JPH06125101A - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池

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JPH06125101A
JPH06125101A JP4273973A JP27397392A JPH06125101A JP H06125101 A JPH06125101 A JP H06125101A JP 4273973 A JP4273973 A JP 4273973A JP 27397392 A JP27397392 A JP 27397392A JP H06125101 A JPH06125101 A JP H06125101A
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JP
Japan
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transparent electrode
resin
solar cell
photoelectric conversion
tin
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Application number
JP4273973A
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English (en)
Inventor
Shinya Mayama
進也 間山
Yuichi Hashimoto
雄一 橋本
Hisami Tanaka
久巳 田中
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、透明電極を高い生産性で形成で
き、しかも高温高湿下でも長期間安定して電気特性を維
持できる太陽電池を提供することを目的とする。 【構成】 導電性基体100上に光電変換層101及び
透明電極102を有する太陽電池において、該透明電極
は、結着剤樹脂とITO(酸化インジウム及び酸化スズ
の固溶体)の超微粒子と溶媒とからなる電極形成用組成
物を前記光電変換層上に塗布、硬化することにより形成
されたものであり、該透明電極中の遊離したインジウム
及びスズはいずれも50ppm以下であることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は太陽電池に係わり、とり
わけ耐熱性、耐候性、耐湿性等の環境特性に優れた透明
電極を有する太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池はエネルギー供給手段として、
火力発電や原子力発電のような環境汚染の心配がなく、
クリーンな太陽エネルギーから直接電気エネルギーが容
易に取り出せるということから注目されている。
【0003】しかし、現状では太陽電池の製造原価は高
く、変換効率も必ずしも十分でないことに加え、耐久性
にも問題があるため、広く一般に普及する段階にまでい
たっていない。
【0004】太陽電池の更なる普及のためには、光電変
換効率の向上もさることながら、大面積太陽電池の高い
生産性と、その屋外での長期にわたる耐候性が必要とさ
れる。
【0005】このような状況にあって、太陽電池モジュ
ールの生産性を向上しかつ長期にわたる信頼性を向上す
るために透明電極は重要な役割を担っている。
【0006】これまで太陽電池の透明電極は、水分によ
り劣化されやすいため、保護膜で外部から遮断すること
により、耐湿性、耐光性を改善しなければならなかっ
た。またさらに従来の透明電極は主として蒸着、スパッ
タ等といった真空成膜法により形成されていた事から生
産効率が低く、太陽電池モジュールの大面積化、低コス
ト化を妨げる要因となっていた。
【0007】上述の理由から特に透明電極を真空成膜法
以外の方法で形成することが好ましく、かつ一層の耐候
性、耐湿性を向上とする事が要求されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した問題
点を解決し、透明電極を高い生産性で形成でき、しかも
高温高湿下でも長期間安定して電気特性を維持できる太
陽電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性基体上
に光電変換層及び透明電極を有する太陽電池において、
該透明電極は、結着剤樹脂とITO(酸化インジウム及
び酸化スズの固溶体)の超微粒子と溶媒とからなる電極
形成用組成物を前記光電変換層上に塗布、硬化すること
により形成されたものであり、該透明電極中の遊離した
インジウム及びスズはいずれも50ppm以下であるこ
とを特徴とする太陽電池により達成される。
