JP2008073280A - 眼底画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】眼底画像における出血部の領域を精度よく決定することが可能であり、糖尿病性網膜症等の眼科系疾患の診断に有用な情報を眼科医等に提供可能な眼底画像処理装置を提供することを課題とする。
【解決手段】眼底画像処理装置1は、その機能的構成として、眼底画像の画像データ8から血管出血部領域を抽出する候補領域抽出手段21と、画像データ8から視神経乳頭領域を抽出する視神経乳頭部抽出手段23と、血管出血部領域の中から血管領域を除去する血管領域除去手段24と、出血部候補領域の重心を決定する重心決定手段25と、極座標変換画像データ26を作成する極座標変換手段27と、極座標変換画像データ26に基づいて出血部領域及び偽陽性候補領域3を判定する領域判定手段35と、出血部領域データ36に対して多変量解析を行う多変量解析手段37とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、眼底画像処理装置に関するものであり、特に、糖尿病性網膜症等の眼科系疾患の診断に有用な情報を提供可能な眼底画像処理装置に関するものである。
従来から、眼球に対して外部から光を照射し、眼球を通して眼底の状態を観察することが行われている。また、その眼底の状態をカメラ等の光学機器によって撮像し、眼底写真として医療記録に残すことが行われている。この眼底写真を詳細に検討することにより、種々の疾患の診断をすることができる。この眼底写真による診断手法は、非侵襲的なものであり、検査を受ける患者(被験者)は肉体的な負担を強いられることがなく、また比較的簡易な構成の装置によって有益な情報を得ることができるため、現在の医療機関において一般的に行われているものの一つである。
特に、眼底写真によって撮影される血管は、眼球の奥に位置する脳の血管(脳血管)の一部が直接分岐したものであり、身体の外部から脳内の状態を直接観察することができる唯一の手法と言われている。加えて、この眼底写真は、緑内障等の眼科系疾患の診断以外にも、糖尿病性網膜症等の生活習慣病の診断にも利用することができるものである。
ここで、眼底写真を利用した診断の中には、眼底血管からの出血の様子を確認することがある。この出血状態の確認は、眼科系疾患を診断する医師にとって極めて重要な情報である。しかしながら、眼底写真の中には、複数の血管が複雑に交叉や分岐等を繰返して走行しており、さらに血管以外の部位も多く存在する。さらに、出血の態様も様々なものであり、一目で容易に判断できないものもある。そのため、出血部位と出血ではない偽陽性候補とを明確に識別することが困難なケースもあった。このような場合、眼底写真からの情報を十分に理解するためには、十分な経験と知識とが眼科医等に求められていた。特に、眼底写真の中でも、造影剤を注入し、撮像された蛍光眼底写真に対し、造影剤を注入しないままで撮影を行う一般の非造影剤の眼底写真は、この出血部とそれ以外の領域との判断がなかなか下せないことがある。
ここで、一般的に眼底からの出血は、網膜が表される色彩よりも、茶褐色で示される傾向がある。そこで、例えば、ブラックトップハット変換や眼底写真(眼底画像)の可視度の補正後に閾値処理等を用いた抽出方法により、該出血部を抽出することができる。このとき、眼底には網膜の滲みのようなパターンが確認されることがあり、上記方法では、これらに滲みのようなパターンを出血として抽出する、すなわち偽陽性候補を誤抽出してしまうことがあった。そのため、出血部領域の画素値の標準偏差値を算出し、出血部位であるか否かの判定を行うことがあった。一方、出願人らは、眼底写真を解析し、眼底血管を自動的に抽出する手法について既に開示を行っている(非特許文献1)。
一方、眼底写真等の画像を解析するために、統計的特徴を抽出し、解析処理を行う多変量解析について開示されたものもある(非特許文献2)。
Yuji HATANAKA,Takeshi HARA,Hiroshi FUJITA, et al.:Automated analysis of the distributions and geometries of blood vessels on retinal fundus images, Proc. of SPIE−Medical Imaging 2004−Image Processing,5370(3),pp.1621−1628,2004 高木 幹雄,下田 陽久、新編 画像解析ハンドブック、東京大学出版局、東京、2004
しかしながら、上述したように、造影剤を注入しないで撮像された眼底画像は、眼底からの出血とその周囲の正常な血管とで画素値がほとんど同じものが多く存在し、既知の技術及び解析手法を用い、画素値の違いを利用して抽出したものは、前述のように、出血部以外の誤抽出(偽陽性候補)の領域が出血部として認識されてしまうことがあった。
