JPH06129859A - 光源から信号を取り出す光ファイバジャイロ - Google Patents

光源から信号を取り出す光ファイバジャイロ

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JPH06129859A
JPH06129859A JP5057756A JP5775693A JPH06129859A JP H06129859 A JPH06129859 A JP H06129859A JP 5057756 A JP5057756 A JP 5057756A JP 5775693 A JP5775693 A JP 5775693A JP H06129859 A JPH06129859 A JP H06129859A
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light
light source
fiber
coil
branching
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JP5057756A
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Yozo Nishiura
洋三 西浦
Akihiro Ooka
明裕 大岡
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/58Turn-sensitive devices without moving masses
    • G01C19/64Gyrometers using the Sagnac effect, i.e. rotation-induced shifts between counter-rotating electromagnetic beams
    • G01C19/72Gyrometers using the Sagnac effect, i.e. rotation-induced shifts between counter-rotating electromagnetic beams with counter-rotating light beams in a passive ring, e.g. fibre laser gyrometers
    • G01C19/721Details

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ファイバジャイロは右廻り光と左廻り光の
経験を同一にするために必ず二つ以上の分岐合流素子を
必要とした。光分岐合流素子は高価であるから、これの
数を減らすことが望ましい。 【構成】 光源へ光を戻し、これによって干渉光の強度
を検出する光ファイバジャイロを提案する。戻り光によ
り光源の発光状態が変化し、モニタ用受光素子の光電流
の変化や光源の駆動電流、電圧の変化として戻り光の強
度を検出することができる。このような方式において最
適の光源、偏光子の挿入、デポラライザの配置など独自
の改良を提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は回転角速度を求めるた
めの光ファイバジャイロに関する。回転を伴う運動体、
例えば飛行機、船舶、自動車等の角速度測定に用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】光ファイバジャイロは、シングルモ−ド
ファイバを多数回巻き回したファイバコイルの中を、単
色光を2分割した光を、右廻り光、左廻り光として伝搬
させ、干渉光の強度を受光素子で検出し、これから回転
角速度を求めるものである。光を発する光源、ファイバ
コイル、分岐合流素子、光を受光する受光素子などは光
ファイバジャイロの必須の構成要素である。
【0003】図2は従来例に係る基本的な光ファイバジ
ャイロの構成を示す図である。光源1から出射された光
は、第2分岐合流素子2を通過した後、偏光子3で直線
偏光となり、第1分岐合流素子4で2分割される。シン
グルモ−ドファイバ6をコイル状に多数回巻き回したフ
ァイバコイル5の両端に、前記の2つの分岐光が入射さ
れる。ファイバコイル5はSagnac効果を作り出す
ための光路である。
【0004】もしもファイバコイルが回転していると、
右廻り光と左廻り光の実効的な光路の長さが異なるので
位相差Δθが生ずる。為に干渉光の強度が減少する。こ
の減少分は位相差Δθの関数である。ファイバコイルを
右廻り光左廻り光に伝搬した光は、第1分岐合流素子4
で合流し、偏光子3を通り、第2分岐合流素子2で反射
され受光素子7に入る。ここで左廻り光右廻り光が干渉
し、干渉光の強度を受光素子7が検出する。干渉光の減
少分からファイバコイルの角速度が分かる。
【0005】光源1はファイバコイルに入射すべき光を
発生するために必要な素子である。受光素子7は回転に
よって生じた左廻り光右廻り光の位相差を干渉光強度の
変化として求めるものである。分岐合流素子は2つ用い
られる。図1に示すものは、光ファイバジャイロのmi
nimum configurationとして良く知
られている。現在提案されている光ファイバジャイロ、
実用化されている光ファイバジャイロはこれを幾分修正
したものである。修正の態様はさまざまである。しかし
反対に構成要素を図2のものより減らすことはできな
い。
【0006】図3に示すものは光ファイバジャイロの原
理図である。これは光源1、分岐合流素子4、ファイバ
コイル5、受光素子7よりなる。光源1から出た光は分
岐合流素子4によって2分割され、ファイバコイル5の
両端に入射し、この中を右廻り光左廻り光として伝搬す
る。この光は分岐合流素子4で合流し、干渉光が受光素
子7によって検出される。これは分岐合流素子が一つで
済む。ところがこのような原理系がそのまま使われるこ
とはない。このような構成であると、分岐合流素子の両
側にファイバコイルの両端と、受光素子、発光素子があ
るので、右廻り光と左廻り光の経験する経路が異なる。
【0007】図3の下に書き加えているように、右廻り
光はコイルに入る前と後の2回ビ−ムスプリッタによっ
て反射される。しかし左廻り光は2回ともにビ−ムスプ
リッタを透過することになる。反射と透過では光路が異
なるし、厳密に同じ光路ではない。回転していないとき
でも、左廻り光右廻り光に位相差がある。分岐合流素子
としてビ−ムスプリッタの代わりにファイバカップラを
用いることもある。この場合も同様の問題がある。
【0008】図3の構成では、右廻り光と左廻り光の経
験を同一にすることができない。そこで図2の構成が用
いられるのである。図2では、右廻り光左廻り光ともに
分岐合流素子4において透過と反射を1回ずつ経験す
る。右廻り光は始め反射され、後に透過する。左廻り光
は始めに透過し、後に反射する。このように透過、反射
の経験が同等になる。
【0009】ビ−ムスプリッタに限らずファイバカップ
ラでも、図2の構成であれば右廻り光左廻り光は同等の
経験をすることになる。従って、非回転時の位相差は0
となる。このように、図2のようにして初めて右廻り光
左廻り光の経験を同一にできる。であるからこの構成を
minimum configurationというの
である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図2の構成では二つの
分岐合流素子2、4がある。光を2分割するだけなら一
つの分岐合流素子で足りる。しかし左廻り光と右廻り光
の経験を等しくするためにもう一つの分岐合流素子を必
要としている。分岐合流素子が2個あるので、当然の事
として材料費、組立費ともに高価となる。
【0011】特に、オ−ルファイバ型光ファイバジャイ
ロの場合、分岐合流素子はファイバカップラである。二
つのファイバを接近させ溶融して細長く引っ張りコア間
の距離を小さくしてコア間でエバネッセント結合できる
ようにしている。ファイバカップラは光ファイバジャイ
ロの構成部品中コスト的に大きなウエイトを占めるもの
である。
【0012】また第2分岐合流素子2は往復共に、半分
ずつ利用できない光を発生している。つまり光源1から
出た光の内、半分は利用されない。またファイバコイル
から戻る光の内、半分がやはり利用されないで光源1の
方に戻る。このように第2分岐合流素子のために原理的
に合計6dBの光量損失が起こる。このため光パワ−の
利用効率が低下し、S/N比が低くなる。
【0013】分岐合流素子を減らすことが望まれる。こ
れがひとつ少なくなると、部品コストの低減、光量損失
の低下等極めて有効である。しかし前述のように図2に
示すものは最低必須の要素ばかりでこれ以上減らしうる
部品はないように思える。単に一つの分岐合流素子を除
去しても図3のようになるだけである。これでは左廻り
光右廻り光の経験が異なりオフセットが存在する。
【0014】このような従来の光ファイバジャイロの難
点を克服し左廻り光右廻り光の経験を等しくしつつ、分
岐合流素子を一つ減らすことのできる光ファイバジャイ
ロを提供することが本発明の目的である。分岐合流素子
をひとつ減らすと共に受光素子をひとつ節減したより低
コストで製造し得る光ファイバジャイロを提供すること
が本発明の第2の目的である。
【0015】さらにこのように分岐合流素子を減らした
新規な光ファイバジャイロにおいて最適の光源を与え角
速度測定の感度を上げることが本発明の第3の目的であ
る。またこの新規な光ファイバジャイロにおいて、スケ
−ルファクタの変動の少ない光ファイバジャイロを提供
することが第4の目的である。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバジャ
イロは、右廻り光左廻り光を干渉させ強度を検出してい
た受光素子を除去し、代わりに光源自体またはモニタ用
受光素子を用いて右廻り光左廻り光の干渉光出力を検出
する。光源自身あるいはモニタ用受光素子を検出器とし
