JPH06128862A - 透水性タフテッドパイル布帛 - Google Patents

透水性タフテッドパイル布帛

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JPH06128862A
JPH06128862A JP30770092A JP30770092A JPH06128862A JP H06128862 A JPH06128862 A JP H06128862A JP 30770092 A JP30770092 A JP 30770092A JP 30770092 A JP30770092 A JP 30770092A JP H06128862 A JPH06128862 A JP H06128862A
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pile
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Toshio Morita
寿夫 森田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タフテイング直後のパイルが緯糸間で確りと
挟持され裏打加工が簡略化され、透水性人工芝生に適し
たタフテッドパイル布帛を効率的に且つ経済的に得る。 【構成】 幅Wと厚みTとの比率W/Tで示される扁平
率が6以上のテープヤーンを緯糸11とし、緯糸打込間
隔Kとテープヤーンの幅Wとの比率K/Wを1〜1.3
とし、経糸配列間隔Hと経糸太さDとの比率H/Dを2
以上とし、経糸間の隙間(H−D)を0.3mm以上に
設定して織成された一次基布12に、ステッチゲージS
と緯糸打込間隔Kとの比率S/Kを1以上とし、ニード
ルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hを1.2以
上とし、パイル糸13の見掛け太さMとテープヤーン1
1の幅Wとの比率M/Wが1以上となるパイル糸13を
タフテイングし、タフテイング後の一次基布12の少な
くとも一部の布目14を塞ぐことなく裏打用接着剤を裏
打塗布して透水性タフテッドパイル布帛16を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通気性と透水性に優
れ、特に透水性人工芝生に適したタフテッドパイル布帛
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タフテッドパイル布帛によって構成さ
れ、屋外に施工して雨天時に水溜りの出来ない透水性人
工芝生を得るために、本発明者は、パイル糸をタフテイ
ングする一次基布に経糸間隔や経糸間隔が粗くネット状
に織成した織物を使用し、タフテイング後に一次基布の
布目として残る経糸間の隙間を塞じることなく裏打用接
着剤を裏打塗布する方法を発明し、特公昭63−141
21・特開昭58−200706に開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】経糸間隔や経糸間隔を
粗くして大きい布目隙間を形成したネット状織物では目
ズレが起き易く、その目ズレ止めのために織物を高温加
熱してプレスセット経糸と緯糸の交絡している接結点を
付形セットするか又は樹脂加工をして接結点において交
絡する経糸と緯糸の間を接着固定する必要があった。
【0004】しかし経糸と緯糸との接結点を固定セット
すると、タフテイング時に目ズレが起き難く、タフテイ
ング時に一次基布から受ける抗力によってニードルが押
し曲げられ変形する危険がある。何故なら、タフテイン
グ過程において一次基布は常に一定の速度で長さ方向に
搬送されており、一次基布に垂直に差し込まれたニード
ルは一次基布の移動方向に押圧されるからである。
【0005】従って、ニードルが移動する一次基布から
受ける抗力を緩和するには、一次基布の移動方向に目ズ
レが起きる方が寧ろ望まれる訳である。
【0006】そして又、接結点を固定セットした一次基
布では、パイル糸が布目隙間よりも十分に太い場合は別
として、そうでない場合、特に比較的細手のパイル糸で
はタフテイングされたパイルが布目隙間に遊嵌し、パイ
ルが前後左右の経糸間や緯糸間で確りと挟持されないこ
とになるので、裏打用接着剤によって一次基布に接着固
