JPH06126788A - 射出成形機のフィードバック制御方法 - Google Patents

射出成形機のフィードバック制御方法

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JPH06126788A
JPH06126788A JP28312292A JP28312292A JPH06126788A JP H06126788 A JPH06126788 A JP H06126788A JP 28312292 A JP28312292 A JP 28312292A JP 28312292 A JP28312292 A JP 28312292A JP H06126788 A JPH06126788 A JP H06126788A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のオープン制御と同様に速度/圧力の上
限規制を行いつつ、精密成形に有利なフィードバック制
御を実行するので、異常な圧力上昇や異常な速度上昇の
発生を可及的に抑止し得、また、フィードバック制御の
ための条件出しが従来とオープン制御の場合と同様の手
法で容易に行い得る射出成形機における射出行程時のフ
ィードバック制御方法を提供すること。 【構成】 射出の速度フィードバック中において測定し
た圧力実測値が設定圧力値を超えた場合には、圧力フィ
ードバック制御に切り換え、また、射出の圧力フィード
バック中において測定した速度実測値が速度設定値を超
えた場合には、速度フィードバック制御に切り換えるよ
うに、構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機のフィード
バック制御方法に係り、特に、射出行程(射出・充填行
程たる1次射出行程と保圧行程とからなる行程)時や、
射出用駆動源による射出後退行程(スクリュー抜き動作
等の射出用駆動源によるスクリュー後退駆動行程)時の
速度/圧力のフィードバック制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】射出成形機においては、射出速度及び射
出圧力の制御条件は良品を成形する上での重要なファク
ターであり、この射出速度や射出圧力をフィードバック
制御するようにした射出成形機は各種提案されている。
【0003】そして、従来のフィードバック制御を行う
射出成形機では、一般的に、溶融樹脂を金型のキャビテ
ィ内に射出・充填する1次射出行程においては、速度設
定値に速度実測値が近づくように射出速度のフィードバ
ック制御(射出速度を優先したフィードバック制御)を
行い、金型内の樹脂に保圧圧力を加える保圧行程におい
ては、圧力設定値に圧力実測値が近づくように射出圧力
のフィードバック制御(射出圧力を優先したフィードバ
ック制御)を行うようにしている。
【0004】図5はこの従来のフィードバック制御の様
子を模式的に示す図で、図5の(a)は1次射出行程時
の様子を、図5の(b)は保圧行程時の様子をそれぞれ
示している。例えば、マイコン内のフィードバック制御
部50は、予め与えられた速度設定値Vo並びに圧力設
定値Poと、射出メカニズム51中のセンサの計測デー
タを適宜変換処理して得られる速度実測値Vm並びに圧
力実測値Pmとを取り込み、1次射出行程時には、圧力
実測値Pmの如何は問わずに、速度実測値Vmを速度設
定値Voに一致させるようにフィードバック制御を行
い、保圧行程時には、速度実測値Vmの如何は問わず
に、圧力実測値Pmを圧力設定値Poに一致させるよう
にフィードバック制御を行うようになっていた。
【0005】なおまた、フィードバック機能をもたない
オープン制御の場合は、1次射出行程及び保圧行程の両
期間ともに、流量比例電磁弁,圧力比例電磁弁の両者を
使って速度または圧力の何れか一方を優先させた制御を
行うも、見かけ上は速度,圧力の両者を制御するように
していた。すなわち、速度設定値および圧力設定値の両
者を全射出制御領域にわたって設定するようになし、速
度および圧力の設定値の一方が他方の実出力値の上限規