また、出血部を画素値の標準偏差値を利用して特定するものは、精度の粗い特定は可能であるものの、出血部は出血毎に異なる複数の態様を示すものであるため、標準偏差値を利用するような画一的な処理では出血部と血管との識別が非常に困難となるケースもあった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、眼底画像における出血部の領域を精度よく決定することが可能であり、糖尿病性網膜症等の眼科系疾患の診断に有用な情報を眼科医等に提供可能な眼底画像処理装置を提供することを課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明の眼底画像処理装置は、「撮像されたカラー眼底画像の画像データから、眼底血管及び出血部を含む血管出血部領域を周囲との画素値の違いを利用して抽出する候補領域抽出手段と、前記画像データから視神経乳頭部に相当する視神経乳頭領域を周囲との画素値の違いを利用して抽出する視神経乳頭部抽出手段と、抽出された前記血管出血部領域の中から、前記視神経乳頭領域に接する接触箇所を認識し、当該接触箇所を前記眼底血管の血管領域と判定し、当該血管領域を前記血管出血部領域から除去する血管領域除去手段と、前記血管領域の除去された出血部候補領域から眼底の重心を決定する重心決定手段と、前記重心を通過する仮想線分を与え、前記仮想線分を前記重心を中心として回転させ、前記仮想線分上の各角度における画素値をそれぞれ取得し、極座標変換画像データを作成する極座標変換手段と、変換された前記極座標変換画像データに含まれる前記出血部候補領域の中から選択された一の選択候補領域と前記選択候補領域に近接する前記血管領域とのそれぞれの画素値の平均値を比較し、前記選択候補領域を出血部領域または偽陽性候補領域のいずれか一方と判定する領域判定手段と」を具備するものから主に構成されている。
ここで、画像データとは、被験者の眼底を撮影した眼底写真を電子データ化して作成したものであり、例えば、通常の銀塩カメラで撮影され、焼付けされた眼底写真或いはそのポジ(ネガ)フィルムをスキャナ等の画像入力機器を利用して電子情報に変換したものや、近年において普及の著しいデジタルカメラによって撮影したデータをそのまま眼底画像データとして直接利用するものであってもよい。そして、変換された眼底画像データが眼底画像診断支援コンピュータに眼底画像データ入力受付手段を通じて入力される。ここで、眼底画像データ入力受付手段は、上述した眼底画像データの入力が可能なものであればよく、例えば、スキャナやフィルムスキャナ等の画像入力機器を利用し、眼底画像診断支援コンピュータに取込むもの、眼底画像データをフレキシブルディスクやCD−R等の記憶媒体に記憶し、該記憶媒体の読取装置を通じて取込むものなどが挙げられる。また、デジタルカメラによって撮影されたデータの場合は、デジタルカメラと眼底画像診断支援コンピュータとをUSBケーブルなどで接続し、対象の眼底画像データを直接取り込むものであってもよい。
また、候補領域抽出手段及び視神経乳頭部抽出手段とは、いずれもその対象領域とその周囲、例えば、眼底血管の血管領域とその周囲の網膜領域(眼底領域)との画素値の違いを利用して抽出するものである。すなわち、眼底血管及び眼底血管からの出血部は、周囲の網膜領域に比して、一般的に濃色で示されることが判っている。そこで、例えば、カラー眼底画像の画像データの緑色成分(G成分)に注目し、該緑色成分のそれぞれの画素値の違いを利用して血管出血部領域の抽出を行う。
ここで、血管はその内部を流れる血液に含まれるヘモグロビン成分によって、緑色成分の波長領域が最大の吸収率を示すことが知られている。そこで、該緑色成分を基準とすることで、血管(血液)以外の部位との画素値の差が著しく大となるため、抽出を容易にすることができる。なお、視神経乳頭部は、その生理的特徴から略円形状を呈し、網膜領域(眼底領域)に対して明度が高く、換言すれば、白っぽい色彩で観察されることが知られている。そのため、抽出する対象に応じて基準とする各色成分を任意に変化させることにより、当該部位に最適な抽出が可能となる。
さらに、血管領域除去手段とは、上述した手段によって抽出された血管出血部領域の中から、視神経乳頭領域に接する箇所を血管領域とみなして除去するものである。ここで、視神経乳頭部に接する血管出血部領域は、これまでの医学的経験上、非常に高い確率で血管領域であることが認識されている。そこで、当該血管領域除去手段を用いることにより、後述する出血部領域とは無関係の血管領域のみを除去し、処理能力の軽減化を図っている。
さらに、極座標変換手段とは、血管出血部領域において決定された重心を中心とし、該重心を通過する仮想線分上の各角度における画素値を示すように画像データを極座標画像に変換したものである。すなわち、眼底写真は、一般的に本来は略球状を呈し、三次元構造の眼球の一部である眼底を撮影し、これを二次元化したもの、すなわち、平面に置換したものである。そのため、撮影中心(重心に相当)から、その周辺方向に向かうにつれて、画像に歪みを生じることがある。さらに、眼底カメラによる眼底の撮影の際に使用するフラッシュの光量は、重心(撮影中心)に比べ周辺部が一般的に暗くなる傾向がある。しかしながら、従来は、係るフラッシュ光量の差を考慮することがなく、領域の抽出処理等を行っている。これに対し、極座標変換することにより、重心からの距離(重心間距離)を勘案した抽出・認識処理を行うことにより、出血部及びそれ以外の偽陽性候補領域の特定を正確に行うことが可能となる。
