JPH0613009A - 走査形電子顕微鏡 - Google Patents

走査形電子顕微鏡

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JPH0613009A
JPH0613009A JP5099624A JP9962493A JPH0613009A JP H0613009 A JPH0613009 A JP H0613009A JP 5099624 A JP5099624 A JP 5099624A JP 9962493 A JP9962493 A JP 9962493A JP H0613009 A JPH0613009 A JP H0613009A
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electron beam
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lower magnetic
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Tadashi Otaka
正 大高
Hideo Todokoro
秀男 戸所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子線を試料に照射したときの散乱電子線
(反射電子線)を大幅に減少させて観察試料に悪影響を
与えないSEMの対物レンズを提供する。 【構成】 走査形電子顕微鏡において、対物レンズ1の
上磁極1b及び下磁極1aは、下方に向けて円錐状に突
出して形成され、収束電子線が通過する上,下磁極のレ
ンズ孔のうち下磁極1a側のレンズ孔の縁を尖鋭化さ
せ、一方、上磁極側のレンズ孔の縁には磁気飽和防止の
ための面取り8が確保してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は走査形電子顕微鏡、さら
に詳細にはその対物レンズの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の走査形電子顕微鏡(以下SEMと
記す)に用いる対物レンズは、一般に励磁コイル付きレ
ンズヨークの両端で対物レンズとなるべき上下の磁極を
構成している。また、このタイプの対物レンズは、収束
電子線を試料に収束したときの試料からの二次的信号
(X線,二次電子線など)を上下磁極間の側方から取り
出す場合の便宜や、試料を傾斜してセットする便宜や、
収束特性を良好にするため、少なくとも下磁極について
は試料方向(下方向)に突出するように截頭円錐状に形
成される。
【0003】ただし、下磁極を円錐状に形成したとして
も、その下端(収束電子線が通過するレンズの孔の周縁
或いはその周り)には平坦面が形成してあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体ウエ
ハやそれに形成された集積回路などを電子顕微鏡で検鏡
する場合は、収束電子線を照射した部分が電子線により
損傷を受ける。この電子線損傷を受けた部分は、ウエハ
をチップに分割(ダイシング)するときに不用品とし
て、他の健常なチップと別にされるが、実際には収束電
子線が照射された部分の付近でも、対物レンズの下面で
反射した散乱電子線が衝突して特性の劣化を生じさせる
問題があった。
【0005】以下、この問題点を図1により詳述する。
【0006】図1は従来のSEMの対物レンズと試料と
の関係を示す正面図である。対物レンズ1の下面は平坦
面を形成して試料2に対向しているので、対物レンズ1
より放射された収束電子線3の照射点から反射した反射
電子線4が対物レンズ1の下面によって再び反射され、
散乱電子線5となって試料2の全面に衝突する。
【0007】通常SEMによって像観察を高分解能で行
う時は、対物レンズ1の下面と試料2との距離Lを1cm
程度にするが、収束電子線3から5mm離れた所では、1
0~9Aの僅少な照射電流でも約7分間で1Vのしきい値
電圧(VTH)となる。即ち、散乱電子線5の試料2に対
する影響が大きく、観察している部分以外の試料2の面
を破損する。例えば、試料2としてモス・トランジスタ
を用いた場合は、散乱電子線5の照射によって電気的特
性が変化するが、これはゲート電流下部の絶縁層に帯電
現象を生じてしきい値電圧が変化することが原因と考え
られ、電気的特性の劣化をもたらすばかりでなく甚だし
いときは破損する結果となる。
【0008】図2は試料の総照射電子量としきい値電圧
変化量との関係を示す線図で、横軸は総照射電子量をク
ーロンの対数値で示している。
【0009】この場合の対物レンズ1の下面と試料2と
の距離Lは30mmであり、電子線源の加速電圧は25k
Vでモス・トランジスタの最外周部のドレイン電極から
l=5mm離れた場所を照射した時の実測値を黒点6で示
すと、黒点6はほぼ直線7上に分布する。そして、これ
によれば1×10~5クーロンの電荷量で1Vのしきい値
の変化を生じ、モス・トランジスタは特性劣化により使
用不可能になることを示している。
【0010】このように対物レンズ1の下面で再反射し
た散乱電子線5は試料面の広い面積にわたって悪影響を
及ぼしており、半導体や集積回路等を製造する際に特性
を劣化させる原因となる。
【0011】本発明の目的は、対物レンズで発生する散
乱電子線を大幅に減少させて観察試料に悪影響を与え
ず、しかも安定したレンズ特性を保持するSEMを提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、励磁コイル付きレンズヨークの両端部で対物レンズ
の上磁極及び下磁極を構成した走査形電子顕微鏡におい
て、前記対物レンズ(上,下の磁極)を下方に向けて円
錐状に突出して形成し、且つ前記収束電子線が通過する
前記上,下磁極のレンズ孔のうち前記下磁極側のレンズ
孔の縁を尖鋭化させ、一方、前記上磁極側のレンズ孔の
縁には磁気飽和防止のための面取りを確保してなる。
【0013】
【作用】このように、対物レンズが円錐形状を呈し、且
つ対物レンズのうち下磁極側のレンズ孔の縁を尖鋭化さ
せることで、下磁極の先端部の面取りもほとんどなくな
る程に極く僅少となる。従って、試料の収束電子線の照
射点よりの反射電子線が下磁極に衝突する割合が大幅に