【0010】本発明の太陽電池の好ましい形態は、前記
結着剤樹脂が硬化性樹脂である。
【0011】
【作用】本発明の作用と構成を以下に説明する。
【0012】図1は、本発明の太陽電池の一例を示す模
式的断面図である。図1において、100は導電性基体
としてのステンレス基板であり、その上に例えばpin
接合を有するa−Si光電変換層101、透明電極10
2が設けられており、さらに保護膜もしくは表面層10
3が設けられる。
【0013】本発明の透明電極は、結着剤樹脂と不純物
を極力低減した酸化インジウム及び酸化スズ固溶体(即
ちITO)の超微粒子とを溶媒中に分散した電極形成用
組成物を光電変換層101上に塗布し、該組成物を硬化
することによって形成される。
【0014】以上のように、真空を用いず容易に透明電
極を形成することが可能であるため、低コスト化が達成
される。しかも塗布法を用いているため大面積の透明電
極を形成することが可能である。更に、ITOの超微子
が透湿性の小さい硬化性樹脂からなる結着剤樹脂中に分
散されていることから、硬化処理後には高温高湿から低
温低湿まで透明電極及び太陽電池の電気特性を安定して
維持することが可能となる。また、たとえ水分が混入し
たとしても、透明電極には不純物がほとんど含まれてい
ないため、透明電極及び光電変換層を劣化させずに高温
高湿条件下で長期にわたり太陽電池の電気特性を維持す
ることができる。
【0015】即ち、本発明者らは、従来のITO粉末、
結着剤樹脂及び溶媒を塗料化して透明電極を形成した太
陽電池では、初期の電気特性が満足されても、高温高湿
の条件の下で長期間使用すると、ITO粉末自体に含有
されるイオン性不純物のために光電変換層あるいは透明
電極を形成する樹脂自体が劣化してしまい、長期に渡る
電気特性の維持が困難なことを見いだした。これらの劣
化を引き起こすイオン性不純物は、水に溶出する不純物
であり、特に具体的には太陽電池の劣化を加速するもの
として、ITOの成分であるインジウム及びスズ原子の
内遊離したインジウム及びスズ、更にはナトリウム、カ
リウムが挙げられ、これらにより太陽電池を長期間の内
には劣化させてしまうことが判明した。本発明の遊離し
たインジウム及びスズとは、上述したように透明電極を
構成するインジウム及びスズの内、水に溶出する成分で
あり、酸素と強固に結合していないインジウム及びス
ズ、またはイオン状態にあるインジウムイオン、スズイ
オンを言う。
【0016】本発明者等が鋭意検討を加えた結果、IT
O中の遊離したインジウム及びスズを50ppm以下と
することが重要であり、これにより長期の保存安定性、
特に透明電極の劣化に起因する特性劣化を解決すること
ができることを見出したのである。更に、該イオン性不
純物の内、ナトリウム及びカリウム成分をいずれも50
0ppm以下とし、イオン性不純物総量として0.1重
量%であることが好ましく、これにより太陽電池の耐候
性は一層向上する。
【0017】透明電極中のイオン性不純物の含有量は種
々の方法によって確認することができる。これらの方法
としては、例えばエックス線マイクロアナリシス(XM
A)による個々の成分の定量、抽出した水溶液の導電率
測定、あるいは水(または温水)に対する溶出成分量の
定量等を挙げることができる。水に対する溶出成分の定
量方法を具体的に説明すると、例えばITO粉体/及び
もしくはITO・樹脂硬化組成物を粉砕したものを蒸留
水で抽出し溶出成分量をイオンクロマトグラフィで定量
する方法が用いられる。その具体的条件としては、IT
O粉末1.0000gを蒸留水で正確に100gとした
後、超音波で20分間抽出し、その後に該溶液を遠心分
離して浮遊成分を分離しイオンクロマトグラムで定量す
るものである。また、遊離のインジウム、及びスズにつ
いては、ITO粉末を上述と同様に蒸留水等に溶解し、
それぞれのイオンをイオンクロマトグラフィあるいは原
子吸光分析法により分析することによって定量化するこ
とができる。
【0018】本発明で使用されるITO超微粒子の比抵
抗は、70Ωcm以下であることが好ましい。比抵抗が
これ以上高くなれば太陽電池としての内部抵抗が増加し
て、悪影響を与える。ITO超微粒子の酸化インジウム
と酸化スズの組成比は、上記低抵抗化の観点から酸化ス
ズの含有量は0.5重量%以上が好ましい。また、色調
等から酸化インジウムは70重量%から99.5重量%
であることが好ましい。
【0019】前述したように本発明の透明電極は主とし
てITO超微粒子と硬化性樹脂とを溶媒中に分散した電
極形成用組成物を光電変換層上に塗布し、更に硬化して
形成される。この時、透明電極層を塗布により得る為に
はITO超微粒子が所定の比表面積及び吸油量(アマニ
油の吸収量として換算)を有していることが必要であ
る。
【0020】即ち、ITO超微粒子の比表面積が大きす
