JPH06130388A - 液晶表示素子の配向評価装置および液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子の配向評価装置および液晶表示素子の製造方法

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JPH06130388A
JPH06130388A JP4281894A JP28189492A JPH06130388A JP H06130388 A JPH06130388 A JP H06130388A JP 4281894 A JP4281894 A JP 4281894A JP 28189492 A JP28189492 A JP 28189492A JP H06130388 A JPH06130388 A JP H06130388A
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light
phase difference
birefringence
difference
axis
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JP4281894A
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English (en)
Inventor
Hisako Kurai
久子 倉井
Shinya Kosako
慎也 古佐小
Hideaki Mochizuki
秀晃 望月
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラビング処理における製造工程歩留まりを向
上すること。 【構成】 透明電極基板1の配向膜の配向処理を行なう
配向処理手段5と、配向膜の複屈折位相差を計測する複
屈折位相差計測手段3、4と、複屈折位相差の計測結果
に基づき配向処理手段5を制御する配向処理制御手段7
とを備える。その複屈折位相差計測は、光周波数f1の
直線偏光レ−ザ光と光周波数f2の直線偏光レ−ザ光と
を発生し、その差周波交流信号を発生し、被測定物を透
過したレ−ザ光を分離し、分離された一方の光の、xy
軸から45度方向の光の信号aと、x軸y軸方向の光の
信号bと前記差周波交流信号fとのそれぞれの積q、s
を得、この出力に基づき複屈折量dと遅相軸方向を演算
して配向膜のラビング処理前後の複屈折位相差の差を算
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子の透明電
極上に形成された配向膜の配向評価装置および液晶表示
素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下、従来の液晶表示素子の製造方法に
ついて説明する。
【0003】従来の配向処理装置は、表面に配向膜の形
成された透明電極基板を固定する基板固定台と、レ−ヨ
ン,ナイロン,コットン等の布を巻き付けたドラムを回
転させながら基板固定台に沿って配向膜の表面を移動さ
せる可動部とから構成されている。このような装置を用
いて配向膜のラビング処理を施すには、ラビングロ−ラ
(回転ドラム)の回転数、移動速度、配向膜への押圧力
(押し込み量)等のラビング条件を予め設定しておき、
その条件で透明電極基板表面の配向膜にラビングロ−ラ
のラビング布を接触させ、ラビングロ−ラを回転させな
がら移動させてラビングしていた(特開昭55−143
525号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の製造方法では、ラビング条件の設定が困難であり、
一度設定しても配向膜表面とラビング布を巻き付けたラ
ビングロ−ラとの間隔(押し込み量)、ローラ回転数、
基板の移動速度、ローラ径がばらつくと均一なラビング
処理が行えないばかりか極端な場合には配向膜表面に傷
(ラビング傷)をつけてしまうという課題を有してい
た。
【0005】このようにラビング傷のついた透明電極基
板を用いて液晶表示素子を構成した場合、傷の部分の電
界に対する挙動が変化する結果、傷に沿ってしきい値の
異常な領域が発生する。またラビング条件を変える要因
であるローラ回転数、基板の移動速度、押し込み量、ロ
