JPH06128333A - プレポリマーの製造方法 - Google Patents

プレポリマーの製造方法

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JPH06128333A
JPH06128333A JP30650092A JP30650092A JPH06128333A JP H06128333 A JPH06128333 A JP H06128333A JP 30650092 A JP30650092 A JP 30650092A JP 30650092 A JP30650092 A JP 30650092A JP H06128333 A JPH06128333 A JP H06128333A
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JP
Japan
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bis
phenyl
prepolymer
propenyl
hydroxy
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Pending
Application number
JP30650092A
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English (en)
Inventor
Akira Washimi
章 鷲見
Masao Takei
正雄 武井
Kaoru Kimura
馨 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 硬化中に水が副生することがなく、硬化触媒
を配合しなくてもそれ自体を加熱することにより、耐熱
性及び機械的強度に極めて優れる硬化物へ変換ができ、
更に有機溶媒に可溶であるプレポリマーを提供する。 【構成】 式(a)で表されるジアルケニルビスフェノ
ールの1種若しくは2種以上と、式(b)で表されるイ
ミド基を1分子内に少なくとも2個含有するポリイミド
の1種若しくは2種以上と、を60〜160℃で反応さ
せることを特徴とするプレポリマーの製造方法。 (XはCH−,−C(CH−,−C(CF
−,−C(CH)(CH)−,−CO−,−
SO−,−SO−,−S−及び−O−等のうち1つ
を、nは0又は1を、Rはアルケニル基を、RはH
又はハロゲン原子を表す。) (但し、Dは炭素−炭素二重結合を含有する二価の基を
表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレポリマーの製造方
法に関し、詳しくは、種々の有機溶媒に可溶であり、そ
れ自体で熱硬化可能であり、且つ耐熱性及び機械強度に
優れる硬化物に変換できるプレポリマーを製造する方法
に関する。本発明で製造されるプレポリマーは、耐熱性
薄膜用コーティング塗料、高耐熱性プリプレグ、配線基
盤材料、積層板、耐熱性成形材料、航空宇宙材料及び構
造材料等に利用される。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器製品の単位体積当たりの
発熱量は増大し、また使用条件の苛酷化が進んでいるの
で、電気機器に用いられる絶縁材料、基板材料等の樹脂
にはさらなる耐熱性向上の要求が高まっている。代表的
な耐熱性樹脂としてポリイミドが挙げられるが、通常の
ポリイミドは種々の溶媒に対して不溶であり、且つ不融
であるため、そのままでは成形材料に加工することは困
難である。従って、この樹脂の成形方法としては、一般
的には、酸二無水物とジアミンとを極性溶媒中で溶液重
合させ、ポリイミドの前駆体としてポリアミック酸を得
た後、そのポリアミック酸を流延もしくは種々のフィラ
ーや繊維に含浸させ、溶媒を除去した後脱水環化させる
こととしている。また、付加反応型のポリイミドとして
は、例えば、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンと
ビス(4−アミノフェニル)メタンとの付加物が、耐熱
性樹脂として知られている。一方、硬化型のポリイミド
が高耐熱性樹脂としては、例えば、ビス(4−マレイミ
ドフェニル)メタンと2,2−ビス[4−ヒドロキシ−
3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル]プロパ
ンとの硬化物等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記ポリアミ
ック酸を経由する製法に於いては、成形中に水が副生す
るという問題が生じる。また、上記付加反応型のポリイ
ミドの製造工程中に於いては、水が副生することはない
ものの、得られたポリイミドは直鎖状であり、架橋点が
無いためガラス転移点が比較的低く、高耐熱性樹脂とし
ての使用条件には絶えられない。更に、上記硬化型のポ
リイミドは、その硬化物の耐熱性は比較的高いものの、
硬く且つ脆いといった欠点を有している。