ぎると分散液中での凝集力が極めて大きいものとなり、
粒径の経時安定性に欠けてしまう。また比表面積が小さ
すぎると分散効率が悪く容易に所定の粒径へと分散でき
ないばかりか塗布膜の乾燥の際に分散した粒子が再凝集
し、塗布膜の表面性を著しく低下させる。
【0021】また、本発明の透明電極を形成するために
は比較的大量の粉体を使用するが、この際粉体の吸油量
が高すぎると分散液のチキソトロピー性が無視できない
ほど大きくなり、塗工あるいは粘度管理等といった生産
管理が不可能となり、著しく生産性を低下させる。ま
た、吸油量が低すぎると分散効率が悪く、分散時間が著
しく延長され、かつ塗布膜を乾燥する際に再凝集して塗
布膜の表面性を低下させこれが被膜の透明性を悪化させ
る。
【0022】上述のように、溶媒塗布によりITO超微
粒子を含有する透明導電性電極を形成するに当たっては
ITO超微粒子の比表面積及び吸油量が塗工液に対して
重要な影響を与えるが、これらの諸量の範囲として本発
明者等の検討の結果、好ましい比表面積として、2.5
2 /g〜70m2 /gがあげられ、好ましい吸油量
(アマニ油換算)としては、ITO超微粒子100g当
たり10ml〜100mlがあげられる。また、以上の
比表面積、吸油量とする超微粒子の粒径としては、10
〜100nmが好ましい範囲として挙げられる。以上の
ITO超微粒子を使用することによって良好な表面性を
有する透明電極を効率良く形成することが可能となる。
10nmより粒径が小さいと、溶液の経時変化安定性及
び取扱い性が低下し、粒径が100nm以上になると良
好な透明性を有する被膜が得られ難くなる。
【0023】本発明の透明電極のITO超微粒子は、例
えば次のようにして製造される。
【0024】インジウム金属200gを12N−HCl
600ccに溶解し、その後この塩化インジウム溶液に
60wt%SnCl4水溶液33gを加えて混合溶液を
調製する。これを10%炭酸水素アンモニウム水溶液
5.0Kgに入れ、沈澱させる。沈澱物を回収して脱水
後イオン交換水で、導電率を測定しながら十分に洗浄す
る。次にこの沈澱物を80℃で24時間乾燥させた後、
700℃で3時間焼成し粉砕してITO粉末200gが
得られる。以上にして作製した粉末の比表面積は35m
2/gであり、平均一次粒径は38μm、吸油量は3
2.3g/100gであった。また、この粉体中のイン
ジウムイオン、スズイオンはそれぞれ10ppm、3p
pmであり、Na,Kは検出されなかった。
【0025】本発明の透明電極の形成に用いられる結着
剤樹脂は、硬化性樹脂が好ましく、これにより透湿性を
低減させ電気特性の安定性及び諸特性の環境に対する長
期の安定性を一層向上することができる。また、結着剤
樹脂中の前記イオン性不純物は、ITO微粒子と同様極
力抑える必要がある。
【0026】硬化性樹脂としては、透湿性の低いもので
あればいずれの硬化性樹脂でも良く、熱硬化性樹脂の
他、光または電子線等で硬化する樹脂が用いられる。
【0027】熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール
樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹
脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、例えば無水マレイン
酸−テレフタル酸−多価アルコールの重縮合により得ら
れる不飽和ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹
脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹
脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、ベン
ゾグアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプター
ル樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等の
他、ポリメチルメタクリレート、スチレン−アクリル共
重合体等のアクリル樹脂に粉体を分散後例えば過酸化物
などで硬化したもの、ノボラック樹脂、クレゾールノボ
ラック樹脂に粉体を分散後硬化したもの、エチレン−酢
酸ビニル樹脂、酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル樹脂等に粉体を分散後種々の硬化剤で硬化し
たものを挙げることができる。
【0028】かかる熱硬化性の樹脂のうちでも特にルイ
ス酸といった酸性の基を有することが、ITO超微粒子
の分散を安定化する点で好ましいが、かかる官能基を有
する分散助剤を別に添加してもよい。かかる官能基とし