制値として働くようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記のように
1次射出行程を、速度フィードバック制御で行った場合
には、圧力設定値Poは無視されるので、この間は射出
圧力のコントロールは実質上不能となり、また、保圧行
程を、圧力フィードバック制御で行った場合には、速度
設定値Voは無視されるので、この間は射出速度のコン
トロールは実質上不能となる。
【0007】ところが、このような射出行程(1次射出
行程と保圧行程)の制御を行うと、1次射出行程の終期
には金型内の樹脂が充填完了に近づき、金型内樹脂から
の反力により負荷圧が上がって射出速度が落ちようとす
るが、1次射出行程中は速度フィードバック制御を行っ
ているので、1次射出行程終期の速度設定値が高い場合
にはむりやり設定速度を出すようにフィードバック制御
されるため、異常な負荷圧上昇を招来して金型破損を起
こす虞があった。
【0008】また、金型内への樹脂充填が完全に完了し
ない状態(未充填ないし充填不足)で、圧力フィードバ
ック制御を行う保圧行程に入った場合には、所定の負荷
圧が立たないため、むりやり圧力設定値まで圧力を出す
ようにフィードバック制御され、これに伴い異常な速度
上昇を招来して金型や射出機構部分が破損を起こす虞が
あった。
【0009】従って、従来のフィードバック制御のため
の条件出しには、綿密な配慮を必要とし、例えば、1次
射出行程時には本来一定速度設定(速度1段設定)で速
度条件の設定を行いたいものを、圧力への影響を考慮し
て多段速度設定を行うことを余儀なくされる等、煩雑で
且つ経験・知識を必要とする作業となり、またリトライ
設定が時として何度も必要となる等、時間の掛かるもの
ともなっていた。さらには、上記した異常な圧力上昇や
速度上昇による事故を防止するため、別途異常圧力/速
度の検出機能によって、異常な圧力もしくは速度の上昇
があった場合にはマシンを緊急停止させるようにしてい
るため、連続成形運転中にしばしばマシンが停止して稼
働効率を低下させる要因ともなり易いという問題があっ
た。
【0010】従って、本発明の解決すべき技術的課題は
上記した従来技術のもつ問題点を解消することにあり、
その目的とするところは、異常な圧力上昇や異常な速度
上昇の発生を可及的に抑止し得、また、フィードバック
制御のための条件出しが容易に行い得る射出成形機にお
けるフィードバック制御方法を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的とするところは、フィードバック
制御であるにもかかわらず、従来のオープン制御の場合
と見かけ上同等の使い方ができ、従来のオープン制御の
場合と全く同じ速度/圧力の設定手法をとりえる(従前
から親しんでいる速度/圧力の設定手法をそのまま踏襲
しえる)射出成形機におけるフィードバック制御方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、運転時の速度及び圧力を測定し、測定し
た実測値と設定値とを比較して実測値が設定値に近づく
ように、例えば、射出速度のフィードバック制御または
射出圧力のフィードバック制御を行う射出成形機におい
て、射出のフィードバック制御中において測定した圧力
実測値が設定圧力値を超えた場合には、圧力フィードバ
ック制御に切り換え、また、射出の圧力制御中において
測定した速度実測値が速度設定値を超えた場合には、速
度フィードバック制御に切り換えるように、される。
【0012】
【作用】例えば1次射出行程を、射出の速度フィードバ
ック制御によって実行している際に、すなわち、リアル
タイムで取り込まれる速度実測値と予め定められた速度
設定値とを対比し、速度実測値が速度設定値に近づくよ
うに射出速度をフィードバック制御している際に、圧力
実測値が圧力設定値たる許容圧力値を超えたことが検出
されると、フィードバック制御部は、圧力実測値が圧力
設定値に近づくように圧力フィードバック制御に切り換
える。これによって、射出圧力が下げられて圧力実測値
が圧力設定値に近づき、その結果、速度実測値がこれに
伴って下がってくる。そして、この後再び速度実測値が
速度設定値たる許容速度値を超えたことが検出される
