JPH06123411A - ガス焚きバーナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素／炭酸ガスまたは酸素／燃焼排ガスの混
合気でガス燃料を燃焼させるバーナにおいて、そのよう
な支燃ガスと燃料との混合拡散を促進して安定した火炎
を得ること。 【構成】 保炎器（７）の上流に燃料噴射ノズル（３）
を設け、保炎器（７）には燃料噴射ノズル（３）の真後
（まうしろ）に開孔（１０）を明け、更にそれら開孔
（１０）内に流れを阻げる保炎ホルダを設ける。燃料ガ
ス（１）は保炎ホルダや開口（１０）内周に衝突拡散し
て、燃焼保炎効果を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は酸素と炭酸ガスとの混合
気体または酸素と燃焼排ガスとの混合気体を支燃性ガス
として用いるガス焚きバーナに関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来のガス焚きバーナの一例を示
す縦断面図である。この図において（０１）はガス燃
料，（０２）は燃料供給管，（０３）は燃料過濃ガスノ
ズル（以下コンクノズルと記す），（０４）は燃料希薄
ガスノズル（以下ウィークノズルと記す），（０５）は
燃焼用空気，（０６）はスロート，（０７）は保炎器，
（０８ａ）は拡散炎，（０８ｂ）は予混合炎，（０９）
はバーナをそれぞれ示す。

【０００３】ガス燃料（０１）は燃料供給管（０２）を
介してコンクノズル（０３）とウィークノズル（０４）
へそれぞれ供給される。コンクノズル（０３）から噴射
されたガス燃料（０１）は、バーナ（０９）出口で燃焼
用空気（０５）と高濃度で混合後燃焼し、拡散炎（０８
ａ）を形成する。この拡散炎（０８ａ）はバーナ中央部
に設けた保炎器（０７）により安定した火炎となる。一
方、ウィークノズル（０４）から噴射されたガス燃料
（０１）は、スロート（０６）内部で燃焼用空気（０
５）と混合してガス燃料濃度の低い混合気体となり、ス
ロート（０６）出口から離れた位置で燃焼して、予混合
炎（０８ｂ）を形成する。このようにガス燃料濃度の高
い拡散炎と濃度の低い予混合炎を組合わせて低ＮＯ_x 燃
焼を行なわせることは、周知の技術である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】地球温暖化防止対策と
して、燃焼排ガス中の炭酸ガスを削減する方法が種々検
討されているが、いずれの方法をとるにしても、燃焼排
ガス中の炭酸ガス濃度が高い程、これを回収しやすい。
事業用ボイラや産業用ボイラ等では、燃焼排ガスに酸素
を混合し、この混合ガスを空気の代りに支燃性ガスとし
て燃料を燃焼させる方法が提案されている。空気を支燃
性ガスとして使用する場合は排ガス中炭酸ガス濃度は１
０〜１５％であるが、上記燃焼方法の場合は支燃性ガス
中にＮ₂ を含まないため、高濃度の炭酸ガスが得られ、
回収が容易になる。

【０００５】しかし、酸素／炭酸ガスまたは酸素／燃焼
排ガス等の混合気体を空気の代りに支燃性ガスとして使
用する場合、従来のバーナでは次のような問題がある。 １） 前記支燃性ガスによる燃焼方法ではＮＯ_x が発生
しないから、コスト高となる低ＮＯ_x 化を狙ったウィー
クノズルは不用である。ところが、支燃性ガスは空気と
同じ酸素濃度では燃焼促進が極めて悪いため、もしウィ
ークノズルを廃した場合には、燃料との混合拡散が悪く
安定した火炎が得られない。 ２） 安定した火炎を得るためには支燃性ガス中の酸素
濃度を高くする必要があるが、逆火の危険性等、安全上
に問題があり、かつコスト高となる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の課
題を解決するために、可燃性ガスを燃料とし、酸素と炭
酸ガスとの混合気体または酸素と燃焼排ガスとの混合気
体を支燃性ガスとして使用するガス焚きバーナにおい
て、上記支燃性ガスの流れの中に配置された保炎器の上
流に複数の燃料噴射ノズルを設けるとともに、上流保炎
器に複数の開孔を明け、かつそれら開孔の一部分に流れ
を阻げる保炎ホルダを設けたことを特徴とするガス焚き
バーナを提案するものである。