ーラ径を一定にしラビングしたとしても、ガラス基板の
厚みの変化、ラビング布のロット差、機械精度の経時的
変化などのため必ずしも常に一定のラビング強度でラビ
ングされる補償は無い。
【0006】ラビング処理法による液晶分子の配向メカ
ニズムは完全には解明されていないが、一般にラビング
処理によって配向膜表面にせん断応力が加わることで表
面付近のポリマー鎖の配向が起こり、液晶分子がポリマ
ー鎖の配向に従って配列することが主要因と考えられて
いる。このように液晶分子の配向に配向膜表面の配向状
態は大きく影響するので、配向膜の配向状態が重要であ
る。すなわち基板面内での配向膜のラビング状態が不均
一だと、液晶分子のプレチルト角がバラツキ、パネルと
してはしきい値ムラすなわち表示ムラ(色ムラ)となり
表示品位の低下を引き起こしてしまう。
【0007】ところで、ラビング処理された配向膜の配
向状態を定量的に計測する方法として、複屈折測定を用
いて配向状態が評価できることについては、既に報告さ
れている(電子情報通信学会技術報告EID91−7
5;倉井)。しかし大面積を高速で多点測定できる方式
は提案されていない。そのためパネル組み立て前の配向
状態の評価法としてはまだ不十分であり、実際にパネル
を組み立ててみるまでラビング処理工程の良否が判別で
きず結果的に不良率が増加するという課題があった。
【0008】本発明は、従来の配向膜の配向状態を評価
する方法の課題を考慮し、大面積を高速で、多点測定で
きる液晶表示素子の配向評価装置と、ラビング処理を施
した配向膜の複屈折位相差を計測し、これに基づきラビ
ング処理条件を制御することのできる液晶表示素子の製
造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、液
晶表示素子用の透明電極上に形成された配向膜に対し
て、少なくとも配向処理後の配向膜の複屈折位相差を計
測する複屈折位相差計測手段を備え、前記複屈折位相差
計測手段が、光周波数f1でx軸方向に光電場が向きz
軸方向に伝播する第1の直線偏光レ−ザ光と光周波数f
2でy軸方向に光電場が向きz軸方向に伝播する第2の
直線偏光レ−ザ光とを発生する光源と、差周波数f=f
1−f2の差周波交流信号fを発生する差周波発生手段
と、被測定物を透過したレ−ザ光を偏光方向によらずほ
ぼ一定の比率で分離する光分離手段と、これにより分離
された一方の光を、xy軸から実質上45度方向の光を
透過する検光子を通して光検出器で受光し検出した信号
aと前記差周波交流信号fとの積q及び、前記光分離手
段により分離された他方の光を、実質上x軸またはy軸
方向の光を透過する検光子を通して光検出器で受光し検
出した信号bと前記差周波交流信号fとの積sを得る乗
算器と、この乗算器の出力に基づいて前記被測定物の複
屈折量dと遅相軸(または進相軸)方向を演算する第1
の演算手段と、配向膜のラビング処理前後の複屈折位相
差の差(ラビング処理により配向膜のみに生じた複屈折
位相差)を、前記第1の演算手段により得られた複屈折
量dと遅相軸(または進相軸)方向に基づき算出する第
2の演算手段とを有する液晶表示素子の配向評価装置で
ある。
【0010】請求項3の本発明は、透明電極上に形成さ
れた配向膜の配向処理を行う工程と、少なくとも配向処
理後の配向膜の複屈折位相差を計測する工程と、複屈折
位相差の計測結果に基づき前記配向処理を制御する工程
とを備え、前記複屈折位相差を計測する工程が、光周波
数f1でx軸方向に光電場が向きz軸方向に伝播する第
1の直線偏光レ−ザ光と光周波数f2でy軸方向に光電
場が向きz軸方向に伝播する第2の直線偏光レ−ザ光と
を発生する工程と、差周波数f=f1−f2の差周波交
流信号を発生する工程と、被測定物を透過したレ−ザ光
を偏光方向によらずほぼ一定の比率で分離する光分離工
程と、これにより分離された一方の光を、xy軸から実
質上45度方向の光を透過する検光子を通して光検出器
で受光し検出した信号aと前記差周波交流信号fとの積
q及び、前記光分離手段により分離された他方の光を、
実質上x軸またはy軸方向の光を透過する検光子を通し
て光検出器で受光し検出した信号bと前記差周波交流信
号fとの積sを得る乗算工程と、この乗算結果出力に基