定されるまでの間、パイルは抜け易い不安定な状態にお
かれることになる。
【0007】
【発明の目的】そこで本発明は、一次基布の搬送方向に
タフテイング時に一次基布に目ズレが起き易くし、そう
することによって搬送方向にニードルが一次基布から受
ける抗力を緩和し、且つ、タフテイング後は目ズレによ
って生じた布目の弾性的復元力によってパイルが経糸間
や緯糸間で確りと挟持されるようにし、而も、一次基布
が透水孔となる大きい布目を有し、透水性人工芝生に適
したタフテイングパイル布帛が得られるようにすること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るタフテッド
パイル布帛16は、幅Wと厚みTとの比率W/Tで示さ
れる扁平率が6以上のテープヤーンを緯糸11とし、緯
糸打込間隔Kとテープヤーンの幅Wとの比率K/Wを1
〜1.3とし、経糸配列間隔Hと経糸太さDとの比率H
/Dを2以上とし、経糸間の隙間(H−D)を0.3m
m以上に設定して織成された一次基布12に、ステッチ
ゲージSと緯糸打込間隔Kとの比率S/Kを1以上と
し、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/H
を1.2以上とし、パイル糸13の見掛け太さMとテー
プヤーン11の幅Wとの比率M/Wが1以上となるパイ
ル糸13がタフテイングされており、タフテイング後の
一次基布12の少なくとも一部の布目14を塞ぐことな
く裏打用接着剤を裏打塗布してパイル17を一次基布1
2に固定したことを特徴とするものである。
【0009】慣用されるテープヤーンに成る一次基布に
関して検討するに、テープヤーン11を用い隙間なく緻
密に織成された織物12が、仮令経糸配列間隔Hとなる
経糸太さDとの比率がH/Dが2以上で経糸間に配列間
隔Hと太さDとの差(H−D)に経糸太さDの数倍nに
及ぶ大きい隙間(nD=H−D)をもって経糸15が配
列されていても、テープヤーンに成る緯糸間に隙間な
く、前後する緯糸11A・11Bが密着する程度に緯糸
打込間隔Kを緻密に織成されている場合には、畳表や御
座がそうであるように搬送過程等において織物12に目
ズレは起き難い。又、表裏を軽く挟んで把持したテープ
ヤーン11をその幅方向に押圧すると、テープヤーン1
1は幅方向に折り畳まれるように幅Wを縮めて加撚され
た紡績糸や合撚糸の如き非扁平断面の糸条へと変形し易
い。一方、そのテープヤーン11を幅方向への押圧から
解くと、テープヤーン11の有する弾性回復力によって
幅方向に伸びて元の扁平断面のテープヤーン11へと復
元し易い。
【0010】本発明は、かかるテープヤーン11の性質
を利用して完成されたものであり、かかるテープヤーン
11の性質を考慮するとき、緯糸打込間隔Kとテープヤ
ーンの幅Wとの比率K/Wを1〜1.2とし、加撚され
た糸条を経糸15に使用し、経糸配列間隔Hと経糸太さ
Dとの比率H/Dを3以上とし、経糸間の隙間(H−
D)を1.0mm以上に設定して一次基布12を織成
し、ステッチゲージSと緯糸打込間隔Kとの比率S/K
を2以上とし、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの
比率G/Hを2以上とし、パイル糸13の見掛け太さM
が、経糸間の隙間(H−D)とニードルゲージGと経糸
配列間隔Hとの比率G/Hとの関係において、(H−
D)≦M≦(H−D)×{(G/H)−1}となり、パ
イル糸13の見掛け太さMとテープヤーン11の幅Wと
の比率M/Wが1以上となるパイル糸13をタフテイン
グして、ニードルゲージ方向において隣り合うバックス
テッチ18とバックステッチ18との間に少なくとも2
本の経糸15A・15Bが介在するようにすることが望
まれる。
【0011】即ち、テープヤーン11を緯糸とし、その
幅Wと打込間隔Kとの比率K/Wを1〜1.3とした織
物12では、前後して打ち込まれるテープヤーン11A
・11Bの間は略密着していている。このため織物全体
は一見して隙間がなく緻密に織成されたかの如き観を呈
し、それを一次基布12とした場合には透水性タフテッ
ドパイル布帛は得難く思われる。しかし、経糸配列間隔
Hと経糸太さDとの比率H/Dを2以上とし、経糸間の
隙間(H−D)を0.3mm以上に設定して一次基布1