と、フィードバック制御部は、再び射出の速度フィード
バック制御に切り換える。この速度→圧力,圧力→速度
のフィードバック制御の切り換えは、1次射出行程中,
保圧行程中の如何にかかわらず行われ、よって、1次射
出行程中に異常な圧力上昇が生じることが確実に抑止さ
れ、また、保圧行程中に異常な速度上昇が生じることも
確実に抑止される。
【0013】斯様にすることにより、圧力設定及び速度
設定が互いに上限規制を行うように作用し、異常な圧力
上昇や異常な速度上昇の発生を可及的に抑止することが
可能となる。また、上記の互いに上限規制を行う作用
は、速度/圧力のオープン制御の場合と全く同じものと
なり、このように安全性の高い、速度フィードバック制
御→圧力フィードバック制御,圧力フィードバック制御
→速度フィードバック制御の切り換えを自動的に行い、
しかも従来のオープン制御と同様の上限規制作用をする
ため従来のオープン制御と全く同じ設定条件出しを行え
ばよく、フィードバック制御のための設定条件出しが従
来に較べて容易なものとなる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の1実施例を図1〜図3によっ
て説明する。図1は本実施例に係る射出成形機の要部構
成を示す説明図、図2は本実施例によるフィードバック
制御切り換え手法の様子を模式的に示す説明図、図3は
本実施例によるフィードバック制御手法で実行される射
出行程の速度と圧力との関係の1例を示すグラフ図であ
る。
【0015】図1において、1は加熱シリンダ、2は該
加熱シリンダ1内に前後進並びに回転可能に配設された
スクリュー、3は原料供給用のホッパー、4はスクリュ
ー2の後端が連結されたスクリュー回転駆動用のモー
タ、5は射出用の油圧駆動源たる射出シリンダ(油圧シ
リンダ)である。図示した例では、射出シリンダ5のピ
ストンロッド5aの先端にモータ4のケーシングが固着
されており、ピストンロッド5aの前進によって、モー
タ4と一体となってスクリュー2が前進するようになっ
ている。上記構成において公知のように、ホッパー3か
ら供給された原料(樹脂材料)は、モータ4駆動による
スクリュー2の回転によって混練・可塑化されつつ加熱
シリンダ1の先端側に移送され、溶融樹脂がスクリュー
2の先端側に貯えられるに従ってスクリュー2が背圧を
制御されつつ後退し、1ショット分の溶融樹脂がクリュ
ー2の先端側に貯えられた時点でスクリュー回転は停止
される。そして、所定秒時を経た後、射出開始タイミン
グに至ると、スクリュー2が前進駆動されて、溶融樹脂
が図示せぬ金型のキャビティ内に射出・充填され(1次
射出行程)、続いて、保圧切替点で保圧行程に入って、
スクリュー2の前進圧力で金型内の樹脂に保圧圧力を所
定秒時の間加え続けるようにされる。
【0016】本実施例では、上記したスクリュー2の前
進過程(1次射出行程と保圧行程とからなる射出行程)
時の速度(射出速度)または圧力(保圧圧力を含む意味
の射出圧力)が、後述するようにマイコン20によるプ
ログラム化された処理によって、フィードバック制御さ
れるようになっている。すなわち本実施例においては、
電磁制御弁(圧力制御弁を兼用する電磁比例流量制御
弁)6を、マイコン20の出力を受ける電磁制御弁ドラ
イバ回路9によってフィードバック駆動制御し、これに
より、油圧ポンプ7よりの圧油を貯えるアキュームレー
タ(ACC)8から射出シリンダ5に供給される圧油の
流量(速度)をフィードバック制御するか、または、圧
油の圧力をフィードバック制御するようになっている。
【0017】11は、射出シリンダ5のピストンロッド
5aの前後進位置を検出するストロークセンサで、該ス
トロークセンサ11の検出情報は後述するマイコン20
に送出されて、マイコン20により計時情報を参照して
速度データに変換処理され、速度実測値としてリアルタ
イムで認知される。また、12は、射出シリンダ5への
油圧を検出する圧力センサで、該圧力センサ12の検出
情報も後述するマイコン20に送出されて、マイコン2
0により必要に応じ適宜変換処理され、圧力実測値とし
てリアルタイムで認知される。