づき前記被測定物の複屈折量dと遅相軸(または進相
軸)方向を演算する第1の演算工程と、配向膜のラビン
グ処理前後の複屈折位相差の差(ラビング処理により配
向膜のみに生じた複屈折位相差)を、前記第1の演算工
程により得られた複屈折量dと遅相軸(または進相軸)
方向に基づき算出する第2の演算工程とを有する液晶表
示素子の製造方法である。
【0011】
【作用】本発明では、液晶表示素子用の透明電極上に形
成された配向膜に対して、少なくとも配向処理後の配向
膜の複屈折位相差を計測し、それに基づき配向処理を制
御する。その結果、配向膜の膜厚分布や周囲環境の変動
等が生じてもこれらの変動に影響されることなく配向膜
に一定の複屈折位相差を安定して与えることができる。
【0012】また、その複屈折位相差を計測するため
に、上記構成を備えるので、被測定物を回転させること
なく複屈折の大きさと方向を同時に、大面積で高速でし
かも多点で測定できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。まず本発明の液晶表示素子の製造方法で使
用する配向処理装置について説明する。
【0014】図1は本発明の液晶表示素子の製造方法に
おいて使用した配向処理装置の概略構成図である。図1
において、1は透明電極基板、2は搬送ベルト、3は第
1のチャンバ、4は第2のチャンバ、5はラビングロ−
ラ、6はラビング布、7はラビング制御部である。
【0015】表面に配向膜が形成された透明電極基板1
は、搬送ベルト2によって、複屈折測定用の第1のチャ
ンバ3から第2のチャンバ4へかけて矢印Aの方向に、
一定速度、一定間隔で次々と搬送される。そして第1、
第2のチャンバ3、4間にはラビング布6を巻き付けた
ラビングロ−ラ5が配置され、図1には示していないラ
ビングロ−ラ回転モ−タにより一定回転数で回転駆動さ
れている。このラビングロ−ラ5の回転および透明電極
基板1の移動に伴うラビング布6と透明電極基板1の上
の配向膜との接触により配向膜全体にラビング処理が行
なわれる。このときのラビング条件すなわちラビングロ
−ラ5の回転数、透明電極基板1の移動速度およびラビ
ング布6の配向膜に与える押圧力(押し込み量)がラビ
ング制御部7によって各基板毎に適宜制御される。
【0016】また上記ラビング処理前の配向膜の複屈折
位相差を測定するための第1のチャンバ3とラビング処
理後の配向膜の複屈折位相差を測定するための第2のチ
ャンバ4を備えているが、両者のチャンバは、同じ構成
でかまわない。
【0017】図2は複屈折位相差を測定するための複屈
折位相差計測手段である。同時に本発明の液晶表示素子
の配向評価装置の概略構成図でもある。
【0018】図2に示すように、光源には発振周波数安
定化He−Neゼ−マンレ−ザ(以下レ−ザと略す)1
1を使用している。レ−ザ11はx方向に電場が向きz
方向に伝播する周波数f1の直線偏光レ−ザ光とy方向
に電場が向きz方向に伝播する周波数f2の直線偏光レ
−ザ光よりなる。レ−ザ11はレ−ザ管に磁場をかける
とゼ−マン効果によりわずかにエネルギ−準位がずれ発
信周波数f1とf2で発信するが、f1とf2の差fを
安定化する必要があり、そこでfが一定になるようにレ
−ザ11の共振器長を制御したものである。その共振器
長を制御する方法としてはファンを使用して温度を一定
にする方式やピエゾ素子を共振器ミラ−につけ共振器長
を制御する方法等がある。一般にはfの値は100KHz
から数MHzまでの範囲にある。
【0019】レ−ザ11のコントロ−ラ12からは差周
波数fの参照ビ−ト信号が出力されるようになってる。
レ−ザ光はミラ−14によって、測定しようとする透明
電極基板1であるところの測定基板(被測定物)15の
上に集光される。測定基板(透明電極基板)15はxy
ステ−ジ16によってxy方向に移動できる。測定基板
15を通過した透過光は、f1とf2の両方の光を分離
する光分離手段である無偏光ビ−ムスプリッタ17によ
って2分割され、一方の光はx軸から45度の偏光成分
の光のみ透過する検光子18を通過して光検出器20で
受光され、また他方の光はx軸、またはy軸方向(光の
進行方向はz軸)に偏光した成分のみを透過する検光子
19を通過して光検出器21で受光される。光検出器2