2を織成し、それにステッチゲージSと緯糸打込間隔K
との比率S/Kを1以上とし、ニードルゲージGと経糸
配列間隔Hとの比率G/Hを1.2以上とし、パイル糸
13の見掛け太さMとテープヤーン11の幅Wとの比率
M/Wが1以上となるパイル糸13をタフテイングとす
ると、ニードル19が貫通してパイル17が植設された
箇所では、1個のパイル17を構成する2個(一対)の
パイル片はバックステッチ18の続くステッチ方向に縦
に重なって並び、そのパイル17の植設された箇所で前
後する2本のテープヤーン11C・11Dの間(14)
は、縦に重なった2個のパイル片によってテープヤーン
11C・11Dがその扁平断面の幅方向に折り畳まれる
ように圧縮されて押し広げられ、その間に2個のパイル
片の太さ分の長さN(2M)の隙間が出来ることにな
る。
【0012】例えば、ニードルゲージGと経糸配列間隔
Hとの比率G/Hが1.2(G/H=1.2)の場合
は、5ニードルゲージ(5G)即ちニードルゲージ方向
(一次基布の幅方向)にバックステッチ5列につき1回
の割合で隣り合うバックステッチ18・18の間に2本
の経糸15A・15Bが介在することになり、その2本
の経糸15A・15Bの間にはパイル片(17)が介在
しないことになるから、そこに前後の緯糸11C・11
Dと左右の経糸15A・15Bに囲まれたパイルの植設
されない布目14が残ることになる。そのパイルの植設
されない布目14は、前後する2本の緯糸11Cと11
Dの間が左右に2個縦に並んだパイル片に押し広げられ
てパイル糸13の見掛け太さMの2倍分の長さN(N=
2M)の細長いスリット孔(14)になり、そのように
細長い布目14では、塗布される裏打用接着剤の塗膜が
左右の経糸15A・15Bに沿って亀裂し易く、そのよ
うにステッチ方向に続く何れかの細長い布目14におけ
る裏打用接着剤の塗膜の亀裂によって仕上がったタフテ
ッドパイル布帛に透水孔(14)が出来、それによって
透水性人工芝生(16)を得ることが出来る。
【0013】このようにして一次基布に細長いスリット
孔として出来る透水孔14の長さNは、一次基布にタフ
テイングされた状態でのパイル糸13の見掛け太さMに
よって設定されることになる。従って本発明における
「パイル糸の見掛け太さ」とは、パイル糸を無緊張状態
に放置した状態での見掛け太さではなく、一次基布に差
し込まれて貫通する一次基布の貫通孔内の周囲の繊維に
囲まれた状態におけるパイル糸の見掛け太さを意味す
る。
【0014】このようにして出来る透水孔14の幅は、
経糸配列間隔Hと経糸太さDとの比率H/Dと経糸間の
隙間(H−D)を大きくすることによって広くすること
が出来、その透水孔14の長さNは、パイル糸13の見
掛け太さMおよびパイル糸13の見掛け太さMとテープ
ヤーン11の幅Wとの比率M/Wを大きくすることによ
って長くすることが出来る。又、その透水孔14の数
(タフテッドパイル布帛における分布密度)は、ニード
ルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hを大きくし
て増やすことが出来、例えば、その比率G/Hを2以上
にすると各バックステッチ列とバックステッチ列の間に
透水孔14を形成することが出来る。従って、経糸配列
間隔Hと経糸太さDとの比率H/Dは3以上になるよう
にし、経糸間の隙間(H−D)を1.0mm以上に設定
し、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/H
を2以上とし、パイル糸の見掛け太さMとテープヤーン
11の幅Wとの比率M/Wが2以上になるようにするこ
とが望まれ、又、経糸15には断面が非扁平の加撚され
た糸条を用い、更に好ましくは、ニードルゲージGと経
糸配列間隔Hとの比率G/Hを2以上とする場合、パイ
ル糸13の見掛け太さMは、経糸間の隙間(H−D)と
ニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hとの
関係において、(H−D)≦M≦(H−D)×{(G/
H)−1}となり、パイル糸13の見掛け太さMとテー
プヤーン11の幅Wとの比率M/Wが1以上となるよう
にすると効果的である。
【0015】具体的に説明すると、タフテッドカーペッ
トの一次基布として慣用されているテープヤーン織基布