【0018】20は、射出成形機全体の制御を司るマイ
コンで、各種I/Oインターフェース、主制御プログラ
ムや各種固定データなどを格納したROM、各種フラグ
や測定データなどを読み書きするRAM、マイコン全体
の制御を司るCPU(マイクロプロセッサ)等々を具備
しており、予め作成された各種プログラムに従って各種
処理を実行するも、本実施例においては説明の便宜上、
入力処理部21、成形条件設定記憶部22、成形プロセ
ス制御部23、許容P・V値監視部24、フィードバッ
ク制御部25、出力処理部26等を具備しているものと
して、以下の説明を行う。
【0019】上記入力処理部21には、前記ストローク
センサ11や圧力センサ12を含むマシン各部に配設さ
れた多数のセンサ群からの計測情報が入力され、これら
各種計測情報は入力処理部21において情報種別に応じ
た適宜変換処理を施されて、位置,速度,回転数,圧
力,温度等を示す情報としてマイコン20でリアルタイ
ムに認知され、これらは必要に応じ図示せぬ実測値情報
格納部に取り込まれる。
【0020】前記成形条件設定記憶部22には、各種成
形条件値が書き替え可能な形で記憶されている。この成
形条件設定記憶部22に格納された成形条件としては、
例えば、可塑化行程,型閉じ(型締め)行程,射出行
程,冷却行程,型開き行程,エジェクト行程等の制御条
件が挙げられる。本実施例では、射出行程中の1次射出
行程時の条件として、射出開始位置から保圧切替点(位
置)までの間のストローク軸に沿った射出速度条件、並
びに射出圧力条件を設定している。また、射出行程中の
保圧行程時の条件として、保圧切替時点から保圧終了時
点までの間の時間軸に沿った射出圧力(保圧圧力)条
件、並びに射出速度(スクリュー前進速度)条件を設定
している。
【0021】前記成形プロセス制御部23は、予め作成
された成形プロセス制御プログラムと成形条件設定記憶
部22に格納された設定条件値とに基づき、前記したマ
シンの各部に配設されたセンサ群からの計測情報及びマ
イコン20に内蔵された時計手段からの計時情報を参照
しつつ成形運転の制御を行うもので、出力処理部26を
介して各種制御信号を出力し、これによって、前記射出
シリンダ5のための電磁制御弁ドライバ回路9を含む多
数のドライバ回路群を駆動制御して、マシン各部の駆動
源を制御し、一連の成形行程を実行させる。
【0022】前記許容P・V値監視部24は、射出行程
時には、前記入力処理部21から到来する速度実測値V
m,圧力実測値Pmと、前記成形条件設定記憶部22に
格納された射出行程時の速度設定値Vo,圧力設定値P
oとを参照して、1次射出行程時および保圧行程時に
は、圧力実測値Pmと圧力設定値Poとの大小関係を常
時比較し、かつ、速度実測値Vmと速度設定値Voとの
大小関係を常時比較する。そして、許容P・V値監視部
24は、1次射出行程中にPm<Poの状態からPm>
Poに移行したことが検知されると、前記フィードバッ
ク制御部25に、射出の速度フィードバック制御から圧
力フィードバック制御に切り換えるように指令し、ま
た、1次射出行程中において圧力フィードバック制御を
行っている際に、Vm>Voになったことが検知される
と、再び射出の速度フィードバック制御に切り換えるよ
うに指令する。一方また、許容P・V値監視部24は、
保圧行程中にVm<Voの状態からVm>Voに移行し
たことが検知されると、前記フィードバック制御部25
に、射出の圧力フィードバック制御から速度フィードバ
ック制御に切り換えるように指令し、また、保圧行程中
において速度フィードバック制御を行っている際に、P
m>Poになったことが検知されると、再び射出の圧力
フィードバック制御に切り換えるように指令する。
【0023】前記フィードバック制御部25は、射出行
程時には、前記入力処理部21からの速度実測値Vm,
圧力実測値Pmと、前記成形条件設定記憶部22に格納
された射出行程時の速度設定値Vo,圧力設定値Poと
を取り込み、速度フィードバック制御または圧力フィー
ドバック制御を択一的に実行する。すなわち、速度フィ
ードバック制御を実行する際には、フィードバック制御
部25は、前記した速度設定値Voと速度実測値Vmと
