JPH06131713A - 光磁気ディスクおよびその製造方法 - Google Patents

光磁気ディスクおよびその製造方法

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JPH06131713A
JPH06131713A JP28266292A JP28266292A JPH06131713A JP H06131713 A JPH06131713 A JP H06131713A JP 28266292 A JP28266292 A JP 28266292A JP 28266292 A JP28266292 A JP 28266292A JP H06131713 A JPH06131713 A JP H06131713A
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JP
Japan
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film
magneto
optical disk
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cobalt
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JP28266292A
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English (en)
Inventor
Akiyuki Fujii
映志 藤井
Hideo Torii
秀雄 鳥井
Masuzo Hattori
益三 服部
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、信頼性に優れ、かつ短波長記録を
可能にする光磁気ディスクを提供することを目的とす
る。 【構成】 ディスク基板上に、NaCl型結晶構造の酸
化物薄膜を形成し、その酸化物薄膜上に、ディスク基板
表面に対して垂直方向に柱状構造を有したコバルトフェ
ライト薄膜を形成し、このコバルトフェライト薄膜上に
反射膜を形成した構造の光磁気ディスク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光磁気ディスクおよびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在一般的に普及している高密度のディ
スクメモリーは磁気ディスクである。これは、記録、再
生、消去が可能であるためさまざまな分野で利用されて
いる。しかし、磁気ヘッドと記録媒体とが接触に近い状
態にあるため損傷に対する信頼性に欠けるといった大き
な欠点がある。一方、最近急速に発展してきた光ディス
クは、非接触で高密度記録を可能にするといった磁気デ
ィスクに無い大きな特徴を持っている。しかし、光ディ
スクメモリーは、磁気ディスクのように書換機能がない
といった欠点がある。書換可能だが高密度化に限界があ
り、非接触に近い状態にある磁気ディスクと非接触であ
るが書換機能がない光ディスクの利点を兼ね備えた記録
方式が光磁気記録である。つまり、光磁気ディスクメモ
リーは、高密度化および書換可能な非接触記録方式なの
である。
【0003】光磁気ディスク材料として、代表的なもの
に希土類金属と遷移金属とのアモルファス合金膜(Tb
FeCo膜)がある。TbFeCo膜は、スパッタ法や
真空蒸着法などで大面積なものが低温で作成でき、また
大きな垂直磁気異方性をもたせることができる。現在す
でに3.5インチサイズで片面128MB容量のものが
実用化されている。しかし、持ち運びができる小型、大
容量ファイルとして市場を形成していく際にマルチメデ
ィアファイルへの応用などを考えると、この程度の容量
では不十分である。
【0004】光磁気ディスクの大容量化、つまり高密度
化を図るためには、レーザーの短波長化によるスポット
径の微少化が不可欠である。短波長化対応の次世代光磁
気ディスクとして、軽希土類金属(Nd)と遷移金属と
のアモルファス合金膜や貴金属/遷移金属の人工格子膜
(Co/Pt)さらには酸化物膜(ガーネットやCoフ
ェライト)の研究が盛んになされている。なかでも酸化
物膜は、金属膜に比べ熱的、化学的に安定であるといっ
た大きな特長をもつことから、短波長化対応の次世代光
磁気ディスクとして、非常に有望な材料である。しか
し、これらの酸化物膜は、過去LPE法やCVD法によ
って単結晶基板上にしか得られなかったため、高コス
ト、基板の種類が限定されていた、などといった大きな
傷害があった。
