JPH06125876A - 眼神経乳頭診断装置 - Google Patents

眼神経乳頭診断装置

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JPH06125876A
JPH06125876A JP4278952A JP27895292A JPH06125876A JP H06125876 A JPH06125876 A JP H06125876A JP 4278952 A JP4278952 A JP 4278952A JP 27895292 A JP27895292 A JP 27895292A JP H06125876 A JPH06125876 A JP H06125876A
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JP
Japan
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light intensity
nipple
image
pallor
constant
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JP4278952A
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English (en)
Inventor
Toru Iwane
透 岩根
Haruo Oda
治雄 小田
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 緑内障の診断装置を提供すること。 【構成】 眼底写真を輝度に基づいた画像処理を行ない
乳頭部、蒼白部を抽出する。この場合、乳頭から蒼白部
を抽出する際の基準として、下記経験式 Th=ζ・Nval+η・Tval+ξ・Imx から得られる輝度を採用する。そして、蒼白部および乳
頭部の面積、面積比に基づいて、緑内障発病の可能性を
数値的に診断する。なお、Nval、Tval、Imx
は、乳頭鼻側、乳頭耳側、最高輝度位置における光強度
である。ζ、η、ξは、経験的に得られる定数である。 【効果】 通常の眼底写真を生かして過去のデ−タを容
易に入手することができる。また、専門医でなくても診
断が可能で、早期発見という目的に対し大きな効果を発
揮しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】眼科において重大な疾病である緑
内障の早期発見および診断を、眼底の画像を利用して行
なう眼神経乳頭診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】緑内障は、視神経が壊死することにより
視野が徐々に失われてゆき最終的には完全に失明に至
る、不可逆的な疾病である。従って、その治療として
は、その進行を止めることが、期待し得る最良の治療で
あり、そのためには早期発見が重要となる。
【0003】緑内障の進行は、実際の視野の欠損や、眼
底像上の視神経乳頭の蒼白部分の拡大現象で、それを知
ることができる。しかし、この視野検査による調査法
は、すでに一部の視野を失って初めて分かる方法である
から、この検査で、異常が発見されたとしても、十全な
視覚を回復する可能性は少なく、早期発見という意味で
は、優れた方法とはいい難い。
【0004】一方、眼底像上の視神経乳頭の蒼白部分の
拡大現象とは、よく知られているとおり、神経乳頭部の
眼圧増大によって生じた陥凹部の拡大が、眼底画像にお
いて蒼白部の拡張として捉えられたものである。従っ
て、該現象を、予め観察しておくことで、緑内障の発病
を早期発見、あるいは、ある程度予測することができ
る。ところが、そのためには、眼底画像の分析が必須に
なる。
【0005】従来、眼底画像による緑内障の診断は、眼
底カメラで撮影した画像を、専門医ないしはそれに準ず
る力量を持つ人が、経験的にかつ官能的におこない得る
にすぎなかった。しかし、一般的に緑内障患者が、専門
医の手を煩わせるのは、自覚症状が現れてからであるか
ら、これでは、緑内障の早期発見は事実上不可能であっ
た。
【0006】こうした状況下、特別な撮影装置を用い
て、直接乳頭の陥凹を調べようという試みもなされてい
る。例えば、眼底を撮影する際に複数のカメラを使用
し、立体写真を得ることで、陥凹の状態を直接的に観察
するものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする問題】しかし、これらの装置