を各位置または各時点ごとにリアルタイムで対比し、速
度設定値Voに対し速度実測値Vmがずれ込んでいる場
合には、速度実測値Vmを速度設定値Voに一致させる
ための修正値を算出し、これに基づく速度制御信号が例
えば出力処理部26で生成されて前記電磁制御弁ドライ
バ回路9に出力され、前記した如く電磁制御弁6で流
量、すなわち速度が調整・制御される。また、圧力フィ
ードバック制御を実行する際には、フィードバック制御
部25は、前記した圧力設定値Poと圧力実測値Pmと
を各時点または各位置ごとにリアルタイムで対比し、圧
力設定値Poに対し圧力実測値Pmがずれ込んでいる場
合には、圧力実測値Pmを圧力設定値Poに一致させる
ための修正値を算出し、これに基づく圧力制御信号が例
えば出力処理部26で生成されて前記電磁制御弁ドライ
バ回路9に出力され、前記した如く電磁制御弁6で圧力
が調整・制御される。
【0024】なお、上記したフィードバック制御部15
で行われるフィードバック制御のための演算制御処理
は、本実施例においては所謂PID(比例・積分・微
分)動作に基づくものとなっており、(P)動作で単位
ステップ入力に対し大きさK倍の出力とし、(I)動作
で単位ステップ入力に対し出力を積分作用によって直線
的に増減させたものとし、(D)動作で微分作用により
時間進みを生じさせ、これら(P),(I),(D)動
作を同時に行わせることにより、フィードバック制御を
行うようになっている。このようなPID制御を行う
と、油圧の応答送れを見越した(カバーした)フィード
バック制御が可能となり、立上りが鋭すぎることによる
オーバーシュートや発信を可及的に抑止できる上、立上
りが鈍すぎることによる目標までの到達時間遅れを無く
すことができ、好適な立上り特性を得ることが可能とな
る。
【0025】次に、上記した構成に基づく動作を説明す
る。連続成形運転中において射出開始タイミングに至る
と、前記成形プロセス制御部23の指令によって1次射
出行程が開始され、射出速度が初期目標値まで立ち上げ
開始されると共に、前記許容P・V値監視部24並びに
フィードバック制御部25も動作を開始する。すなわ
ち、許容P・V値監視部24は速度実測値Vmと圧力実
測値Pmとの取り込みを開始し、前記したように設定値
との大小比較の演算処理を始める。また、フィードバッ
ク制御部25は、1次射出行程の初期フィードバック制
御条件が射出の速度フィードバック制御であることを認
知していて、速度設定値Voと速度実測値Vmとを各位
置ごとにリアルタイムで対比し、速度フィードバック制
御動作を開始する。
【0026】そしてこの1次射出行程では、許容P・V
値監視部24における判定結果が、圧力実測値Pm<圧
力設定値Poを示している間は速度フィードバック制御
が実行され、1次射出行程中において常にPm<Poで
あるならば、1次射出行程は最後まで(保圧切替点ま
で)常に速度フィードバック制御で行われる。しかし、
1次射出行程の途中で圧力実測値Pm>圧力設定値Po
となったことが許容P・V値監視部24で検出される
と、許容P・V値監視部24からフィードバック制御部
25に、射出の速度フィードバック制御から圧力フィー
ドバック制御に切り換えるように切り換え指令信号が送
出されて、フィードバック制御部25は、圧力設定値P
oと圧力実測値Pmとを各位置ごとにリアルタイムで対
比し、圧力フィードバック制御動作を開始する。また、
この1次射出行程中において圧力フィードバック制御を
行っている際に、Vm>Voになったことが許容P・V
値監視部24で検知されると、許容P・V値監視部24
はフィードバック制御部25に対し、再び射出の速度フ
ィードバック制御に切り換えるように切り換え指令信号
を送出し、速度フィードバック制御に切り換えられる。
【0027】保圧切替点に至った後(1次射出行程が終
了した後)も、同様の制御を継続するが、金型内に樹脂
が充填された状態になると、圧力実測値が圧力設定値を
上回りPm>Poの状態になり、圧力フィードバックと
なる。この状態以降は樹脂が金型に充填されているた
め、再び速度実測値が上がってくることはなく、圧力フ
ィードバックが継続される。
