JPH06128957A - 打設コンクリートの天端測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 場所打ちコンクリート杭等の構築において、
掘削孔等に打設されるコンクリートの天端の位置をリア
ルタイムに測定する天端測定装置を提供する。 【構成】 先端に検出器１が取付けられたワイヤー２
と、同ワイヤー２の他端をエンコーダー３を介して巻取
る巻取装置４と、同巻取装置４のデータを表示する表示
計５とから成り、前記ワイヤー２の先端の検出器１は掘
削孔６中に垂下されて所定深さで停止され、打設コンク
リート７の天端位置が検出器１に到達し当該検出器１が
オン動作されると、その入力信号に基づいて巻取装置４
のモータ８が作動し、巻取られたワイヤー２の長さが前
記エンコーダー３により計測され、前記検出器１がオフ
動作すると同時にモータ８が停止され、ワイヤー２の巻
取量が打設コンクリート７の天端位置として前記表示計
５に表示される。 【効果】 掘削孔内に打設されたコンクリートの天端位
置が自動的に精度良くリアルタイムで測定され、正確に
コンクリートの打設を行うことができ、経済的で高品質
な高耐力場所打ちコンクリート杭等が構築される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、場所打ちコンクリー
ト杭や連続地中壁（以下、高耐力場所打ちコンクリート
杭等と云う）の構築において、掘削孔等に打設されるコ
ンクリートの天端の位置をリアルタイムに測定する天端
測定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】場所打ちコンクリート杭等の構築に際し
ては、掘削孔に打設したコンクリートの天端の位置を測
定しつつコンクリート打設作業が行なわれる。従来、打
設コンクリートの天端位置の測定法としては、例えば、
目盛りの付いたテープに重錘を取付け、この重錘を作
業員の感覚で掘削孔内の安定液中に垂下させ、目盛り付
きの当該テープを伸ばしてコンクリートの天端の位置を
測定する方法が一般に行なわれている。また、ワイヤ
ーに重錘を付けたものを掘削孔内の安定液中に垂下さ
せ、打設コンクリート内に貫入するや否や即座に当該重
錘を巻上げる上下運動を約３〜１０秒の間隔で連続的に
自動制御によって行ない、打設コンクリートの天端位置
を測定する方法も行なわれる。この場合、コンクリート
内に重錘が貫入したかどうかの確認は、掘削孔内の安定
液とコンクリートの比重差や重錘のコンクリートへの貫
入抵抗などによる重錘の重さの変化値を検出することに
よって行なう。

【０００３】

【本発明が解決しようとする課題】上記したの測定方
法は、完全な手作業であるため大変面倒な上、云わば感
覚的な目分量で行われるため正確に打設コンクリートの
天端位置を測ることが困難である。また、の測定方法
は、自動化されてはいるが、連続的な上下運動を定期的
に確実に行なわせる必要があるため装置が複雑になると
共に、当該装置の製作コストも高騰するという問題があ
り、これらの点が解決すべき課題とされている。

【０００４】したがって、本発明の目的は、機構が単純
・簡便な構造で、しかも打設コンクリートの天端の位置
を正確に測定できる打設コンクリートの天端測定装置を
提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明に係る打設コンクリートの天端測
定装置は、図面に実施例を示したとおり、先端に検出器
１が取付けられたワイヤー２と、同ワイヤー２の他端を
エンコーダー３を介して巻取る巻取装置４と、同巻取装
置４のデータを表示する表示計５とから成り、前記ワイ
ヤー２の先端の検出器１は掘削孔６中に垂下されて所定
深さで停止され、打設コンクリート７の天端位置が検出
器１に到達し当該検出器１がオン動作されると、その入
力信号に基づいて巻取装置４のモータ８が作動し、巻取
られたワイヤー２の長さが前記エンコーダー３により計
測され、前記検出器１がオフ動作すると同時にモータ８
が停止され、ワイヤー２の巻取量が打設コンクリート７
の天端位置として前記表示計５に表示されることを特徴
とする。

【０００６】

【作用】ワイヤー２にはその先端に検出器１が取付けら
れ、その他端がエンコーダー３を介して巻取装置４に巻
取り可能に取付けられている。したがって、検出器１を
その付設された重錘１ｂの自重により掘削孔６の安定液
１０内に垂下して所定深さで停止しておくと、前記掘削
孔６内に徐々に打設されてきたコンクリート７の天端の
位置が上昇して遂に前記検出器１に到達し、打設コンク
リート７と安定液１０との比重差のためコンクリートの
天端によって検出器１が押されオン動作される。前記検
出器１のオン動作による入力信号に基づいて巻取装置４
のモータ８が作動され、このモータ８の作動により巻取
られたワイヤー２の長さが前記エンコーダー３により計
測される。ワイヤー２で引き上げられた検出器１がコン
クリート７の天端からわずかでも離れた時点で同検出器
１はオフ動作され、モータ８は停止される。このときの
ワイヤー２の巻取量が打設コンクリート７の天端位置と
して前記表示計５に表示され、掘削孔６内に打設された
コンクリート７の天端の位置がリアルタイムに精度良く
自動的に計測される。