【0005】最近、ガーネット膜がスパッタ法によりガ
ラス基板上に得られるようになった。また、Coフェラ
イト膜もフェライトメッキ法により耐熱性のないプラス
チック基板上に成膜が可能となってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記ガーネッ
ト膜はスパッタ堆積後に高温で熱処理(約500℃以
上)しなくてはならないため耐熱性の基板を用いなくて
はならないといった下地基板に制限を受ける。また、フ
ェライトメッキ法により作製したCoフェライト膜は、
磁化容易軸である<100>方向に配向した膜が得られ
ないため、光磁気ディスクの大前提である垂直磁化膜と
ならず、光磁気ディスクへは応用できない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するものであり、光磁気ディスクとして、安価なディ
スク基板上に(100)面に配向したNaCl結晶構造
の酸化物膜を設け、前記酸化物膜上に(100)面に配
向し、かつディスク基板表面に対して垂直方向に柱状構
造を有したコバルトフェライト膜を設け、前記コバルト
フェライト膜上に金属膜を設けたものである。
【0008】また本発明の光磁気ディスクの製造方法
は、マグネシウムを含む化合物またはコバルトを含む化
合物またはニッケルを含む化合物の蒸気と酸素との混合
ガスをプラズマを用いて反応させ、ディスク基板上にN
aCl型結晶構造の酸化物膜を形成し、さらにコバルト
を含む化合物の蒸気と鉄を含む化合物の蒸気と酸素との
混合ガスをプラズマを用いて反応させ、前記NaCl型
結晶構造の酸化物膜上にコバルトフェライト膜を形成
し、さらにスパッタリング法または真空蒸着法により金
属膜を形成するものである。
【0009】さらに、マグネシウムを含む化合物および
コバルトを含む化合物およびニッケルを含む化合物およ
びコバルトを含む化合物および鉄を含む化合物がβ−ジ
ケトン系金属錯体で構成されている。
【0010】
【作用】上記構成により、Coフェライト膜が、磁化容
易軸である(100)面に配向し、かつディスク基板表
面に対して垂直方向に柱状構造を有した構造の垂直磁化
膜であり、従来のTbFeCo膜と比べ熱的、化学的に
安定で、かつレーザーの短波長化による高密度化を可能
となる。また、スパッタ法により作製したガーネット膜
と比較して安価なディスク基板に作製できる。
【0011】
【実施例】以下、プラズマCVD法による本発明の実施
例の光磁気ディスクおよびその製造方法について図面を
参照しながら説明する。
【0012】図1は本発明の実施例における光磁気ディ
スクの構成を示す要部拡大断面図である。図1におい
て、3.5インチ径プリグルーブ付きガラスディスク基
板1上に、(100)面に配向したNaCl型結晶構造
の酸化物膜としてのMgO膜2を設け、このMgO膜2
上に、このディスク基板表面に対して垂直方向に柱状構
造を有し、かつ(100)面に配向したCoフェライト
膜3を設け、さらに反射膜としての金属膜であるCr膜
4を設けている。
【0013】図2は、本発明の光磁気ディスクにおける
のNaCl型結晶構造の酸化物膜としてのMgO膜2と
Coフェライト膜3を製造するためのプラズマCVD装
置の概略構成図である。図2において、反応チャンバー
5内には、基板回転機構のついた基板加熱ヒータ6内臓
の電極7と、高周波電源(13.56MHz))8が接続された
電極9が対向して設けられ、電極7は設置されその下方
にはプリグルーブ付きガラスディスク基板10などの下
地基板が設置されている。また、反応チャンバー5の下
方側面には反応チャンバー5を低圧に保つための排気系
21が設けられている。
【0014】一方、原料の入った気化器12、13、1
4はバルブ15、16、17を介して電極7に配設され
たガラスディスク基板10と電極9の間に開口するパイ
プに接続され、また、気化器12、13、14のそれぞ
れに導入されたパイプは、バルブ18、19、20を介
してキャリアガスの窒素ボンベ21に接続されており、
バルブ18、19、20の開閉によりキャリアガスの気
化器12、13、14内への導入の有無が制御され、ま
た、バルブ15、16、17の開閉により原料ガスとキ
ャリアガスの反応チャンバー5内への導入の有無が制御
される。また、酸素素ボンベ22はディスク基板10と
電極9の間に開口するパイプに接続されている。
【0015】ここで、実施例における光磁気ディスクの
製造方法について説明する。まず、出発原料にはマグネ
シウムを含む化合物、鉄を含む化合物、およびコバルト
を含む化合物のβ−ジケトン系金属錯体でとしてのマグ
ネシウムアセチルアセトナ−ト〔Mg(C572