ては具体的には、カルボキシル基,燐酸基,ホウ酸基,
硫酸基,スルホン酸基,芳香族系の水酸基を挙げること
ができる。また上述の熱硬化樹脂類にさらに有機燐酸エ
ステル系接着促進剤、アミン系接着促進剤、カルボン酸
系接着促進剤、スルホン酸系の接着促進剤を含有してい
ても良く、適宜所望の分散安定剤を樹脂に対して添加す
ることもできる。
【0029】光および/または電子線硬化性樹脂として
は、例えばポリエステルアクリレート,エポキシアクリ
レート,メラミンアクリレート,アルキドアクリレー
ト,シリコンアクリレートなどを好適な光重合開始剤,
及び適宜多官能アクリレートと混合したものが用いられ
る。
【0030】本発明の透明電極の形成に用いられる電極
形成用組成物中のITO超微粒子と結着剤樹脂との割合
は、成膜性の点からITO超微粒子は、33重量%〜9
5重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは
50重量%から95重量%の範囲である。また導電性の
点から添加量は55重量%以上が好ましい。
【0031】本発明の電極形成用組成物は、ITO超微
粒子を結着剤樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー,超音
波,ボールミル,振動ボールミル,サンドミル,アトラ
イター,ロールミル,ペイントシェーカー等の方法で良
く分散し塗布・乾燥する事によって形成することができ
る。上記溶剤としては、例えば,1−メトキシ−2−プ
ロパノール、メチルアルコール、エチルアルコール等の
アルコール類,MEK,MIBK等のケトン系溶媒、ト
ルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系溶媒、
エーテル類等が用いられる。
【0032】透明電極の形成に上述の組成物を使用する
際、透明電極の光線透過率および光線の散乱が光電変換
効率に対して重大な影響を与えるため、分散の際にはI
TO超微粒子を十分均一に分散することが重要である。
かかる点を考慮すれば、本発明の透明電極は500nm
の膜厚で形成・硬化されたときに、400nmの波長の
光線に対してその透過率が30%以上あることが好まし
い。
【0033】本発明の透明電極は、前記電極形成用組成
物をスプレーコーティング,ビームコーティング,及び
浸漬コーティング,ロールコーティング,グラビアコー
ティング,メイヤーバーコーティング,スピナーコーテ
ィング,スクリーン印刷等の塗工方法によって効率良く
塗工することができるが、特に膜厚などの均一性を考慮
すればスピナーコーティングが好ましい。
【0034】本発明において、半導体層と透明電極との
密着性を高めるために、シランカップリング剤、チタン
カップリング剤等を電極形成用組成物に添加してもよ
く、また上述のカップリング剤で、特性の許容する範囲
において前述の光電変換層上を予め処理してもよい。
【0035】本発明の透明電極の膜厚は、太陽電池とし
ての諸特性、具体的には内部抵抗、光線透過率を考慮し
てこれらを低下させない範囲で使用されるが、30nm
〜5000nmの範囲が好ましい。
【0036】本発明の導電性基体としては、アルミニウ
ムやステンレス等の金属や合金、及び紙、プラスチック
及びガラス等に導電処理を施したものなどを適宜使用す
ることができる。
【0037】また、本発明の光電変換層の材料は、半導
体材料であればいずれの半導体材料を用いることができ
るが、例えばアモルファス−シリコン(以下a−Siと
記載)やCdS/CdTe等の無機太陽電池素子及びフ
タロシアニン等の有機光導電材料が好適に用いられる。
【0038】半導体材料の一例として、a−Si(アモ
ルファスシリコン)の製造装置及び方法を説明する。
【0039】図2にa−Si太陽電池の製造に使用可能
な堆積膜形成装置の一例として高周波(RF)PCVD
装置の模式図を示す。図2中、231は反応容器、23
2は放電用陰電極、233は放電用陽電極であり、23
4は回転加熱台、235は基板、236は真空計接続管
である。また、237はガス排出口、238は原料ガス
供給管、240、241、242はガスボンベであり、
243、244、245は流量計、246はコールドト
ラップ、247、248、249は開閉弁である。
【0040】次に、この製造装置を用いた光電変換層形
成方法の一例を示す。まず排気ガス口237に接続した
排気ポンプ(不図示)を起動して反応容器231の内部
を10-6Torr程度に減圧した後、回転加熱台234
におかれた基板235を加熱しつつ回転させる。加熱操
作と前後して開閉弁247と248を開き、ガスボンベ
240と241からそれぞれ、SiH4 /H2 混合ガス
とPH3 /H2 混合ガスを反応容器231に供給する。
【0041】次に放電用RF電源Gより上記のガスに高
