ
れるという効果を発揮する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項】 周期律表第4a,5a,6a族金属,珪
    素,アルミニウム,鉄族金属の金属群及びそれらの金属
    の化合物群の両群から選ばれる少なくとも1種からなる
    出発原料をボラジン,ボラジンの誘導体及び/又は加圧
    下加熱分解によって水素を解放し窒化ホウ素を生じるよ
    うなホウ素と窒素と水素の化合物で湿潤又は浸漬し立方
    晶窒化ホウ素を含む焼結体を製造する方法。
JP4125552A 1992-04-17 1992-04-17 立方晶窒化ホウ素を含む焼結体を製造する方法 Expired - Lifetime JPH0613433B2 (ja)

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SE519862C2 (sv) * 1999-04-07 2003-04-15 Sandvik Ab Sätt att tillverka ett skär bestående av en PcBN-kropp och en hårdmetall- eller cermet-kropp
CA2569733C (en) * 2005-04-14 2010-08-03 Sumitomo Electric Hardmetal Corp. Cubic boron nitride sintered body and cutting tool

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