JPH06127403A - 四輪操舵車の後輪操舵制御装置 - Google Patents
四輪操舵車の後輪操舵制御装置Info
- Publication number
- JPH06127403A JPH06127403A JP27460392A JP27460392A JPH06127403A JP H06127403 A JPH06127403 A JP H06127403A JP 27460392 A JP27460392 A JP 27460392A JP 27460392 A JP27460392 A JP 27460392A JP H06127403 A JPH06127403 A JP H06127403A
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- JP
- Japan
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- rear wheel
- slip angle
- wheel steering
- vehicle
- angle
- Prior art date
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- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 後輪車軸に発生するコーナリングフォースを
最大に制御して車両の走行安定性を良好にする。 【構成】 マイクロコンピュータ35は車速センサ3
1、ヨーレートセンサ32及び横加速度センサ33によ
り検出された車速V、ヨーレートγ及び横加速度aに応
じて後輪車軸のスリップ角βr及び同スリップ角βrに対
する後輪車軸に発生するコーナリングフォースの変化率
を計算する。この変化率が負になったとき後輪を前記計
算したスリップ角が減少する方向に操舵制御し、かつ同
変化率が正のとき後輪を同スリップ角が増加する方向に
操舵制御して、後輪車軸に発生するコーナリングフォー
スが常に最大になるようにする。
最大に制御して車両の走行安定性を良好にする。 【構成】 マイクロコンピュータ35は車速センサ3
1、ヨーレートセンサ32及び横加速度センサ33によ
り検出された車速V、ヨーレートγ及び横加速度aに応
じて後輪車軸のスリップ角βr及び同スリップ角βrに対
する後輪車軸に発生するコーナリングフォースの変化率
を計算する。この変化率が負になったとき後輪を前記計
算したスリップ角が減少する方向に操舵制御し、かつ同
変化率が正のとき後輪を同スリップ角が増加する方向に
操舵制御して、後輪車軸に発生するコーナリングフォー
スが常に最大になるようにする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、後輪操舵機構を制御し
て後輪を操舵する四輪操舵車の後輪操舵制御装置に関す
る。
て後輪を操舵する四輪操舵車の後輪操舵制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば特開平3−25866
0号公報に示されているように、車速、前輪舵角、ヨー
レート、車両のスリップ角、同スリップ角の変化率など
により後輪を操舵制御するようにしたものは種々知られ
ている。
0号公報に示されているように、車速、前輪舵角、ヨー
レート、車両のスリップ角、同スリップ角の変化率など
により後輪を操舵制御するようにしたものは種々知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置におい
ては、後輪のスリップ角の増加にしたがって後輪のコー
ナリングフォースは常に増加することを前提としてい
る。しかし、後輪のスリップ角が小さいときには同スリ
ップ角に比例して後輪のコーナリングフォースが増大す
るが、後輪のスリップ角が大きくなると同スリップ角の
増加にしたがって後輪のコーナリングフォースは減少す
る。したがって、従来の後輪操舵制御装置にあっては、
後輪のスリップ角が小さいときには車両の走行安定性に
寄与するが、後輪のスリップ角が大きくなると逆に車両
の走行安定性を低下させる原因にもなる。本発明は上記
問題に対処するためになされたもので、その目的は、後
輪車軸のスリップ角に着目して同スリップ角に応じて後
