JPH06125105A - 太陽電池モジュールおよびその故障検出方法 - Google Patents

太陽電池モジュールおよびその故障検出方法

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JPH06125105A
JPH06125105A JP4271806A JP27180692A JPH06125105A JP H06125105 A JPH06125105 A JP H06125105A JP 4271806 A JP4271806 A JP 4271806A JP 27180692 A JP27180692 A JP 27180692A JP H06125105 A JPH06125105 A JP H06125105A
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solar battery
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magnetic
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Toshio Maruyama
敏雄 丸山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 太陽電池モジュールの動作状態を磁気的に検
出する。 【構成】 太陽電池モジュール7内部に磁力発生手段3
を設け、これに発電電流を流すことにより磁界を発生さ
せ、太陽電池外部からこの磁界を検出することにより、
発電状態または異常状態を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池モジュールの
動作状態を簡単に検出するための装置およびその検出方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽電池モジュールを直並列に配線し、
架台上に配列された構造を太陽電池アレイと呼ぶ。太陽
電池モジュールが故障して太陽電池アレイの出力が異常
になった場合、故障箇所を検出する方法は、モジュール
ごとに電気的出力を測定しなければならない。
【0003】従来より太陽電池モジュールの動作状況の
確認方法としては、出力端子の電圧を検出する方法や、
出力電流をクランプ型電流計を用いて検出する方法が用
いられている。また、太陽電池モジュールが故障の場合
は、バイパスダイオードに電流が流れるので、バイパス
ダイオードとして発光ダイオードを用いたものも考えら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】太陽電池モジュールの
電圧を測定するためには、出力端子に接触しなければな
らない。
【0005】ところが、この端子部分が外部に露出して
いると、漏電,感電等の原因となる。そのため、開閉可
能でかつ完全に防水の可能な端子ボックスをモジュール
ごとに取付け、ボックス内に太陽電池モジュール出力端
子を露出させなければならない。太陽電池アレイを構成
する全太陽電池モジュールの端子ボックスの蓋を開けて
出力電圧を点検することとなる。
【0006】電流の計測は、クランプ型電流計を使うこ
とにより、非接触で測定が可能である。しかし、多くの
太陽電池モジュールは内部にバイパスダイオードが挿入
されているので、太陽電池モジュールの出力ケーブルを
クランプ型電流計で測定しても、故障を検出できないこ
とが多い。つまり、太陽電池モジュールの一部の素子配
列部分で断線したり、素子出力が低下した場合には、太
陽電池アレイを構成する他の直列モジュールからの出力
電流は、故障モジュールのバイパスダイオードを流れる
ために、故障モジュールの出力ケーブルを流れる電流は
変化しない。
【0007】したがって、太陽電池モジュールの発電電
流を測るためには、図8のように予め直列に接続された
太陽電池素子1またはバイパスダイオード2のケーブル
9を外部に引出して、この引出部をクランプ型電流計1
0で挟んで発電電流を計測すればよい。しかし、ケーブ
ル9を引出すためにあけた穴から水分が太陽電池モジュ
ールに浸入し、故障の原因になる可能性がある。
【0008】また、太陽電池モジュール表面はガラスで
覆われており、ケーブルを通すことができないので、側
面または裏面からケーブルを出す必要がある。
【0009】太陽のエネルギをできるだけ効率よく利用
するためには、太陽電池をできるだけ密に設置する必要
がある。側面にケーブルを引出すことは計測スペースを
必要とし面積効率が低下する。したがって、通常は裏面
の端子ボックスから発電電流計測用のケーブルを出すこ
とになる。
【0010】バイパスダイオードに流れる電流をLED
で検出する方法において、LEDを裏面に設けた場合、
LEDが見えるように透明な窓を設ける必要があり、こ
の窓と太陽電池の隙間から水分が浸入し、故障の原因に
なる可能性がある。
【0011】以上の計測方法は、いずれも裏面に作業空
間がある場合には可能であるが、モジュールの設置方法
によっては裏面からメンテナンスができるとは限らな
