JPH0613088Y2 - ヘッドホンの梱包装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、輸送中に生ずる振動等により、ヘッドホンが
トレィの嵌入部から脱落しないようにした、ヘッドホン
の梱包装置に関するものである。

（従来の技術） ヘッドホンのうち、両耳用のスピーカ部をヘッドバンド
で結合した型式のものは、ヘッドホンの形状に適合させ
た凹部を有するトレィを用いて梱包する。すなわち、樹
脂の成型により、一部にヘッドホンの形状に適合させた
凹部を有する薄板状のトレィを設け、このトレィの凹部
に収納すべきヘッドホンを嵌入させ、この嵌入状態のト
レィの上部を外箱で覆うのである。外箱は、少なくとも
ヘッドホンの見える部分を透明にして、顧客が梱包状態
でヘッドホンのデザインをチェックできるようにしてあ
る。これを第５図および第６図で説明する。

これらの図において１はヘッドホンであり、左右のスピ
ーカ部２，３をヘッドバンド４で結合したものである。
スピーカ部２，３にはコードが接続されるが、その図示
は省略する。このヘッドホン１は販売時、このヘッドホ
ン１に適合させた凹部５を有するトレィ６に嵌入させ、
その嵌入状態で第２図に示すようにその上部を外箱７で
覆って陳列される。この場合外箱７は、少なくともヘッ
ドホン４の見える部分を透明にして、顧客が梱包状態で
ヘッドホンのデザインをチェックできるようにする。

（考案が解決しようとする課題） 上記のような梱包装置は、ヘッドホン４の製作工場にお
いて行い、それを所定数量ずつダンボール箱に詰めて出
荷することになる。トレィ６と外箱７の外形形状はヘッ
ドホン４の形状により、平面寸法の割に高さ寸法が小さ
いものとなるから、ダンボール箱の内部においては、外
箱７が上方を向く、第６図のようになることは少なく、
むしろ立った状態になることが多いことになる。したが
って輸送中等に振動やショックを受けたりすると、第７
図に示すようにヘッドバンド４の部分がトレィ６の凹部
５から脱出してしまい、陳列時において商品価値を低下
させてしまうことになる。もとより外箱をあけてヘッド
ホンの状態を直し、再度トレィ上に被せるようにすれば
よいが、一般に外箱７はトレィ６に対して接着テープで
固着されているので、その作業は煩雑であり、またそれ
を行うことによって商品としての美観を損なうことにも
なりかねないという問題がある。

本考案はこの点に鑑みて成されたものであり、トレィの
構造に改良を加えることによって、輸送中に振動やショ
ックが加わっても、ヘッドバンドが凹部から脱出するこ
とがない、ヘッドホンの梱包装置を提供することを解決
すべき課題とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上記課題を解決するための手段として、両耳
用のスピーカ部をヘッドバンドで結合したヘッドホン
を、該ヘッドホンの形状に適合させた凹部を有するトレ
ィの該凹部に嵌入させ、該嵌入状態のトレィの上部を外
箱で覆うようにしたヘッドホンの梱包装置において、前
記トレィの一部に切込みを設けて該切込みの内側を起倒
自在の押え部に形成し、トレィへのヘッドホンの嵌入時
に該押え部により、ヘッドホンのヘッドバンド部分を押
持する構成としたものである。

（作用） このような構成とすれば、トレィに形成された押え部が
常にヘッドホンのヘッドバンドの部分を押えることにな
るから、輸送中にトレィの向きに関わらず、また振動や
ショックを受けるようなことがあっても、ヘッドバンド
が押え部より脱出してしまうようなことがない。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を第１Ａ図、第１Ｂ図および第
２図について説明する。本考案のものにあっては、トレ
ィ６を弾性を有する材質の樹脂で成型する。このトレィ
６は、両端部6aがフランジ状になっており、そのすぐ内
側が起立して平面部6bに形成されている。ヘッドホン１
のヘッドバンド部４が嵌入する凹部５は、この平面部6b
に形成されている。平面部6bの中央部は凹部6cに形成さ
れており、この凹部6cの平面部にコ字状の切込み８を入
れ、この切込み８によって囲まれる部分を折線９の部分
から引き起こして起倒自在にした押え部10に形成してあ
る。押え部10の形状は特に限定されるものではないが、
第３図に示すように引き起し易く、かつ、第４図に示す
ように凹部５に嵌入したヘッドバンド４を押え易くする
ための形状として、平面形状が方形で側面形状が三角形
のものとするのがよい。

このように押え部10を設けた構成とした本考案に係るト
レィ６にあっては、トレィ６の凹部５にヘッドホン１を
嵌入させるに当り、第３図に示すように押え部10を折目
線９を中心にして引き起し、その状態で凹部５にヘッド
ホン１を嵌入させる。嵌入後に押え部10を引いていた力
を緩めることにより、押え部10は元の状態に復帰しよう
とするから、この力が、押え部10にヘッドホン１のヘッ
ドバンド４の部分を押持させるように作用する（第４図
参照）。このように押持することにより、輸送中に振動
あるいはショックが作用したとしても、ヘッドバンド４
が凹部５から脱出しないことになる。

ヘッドホン１を購入した顧客が外箱７を開け、ヘッドホ
ン１をトレィ６から取出すときには、第４図および第３
図に示す状態を逆に得るようにする。すなわち、押え部
10を上方に引き、それまで押え部10で一部塞がれていた
凹部を開いて、その間からヘッドバンド４を引出すこと
になる。これにより、ヘッドホン１は、トレィ６から容
易に取出すことができる。

（考案の効果） 本考案は、以上説明したように構成したヘッドホンの梱
包装置であるから、トレィの一部に改良を加えるのみの
簡単な構成によって、輸送時に振動やショックを受けた
としても、そのためにヘッドバンドがトレィの凹部から
脱出することがない利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図は本考案の一実施例のトレィ部分の平面図、第
１Ｂ図は第１Ａ図のＩＢ−ＩＢ線に沿う断面図、第２図
は第１図のII−II線に沿う断面図、第３図および第４図
は第１図に示すトレィにヘッドホンを装着する過程を示
す説明図、第５図は従来のトレィとこのトレィに嵌入さ
れたヘッドホンの状態を示す平面図、第６図および第７
図は第５図に示すものの使用状態を示す説明図である。 １…ヘッドホン ２，３…スピーカ部 ４…ヘッドバンド部 ５…凹部 ６…トレィ ７…外箱 ８…切込み 10…押え部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両耳用のスピーカ部をヘッドバンドで結合
   したヘッドホンを、該ヘッドホンの形状に適合させた凹
   部を有するトレィの該凹部に嵌入させ、該嵌入状態のト
   レィの上部を外箱で覆うようにしたヘッドホンの梱包装
   置において、前記トレィの一部に切込みを設けて該切込
   みの内側を起倒自在の押え部に形成し、トレィへのヘッ
   ドホンの嵌入時に該押え部により、ヘッドホンのヘッド
   バンド部分を押持することを特徴とするヘッドホンの梱
   包装置。