て用いるのである。受光素子の除去に伴い、一つの分岐
合流素子を省く。受光素子を除くので、ファイバコイル
からの戻り光を受光素子の方向へ分岐していた第2の分
岐合流素子が不要になる。代わりに光源あるいはモニタ
用受光素子を検出器として用いる。
【0017】従来は発光素子の光量が安定していなけれ
ばならないとしていたのでモニタ用受光素子を発光素子
の反対側に設けて発光素子の光量を監視しこれを一定に
するように電流を加減する(自動光量制御:Autom
atic Power Control)ようにしてい
た。本発明はこれを巧みに利用する。
【0018】光源である発光素子は戻り光のために電流
・光出力特性(発光特性)が変化するので、この変化を
検知して干渉光の強度を求める。発光特性の変化は発光
素子の駆動電流の変化またはモニタ用受光素子の光電流
の変化として検出することができる。戻り光により発光
素子の状態を変化させるというような光ファイバジャイ
ロは真に新規なものである。従来光ファイバジャイロは
光源はできるだけ発光状態が一定になるように腐心され
ていた。発光素子の状態が変動するとスケ−ルファクタ
が変動するからである。本発明はこの点で全く逆をゆく
のである。実に新規なものである。
【0019】あるいは発光素子の発光状態は不変である
が戻り光が発光素子を通り抜けてモニタ用受光素子に入
り光量が検出されるようにしても良い。
【0020】図1は本発明の光ファイバジャイロの原理
的構成図を示す。光源1から出射された光は、ファイバ
8を通り、分岐合流素子4で2つのビ−ムに分割され
る。分割光はファイバコイル5の両端に入射する。これ
はファイバコイル5の中を右廻り光左廻り光として伝搬
し、反対側の端部から出て、分岐合流素子4で再び合一
する。そして光源1に戻る。光源は半導体レ−ザやス−
パ−ルミネッセントダイオ−ドを用いる。戻り光により
光源の発光特性が変化する。
【0021】光源の発光特性変化をなんらかの手段を用
いて検出する。 発光特性の変化は光源のインピ−ダンスの変化として
も現れる。簡単には、光源の駆動電流Iと電圧Vの比I
/Vが戻り光に比例して変化するのを観測することによ
ってなされる。 最も簡単には光源の駆動電流を一定に保ち電圧変化を
測定する。 あるいは光源の印加電圧を一定として駆動電流変化を
測定する。
【0022】発光特性の変化であるから光源の発する
光Pと光源に与えられる電流Iの比P/Iの変化として
求めることもできる。モニタ用受光素子で発光素子の光
量Pを測定し駆動電流Iとの比を求めるようにする。 簡単にはモニタ用受光素子を用いて光源の光量を一定
に保ち駆動電流Iの変化を監視するようにする。 反対に光源の駆動電流を一定に保ちモニタ用受光素子
で光源の発光量Pを測定する。
【0023】図4は本発明の光ファイバジャイロの光源
部分の概略構成図である。光源1は半導体レ−ザ、ス−
パ−ルミネッセントダイオ−ド等を用いることができ
る。単色光を出す光源であれば良い。光源1はAPC回
路9(自動光量制御回路:Auto Power Co
ntrol) によって光量制御される。従来は光量を安
定させるために用いられていた。光源1は2方向に光を
出射する。一方の光はレンズ10を経て、ファイバ8の
一端に入射する。これは光ファイバジャイロの信号光と
して通常の役割を果たす光である。他方の光は反対側に
出射され、モニタ用の受光素子11に入り光源の発光量
を測定するようになっている。光源の発光量に関する信
号は、モニタ用受光素子11からAPC回路9に伝わ
る。
【0024】APC回路9は光源の光量を一定にするよ
うに光源の電流を加減する。これは従来の光ファイバジ
ャイロの光源の制御に用いられる回路である。APC回
路9と光源1を繋ぐ回路の一部に抵抗R1 を繋ぎ電流の
検出端子12とする。この端子間電圧をV1 とする。A
PC回路9とモニタ用受光素子11を繋ぐ回路の一部に
抵抗R2 を繋ぎ光量の検出端子13とする。この端子間
電圧をV2 とする。このようなモニタ用受光素子と、A
PC回路を組み合わせた構成は従来の光ファイバジャイ
ロにも含まれる。本発明はこれを巧妙に利用することが
できる。
【0025】このような構成であると、受光素子をひと
つ省くことができ、光分岐合流素子(カップラ)もひと
つ省略できる。従来のものと測定原理を異にする全く新
規な光ファイバジャイロであるので光源についても特別
の考察が必要である。
【0026】従来の光ファイバジャイロは、光源はでき
るだけコヒ−レント長が短いものが好ましいとされてい
る。レ−リ−散乱やカ−効果による戻り光が光源の状態
を乱すとスケ−ルファクタが変動するからである。それ
で光源は、多くの場合ス−パ−ルミネッセントダイオ−
ドが用いられる。これは準単色光を出すし、コヒ−レン
ト長が短いからである。
【0027】半導体レ−ザを光源にする場合も、特にコ
ヒ−レント長の短いものを用いる。徹底的に違うのは、
戻り光に対する関係である。従来の光ファイバジャイロ
は、戻り光が光源に戻るのを極端に警戒していた。半導
体レ−ザの場合は、戻り光により動作が不安定になるか
らである。戻り光を断つために光アイソレ−タを光源の
直前に設けることもよく行われる。
【0028】本発明の光源は戻り光が光源に入ることに
より、戻り光が光源と相互作用をして光源の発光状態が
変化することを利用する。この点で、従来の光源とは全
く状況が異なるのである。本発明の構成を採用した場
合、光源として、ス−パ−ルミネッセントダイオ−ドを
用いた場合は次のような問題があることが分かった。ス
−パ−ルミネッセントダイオ−ドは干渉性が極めて低
い。戻り光が光源に戻っても光源との干渉がなく、戻り
光による光源電流の変化は僅かである。
【0029】また光源が自然放出による光のみを発生し
ている時は、戻り光は光源の材料の内部で殆ど吸収され
てしまい、モニタ用受光素子にまで到達しない。モニタ
用受光素子によって戻り光の光量を検出しようとしても
感度が低い。このように従来コヒ−レント長の短いもの
が良しとされた光源であるが、本発明ではコヒ−レント
長がある程度長い方が好ましいことが分かってきた。
【0030】本発明は、戻り光と光源の相互作用を高め
るために高コヒ−レンシ−の光源を用いる。コヒ−レン
ト長が長く高コヒ−レントであれば戻り光と光源の相互
作用が大きく、検出感度を高めることができるからであ
る。それだけなら半導体レ−ザを用いれば良いのである
が、そうするとファイバ内でのレ−リ−散乱などにより
信号でない戻り光が光源に入り光源の状態を乱すことが
ある。レ−リ−散乱やカ−効果による非信号の戻り光の
影響を抑制するために、本発明では、 縦モ−ドがマルチモ−ドのレ−ザ 縦モ−ドが現れるようなス−パ−ルミネッセントダイ
オ−ド を光源として用いることが望ましい。
【0031】こうすれば、特別な対策をしなくても、レ
−リ−散乱やカ−効果に依る戻り光の影響を抑え、左廻
り光右廻り光の戻り光のみを光源に戻すことができるよ
うになり、本発明の方法に依る回転角速度測定の信頼性
を高めることができる。
【0032】次に問題になるのは、光路中における偏波
面の回転である。ファイバコイルやファイバ光路にシン
グルモ−ドファイバを用いると歪み、電磁力などにより
偏波面が回転することがある。右廻り光左廻り光を干渉
させ干渉光の位相差を検出するのであるが、光が干渉す
るためには偏波面が同一でなければならない。もしも偏
波面回転が起こると右廻り光左廻り光の偏波面が異なる
ので両者の干渉光が弱くなる。干渉光が偏波面の回転に
より揺らぐようになる。これでは精度よく正確な回転角
速度の測定ができない。
【0033】そこで偏波面回転を防ぐために、全光路を
偏波面保持機能を持つもので構成する。本発明は全光路
が偏波面保持機能を有するもので構成した光源検出型の
光ファイバジャイロを与える。これは光ファイバで作る
光ファイバジャイロと、光ファイバを使わず光路のすべ
てを誘電体、ガラス、半導体で構成した干渉計とがあ
る。全光路を偏波面保存光ファイバによって製作すると
前者のカテゴリ−に属する全ファイバ型のものができ
る。図15はこれを示す。
【0034】ところが偏波面保存機能を光路の全体に持
たせる構造は極めて高価になる。ファイバコイルやファ
イバ光路は全てシングルモ−ドファイバによって構成し
たいものである。シングルモ−ドファイバの方が偏波面
保存光ファイバよりも安価であるからである。そこでシ
ングルモ−ドファイバで光ファイバジャイロを作り一部
にデポラライザを挿入する。図16はそのような構造を
示す。全体をシングルモ−ドファイバで構成し、ファイ
バコイルに続いてデポラライザを入れている。
【0035】デポラライザを入れる部位はカップラと光
源の間でもよい。デポラライザを入れることにより偏波
面による偏りを無くし偏波面回転があっても干渉光強度
が変わらないようにする。
【0036】あるいは光源とファイバの間に偏光子また
は複屈折性物質を挿入する。光源とレンズの間あるいは
レンズとファイバ端の間の何れでも差し支えない。偏光
子は偏光プリズム、偏光板、金属誘電体多層膜、ダイク
ロイックミラ−、ガラス基板上に誘電体多層膜を形成し
た偏光子、ファイバ型偏光子などいずれでもよい。個別
光学系の場合は、前記のように光源とファイバ端の間に
入れるのが便利である。ファイバ型偏光子の場合は光源
とファイバ端の間に入れることもできるが、これがシン
グルモ−ドファイバの途中に入れることもできる。
【0037】通常の光ファイバジャイロでは、光源のウ
インドウの部分は無反射コ−テイングされた光学ガラス
が用いられる。本発明では、偏光子または複屈折性物質
によりウインドウ材を構成するとさらに良い。図20は
キャップに封止された光源を示す。
【0038】本発明の光源信号検出型の光ファイバジャ
イロにおいても、位相変調をすることができる。これは
図25に示すような構成によって行える。しかしさらに
本発明の場合は光源を直接変調することも可能である。