0、21は測定基板15の持つ光透過率、複屈折量、遅
相軸方向に応じて変化する信号を検出する。光検出器2
0の出力aはプリアンプ22を通して直流成分Tのみを
検出するロ−パスフィルタ−24、交流成分と参照信号
fとの積qを出力するロックインアンプ25を通過す
る。光検出器21の出力bはプリアンプ23を通してロ
ックインアンプ26でその交流成分と参照信号との積s
を出力する。これらの信号T,q,sはAD変換器27
でAD変換されたのちコンピュ−タ28に送られる。コ
ンピュ−タ28は信号T,q,sから複屈折量dと遅相
軸方向を演算処理できる演算処理部を備えている。
【0020】この演算処理部で算出された配向膜のラビ
ング処理前後の複屈折位相差の差(ラビング処理により
生じた配向膜のみの複屈折位相差)に基づいて決定され
たラビング条件は、図1に示すラビング制御部7に送ら
れ、ラビング制御部7は次のラビング処理前後の複屈折
位相差の差が所定の一定値となるようにラビングロ−ラ
5の回転数、透明電極基板1の移動速度、ラビング布6
の押し込み量をそれぞれ制御する。なおコンピュ−タ2
8からはxyコントロ−ラ−29を通してxyステ−ジ
16を制御する制御信号が出される。
【0021】このような本実施例での配向処理装置の動
作について、以下に整理しながら説明する。
【0022】図1に於て、まずラビング処理前の透明基
板1が第1のチャンバ3に搬送され、図2に示す複屈折
位相差計測手段により、透明電極基板1とラビング処理
前の配向膜を合計した複屈折位相差の計測が行なわれ
る。次に透明電極基板1は搬送ベルト2により一定速度
で搬送され、回転するラビング布6により所定の方向に
ラビング処理が施される。このようにしてラビング処理
された配向膜を有する透明基板1は第2のチャンバ4内
に搬送される。ここで透明基板1とラビング処理された
配向膜を合計した複屈折位相差が計測される。この計測
方法は第1のチャンバ3内と同様に行なわれる。ラビン
グ前後の配向膜の複屈折位相差の差(すなわちラビング
処理により生じた配向膜のみの複屈折位相差)はラビン
グ前の複屈折位相差とラビング後の複屈折位相差から、
(数1)の算出式に基づき演算処理部により計算され
る。
【0023】
【数1】
【0024】この結果はラビング制御部7にフィ−ドバ
ックされ、ラビング制御部7は上記のラビング前後の複
屈折位相差の差(ラビング処理により生じた配向膜のみ
の複屈折位相差)に基づき、次回のラビング処理前後の
複屈折位相差の差(ラビング処理により配向膜に生じた
複屈折位相差)が所定の一定値になるようにラビングロ
−ラ5の回転数,透明電極基板1の移動速度,ラビング
布6の押し込み量を制御する。
【0025】以上のようにして透明電極基板1のラビン
グ処理前後の複屈折位相差の差(ラビング処理により生
じた配向膜のみの複屈折位相差)を計測し(演算処理に
より算出される)、その差に基づいて次の透明電極基板
1にラビング処理を施す際の適切なラビング条件を設定
する処理が連続して搬送される各透明電極基板1毎に順
次繰り返し行なわれる。
【0026】なお本実施例では第1,第2のチャンバ
3、4が各々独立した構成としたが、適宜共通な部分を
設けて連結した構成であってもよいし、共通に使用する
構成でも良い。
【0027】次に本発明の一実施例における液晶表示素
子の製造方法を説明する。
【0028】図3はその製造方法を説明するための液晶
表示素子の要部断面図である。まず各々400本の走査
電極31、640本の表示電極32をスズを含む酸化イ
ンジウム透明電極(ITO)で形成した上下2枚の25
×16cmの透明電極基板33、34を洗浄し、その後加
熱重合してポリイミド樹脂層となる樹脂材料(例えば日
産化学工業株式会社のSE610)を印刷する。次に8
0℃で10分間乾燥した後250℃で1時間本硬化を行
ない膜厚約70nmのポリイミド配向膜35、36を形成
する。
【0029】次に図1に示す本実施例の配向処理手段
5、6を用い、液晶分子のねじれ角が240度となる方
向にラビング処理を施す。
【0030】この際、各透明電極基板33、34につい
て、複屈折位相差をスポット径2mmで測定した。配向膜
35、36の表面を等間隔で合計100点測定した。ラ
ビング処理された配向膜35、36について得られたラ