減少すると共に、反射電子線の一部が下磁極に衝突して
も、その散乱電子線のほとんどが試料に影響しない方向
に分散し、散乱電子線による試料の特性劣化を防止でき
る。
【0014】なお、本発明では、下磁極のレンズ孔の縁
を尖鋭化させても、下磁極のうちの上磁極と対向する部
分は鋭角ではなく、一方、上磁極については、前記下磁
極に合わせて下方に向けて円錐状に突出させるが、その
うち下磁極と対向する下端に磁気飽和防止のための面取
りを確保してあるので、対物レンズ(電磁レンズ)の励
磁電流を増加させた場合でも、上,下の磁極が磁気飽和
することなく、常に上下磁極間の磁気ギャップを一定に
保つ。
【0015】それによって上下磁極間の磁場分布の変動
をなくして励磁電流と磁場分布の関係を一定に保って、
レンズ特性(焦点距離,ワーキングディスタンス)の安
定化を図り得る。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明する。
【0017】図3は本発明の一実施例である対物レンズ
の要部断面図で、図1と同じ部分には同一符号を付して
ある。この場合は、対物レンズ1の下磁極1aと上磁極
1bとを試料2に向かって円錐状に突出させ、特に下磁
極1aの先端のレンズ孔の縁を尖鋭化してある。このよ
うにすると、試料2の収束電子線3の照射点よりの反射
電子線4が衝突してもその散乱電子線5の大部分は試料
2に影響しない方向に分散する。したがって、散乱電子
線5によって試料2の特性が劣化するということは大幅
に減少する。上磁極1bのうち下磁極1aと対向する下
端は、図3に示すようにその一部をカットして磁気飽和
を防止するための面取り8が確保してある。
【0018】図4は図3の下磁極先端部の拡大断面図
で、下磁極の先端はできるだけ鋭くしてあり、その面取
りも極く僅少である。なお、この下磁極1aはアース電
位となっている。また、収束電子線3が照射した試料2
のO点よりは反射電子線の他に二次電子線、X線、カソ
ードルミッセンス(陰極光)等が発生するが、これらは
試料2と下磁極1aとの間の側方の空間に設置したそれ
ぞれの検出器によって検知される。したがって、試料2
よりの散乱電子線5が減少することは、これらの検出器
に対する妨害要因も除かれることになる。
【0019】さらに下磁極1aの形状について検討する
と、その形状は円錐状が適当であるが、観察試料が小さ
い場合は円錐角度は比較的大きくとも良い。これに反し
て試料2が大きい場合は円錐角度を小さく、かつ、その
先端面を小さくすることが必要である。
【0020】なお、下磁極1aの先端面は完全にエッジ
状であれば理想的であるが、先端が微小なアールや微小
な面取りがあっても実際上は差支えない。
【0021】このように対物レンズ1の形状を定めるこ
とによって、試料2に到達する散乱電子線量を図1のよ
うな平坦な下端面を有する場合に比べて約2桁減少させ
ることができ、試料に対して実質的な被害を生じさせな
いという効果が得られる。
【0022】また上磁極1bについては、下磁極1aの
レンズ孔の縁を尖鋭化させても、下磁極1aのうちの上
磁極1bと対向する部分は鋭角ではなく、一方、上磁極
1bについては、下磁極1aに合わせて下方に向けて円
錐状に突出させるが、そのうち下磁極1aと対向する下
端に磁気飽和防止のための面取りを確保してあるので、
対物レンズ(電磁レンズ)の励磁電流を増加させた場合
でも、上,下の磁極が磁気飽和することなく、常に上下
磁極間の磁気ギャップを一定に保つ。
【0023】それによって上下磁極間の磁場分布の変動
をなくして励磁電流と磁場分布の関係を一定に保って、
レンズ特性(焦点距離,ワーキングディスタンス)の安
定化を図り得る。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、下磁極の
形状を試料面方向に向けて円錐状に突出形成した上で、
加えて、その先端にある収束電子線通過用のレンズ孔の
縁を下向きに尖鋭化させたので、散乱電子線による試料
面の被害を大幅に減少させて実質的に影響がないように
することができ、しかも、上磁極についても下磁極に合
わせて円錐状の突出させても、上磁極側に磁気飽和防止
のための面取り配慮がなされているので、レンズ特性の
安定化を保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のSEMの対物レンズと試料との関係を示
す正面図
【図2】試料の総照射電子量としきい値電圧変化量との
関係を示す線図
【図3】本発明の一実施例である対物レンズの要部断面
【図4】図3の下磁極先端部の拡大断面図
【符号の説明】
1…対物レンズ、1a…下磁極、1b…上磁極、2…試
料、3…収束電子線、4…反射電子線、5…散乱電子線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励磁コイル付きレンズヨークの両端部で
    対物レンズの上磁極及び下磁極を構成し、この対物レン
    ズによって収束された収束電子線で試料面を走査し、該
    試料面から得られる二次的信号によって陰極線管の輝度
    変調を行い像表示する走査形電子顕微鏡において、 前記上磁極及び下磁極は、下方に向けて円錐状に突出し
    て形成され、且つ前記収束電子線が通過する前記上,下
    磁極のレンズ孔のうち前記下磁極側のレンズ孔の縁を尖
    鋭化させ、一方、前記上磁極側のレンズ孔の縁には磁気
    飽和防止のための面取りを確保してあることを特徴とす
    る走査形電子顕微鏡。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57182955A (en) * 1981-05-07 1982-11-11 Hitachi Ltd Objective lens for scanning electron microscope
JPS5978433A (ja) * 1982-10-26 1984-05-07 Akashi Seisakusho Co Ltd 電磁式対物レンズ
JPH02148548A (ja) * 1988-10-12 1990-06-07 Anelva Corp 電磁型対物レンズ及び漏洩磁束消滅方法

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