【０００７】

【実施例】次に、図示した本発明の実施例を示す。図１
は、本発明に係る打設コンクリートの天端測定装置の全
体図を示している。図中２はワイヤーであり、その先端
に近接スイッチなどの検出器１が取付けられている。近
接スイッチの詳細を図２に示した。基本的には、上蓋１
ａと重錘１ｂとで構成され、重錘１ｂは垂直な支持棒１
ｅにより上蓋１ａに対して摺動可能に吊設されている。
上蓋１ａには略中央位置にスイッチ部１ｃが下向きに設
置され、重錘１ｂには前記スイッチ部１ｃに対向する位
置に操作部１ｄが上向きに突き出て設置されている。通
常は操作部１ｄがスイッチ部１ｃに直接触れない配置
で、重錘１ｂが上蓋１ａから吊設されている。そして、
重錘１ｂが打設されたコンクリート７の天端により下方
から押し上げられると、その操作部１ｄがスイッチ部１
ｃに近接して近接スイッチたる検出器１がオン動作され
る構成とされている。

【０００８】図中４は前記ワイヤー２を巻取るモータ８
を基本構成とする巻取装置である。この巻取装置４には
エンコーダー３が内蔵されている。よって、掘削孔６に
挿入された前記ワイヤー２の他端は地上でまず滑車９に
より方向決めされた後、当該エンコーダー３を介してモ
ータ８により自動的に巻取り可能な構成とされている。

【０００９】図中５は前記巻取装置４に接続された表示
計であり、巻取装置４のエンコーダー３で測定されたワ
イヤーの巻取量（長さ）がデータとして表示される構成
とされている。したがって、前記ワイヤー２の先端の近
接スイッチたる検出器１は、その重錘１ｂの自重により
掘削孔６内の安定液１０中に降下され、打設コンクリー
ト７の天端位置の測定を開始する所定深さで一旦停止す
る。掘削孔６内に打設されるコンクリート７の天端位置
が徐々に上昇して、検出器１に到達すると、打設コンク
リート７と安定液１０との比重差のためコンクリート７
の天端により押し上げられた重錘１ｂの操作部１ｄによ
って当該検出器１がオン動作される。そのオン動作の入
力信号に基づいて巻取装置４のモータ８が起動され、巻
取られたワイヤー２の長さが前記エンコーダー３により
計測される。かくして引き上げられた重錘１ｂがコンク
リート７の天端から離れた時点で前記検出器１がオフ動
作され、同時にモータ８が停止される。その間のワイヤ
ー２の巻取量が打設コンクリート７の天端位置（深度）
の変化として前記表示計５に表示される。よって、打設
コンクリート７の天端の位置が常に正確に自動的にリア
ルタイムに計測されるから、この表示に基づき打設コン
クリート７の天端位置を常時適切に把握、管理できる。

【００１０】

【本発明が奏する効果】本発明に係る打設コンクリート
の天端測定装置によれば、簡便な当該装置により掘削孔
内に打設されたコンクリートの天端位置が自動的に精度
良くリアルタイムで測定され、当該表示にしたがって正
確にコンクリートの打設を行うことができるので、経費
の節減が図れて経済的な上、高品質な高耐力場所打ちコ
ンクリート杭等の構築に寄与する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の測定装置を示した全体図である。

【図２】検出器を示した拡大図である。

【符号の説明】

１ 検出器 ２ ワイヤー ３ エンコーダー ４ 巻取装置 ５ 表示計 ６ 掘削孔 ７ コンクリート ８ モータ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】先端に検出器が取付けられたワイヤーと、
   同ワイヤーの他端をエンコーダーを介して巻取る巻取装
   置と、同巻取装置のデータを表示する表示計とから成
   り、前記ワイヤー先端の検出器は掘削孔中に垂下されて
   所定深さで停止され、打設コンクリートの天端位置が検
   出器に到達し当該検出器がオン動作されることによりそ
   の入力信号に基づいて巻取装置のモータが作動され、巻
   取られたワイヤーの長さが前記エンコーダーにより計測
   され、前記検出器がオフ動作すると同時にモータが停止
   され、ワイヤーの巻取量が打設コンクリートの天端位置
   として前記表示計に表示されることを特徴とする、打設
   コンクリートの天端測定装置。