周波電界を印加し、放電用陽電極233と陰電極232
との間でグロー放電を生じさせる。このようにして基板
235の上にn型a−Si層を堆積させた後、放電を停
止し、開閉弁247と248を閉じてガスの供給を停止
し、反応容器231内に残留する原料ガスを排気する。
【0042】続いて、開閉弁247を開け、ガスボンベ
247からSiH4 /H2 混合ガスを反応容器231に
導入し、グロー放電を生起させて、n型層上に所望の厚
さのi型a−Siを形成する。その後放電を停止し、開
閉弁247を閉じてガスの供給を停止し、反応容器23
1内に残留する原料ガスを排気する。
【0043】さらに、開閉弁247と249を開き、ガ
スボンベ240と242からそれぞれSiH4 /H2
合ガスとB2 6 /H2 混合ガスを反応容器231に供
給し、グロー放電を生じさせる。このようにしてi型層
上にp型a−Siを堆積させた後グロー放電を停止し、
開閉弁247と249を閉じてガスの供給を停止し、反
応容器231内に残留する原料ガスを排気する。
【0044】このようにして得られたn型、i型及びp
型のa−Si層を総じてa−Si単位セルと呼ぶが、本
発明の太陽電池においてはさらに起電力を増加するため
にa−Si単位セルを複数個積層したものを利用しても
よい。
【0045】本発明の太陽電池においては電極の酸化を
防止する目的、耐候性、耐磨耗性等をより一層向上させ
るために保護層もしくは表面層を形成することができ
る。
【0046】かかる表面層もしくは保護層としては具体
的には例えばガラス,石英ガラス,サファイヤ等の無機
化合物から形成される表面層でもよく、有機材料から形
成される表面層であってもよい。かかる有機材料として
はポリメチルメタクリレート,エポキシ樹脂,シリコー
ン樹脂,ポリテトラフロロエチレン等のフッ素樹脂フィ
ルム,硬化性アクリル樹脂,変成ポリフォスファゼンア
クリレート,ウレタン樹脂などが用いられ、耐磨耗性、
耐傷性を考慮して決定される。その膜厚としては10〜
200μmである事が好ましく、30〜100μmの範
囲にあることが特に好ましい。
【0047】上述の表面層もしくは保護層を形成するに
当たって、前述の透明電極上に直接形成することもでき
るが、種々の接着性を向上する手段を利用することもで
きる。例えば、シランカップリング剤等の種々のカップ
リング剤によって透明電極上を処理して表面層を形成す
る方法、表面層自体に種々のカップリング剤を添加する
方法及び接着層を設けることが挙げられる。
【0048】かかる接着層としては種々の溶剤可溶系の
樹脂組成物、熱もしくは光あるいは電子線硬化系の硬化
性樹脂組成物、ホットメルト系接着剤組成物から形成さ
れるものを挙げることができる。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げてより詳細に説
明するが、本発明がこれら実施例に限定されることはな
い。
【0050】実施例1〜4及び比較例1 (実施例1)図2に示した装置を用いて以下のようにし
てpin構造のa−Si光電変換層をステンレス基板上
に形成した。ステンレス基板235として、厚さ0.5
mm、寸法20×20mmのステンレス鋼の表面を鏡面
研磨したものを使用した。また原料ガスの体積比はSi
4 /H2 =0.1、PH3 /H2 =5×10-4とし、
さらにこれらの混合ガスの体積混合比はSiH4 /H2
混合ガスに対してPH 3 /H2 混合ガス及びB2 6
2 混合ガスの比が何れも0.1〜1%のオーダーとな
るように設定した。
【0051】反応容器内の原料ガスの圧力を2〜5To
rr、RF電源の出力を50〜500W(4MHz)、
ステンレス基板の温度を250〜350℃とし、p型及
びn型a−Si層の成長速度を0.4〜1A/sec、
i型a−Siの成長速度を0.8〜3A/secとし
た。a−Siの層厚は、n型層100Å、i型層600
0Å、p型層30Åとした。
【0052】次いで表1の組成を有する組成物を調製
し、ペイントシェーカー中でφ1mmのガラスビーズと
供に24時間振盪し、遠心分離して粗大粒子を分離する
ことによって透明電極形成用組成物とした。
【0053】
【表1】 次に、前述したa−Si上に、上記組成物を用いてスピ
ナーコートし、150℃で1時間硬化して膜厚200n
mの透明電極を形成した。
【0054】なお、透明電極中の遊離のインジウム、お
よびスズの含有量は、前述した水に対する溶出成分量の
イオンクロマトグラフィによる定量分析の結果、共に1
0ppmであり、イオン性不純物の総量は800ppm
であることが分かった。
【0055】次いで、この電極上に接着剤としてエチレ
ン−酢酸ビニルホットメルシート(膜厚50μm)を介
して膜厚100μmのポリフッ化ビニルフィルム(デュ
ポン製テドラー)を市販のアイロンを用いて接着し、太
