JPH06130208A - 樹脂接合型非球面レンズの製造方法 - Google Patents

樹脂接合型非球面レンズの製造方法

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JPH06130208A
JPH06130208A JP4282650A JP28265092A JPH06130208A JP H06130208 A JPH06130208 A JP H06130208A JP 4282650 A JP4282650 A JP 4282650A JP 28265092 A JP28265092 A JP 28265092A JP H06130208 A JPH06130208 A JP H06130208A
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JP
Japan
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lens
resin
mold
glass lens
aspherical
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JP4282650A
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English (en)
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Akira Kondo
明 近藤
Shigeo Tokuchi
滋生 徳地
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多数のレンズを製造しても、樹脂成形層の真
円度が低下せず、良品率が向上する樹脂接合型非球面レ
ンズの製造方法を提供する。 【構成】 第1工程:「球面又は粗い非球面を有するガ
ラスレンズ」と「所望の非球面を有する金型」との間に
放射線硬化型樹脂液を挟む工程; 第2工程:前記ガラスレンズと前記金型との間隔を所定
値まで接近させる工程; 第3工程:前記ガラスレンズと前記金型との間に挟まれ
た前記樹脂液に放射線を照射することにより硬化させる
工程;及び 第4工程:硬化して得られた樹脂成形層を前記金型との
界面から剥離する工程;からなることを特徴とする「非
球面を有する樹脂成形層と前記ガラスレンズとからなる
樹脂接合型レンズ」を製造する方法において、前記第2
工程で、前記ガラスレンズをその光軸を中心として回転
させながら、前記金型に押し付けることを特徴とする方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、「非球面を有する樹脂
成形層と球面又は粗い非球面を有するガラスレンズとか
らなる樹脂接合型非球面レンズ」を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カメラ、顕微鏡などの光学製品に使用さ
れるレンズは、主としてガラスレンズが用いられてい
る。ガラスレンズは、溶融状態のガラスからプレス成形
されたガラスブロック(レンズブランクと呼ばれる)を
機械加工して所望の曲率を有するレンズを製造してい
る。ガラスに代えて樹脂を用い、プレス成形、射出成
形、注型などの方法で樹脂レンズを製造する方法も実用
化されている。この方法は、一度鋳型を製作しておけ
ば、それを用いて大量のレンズを量産できることから、
製造コストが安いという特徴がある。しかし、樹脂レン
ズには、温度変化により光学性能が大きく変動するとい
う致命的欠点があり、高精度なレンズには使用されてい
ない。
【0003】ところで、レンズには、非球面レンズがあ
り、表面形状が非球面である。これは、球面レンズでは
得られない優れた性能を有することから重用されてい
る。現在、ガラスから非球面レンズを製造する方法には
主に、ブランクを研削加工する方法とダイレクトプレス
で作製する方法がある。しかし、研削加工は量産性が低
く、またダイレクトプレス法は硝種の種類や大きさに制
限があり設備が高価になるという欠点がある。
【0004】この欠点を解決するため、図3、図4に示
すような樹脂接合型非球面レンズが開発された。これ
は、非球面を有する薄い(例えば、5〜100 μm )樹脂
成形層と主体となるガラスレンズとからなる。主体とな
るガラスレンズは、球面(図3:特開昭60-56544号参
照)又は粗い非球面(図4:特開昭63-157103 号参照)
を有する。両者はいずれも安価な製造コストで入手でき
る。このような樹脂接合型非球面レンズは、例えば、次
の第1〜第6工程からなる製法により製造される。図5