【０００７】

【作用】

１） 燃料噴射ノズルから噴射されたガス燃料は、保炎
器の保炎ホルダまたは開孔部周囲に衝突後拡散し、一部
は保炎器の開孔を通過し、残りは支燃性ガスと混合して
保炎器の周囲から、それぞれ燃焼炉内に噴出される。 ２） 上記作用により、保炎器開孔部を通過したガス燃
料は燃料濃度が高くなり、容易に着火保炎できる。更に
開孔部の保炎ホルダーにより安定した火炎を形成し、そ
れが火種となって、保炎器周囲から噴出される燃料濃度
の低い混合気も保炎器全体に着火し、良好な燃焼火炎を
形成する。

【０００８】

【実施例】図１は本発明の一実施例を示す縦断面図，図
２は図１の保炎器周辺の拡大図，図３は図２の III−II
I 矢視断面図、図４は図２のIV−IV矢視正面図である。

【０００９】これらの図において、（１）はガス燃料，
（２）は燃料供給管，（３）は燃料噴射ノズル，（５）
は支燃性ガス，（６）はスロート，（７）は保炎器，
（９）はバーナ，（１０）は開孔，（１１）は保炎ホル
ダをそれぞれ示す。

【００１０】燃料噴射ノズル（３）から噴射されたガス
燃料（１）は、保炎器（７）の保炎ホルダ（１１）また
は開孔（１０）周囲に衝突して拡散し、その一部は高濃
度の状態で開孔（１０）通過後に燃焼して、保炎ホルダ
（１１）により燃焼保炎効果を促進する。残りのガス燃
料（１）は、バーナ（９）内スロート（６）内を通過し
た支燃性ガス（５）と混合し、保炎器（７）の周囲を通
過した後、燃焼炉内で燃焼する。

【００１１】なお開孔（１０）の直径は、燃料噴射ノズ
ル（３）の幅（図３のＢ）と同等で、開口位置も燃料噴
射ノズル（３）の真後（まうしろ）にして、安定した燃
焼火炎を形成させる。

【００１２】次に本発明の効果を確認するために行なっ
た実験について述べる。実験は小型燃焼炉（内径７５０
mm，長さ５ｍ，耐火材内張）を用い、支燃性ガスは酸素
と炭酸ガスの混合ガス，燃料はＬＰＧを使用して実施し
た。ＬＰＧを空気中で燃焼させる場合と同じ燃焼温度と
なる酸素／炭素ガス混合気体の酸素割合は３２ Vol％で
あるが、本発明により酸素割合２７％でも安定した火炎
が得られた。なお実験で使用したバーナの各寸法は下記
のとおりである。

【００１３】燃料噴射ノズル配置径Ｌ₁ ＝７８mm,
保炎器径Ｌ₂ ＝１４０mm，スロート内径Ｌ₃ ＝１５５
mm，スロート外径Ｌ₄ ＝２０４mm，燃料噴射ノズル
数＝４個，開孔数＝４個，開孔径＝１５mm，保炎
ホルダ径＝５mm。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば次の効果が奏せられる。 １） 酸素濃度の低い支燃性ガスにおいても着火保炎の
吹き飛びは解消され安定した燃焼火炎が得られる。 ２） ウィークノズルを廃したことと、支燃性ガス中の
酸素量の減少とにより、コストが低減され、安定性が向
上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例を示す縦断面図であ
る。

【図２】図２は図１の保炎器周辺の拡大図である。

【図３】図３は図２の III−III 矢視断面図である。

【図４】図４は図２のIV−IV矢視正面図である。

【図５】図５は従来のガス焚きバーナの一例を示す縦断
面図である。

【符号の説明】

（０１），（１） ガス燃料 （０２），（２） 燃料供給管 （０３） 燃料過濃ガスノズル（コンクノズ
ル） （３） 燃料噴射ノズル （０４） 燃料希薄ガスノズル（ウィークノ
ズル） （０５） 燃焼用空気 （５） 支燃性ガス （０６），（６） スロート （０７），（７） 保炎器 （０８ａ） 拡散炎 （０８ｂ） 予混合炎 （０９），（９） バーナ （１０） 開孔 （１１） 保炎ホルダ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可燃性ガスを燃料とし、酸素と炭酸ガス
   との混合気体または酸素と燃焼排ガスとの混合気体を支
   燃性ガスとして使用するガス焚きバーナにおいて、上記
   支燃性ガスの流れの中に配置された保炎器の上流に複数
   の燃料噴射ノズルを設けるとともに、上流保炎器に複数
   の開孔を明け、かつそれら開孔の一部分に流れを阻げる
   保炎ホルダを設けたことを特徴とするガス焚きバーナ。