【0028】図2は、上述したフィードバック制御部2
5による速度フィードバック制御と圧力フィードバック
制御との切り換え動作の様子を模式的に示している。ま
た図3は、射出行程(1次射出行程と保圧行程)中の速
度実測値Vmと圧力実測値Pmの1例を示す図で、図3
の(a)の如く保圧行程において速度実測値Vm>速度
設定値Voとなると、図3の(b)の如く速度フィード
バック制御に切り換えられ、Pm>Poになると再び圧
力フィードバック制御に切り換えられる様子を示してい
る。
【0029】斯様な構成/動作をとる本実施例によれ
ば、設定値(許容値)を大幅に超える異常な圧力上昇や
異常な速度上昇の発生を可及的に抑止することが可能と
なる。また、このように安全性の高い速度フィードバッ
ク制御→圧力フィードバック制御,圧力フィードバック
制御→速度フィードバック制御の切り換えを自動的に行
うので、フィードバック制御のための設定条件出しが、
従来のフィードバック制御のための条件出しに較べて極
めて容易なものとなる。すなわち、速度設定と圧力設定
とが互いに上限規制を行うように作用して射出制御動作
を行うので、精密成形のためのフィードバック制御を行
うものでありながら、フィードバック制御を行わない従
来のオープン制御の場合と同様に速度/圧力を上限規制
でき、従来のオープン制御の場合と全く同じ設定手法が
とり得、従前親しんだ慣例通りのオープン制御の設定条
件等が踏襲可能となり、オペレータにとっての設定条件
出しが容易なものとなる。
【0030】なお、上記した実施例では射出行程中の制
御について述べたが、本発明は、射出用駆動源によるス
クリュー後退駆動行程(例えば、スクリュー抜き行程
等)時における後退速度及び後退圧力を測定し、測定し
た実測値と設定値とを比較して実測値が設定値に近づく
ように、後退速度のフィードバック制御または後退圧力
のフィードバック制御を行う場合にも適用可能である。
すなわちこの場合は、後退の速度フィードバック制御中
において測定した圧力実測値が圧力設定値を超えた場合
には、圧力フィードバック制御に切り換え、また、後退
の圧力フィードバック制御中において測定した速度実測
値が速度設定値を超えた場合には、速度フィードバック
制御に切り換えるようにされる。こうすることによっ
て、スクリュー抜き行程等における、異常な速度上昇や
圧力上昇を未然に回避することができる。
【0031】図4は、上記した射出用駆動源によるスク
リュー後退駆動行程(スクリュー抜き行程)中の速度実
測値Vmと圧力実測値Pmの1例を示す図で、例えば図
4の(a)に示すように、スクリュー抜き(後退)の全
行程を速度フィードバック制御で行うと、後退の途上で
スクリュー等にこびり付いた樹脂の影響で圧力実測値P
mが許容圧力値を超えたり、あるいは、後退限近傍にお
いてメカニズムが衝合することにより圧力実測値Pmが
急速に立上り、スクリュー関連のメカニズムを損傷する
虞がある。これに対し、本発明によるフィードバック切
り換え制御手法をとると、例えば図4の(b)に示すよ
うに、後退の速度フィードバック制御中において圧力実
測値Pm>圧力設定値Poになると、後退の圧力フィー
ドバック制御に切り換わり、この後退の圧力フィードバ
ック制御中に速度実測値Vm>速度設定値Voとなる
と、再び速度フィードバック制御に切り換えられる。斯
様にすることにより、スクリュー後退駆動行程において
も、異常な圧力,速度の上昇を防ぎつつ、フィードバッ
ク制御を行うことが可能となる。
【0032】以上、本発明を図示した実施例によって説
明したが、当業者には本発明の精神を逸脱しない範囲で
種々の変形が可能であることは言うまでもない。例え
ば、上述した実施例においてはマイコンを用いたソフト
ウェア処理によってフィードバック制御を行っている
が、ハードウェアによる構成、すなわちサーボアンプ回
路等を用いた電気回路によって同等の機能を実現できる
ことは当業者には自明である。また、上述した実施例に
おいては射出用の駆動源として油圧シリンダ(射出シリ
ンダ)を用いた例を示したが、射出用の駆動源として電
磁サーボモータを用いても(速度フィードバック制御と
出力トルクのフィードバック制御との選択切り換えを行