輪を操舵制御することにより、後輪のスリップ角が大き
い状態でも車両の走行安定性を良好にした四輪操舵車の
後輪操舵制御装置を提供することにある。
ては、後輪のスリップ角の増加にしたがって後輪のコー
ナリングフォースは常に増加することを前提としてい
る。しかし、後輪のスリップ角が小さいときには同スリ
ップ角に比例して後輪のコーナリングフォースが増大す
るが、後輪のスリップ角が大きくなると同スリップ角の
増加にしたがって後輪のコーナリングフォースは減少す
る。したがって、従来の後輪操舵制御装置にあっては、
後輪のスリップ角が小さいときには車両の走行安定性に
寄与するが、後輪のスリップ角が大きくなると逆に車両
の走行安定性を低下させる原因にもなる。本発明は上記
問題に対処するためになされたもので、その目的は、後
輪車軸のスリップ角に着目して同スリップ角に応じて後
輪を操舵制御することにより、後輪のスリップ角が大き
い状態でも車両の走行安定性を良好にした四輪操舵車の
後輪操舵制御装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成上の特徴は、後輪操舵機構を制御して
後輪を操舵する四輪操舵車の後輪操舵制御装置におい
て、後輪車軸のスリップ角に対する後輪車軸に発生する
コーナリングフォースの変化率を検出する検出手段と、
前記検出された変化率が負のとき後輪を前記スリップ角
が減少する方向に操舵制御しかつ同検出された変化率が
正のとき後輪を前記スリップ角が増加する方向に操舵制
御する制御手段とを備えたことにある。
に、本発明の構成上の特徴は、後輪操舵機構を制御して
後輪を操舵する四輪操舵車の後輪操舵制御装置におい
て、後輪車軸のスリップ角に対する後輪車軸に発生する
コーナリングフォースの変化率を検出する検出手段と、
前記検出された変化率が負のとき後輪を前記スリップ角
が減少する方向に操舵制御しかつ同検出された変化率が
正のとき後輪を前記スリップ角が増加する方向に操舵制
御する制御手段とを備えたことにある。
【0005】
【発明の作用・効果】上記のように構成した本発明にお
いては、後輪車軸のスリップ角に対する後輪車軸に発生
するコーナリングフォースの変化率が負のときには、後
輪は後輪車軸のスリップ角が減少する方向に操舵され
る。一方、前記変化率が正のときには、後輪は後輪車軸
のスリップ角が増加する方向に操舵される。これによ
り、後輪車軸は最大のコーナリングフォースを発生する
ことになり、車両の走行安定性が常に良好に保たれる。
いては、後輪車軸のスリップ角に対する後輪車軸に発生
するコーナリングフォースの変化率が負のときには、後
輪は後輪車軸のスリップ角が減少する方向に操舵され
る。一方、前記変化率が正のときには、後輪は後輪車軸
のスリップ角が増加する方向に操舵される。これによ
り、後輪車軸は最大のコーナリングフォースを発生する
ことになり、車両の走行安定性が常に良好に保たれる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
すると、図1は左右前輪FW1,FW2を操舵する前輪
操舵機構10と、左右後輪RW1,RW2を操舵する後
輪操舵機構20と、これらの後輪操舵機構20を電気的
に制御する電気制御装置30とを備えた車両の全体を概
略的に示している。
すると、図1は左右前輪FW1,FW2を操舵する前輪
操舵機構10と、左右後輪RW1,RW2を操舵する後
輪操舵機構20と、これらの後輪操舵機構20を電気的
に制御する電気制御装置30とを備えた車両の全体を概
略的に示している。
【0007】前輪操舵機構10は回動操作により左右前
輪FW1,FW2を操舵する操舵ハンドル11を備え、
同ハンドル11は操舵軸12の上端に固定されている。
操舵軸12の下端部はステアリングギヤボックス13内
にてラックバー14に噛合している。ラックバー14は
ステアリングギヤボックス13内にて軸方向に変位可能
に支持されるとともに、両端にてタイロッド15a,1
5b及びナックルアーム16a,16bを介して左右前
輪FW1,FW2を操舵可能に連結している。
輪FW1,FW2を操舵する操舵ハンドル11を備え、
同ハンドル11は操舵軸12の上端に固定されている。
操舵軸12の下端部はステアリングギヤボックス13内
にてラックバー14に噛合している。ラックバー14は
