JPH0612743Y2 - エアーバキューム装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、主として歯科治療に関連した排気をオゾンを
用いて殺菌するとともに、治療室の環境を常に無菌状態
に保つためのエアーバキューム装置に関する。

従来技術 一般に医科治療においては、水の使用においては十分に
消毒されたものを使用するとともに、診療室の環境にお
いても空気の殺菌すなわち、通常は紫外線の照射、フィ
ルター等による空気清浄がなされている。歯科治療にお
いても医科の分野と同様に、診療室の環境の衛生管理が
求められている。特に、歯科の場合の治療においては、
エアータービン等によるバーの回転駆動、該バーによる
歯牙の切削治療、切削治療時におけるバキューム排気、
切削治療後における上水による口腔内洗浄、洗浄後の圧
縮空気による乾燥等の治療操作が繰返され、細菌を含む
微粉塵が空気中に飛散し、更にこの空気を口腔内に噴射
する恐れがあり、更には、患部の研削粉、綿類等の固形
物も含まれてスピットンから排出される等、特に一般の
医科とは異なる問題点がある。

従来、歯科治療用として使用されていたエアーバキュー
ムの排気は、フィルターにより濾過して室内に放出して
いたが、フィルターの劣化等に伴ない粉塵や臭気、雑菌
等が室内に放出されてしまい、室内が汚染されるという
欠点があった。

第３図は、従来のエアーバキューム装置を説明するため
の全体構成図で、吸引ホース１０により吸引された治療
中の汚水は、フィルター９及びフィルター８を介し、リ
リーフ弁１１を通って排水管１３により排水される。治
療ユニットからの圧縮空気は、減圧弁２、絞り弁３、差
圧弁４を介し、フロート７により調整されるベンチュリ
ー管内の流速で排気フィルター５に送られ排気される。

このような従来のエアーバキューム装置は、一般に、第
４図に示すような給排水ボックス１２内に組込まれてい
る。したがって、その排気は、その給排水ボックス１２
の中で行なわれることになる。そこでの排気は、排気フ
ィルター５の濾過作用により粉塵が除去されたとして
も、臭気までは取り除く事が出来ない。

さらに、エアーバキュームのフロート７の故障により、
排気フィルター５で、吸った汚水があふれ、給排水ボッ
クス１２中が濡れてしまい、床面を汚してしまうことに
なってしまう。

目的 本考案は、上述のごとき欠点を解決するためになされた
もので、特に、強力なオゾンの殺菌力に着目して、主と
して歯科治療における総合的なエアーバキューム装置の
提供を目的とし、治療ユニットに供給される圧縮空気
源、並びに治療により排出される排気をオゾンにより殺
菌し、殺菌処理して生じたオゾンは一括して中和、脱臭
処理後クリーンエアとして放出するようにしたエアーバ
キューム装置を提供することを目的としてなされたもの
である。

構成 本考案は、上記目的を達成するために、歯科治療におい
て、治療ユニットからの圧縮空気をオゾン圧送用空気と
して用いるオゾン発生装置と、該オゾン発生装置からの
オゾンと、エアーバキューム排気との供給をうけるタン
クと、該タンクの排気と上記オゾン発生装置からのオゾ
ンの供給をうける反応槽と、該反応槽からの殺菌処理さ
れたオゾンを中和・脱臭処理してクリーンエアーとする
触媒槽とから成ることを特徴としたものである。

オゾンは、酸素を流通する筒状容器の内外に希硫酸等の
電解溶液を充たし、該筒状容器を挾んで配設された電極
間で筒状容器内の酸素を火花放電することにより発生す
る。オゾンは、著しい酸化作用をもち、該酸化作用のた
め、バクテリヤに対して殺菌作用を有することは周知で
ある。また、オゾンは特有の臭気があるので、臭気を感
じない程度に保つには空気中の容積比を１０^-6以下にす
ることが必要である。

本考案は、上述のごとく従来のエアーバキューム装置を
改良し、主として、オゾンの殺菌作用を利用し、よっ
て、エアーバキューム排気の殺菌を一つのシステムとし
て構成したものである。

第１図は、本考案のエアーバキューム装置の一実施例を
説明するための構成図で、治療ユニットからの圧縮空気
は、第３図に示した減圧弁２あるいは絞り弁３近傍より
供給され、電磁弁３１、絞り弁３２を介し、オゾン発生
装置３３に供給される。オゾン発生装置３３により生じ
たオゾン（Ｏ_３）は、逆止弁３４を介し、タンク３６及
び反応槽３８に供給される。第３図に示した排気フィル
ター５からの排気は、ドレン３５を備えた前記タンク３
６に供給され、そこでオゾンと接触される。その後、フ
ィルター３７を通って反応槽３８に供給され、さらに、
オゾンと接触される。反応槽３８からの排気は、触媒３
９を通り、通常の酸素、すなわち、クリーンエアになっ
て室内に放出される。エアーバキュームからの排気は、
タンク３６及び反応槽３８との両方によりオゾンと接触
するので、接触時間を多くすることができ、殺菌効果が
高められる。

また、タンク３６を設けているので、汚水がオーバーフ
ローしたとしても床にあらわれるのを防ぐことができ
る。

また、第３図に示した差圧弁４には、第２図に示すよう
にエアーバキューム装置の操作スイッチをＯＮ−ＯＦＦ
させるためのエアースイッチ２０及びマイクロスイッチ
２１が設けられており、このエアースイッチの動作によ
り、第１図に示されている電磁弁３１とオゾン発生装置
３３をＯＮ−ＯＦＦさせることができる。さらに、エア
ーバキューム装置は、各治療ユニットに１台づつ設ける
ことができる。

効果 以上の説明から明らかなように、本考案によると、次の
ような効果がある。

１．エアーバキューム排気をオゾンにより殺菌、脱臭し
て室内に放出するので室内の汚染を防ぐことができる。

２．エアーバキューム装置が、各治療ユニットに１台づ
つ設けられているので、給排水ボックスの近傍に設置す
ることが出来、集中方式のものよりコンパクト化が図れ
る。

３．タンクを設けているので、汚水のオーバーフローに
よる床面を汚すことがなく、また悪臭を防ぐことができ
る。

４．オゾンは、タンクと反応槽の両方に供給されるの
で、エアーバキューム排気は、オゾンとの接触時間を長
くすることができ、殺菌効果が高められる。

５．反応槽により殺菌された排気は、触媒を介して放出
されるので、脱臭されて室内に放出される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるエアーバキューム装置の一実施
例を説明するための構成図、第２図は、エアーバキュー
ム装置に用いられる差圧弁のスイッチ機構を説明するた
めの図、第３図は、従来のエアーバキューム装置を説明
するための全体構成図、第４図は第３図に示した装置が
内蔵されている装置の全体斜視図である。 ４……差圧弁、５……排気フィルタ、１０……吸引ホー
ス、１２……給排水ボックス、３１……電磁弁、３３…
…オゾン発生装置、３６……タンク、３８……反応槽、
３９……触媒。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 7108−4Ｃ Ａ６１Ｃ 19/00 Ｊ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】歯科治療において、治療ユニットからの圧
   縮空気をオゾン圧送用空気として用いるオゾン発生装置
   と、該オゾン発生装置からのオゾンと、エアーバキュー
   ム排気との供給をうけるタンクと、該タンクの排気と上
   記オゾン発生装置からのオゾンの供給をうける反応槽
   と、該反応槽からの殺菌処理されたオゾンを中和・脱臭
   処理してクリーンエアーとする触媒槽とから成ることを
   特徴とするエアーバキューム装置。