【0004】本発明は、硬化中に水が副生することがな
く、耐熱性及び機械的強度に極めて優れる硬化物へそれ
自体で(硬化触媒を用いなくても)変換ができ、更に有
機溶媒に可溶であるプレポリマーを提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、所定のジアル
ケニルビスフェノールとポリイミドとをオリゴメリゼー
ションすることにより、それ自体で熱硬化可能なプレポ
リマーが得られ、これが耐熱性樹脂として適しているこ
とを見出して、本発明を完成したものである。本発明の
プレポリマーの製造方法は、上記化1の一般式(a)で
表されるジアルケニルビスフェノールの1種若しくは2
種以上と、上記化2の一般式(b)で表されるイミド基
を1分子内に少なくとも2個含有するポリイミドの1種
若しくは2種以上と、を60〜160℃で反応させるこ
とによって得られることを特徴とする。
【0006】本発明で用いられる「ジアルケニルビスフ
ェノール」は、上記化1に示す一般式(a)で表される
化合物である。このジアルケニルフェノールとしては、
化6に示す一般式(f)で表される二環式化合物からな
るものとすることができる。
【0007】
【化6】
【0008】このジアルケニルビスフェノールとして
は、例えば、2,2−ビス〔4ーヒドロキシ−3−(2
−プロペニル)フェニル〕プロパン、ビス〔4−ヒドロ
キシ−3−(2−プロペニル)フェニル〕メタン、ビス
〔4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル〕
スルホキシド、ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−プロ
ペニル)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−ヒドロキシ
−3−(2−プロペニル)フェニル〕エーテル、ビス
〔4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル〕
スルホン、1,1−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−
プロペニル)フェニル〕エチルベンゼン、1,1−ビス
〔4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル〕
シクロヘキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−プロ
ペニル)フェニル〕プロパン、ビス〔4−ヒドロキシ−
3−(2−プロペニル)フェニル〕ケトン、9,9−ビ
ス〔4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニ
ル〕フルオレン、3,3−ビス〔4−ヒドロキシ−3−
(2−プロペニル)フェニル〕フタリド、ビス〔2−ヒ
ドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル〕メタン、
ビス〔2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニ
ル〕ケトン、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)
フェニル 4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フ
ェニルケトン、2,2−ビス〔4ーヒドロキシ−3−
(2−メチル−2−プロペニル)フェニル〕プロパン、
ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペ
ニル)フェニル〕メタン、ビス〔4−ヒドロキシ−3−
(2−メチル−2−プロペニル)フェニル〕スルホキシ
ド、ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プ
ロペニル)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−ヒドロキ
シ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル〕エ
ーテル、ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル〕スルホン、1,1−ビス〔4
−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フ
ェニル〕エチルベンゼン、1,1−ビス〔4−ヒドロキ
シ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル〕シ
クロヘキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロ−2,2−ビス、〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチ
ル−2−プロペニル)フェニル〕プロパン、ビス〔4−
ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェ
ニル〕ケトン、9,9−ビス〔4−ヒドロキシ−3−
(2−メチル−2−プロペニル)フェニル〕フルオレ
ン、3,3−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル
−2−プロペニル)フェニル〕フタリド、ビス〔2−ヒ
ドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニ
ル〕メタン、ビス〔2−ヒドロキシ−3−(2−メチル
−2−プロペニル)フェニル〕ケトン、2−ヒドロキシ
−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル、4−
ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェ
ニルケトン等が挙げられる。
【0009】また、本発明で用いられる「ポリイミド」
は、上記化2に示す一般式(b)で表されるイミド基を
1分子内に少なくとも2個含有する化合物である。この
イミド基を2個以上とするのは、プレポリマーの重合度
を高めるためである。このポリイミドとしては、上記化
2に示す一般式(b)中のDが、以下の化3で表される
二価の基であるものとすることができる。
【0010】
【化3】
【0011】更に、このポリイミドとしては、以下の化
4に示す一般式(d)で表されるビスマレイミドとする
ことができるし、また、この一般式(d)中のAが、以
下の化5に示す一般式(e)で表される基からなるもの
とすることもできる。
【0012】
【化4】
【化5】
【0013】このポリイミドとしては、例えば、ビス
(4−マレイミドシクロヘキシル)メタン、ビス(3−
マレイミドシクロヘキシル)メタン、ビス(4−マレイ
ミドフェニル)メタン、ビス(3−マレイミドフェニ
ル)メタン、ビス(3−メチル−4−マレイミドフェニ
ル)メタン、ビス(3−エチル−4−マレイミドフェニ
ル)メタン、ビス(3−プロピル−4−マレイミドフェ
ニル)メタン、ビス(3−ブチル−4−マレイミドフェ
ニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミ
ドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マ
レイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジプロピル
−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジ
ブチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−
エチル−4−マレイミド−5−メチルフェニル)メタ
ン、1,2−ジマレイミドベンゼン、1,3−ジマレイ
ミドベンゼン、1,4−ジマレイミドベンゼン、1,5
−ジマレイミドベンゼン、1,2−ジマレイミドベンゼ
ン、1,3−ジマレイミドベンゼン、1,4−ジマレイ
ミドベンゼン、1,4−ビス(4−マレイミドフェニ
ル)ベンゼン、2−メチル−1,4−ジマレイミドベン
ゼン、4−メチル−1,3−ジマレイミドベンゼン、4
−エチル−1,3−ジマレイミドベンゼン、5−エチル
−1,3−ジマレイミドベンゼン、2,3−ジメチル−
1,4−ジマレイミドベンゼン、2,5−ジメチル−
1,4−ジマレイミドベンゼン、2,6−ジメチル−
1,4−ジマレイミドベンゼン、4,6−ジメチル−
1,3−ジマレイミドベンゼン、2,4,6−トリメチ
ル−1,3−ジマレイミドベンゼン、2,3,5,6−
テトラメチル−1,4−ジマレイミドベンゼン、1,5
−ジマレイミドナフタレン、1,8−ジマレイミドナフ
タレン、2,6−ジマレイミドナフタレン、2,3−ジ
マレイミドナフタレン、2,7−ジマレイミドナフタレ
ン、1,4−ジマレイミドナフタレン、ビス(4−マレ
イミドフェニル)スルホン、ビス(3−マレイミドフェ
ニル)スルホン、2,2−ビス〔4−(4−マレイミド
フェニルオキシ)フェニル〕スルホン、ビス(4−マレ
イミドフェニル)エーテル、ビス(3−マレイミドフェ
ニル)エーテル、2,7−ジマレイミドフルオレン、
9,9ビス(4−マレイミドフェニル)フルオレン、
9,9ビス(4−マレイミド−3−メチルフェニル)フ
ルオレン、9,9ビス(3−エチル−4−マレイミドフ
ェニル)フルオレン、3,7−ジマレイミド−2−メト
キシフルオレン、1,2−ジマレイミドアントラキノ
ン、1,5−ジマレイミドアントラキノン、2,6−ジ
マレイミドアントラキノン、4,4’−ジマレイミドビ
フェニル、3,3’−ジマレイミドビフェニル、3,
4’−ジマレイミドビフェニル、2,2−ビス(4−マ
レイミド フェニル)プロパン、2,2−ビス〔4−
(4−マレイミド フェニルオキシ)フェニル〕プロパ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス〔4−(4−マレイミド フェニルオキシ)フェ
ニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス(4−マレイミド フェニル)プロ
パン、ビス(4−マレイミドフェニル)スルフィド、ビ
ス(3−マレイミドフェニル)スルフィド、ビス(4−
マレイミドフェニル)スルホキシド、ビス(3−マレイ
ミドフェニル)スルホキシド、ビス(4−マレイミドフ
ェニル)ケトン、2,5−ジマレイミド−1,3−キシ
レン、1,4−ビス(4−マレイミドフェニル)シクロ
ヘキサン、3,7−ジマレイミドフェナントレン、3,
6−ジマレイミドアクリジン、ビス(4−マレイミドフ
ェニル)ジフェニルシラン等が挙げられる。
【0014】両モノマーの添加割合は、特に限定されな
いが、アルケニル基1モルに対してイミド基が0.5〜
2.0モル(より好ましくは0.7〜1.5モル)とな
るようにするのが、好ましい。これは、0.5未満では
未反応モノマーの残存率が高くなり、また2.0を越え
るとマレイミドの単独重合が促進され、得られるプレポ
リマーが各種溶剤に対して不溶となるためである。
【0015】本発明における反応温度は、上記「60〜
160℃」(好ましくは100〜140℃)である。こ
れが60℃未満では目的のプレポリマーは得られ難く、
また未反応モノマーが系内に多く残存するため好ましく
ない。また、これが160℃を越えると、架橋反応が進
行し、系内はゲル化するため、生成物は種々の有機溶媒
に対して不溶となり、好ましくない。反応時間は、通
常、8〜48時間でよいが、1H−核磁気共鳴スぺクト
ル、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、
GPCという。)で出発原料の消費を追跡するのが好ま
しい。更に、有機溶媒中で、上記プレポリマーを合成す
ることは可能ではあるが、反応途中で系内がゲル化し、
反応制御が困難となるため、無溶媒中で行うのが好まし
い。
【0016】更に、反応を行うに当たり、ラジカル開始
剤の使用の有無は問わないが、反応途中で系内がゲル化
し、反応制御が困難となる場合があるため、開始剤を用
いないのが好ましい。このラジカル開始剤の種類として
は、特に限定されず、公知の種々のものを選択して使用
することができる。この開始剤としては、例えば、
(A)過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化−ter
t(以下、tという。)−ブチル、過酸化ベンゾイル、
過酸化ラウロイル、過酢酸t−ブチル、過安息香酸te
rt−ブチル、等の過酸化物、更に、(B)2,2’−
ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン,1,1’−ア
ゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス
−(2−アミノプオロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2’−ジクロロ−2,2’
−アゾビスブタン、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉
草酸、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタ
ン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルア
ゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニル
メタン等のアゾ化合物を用いることができる。
【0017】上述の如く所定の条件下において反応させ
た後、反応物をかきだし、粉砕機等で粉砕することによ
って、粉末状の本発明プレポリマーが得られる。この得
られるプレポリマー中には、通常、未反応のジアルケニ
ルビスフェノール及びポリイミドが、各々、4〜16%
残存するが、このプレポリマーを硬化させる場合、特に
支障は無く、そのまま用いることができる。尚、必要と
あればカラムクロマトグラフィー等でプレポリマーを精
製しても良い。
【0018】上記の如くして得られたプレポリマーは、
このプレポリマーの生成に用いられ温度よりも高い温度
(例えば、170℃以上、特に200〜300℃)で適
当な時間(例えば数時間以上)加熱すれば容易に硬化し
て、耐熱性に優れ且つ強度の高い硬化物になる。尚、こ
の加熱は段階的に行うのが好ましい。本プレポリマーの
みを用いても熱硬化可能であるが、ラジカル開始剤存在
下で硬化させることもできる。尚、この開始剤を用いる
と硬化は容易となるが、硬化後の成形体中に気泡が混在
することとなるため、強度の向上は望めないので、好ま
しくない。また、この開始剤を用いる場合、そのままプ
レポリマー中に分散させて硬化させることもできるが、
プレポリマー及び開始剤を有機溶媒に溶解させ、均一に
した後、常圧下若しくは減圧下で溶媒を除去し、その
後、硬化させるのが良い。この開始剤の添加量は用途に