のテープヤーンの如く、幅Wが2mmのポリプロピレン
テープヤーンを緯糸11とし、緯糸打込間隔Kを2.2
mmとし、1500デニールで加撚された見掛け太さD
が0.3mmのポリエステル長繊維フイラメント糸を経
糸15とし、経糸配列間隔Hを2mmとして織成された
一次基布12では、緯糸打込間隔Kとテープヤーンの幅
Wとの比率K/Wは1.1となり、経糸配列間隔Hと経
糸太さDとの比率H/Dは約7となり、経糸間の隙間
(H−D)は1.7mmとなる。この一次基布12に、
見掛け太さMが2mmの6000デニールの塩化ビニリ
デンテープヤーンをパイル糸13として、ステッチゲー
ジSと緯糸打込間隔K(2.2mm)の比率S/Kをn
とし、ニードルゲージGと経糸配列間隔H(2mm)の
比率G/Hをmとしてタフテイングすると、ステッチ方
向に続くパイルとパイルの間にはn本のテープヤーン1
1が介在し、又、ニードルゲージ方向のバックステッチ
とバックステッチの間隔はm×(H−D)となり、バッ
クステッチとバックステッチの間にパイル糸の見掛け太
さを差し引いたm×(H−D)−Mだけの経糸間の隙間
が残ることになる。ここでニードルゲージGが5/16
吋(約8mm)のタフテッド機においてステッチゲージ
Sを7mmとしてタフテイングすると、ステッチゲージ
Sと緯糸打込間隔Kの比率S/K(n)は約3となり、
緯糸テープヤーン3本につき1回の割合で布目の緯糸テ
ープヤーンの間がパイル糸の見掛けの太さMの2倍(N
=2M)になり、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hの
比率G/H(m)は4となり、バックステッチとバック
ステッチの間にはm×(H−D)−M=4×(2−0.
3)−2=4×1.7−2=4.8mmに相当する経糸
間の隙間(H−D=1.7mm)が残ることになる。
【0016】ところで、ニードルゲージGと経糸配列間
隔Hの比率G/H(m)が4と言うことは、経糸4本に
つき1個の割合でパイルがタフテイングされると言うこ
と、つまり、ニードルゲージ方向の一次基布の布目4個
につき1個の割合でパイルがタフテイングされ残りの3
個の布目はパイルがタフテイングされずに残ることを意
味し、バックステッチとバックステッチの間に4.8m
mに相当する経糸間の隙間(H−D=1.7mm)が残
ると言うことは、パイルがタフテイングされずに経糸間
の隙間が元の1.7mmとなっている布目が4.8÷
1.7=2.8個即ち少なくとも2個は残ると言うこと
を意味する。そしてタフテイング箇所の横の布目の長さ
Nはパイル糸の見掛けの太さMの2倍の4mmになるか
ら、そのタフテイングされずに経糸間の隙間が元の1.
7mmとなって残る2個の布目は、それぞれ長さNが4
mmで幅(H−D)が1.7mmの透水孔14を構成す
ることになる。
【0017】このようにして出来る細長い布目14を塞
ぐことなく裏打用接着剤を裏打塗布してタフテッドパイ
ル布帛を仕上げるには、裏打用接着剤の裏打塗布面に高
圧気流を当てて布目14に出来る裏打用接着剤の塗膜を
打ち破ってから加熱ゾーンに通して裏打用接着剤を固化
するとよい。その場合、裏打塗布する裏打用接着剤に塞
がれないようにし、又、裏打用接着剤が塗着して塞がれ
ても塗膜が亀裂して布目14が透水孔として残るように
するためにも、経糸間の隙間(H−D)は少なくとも
0.3mmになるようにし、好ましくは0.5mm以
上、更に好ましくは1mm以上に設定するとよい。特
に、ニードルゲージGと経糸配列間隔Hの比率G/H
(m)を大きく設定した場合に、隣り合って出来る数個
の布目14が纏まった大きい透水孔を形成するようにす
るため、その隣り合う布目の間を仕切る経糸は加撚によ
って見掛け太さDを経糸間の隙間(H−D)よりも細く
なるようにするとよい。そのためにもタフテイングされ
ずに経糸間の隙間(H−D)が元のままに残る布目の数
が2個以上、好ましくは3個以上になるようにニードル
ゲージGと経糸配列間隔Hの比率G/H(m)を4以上
にし、又、経糸の見掛け太さDと経糸間の隙間(H−
D)との比率D/(H−D)は、0.5以下に、好まし
くは0.3以下で概して0.5〜0.1になるようにす
るとよく、そうすることによって裏打用接着剤が経糸に
塗着し難くなり、仮令裏打用接着剤が隣り合う数個の纏
まった布目を塞ぐように塗着しても、その裏打用接着剤