図24はこれを示す。これは光源をある周波数f0 で直
接変調し、位相変調器はfm で光に位相変調を与えてい
る。モニタ用受光素子から光電流を出力として採用し、
これをf0 とfm によって同期検波している。これらの
値を割り算して、この結果から回転角速度を求める。あ
るいは、f0 での同期検波出力を一定にし、fm の同期
検波出力から回転角速度を求めるようにしてもよい。
【0039】
【作用】本発明の光ファイバジャイロにおいては、ファ
イバコイルを右廻り光左廻り光に伝搬した光はカップラ
を経てひとつの光になり、光源に戻ってくる。戻り光に
より光源の発光状態が変化する。つまり駆動電流と駆動
電圧の比、あるいは駆動電流と光量の比が変化する。こ
れを光源自体の電流変化、電圧変化、あるいはインピ−
ダンス変化、あるいはモニタ用受光素子の光電流の変化
として取り出す。こうして左廻り光右廻り光の干渉光の
強度を求めることができる。
【0040】特にAPC動作(自動光量制御)を行って
いる場合は、光源を動作させる電流に変化が現れる。駆
動電流の変化は、図4の抵抗R1 の端子12の電圧V1
の変化として取り出される。この電圧変化から信号を取
り出し、右廻り光左廻り光の干渉光強度を求めることが
できる。
【0041】この電圧変化は小さくまたノイズに埋もれ
たものであるがなんらかの工夫によってノイズから抜き
出すことができる。たとえば位相変調方式の光ファイバ
ジャイロの場合は、位相変調器をファイバコイルの近傍
に設け信号光に位相変調を加えておき、光源電流変化の
特定の周波数成分のみを同期検波によって抽出すれば良
い。十分に高いS/N比で干渉光強度を求めることがで
きる。
【0042】その他にも信号の取り出し方がある。光源
1をAPC動作している時は、光源1の裏面に設けたモ
ニタ用受光素子11にも干渉光強度の変化に対応した変
化が現れる。この変化は抵抗R2 の端子13の電圧V2
として得ることができる。
【0043】APC動作していない時でも、別のメカニ
ズムでモニタ用受光素子11に信号が入る。一般に発光
素子は自己の発光波長と同じ波長の光を吸収するが、完
全に不透明ではない。また位相が合致していると戻り光
の入射によって発光が促され光が増幅されることもあ
り、戻り光以上の光が光源の裏面に出射されるというこ
ともある。ために、戻り光に比例する強度の光がレンズ
10、光源1を通り抜けてモニタ用受光素子11に入
る。受光素子はこの光を検出する。
【0044】このように本発明は光源の電流、電圧、イ
ンピ−ダンス変化、モニタ用受光素子の光電流変化とし
て干渉光強度の検出をすることができる。
【0045】次に光源について述べる。前節において本
発明では光源は干渉性の高いものであることが望ましい
ということを述べた。誘導放出の過程と、自然放出の過
程を含む光源の放射光は、部分的にコヒ−レントであ
る。即ち干渉性が0と1の間である。誘導放出が優越す
る光源では、高いコヒ−レンシ−のために、戻り光によ
り動作電流が変わり易い。また増幅作用を持つので光源
への戻り光が増幅されて裏面に至り、モニタ用の受光素
子に至る。従って、光源の動作電流または、裏面のモニ
タ用の発光素子から信号を取り出す場合の感度が高くな
る。
【0046】これに対して、自然放出というのは、光子
の生成がランダムであるということである。pn接合に
電流を流すことにより、電子正孔対ができ、これが再結
合する時に発光する。発光が時間的にランダムに起こる
ものが自然放出である。強度は電流にのみ比例し光に依
らない。通常のス−パ−ルミネッセントダイオ−ドでの
発光は自然放出によるものである。
【0047】誘導放出というのは、光子の生成がそこに
存在する光子の量に比例し同一位相の光を発生するもの
である。光子の生成確率という点では電流と光子密度に
比例する。誘導放出が起こるので半導体レ−ザでは光の
位相が揃うのである。
【0048】半導体レ−ザで戻り光が動作を不安定にす
る理由は、戻り光が半導体レ−ザの光導波路を通過する
時に誘導放出を誘因するからである。これはここで発生
する光と異なる位相を持つから、半導体レ−ザで一様な
励起状態が起こるのを妨げる。このような不都合を避け
るため通常は半導体レ−ザに戻り光が入らないようにア
イソレ−タなど種々の工夫がなされる。
【0049】上記の説明で、干渉性というのは、実際に
光導波路を伝搬している光と、放出される光とが干渉
し、誘導放出を引き起こす能力を意味する。干渉性が1
というのは、完全に誘導放出が優勢な場合を指す。この
場合、戻り光により動作状態が大きく影響を受ける。
【0050】干渉性が0というのは自然放出のみで、光
導波路を伝搬している光と、ここで発生する光の強度や
位相に何の関係もないものである。この場合、戻り光が
入っても発光素子の状態は変化せず、光の生成を強めた
り弱めたりしない。
【0051】従来の光ファイバジャイロでは、干渉性の
低い光源が良いとされてきた。これはレ−リ−散乱、カ
−効果などで戻り光が発生するが、干渉性が低い光源で
あれば戻り光の影響を受けず、オフセット、スケ−ルフ
ァクタの変動などが起こり難いからである。しかし本発
明ではこれとは逆で、干渉性の高い光源が望ましいとす
るのである。
【0052】光源の発光スペクトルとコヒ−レンシ−の
関係を図13によって説明する。図13の(1)の
(a)は理想的な半導体レ−ザの発光スペクトルであ
る。縦モ−ドが一つしかない。これは一定の波長で鋭い
ピ−クを持つ。半値幅Δλは極めて小さい。これは誘導
放出による発光であり、共振器の間を光が往復するの
で、波長が一定値になるからである。
【0053】共振器間に立つ定在波の波長は、共振器の
長さを整数で割った値に等しい。これは幾つもあるが、
発光波長の領域が狭くてその中にひとつの定在波波長し
かない場合はこのように縦モ−ドが1本になる。(b)
はこのような発光スペクトルを持つ光源のコヒ−レンシ
−を示す。横軸は距離であり、縦軸は干渉性である。つ
まりこれだけの距離を隔てた二つの波束の積を積分した
ものの値であるといって良い。干渉性は距離と共に減少
するが、減少の速度が遅い。
【0054】これはコヒ−レント長が長いということで
ある。波長分布の半値幅Δλが狭く、波長分散が小さい
からこれは当然のことである。干渉性が初期の値の半分
になる距離をLc とするとこれは極めて長い。これをコ
ヒ−レント長という。Lc は(λ2 /Δλ)に比例して
いるのでΔλが小さいと、Lc が大きくなる。
【0055】図13の(2)の(a)は、ス−パ−ルミ
ネッセントダイオ−ドの発光スペクトルである。半導体
レ−ザとは全く違い、波長の広がりの半値幅Δλが極め
て広い。単色光とはいうもののある中心波長の回りの多
様な波長の光の集合ということができる。ダイオ−ドで
あり、共振器を持たないから、縦モ−ドが発生しない。
(λ2 /Δλ)に比例しているので、コヒ−レント長L
c は極めて短くなる。図13(2)の(b)は干渉性の
距離依存性を示す。従来の光ファイバジャイロは単色で
あるが、コヒ−レント長の短いものを光源としていたの
で、このような発光スペクトルのス−パ−ルミネッセン
トダイオ−ドを用いることが多かった。
【0056】図13(3)の(a)は、両者の中間的な
発光スペクトルを持つものである。これは半導体レ−ザ
とダイオ−ドの中間的なものということが出来る。単色
とは言えるが、発光波長の範囲は広い。また縦モ−ドが
幾つも存在している。半導体レ−ザは両端面に共振器を
備えるから、定在波は、共振器距離を整数で割った値の
波長を持つ。理想的な半導体レ−ザならば、発光波長領
域にこの条件に適合する波長は一つしかないが、この素
子は発光波長範囲が広いからこの領域に含まれる定在波
波長が幾つもある。これが複数の縦モ−ドの原因となっ
ている。
【0057】一つ一つの縦モ−ドの幅Δλ2 は狭い。し
かし発光波長領域の広がりΔλ1 は広い。図13(3)
の(b)は、干渉性の距離依存性を示す。これは、一つ
一つの縦モ−ドの狭い(Δλ1 が小さい)ことに対応し
て、破線で示すように、干渉性曲線の包絡線の低下は遅
い。しかしこれは包絡線であって、実際の干渉性曲線そ
のものではない。
【0058】実際の干渉性曲線は、一定距離ずつ離れた
箇所に離散的に現れるピ−ク曲線(サイドロ−ブ)とな
る。このピ−ク曲線の包絡線は徐々に減少するが、個々
のピ−ク曲線自体は極めて早く減少する。このピ−ク曲
線の幅をコヒ−レント長Lcということにすれば、これ
は短いものである。図13(2)の広いスペクトルを持
つダイオ−ドの場合と殆ど変わらない。これはΔλ1
広いことによる。
【0059】包絡線の減少は遅いがこれは、Δλ2 が小
さいことに基づいている。またサイドロ−ブのピ−ク曲
線間の距離は、縦モ−ドの間隔つまり共振器の長さによ
って決まる。本発明では、発光素子としてこのように複
数の縦モ−ドのあるものを採用する。
【0060】このような発光素子を光源とすることの効
果を調べるために、次のような実験を行った。図4、図
5の光ファイバジャイロにおいて、光源として半導体レ
−ザの両端面にAR(反射防止膜)コ−トを施したス−
パ−ルミネッセントダイオ−ドを用いた。つまり元は半
導体レ−ザであるが、共振器での光の反射を少なくして
いるのである。そして、モニタ用のフォトダイオ−ドか
ら信号を取り出すようにした。光源の発光強度を変化さ
せ、フォトダイオ−ド信号レベルの変化を測定した。
【0061】その結果を図14に示す。横軸は光源の発
光出力である。これはモニタ用の受光素子によって測定
できる。発光出力を変えるには、光源の駆動電流を変化
させる。縦軸はモニタ用フォトダイオ−ドで測定した信
号の値である。また、曲線にそって光源の発光スペクト
ルを書いている。
【0062】1mWの光出力の場合、発光スペクトル
は、自然放出による発光であるので、拡がった分布とな
る。図13の(2)のダイオ−ドの分布と同じになる。
この場合は信号出力が小さくて殆ど使い物にならない。
1.5mWの光出力になると、縦モ−ドが現れる。1.