したがって、本発明の眼底画像処理装置によれば、抽出された血管出血部領域の中から視神経乳頭部と接する血管領域を除去し、さらに極座標変換された極座標変換データに基づいて、近接する血管領域との画素値の違いを利用して選択候補領域が出血部領域から、周囲の網膜領域等からなる偽陽性候補領域か否かの判定が行われる。
さらに、本発明の眼底画像処理装置は、上記構成に加え、「前記領域判定手段は、前記選択候補領域を構成する画素の画素値の平均値を算出する選択候補平均値算出手段と、前記選択候補領域の前記極座標変換画像上の上端位置から下端位置までと一致する範囲の前記血管領域の画素値の平均値を算出する上下限血管平均値算出手段と、算出された選択候補平均値及び血管平均値を比較し、前記選択候補領域を前記出血部領域または前記偽陽性候補領域のいずれか一方と判定する平均値判定手段と」を具備するものであっても構わない。
したがって、本発明の眼底画像処理装置によれば、極座標変換された極座標変換画像の選択候補領域の平均値と当該選択候補領域の上端位置及び下端位置に相当する範囲の血管領域の平均値とをそれぞれ算出し、これを比較することが行われる。これにより、重心からほぼ同距離にある血管領域及び選択候補領域を比較することにより、中心部からの歪み及びフラッシュ光量の減少がほぼ同条件の両者を比較することが可能となる。そのため、選択候補領域と血管領域との比較条件を一定とすることができるため、偽陽性候補領域の判定が容易となる。
さらに、本発明の眼底画像処理装置は、上記構成に加え、「前記領域判定手段は、前記選択候補領域及び前記選択候補領域に近接する前記血管領域の前記重心からの重心間距離をそれぞれ算出する重心間距離算出手段とをさらに具備し、算出された前記重心間距離の距離差が予め定められた閾値距離内にあるときに前記平均値判定手段を実行する」ものであっても構わない。
したがって、本発明の眼底画像処理装置によれば、選択候補領域と近接する血管領域のそれぞれの重心間距離を算出し、この重心間距離の差が閾値距離以内にある時に、平均値による判定を実行する、換言すれば、閾値距離以上離れている場合には平均値による判定を実行しないとするものである。すなわち、閾値距離以上離れた場合には、選択候補領域及び血管領域との比較条件を一定とすることができないため、精度のよい判定が困難となる。そこで、予め規定した閾値距離以上の距離差がある場合には、係る処理をキャンセルする。
さらに、本発明の眼底画像処理装置は、上記構成に加え、「前記選択候補平均値算出手段は、前記画素を赤色成分、緑色成分、及び青色成分毎の前記画素値の平均値をそれぞれ算出する色成分平均値算出手段をさらに有し、前記平均値判定手段は、算出された各色毎の前記平均値が、前記赤色成分、前記緑色成分、及び前記青色成分に対して予め設定された閾値以上であるときに、偽陽性候補領域と判定する」ものであっても構わない。
したがって、本発明の眼底画像処理装置によれば、画素値の平均値を、カラー眼底画像を構成する各画素の三色の色成分毎の平均値をそれぞれ算出することが行われ、さらにこの各色成分毎の平均値が予め設定された閾値以上のときに、偽陽性候補領域として判定するものである。すなわち、カラーで示される各画素は、赤色成分(R成分)、緑色成分(G成分)、青色成分(B成分)の三成分によって構成されている。そのため、各色成分毎に平均値を算出し、判定することにより、偽陽性候補領域の判定精度が高くなる。さらに、偽陽性候補領域は、本来の出血部領域に比べ、各画素値の値が高くなることが知られているため、予め設定された色成分毎の閾値に基づき、該閾値以上の色成分の平均値が認められた場合には、当該領域を出血部領域ではない偽陽性領域として判断することがなされる。
さらに、本発明の眼底画像処理装置は、上記構成に加え、「前記領域判定手段によって判定された前記出血部領域に係る出血部領域データに対し、モーメント解析による長軸と短軸の比に相当する縦横比、画素値の標準偏差、濃淡ヒストグラムによる歪度と尖度、同時生起行列、差分統計量、及びランレングス行列の少なくともいずれか一つから算出される特徴量を利用して多変量解析を行い、前記偽陽性候補領域を除去する多変量解析手段を」具備するものであっても構わない。
したがって、本発明の眼底画像処理装置によれば、画素値の平均値に基づいて判定された出血部領域に対し、特徴量解析を行い、偽陽性候補領域の除去を行う。ここで、多変量解析とは、観測値が複数の値からなる多変量データを統計的に扱う手法であり、前述した縦横比、モーメント解析による歪度と尖度、同時生起行列、差分統計量、及びランレングス行列の少なくともいずれか一つを実行することにより、特徴量を計算し、偽陽性候補領域を除去することができるものである。なお、上述した手法を全て実施した場合、その特徴量は22種類になる。