い。たとえば、屋根の上や壁面に接して太陽電池モジュ
ールを配列した場合、モジュールを取外さずに表側から
出力を確認することは、このLEDを用いる方式では不
可能である。
【0012】バイパスダイオードに流れる電流をLED
で検出する方法において、LEDを表面に設けた場合
は、LED実装面積の分だけ太陽電池の実装密度が低下
する。また、検出器の影の影響を太陽電池出力に及ぼさ
ずに、直射日光の当っている太陽電池表面にあるLED
の微弱な光を検出することは、かなり困難と考えられ
る。
【0013】本発明は、太陽電池モジュールの裏面側だ
けでなく表面側からでも、電気的に絶縁された状態で太
陽電池モジュール1枚1枚が発電しているか否かを、容
易に検出する方法を提供するものであり、屋根や壁面に
設置された太陽電池モジュールの故障箇所を容易に検出
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】太陽電池モジュール内に
磁力発生手段を設け、太陽電池セルの発電電流またはバ
イパスダイオードに流れる電流を、その磁力発生手段に
流すようにした。
【0015】
【作用】太陽電池モジュールの内部の電流を磁力発生手
段に流すことにより、電流に応じて磁界が発生し、その
磁界を検出することにより、太陽電池が発電している
か、または故障していることを検出することができる。
【0016】
【実施例】図1に示した回路は、本発明の第1の実施例
である。太陽電池モジュール7の内部には、太陽電池セ
ル1,バイパスダイオード2,磁力発生手段3等が設け
られている。太陽電池セル1が発電した電流が、それに
直列に接続された磁力発生手段3に流れることにより磁
界が発生する。もし、太陽電池が故障し電流が流れなけ
れば磁界は発生しないので、外部より容易に発電してい
るかどうかを検出することができる。
【0017】理論的には、電流が流れる導体の周囲には
必ず磁界が発生しているが、磁力発生手段としては、導
体に流れる電流により発生する磁界をより強めるため
に、ケーブルを図7(a)のように1回以上ループさせ
る。ループの形状としては、図7(b)のように筒状の
コイルに巻いたもの、図7(c)のように渦巻状の平面
コイルに巻いたもの、さらに磁力を強めるためにそれら
のループの内部に磁性体のコアを持ったもの等が考えら
れる。
【0018】磁力発生手段より発生した磁界を検出し、
その太陽電池モジュールが発電しているか、どうかを判
定することができる。
【0019】磁界の検出手段としては、磁針,リードリ
レー,ホール素子等が考えられる。太陽電池セル及び太
陽電池モジュールの主な構成材料は非磁性体であり磁力
線を歪ませることなく透過するので、磁力発生手段を太
陽電池モジュール内部および裏面に設置しても表面から
検出可能である。同時に太陽光の入射の妨げにならない
ので、太陽電池効率に影響を与えず、かつ美観を損ねな
い。さらに、表面および側面に突起部を出すことなく実
装可能であり、太陽電池アレイの面積効率にも影響を与
えない。
【0020】図2に示した回路は本発明の第2の実施例
である。図2の回路が図1の回路と異なるところは、磁
力発生手段3がバイパスダイオード2に直列に接続され
ていることである。
【0021】太陽電池モジュール7を複数台数直列に接
続した太陽電池アレイにおいて、太陽電池セル1が故障
し、太陽電池セルの電圧が低下すると、外部よりバイパ
スダイオード2に太陽電池アレイの出力電流が流れる。
この電流が磁力発生手段3に流れることにより磁界が発
生する。もし、太陽電池セルが故障していなければ、磁
力発生手段3には電流が流れず磁界が発生しないので、
外部より容易に故障していることを検出することができ
る。
【0022】図3は、磁界検出のため磁針6,6−1,
6−2を用いた場合の検出概念図であり、この場合は磁
界の方位の変化を測定する。磁針6は磁力発生手段3か
ら遠いので、地磁気等の外部磁界のために常に一定方
向、通常は北を指す。
【0023】6−2のように、磁針を磁力発生手段3に
近づけると、磁力発生手段3の発生する磁界により、北
以外を指すようになる。これにより、微弱な磁界でも容
易に検出することができる。
【0024】磁極の近くでは磁力線が集中しているの
で、発生している磁界の方向はどのような方向であって
も構わない。
【0025】方向を検出する場合は、外部磁界の方向と
本発明による磁力発生手段の磁界の方向とを、ともに知
る必要がある。
【0026】外部磁界の検出方法としては、少し離れた
場所の地磁気を測定することが考えられるが、地磁気以
外にも太陽電池架台や近くに設置された機器が磁化され
ている可能性もあり、離れた場所の外部磁界とは必ずし
も一致していない。
【0027】従って、1つの磁気センサを移動させ、近
隣の複数点の磁界を測定し比較することが考えられる。
【0028】このとき、図4に示されるように、磁界の
方向の検出を容易にするために、複数のセンサを用いる
ことが考えられる。たとえば、3つの磁針を検出器8に
用いた場合、磁界が発生していない場合は、図の検出器
8のように外部磁界によりすべて同じ方向を向いている