ステアリングギヤボックス13内にて軸方向に変位可能
に支持されるとともに、両端にてタイロッド15a,1
5b及びナックルアーム16a,16bを介して左右前
輪FW1,FW2を操舵可能に連結している。
【0008】後輪操舵機構20は電動モータ21により
駆動される油圧アクチュエータ22を備え、同アクチュ
エータ22は軸方向に変位可能に設けたリレーロッド2
3を軸方向に駆動する。リレーロッド23の両端にはタ
イロッド24a,24b及びナックルアーム25a,2
5bを介して左右後輪RW1,RW2が接続されてい
て、左右後輪RW1,RW2はリレーロッド23の軸方
向の変位に応じて操舵される。
駆動される油圧アクチュエータ22を備え、同アクチュ
エータ22は軸方向に変位可能に設けたリレーロッド2
3を軸方向に駆動する。リレーロッド23の両端にはタ
イロッド24a,24b及びナックルアーム25a,2
5bを介して左右後輪RW1,RW2が接続されてい
て、左右後輪RW1,RW2はリレーロッド23の軸方
向の変位に応じて操舵される。
【0009】電気制御装置30は車速センサ31、ヨー
レートセンサ32、横加速度センサ33及び後輪舵角セ
ンサ34を備えている。車速センサ31は車速Vを検出
して同車速Vを表す検出信号を出力する。ヨーレートセ
ンサ32は車体の重心垂直軸回りのヨーレートγを検出
して同ヨーレートγを表す検出信号を出力する。横加速
度センサ33は車体の重心位置の横方向の加速度aを検
出して同横加速度aを表す検出信号を出力する。後輪舵
角センサ34は電動モータ21の回転軸の回転角を測定
することにより左右後輪RW1,RW2の舵角θr を検
出して、同舵角θr を表す検出信号を出力する。なお、
これらのヨーレートγ、横加速度a及び後輪舵角θr は
図3の矢印方向を正とする。これらのセンサ31〜34
はマイクロコンピュータ35に接続されている。マイク
ロコンピュータ35はCPU、ROM、RAM、I/O
などからなり、同ROM内に記憶した図2のフローチャ
ートに対応したプログラムを実行する。マイクロコンピ
ュータ35には駆動回路36が接続されていて、駆動回
路36はマイクロコンピュータ35からの制御信号に応
じて電動モータ21を回転駆動する。
レートセンサ32、横加速度センサ33及び後輪舵角セ
ンサ34を備えている。車速センサ31は車速Vを検出
して同車速Vを表す検出信号を出力する。ヨーレートセ
ンサ32は車体の重心垂直軸回りのヨーレートγを検出
して同ヨーレートγを表す検出信号を出力する。横加速
度センサ33は車体の重心位置の横方向の加速度aを検
出して同横加速度aを表す検出信号を出力する。後輪舵
角センサ34は電動モータ21の回転軸の回転角を測定
することにより左右後輪RW1,RW2の舵角θr を検
出して、同舵角θr を表す検出信号を出力する。なお、
これらのヨーレートγ、横加速度a及び後輪舵角θr は
図3の矢印方向を正とする。これらのセンサ31〜34
はマイクロコンピュータ35に接続されている。マイク
ロコンピュータ35はCPU、ROM、RAM、I/O
などからなり、同ROM内に記憶した図2のフローチャ
ートに対応したプログラムを実行する。マイクロコンピ
ュータ35には駆動回路36が接続されていて、駆動回
路36はマイクロコンピュータ35からの制御信号に応
じて電動モータ21を回転駆動する。
【0010】次に、上記のように構成した実施例の動作
を図2に示すフローチャートに沿って説明する。イグニ
ッションスイッチ(図示しない)が投入されると、マイ
クロコンピュータ35は図2のステップ100にてプロ
グラムの実行を開始し、ステップ102にて目標後輪舵
角θr*を「0」に設定する。次に、ステップ104にて
後輪舵角センサ34から後輪舵角θr を入力して、ステ
ップ106にて目標後輪舵角θr*と後輪舵角θr との差
θr*−θr を表す制御信号を駆動回路36に出力する。
駆動回路36はこの制御信号に基づいて電動モータ21
を駆動制御し、左右後輪RW1,RW2の舵角に換算し
て前記差θr*−θr に対応した回転角だけ電動モータ2
1を回転させる。この電動モータ21の回転により、油
圧アクチュエータ22はリレーロッド23を前記電動モ
ータ21の回転量に対応して左右に変位させ、左右後輪
RW1,RW2は前記変位量に対応して左右に操舵され
る。この場合、目標後輪舵角θr*は「0」であるので、