5mW程度から信号レベルが急速に立ち上がる。しかし
これでも信号の出力は未だ小さくて実用的でない。
【0063】信号出力が増加し、2mWで縦モ−ドの分
離がはっきりしてくる。縦モ−ドが強くなるというの
は、誘導放出が有力なのである。
【0064】さらに発光出力が2.3mWになると、信
号レベルが充分な大きさに達する。このときは、発光ス
ペクトルにおいて、ベ−スの広がりよりも縦モ−ドの広
がりの方がずっと有力になっている。
【0065】信号レベルが、光源の出力に比例して増加
するのではなく、縦モ−ドの成長によるものであること
が分かる。これは戻り光が光源の中に入り、光源の発光
状態に影響を及ぼすのは、縦モ−ドの立つような状態
で、共振器間で光が往復して増幅しているということが
必須だということを示す。これは縦モ−ドが存在するよ
うな状態で、戻り光が光源の発光に影響を及ぼし、光源
の出力を変化させるということを示す。この場合、光源
の駆動電流は一定であるにも拘らず、発光状態が変わ
る。
【0066】発光状態変化をモニタ用フォトダイオ−ド
で検出するか、または光源の出力を一定にし、駆動電流
の変化を検出する。あるいは駆動電流を一定にして、モ
ニタ用受光素子の出力を検出する。以上で光源に対する
本発明の改良を述べた。
【0067】次にファイバ中を伝搬する光の偏波面回転
について述べ、これによる影響を防ぐための工夫を説明
しよう。ファイバコイルやカップラの部分にシングルモ
−ドファイバを用いると偏波面が回転する事がある。左
廻り光右廻り光を干渉させるといっても偏波面が同一で
なければ干渉しない。図1に示す本発明の原理を示す基
本形では、偏波面回転があると出力がドリフトする。こ
れを防ぐためには、図7や図8のようにファイバ光路の
途中に偏光子とデポラライザを入れることが有効であ
る。
【0068】更に偏波面回転を徹底して抑制するために
は、光ファイバジャイロの光学系の全体を偏波面保存機
能を有するものによって構成すれば良い。そうすれば光
源から出た光が同一偏波面を保ちながら伝搬してゆくの
で、右廻り光左廻り光が必ず干渉する。これにより出力
のドリフトやスケ−ルファクタの変動がなくなる。しか
も偏波面回転による損失がないので全ての光が測定系の
信号生成に寄与する。
【0069】従って高感度の光ファイバジャイロを得る
ことができる。前節で図15によって説明したように、
光路の全体を偏波面保存光ファイバによって作ると途中
で偏波面が回転しない。ファイバコイルもファイバカッ
プラも全て偏波面保存光ファイバで作るのである。こう
することによるひとつの効果はさきほどから述べている
ように偏波面回転を抑制することである。
【0070】もうひとつの効果は、偏波面の違いにより
光路が異なり右廻り光左廻り光の間に光路差が発生する
ということを防ぐことである。偏波面が維持されるので
右廻り光左廻り光の通る光路が厳密に同一になる。した
がって光路長が厳密に等しくなる。
【0071】偏波面維持機能を持たせるためには光路の
全てをガラス、誘電体、半導体により構成し光導波路な
どを異方性のあるものにし偏波面回転を防ぐようにする
こともできる。ファイバコイルはガラス基板、半導体基
板の上にフォトリソグラフィにより渦巻き状の光路をつ
くることにより代替できる。分岐合流素子も誘電体基板
の上に分岐する導波路を作ることによって作製できる。
ファイバを使わないので光ファイバジャイロというのは
不適当で光学干渉計というほうが適当かもしれないが測
定原理は同一である。
【0072】ファイバコイルやカップラをシングルモ−
ドファイバで構成することはもちろんできる。この場
合、デポラライザを用いることにすれば、上記の偏波面
回転による問題は避けることができる。デポラライザは
先述のようにファイバコイルの近くに設けることもでき
るし、光源とカップラの間に設けることもできる。
【0073】デポラライザはいかなる偏波面状態の光を
も無偏光にする素子である。光はこれを通過し無偏光に
なるので右廻り光左廻り光の干渉の程度が常に同一不変
になる。途中で偏波面回転するとしてもこれは僅かな成
分に過ぎない。
【0074】従来の受光素子を必要とする通常の光ファ
イバジャイロにおいては、偏光子とデポラライザをセッ
トにして用いるのが常であった。偏光子は、偏波面を揃
えるため、デポラライザは偏波面回転により干渉光の強
度がふらつくのを防ぐためである。
【0075】しかし本発明の場合は、デポラライザだけ
でも同等の効果を果たすことができる。それは光源を検
出器として用いるという本発明の特有の効果である。右
廻り光左廻り光が光源に戻り光源と相互作用をしてこの
出力を電流、電圧としてあるいはモニタ用受光素子の光
電流として取り出す。ところが、光源は多くの場合ある
偏波面の光とのみ相互作用をする。他の方向の偏波面の
光とは相互作用をしない。つまり光源自体が検出器とし
て作用しこれが偏波面選択性を持つのである。従って本
発明の場合はデポラライザだけを光路中に含ませて、偏
波面回転の影響を効果的に防止できる。
【0076】もちろん本発明の光ファイバジャイロにお
いてもより高性能の回転角速度測定を行うために、偏光
子を光路中に挿入しても良い。こうするにしても本発明
は従来の光ファイバジャイロに比較して有利な点があ
る。従来のものでは光源と受光素子をつなぐ分岐合流素
子の先のファイバ光路の中に偏光子を設けなければなら
なかった。そうしなければ光源からの往路の光と、受光
素子に入ろうとする復路の光の偏波面を揃えることがで
きないからである。その場合、ファイバを途中で切り偏
光子をつなぐという面倒な作業が必要である。
【0077】ところが本発明の場合は、光源とファイバ
入射端の間に偏光子をおくことができる。こうすること
で往路の光と復路の光の偏波面を同一にすることができ
るからである。光源とファイバ入射端の間は光を絞って
ファイバに入力させるためのレンズがあり、光は空間伝
搬している。ここに偏光子をいれるのであるからファイ
バを途中で切断して偏光子を繋ぐという手間が不要であ
る。
【0078】例えば、図17、図18、図19のように
空間中の光路を遮るように偏光子を配置するだけで良
い。これは、薄板状の偏光子をレンズホルダなどに埋め
込むことにより簡単に設置できる。
【0079】さらに偏光子の代わりに複屈折性を用い
て、常光線、異常光線の何れか一方を光路の外へ排除す
るようにすることもできる。図20は光源のキャップシ
−ルのウインドウに複屈折性媒質を取り付けたものであ
る。これによりシ−ル効果と偏波面選択性の両方の作用
を行うことができる。
【0080】さらにまた図21に示すように光ファイバ
のフェル−ル端に偏光子または複屈折性媒質を貼り付け
るようにしても良い。これは極めて簡単にできる改良で
あるが、偏波面を固定して干渉光のドリフトを効果的に
防ぐ。これにより信頼性を高揚することができる。
【0081】つぎに図24のように光源をf0 で変調す
ることの意味を説明する。これは光源から後ろ向きに出
てモニタ用受光素子にはいった光と、前向きに出てファ
イバ端に入射し、ファイバコイルを右廻り光左廻り光と
して回転伝搬した光とを区別するためのものである。
【0082】図23の(a)のように光源を直接変調し
たとする。モニタ用受光素子に直接に入る光の波動関数
は図23(b)のように位相が同じ波形になる。しかし
ファイバコイルを回ってきた光はnL/cの時間遅れが
あるので図23(c)のような波形になる。これにより
ファイバコイルからの戻り光と、光源自体の後方への放
射光とを区別することができる。
【0083】そして光源変調信号からキャリヤをとりこ
れによってモニタ用受光素子の光電流を同期検波する
と、光量成分が得られる。位相変調の周波数で光電流を
同期検波したものは、右廻り光左廻り光の干渉光の位相
差を含む式になっているので、前者により後者を割り算
すると、位相差が得られるのである。
【0084】
【実施例】図2に示すものが本発明の原理系である。こ
れを様々な形に発展させることができる。これを一つず
つ図面を参照しながら説明して行こう。
【0085】[実施例(1) ] 図5によって本発明の実
施例を説明する。これは位相変調方式の例である。AP
C回路9は適当な電流によって光源1を発光させる。光
源1から出射された光はファイバ型偏光子3の一端に入
力される。偏光子はバルク型、金属誘電体多層膜、ファ
イバ型等どのようなものでも良いが、ここではファイバ
型偏光子を例に説明する。また光源1の裏面光がモニタ
用の受光素子11によって受光されている。
【0086】ファイバ型偏光子3の他端はファイバカッ
プラ(分岐合流素子)4の一端の接続点39において接
続されている。ファイバカップラ(分岐合流素子)4の
他方の2端40、41はファイバコイル5に接続され
る。ファイバコイルの一端には位相変調器14を設け
る。これは正弦波発振器15によりsin Ωtの位相変調
をファイバ6を通る信号光に加える。このような構成は
位相変調方式の通常のものである。
【0087】一方、光源1の光量をモニタするモニタ用
受光素子11の出力は、抵抗R1 を経てAPC回路9に
つながっており、APC回路9の光源駆動電流を制御す
る。この実施例では抵抗R1 の両端子12の電圧V1
信号となる。この信号V1 は差動アンプ18によって増
幅されて、同期検波器16によって同期検波される。同
期検波のタイミングを与えるキャリヤ信号は正弦波発振
器15によって与えられる。同期検波の結果が端子17
に出力される。
【0088】光源1から出射された光はファイバ型偏光
子3によって直線偏光となり、ファイバカップラ(分岐
合流素子)4によって2分岐し、ファイバコイル5の両
端に入射する。これは左廻り光右廻り光としてファイバ
コイル5の内部を伝搬する。ファイバコイルが回転して
いると、位相差Δθが現れる。位相差Δθを持つ分岐光
はファイバカップラ(分岐合流素子)4で合一し、偏光