は、高価で一般の眼科医に購入、設置されることは少な
く、結局、緑内障の早期発見という目的のためには十分
でなかった。
【0008】さらに、陥凹の状態は、各人によりその状
態が異なるものであるため、正確な診断を行なうために
は、同一人の過去における状態と現在における状態とを
比較することが必要である。しかし、前記従来の装置
は、通常の眼底カメラで撮影された過去のデ−タを使用
できないため、患者のデ−タを経時的に追跡する事が難
しかった。つまり、該従来装置は、むしろ、専門医の研
究用という色彩が強く、早期発見という目的についてあ
まり考慮されていなかった。
【0009】以上の点から、今までに蓄積した膨大な眼
底写真を使用することができ、かつ専門医でなくても、
手軽に、緑内障を早期発見ないしは、その可能性を示唆
することのできる眼神経乳頭診断装置を提供することを
目的とする。
【0010】また、スクーリング調査をおこなう上で
も、十分に利用でき、迅速に大量のデータから緑内障の
可能性のある患者を抜き出すことのできる眼神経乳頭診
断装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決しようとするための手段】本発明は前記目
的を達成するためになされたもので、その一態様として
は、眼底の画像デ−タを取り込む画像入力手段と、前記
取り込まれた画像デ−タを処理解析する画像演算手段と
を有し、前記演算手段は、前記画像入力手段から入力さ
れた画像デ−タの光強度の変化に基づいて乳頭輪部を抽
出する乳頭抽出手段と、前記抽出された乳頭輪部内にお
ける光強度を、下記数2
【0012】
【数2】 Th=ζ・Nval+η・Tval+ξ・Imx Th:しきい値 Nval:乳頭の鼻側辺縁部における光強度 Tval:乳頭の耳側辺縁部における光強度 Imx:乳頭内における最大光量点における光強度 ζ:定数 η:定数 ξ:定数 により算出されるしきい値(Th)を基準として判別す
ることにより、乳頭から蒼白部を抽出する蒼白部抽出手
段と、を含んで構成されることを特徴とする眼神経乳頭
診断装置が提供される。
【0013】本発明の他の態様としては、眼底の画像デ
−タを取り込む画像入力手段と、前記取り込まれた画像
デ−タを処理解析する画像演算手段とを有し、前記演算
手段は、前記画像入力手段から入力された画像デ−タの
光強度の変化に基づいて乳頭輪部を抽出する乳頭抽出手
段と、前記抽出された乳頭輪部内における光強度を、下
記数3
【0014】
【数3】
【0015】Th:しきい値 Nval:乳頭の鼻側辺縁部における光強度 Tval:乳頭の耳側辺縁部における光強度 Imx:乳頭内における最大光量点における光強度 a:定数 b:定数 c:定数 により算出されるしきい値(Th)に従って判別するこ
とにより、蒼白部を抽出する蒼白部抽出手段と、を含ん
で構成されることを特徴とする眼神経乳頭診断装置が提
供される。
【0016】前記各態様において、前記演算手段は、前
記抽出した蒼白部の面積を算出する面積算出手段を有す
ることが好ましい。さらには、前記演算手段は、前記抽
出した蒼白部と、前記抽出した乳頭輪部内側領域との面
積比を算出する面積比算出手段を有することが好まし
い。
【0017】
【作用】画像入力手段は、眼底写真等から画像デ−タを
取り込む。演算手段は、該画像デ−タの明暗の変化から
乳頭部の輪郭を決定する。例えば、適当な色フィルター
で明暗のデータに変換した後、明暗の変化が最も大きい
点を選択する。さらに、該選択点の修正等を行なった
後、これらの点を補完することにより乳頭輪部の輪郭を
得る。
【0018】こうして、乳頭部が決定されると、その鼻
側、耳側の明るさ、蒼白部の最大光量から蒼白部と乳頭
周辺部を弁別するスレシホールドを決める。該スレシホ
−ルドは、下記数2あるいは数3から得られる。
【0019】
【数2】 Th=ζ・Nval+η・Tval+ξ・Imx
【0020】
【数3】
【0021】そして、該スレシホ−ルドを基準として蒼
白部を決定する。
【0022】面積算出手段、面積比算出手段は、これら
の面積、面積比を算出する。
【0023】
【実施例】本発明の一実施例である眼底診断装置を図面
を用いて説明する。
【0024】この眼底診断装置は、画像入力部1、演算
部2、記憶部3、表示部4を含んで構成される。
【0025】画像入力部1は、スキャナ等を含んで構成
されており、スライド写真として存在する眼底写真をデ