後輪舵角θr が「0」であれば同後輪RW1,RW2は
操舵されずに以前の状態に維持される。また、後輪舵角
θr が「0」でなければ同後輪RW1,RW2は後輪舵
角「0」に操舵される。
を図2に示すフローチャートに沿って説明する。イグニ
ッションスイッチ(図示しない)が投入されると、マイ
クロコンピュータ35は図2のステップ100にてプロ
グラムの実行を開始し、ステップ102にて目標後輪舵
角θr*を「0」に設定する。次に、ステップ104にて
後輪舵角センサ34から後輪舵角θr を入力して、ステ
ップ106にて目標後輪舵角θr*と後輪舵角θr との差
θr*−θr を表す制御信号を駆動回路36に出力する。
駆動回路36はこの制御信号に基づいて電動モータ21
を駆動制御し、左右後輪RW1,RW2の舵角に換算し
て前記差θr*−θr に対応した回転角だけ電動モータ2
1を回転させる。この電動モータ21の回転により、油
圧アクチュエータ22はリレーロッド23を前記電動モ
ータ21の回転量に対応して左右に変位させ、左右後輪
RW1,RW2は前記変位量に対応して左右に操舵され
る。この場合、目標後輪舵角θr*は「0」であるので、
後輪舵角θr が「0」であれば同後輪RW1,RW2は
操舵されずに以前の状態に維持される。また、後輪舵角
θr が「0」でなければ同後輪RW1,RW2は後輪舵
角「0」に操舵される。
【0011】前記ステップ106の処理後、マイクロコ
ンピュータ35はステップ108にて車速センサ31、
ヨーレートセンサ32、横加速度センサ33及び後輪舵
角センサ34から車速V、ヨーレートγ、横加速度a及
び後輪舵角θr を表す検出信号を入力し、ステップ11
0,112にてこれらの車速V、ヨーレートγ及び横加
速度aに基づいて下記数1,2の演算の実行により後輪
車軸L1のスリップ角βr 及び同スリップ角βr に対する
後輪車軸L1に発生するコーナリングフォースCfrの変化
率dCfr/dβrを計算する。なお、後輪車軸L1のスリップ
角βr は図3に示すように車両の前後軸L2と後輪車軸L1
の進行方向L3とのなす角度で図示矢印方向を正とし、ま
た後輪車軸L1に発生するコーナリングフォースCfrも図
示矢印方向を正とする。
ンピュータ35はステップ108にて車速センサ31、
ヨーレートセンサ32、横加速度センサ33及び後輪舵
角センサ34から車速V、ヨーレートγ、横加速度a及
び後輪舵角θr を表す検出信号を入力し、ステップ11
0,112にてこれらの車速V、ヨーレートγ及び横加
速度aに基づいて下記数1,2の演算の実行により後輪
車軸L1のスリップ角βr 及び同スリップ角βr に対する
後輪車軸L1に発生するコーナリングフォースCfrの変化
率dCfr/dβrを計算する。なお、後輪車軸L1のスリップ
角βr は図3に示すように車両の前後軸L2と後輪車軸L1
の進行方向L3とのなす角度で図示矢印方向を正とし、ま
た後輪車軸L1に発生するコーナリングフォースCfrも図
示矢印方向を正とする。
【0012】
【数1】
【0013】
【数2】
【0014】なお、上記数1,2中、mは車両の質量、
Iz は車両のヨーイング慣性モーメント、Lfは車両の
重心から前輪車軸までの距離、Lrは車両の重心から後
輪車軸までの距離である。
Iz は車両のヨーイング慣性モーメント、Lfは車両の
重心から前輪車軸までの距離、Lrは車両の重心から後
輪車軸までの距離である。
【0015】次に、マイクロコンピュータ35はステッ
プ114にて後輪車軸L1のスリップ角βr に対する同軸
L1に発生するコーナリングフォースCfrの変化率dCfr/
dβrが負であるか否かを判定する。いま、車両が直進走
行していれば、ヨーレートγ及び横加速度aは「0」で
あるので前記変化率dCfr/dβrは「0」であり、ステッ
プ114にて「NO」と判定してプログラムをステップ
116に進める。ステップ116においては後輪車軸L1
のスリップ角βr が「0」以上であるか否かを判定す
る。この場合も、前記と同様に後輪車軸L1のスリップ角
βr は「0」であるので、ステップ116にて「YE
S」と判定してプログラムをステップ118に進める。
ステップ118においては後輪舵角θr が正であるか否
かを判定する。この場合も、車両は直進走行していて後
輪舵角θr は「0」であるので、ステップ118にて