2 〕、鉄アセチルアセトナート〔Fe(C5723
〕、コバルトアセチルアセトナ−ト〔Co(C57
22 ・2H2 O〕〕を用いた。
【0016】図2のプラズマCVD装置における気化器
12にマグネシウムアセチルアセトナ−ト、13に脱水
処理を行ったコバルトアセチルアセトナ−ト、14に鉄
アセチルアセトナ−トを入れ、それぞれ190℃、95
℃、125℃に加熱し保持しておく。バルブ18および
バルブ15を開き窒素キャリア(流量30SCCM)ととも
にマグネシウムアセチルアセトナ−トの蒸気と、反応ガ
スとして酸素(流量5SCCM)を排気系11により減圧さ
れた反応チャンバ−5内に導入し、プラズマを発生(電
力1.4W/cm2)させ、5分間減圧下(0.06Torr)
で反応を行い、300℃に加熱したディスク基板(12
0回転/分)上にMgO膜を成膜し、バルブ18および
15を閉じた。
【0017】さらに引き続き、真空を破らずにバルブ1
3、14、16、17を開き、キャリアガス(気化器1
3、14にそれぞれ流量7SCCM、30SCCM)により、コ
バルトアセチルアセトナ−トおよび鉄アセチルアセトナ
−トの蒸気を、反応ガスである酸素(流量5SCCM)とと
もに反応チャンバ−5内に導入し、プラズマ中(電力
1.4W/cm2)で7分間減圧下(0.07Torr)で反応
を行い、MgO膜上にCoフェライト膜を成膜し、Co
フェライト/MgOの二層膜を作製した。そして、二層
膜を形成したディスク基板を真空チャンバ−から取り出
し、スパッタ法によりCr反射膜を表面に形成し、光磁
気ディスクAを作製した。
【0018】このようにして作製した 光磁気ディスク
Aは、Arレーザー(波長:514nm)を光源に用いて
記録再生の評価を行った。その結果、記録パワー25m
W、再生パワー12mW、記録周波数0.5MHz、線速度
2.5m/sにおいてC/N値は48dBであった。なお、
同様の測定系において測定した従来のTbFeCoディ
スク(光磁気ディスクB)のC/N値は39dBであっ
た。また、比較のためにMgO下地膜を用いない構成の
光磁気ディスクC(Cr膜/Coフェライト膜/ディス
ク基板)を上記成膜条件で作製し、記録再生の評価を行
った。その結果C/N値は45dBであった。
【0019】次に、ディスク基板上に本成膜方法におけ
る上記成膜条件でMgO膜、Coフェライト膜およびC
oフェライト/MgO二層膜を成膜した試料膜を作製し
X線回折により結晶構造の解析を行った。その結果、上
記条件で成膜したMgO膜はX線的に(100)に完全
配向していた。下地層としてMgOの(100)完全配
向膜を用いることにより、光磁気ディスクの磁性層であ
るCoフェライト膜の(100)配向性は、下地層の結
晶配向性の影響をうけ、直接ディスク基板上に成膜した
場合に比較して向上していることがわかった。また、結
晶性においても優れていた。
【0020】高分解能の走査型電子顕微鏡を用いて、作
製した光磁気ディスクおよび比較のための試料膜の表面
および破断面を観察した。その結果、光磁気ディスクの
それぞれの層の膜厚は、MgO膜が400nm、Coフェ
ライト膜が200nm、Cr膜が10nmであった。またC
oフェライト/MgO二層膜は柱状構造を有し、コラム
径は35〜60nmであることがわかった。
【0021】さらに、電子線マイクロアナライザ−によ
りCoフェライトの組成を分析した結果、Co1.0Fe
2.04であった。
【0022】次に、Coフェライト膜およびCoフェラ
イト/MgO二層膜の磁気特性について振動試料型磁力
計(VSM)により測定を行った。その結果、Coフェ
ライト/MgO二層膜において、膜面に垂直方向の保磁
力はHc=4500Oe、面内方向の保磁力はHc=30
00Oeであり、Msは325emu/ccであった。また、C
oフェライト膜において、膜面に垂直方向の保磁力はH
c=3700Oe、面内方向の保磁力はHc=3000Oe
であり、Msは249emu/ccであった。なお、ヒステリ
シスループでの垂直方向の角型性は、MgO下地膜を設
けることにより大きく向上していた。これは、MgO下
地膜を設けることによりCoフェライト膜の垂直方向か
らの磁気異方性の分散が小さくなったためであると考え
られる。
【0023】さらに磁気光学特性について測定した。そ
の結果、波長514nmにおける光磁気ディスクC(比較
のために作製したCoフェライト単層膜ディスク)のカ
ー回転角は0.8×104deg/μmで、光磁気ディスクA
(本発明の光磁気ディスク)のカー回転角は1.4×1
4deg/μmであった。なお、光磁気ディスクB(従来の
TbFeCoディスク)のカー回転角は0.08×10