ここで、濃淡ヒストグラムとは、全体が1.0になるように正規化された濃淡ヒストグラムP(i),(i=0,1,・・・,n−1)を作成し、そのヒストグラムから平均、分散、歪度、尖度を計算し、それらの値によってテクスチャを特徴づけたものである。ここで、歪度、尖度はそれぞれ重心まわりの3次及び4次のモーメントであり、特に、歪度は、濃淡ヒストグラムの形状や対称な形からどれだけ歪んでいるのかの程度を表すパラメータであり、一方、尖度は、濃淡ヒストグラムの分布が平均値のまわりに集中しているか、端のほうへ広がっているかの程度を表すパラメータである(非特許文献2から引用)。
また、同時生起行列とは、画像の濃淡iの点から角度θの方向にrだけ離れる一定の変位δ(r,θ)だけ離れた点の濃淡がjである確率を要素とする同時生起(co−occurrence)行列を求め、その行列から14種類の特徴量を計算し、それらの値によってテクスチャを特徴づけるものである(非特許文献2から引用)。
一方、差分統計量とは、画像内で、一定の変位δ(r,θ)だけ離れた2点の濃淡の差がkである確率を求め、それから次の4種類の特徴量を計算し、それらによってテクスチャを特徴づけるものであり、これにより4種類の特徴量を計算することができる(非特許文献2から引用)。
さらに、ランレングス行列とは、画像内で、θの方向の濃度iの点がj個続く頻度を要素とするランレングス行列を求め、その行列から5種類の特徴量を計算し、それらによってテクスチャを特徴づけるものである(非特許文献2から引用)。
さらに、本発明の眼底画像処理装置は、上記構成に加え、「前記多変量解析手段は、前記赤色成分、前記緑色成分、前記青色成分、色合い成分、及び彩度成分の5成分に対し、前記特徴量を算出する」ものであっても構わない。
したがって、本発明の眼底画像処理装置によれば、5成分に対し、前述した22種類の特徴量を計算する、即ち、合計110種類の特徴量を計算し、これに基づいて偽陽性候補領域の除去を行うことが可能となる。また、この110種類の特徴量を利用し、予め設置した学習用データベースにおいて、出血部領域と偽陽性候補領域のクラスタリングを行ってもよい。この場合、クラスタリングの手法としては、例えば、マハラノビス距離を用いた手法、或いはニューラルネットワークを用いたものを採用することができる。ここで、マハラノビス距離とは、クラスのもつ固有の分散による影響を正規化した空間での距離として定められるものであり、それぞれのクラスが多次元の正規分布に従うと仮定した場合、そのマハラノビス距離はあるデータからそれぞれのクラスまでの最も自然な距離を与えるものである(非特許文献2から引用)。
本発明の効果によれば、画素値の違いを利用して抽出された血管出血部領域に対し、極座標変換をすることにより、重心からの距離(重心間距離)の影響を考慮して出血部領域または出血部領域でない偽陽性候補領域のいずれかの判定を行うことができる。このとき、出血部領域または偽陽性候補領域のいずれかの可能性がある選択候補領域の画素値の平均値と、該選択候補領域に最も近い血管領域の平均値とを比較し、さらに選択候補領域の上端位置及び下端位置と同じ範囲の血管領域における平均値を求めることにより、両者を比較する条件を揃えることができる。その結果、領域判定による精度が向上する。また、各領域の重心間距離を算出し、その差が閾値距離よりも大きい場合には、比較条件が一定でないとみなし、領域判定に係る処理をキャンセルすることができる。その結果、精度の低い判定が行われることがない。
また、領域判定手段によって判定された出血部領域データに対し、多変量解析を実施することにより、該出血部領域データからさらに偽陽性候補領域を検出し、除去することができる。その結果、最終的に得られる出血部領域の解析精度が著しく高くなる。
以下、本発明の一実施形態である眼底画像処理装置1について、図1乃至図6に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態の眼底画像処理装置1の機能的構成を示すブロック図であり、図2は(a)カラー眼底画像、及び(b)血管出血部領域2の一例を示す説明図であり、図3は(a)出血部候補領域4、及び(b)多変量解析処理後の出血部領域5の一例を示す説明図であり、図4は(a)重心Gの決定、(b)仮想線分Lによる画素値の取得、(c)極座標変換画像6、及び(d)平均値の算出のそれぞれの一例を示す説明図であり、図5及び図6は眼底画像処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態の眼底画像処理装置1は、図1乃至図4に示されるように、眼底カメラ7によって撮像されたカラー眼底画像からなる画像データ8から、眼底血管に係る血管領域3以外の出血部領域5を精度よく抽出し、その位置を特定するものであり、汎用のパーソナルコンピュータを利用して構成されている。ここで、眼底画像処理装置1は、血管出血部領域2から血管領域3を除去した出血部候補領域4を極座標変換し、極座標変換された状態の出血部候補領域4の選択候補領域28に最も近い血管領域3の画素値の平均値を算出し、重心Gからの距離を略同一として血管領域3の平均値を比較し、出血部領域5(図3(b)矢印参照)の特定をするものである。また、眼底画像処理装置1は、一般的なコンピュータの構成であるCPU等の各種機器及び機能を備えるコンピュータ本体10、種々のデータ等を表示するための液晶ディスプレイ11、データ等の入力及び各種操作に利用するキーボード12及びマウス13等の操作入力機器14を具備して構成されている。また、汎用のコンピュータに装備または接続される種々のコンピュータ用の周辺機器(外部記憶装置、プリンタ等)を具備するものであってもよい(図示しない)。