「NO」と判定してプログラムをステップ102に戻
す。以降、車両が直進走行している限り、マイクロコン
ピュータ35は前記ステップ102〜118からなる循
環処理を繰り返し実行して左右後輪RW1,RW2を中
立状態に維持する。
プ114にて後輪車軸L1のスリップ角βr に対する同軸
L1に発生するコーナリングフォースCfrの変化率dCfr/
dβrが負であるか否かを判定する。いま、車両が直進走
行していれば、ヨーレートγ及び横加速度aは「0」で
あるので前記変化率dCfr/dβrは「0」であり、ステッ
プ114にて「NO」と判定してプログラムをステップ
116に進める。ステップ116においては後輪車軸L1
のスリップ角βr が「0」以上であるか否かを判定す
る。この場合も、前記と同様に後輪車軸L1のスリップ角
βr は「0」であるので、ステップ116にて「YE
S」と判定してプログラムをステップ118に進める。
ステップ118においては後輪舵角θr が正であるか否
かを判定する。この場合も、車両は直進走行していて後
輪舵角θr は「0」であるので、ステップ118にて
「NO」と判定してプログラムをステップ102に戻
す。以降、車両が直進走行している限り、マイクロコン
ピュータ35は前記ステップ102〜118からなる循
環処理を繰り返し実行して左右後輪RW1,RW2を中
立状態に維持する。
【0016】一方、車両が左旋回状態に入ると、後輪車
軸L1のスリップ角βr は図3に示すように正になる。し
かし、左右後輪RW1,RW2のスリップ角βrw(左右
後輪RW1,RW2が中立状態に保たれている状態では
後輪車軸L1のスリップ角βrに等しい)の絶対値|βrw
|が小さい領域では、後輪車軸L1のスリップ角βr に対
する同軸L1に発生するコーナリングフォースCfrの変化
率dCfr/dβrは正であるので(図4,5参照)、マイク
ロコンピュータ35はステップ114にて「NO」と判
定してプログラムをステップ116に進める。ステップ
116においては前記正であるスリップ角βr に基づい
て「YES」と判定して、プログラムをステップ118
に進める。また、車両が右旋回状態に入った場合には、
後輪車軸L1のスリップ角βr は前記とは逆に負になる
が、前記と同様に左右後輪RW1,RW2のスリップ角
βrw(後輪車軸L1のスリップ角βr )の絶対値|βrw|
が小さい領域では、後輪車軸L1のスリップ角βr に対す
る同軸L1に発生するコーナリングフォースCfrの変化率
dCfr/dβrは正であるので、マイクロコンピュータ35
はステップ114にて「NO」と判定してプログラムを
ステップ116に進める。ステップ116においては前
記負であるスリップ角βr に基づいて「NO」と判定し
て、プログラムをステップ122に進める。これらの場
合も、後輪舵角θr は「0」に保たれたままであるの
で、ステップ118又はステップ122にて「NO」と
判定してプログラムをステップ102に戻す。これによ
り、左右後輪RW1,RW2のスリップ角βrwの絶対値
|βrw|が小さく、後輪車軸L1のスリップ角βr に対す
る同軸L1に発生するコーナリングフォースCfrの変化率
dCfr/dβrが正であれば、マイクロコンピュータ35は
ステップ102〜118(又はステップ102〜11
6,122)からなる循環処理を実行し続ける。したが
って、この場合も、左右後輪RW1,RW2は中立状態
に維持される。
軸L1のスリップ角βr は図3に示すように正になる。し
かし、左右後輪RW1,RW2のスリップ角βrw(左右
後輪RW1,RW2が中立状態に保たれている状態では
後輪車軸L1のスリップ角βrに等しい)の絶対値|βrw
|が小さい領域では、後輪車軸L1のスリップ角βr に対
する同軸L1に発生するコーナリングフォースCfrの変化
率dCfr/dβrは正であるので(図4,5参照)、マイク
ロコンピュータ35はステップ114にて「NO」と判
定してプログラムをステップ116に進める。ステップ
116においては前記正であるスリップ角βr に基づい
て「YES」と判定して、プログラムをステップ118
に進める。また、車両が右旋回状態に入った場合には、
後輪車軸L1のスリップ角βr は前記とは逆に負になる
が、前記と同様に左右後輪RW1,RW2のスリップ角