の塗膜は隣り合う布目の間を仕切る細い経糸の長さ方向
に沿って亀裂し易くなり、裏打用接着剤の塗膜が亀裂し
て纏まった数個の布目による透水孔14が出来易くな
る。
【0018】緯糸に使用するテープヤーン11は、プラ
スチックフイルムを細長くテープ状に裁断しただけのも
のでもよいし、稍々幅広くテープ状に裁断したものを幅
方向に折り畳んで数重に重ねたものであってもよく、
又、プラスチックフイルムの長さ方向にスリットを入れ
たスリットヤーンやスプリットヤーンであってもテープ
状をなすものであればよい。一方、経糸15は、紡績糸
でもマルチフイラメント糸でもよいし、又、加撚された
紡績糸やマルチフイラメント糸の如く断面が丸みを帯び
たものであればスリットヤーンやスプリットヤーンでも
よく、経糸の見掛け太さDと経糸間の隙間(H−D)と
の比率D/(H−D)を0.5以下とし、経糸間の隙間
(H−D)を0.3mm以上とする限り、テープヤーン
を経糸15に使用することも出来る。
【0019】
【発明の効果】本発明によると、前記の通りテープヤー
ン11を緯糸とし、テープヤーン11A・11Bの間に
隙間なく緻密に織成した織物12では、仮令経糸配列間
隔Hとなる経糸太さDとの比率がH/Dが2以上で経糸
間に配列間隔Hと太さDとの差(H−D)に経糸太さD
の数倍nに及ぶ大きい隙間(nD=H−D)をもって経
糸15が配列されていても搬送過程等の通常の状態では
目ズレが起き難い一方、幅方向に押圧するとテープヤー
ン11は幅Wを縮めて非扁平断面の糸条へと変形し易
く、その幅方向への押圧を解くと押圧によって蓄積され
た弾性回復力によって幅方向に伸びて元の扁平断面のテ
ープヤーン11へと復元し易いので、タフテイング時に
一次基布12に差し込まれるニードル19によってテー
プヤーン11がステッチ方向に目ズレを起こし、その目
ズレによってニードル19のステッチ方向への撓みが緩
和され、又、ニードル19が抜き取られた場合には目ズ
レによって蓄えられたテープヤーン11の弾性回復力に
よってパイル17が強く把持される。
【0020】そして、緯糸打込間隔Kとテープヤーンの
幅Wとの比率K/Wを1〜1.3とした一次基布12で
は、畳表や御座がそうであるように通常の状態では目ズ
レは容易には起きないので、一次基布12の布目の目ズ
レによってタフテイング密度が不規則になるようなこと
も起こらず、かくして、布目隙間が多く目粗なネット状
一次基布にタフテイングした場合と全く同様に透水性タ
フテッドパイル布帛16が得られる。一方、目粗なネッ
ト状一次基布を用いる場合と異なり、本発明では一次基
布12の目ズレを防ぐための熱セット加工や樹脂による
布目のセット加工が不要になるので経済的であるだけで
はなく、ニードル19の一次基布12から受ける抵抗が
少なくなるので、タフテイング効率が向上する。そして
前記の通り、タフテイング直後のパイル17が緯糸間1
1C・11Dで確りと挟持されるので裏打加工も簡略化
される。
【0021】かくして本発明によると、透水性人工芝生
に適したタフテッドパイル布帛16が効率的且つ経済的
に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一次基布とタフテッドパイル布帛
のタフテイング箇所での拡大斜視図である。
【符号の説明】
11 緯糸(テープヤーン) 12 一次基布(織物) 13 パイル糸 14 布目・スリット孔(透水孔) 15 経糸 16 タフテッドパイル布帛(人工芝生) 17 パイル 18 バックステッチ 19 ニードル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅Wと厚みTとの比率W/Tで示される
    扁平率が6以上のテープヤーンを緯糸11とし、緯糸打
    込間隔Kとテープヤーンの幅Wとの比率K/Wを1〜
    1.3とし、経糸配列間隔Hと経糸太さDとの比率H/
    Dを2以上とし、経糸間の隙間(H−D)を0.3mm
    以上に設定して織成された一次基布12に、ステッチゲ
    ージSと緯糸打込間隔Kとの比率S/Kを1以上とし、
    ニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hを
    1.2以上とし、パイル糸13の見掛け太さMとテープ