ビング処理前後の複屈折位相差の差(ラビング処理によ
り配向膜のみに生じた複屈折位相差)の結果を(表1)
に示す。
【0031】
【表1】
【0032】その後透明電極基板33、34を貼り合わ
せて液晶表示素子を作製した。液晶表示素子の作製は、
一方の透明電極基板33の上にビ−ズスペ−サ37を形
成するビ−ズを散布し、他方にシ−ル樹脂38となるシ
−ル剤を印刷し、貼り合わせることによって行なった。
シ−ル剤は熱硬化タイプで60℃で4時間、その後15
0℃で3時間硬化を行なった。次に市販のSTN液晶組
成物39を真空注入し液晶表示素子を完成した。
【0033】以上の製造工程でサンプルの液晶表示素子
を作製し、1/200デュ−ティで駆動させて表示品位
を検討した。液晶表示素子の評価結果は(表1)に○
印,△印,×印で示した。○印は表示面に表示ムラある
いはラビング傷等の欠陥がない表示品位の良好なもの、
△印は表示面に表示ムラあるいはラビング傷等の欠陥が
目立つ表示品位の悪いもの、×印は表示ムラあるいはラ
ビング傷等の欠陥が非常に多く表示品位の非常に悪いも
のを示す。
【0034】比較例としてラビング処理を施す手段のみ
を備えた従来の配向処理装置でラビング処理し、他の条
件は本実施例と同様にして作製した液晶表示素子につい
て評価を行なった。この時のラビング処理前後の複屈折
位相差の差(ラビング処理により生じた配向膜のみの複
屈折位相差)と作製した液晶表示素子の表示品位の評価
結果を(表2)に示す。
【0035】
【表2】
【0036】(表2)に示すように、従来の配向処理装
置で製造するとラビング前後の複屈折位相差の差が各透
明電極基板でばらつき、それに応じて液晶表示素子の表
示品位もばらついた。一方、本実施例の配向処理評価装
置を用いて製造することにより、(表1)に示すよう
に、配向膜に一定の複屈折位相差を安定して与えること
ができ、表示品位の良好な液晶表示素子が得られた。ま
た本実施例の複屈折位相差の計測手段を用いることで、
従来の計測手段でのものに比べ、計測時間を約1/20
に短縮できた。
【0037】なお本発明の液晶表示素子の製造方法は、
STNタイプの液晶表示素子に限定されるものではな
く、液晶表示素子一般に広く適用でき、また配向膜の形
成は印刷法以外であっても何等問題ない。
【0038】また透明電極基板には必要であれば透明膜
をアンダ−コ−トまたはオ−バ−コ−トされていてもさ
しつかえない。
【0039】また、ラビング処理前の複屈折位相差がラ
ビング処理前の複屈折位相差に比べて無視し得る程度の
大きさである場合には、ラビング処理前の複屈折位相差
を測定する必要はない。そのような場合は、ラビング処
理後の複屈折位相差を測定するだけでよい。
【0040】また、配向膜のラビング処理前後の複屈折
位相差の差を算出するための数式は、上記(数1)に限
らず、他の方法で算出してもかまわない。
【0041】また、本発明における、xy軸から実質上
45度方向の光を透過するという点については、厳密に
45度とは限らず、約43度〜47度程度等、要する
に、実際上複屈折位相差の差を得るために差し支えない
範囲の角度を含むものである。
【0042】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明は、被測定物を回転させることなく複屈折の大き
さと方向を同時に、大面積で高速でしかも多点で測定で
きるという長所を有する。
【0043】また、本発明は、配向膜の膜厚分布や周囲
環境の変動等が生じてもこれらの変動に影響されること
なく配向膜に一定の複屈折位相差を安定して与えること
ができ歩留まり向上にも大きく貢献できるという長所を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における液晶表示素子の製造
方法で使用する配向処理装置の概略正面図である。
【図2】同配向処理装置の複屈折位相差計測手段(配向
評価装置)の概略斜視図である。
【図3】本発明の一実施例における液晶表示素子の製造
方法を説明するための液晶表示素子の要部断面図であ
る。
【符号の説明】
1 透明電極基板 3 第1のチャンバ(複屈折位相差計測手段) 4 第2のチャンバ(複屈折位相差計測手段) 5 ラビングロ−ラ(配向処理手段) 7 ラビング制御部(配向処理制御手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶表示素子用の透明電極上に形成され