ジタル化して取り込む機能を有している。スライド写真
の高い分解能を生かすためには、できるだけ画素を多く
することが望ましい。そこで、本実施例では、縦225
0個×横1750個(=合計393,750個)の画素
からなるRGB画像を得ている。なお、このときの1画
素は、トリミングしているため、フィルム上では10ミ
クロン角の大きさに相当する。入力方法はこれに限定さ
れるものではなく、通常の眼底カメラと接続し、該眼底
カメラを通じて得られる画像を直接入力する構成とする
ことも容易に可能である。
【0026】演算部2は、画像入力部1により取り込ま
れた画像データに対して、後述する画像処理を行なうこ
とによって、本発明の目的である視神経乳頭蒼白部に関
する情報を抽出する機能を有している。本実施例の演算
部2は、マイクロコンピュ−タ、メモリ、またこれらに
格納されるプログラム等を含んで構成されており、該プ
ログラムを実行することにより前記機能を達成する構成
となっている。但し、前記機能を達成しうるものであれ
は、その具体的な構成は、なんら限定されるものではな
い。例えば、プログラムについては、後述する記憶部3
に格納されていてもよい。
【0027】記憶部3は、画像入力部1から取り込まれ
た画像デ−タや、演算部2による画像処理の結果得られ
たデ−タを格納するものである。
【0028】表示部4は、画像入力部1から得られた画
像デ−タや、解析結果、記憶部3に蓄えられている各種
情報を画像として操作者に表示するものである。本実施
例の解析結果、例えば、乳頭と蒼白部の面積比、面積の
値等が、おのおのに該当した画像とともに、表示される
のである。
【0029】以下、演算部2について詳細に説明する。
【0030】演算部2は、入力された画像デ−タに対
し、画像処理することによって判断の対象となるデ−タ
を抽出する機能を有している。例えば、入力された画像
デ−タに色フィルターをかけたり、或いは2値化した
り、最大値、最小値を決めたりすることができるように
なっている。なお、上述したとおり、これらの機能は演
算部2がソフトウェアーを実行することによって実現さ
れる。
【0031】画像から乳頭輪部と蒼白部を抽出する処理
を述べる。
【0032】まず、画像入力部1を用いて入力された画
像デ−タに色相フィルターをかける。この処理は、赤
(Red),緑(Green),青(Blue)のそれ
ぞれの強度をR,G,Bで表すとした場合、 I=αR+βG+γB なる演算を行ない明暗の画像にすればよい。これでカラ
ー画像に色フィルターをかけ単色の像にするのと同じ効
果が得られる。眼底写真でよく使われるグリーンフィル
ターを実現する場合には、α=0、β=1、γ=0とし
た場合を考えればよい。このときには、赤、青に関する
デ−タは取り込む必要がなく、単に緑色のみのデータを
取り込むだけで十分である。
【0033】次に、こうして取り込んだデータから、乳
頭輪部K’の輪郭を抽出する作業をおこなう。眼底画像
の中で最も明るいポイントは疑いなく乳頭輪部K’の内
側領域にあるから、この点を探し出せば、乳頭Kおおお
よその位置は分かることになる。そこで、眼底画像から
最高輝度の点Pを探しだし、この点を中心に一定の領域
を乳頭探査領域Jとして切り出す(図2参照)。
【0034】この乳頭探査領域J内において、最高輝度
の点Pを中心として、高さh画素おきにX方向(水平方
向)の直線xを2n+1本(本実施例においては11
本、但し、図3には9本しか示していない。これ以降に
おいても同様に、実際よりも少ない本数のラインに対応
した図面を用いて説明している。)引き、この直線に沿
って光強度の変化を調べる(図3参照)。そして、各ラ
イン毎に、光強度についての導関数を算出し、その値が
最大、最小となる点、つまり、明暗が最も大きく変化す
る点を抽出する。そして、該ポイントを仮の輪郭点(以
下”1次輪郭点”という)とする。図4における点r
(i:−4,−3,・・・,3,4)、点l(j:−
4,−3,・・・,3,4)が、この1次輪郭点であ
る。なお、図3(b)に示した光強度の変化は、直線x
(0)についてのものである。
【0035】こうして、求められた4n+2個の1次輪
郭点を、さらに別の条件で判定し、確度の高い上位(n
+1)個の点(本実施例においては11個の点)を2次
輪郭点とする。ここで言う別の条件とは、例えば、各1
次輪郭点あるいはその近榜における光強度の傾きの大き
さがある。また、乳頭輪部K’よりも内側領域には青色
の成分が多いのに対し、乳頭輪部K’よりも外側領域に