βrw(後輪車軸L1のスリップ角βr )の絶対値|βrw|
が小さい領域では、後輪車軸L1のスリップ角βr に対す
る同軸L1に発生するコーナリングフォースCfrの変化率
dCfr/dβrは正であるので、マイクロコンピュータ35
はステップ114にて「NO」と判定してプログラムを
ステップ116に進める。ステップ116においては前
記負であるスリップ角βr に基づいて「NO」と判定し
て、プログラムをステップ122に進める。これらの場
合も、後輪舵角θr は「0」に保たれたままであるの
で、ステップ118又はステップ122にて「NO」と
判定してプログラムをステップ102に戻す。これによ
り、左右後輪RW1,RW2のスリップ角βrwの絶対値
|βrw|が小さく、後輪車軸L1のスリップ角βr に対す
る同軸L1に発生するコーナリングフォースCfrの変化率
dCfr/dβrが正であれば、マイクロコンピュータ35は
ステップ102〜118(又はステップ102〜11
6,122)からなる循環処理を実行し続ける。したが
って、この場合も、左右後輪RW1,RW2は中立状態
に維持される。
【0017】一方、車両が左方向に急旋回して左右後輪
RW1,RW2のスリップ角βrw(後輪車軸L1のスリッ
プ角βr )の絶対値|βrw|が大きくなると、後輪車軸
L1のスリップ角βrに対する同軸L1に発生するコーナリ
ングフォースCfrの変化率dCfr/dβr は負になる(図
4,5参照)。これにより、マイクロコンピュータ35
はステップ114にて「YES」と判定してプログラム
をステップ126に進める。ステップ126においては
前記正であるスリップ角βr に基づいて「YES」と判
定して、プログラムをステップ128に進める。ステッ
プ128においては、目標後輪舵角θr*を後輪舵角θr
より所定の微小舵角Δθrだけ小さな値θr−Δθr に設
定する。車両が右方向に急旋回して左右後輪RW1,R
W2のスリップ角βrw(後輪車軸L1のスリップ角βr )
の絶対値|βrw|が大きくなると、後輪車軸L1のスリッ
プ角βr に対する同軸L1に発生するコーナリングフォー
スCfrの変化率dCfr/dβrは負になる(図4,5参
照)。これにより、この場合も、マイクロコンピュータ
35はステップ114にて「YES」と判定してプログ
ラムをステップ126に進める。ステップ126におい
ては前記負であるスリップ角βr に基づいて「NO」と
判定して、プログラムをステップステップ130に進め
る。ステップ130においては、目標後輪舵角θr*を後
輪舵角θr より微小舵角Δθr だけ大きな値θr+Δθr
に設定する。次に、マイクロコンピュータ35はステッ
プ132にて目標後輪舵角θr*と後輪舵角θr との差θ
r*−θr を表す制御信号を駆動回路36に出力して、左
右後輪RW1,RW2を目標後輪舵角θr*に操舵する。
RW1,RW2のスリップ角βrw(後輪車軸L1のスリッ
プ角βr )の絶対値|βrw|が大きくなると、後輪車軸
L1のスリップ角βrに対する同軸L1に発生するコーナリ
ングフォースCfrの変化率dCfr/dβr は負になる(図
4,5参照)。これにより、マイクロコンピュータ35
はステップ114にて「YES」と判定してプログラム
をステップ126に進める。ステップ126においては
前記正であるスリップ角βr に基づいて「YES」と判
定して、プログラムをステップ128に進める。ステッ
プ128においては、目標後輪舵角θr*を後輪舵角θr
より所定の微小舵角Δθrだけ小さな値θr−Δθr に設
定する。車両が右方向に急旋回して左右後輪RW1,R
W2のスリップ角βrw(後輪車軸L1のスリップ角βr )
の絶対値|βrw|が大きくなると、後輪車軸L1のスリッ
プ角βr に対する同軸L1に発生するコーナリングフォー
スCfrの変化率dCfr/dβrは負になる(図4,5参
照)。これにより、この場合も、マイクロコンピュータ
35はステップ114にて「YES」と判定してプログ
ラムをステップ126に進める。ステップ126におい
ては前記負であるスリップ角βr に基づいて「NO」と
判定して、プログラムをステップステップ130に進め
る。ステップ130においては、目標後輪舵角θr*を後
輪舵角θr より微小舵角Δθr だけ大きな値θr+Δθr
に設定する。次に、マイクロコンピュータ35はステッ