4degであった。
【0024】以上により本発明の光磁気ディスクAが光
磁気ディスクB(従来のTbFeCoディスク)より高
いC/N値を示すのは、Coフェライトが短波長域にお
いて大きな磁気光学効果を有するからである。また、光
磁気ディスクC(比較のために作製したCoフェライト
単層膜ディスク)より高いC/N値を示すのは、MgO
下地膜の影響で磁性層のCoフェライト膜の垂直方向の
角型性が向上したことおよび磁気光学効果が大きくなっ
たことが原因であると考えられる。また、本発明の光磁
気ディスクは、非常に微細な柱状構造を有することによ
り多結晶であるにもかかわらず媒体ノイズが低いこと
も、高いC/Nが得られる原因の一つである。
【0025】NaCl型結晶構造の酸化物薄膜としてM
gO膜の代わりに、CoO薄膜、NiO膜を用いた場合
においても、同様の結果がえられた。
【0026】
【発明の効果】本発明は上記実施例より明らかなよう
に、ディスク基板上に、NaCl型結晶構造の酸化物薄
膜を形成し、その酸化物薄膜上に、ディスク基板表面に
対して垂直方向に柱状構造を有したコバルトフェライト
膜を形成し、このコバルトフェライト膜上に金属膜を形
成した構造の光磁気ディスクであるため、高信頼性であ
り、かつ短波長化対応が可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における製造方法により作製し
た光磁気ディスクの要部拡大図
【図2】本発明の実施例におけるコバルトフェライト膜
およびNaCl型結晶構造の酸化物薄膜を作製するため
に使用するプラズマCVD装置の概略図
【符号の説明】
1 プリグルーブ付きディスク基板 2 MgO膜 3 Coフェライト膜 4 Cr膜 5 反応チャンバー 6 基板加熱ヒーター 7 電極 8 高周波電源 9 電極 10 プリグルーブ付きガラスディスク基板 11 排気系 12 気化器 13 気化器 14 気化器 15 原料ガス供給バルブ 16 原料ガス供給バルブ 17 原料ガス供給バルブ 18 キャリアガス供給バルブ 20 キャリアガス供給バルブ 21 窒素ボンベ 22 酸素ボンベ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスク基板上に、NaCl型結晶構造の
    酸化物膜を形成し、前記酸化物膜上にコバルトフェライ
    ト膜を形成し、前記コバルトフェライト膜上に金属反射
    膜を形成した光磁気ディスク。
  2. 【請求項2】NaCl型結晶構造の酸化物膜が、結晶学
    的に面指数(100)面に配向する構成とした請求項1
    記載の光磁気ディスク。
  3. 【請求項3】NaCl型結晶構造の酸化物膜が、マグネ
    シウム酸化物またはコバルト酸化物またはニッケル酸化
    物である請求項1記載の光磁気ディスク。
  4. 【請求項4】コバルトフェライト膜が、結晶学的に面指
    数(100)面に配向し、かつディスク基板表面に対し
    て垂直方向に柱状構造を有した構成とした請求項1記載
    の光磁気ディスク。
  5. 【請求項5】マグネシウムを含む化合物またはコバルト
    を含む化合物またはニッケルを含む化合物の蒸気と酸素
    との混合ガスをプラズマを用いて反応させ、ディスク基
    板上にNaCl型結晶構造の酸化物膜を形成し、さらに
    コバルトを含む化合物の蒸気と鉄を含む化合物の蒸気と
    酸素との混合ガスをプラズマを用いて反応させ、前記N
    aCl型結晶構造の酸化物膜上にコバルトフェライト膜
    を形成し、さらにスパッタリング法または真空蒸着法に
    より反射膜としての金属膜を形成する光磁気ディスクの
    製造方法。
  6. 【請求項6】マグネシウムを含む化合物およびコバルト
    を含む化合物およびニッケルを含む化合物およびコバル
    トを含む化合物および鉄を含む化合物がβ−ジケトン系
    金属錯体である請求項6記載の光磁気ディスクの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004068485A1 (ja) * 2003-01-31 2004-08-12 Fujitsu Limited 光磁気記録媒体およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004068485A1 (ja) * 2003-01-31 2004-08-12 Fujitsu Limited 光磁気記録媒体およびその製造方法

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