を参照されたい。 第1工程:所望の非球面を有する金型(3)を水平に置
く工程; 第2工程:金型(3)の中央部に所定量の放射線硬化型
樹脂液(2a)を垂らす工程; 第3工程:球面又は粗い非球面を有するガラスレンズ
(1)を金型(3)の上に載せる工程(これにより、本
発明で言う「ガラスレンズ(1)と金型(3)との間に
樹脂液(2a)を挟む第1工程が完了する); 第4工程:ガラスレンズ(1)と金型(3)との間隔を
所定値まで接近させる工程; 第5工程:ガラスレンズ(1)と金型(3)との間に挟
まれた樹脂液(2a)に放射線(4)を照射することに
より硬化させる工程;及び 第6工程:硬化して得られた樹脂成形層(2)を金型
(3)との界面から剥離する工程;
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の製法は、樹脂成
形層(2)の真円度が低い例が時折見受けられた。真円
度とは、でき上がった樹脂接合型非球面レンズを光軸方
向から見たとき、樹脂成形層(2)の外形形状がどれほ
ど真円に近いかを表す尺度である。真円度が低い製品は
不良品となるので、従来の製法は良品率が低いという問
題点があった。本発明の目的は、真円度を向上させるこ
とにより良品率を高めることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は、 第1工程:「球面又は粗い非球面を有するガラスレン
ズ」と「所望の非球面を有する金型」との間に放射線硬
化型樹脂液を挟む工程; 第2工程:前記ガラスレンズと前記金型との間隔を所定
値まで接近させる工程; 第3工程:前記ガラスレンズと前記金型との間に挟まれ
た前記樹脂液に放射線を照射することにより硬化させる
工程;及び 第4工程:硬化して得られた樹脂成形層を前記金型との
界面から剥離する工程;からなることを特徴とする「非
球面を有する樹脂成形層と前記ガラスレンズとからなる
樹脂接合型レンズ」を製造する方法において、前記第2
工程で、前記ガラスレンズをその光軸を中心として回転
させながら、前記金型に押し付けることを特徴とする方
法。
【0007】
【作用】本発明の製法は、何故、良品率が高いのか、そ
の正確な理由は不明である。しかし、実験事実がこれを
証明する。ただ、次のような理由が推定される。レンズ
を金型に押しつけるとき、レンズを回転するのでそれら
の間に挟まれた樹脂液も回転し、そのため、樹脂液が偶
然に存在しなかった隙間にも樹脂液が充填されるのであ
ろう。
【0008】主体となるガラスレンズ(1)は、目的と
するレンズに応じて凸レンズでも凹レンズでもよい。こ
のガラスレンズは、製造コストの観点から球面レンズで
あることが好ましい。しかし、接合面が粗い非球面を有
するレンズでも構わない。粗い非球面とは、所望の加工
精度又は面精度(例えば6μm 以下又は3μm 以下)よ
りも荒い加工精度を有し、かつ所望の非球面と同一又は
近似の非球面を有するものを言う。このようなガラスレ
ンズは、所望の加工精度よりも荒くてよいことから、非
球面レンズとはいうものの、さほど製造コストは高くな
らない。このような非球面レンズの製造方法は、既に公
知であり、また市販の研削機械により容易に製造可能で
ある。樹脂との接着力を向上させるために、ガラスレン
ズ(1)は予めシランカップリング処理しておくことが
好ましい。
【0009】樹脂成形層(2)の厚さは、一般には1〜
500μm 好ましくは5〜 100μm である。樹脂成形層
(2)は、ガラスレンズ(1)が精度の高い球面を持つ
場合はガラスレンズ(1)と屈折率が一致していなくと
も良いが、ガラスレンズ(1)が粗い精度の非球面を持
つ場合は、屈折率が同一又は近似していることが好まし
い。樹脂成形層(2)は、放射線硬化型樹脂液(2a)
に放射線(4)を照射することにより樹脂液(2a)を
硬化させた結果として形成される。このような樹脂液の
材料としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポ
リウレタン、紫外線硬化型樹脂、変成アクリル樹脂など
の熱硬化性樹脂が使用される。放射線(4)としては、
例えば、紫外線、電子線、γ線、α線などが使用され
る。
【0010】以下、図面を引用して本発明の実施例を説
明するが、本発明はこれに限られるものではない。
【0011】
【実施例】図1は、本実施例の製法の各工程において、
ガラスレンズ(1)、金型(3)等を側面から見た概念
図である。図6は、本実施例で製造された凹レンズの垂
直断面図である。このレンズは球面のガラスレンズ
(1)とその表面に形成された非球面の樹脂成形層