ここで、眼底画像処理装置1の機能的構成について説明すると、図1に主として示すように、撮像されたカラー眼底画像の画像データ8から、眼底血管及び出血部を含む血管出血部領域4を周囲(例えば、網膜領域或いは眼底領域に相当)との画素値の違いを利用して抽出する候補領域抽出手段21と、画像データ8から視神経乳頭部に相当する視神経乳頭領域22を周囲との画素値の違いを利用して抽出する視神経乳頭部抽出手段23と、抽出された血管出血部領域2の中から、視神経乳頭領域22に接する接触箇所を認識し、当該接触箇所を眼底血管の血管領域3と判定し、当該血管領域3を血管出血部領域2から除去する血管領域除去手段24と、血管領域3の除去された出血部候補領域4から眼底の重心Gを決定する重心決定手段25と、重心Gを通過する仮想線分Lを与え、仮想線分Lを重心Gを中心として回転させ、仮想線分L上の各角度θにおける画素値をそれぞれ取得し、極座標変換画像データ26を作成する極座標変換手段27と、変換された極座標変換画像データ26に含まれる出血部候補領域4の中から選択された一の選択候補領域28と、この選択候補領域28に最も近い血管領域3とのそれぞれの重心Gからの重心間距離を算出する重心間距離算出手段29、選択候補領域28を構成する各画素の画素値の平均値を算出する選択候補平均値算出手段30、選択候補領域29の極座標変換画像6上の上端位置UPから下端位置LPまでと一致する範囲の近接する血管領域3の画素値の平均値を算出する上下限血管平均値算出手段32を有し、算出した重心間距離の差が予め定められた閾値距離内にあるときに、選択候補平均値及び血管平均値を比較し、選択候補領域を出血部領域5または出血部領域5ではない偽陽性候補領域33のいずれか一方と判定する平均値判定手段34を有する領域判定手段35と、判定された出血部領域5を示す出血部領域データ36に対し、種々の特徴量に基づく多変量解析を行う多変量解析手段37とを具備して主に構成されている。
さらに、本実施形態の眼底画像処理装置1における選択候補平均値算出手段30は、各画素の色成分(赤色成分、緑色成分、青色成分)毎のそれぞれの平均値を算出する色成分平均値算出手段38を備え、平均値判定手段34は、算出された各色毎の平均値が、それぞれの色成分に対して予め定められた閾値以上であるときに、偽陽性候補領域33として判定するものである。また、本実施形態の画像処理装置1は、上述した画像データ8以外に、各種処理によって形成されたデータ、及び出血部領域5等の判定に用いるための基準となる閾値が設定された各閾値データ43,44a等がデータ記憶手段39に格納されている。ここで、データ記憶手段39は、所謂ハードディスクドライブのような記憶装置が利用可能である。さらに、各処理の段階を視覚を通じて確認可能なように、前述した液晶ディスプレイ11に当該データを信号制御して送出するための表示制御手段46を具備している。
なお、多変量解析手段37については、既にその特徴及び詳細について説明し、また、画像解析において、これらの多変量解析手段37を用いることは、周知の技術であるため、その具体的な構成については説明を簡略化する。なお、本実施形態の眼底画像処理装置1においては、前述した22種類の特徴量に対し、赤色成分、緑色成分、青色成分、色合い成分、及び彩度成分の5成分についてそれぞれ求めるため、合計で110種類の特徴量に基づいて解析処理を行うことになる。なお、特徴量の種類及び赤色成分等の各成分の数については、特に限定されないが、多変量解析を実施する眼底画像処理装置の処理能力に応じて適宜変更することができる。また、多変量解析を行うための複数のプログラムは、データ記憶手段39に解析用ソフトウェア45として記憶されており、多変量解析手段37を実行する際に、該解析用ソフトウェア45を読出すことによって多変量解析処理が行われる。
次に、本実施形態の眼底画像処理装置1の処理の流れについて、図2乃至図6、特に、図5及び図6のフローチャートに基づいて説明を行う。なお、本実施形態の眼底画像処理装置1では、予め画像データ8がコンピュータ本体10内のデータ記憶手段39に記憶されているものとし、これらを操作入力機器13からの読出操作によって適宜読出すことによって、画像処理を行うものを示している。