    ヤーン11の幅Wとの比率M/Wが1以上となるパイル
    糸13がタフテイングされており、タフテイング後の一
    次基布12の少なくとも一部の布目14を塞ぐことなく
    裏打用接着剤を裏打塗布してパイル17を一次基布12
    に固定したことを特徴とする透水性タフテッドパイル布
    帛。
  2. 【請求項2】 幅Wと厚みTとの比率W/Tで示される
    扁平率が6以上のテープヤーンを緯糸11とし、緯糸打
    込間隔Kとテープヤーンの幅Wとの比率K/Wを1〜
    1.2とし、経糸配列間隔Hと経糸太さDとの比率H/
    Dを3以上とし、経糸間の隙間(H−D)を1.0mm
    以上に設定して織成された一次基布12に、ステッチゲ
    ージSと緯糸打込間隔Kとの比率S/Kを2以上とし、
    ニードルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hを2
    以上とし、パイル糸13の見掛け太さMとテープヤーン
    11の幅Wとの比率M/Wが2以上となるパイル糸13
    がタフテイングされており、タフテイング後の一次基布
    12の少なくとも一部の布目14を塞ぐことなく裏打用
    接着剤を裏打塗布してパイル17を一次基布12に固定
    したことを特徴とする透水性タフテッドパイル布帛。
  3. 【請求項3】 幅Wと厚みTとの比率W/Tで示される
    扁平率が6以上のテープヤーンを緯糸11とし、緯糸打
    込間隔Kとテープヤーンの幅Wとの比率K/Wを1〜
    1.3とし、加撚された糸条を経糸15とし、経糸配列
    間隔Hと経糸太さDとの比率H/Dを2以上とし、経糸
    間の隙間(H−D)を0.3mm以上に設定して織成さ
    れた一次基布12に、ステッチゲージSと緯糸打込間隔
    Kとの比率S/Kを1以上とし、ニードルゲージGと経
    糸配列間隔Hとの比率G/Hを2以上とし、パイル糸1
    3の見掛け太さMが、経糸間の隙間(H−D)とニード
    ルゲージGと経糸配列間隔Hとの比率G/Hとの関係に
    おいて、(H−D)≦M≦(H−D)×{(G/H)−
    1}となり、パイル糸13の見掛け太さMとテープヤー
    ン11の幅Wとの比率M/Wが1以上となるパイル糸1
    3がタフテイングされており、ニードルゲージ方向にお
    いて隣り合うバックステッチ18とバックステッチ18
    との間に少なくとも2本の経糸15A・15Bが介在
    し、その介在する経糸間15A・15Bの少なくとも一
    部の経糸間の隙間(H−D=0.3mm)以上の幅とパ
    イル糸13の見掛け太さの二倍(2M)の長さの布目1
    4を塞ぐことなく裏打用接着剤を裏打塗布してパイル1
    7を一次基布12に固定したことを特徴とする透水性タ
    フテッドパイル布帛。
  4. 【請求項4】 幅Wと厚みTとの比率W/Tで示される
    扁平率が6以上のテープヤーンを緯糸11とし、緯糸打
    込間隔Kとテープヤーンの幅Wとの比率K/Wを1〜
    1.3とし、経糸配列間隔Hと経糸太さDとの比率H/
    Dを2以上とし、経糸間の隙間(H−D)を0.3mm
    以上とし、経糸太さDと経糸間の隙間(H−D)との比
    率D/(H−D)が0.5以下に設定して織成された一
    次基布12に、ステッチゲージSと緯糸打込間隔Kとの
    比率S/Kを1以上とし、ニードルゲージGと経糸配列
    間隔Hとの比率G/Hを1.2以上とし、パイル糸13
    の見掛け太さMとテープヤーン11の幅Wとの比率M/
    Wが1以上となるパイル糸13がタフテイングされ、タ
    フテイング後の一次基布12が経糸間の隙間(H−D)
    が0.3mm以上でパイル糸13の見掛け太さMの2倍
    以上(2M以上)のパイル糸13によって押し広げられ
    た布目14を有し、その少なくとも一部の布目14を塞
    ぐことなく裏打用接着剤を裏打塗布してパイル17を一
    次基布12に固定して構成されていることを特徴とする
    透水性タフテッドパイル布帛。
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