子3を逆に通り抜け、光源1に戻る。この光の一部は光
源1を通り抜けてモニタ用受光素子11に入る。ここで
2分岐光は干渉する。干渉光の強度がモニタ用受光素子
によって検出される。
【0089】ところがここでは位相変調しているので、
干渉光の強度変化はベッセル函数を係数とする高調波で
展開した形になる。そこで位相変調の周波数Ω/2πの
キャリヤ、または高調波周波数mΩ/2πのキャリヤに
よって同期検波する。これにより位相差Δθをsin Δθ
として含む出力が得られる。
【0090】つまり通常の位相変調方式の光ファイバジ
ャイロと全く同じ信号処理回路で信号検出が可能であ
る。従って、基本波だけでなく、2倍高調波、4倍高調
波も同期検波によって求めて光量制御、位相変調度制御
を行い、スケ−ルファクタを安定化させることもでき
る。これは従来の位相変調方式の光ファイバジャイロで
行われてきたことである。これは後に図12で説明す
る。
【0091】[実施例(2) ] 図6は他の実施例を示
す。これは図5のものとほぼ同じであるが、偏光子3が
存在しない。他の部分は図5と同じであるので省略して
ある。光源が偏波面選択性を持つ場合にこれが可能であ
る。
【0092】戻り光が光源の発光状態に影響を及ぼすの
は戻り光と光源で発生した光との干渉であると考えられ
る。すると発生光と戻り光の偏波面が一致していなくて
はいけない。逆に言えば、戻り光のうち、発生光の偏波
に直交する偏波を持つ成分は、光源の発光状態に影響を
及ぼさない。このための偏光子がないのである。光源が
偏光子として実質的に機能し、戻り光のうち発生光と同
じ偏波面の成分のみを検出する。
【0093】これは光源の性質によるが、半導体レ−ザ
の場合は直線偏光が生ずるので偏光子の作用がある。ス
−パ−ルミネッセントダイオ−ドの場合も直線偏光を生
ずるものがあるし、電流が大きい時は直線偏光になる。
したがって偏光子を省いても偏光の不一致による位相差
は発生しない。
【0094】[実施例(3) ] 図7は他の実施例を示
す。図5のものは偏光子を始めに入れているので、ファ
イバコイルを偏波面保存光ファイバによって作るのが望
ましい。もしもファイバコイルがシングルモ−ドファイ
バであると、この中で伝搬中に偏波面回転が起こりうる
ので反対向きに戻る光が偏光子を通り抜けることができ
ないということがありうる。このようなことを避けるた
めに、ファイバコイル5とファイバカップラ(分岐合流
素子)4の間に、デポラライザ20を入れている。
【0095】デポラライザ20は一般に複屈折性物体2
つを光学主軸が45度をなすように接合して作ることが
できる。ここでは複屈折性ファイバ(偏波面保存光ファ
イバ)2本を主軸が45度をなすように接合している。
接合点を×で示している。
【0096】[実施例(4) ] 図8は他の実施例を示
す。これはファイバコイル5がシングルモ−ドファイバ
で作られている。デポラライザの位置が前例と異なる。
この例ではデポラライザがファイバカップラ(分岐合流
素子)4とファイバ型偏光子3の間に入っている。動作
は実施例(3) とほぼ同じである。
【0097】[実施例(5) ] 図9の例は図8の例をさ
らに単純化したものである。これは偏光子の主軸に対し
て45度の角度をなすように、複屈折性ファイバ(偏波
面保存光ファイバ)1本を接続したものである。図8の
ものに比較して複屈折性ファイバ1本節減できる。
【0098】[実施例(6) ] 図10に示すのは、バル
クのビ−ムスプリッタ23を分岐合流素子として用い、
光源の光をこれで直接に2分岐させた例である。この場
合は、光源から出射された光をレンズ10で平行光に
し、ビ−ムスプリッタ23に通し、透過光と、反射光を
レンズ25、24で絞ってファイバコイル5の両端に入
射させる。ファイバコイル5内を伝搬した右廻り光左廻
り光がビ−ムスプリッタ23で合一しこれがレンズ10
を経て光源1に入り、さらに裏面のモニタ用受光素子1
1に入る。この場合図3に示した光ファイバジャイロの
原理型と良く似た配置になるが、ビ−ムスプリッタの反
対側に光源と受光素子が位置するということがないの
で、右廻り光と左廻り光の経験する光路が異ならない。
【0099】[実施例(7) ] 図11に示すものは、図
10の例と同様にバルクのビ−ムスプリッタ23を用い
るが、光源とビ−ムスプリッタ23の間に偏光子26を
追加している。この偏光子は、従来の光ファイバジャイ
ロでも使用されていたものであり、左廻り光右廻り光の
うち、入射偏波と同じ偏波面の成分だけを干渉させるも
のである。
【0100】[実施例(8) ] 図12に示すものは、信
号処理方式に関する例である。図5のものは単に基本波
だけを同期検波していた。ここではモニタ用受光素子1
1の出力に含まれる高調波の内、2倍高調波、4倍高調
波も基本波とともに同期検波するものである。このため
に3つの同期検波器16、27、28を設けている。正
弦波発振器15の正弦波を2倍逓倍器31で逓倍して2
Ωにキャリヤを得て同期検波器27に入力する。さらに
これを2倍逓倍器32で逓倍し4Ωのキャリヤを得る。
これを同期検波器28に入力する。
【0101】このようにΩを逓倍するのでもよいが、反
対にすることもできる。正弦波発振器15が高い周波数
の基本クロックを分周して位相変調周波数Ωを得るよう
になっているので、分周の途中の信号で2Ω、4Ωの信
号をキャリヤとして用いれば良い。
【0102】その他の回路は図5のものと変わらない。
これはモニタ用受光素子11の出力を差動アンプ18で
増幅し、それぞれ基本波、2倍波、4倍波を同期検波す
るようにしたものである。これは光量や位相変調度を一
定に保つために使うことができる。本発明ではモニタ用
の受光素子が光量制御をしない場合があるので、高調波
を検出することにより光源の光量を検出するようにして
も良い。この場合は、APC回路9に高調波成分の出力
をフィ−ドバックする。さらに光量を別段制御しなくて
も、偶数次の高調波出力で、基本波出力を割ると、光量
による因子が落ち、tan Δθの形で位相差Δθを求める
ことができる。
【0103】さらに、例えば2次高調波成分が0になる
ように位相変調度を制御すると、位相変調度を一定値に
固定することができる。つまり、出力に含まれる高調波
はベッセル函数を係数とする無限級数となるが、2倍高
調波はJ2(ξ) を係数とする。ξは位相変調度である。
2倍高調波を0にすると、ξ=5.2に固定できる。こ
のようなことは位相変調方式の光ファイバジャイロにお
いては既に知られている。
【0104】[実施例(9) ] 次に光源の問題である。
前節で述べたように、本発明は、誘導放出を伴い、発光
スペクトルが複数の縦モ−ドを有する発光素子を用いる
のが良い。理想的な性質を持つ半導体レ−ザと、ス−パ
−ルミネッセントダイオ−ドの中間的な性質を持つ発光
素子が適するということである。このような光源は現存
せず、市販の素子として得る事ができない。しかし現存
の素子を少し改良すれば適当な光源をうる。
【0105】例えば、ス−パ−ルミネッセントダイオ−
ドの端面のARコ−トをより不完全にすることにより、
また注入電流をある程度大きくすることにより得られ
る。これは図14によって説明したとおりである。ス−
パ−ルミネッセントであるがコヒ−レント長が長くなり
縦モ−ドが複数個存在する。
【0106】[実施例(10)] 光源に関して次のように
することもできる。半導体レ−ザのように縦モ−ドが1
本である発光素子をも次のようにして用いることができ
る。半導体レ−ザの縦モ−ドが安定しているのは、電流
が安定している時のみである。注入電流(駆動電流)が
高速で変調を受けているときは、半導体レ−ザでも縦モ
−ドが複数になる。
【0107】K.Y.Lau,Ch.Harder & A. Yariv,"Longitud
inal mode spectrum of GaAs injection lasers under
high-frequency microwave modulation",Appl.Phys.Let
t.vol.43(7),(1983)p619,
【0108】これによれば、半導体レ−ザに1GHzを
越える周波数の変調電流を流すと、変調の割合に比例し
て、縦モ−ドが幾つか現れてくる。変調の割合が100
%になると、主たる発光ピ−クの半分程度にも達する縦
モ−ドが出現する。高速変調による縦モ−ドの出現は光
通信の分野では伝達帯域を制限するものとして、厄介な
問題である。
【0109】しかし本発明ではこの性質を積極的かつ有
効に利用することができる。つまりもともと縦モ−ドが
一つしかない半導体レ−ザを光源として用いる場合は、
これを高速変調して、縦モ−ドの数を増やせばよい。こ
れを光ファイバジャイロの光源として用いる。縦モ−ド
が幾つもあるので全体としての発光スペクトルが広が
り、このために可干渉長が実効的に短くなる。
【0110】また実質的には縦モ−ドが鋭いので誘導放
出が起こり易く、戻り光があると、これにより光源の発
光状態が著しく変化する。ために、変調駆動電流の振幅
を一定にして、モニタ用の受光素子で光源の出力を監視
すると、戻り光強度を間接的に測定できる。あるいは、
モニタ用の受光素子で光源出力(振幅が一定)を一定に
保ちながら、駆動電流量の振幅の変化を監視することに
より戻り光強度を観測できる。
【0111】この場合位相変調する時は、位相変調の周
波数よりもずっと高い変調周波数で光源を駆動するので
位相変調と光源変調の影響を分離することは容易であ
る。
【0112】[実施例(11)] 図15のようにすべての
ファイバを偏波面保存光ファイバによって製作した。そ
の他については基本形と同じである。光源1から前方に
出た光はレンズ10によって絞られて偏波面保存光ファ
イバの一端に入射する。これ以後定偏波面の光となって
光ファイバを伝搬する。偏波面保存光ファイバカップラ
(分岐合流素子)4で定偏波面の光のまま二つに分割さ