うようにする)、本発明は適用可能である。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来のオ
ープン制御と同様に速度/圧力の上限規制を行うので、
精密成形に有利なフィードバック制御を実行しつつ、速
度フィードバック制御時の異常な圧力上昇や圧力フィー
ドバック制御時の異常な速度上昇の発生を可及的に抑止
し得、また、フィードバック制御のための条件出しが、
従来のオープン制御の成形機と全く同じ手法で容易に行
い得る射出成形機における射出行程時のフィードバック
制御方法が提供でき、その価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る射出成形機の要部構成
を示す説明図である。
【図2】本発明の1実施例によるフィードバック制御切
り換え手法の様子を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明の1実施例によるフィードバック制御手
法で実行される射出行程の速度と圧力との関係の1例を
示すグラフ図である。
【図4】本発明の他の実施例によるフィードバック制御
手法で実行されるスクリュー抜き行程の速度と圧力との
関係の1例を示すグラフ図である。
【図5】従来のフィードバック制御の様子を模式的に示
す説明図である。
【符号の説明】
1 加熱シリンダ 2 スクリュー 5 射出シリンダ 6 電磁制御弁 8 アキュムレータ 9 電磁制御弁ドライバ回路 11 ストロークセンサ 12 圧力センサ 20 マイコン 21 入力処理部 22 成形条件設定記憶部 23 成形プロセス制御部 24 許容P・V値監視部 25 フィードバック制御部 26 出力処理部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出速度及び射出圧力を測定し、測定し
    た実測値と設定値とを比較して実測値が設定値に近づく
    ように、射出速度のフィードバック制御または射出圧力
    のフィードバック制御を行う射出成形機において、 射出の速度フィードバック制御中において測定した圧力
    実測値が圧力設定値を超えた場合には、圧力フィードバ
    ック制御に切り換え、また、射出の圧力フィードバック
    制御中において測定した速度実測値が速度設定値を超え
    た場合には、速度フィードバック制御に切り換えるよう
    にしたことを特徴とする射出成形機のフィードバック制
    御方法。
  2. 【請求項2】 射出用駆動源によるスクリュー後退駆動
    行程時における後退速度及び後退圧力を測定し、測定し
    た実測値と設定値とを比較して実測値が設定値に近づく
    ように、後退速度のフィードバック制御または後退圧力
    のフィードバック制御を行う射出成形機において、 後退の速度フィードバック制御中において測定した圧力
    実測値が圧力設定値を超えた場合には、圧力フィードバ
    ック制御に切り換え、また、後退の圧力フィードバック
    制御中において測定した速度実測値が速度設定値を超え
    た場合には、速度フィードバック制御に切り換えるよう
    にしたことを特徴とする射出成形機のフィードバック制
    御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載において、 フィードバック制御であるにかかわらず、オープン制御
    と同様に速度設定値および圧力設定値の両者を全射出制
    御領域にわたって設定するようになし、速度設定値およ
    び圧力設定値の一方が他方の実測値(実出力値)の上限
    規制値として働くようにしたことを特徴とする射出成形
    機のフィードバック制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113459442A (zh) * 2020-03-31 2021-10-01 住友重机械工业株式会社 注塑成型机

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