まず、画像処理を行う画像データ8をデータ記憶手段39から読出し(ステップS1、図2(a)参照)、読出した画像データ8の眼底画像9を構成する各画素から、眼底を走行する眼底血管及び眼底血管からの出血部を含む血管出血部領域2を周囲の網膜領域42等との画素値の違いを利用して抽出する(ステップS2、図2(b)参照)。ここで、一般に血管出血部領域2は、周囲の網膜領域42等と比べて濃色で示されることが多い。そこで、前述したように、血管内部の血液に含まれるヘモグロビン成分が、緑色成分(G成分)の波長領域において最大の吸収率を示すことを利用し、該緑色成分を基準とした画素値の違いによる抽出を行う。これにより、緑色成分の画素値の差が周囲とは著しく大きいため、血管出血部領域2の抽出を正確に行うことができる。なお、一般に眼底画像9において、暗く、かつ太い眼底血管は静脈に相当し、比較的明るく、かつ細い眼底血管は動脈に相当することが多い。
また、眼底画像処理装置1は、画像データ8から視神経乳頭部に相当する視神経乳頭領域22を周囲の網膜領域42等との画素値の違いを利用して抽出する(ステップS3)。ここで、視神経乳頭領域22は、一般に眼底画像の中心近傍に存在し、かつ網膜領域42等よりも明度が高く、すなわち、白っぽい画素で示されるものであり、さらに略円形状を呈することが知られている。そのため、上述した網膜領域42等との画素値の違いを検出することにより、視神経乳頭領域22が特定される。その後、抽出された血管出血部領域2の中から、視神経乳頭領域22と接する接触箇所を認識し、この接触箇所を眼底血管の血管領域3と判定し、血管出血部領域2から除去する(ステップS4、図3(a)参照)。係る処理は、視神経乳頭領域2に存在する血管出血部領域2は、ほとんどが血管領域3であり、出血部領域5が存在することはほとんどないとする医学的経験に基づくものである。これにより、後述する出血部領域5を特定するための対象範囲を視神経乳頭領域22以外に絞ることができ、コンピュータ本体10の処理能力に過剰な負荷がかかることがない。その結果、眼底画像9における出血部候補領域4の位置情報が特定される。
そして、画像データ8の重心Gを決定する(ステップS5)。ここで、重心Gは眼底カメラ7のフラッシュ光量が最も大きい部位に近似し、一般的に眼底画像9(画像データ8)の略中央部に設定される(図4(a)参照)。そして、この重心Gを一端とする仮想線分Lを与える(ステップS6)。このとき、該仮想線分Lは、重心Gから図4(b)における紙面右水平方向に突出した位置を基準位置(線分角度θ=0°)として設定される。そして、この状態で重心Gを中心として、仮想線分Lを0°から360°の範囲まで線分角度θを回転させ(ステップS7、図4)、このときの各線分角度θにおける仮想線分L上の各々の画素値を取得する(ステップS8)。そして、各線分角度θにおける画素値の値をプロットし、極座標変換画像6を作成する(ステップS9、図4(c)参照)。なお、本実施形態において、図4(c)に示すように、極座標変換画像6をカラーの眼底画像9に基づいて作成するものについて示したが、出血部候補領域4に対して重心Gを決定し、これを極座標変換するものであってもよい。
ここで、極座標変換画像6は、図4(c)に示されるように、横軸に線分角度θの値、及び縦軸に重心Gからの距離をプロットしたものである。これにより、撮影時のフラッシュ光量の差によって、重心Gの近傍は明るく、網膜領域42の外周が暗くなった状態の眼底画像9に対してそのまま画像処理を行う場合の不具合を解消し、重心間距離がほぼ同一の位置にある出血部候補領域4と血管領域3との平均値の比較を行うことができるようになる。
その後、血管領域3の除去された極座標変換された極座標変換画像6に含まれる出血部候補領域4から一の選択候補領域28を選択する(ステップS10)。さらに、選択された選択候補領域28に最も近い位置に存在する血管領域3を特定する(ステップS11)。ここで、選択候補領域28に最近接する血管領域3の特定手法については、特に限定されないが、例えば、画素値の違いによって決定される選択候補領域28の境界部を構成する画素と、血管領域3の境界部を構成する画素との間を計算し、その距離が最も短い位置に存在する血管領域3をステップS11において特定する等、周知の方法を利用することが可能である。
そして、選択候補領域28及び特定された血管領域3のそれぞれの重心Gからの距離(重心間距離)を算出し、その差(重心間距離差ΔL)を求める(ステップS12)。そして、求められた重心間距離差ΔLと、予め規定され、データ記憶手段39に閾値距離データ43として記憶されていた閾値距離Dとの比較をする(ステップS13)。ここで重心間距離差ΔLが閾値距離Dよりも小さい場合(ステップS13においてYES)、すなわち、算出された重心間距離差ΔLが閾値距離Dの範囲内にあるとき、選択候補領域28及び特定された血管領域3は、互いに近接していると判断され、以後の処理が行われる。一方、重心間距離差ΔLが閾値距離Dと同一または大きい場合(ステップS13においてNO)、すなわち、算出された重心間距離差ΔLが閾値距離Dの範囲から外れるとき、選択候補領域28及び特定された血管領域3は、互いに離間していると判断され、以後の処理がキャンセルされる。すなわち、選択された選択候補領域28と血管領域3との平均値の比較が行われない。これは、重心間距離差ΔLが大きな血管領域3及び選択候補領域28は、互いの色(画素値)が大きく異なるため、平均値を算出しても正確な領域判定が行えないためである。そのため、事後の処理がキャンセルされる。