(2)から構成されている。樹脂成形層(2)の厚さは
中心で5〜100 μm である。一方、ガラスレンズ(1)
は、凹レンズであり、外径がφ15〜φ40mmで、中心厚が
3〜10mmである。両面とも球面に研磨加工されている。
樹脂成形層(2)との接合面は、所望の非球面に近い球
面を持つ。ガラスレンズ(1)は、樹脂成形層(2)と
の接着力を向上させるため表面に予めシランカップリン
グ処理を施してある。
【0012】シランカップリング剤として、ここでは商
品名KBM503(信越化学株式会社製)を2wt%エタノール
溶液に稀釈して使用した。 次に製法を各工程ごとに説
明する。 第1A工程:所望の非球面形状を有する金型(3)を水平
に置く。金型(3)の表面にはニッケルメッキが施され
ている。 第1B工程:金型(3)の中央部に、所定量の紫外線硬化
型樹脂液(2a)を垂らす。図1の(a)の状態であ
る。樹脂液は、商品名アロニックスUV3700又はアロニッ
クス3033HV(東亜合成化学株式会社製)を使用した。 第1C工程:ガラスレンズ(1)を上から降下させて、所
望の非球面を有する金型(3)上に載せる。
【0013】以上の第1A〜1C工程が本発明の第1工程に
相当する。 第2工程:ガラスレンズ(1)を金型(3)に向かって
押しつける。このとき、レンズ(1)をその光軸を中心
に10〜1000rpm の速度で回転させる。そして、ガラスレ
ンズ(1)と金型(3)との間隔を所定値まで接近させ
る。図1の(b)がこの状態である。 第3工程:ガラスレンズ(1)と金型(3)との間に挟
まれた樹脂液(2a)に対し、レンズ(1)を通して放
射線(紫外線)を照射する。これにより樹脂液(2a)
は硬化して樹脂成形層(2)となる。図1の(c)がこ
の状態である。 第4工程:得られた樹脂成形層(2)を金型(3)との
界面から剥離する。
【0014】こうして、目的とする「非球面の樹脂成形
層(2)とガラスレンズ(1)とからなる非球面の凹レ
ンズ」が製造される。尚、第2工程における押しつけ始
めの時に、樹脂液(2a)の滴下位置が悪い等の理由で
レンズ(1)に対する樹脂液(2a)の真円度が悪くて
も、レンズ(1)を回転させると図2に示すように真円
度が良くなった状態で樹脂液(2a)が全体に広がる。
また、レンズ(1)の代わりに金型(3)を回転させ
ても良い。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、多数のレンズを製造し
ても、樹脂成形層(2)の真円度の低下した製品例が発
生せず、そのため、良品率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の実施例にかかる製造方法の各工程
に於けるレンズ(1)等の垂直断面を示す概念図であ
る。
【図2】は、本発明の実施例にかかる製造方法の第2工
程に於けるレンズ(1)回転による樹脂液(2a)の広
がりを示す概念図である。
【図3】は、従来の樹脂接合型非球面レンズの概略垂直
断面図である。
【図4】は、従来の樹脂接合型非球面レンズの概略垂直
断面図である。
【図5】は、従来の製造方法の各工程に於けるレンズ
(1)等の垂直断面を示す概念図である。
【図6】は、本発明の実施例で製造した樹脂接合型非球
面レンズの概略垂直断面図である。
【符号の説明】
1───ガラスレンズ 2───樹脂成形層 2a──放射線(紫外線)硬化型樹脂液 3───金型 4───紫外線(放射線の一種) 以上

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1工程:「球面又は粗い非球面を有する
    ガラスレンズ」と「所望の非球面を有する金型」との間
    に放射線硬化型樹脂液を挟む工程; 第2工程:前記ガラスレンズと前記金型との間隔を所定
    値まで接近させる工程; 第3工程:前記ガラスレンズと前記金型との間に挟まれ
    た前記樹脂液に放射線を照射することにより硬化させる
    工程;及び 第4工程:硬化して得られた樹脂成形層を前記金型との
    界面から剥離する工程;からなることを特徴とする「非
    球面を有する樹脂成形層と前記ガラスレンズとからなる
    樹脂接合型レンズ」を製造する方法において、 前記第2工程で、前記ガラスレンズをその光軸を中心と
    して回転させながら、前記金型に押し付けることを特徴
    とする方法。
JP4282650A 1992-10-21 1992-10-21 樹脂接合型非球面レンズの製造方法 Pending JPH06130208A (ja)

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