陽電池モジュールを作製した。
【0056】得られた太陽電池モジュールを高温高湿の
条件(90%RH、33℃)の下に1000時間放置
し、耐候性に関する加速試験を行なった。その後光電変
換効率を求め初期値と比較した。また、透明電極の腐蝕
状態を目視で観測した。結果を併せて表6に示す。
【0057】(実施例2)表2に示す組成を有する組成
物を調製し、ペイントシェーカー中でφ1mmのガラス
ビーズと供に24時間振盪し、遠心分離して粗大粒子を
分離することによって透明電極形成用組成物とした。
【0058】
【表2】 次に、実施例1のa−Si上に、表2の組成を有する透
明電極形成組成物を用いてスピナーコートし150℃で
1時間硬化することによって膜厚180nmの透明電極
を形成した。
【0059】なお、透明電極中のイオン性不純物を実施
例と同様にして定量した結果、遊離のインジウムおよび
スズの含有量は共に10ppmであり、イオン性不純物
の総量は580ppmであった。
【0060】これを実施例1と同様にして太陽電池モジ
ュールを作製しその評価を行なった。その結果を表6に
示す。
【0061】(実施例3)本実施例では、結着剤樹脂と
してカルボン酸を含有するアクリル樹脂を用いた。まず
用いたアクリル樹脂の合成方法を説明する。
【0062】500mlの三口セバラブルフラスコに、
攪拌器、冷却器、温度計を取り付け、これに蒸留精製し
たスチレンモノマー52g(0.5モル)、メチルアク
リレート38.7g(0.45モル)、及びアクリル酸
7.2g(0.1モル)、エチルアルコール200g、
過酸化ベンゾイル1.0gを加え攪拌しながら6時間還
流した。得られた高分子溶液に1−メトキシ−2−プロ
パノール150gを加えて攪拌した後、3Lのメチルア
ルコール/n−ヘキサン混合溶媒に徐々に滴下してポリ
マーを固化した。50℃で12時間真空乾燥して溶媒を
除去して58gの共重合体を得た。
【0063】この共重合体を再び250gのトルエンに
溶解し、1Lの分液ロート中で脱塩水300gと供に振
盪して油層を回収した。この工程を10回繰り返した
後、油層に100gのトルエンを加えて希釈し、3Lの
メタノール/nヘキサン混合物中の滴下して再沈した。
この後に前述の条件で減圧乾燥して除去し、40gの共
重合体を得た。この共重合体の組成を60MHzのNM
Rで測定したところ、ほぼ仕込み比であることが確認さ
れた。
【0064】次いで表3に示す組成を有する組成物を調
製し、ペイントシェーカー中でφ1mmのガラスビーズ
と供に24時間振盪し、遠心分離して粗大粒子を分離す
ることによって電極形成用組成物とした。
【0065】
【表3】 次に、実施例1に記載した方法で形成したa−Si上
に、表3の組成を有する透明電極形成組成物を用いてス
ピナーコートし、150℃で一時間硬化することによっ
て膜厚200nmの透明電極を形成した。
【0066】なお、透明電極中のイオン性不純物を実施
例と同様にして定量した結果、遊離のインジウムおよび
スズの含有量はそれぞれ25ppm及び48ppmであ
り、イオン性不純物の総量は380ppmであった。
【0067】これを実施例1と同様にして太陽電池モジ
ュールを作製しその評価を行なった。その結果を表6に
示す。
【0068】(実施例4)エポキシ樹脂を用いて表4に
示す組成を有する組成物を調製し、ペイントシェーカー
中でφ1mmのガラスビーズと供に24時間振盪し、遠
心分離して粗大粒子を分離することによって透明電極形
成用組成物とした。
【0069】
【表4】 次に、実施例1に記載した方法で形成したa−Si上
に、表4の組成を有する透明電極形成組成物を用いてス
ピナーコートし、150℃で2時間硬化することによっ
て膜厚200nmの透明電極を形成した。
【0070】なお、透明電極中のイオン性不純物を実施
例と同様にして定量した結果、遊離のインジウムおよび
スズの含有量はそれぞれ40ppm及び45ppmであ
り、イオン性不純物の総量は950ppmであった。
【0071】これを実施例1と同様にして太陽電池モジ
ュールを作製しその評価を行なった。その結果を表6に
示す。
【0072】(比較例1)透明電極を表5に示す組成を
有する組成物から形成したことを除き実施例1と同様に
して太陽電池モジュールを作製し評価を行なった。その
結果を表6に示す。
【0073】
【表5】 なお、透明電極中の遊離のインジウムイオン及びスズイ
オンはそれぞれ、100ppm、80ppmであった。
また、イオン性不純物の総量は1500ppmであっ
た。
【0074】
【表6】 表6から明らかなように、透明電極中の遊離のインジウ
ム及びスズ含有量を50ppm以下に低減した実施例1
〜4の太陽電池は、耐候性加速試験後でも高い光電変換
効率を示し、しかも透明電極外観も変化が観られず、本
発明の太陽電池が高い耐候性を示すことが分かった。