れる。これが偏波面保存光ファイバであるファイバコイ
ル5を右廻り光左廻り光として伝搬する。
【0113】偏波面が一定し回転しないので、右廻り光
左廻り光は同一の光路を通過する。×印はファイバの接
続点を示す。右廻り光左廻り光がカップラ(分岐合流素
子)4で合体し光源1に戻る。戻り光が光源の発振状態
に影響を及ぼす。光源1から後方に出た光はモニタ用受
光素子11によって監視される。信号の取り方は、光源
の電流、電圧、モニタ用受光素子11の光電流のいずれ
からでも良い。
【0114】[実施例(12)] 図示しないがガラス、誘
電体、半導体を用いて、全光路で偏波面保存作用のある
リング干渉計を作ることができる。図15と原理が同じ
であるが、ファイバを用いない。ファイバコイルに代わ
るものは、誘電体の上に渦巻き状に光導波路をフォトリ
ソグラフィによって形成することにより得られる。カッ
プラも同一の誘電体の上にエバネッセント結合するふた
つの光導波路を形成することにより得ることができる。
【0115】ガラスや誘電体のように二次元平面上に形
成した光導波路は多くの場合偏波面を保持する機能があ
る。光導波路の幾何学的異方性のために、面に平行な方
向と垂直な方向に偏波面を持つ光に対する位相定数が異
なるからである。
【0116】[実施例(13)] 図16に示すようにシン
グルモ−ドファイバで光路を形成した。ファイバコイル
もカップラもシングルモ−ドファイバを用いている。し
かしファイバコイルに隣接してデポラライザをファイバ
光路中に挿入している。×印はファイバの接続点であ
る。デポラライザが介在するので光が無偏光になる。シ
ングルモ−ドファイバでの偏波面回転が起こっても干渉
光の強さが変わらない。ために偏波面回転が出力に影響
を及ばさない。
【0117】シングルモ−ドファイバの方が偏波面保存
光ファイバより安価であるから、実施例11のものより
も安価に製作できる。図5、図7、図8、図9の実施例
はファイバ型偏光子をファイバ中に設けている。これに
より偏波面の方向を一定方向に定めるものである。偏波
面が固定され左廻り光右廻り光の干渉を確実にするもの
である。
【0118】しかしファイバ型の偏光子は作り難い。フ
ァイバに接続できる偏光子は幾つかの種類がある。一つ
は偏波面保存光ファイバをコイル状に巻き回したもので
ある。これは偏波面保存光ファイバを使うため高価にな
る。ひとつはファイバを彎曲させ側面からコア近くまで
研削し露出した面に金属を貼り付けたものである。また
複屈折性物質を貼り付けたものもある。ある偏波面の光
が金属のためエネルギ−を失うので偏光子になる。
【0119】複屈折性物質を貼り付けた場合はある偏波
面の光がここから失われるので偏光子になる。このよう
にファイバ中の偏光子は製作が難しい。しかしこの実施
例ではデポラライザをファイバ中に入れるのであるから
ずっと簡単である。この点で図5、図7、図8、図9の
実施例よりも実施が容易である。
【0120】さてデポラライザであるが、これは複屈折
性物質を異方性主軸が45度傾くようにして接続するこ
とによって作る。長さの比は1:2にすることが多い
が、各ファイバ中での直交偏波間の遅延がコヒ−レンス
時間より大きく、且つ両者の遅延の差がコヒ−レンス時
間より大きければ良い。複屈折性結晶を2枚張り合わせ
てデポラライザとし、ファイバ光路の中に入れることが
できる。
【0121】またファイバ中に挿入するのであるから、
図16に示すように、偏波面保存光ファイバを2本、4
5度主軸を傾けて接着したものを用いることもできる。
いずれにしても、それらの物質での常光線と異常光線の
光路の差が光源が出す光のコヒ−レント長以上でなけれ
ばならない。
【0122】つまり複屈折性をB(nx −ny )、複屈
折性物質の長さをL1 、L2 (L2>L1 )、源のコヒ
−レント長をCとして、BL1 >C、BL2 >C、B
(L2−L1 )>Cである必要がある。偏波面保存光フ
ァイバでデポラライザを構成した時、もしも複屈折性B
が5×10-4程度と大きく、コヒ−レント長Cが50μ
m程度と短ければ、偏波面保存光ファイバの長さLは、
1mの程度で良い。このような、コヒ−レント長の短い
光源や、偏波面保存光ファイバは存在する。しかしそれ
は特殊なものである。
【0123】[実施例(14)] より一般的なものを使う
方がコスト的に有利である。そうするとよりコヒ−レン
ト長の長い光源、より複屈折性の小さい偏波面保存光フ
ァイバを用いるということになる。たとえば光源として
通常の半導体レ−ザを用いようとすると、コヒ−レント
長Cは1mm程度になる。この場合は、偏波面保存光フ
ァイバを用いてデポラライザを作ろうとすると、必要な
長さが数十mとなる。より複屈折性の小さい偏波面保存
光ファイバであれば、必要な長さが数百mとなる。この
ような場合は、ファイバコイルをデポラライザにするこ
とが有効である。
【0124】デポラライザでファイバコイルを構成する
という言い方は奇妙であるが、長さが1:2の長い偏波
面保存光ファイバを主軸が45度捩じれるように接続
し、これをコイルに巻いてファイバコイルとするのであ
る。これは光路の全体をファイバコイルで作るようなも
のであるが、図15のものと少し違う。この場合はファ
イバコイルの途中に45度主軸方向の異なるものを接合
した接続点がある。
【0125】[実施例(15)] 本発明においてより高性
能の光ファイバジャイロとするためには偏光子を光路中
に挿入することができる。図5、図7、図8、図9など
の例も偏光子をいれているが、ここではより簡便に、光
源とファイバ端の間に挿入する。偏光子は往きと帰りの
両方の光が通らなければならないので、従来の光ファイ
バジャイロでは、中間のファイバ光路に偏光子を入れな
ければならなかった。図26に従来の光ファイバジャイ
ロにおいてファイバ型偏光子を中間光路に挿入している
典型例を示す。
【0126】しかし本発明の場合は、光源が受光素子を
兼ねるので、光源の直前に偏光子を挿入しても、往き帰
りの光を偏光子に通すことができるのである。このため
に、オ−ルファイバ型の場合でも多様な種類の偏光子を
用いることができ、偏光子選択の自由度が拡がる。ファ
イバ型の偏光子より安価なものを利用できる。
【0127】そこで図17に示すように、光源と、ファ
イバ端の間に偏光子または複屈折性物質を挿入して光フ
ァイバジャイロを構成する。光源から出射された光は、
偏光子を通り直線偏光になる。これがレンズで絞られて
ファイバ端に入射する。これが分岐合流素子で二つのビ
−ムに分割される。ファイバコイルを回った左廻り光右
廻り光は分岐合流素子で合一し、反対にレンズを通り偏
光子を通過して光源に戻る。偏光子で右廻り光左廻り光
の偏波面を揃えるので光源では同一偏波面となり高い効
率で干渉できるようになっている。
【0128】[実施例(16)] 図17において偏光子の
代わりに、光源とファイバ端の間に複屈折性媒質を設け
ることができる。複屈折性媒質を用いると屈折率が異な
り、屈折する方向が異常光線、常光線によって異なるか
ら、一方の光を光路の外へ追い出すことができる。ひと
つの偏波面の光のみが伝搬することになるので、右廻り
光左廻り光が常に干渉できるようになる。
【0129】[実施例(17)] 図18は光源とファイバ
を結合するホルダ40部分の拡大断面図である。光源1
とモニタ用受光素子11はマウント44の上に取り付け
られている。これがホルダ40に固着される。光ファイ
バ8の先端にフェル−ル41が取り付けられ、ホルダ4
0先端のフランジ42に差し込み固着される。レンズ4
3がホルダ40の内部に設けられ光源1からの光を集光
してファイバ端に入射する。レンズ43とファイバ端の
中間に偏光子45を設ける。これは前例と同じで光を直
線偏光にして左廻り光右廻り光の偏波面を揃えているの
である。
【0130】[実施例(18)] 図18においてレンズ4
3とファイバ端の中間に偏光子の代わりに複屈折性媒質
46を設けるものである。
【0131】[実施例(19)] 図19は他の実施例を示
すホルダの断面図である。これもレンズとファイバ端の
間に偏光子47を斜めに入れたものである。
【0132】[実施例(20)] 図19において、レンズ
とファイバ端の間に複屈折性媒質48を斜めに入れたも
のである。常光線、異常光線の何れか一方を光路から排
除するのである。
【0133】[実施例(21)] 図20は本発明の光ファ
イバジャイロを適用した場合の、光源部のキャップの例
を示す断面図である。キャップ49の内部に光源1とモ
ニタ用受光素子11が収容される。キャップ49の開口
を閉じるウインドウ50が通常は単なるガラスである。
しかしここではウインドウ50自体を偏光子にするか又
は複屈折性にしている。この場合はシ−ル効果と偏波面
選択効果の両方をウインドウの材料が行うことになる。
【0134】[実施例(22)] 図21は本発明の光ファ
イバジャイロの他の例を示すためのフェル−ル部分の概
略図である。ファイバの入射端には金属、プラスチック
などのフェル−ル51を取り付けるが、この前端に偏光
子または複屈折性媒質52を張り付けている。これも光
源とファイバ端の間に偏光子、複屈折性媒質を挿入した
ものである。いずれも簡単に実施することができる。
【0135】[実施例(23)] 図25に示すものは、図
5や図12に示すものと同じく本発明の光ファイバジャ
イロを位相変調方式に適用した場合の基本形を示す。こ
れは光源を定電流駆動し、モニタ用受光素子11の光電
流を増幅し、位相変調器からの信号に同期して光電流を
検波するものである。
【0136】これまで説明してきたものは、光源を定常
的に直流駆動している。光源の戻り光による発光状態の
変化を見ているのであるから、光源は直流駆動で良いの
である。この場合光源が戻り光と相互作用をしており、
光源の電流を一定にするか電圧を一定にするかして、モ
ニタ用受光素子11の出力を取るようにしたり、あるい