プ132にて目標後輪舵角θr*と後輪舵角θr との差θ
r*−θr を表す制御信号を駆動回路36に出力して、左
右後輪RW1,RW2を目標後輪舵角θr*に操舵する。
【0018】前記ステップ132の処理後、マイクロコ
ンピュータ35はプログラムをステップ108に戻し、
後輪車軸L1のスリップ角βr に対する同軸L1に発生する
コーナリングフォースCfrの変化率dCfr/dβrが負であ
る限り、ステップ108〜114,126〜132の処
理を繰り返し実行する。したがって、左右後輪RW1,
RW2は図3に示すように後輪車軸L1の進行方向L3に近
づく方向に操舵され、同後輪RW1,RW2のスリップ
角βrw及び後輪車軸L1のスリップ角βr の各絶対値|β
rw|,|βr|が小さくなるので、図5に示すように後輪
車軸L1に発生するコーナリングフォースCfrは増加す
る。一方、前記後輪車軸L1のスリップ角βr の減少にし
たがって前記変化率dCfr/dβrも正に向かって変化す
る。
ンピュータ35はプログラムをステップ108に戻し、
後輪車軸L1のスリップ角βr に対する同軸L1に発生する
コーナリングフォースCfrの変化率dCfr/dβrが負であ
る限り、ステップ108〜114,126〜132の処
理を繰り返し実行する。したがって、左右後輪RW1,
RW2は図3に示すように後輪車軸L1の進行方向L3に近
づく方向に操舵され、同後輪RW1,RW2のスリップ
角βrw及び後輪車軸L1のスリップ角βr の各絶対値|β
rw|,|βr|が小さくなるので、図5に示すように後輪
車軸L1に発生するコーナリングフォースCfrは増加す
る。一方、前記後輪車軸L1のスリップ角βr の減少にし
たがって前記変化率dCfr/dβrも正に向かって変化す
る。
【0019】そして、前記変化率dCfr/dβrが「0」以
上になると、マイクロコンピュータ35はステップ11
4にて「YES」と判定してプログラムをステップ11
6に進める。この場合、後輪車軸L1のスリップ角βrが
正であれば後輪舵角θrは負であるので、ステップ11
6にて「YES」と判定するとともにステップ118に
て「YES」と判定し、ステップ120にて目標後輪舵
角θr*を後輪舵角θr より微小舵角Δθr だけ大きな値
θr+Δθrに設定する。また、後輪車軸L1のスリップ角
βrが負であれば後輪舵角θrは正であるので、ステップ
116にて「NO」と判定するとともにステップ122
にて「YES」と判定し、ステップ124にて目標後輪
舵角θr*を後輪舵角θr より微小舵角Δθr だけ小さな
値θr−Δθrに設定する。そして、ステップ132の処
理により左右後輪RW1,RW2を目標後輪舵角θr*に
操舵制御するので、同後輪RW1,RW2は前記とは逆
に後輪車軸L1の進行方向L3から遠ざかる方向に操舵され
ることになる。これにより、左右後輪RW1,RW2の
スリップ角βrw及び後輪車軸L1のスリップ角βr の各絶
対値|βrw|,|βr|が大きくなる。
上になると、マイクロコンピュータ35はステップ11
4にて「YES」と判定してプログラムをステップ11
6に進める。この場合、後輪車軸L1のスリップ角βrが
正であれば後輪舵角θrは負であるので、ステップ11
6にて「YES」と判定するとともにステップ118に
て「YES」と判定し、ステップ120にて目標後輪舵
角θr*を後輪舵角θr より微小舵角Δθr だけ大きな値
θr+Δθrに設定する。また、後輪車軸L1のスリップ角
βrが負であれば後輪舵角θrは正であるので、ステップ
116にて「NO」と判定するとともにステップ122
にて「YES」と判定し、ステップ124にて目標後輪
舵角θr*を後輪舵角θr より微小舵角Δθr だけ小さな
値θr−Δθrに設定する。そして、ステップ132の処
理により左右後輪RW1,RW2を目標後輪舵角θr*に
操舵制御するので、同後輪RW1,RW2は前記とは逆
に後輪車軸L1の進行方向L3から遠ざかる方向に操舵され
ることになる。これにより、左右後輪RW1,RW2の
スリップ角βrw及び後輪車軸L1のスリップ角βr の各絶
対値|βrw|,|βr|が大きくなる。
【0020】上記作動説明からも理解できるとおり、上
記実施例によれば、ステップ114,126〜130の
制御とステップ116〜124の制御により、車両が急