上述した判定により、重心間距離差ΔLが閾値距離Dよりも小さい場合、選択候補領域28を構成する各画素の画素値の平均値を各色成分毎に算出する(ステップS14)。ここで、各色成分毎の選択候補平均値が、データ記憶手段39に記憶された各色閾値データ44a等よりも小さい場合(ステップS14においてYES)、当該選択候補領域28の極座標変換画像6上の上端位置UP及び下端位置LPをそれぞれ検出する(ステップS16)。一方、選択候補平均値のいずれか一つが各閾値データ44a等よりも大きい場合(ステップS14においてNO)、当該選択候補領域28は、網膜領域42等が誤って検出された誤抽出であると判定し、当該領域を偽陽性候補領域33として、出血部候補領域4から除去する処理を行う(ステップS17)。そして、ステップS22の処理に移行する。
一方、選択候補領域28の上端位置UP及び下端位置LPを検出した場合、既に特定されている選択候補領域28に最も近接する血管領域3から、検出した上端位置UP及び下端位置LPから血管領域3の方向に伸ばした仮想線(図4(d)の破線参照)で区切られる血管領域3の範囲の画素値の平均値(血管平均値)を算出する(ステップS18)。そして、ステップS14によって算出された選択候補平均値と、ステップS18によって算出された血管平均値とを比較する(ステップS19)。ここで、選択候補平均値と血管平均値とのそれぞれ平均値が一致または所定の範囲内で近似している場合(ステップS19においてYES)には、当該選択候補領域28を血管領域3と判定し、出血部候補領域4から除去する(ステップS20)。一方、選択候補領域28の選択候補平均値と血管平均値とが近似していない場合(ステップS19においてNO)、選択候補領域28を血管領域3でない出血部領域5として判定する(ステップS21)。これにより、眼底画像9の全体では、画素値が近似し、血管領域3と区別することができない出血部領域5であっても、極座標変換画像6に変換することによって、撮影中心(重心G)からの距離による影響を小さくし、さらに最も近い血管領域3との画素値の平均値と比較することにより、画素値の平均値の微妙な違いを捉え、各領域を判定することができる。その結果、従来の画像処理では出血部領域5として認識されていた箇所であっても、上述の近接の血管領域3との比較により、偽陽性候補33として判断されることになる。
そして、出血部候補領域4に含まれる全ての選択候補領域28に対し、上述したステップS10乃至ステップS21の処理が完了しているか否かを検出し、係る処理が完了している場合(ステップS22においてYES)、特定された出血部候補領域5の出血部領域データ47に対し、前述した周知の統計的手法に基づく多変量解析を合計110種類の特徴量によって実施し(ステップS23)、その結果、多変量解析によってさらに特定された出血部領域5を表示制御手段46で信号制御し、液晶ディスプレイ11を介して表示を行う(ステップS24)。
以上、説明したように、本実施形態の眼底画像処理装置1によれば、出血部候補領域4を抽出することによって、血管領域3及び出血部領域5の眼底画像9上の位置情報を取得することができ、さらに極座標変換画像6によって、重心Gからの選択候補領域28の距離と、その距離と略同一で選択候補領域28に近接する血管領域3との比較を行うことにより、重心からの距離に応じたフラッシュ光量の照射条件を同一とすることができ、さらに近接した血管領域3との平均値との比較により、出血部領域5と偽陽性候補領域33との差を明確にすることができる。さらに、血管領域3の血管平均値を極座標変換画像6上の上端位置UP及び下端位置LPの範囲で算出することにより、選択候補領域28における選択候補平均と同じ範囲で計算することができる。その結果、比較条件を一定とすることにより、判定精度が高くなる。さらに、画像解析による判定の後、統計的手法を用いた多変量解析を行うことにより、さらに出血部領域5の特定を高い精度で行うことができるようになる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、本実施形態の眼底画像処理装置1において、血管出血部領域3の抽出を、緑色成分を基準として抽出するものを示したがこれに限定されるものではなく、もちろん他の色成分或いはこれらの色成分を統合して抽出するものであっても構わない。また、同様に、選択候補領域28の個々の色成分についてそれぞれ平均値を算出するものを示したが、これに限定されるものではなく、いずれか一つ、或いは各色成分を統合して平均値を算出するものであっても構わない。さらに、多変量解析手段37は、上述した種類に限られるものではなく、周知の統計的手法を適宜適用することによって解析処理をするものであってもよい。