    た配向膜に対して、少なくとも配向処理後の配向膜の複
    屈折位相差を計測する複屈折位相差計測手段を備え、 前記複屈折位相差計測手段が、 光周波数f1でx軸方向に光電場が向きz軸方向に伝播
    する第1の直線偏光レ−ザ光と光周波数f2でy軸方向
    に光電場が向きz軸方向に伝播する第2の直線偏光レ−
    ザ光とを発生する光源と、差周波数f=f1−f2の差
    周波交流信号fを発生する差周波発生手段と、被測定物
    を透過したレ−ザ光を偏光方向によらずほぼ一定の比率
    で分離する光分離手段と、これにより分離された一方の
    光を、xy軸から実質上45度方向の光を透過する検光
    子を通して光検出器で受光し検出した信号aと前記差周
    波交流信号fとの積q及び、前記光分離手段により分離
    された他方の光を、実質上x軸またはy軸方向の光を透
    過する検光子を通して光検出器で受光し検出した信号b
    と前記差周波交流信号fとの積sを得る乗算器と、この
    乗算器の出力に基づいて前記被測定物の複屈折量dと遅
    相軸(または進相軸)方向を演算する第1の演算手段
    と、配向膜のラビング処理前後の複屈折位相差の差(ラ
    ビング処理により配向膜のみに生じた複屈折位相差)
    を、前記第1の演算手段により得られた複屈折量dと遅
    相軸(または進相軸)方向に基づき算出する第2の演算
    手段とを有することを特徴とする液晶表示素子の配向評
    価装置。
  2. 【請求項2】 第2の演算手段は、次式、 【数1】 に基づき配向膜のラビング処理前後の複屈折位相差の差
    を算出することを特徴とする請求項1記載の液晶表示素
    子の配向評価装置。
  3. 【請求項3】 透明電極上に形成された配向膜の配向処
    理を行う工程と、少なくとも配向処理後の配向膜の複屈
    折位相差を計測する工程と、複屈折位相差の計測結果に
    基づき前記配向処理を制御する工程とを備え、 前記複屈折位相差を計測する工程が、 光周波数f1でx軸方向に光電場が向きz軸方向に伝播
    する第1の直線偏光レ−ザ光と光周波数f2でy軸方向
    に光電場が向きz軸方向に伝播する第2の直線偏光レ−
    ザ光とを発生する工程と、差周波数f=f1−f2の差
    周波交流信号を発生する工程と、被測定物を透過したレ
    −ザ光を偏光方向によらずほぼ一定の比率で分離する光
    分離工程と、これにより分離された一方の光を、xy軸
    から実質上45度方向の光を透過する検光子を通して光
    検出器で受光し検出した信号aと前記差周波交流信号f
    との積q及び、前記光分離手段により分離された他方の
    光を、実質上x軸またはy軸方向の光を透過する検光子
    を通して光検出器で受光し検出した信号bと前記差周波
    交流信号fとの積sを得る乗算工程と、この乗算結果出
    力に基づき前記被測定物の複屈折量dと遅相軸(または
    進相軸)方向を演算する第1の演算工程と、配向膜のラ
    ビング処理前後の複屈折位相差の差(ラビング処理によ
    り配向膜のみに生じた複屈折位相差)を、前記第1の演
    算工程により得られた複屈折量dと遅相軸(または進相
    軸)方向に基づき算出する第2の演算工程とを有するこ
    とを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 第2の演算工程は、次式、 【数1】 に基づき配向膜のラビング処理前後の複屈折位相差の差
    を算出することを特徴とする請求項3記載の液晶表示素
    子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005326827A (ja) * 2004-05-11 2005-11-24 Au Optronics Corp 配向膜の方向性検知方法、及びその装置

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