が、磁界が発生している場合は、検出器8−1のように
それぞれが別な方向を向くようになる。これにより、検
出器の移動や比較のための前の状態の記憶が不要にな
り、瞬時に検出することができる。
【0029】磁性体のコアを使用する場合、U字形の磁
性体により磁束を検出器の方向に集中させて、より検出
しやすくすることが考えられる。
【0030】図5は、発生する磁界の方向を太陽電池モ
ジュールの表面に対し、水平または垂直になるように設
置した場合の配置図である。磁界の検出しやすさは、磁
界の強さとセンサまでの距離の関数であるが、磁束が太
陽電池モジュールの表面に平行になるように配置した磁
力発生手段3は、磁束密度の最も高いコイルの中心から
太陽電池表面または裏面との距離が、コイルの半径r以
上必要となる。磁束が垂直になるように配置した磁力発
生手段3−1は表面までの距離が最も小さくなり、検出
が容易となることが考えられる。
【0031】またコイルを図7(c)のように1平面上
に渦巻状に巻くことにより、より薄い形状にすることが
でき、太陽電池モジュール内部に実装しやすくなる。
【0032】図6は、ノーマリオフのリードリレーを用
いた場合の一実施例である。実線で示されるリードリレ
ー4は磁力発生手段3から遠いので、接点はオフの状態
である。点線で示されるように、リードリレー4を磁力
発生手段3に近づけると、磁力発生手段3の発生する磁
界によりリードリレー4はオンになる。接点の状態を検
出器5を用いて検出することにより、容易に磁界の存在
を検出することができる。
【0033】リレーはノマーリーオンのタイプを使用す
ることも考えられる。リードリレーの代わりにホール素
子を用いて検出することもできる。
【0034】磁針を用いて検出する場合、磁針はほぼ水
平に保たなければ正しく磁力線の方向を検出できないこ
とがある。太陽電池は通常傾斜させて設置している場合
が多く、測定者が磁針を水平に維持することは困難であ
る。そこで水平に保つため、架台の傾きに応じて角度を
調整できる治具を付けることが考えられる。
【0035】また、水平を検出するための水準器を付け
ることも考えられる。さらに、角度に関係なく検出でき
るように、左右の回転だけでなく上下方向も検出可能と
した球形の磁針を使用することが考えられる。
【0036】太陽電池表面から計測する場合、検出器の
影により太陽電池の発電電流が減少し、故障と判断され
る可能性がある。そこで、影の発生を抑えるため、セン
サ部を小型化するだけでなく、センサのパッケージを透
明にすることが考えられる。
【0037】また、検出器を支持するための人や手の影
の影響を抑えるため、棒状の把手を付けることが考えら
れる。
【0038】太陽電池裏面で出力ケーブルをループさせ
1Aの電流を流し、表面から磁針を用いて磁力の発生を
検出した場合、磁力発生手段の巻数は1回で十分検出可
能であった。
【0039】実装方法については、太陽電池のリード線
の一部をループさせておく,端子ボックス内に収納する
等が考えられる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、太陽電池の発電電流ま
たは故障時のバイパスダイオードに流れる電流により磁
界を発生させ、この磁界を検出することによって故障を
検出できるから、太陽電池の発電効率を低下させること
なく、通常運転状態で、絶縁状態で、美観を損ねず、か
つ、表面からでも容易に太陽電池の故障を検出でき、太
陽電池の保守点検に非常に大きな効果を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の回路図である。
【図2】本発明の第2の実施例の回路図である。
【図3】磁針を用いた場合の検出概念図である。
【図4】磁針を用いた場合の他の検出概念図である。
【図5】磁力発生手段の発生する磁界の太陽電池モジュ
ール表面に対する関係の説明図である。
【図6】リードリレーを用いて検出する場合の説明図で
ある。
【図7】(a)〜(c)は、それぞれループの形状の説
明図である。
【図8】クランプ電流計による従来の一例の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 太陽電池セル 2 バイパスダイオード 3 磁力発生手段 7 太陽電池モジュール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽電池モジュール内部に流れる電流を
    1回以上巻回したループに流すことによる磁力発生手段
    を設けた太陽電池モジュール。
  2. 【請求項2】 磁力発生手段を太陽電池素子出力に直列
    に接続した請求項1記載の太陽電池モジュール。
  3. 【請求項3】 磁力発生手段をバイパスダイオードに直
    列に接続した請求項1記載の太陽電池モジュール。
  4. 【請求項4】 太陽電池モジュールの出力電流により磁
    力発生手段が発生する磁界の有無を1個以上のセンサに
    より確認する太陽電池モジュールの故障検出方法。
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