より異なるが、本発明のプレポリマー100重量部に対
して10重量部までが好ましい。
【0019】また、プレポリマーそのままを硬化させて
も高強度の成形体が得らるが、実用的には、必要に応じ
て、以下の公知の成分を添加することができる。 (a)アルケニルフェニルエーテル系化合物 ビス〔4−(2−プロペニルオキシ)フェニル〕メタ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス〔4−(2−プロペニルオキシ)フェニル〕プロ
パン、4,4’−ビス(2−プロペニルオキシ)ビフェ
ニル、ビス〔4−(2−プロペニルオキシ)フェニル〕
スルホキシド、ビス〔4−(2−プロペニルオキシ)フ
ェニル〕ケトン、ビス〔4−(2−プロペニルオキシ)
フェニル〕エーテル、ビス〔4−(2−プロペニルオキ
シ)フェニル〕スルホン、1,1−ビス〔4−(2−プ
ロペニルオキシ)フェニル〕エチルベンゼン、9,9−
ビス〔4−(2−プロペニルオキシ)フェニル〕フルオ
レン、3,3−ビス〔4−(2−プロペニルオキシ)フ
ェニル〕フタリド、ビス〔4−(2−メチル−2−プロ
ペニルオキシ)フェニル〕メタン、4,4’−ビス(2
−メチル−2−プロペニルオキシ)ビフェニル、ビス
〔4−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)フェニ
ル〕スルホキシド、ビス〔4−(2−メチル−2−プロ
ペニルオキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(2−メ
チル−2−プロペニルオキシ)フェニル〕エーテル、ビ
ス〔4−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)フェニ
ル〕スルホン、1,1−ビス〔4−(2−メチル−2−
プロペニルオキシ)フェニル〕シクロヘキサン、9,9
−ビス〔4−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)フ
ェニル〕フルオレン、3,3−ビス〔4−(2−メチル
−2−プロペニルオキシ)フェニル〕フタリド等があ
る。これらのアルケニルフェニルエーテル系化合物の添
加量は、用途により異なるが、通常、成形材料や積層材
としては本発明プレポリマー1重量部に対して1重量部
まで使用できる。
【0020】(b)エポキシ樹脂 例えば、油化シェルエポキシ(株)製の「エピコート8
27」、「エピコート1001、「エピコート604」
等、チバガイギー社製の「アラルダイトGY250」、
「アラルダイトEPN1138」、「アラルダイトEC
N1235」等、ユニオンカーバイト社製の「ERL2
774」等及びダウケミカル社製「DER332」等、
日本化薬(株)製「BREN」等、ビスフェノールFの
ジグリシジルエーテル、フタル酸、ジヒドロフタルフタ
ル酸若しくはテトラヒドロフタル酸等の二塩基酸とエピ
ハロヒドリンとの反応によって得られるジグリシジルエ
ーテル化合物、アミノフェノール若しくはビス(4−ア
ミノフェニル)メタン等の芳香族アミンとエピハロヒド
リンとの反応によって得られるエポキシ化合物、1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ビス〔4−
(2,3−エポキシ)フェニル〕プロパン、1,4−ブ
タンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサン
ジオールジグリシジルエーテル等がある。これらのエポ
キシ化合物の添加量は用途により異なるが、通常、成形
材料や積層材としては本発明プレポリマー1重量部に対
して1重量部まで使用できる。
【0021】(c)エポキシ硬化剤 例えば、トリエチレンテトラミン、1,2ーフェニレン
ジアミン、1,3ーフェニレンジアミン、4−メチル−
1,3ーフェニレンジアミン、4,6−ジメチル−1,
3ーフェニレンジアミン、2,4,6−トリメチル−
1,3ーフェニレンジアミン、2−メチル−1,4ーフ
ェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−
1,4ーフェニレンジアミン、1,4−ナフタレンジア
ミン、2,5−ジアミノ−1,3−キシレン、2,7−
ジアミノフルオレン、ビス(4−アミノフェニル)メタ
ン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−
アミノフェニル)エーテル、4,4’−ビフェニルジア
ミン、ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)メタ
ン、9,10−ジアミノフェナントレン、1,4−ビス
(4−アミノフェニル)ベンゼン、ビス(4−アミノフ
ェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スル
ホキシド、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピ
ロメリット酸、無水テトラヒドラフタル酸、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールA、ノボラック樹脂、p−ヒド
ロキシスチレン樹脂、アミンの三フッ化ホウ素錯体、ジ
アミンジアミド類、有機酸ヒドラジッド類、ポリメルカ
プタン類がある。これらのエポキシ硬化剤の添加量は用
途により異なるが、本発明のプレポリマーを用いて成形
材料や積層材とするには、通常、エポキシ樹脂の硬化剤
として常用されている量を使用すれば良い。
【0022】(d)粉末状の補強材や充填剤 例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等ノ金属
酸化物、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩、珪藻土
粉、塩基性珪酸マグネシウム、焼成クレイ、結晶シリ
カ、タルク、微粉末シリカ、溶融シリカ、カーボンブラ
ック、カオリン、三酸化アンチモン、微粉末マイカ、石
英粉末、グラファイト、アスベスト、二硫化モリブデ
ン、カーボンファイバー、ガラス繊維、ロックウール、
セラミック、繊維アスベスト等の無機物質、紙、パル
プ、木材等の有機物質、ポリアミド繊維、ボロン繊維等
の合成繊維等がある。これらの充填剤等の添加量は用途
により異なるが、通常、成形材料や積層材としては本プ
レポリマー1重量部に対して10重量部まで使用でき
る。
【0023】(e)着色剤、顔料、難燃剤、難燃補助
剤、合成樹脂 例えば、二酸化チタン、黄鉛カーボンブラック、鉄黒、
モリブデン赤、窒化ホウ素、フェノール樹脂、アルキド
樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、ア
クリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等の合
成樹脂、テトラブロモビスフェノールAジメタクリレー
ト、テトラブロモビスフェノールA等の臭素系難燃剤、
三塩化アンチモン等の無機系難燃剤、トリフェニルホス
フェート等の芳香族燐酸エステル系難燃剤及びその重縮
合物、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート等の
(ハロ)アルキル燐酸エステル系難燃化剤及びその重縮
合物、並びに赤燐等の無機燐系難燃剤等がある。これら
の着色剤等の添加量は、成形材料や積層材としては、通
常、本プレポリマー1重量部に対して10重量部まで使
用できる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル]プロパン0.05モルと、ビ
ス(4−マレイミドフェニル)メタン0.05モルとを
広口瓶に入れ、機械的に撹拌しながら、120℃の油浴
で加温した。32.5時間後、反応容器を室温まで冷却
し、反応物をかきだした後、乳鉢にてすりつぶし、粉末
状プレポリマーを得た。未反応の2,2−ビス[4−ヒ
ドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニ
ル]プロパン及びビス(4−マレイミドフェニル)メタ
ンは、それぞれ7%及び8%であることが、GPC測定
により確認された。得られたプレポリマーは、メタノー
ル、エタノール、ブタノール、オクタノール、3−メチ
ル−2−ペンタノン、トルエン、クロロベンゼン、n−
ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラクロロメタン及び
水等には不溶であるが、アセトン、2−ブタノン、テト
ラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、ジクロロメタ
ン及びクロロホルム等の溶媒には可溶であった。またこ
のプレポリマーの融点は119〜122℃であった。
【0025】実施例2 以下の場合を除いて、実施例1と同様にしてプレポリマ
ーを製造した。(1)実施例1と同じジアルケニルフェ
ノール及び同ポリイミドの添加量は、各々、0.01モ
ルであること、(2)反応時間は22時間であること、
(3)ジアルケニルフェノール及びポリイミドの未反応
量は、各々、12%及び12%であること、製造された
プレポリマーについて、実施例1と同じ溶媒について溶
解試験をした所、全く同じ結果を示した。そして、その
融点は56〜64℃である。
【0026】実施例3 以下の場合を除いて、実施例1と同様にしてプレポリマ
ーを製造した。(1)実施例1と同じジアルケニルフェ
ノール及び同ポリイミドの添加量は、各々、0.06モ
ルであること、(2)反応時間は47時間であること、
(3)ジアルケニルフェノール及びポリイミドの未反応
量は、各々、5%及び12%であること、製造されたプ
レポリマーについて、実施例1と同じ溶媒について溶解
試験をした所、全く同じ結果を示した。
【0027】実施例4 以下の場合を除いて、実施例1と同様にしてプレポリマ
ーを製造した。(1)実施例1と同じジアルケニルフェ
ノール及び同ポリイミドの添加量は、各々、0.25モ