本実施形態の眼底画像処理装置の機能的構成を示すブロック図である。 (a)カラー眼底画像、及び(b)抽出された血管出血部領域の一例を示す説明図である。 (a)出血部候補領域、(b)多変量解析後の出血部領域の一例を示す説明図である。 (a)重心Gの決定、(b)仮想線分Lによる画素値の取得、(c)極座標変換画像、及び(d)平均値の算出のそれぞれの一例を示す説明図である。 眼底画像処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。 眼底画像処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 眼底画像処理装置
2 血管出血部領域
3 血管領域
4 出血部候補領域
5 出血部領域
6 極座標変換画像
8 画像データ
21 候補領域抽出手段
22 視神経乳頭領域
23 視神経乳頭部抽出手段
24 血管領域除去手段
25 重心決定手段
26 極座標変換画像データ
27 極座標変換手段
28 選択候補領域
29 重心間距離算出手段
30 選択候補平均値算出手段
31 極座標変換画像
32 上下限血管平均値算出手段
33 偽陽性候補領域
34 平均値判定手段
35 領域判定手段
36 出血部領域データ
37 多変量解析手段
38 色成分平均値算出手段
43 閾値距離データ
47 出血部領域データ
L 仮想線分
LP 下端位置
UP 上端位置
ΔL 重心間距離差
θ 線分角度

Claims (6)

  1. 撮像されたカラー眼底画像の画像データから、眼底血管及び出血部を含む血管出血部領域を周囲との画素値の違いを利用して抽出する候補領域抽出手段と、
    前記画像データから視神経乳頭部に相当する視神経乳頭領域を周囲との画素値の違いを利用して抽出する視神経乳頭部抽出手段と、
    抽出された前記血管出血部領域の中から、前記視神経乳頭領域に接する接触箇所を認識し、当該接触箇所を前記眼底血管の血管領域と判定し、当該血管領域を前記血管出血部領域から除去する血管領域除去手段と、
    前記血管領域の除去された出血部候補領域から眼底の重心を決定する重心決定手段と、
    前記重心を通過する仮想線分を与え、前記仮想線分を前記重心を中心として回転させ、前記仮想線分上の各角度における画素値をそれぞれ取得し、極座標変換画像データを作成する極座標変換手段と、
    変換された前記極座標変換画像データに含まれる前記出血部候補領域の中から選択された一の選択候補領域と前記選択候補領域に近接する前記血管領域とのそれぞれの画素値の平均値を比較し、前記選択候補領域を出血部領域または偽陽性候補領域のいずれか一方と判定する領域判定手段と
    を具備することを特徴とする眼底画像処理装置。
  2. 前記領域判定手段は、
    前記選択候補領域を構成する画素の画素値の平均値を算出する選択候補平均値算出手段と、
    前記選択候補領域の前記極座標変換画像上の上端位置から下端位置までと一致する範囲の前記血管領域の画素値の平均値を算出する上下限血管平均値算出手段と、
    算出された選択候補平均値及び血管平均値を比較し、前記選択候補領域を前記出血部領域または前記偽陽性候補領域のいずれか一方と判定する平均値判定手段と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の眼底画像処理装置。
  3. 前記領域判定手段は、
    前記選択候補領域及び前記選択候補領域に近接する前記血管領域の前記重心からの重心間距離をそれぞれ算出する重心間距離算出手段とをさらに具備し、
    算出された前記重心間距離の距離差が予め定められた閾値距離内にあるときに前記平均値判定手段を実行することを特徴とする請求項2に記載の眼底画像処理装置。
  4. 前記選択候補平均値算出手段は、
    前記画素を赤色成分、緑色成分、及び青色成分毎の前記画素値の平均値をそれぞれ算出する色成分平均値算出手段をさらに有し、
    前記平均値判定手段は、
    算出された各色毎の前記平均値が、前記赤色成分、前記緑色成分、及び前記青色成分に対して予め設定された閾値以上であるときに、偽陽性候補領域と判定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の眼底画像処理装置。
  5. 前記領域判定手段によって判定された前記出血部領域に係る出血部領域データに対し、モーメント解析による長軸と短軸の比に相当する縦横比、画素値の標準偏差、濃淡ヒストグラムによる歪度と尖度、同時生起行列、差分統計量、及びランレングス行列の少なくともいずれか一つから算出される特徴量を利用して多変量解析を行い、前記偽陽性候補領域を除去する多変量解析手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の眼底画像処理装置。
  6. 前記多変量解析手段は、
    前記赤色成分、前記緑色成分、前記青色成分、色合い成分、及び彩度成分の5成分に対し、前記特徴量を算出することを特徴とする請求項5に記載の眼底画像処理装置。
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