は、モニタ用受光素子11の出力を一定にするように光
源の駆動電流を変化させることにより信号を得ている。
【0137】ところがこのようにすると、受光素子がひ
とつ足りないので、光源のパワ−を一定に保持するとい
うことができなくなる。もともとモニタ用受光素子11
は光源の出力を監視しこれが一定になるようにするもの
であった。本発明ではこれを測定に用いるので光源の出
力を監視できない。しかし少し工夫をすれば、モニタ用
受光素子11が光源の出力の監視にも、戻り光の位相差
Δθの検出にも用いることができるようになる。
【0138】図22に示すように、光源からの直接光P
0 (破線)が後ろのモニタ用受光素子11に入る。また
戻り光Pc (実線)がファイバコイルから戻り、光源を
透明体のようにそのまま通過して(相互作用せずに)モ
ニタ用受光素子11に到達することがある。
【0139】この場合は光源を周波数f0 で変調する。
図23の(a)は光源の変調を示す。勿論光源はダイオ
−ドであるので、電流は正方向に流れるだけである。実
際に交流で駆動すると、負電圧の半波は電流が流れず発
光しない。正の半波だけである。これでも勿論良い。し
かしさらに交流に直流を重ねて(重畳して)光源に印加
しても良い。すると、図23(a)に直流分だけ上へ挙
げたような光源の発光が得られる。これでも良い。図2
3は要するにタイミングを示すための略波形図である。
光源1から直接にモニタ用受光素子11に入るP0 は時
間遅れがない。従って図23(b)に示すように時間遅
れのないものとなる。これも受光素子はダイオ−ドであ
り半分だけが実在的なのであるが、前期のように光源に
直流を重畳するとこの様な波形にすることもできる。
【0140】これとは違って、ファイバコイルを回って
戻ってきた光のほうは、ファイバコイルを回るに要する
時間τ=nL/cだけ遅れる。これは図23(c)のよ
うになる。其処で、モニタ用受光素子11から信号を取
る場合に、(a)の位相で振動するf0 のキャリヤを用
いてこの信号を同期検波すれば、光源のもともとの強度
を求めることができる。
【0141】図24はこのような実施例を示す。光源1
は正弦波発振器60により、周波数f0 の交流(あるい
は交流+直流)で駆動する。ファイバコイル5の一方の
ファイバ光路の途中に位相変調器14を設ける。正弦波
発振器15はこれをfm で変調している。モニタ用受光
素子11から光電流をとり、これをアンプ18で増幅す
る。増幅した信号を、第1の同期検波回路(PSD1)
は位相変調器の変調周波数fm で同期検波する。これは
位相変調方式ではつねに行われることである。基本波ま
たは適当な高調波を同期検波によって得ることができ
る。これは回転速度に比例する右廻り光左廻り光の位相
差Δθを含む値である。
【0142】さらに第2の同期検波回路(PSD2)が
あって、これはモニタ用受光素子11の光電流を、光源
駆動の位相、周波数f0 で同期検波する。この結果は戻
り光の影響をまったく受けず光源の発光強度を与える。
そこで割算器63が、第1同期検波回路の値を第2の同
期検波の回路の結果で割り算する。この結果は、光源の
出力変動の影響のない信号である。
【0143】[実施例(24)] 上に説明したものは光源
の光を直接変調するであった。これに変えて、光路の途
中に変調器を設けてf0 で伝搬光を強度変調するように
しても良い。そしてモニタ用受光素子11の出力をf0
と、fm で同期検波する。この場合戻り光もf0 で振幅
変調を受ける。f0 はfm に較べて小さいのでfm で同
期検波した出力は、2π/f0 程度の時間で平均値をと
るようにすれば良い。
【0144】
【発明の効果】本発明の最大の利点は、分岐合流素子が
一つで済むということである。分岐合流素子は従来必ず
二つ必要であった。ところが本発明では一つで良い。分
岐合流素子はファイバ型のファイバカップラや、バルク
のビ−ムスプリッタがある。いずれにしてもこれを製作
するにはかなりの手数と経費が必要である。
【0145】ファイバカップラは、側面の被覆を除去し
た2本のファイバを平行に融着し延伸して、両者のコア
を近接させて作るものである。コア間距離が十分に短く
なっているから、両者がエバネッセント結合する。外径
が125μmしかない光ファイバをこのように精密に加
工するのは難しい。非常に厳しい製造条件を制御しなが
ら加工を行わなければならないからである。このため光
ファイバジャイロを構成する部品のなかでもファイバカ
ップラは最も高価なものの一つである。
【0146】一方バルク型のビ−ムスプリッタとして
は、CD等で用いられる比較的安価なものがあるが、光
ファイバジャイロに用いる場合は、小さいコアに入射出
射するための集光光学系を構成する必要がある。部品コ
ストがかなり高い。しかも集光光学系のレンズの位置調
整に多大の工数を費やすことになり得策でない。このよ
うに分岐合流素子は光ファイバジャイロのコストを押し
上げる要因である。これを一つ削減できるのであるから
光ファイバジャイロの製作コストを大いに引き下げるこ
とができる。
【0147】さらに本発明では受光素子も減っている。
これによる部品コストの低下も本発明の大いなる利点で
ある。本発明は、従来必須のものと考えられていた受光
素子を省き、光源の発光状態の変化によって干渉光強度
を検出するようにしている。従来にない新規な発明であ
る。
【0148】さらに本発明は、ス−パ−ルミネッセント
または半導体レ−ザを改良し、戻り光に対して高感度で
あり、しかも可干渉長が短い光源を見い出している。こ
れにより、より高感度の光ファイバジャイロを与えるこ
とができる。また偏波面を揃えるために挿入する偏光子
などが、ファイバの中間に入れなけばならないというき
つい制限がなくなるので、光源とファイバ端との間の自
由空間に設けることができる。偏光子、複屈折性材料の
選択の幅が拡がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバジャイロの原理図。
【図2】必須の構成要素のみを含む従来の光ファイバジ
ャイロ(minimum configuratio
n)の構成図。
【図3】分岐合流素子が一つしかない従来例に係る光フ
ァイバジャイロの原理図。
【図4】本発明の光ファイバジャイロの光源、モニタ用
受光素子、APC回路の部分の概略構成図。
【図5】本発明の実施例である光ファイバジャイロの全
体構成図。
【図6】本発明の第2の実施例である偏光子を持たない
光ファイバジャイロの構成図。
【図7】本発明の第3の実施例である偏光子とデポララ
イザを持つ光ファイバジャイロの構成図。
【図8】本発明の第4の実施例である偏光子とデポララ
イザを持つ光ファイバジャイロの構成図。
【図9】本発明の第5の実施例である偏光子と1本の複
屈折性ファイバを持つ光ファイバジャイロの構成図。
【図10】本発明の第6の実施例である分岐合流素子を
ビ−ムスプリッタとした光ファイバジャイロの構成図。
【図11】本発明の第7の実施例であるビ−ムスプリッ
タと偏光子を有する光ファイバジャイロの構成図。
【図12】本発明の第8の実施例である位相変調方式で
高調波も同期検波するようにした光ファイバジャイロの
全体構成図。
【図13】半導体発光素子の発光スペクトルと可干渉長
を説明するためのグラフ。(1)は半導体レ−ザに関
し、(a)は発光スペクトル、(b)は干渉性を示すグ
ラフ。(2)はス−パ−ルミネッセントダイオ−ドに関
し(a)は発光スペクトル、(b)は干渉性を示す。
(3)は縦モ−ドを多数持つ半導体レ−ザに関し(a)
は発光スペクトル、(b)は干渉性を示すグラフ。
【図14】半導体レ−ザの端面に無反射コ−ト(ARコ
−ト)を施したス−パ−ルミネッセントダイオ−ドを光
源に用いたときの、光源発光出力と、光ファイバジャイ
ロの干渉光の強度変化の関係についての測定結果を示す
グラフ。
【図15】全光路に偏波面保持機能を持たせるために、
偏波面保存光ファイバによって構成した本発明の実施例
に係る光ファイバジャイロの構成図。
【図16】ファイバコイルの近傍にデポラライザを挿入
した本発明の実施例に係る光ファイバジャイロの構成
図。
【図17】光源とレンズの間に偏光子または複屈折性媒
質を挿入した本発明の実施例に係る光ファイバジャイロ
の構成図。
【図18】レンズとファイバ端の間に偏光子または複屈
折性媒質を挿入した本発明の実施例に係る光ファイバジ
ャイロに用いられる光源のホルダ、ファイバのフェル−
ル部分の断面図。
【図19】レンズとファイバ端の間に斜めに偏光子また
は複屈折性媒質を挿入した本発明の実施例に係る光ファ
イバジャイロに用いられる光源のホルダ、ファイバのフ
ェル−ル部分の断面図。
【図20】光源を収容したキャップのウインドウに、偏
光子または複屈折性媒質を用いた本発明の実施例に係る
光ファイバジャイロに用いられる光源の断面図。
【図21】ファイバ端を固定するフェル−ルの先端に、
偏光子または複屈折性媒質を取り付けた本発明の実施例
に係る光ファイバジャイロに用いられるフェル−ルの側
面図。
【図22】本発明の光ファイバジャイロにおいて、モニ
タ用受光素子であるフォトダイオ−ドに、光源からの直
接光と、戻り光が入射することを示す概略説明図。
【図23】本発明の光ファイバジャイロにおいて、モニ
タ用受光素子であるフォトダイオ−ドに、光源からの直
接光と、戻り光が入射するが、戻り光は時間τだけ遅れ
るということを説明するための波形図。(a)は光源の
駆動波形、(b)は直接光の波形、(c)は戻り光の波
形図。
【図24】本発明の光ファイバジャイロにおいて位相変
調を採用し、光源を交流駆動し、モニタ用受光素子の出
力を光源の駆動に同期して検波することにより光量変動
を除くようにした改良を示す構成図。
【図25】本発明の光ファイバジャイロにおいて、位相
変調方式を採用した光ファイバジャイロの構成図。
【図26】従来例に係る位相変調方式の光ファイバジャ