【0075】実施例5〜8及び比較例2 (実施例5)本実施例では、光電変換層として有機半導
体を用いた。
【0076】まず、100×100mmのガラス板にア
ルミニウム電極を真空蒸着法により設けた。
【0077】次いでオキシチタニルフタロシアニン4部
とポリビニルブチラール樹脂1部をシクロヘキサノン1
00部に添加してφ1mmのガラスビーズを用いたサン
ドミルで1時間分散し、さらに100部のメチルエチル
ケトンを加えてこの分散液を希釈した後、アルミニウム
電極上に浸漬塗布し、80℃で10分間乾燥して、膜厚
0.5μmの光導電層を形成した。
【0078】次いで、実施例1と同様にして透明電極、
保護層を形成し太陽電池モジュールを作製した。得られ
た太陽電池モジュールを試験時間を100時間とした以
外実施例1と同様にして評価した。その結果を表7に示
す。
【0079】(実施例6)実施例5の光電変換層を用
い、他は実施例2と同様にして太陽電池モジュールを作
製し、実施例5と同様にして評価した。その結果を表7
に示す。
【0080】(実施例7)実施例5の光電変換層を用
い、他は実施例3と同様にして太陽電池モジュールを作
製し、実施例5と同様にして評価を行なった。その結果
を表7に示す。
【0081】(実施例8)実施例5の光電変換層を用
い、他は実施例4と同様にして太陽電池モジュールを作
製し、実施例5と同様にして評価を行なった。その結果
を表7に示す。
【0082】(比較例2)透明電極を表5に示す組成を
有する組成物から形成したことを除き実施例5と同様に
して太陽電池素子を形成し評価を行なった。その結果を
表7に記載する。
【0083】
【表7】 表7から明らかなように、遊離のインジウム及びスズ等
含有量を50ppm以下とした実施例5〜8の太陽電池
は、耐候性加速試験後でも高い光電変換効率を示し、更
に透明電極外観も変化が観られず、本発明の太陽電池が
高い耐候性を示すことが分かった。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば高温高湿環境の下での電
気特性が、長期にわたって安定した太陽電池素子を、容
易に生産することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池の一例を示す模式的断面図で
ある。
【図2】高周波(RF)PCVD装置の模式図である。
【符号の説明】
100 導電性基体、 101 a−Si半導体層、 102 透明電極、 103 保護膜もしくは表面層、 231 反応容器、 232 放電用陰電極、 233 放電用陽電極、 234 回転加熱台、 235 基板、 236 真空計接続管、 237 ガス排出口、 238 原料ガス供給管、 240、241、242 ガスボンベ 243、244、245 流量計、 246 コールドトラップ、 247、248、249 開閉弁。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に光電変換層及び透明電極
    を有する太陽電池において、該透明電極は、結着剤樹脂
    とITO(酸化インジウム及び酸化スズの固溶体)の超
    微粒子と溶媒とからなる電極形成用組成物を前記光電変
    換層上に塗布、硬化することにより形成されたものであ
    り、該透明電極中の遊離したインジウム及びスズはいず
    れも50ppm以下であることを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記結着剤樹脂は、硬化性樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記光電変換層は、アモルファスシリコ
    ンを含有することを特徴とする請求項1または2に記載
    の太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記光電変換層は、有機半導体からなる
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載の太陽電池。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010245026A (ja) * 2009-03-16 2010-10-28 Konica Minolta Holdings Inc 有機エレクトロニクスパネル

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010245026A (ja) * 2009-03-16 2010-10-28 Konica Minolta Holdings Inc 有機エレクトロニクスパネル

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