は青色の成分がほとんど存在しないことに着目し、該1
次輪郭点の近榜において青色成分の比率が大きく変化し
ているか否かといったことを条件とすることもできる。
なお、図3においては、1次輪郭点を黒点で、また、2
次輪郭点を2重点で示している。
【0036】2次輪郭点が決まると、今度は、前記抽出
した最高輝度の位置Pと、該位置Pを通過する前記ライ
ンについての1次輪郭点であるl(0)およびr(0)
の位置から乳頭Kの水平中心を決定する。ここでいう”
水平中心”とは、l(0)とr(0)との間の単なる中
点位置である。
【0037】次に、判定対象となっている画像が左眼の
ものであるか、右眼のものであるかを判定する。左右方
向については、乳頭K(正確には、乳頭Kと思われる部
分)の光強度の傾き、分布状態等から、鼻側、耳側の方
向を同定することができる。例えば、乳頭輪部K’の輪
郭付近での光強度の変化は、鼻側の方が耳側よりもゆる
やかである。また、乳頭輪部K’の外側周辺部の明るさ
も鼻側の方が耳側よりも明るい。一方、乳頭K内での明
るさは、耳側の方が鼻側よりも明るくなっている。ま
た、上下方向については、眼底写真において、通常、予
め上下方向がわかっているため、特に判定を行なうまで
もない。
【0038】続いて、Y方向(垂直方向)に関しても、
水平方向と同様の操作を行ない、垂直方向についての、
1次輪郭点を求める。また、点Pを通過するラインにつ
いての点u(0)、点d(0)から、乳頭Kの垂直中心
を求める。
【0039】次に、前記水平中心と、前記垂直中心とを
合成して、乳頭Kの中心Oを決定する(図5参照)。つ
まり、点l(0),点r(0)からもとめた水平中心の
水平方向の座標値を、該乳頭Kの中心Oの水平方向の座
標値とする。一方、点u(0),点d(0)から求めた
垂直中心の垂直座標値を、乳頭Kの中心Oの垂直方向の
座標値とする。
【0040】そして、該乳頭Kの中心Oを基に、点l
(0),点r(0),点u(0),点d(0)の近榜
(理想的には、これらの点上)を通過する楕円Qを描
き、この楕円Qに沿って適当な幅の検出領域を定める。
【0041】そして、各2次輪郭点について、この検出
領域内に含まれているか否かを基準とした補正を行な
う。該検出領域内に含まれている2次輪郭点については
そのままとする。該検出領域から大きくはずれている2
次輪郭点については、この時点で候補から外す。該検出
領域からはずれてはいるもののその、はずれかたが小さ
い2次輪郭点については、光強度の変化(図3(b))
を再度参照して、合理的な位置へ変更する。例えば、該
検出領域内に光強度等の条件が、その2次輪郭点とほと
んど等しい状況にある点が存在する場合には、該点を新
たな2次輪郭点とし、それまで2次輪郭点として扱われ
ていた点は2次輪郭点から除外する。なお、これ以降、
該補正後に残っている2次輪郭点を”3次輪郭点”とい
う。
【0042】つぎに、前記仮想楕円上に、楕円中心(つ
まり、前記乳頭Kの中心O)から等角にいくつかの点
(本実施例では8点)をおく。そして、各点について、
最も近い3次輪郭点を、最終的な輪郭点として選出し、
これを周期スプラインで補完して乳頭輪部K’の輪郭と
する。
【0043】乳頭輪部K’の輪郭が決定されると、続い
て、乳頭蒼白部Sを抽出する処理を行なう。
【0044】乳頭蒼白部Sの抽出に当たっては、いくつ
かの方法が考えられるが、本実施例では、先ほど求めら
れた乳頭Kから、代表点を選び、経験的に算出される一
次結合の式もしくは同様の効果を得る相関式や回帰式で
乳頭蒼白部Sを区別するスレシホールドを決めている。
以下、このスレシホ−ルドの決定方法を具体的に述べ
る。
【0045】先ほどの画像あるいは、新たにフィルター
をかけた画像に、前記手法により求めた乳頭輪部K’の
輪郭を重ね合わせる。そして、乳頭Kの鼻側辺縁部と耳
側辺縁部に代表点を取り、この地点での光強度をNva
l,Tvalとする。また、乳頭K内に存する最大光量
の点Pにおける光強度を同様にImxとする。すると、
乳頭蒼白部Sであるか否かを判断する基準となる光強度
のスレシホールドは下記数1のように表すことができ
る。
【0046】
【数1】Th=f(Nval,Tval,Imx) 本発明の発明者は、前記数1における関数fが、経験
上、下記数2あるいは数3のような形で近似的に表され
ることを見出している。
【0047】
【数2】 Th=ζ・Nval+η・Tval+ξ・Imx
【0048】
【数3】
【0049】前記数2、数3に含まれている定数ζ,