旋回して後輪車軸L1のスリップ角βr の増加にしたがっ
て後輪車軸L1に発生するコーナリングフォースCfrが減
少していくような場合には、左右後輪RW1,RW2は
コーナリングフォースCfrが最大になるように操舵制御
される。その結果、後輪車軸L1のスリップ角βr 及び左
右後輪RW1,RW2のスリップ角βrwが大きくなって
も、後輪車軸L1に発生するコーナリングフォースCfrは
大きく保たれ、車両の走行安定性が良好になる。
記実施例によれば、ステップ114,126〜130の
制御とステップ116〜124の制御により、車両が急
旋回して後輪車軸L1のスリップ角βr の増加にしたがっ
て後輪車軸L1に発生するコーナリングフォースCfrが減
少していくような場合には、左右後輪RW1,RW2は
コーナリングフォースCfrが最大になるように操舵制御
される。その結果、後輪車軸L1のスリップ角βr 及び左
右後輪RW1,RW2のスリップ角βrwが大きくなって
も、後輪車軸L1に発生するコーナリングフォースCfrは
大きく保たれ、車両の走行安定性が良好になる。
【図1】 本発明の一実施例に係る車両の全体概略図で
ある。
ある。
【図2】 図1のマイクロコンピュータにて実行される
プログラムのフローチャートである。
プログラムのフローチャートである。
【図3】 前記プログラムの実行で利用される車両の状
態量の方向を説明するための概略図である。
態量の方向を説明するための概略図である。
【図4】 後輪車軸のスリップ角に対する同軸に発生す
るコーナリングフォースの変化特性図である。
るコーナリングフォースの変化特性図である。
【図5】 前記実施例におけるコーナリングフォースの
変化状態を示す特性図である。
変化状態を示す特性図である。
FW1,FW2…前輪、RW1,RW2…後輪、10…
前輪操舵機構、20…後輪操舵機構、30…電気制御装
置、31…車速センサ、32…ヨーレートセンサ、33
…横加速度センサ、34…後輪舵角センサ、35…マイ
クロコンピュータ。
前輪操舵機構、20…後輪操舵機構、30…電気制御装
置、31…車速センサ、32…ヨーレートセンサ、33
…横加速度センサ、34…後輪舵角センサ、35…マイ
クロコンピュータ。
Claims (1)
- 【請求項1】 後輪操舵機構を制御して後輪を操舵する
四輪操舵車の後輪操舵制御装置において、後輪車軸のス
リップ角に対する後輪車軸に発生するコーナリングフォ
ースの変化率を検出する検出手段と、前記検出された変
化率が負のとき後輪を前記スリップ角が減少する方向に
操舵制御しかつ同検出された変化率が正のとき後輪を前
記スリップ角が増加する方向に操舵制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする四輪操舵車の後輪操舵制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27460392A JPH06127403A (ja) | 1992-10-13 | 1992-10-13 | 四輪操舵車の後輪操舵制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27460392A JPH06127403A (ja) | 1992-10-13 | 1992-10-13 | 四輪操舵車の後輪操舵制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06127403A true JPH06127403A (ja) | 1994-05-10 |
Family
ID=17544036
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27460392A Pending JPH06127403A (ja) | 1992-10-13 | 1992-10-13 | 四輪操舵車の後輪操舵制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06127403A (ja) |
-
1992
- 1992-10-13 JP JP27460392A patent/JPH06127403A/ja active Pending
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