イロにおいて、偏光子が中間の光路に位置することを示
すための光ファイバジャイロの構成図。
【符号の説明】
1 光源 2 分岐合流素子 3 偏光子 4 分岐合流素子 5 ファイバコイル 6 ファイバ 7 受光素子 8 ファイバ 9 APC回路 10 レンズ 11 モニタ用受光素子 12 端子 13 端子 14 位相変調器 15 正弦波発振器 16 同期検波器 17 基本波出力(端子) 18 アンプ 20 デポラライザ 21 デポラライザ 22 複屈折ファイバ 23 ビ−ムスプリッタ 24 レンズ 25 レンズ 26 偏光子 27 同期検波器 28 同期検波器 29 2倍波出力 30 4倍波出力 31 2倍逓倍器 32 2倍逓倍器 40 ホルダ 41 フェル−ル 42 フランジ 43 レンズ 44 マウント 45 偏光子 46 複屈折性媒質 47 偏光子 48 複屈折性媒質 49 キャップ 50 ウィンドウ 51 フェル−ル 52 偏光子または複屈折正媒質 60 正弦波発振器 63 割算器

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から出射された光を分岐合流素子に
    よって2つに分岐し、ファイバを多数回コイル状に巻い
    てなるファイバコイルの両端に分岐光を結合し、ファイ
    バコイルを右廻り光、左廻り光として伝搬させ、これら
    の光を分岐合流素子によって合一させ光源に戻るように
    し、この戻り光の強度により光源の発光特性が変化する
    ことを利用し、光源の発光特性を検出することによっ
    て、右廻り光左廻り光の位相差を求め、ファイバコイル
    の回転角速度を検出することを特徴とする光源から信号
    を取り出す光ファイバジャイロ。
  2. 【請求項2】 自動光量制御されている光源から出射さ
    れた光を分岐合流素子によって2つに分岐し、ファイバ
    を多数回コイル状に巻いてなるファイバコイルの両端に
    分岐光を結合し、ファイバコイルを右廻り光、左廻り光
    として伝搬させ、これらの光を分岐合流素子によって合
    一させ光源に戻るようにし、この戻り光の強度により光
    源の発光特性が変化することを利用し、光源の発光特性
    の変化を、自動光量制御がなされている光源の駆動電流
    の変化として取り出し、これに含まれる左廻り光右廻り
    光の位相差を求め、ファイバコイルの回転角速度を検出
    することを特徴とする光源から信号を取り出す光ファイ
    バジャイロ。
  3. 【請求項3】 光源から出射された光を分岐合流素子に
    よって2つに分岐し、ファイバを多数回コイル状に巻い
    てなるファイバコイルの両端に分岐光を結合し、ファイ
    バコイルを右廻り光、左廻り光として伝搬させ、これら
    の光を分岐合流素子によって合一させ光源に戻るように
    し、この戻り光の強度を光源の裏面に設けた受光素子に
    よって検出し、これから左廻り光右廻り光の位相差を求
    め、ファイバコイルの回転角速度を検出することを特徴
    とする光源から信号を取り出す光ファイバジャイロ。
  4. 【請求項4】 モニタ用受光素子を持ち自動光量制御さ
    れている光源から出射された光を分岐合流素子によって
    2つに分岐し、ファイバを多数回コイル状に巻いてなる
    ファイバコイルの両端に分岐光を結合し、ファイバコイ
    ルを右廻り光、左廻り光として伝搬させ、これらの光を
    分岐合流素子によって合一させ光源に戻るようにし、こ
    の戻り光の強度を光源の裏面に設けた前記モニタ用受光
    素子によって検出し、この出力信号から左廻り光右廻り
    光の位相差を求め、ファイバコイルの回転角速度を検出
    することを特徴とする光源から信号を取り出す光ファイ
    バジャイロ。
  5. 【請求項5】 光源から出射された光を分岐合流素子に
    よって2つに分岐し、多数回コイル状に巻かれたファイ
    バよりなり一端に位相変調器を有するファイバコイルの
    両端に分岐光を結合し、ファイバコイルを右廻り光、左
    廻り光として伝搬させ、これらの光を分岐合流素子によ
    って合一させ光源に戻るようにし、この戻り光の強度を
    光源の裏面に設けた受光素子によって検出し、受光素子
    の出力を位相変調の周波数で同期検波し、同期検波出力
    から左廻り光右廻り光の位相差を求め、ファイバコイル
    の回転角速度を検出することを特徴とする光源から信号
    を取り出す光ファイバジャイロ。
  6. 【請求項6】 光源から出射された光を分岐合流素子に
    よって2つに分岐し、多数回コイル状に巻かれたファイ
    バよりなり一端に位相変調器を有するファイバコイルの
    両端に分岐光を結合し、ファイバコイルを右廻り光、左
    廻り光として伝搬させ、これらの光を分岐合流素子によ
    って合一させ光源に戻るようにし、この戻り光の強度を
    光源の裏面に設けた受光素子によって検出し、受光素子
    の出力を位相変調の周波数とその2倍の周波数と、4倍
    の周波数で同期検波し、基本波と4倍高調波の同期検波
    出力の比の値から左廻り光右廻り光の位相差を求め、フ
    ァイバコイルの回転角速度を検出し、2倍高調波出力を
    0にするように位相変調器を制御することを特徴とする
    光源から信号を取り出す光ファイバジャイロ。
  7. 【請求項7】 単色光を発生する光源と、光源の発光出
    力をモニタするモニタ用受光素子と、ファイバをル−プ
    状に巻き回したファイバコイルと、分岐合流素子とを含
    み、光源からの光を分岐合流素子によって2分岐し、そ
    れぞれをル−プ状に巻かれたファイバコイルの両端に結
    合された構成で、ファイバコイルを右廻り光左廻り光に
    伝搬した光を光源に戻し、戻り光による光源の発光状態
    をモニタ用受光素子の光電流または光源の駆動電流の変
    化から求め、これからファイバコイルの回転角速度を検
    出する光ファイバジャイロにおいて、光源として誘導放
    出により発光し複数の縦モ−ドを発生する半導体レ−ザ
    である事を特徴とする光源から信号を取り出す光ファイ
    バジャイロ。
  8. 【請求項8】 単色光を発生する光源と、光源の発光出
    力をモニタするモニタ用受光素子と、ファイバをル−プ
    状に巻き回したファイバコイルと、分岐合流素子とを含
    み、光源からの光を分岐合流素子によって2分岐し、そ
    れぞれをル−プ状に巻かれたファイバコイルの両端に結
    合された構成で、ファイバコイルを右廻り光左廻り光に
    伝搬した光を光源に戻し、戻り光による光源の発光状態
    をモニタ用受光素子の光電流または光源の駆動電流の変
    化から求め、これからファイバコイルの回転角速度を検
    出する光ファイバジャイロにおいて、光源として誘導放
    出による発光を伴い複数の縦モ−ドを伴う状態で発光す
    るス−パ−ルミネッセントである事を特徴とする光源か
    ら信号を取り出す光ファイバジャイロ。
  9. 【請求項9】 光源からの光を分岐合流素子で2分し、
    多数回コイル状に巻かれた光ファイバコイルの両端に結
    合した後、ファイバコイルの出力光を分岐合流素子で合
    成して光源に戻し、光源の動作電流または光源の裏側に
    設けられたモニタ用受光素子の光電流の変化からファイ
    バコイルの回転角速度を検出するようにした光ファイバ
    ジャイロであって、光路の全てが偏波面保持機能を持つ
    ものであることを特徴とする光源から信号を取り出す光
    ファイバジャイロ。
  10. 【請求項10】 光源からの光を分岐合流素子で2分
    し、多数回コイル状に巻かれた光ファイバコイルの両端
    に結合した後、ファイバコイルの出力光を分岐合流素子
    で合成して光源に戻し、光源の動作電流または光源の裏
    側に設けられたモニタ用受光素子の光電流の変化からフ
    ァイバコイルの回転角速度を検出するようにした光ファ
    イバジャイロであって、ファイバコイルがシングルモ−
    ドファイバであり、光路の途中にデポラライザを配置し
    てあることを特徴とする光源から信号を取り出す光ファ
    イバジャイロ。
  11. 【請求項11】 光源からの光を分岐合流素子で2分
    し、多数回コイル状に巻かれた光ファイバコイルの両端
    に結合した後、ファイバコイルの出力光を分岐合流素子
    で合成して光源に戻し、光源の動作電流または光源の裏
    側に設けられたモニタ用受光素子の光電流の変化からフ
    ァイバコイルの回転角速度を検出するようにした光ファ
    イバジャイロであって、ファイバコイルの全体がデポラ
    ライザになっていることを特徴とする光源から信号を取
    り出す光ファイバジャイロ。
  12. 【請求項12】 光源からの光を分岐合流素子に結合す
    る光学系の途中に偏光子または複屈折性媒質を配置した
    事を特徴とする請求項9〜11に記載の光源から信号を
    取り出す光ファイバジャイロ。
  13. 【請求項13】 光源の裏側に設けたモニタ用受光素子
    の光電流の変化から回転角速度を検出することとし、モ
    ニタ用受光素子に入射する光の内、光源から直接に入射
    する光と、ファイバコイルを通過して入射する光を分離
    する手段を備え、分離されたファイバコイル通過光を用
    いてスケ−ルファクタを補正する手段を有する事を特徴
    とする請求項9〜12に記載の光源から信号を取り出す
    光ファイバジャイロ。
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