η,ξおよびa,b,cは、最も経験を積んだ専門医の
判断を数値処理することで得ることができる。
【0050】次に、こうして決まったスレシホールドを
画像に適用し、この値よりも光強度が大きいか否かによ
って乳頭K内を区分けすることによって乳頭蒼白部Sを
抽出する。当然、該スレシホ−ルド値よりも光強度の大
きい部分が乳頭蒼白部Sである。
【0051】以上のようにして、乳頭Kの中から乳頭蒼
白部Sを特定することができる。この後の、乳頭蒼白部
Sの面積、乳頭蒼白部Sと乳頭Kとの面積比等の算出は
容易である。
【0052】面積は、当該部所に存在する画素数を数
え、これに画像の倍率をかけてやればよいし、面積比は
2つ領域各々に含まれている画素数の比を計算すればよ
い。面積、面積比の算出方法は当然ながらこれに限定さ
れるものではない。
【0053】なお、乳頭輪部輪郭の決定、乳頭蒼白部の
抽出結果は、診断対象となるもとの画像とともに表示部
4にも表示される。従って、これらの処理が妥当なもの
であるか否かを容易に確認することができる。妥当なも
のでないと判断した場合には、使用者が適宜修正を加え
ることができるようにすればより確実な診断を行なうこ
とができる。
【0054】前記数2の定数として、ζ=0.305、
η=0.13、ξ=0.615を採用した場合に得られ
たスレシホ−ルドに従って求めた乳頭蒼白部Sの面積
と、専門医の診断結果に従って得られた乳頭蒼白部Sの
面積との、関係を調べると、相関係数が約0.84〜
0.95と、診断装置として十分実用に耐えうる値を得
ることができた。該デ−タの詳細を図6乃至図9に示し
た。
【0055】前記数3の定数として、a=0.33、b
=0.15、c=0.54を採用した場合に得られたス
レシホ−ルドに従って求めた乳頭蒼白部Sの面積と、専
門医の診断結果に従って得られた乳頭蒼白部Sの面積と
の、関係を調べると、相関係数が約0.80〜0.90
と、診断装置として十分実用に耐えうる値を得ることが
できた。
【0056】ここで使用した定数値は単なる一例として
示したものであり、当然これに限定されるものではな
い。年齢、人種、男女等の各種条件に応じて該定数値を
変更するようにすればより正確な結果が得られるはずで
ある。
【0057】なお、(個人差はあるものの)一般に、乳
頭の鼻側の部分には血管が多くある。従って、該血管が
蒼白部Sを被って、上述した該画像処理による診断を正
確に行なえない可能性が高い。そのため、面積比を求め
る際には、血管の少ない乳頭の耳側の部分だけを処理対
象としてもよい。あるいは、対称の部分を分かりやすい
形であらかじめ特定しておいてもよい。
【0058】乳頭蒼白部の面積、面積比は、各人により
異なるものであるため、同一時期に取られた眼底写真の
みに基づいて診断するだけでは十分とは言えない。異な
る時期に撮影された眼底写真との比較を行なうこと等に
よって、前記面積等の経時変化を確認し、また、得られ
た結果に対し統計的な処理を施すことが非常に有益であ
る。
【0059】乳頭蒼白部の抽出方法としては、上述した
方法以外にも、青系のフィルタを使用する方法が考えら
れる。原画像にいったん青系のフィルターをかけてやる
と、”蒼白部”の名称どおり乳頭蒼白部付近のコントラ
ストは強化され、これを2値化するだけか或いは変曲点
を取るだけでも、かなりの確度でその位置を特定するこ
とができる。実際、眼底において青の要素がある程度あ
る部分ないし色温度が高い部分は、乳頭蒼白部と撮影光
学系が不適当な場合に現れるフレアー以外には殆ど存在
しない。
【0060】以上説明した通り前記実施例によれば、乳
頭と蒼白部との関係を一つの定量的な値として得ること
ができる。従って、専門医でなくともある程度の診断を
行なうことができる。また、広く一般に用いられている
通常の眼底カメラ等により得た眼底写真を用いて診断を
行なうことができる。そのため、必要に応じて、容易に
過去の状態を確認し、診断に役立てることができる。以
上のことから本発明の診断装置は、緑内障の早期発見と
いう目的に十分貢献しうるものである。本発明の適用範
囲は緑内障の診断に限るものではなく、乳頭蒼白部、乳
頭輪部等にその影響がみられる他の病気の診断において
も有効である。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、今まで非
常に難しかった緑内障の早期発見が可能となる。先に述
べたように、緑内障は眼疾病の中で、最も重篤なものの
ひとつであり、症状がでるに先だって、これを発見する