ルであること、(2)反応時間は50時間であること、
(3)ジアルケニルフェノール及び同ポリイミドの未反
応量は、各々、6%及び10%であること、製造された
プレポリマーについて、実施例1と同じ溶媒について溶
解試験をした所、全く同じ結果を示した。
【0028】比較例1 反応温度を50℃としたこと以外は、上記実施例1と同
条件にして、反応させた所、ほとんどプレポリマーは得
られず、各モノマーの未反応率はいずれも略100%で
あり、未反応物が多かった。一方、同様に反応温度を1
70℃とした場合は、ゲル化してしまい、実施例1で用
いた各種有機溶媒に不溶となり、不具合が生じた。
【0029】参考例1 本例は、上記実施例1で得たプレポリマーを加熱硬化さ
せて性能評価を行ったものである。即ち、このプレポリ
マーをテフロン製の型に充填したのち、加圧下、120
℃で2時間、140℃で2時間、180℃で2時間、2
00℃で2時間、210℃で2時間、この順に於いて即
ち段階的に加熱して硬化させた。得られた硬化物の引張
強度は590.7kgw/cm2 、ショアーD硬度は8
8.3、曲げ強度は9.77kgw/mm2 、曲げ弾性
率は402.2kgw/mm2 、5%重量損失温度は4
07℃、分解点は448℃であった。
【0030】参考例2 本例は、プレポリマーを十分に生成させずに、各モノマ
ーを高温加熱により直接ゲル化(硬化成形)させて、性
能評価を行ったものである。即ち、2,2−ビス[4−
ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェ
ニル]プロパンとビス(4−マレイミドフェニル)メタ
ンとを等モル混ぜて、120〜140℃にて加熱しなが
ら均一に溶融させ、それを直ちにテフロン製の型に流延
したのち、加圧下、200℃で2時間(ゲル化反応時
間)、加熱硬化させた。得られた硬化物の引張強度は2
79kgw/cm2 、ショアーD硬度は90、曲げ強度
は5.62kgw/mm2 、曲げ弾性率は426kgw
/mm2 、5%重量損失温度は417℃、分解点は43
9℃であった。
【0031】実施例、参考例及び比較例の効果 以上より、実施例1〜4では、すべて、収率良くプレポ
リマーを製造でき、またアセトン等の汎用有機溶媒に溶
解可能であった。更に、参考例1に示すように、硬化に
際して水を発生させることもなく、またこの粉末状プレ
ポリマーそのものを、所定の型内に充填加熱することに
より、容易に硬化物を成形でき大変便利である。また、
このプレポリマーは、硬化触媒を添加しなくてもそれ自
体にて硬化できた。更に、この硬化物の引張り強度、曲
げ強度及び曲げ弾性率は大きく、且つ重量損失温度及び
分解温度も高く、機械強度及び耐熱性に大変優れた結果
を示している。一方、比較例1に示すように、反応温度
が50℃と低すぎる場合、170℃と高過ぎる場合は、
目的とするプレポリマーが得られなかった。また、参考
例2に示すように、プレポリマーを十分に生成させず
に、高温加熱により直接ゲル化させた場合は、硬化物の
引張強度が、参考例1と比べるとその約47%と小さな
値を示した。これは、プレポリマーが十分に生成する前
の短いモノマーが三次元化して硬化しためと考えられ
る。尚、この場合、他の物性は実施例1とほぼ同等の優
れた値を示した。
【0032】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、硬化中に水
が副生することがなく、それ自体を加熱することによ
り、耐熱性及び機械的強度に極めて優れる硬化物へ変換
ができ、更に有機溶媒に可溶であるプレポリマーを製造
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1の一般式(a)で表されるジアルケ
    ニルビスフェノールの1種若しくは2種以上と、 【化1】 化2の一般式(b)で表されるイミド基を1分子内に少
    なくとも2個含有するポリイミドの1種若しくは2種以
    上と、 【化2】 を60〜160℃で反応させることを特徴とするプレポ
    リマーの製造方法。
JP30650092A 1992-10-20 1992-10-20 プレポリマーの製造方法 Pending JPH06128333A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011517715A (ja) * 2008-03-31 2011-06-16 ハンツマン・アドバンスド・マテリアルズ・アメリカズ・エルエルシー 貯蔵安定性ポリマレイミド・プレポリマー組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011517715A (ja) * 2008-03-31 2011-06-16 ハンツマン・アドバンスド・マテリアルズ・アメリカズ・エルエルシー 貯蔵安定性ポリマレイミド・プレポリマー組成物

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