事は福祉に貢献することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成図である。
【図2】最高輝度の点Pの位置を示す説明図である。
【図3】1次輪郭点抽出のための水平方向のラインおよ
び光強度の変化の様子を示す説明図である。
【図4】1次輪郭点および2次輪郭点を示す説明図であ
る。
【図5】神経乳頭の中心O、仮想楕円Qを示す説明図で
ある。
【図6】専門医Aの診断結果に基づいて算出された蒼白
部の面積と、本実施例の診断装置が算出した蒼白部の面
積と、を示す表である。
【図7】図6のデ−タの相関関係を示すグラフである。
【図8】専門医Bの診断結果に基づいて算出された蒼白
部の面積と、本実施例の診断装置が算出した蒼白部の面
積と、を示す表である。
【図9】図8のデ−タの相関関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:画像入力部、2:演算部、3:記憶部、4:表示
部、J:乳頭探査領域、K:乳頭、P:最高輝度位置、
S:蒼白部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】眼底の画像デ−タを取り込む画像入力手段
    と、 前記取り込まれた画像デ−タを処理解析する画像演算手
    段とを有し、 前記演算手段は、 前記画像入力手段から入力された画像デ−タの光強度の
    変化に基づいて乳頭輪部を抽出する乳頭抽出手段と、 前記抽出された乳頭輪部内における光強度を、下記数2 【数2】 Th=ζ・Nval+η・Tval+ξ・Imx Th:しきい値 Nval:乳頭の鼻側辺縁部における光強度 Tval:乳頭の耳側辺縁部における光強度 Imx:乳頭内における最大光量点における光強度 ζ:定数 η:定数 ξ:定数 により算出されるしきい値(Th)を基準として判別す
    ることにより、乳頭から蒼白部を抽出する蒼白部抽出手
    段と、を含んで構成されること、 を特徴とする眼神経乳頭診断装置。
  2. 【請求項2】眼底の画像デ−タを取り込む画像入力手段
    と、 前記取り込まれた画像デ−タを処理解析する画像演算手
    段とを有し、 前記演算手段は、 前記画像入力手段から入力された画像デ−タの光強度の
    変化に基づいて乳頭輪部を抽出する乳頭抽出手段と、 前記抽出された乳頭輪部内における光強度を、下記数3 【数3】 Th:しきい値 Nval:乳頭の鼻側辺縁部における光強度 Tval:乳頭の耳側辺縁部における光強度 Imx:乳頭内における最大光量点における光強度 a:定数 b:定数 c:定数 により算出されるしきい値(Th)に従って判別するこ
    とにより、蒼白部を抽出する蒼白部抽出手段と、を含ん
    で構成されること、 を特徴とする眼神経乳頭診断装置。
  3. 【請求項3】前記演算手段は、前記抽出した蒼白部の面
    積を算出する面積算出手段を有すること、 を特徴とする請求項1または2記載の眼神経乳頭診断装
    置。
  4. 【請求項4】前記演算手段は、前記抽出した蒼白部と、
    前記抽出した乳頭輪部内側領域との面積比を算出する面
    積比算出手段を有すること、 を特徴とする請求項1または2記載の眼神経乳頭診断装
    置。
  5. 【請求項5】眼底画像から視神経乳頭蒼白部を抽出する
    視神経乳頭蒼白部抽出方法において眼底画像における視
    神経乳頭領域の光強度を数2 【数2】 Th=ζ・Nval+η・Tval+ξ・Imx Th:しきい値 Nval:乳頭の鼻側辺縁部における光強度 Tval:乳頭の耳側辺縁部における光強度 Imx:乳頭内における最大光量点における光強度 ζ:定数 η:定数 ξ:定数 により示されるしきい値(Th)を用いて判別するこ
    と、 を特徴とする視神経乳頭蒼白部抽出方法。
  6. 【請求項6】眼底画像から視神経乳頭蒼白部を抽出する
    視神経乳頭蒼白部抽出方法において眼底画像における視
    神経乳頭領域の光強度を下記数3 【数3】 Th:しきい値 Nval:乳頭の鼻側辺縁部における光強度 Tval:乳頭の耳側辺縁部における光強度 Imx:乳頭内における最大光量点における光強度 a:定数 b:定数 c:定数 により示されるしきい値(Th)を用いて判別するこ
    と、 を特徴とする視神経乳頭蒼白部抽出方法。
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