JPH06122158A - 多層プラスチック成形体及びその製造方法 - Google Patents

多層プラスチック成形体及びその製造方法

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JPH06122158A
JPH06122158A JP4180064A JP18006492A JPH06122158A JP H06122158 A JPH06122158 A JP H06122158A JP 4180064 A JP4180064 A JP 4180064A JP 18006492 A JP18006492 A JP 18006492A JP H06122158 A JPH06122158 A JP H06122158A
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JP
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hollow body
plastic
outer layer
spacer member
plastic material
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JP4180064A
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English (en)
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Tatsuya Nakagawa
達▲弥▼ 中川
Yasuo Ezaki
恭夫 江崎
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Cargill Meat Solutions Corp
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Excel KK
Excel Corp
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Publication date
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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温及び/又は高圧に対する耐久性を向上さ
せた多層プラスチック成形体及びその製造方法を提供し
ている。 【構成】 多層プラスチック成形体1は、中空体11
と、外側層12と、スペーサ部材13とを有している。
中空体11は少なくとも部分的に多層構成とすることが
可能である。又、中空体の適宜箇所に内部空間内を延在
する架橋部材を設けることが可能である。又、少なくと
も外側層に埋設してインサート部品を設けることが可能
である。本発明は、更に、低圧射出成形による多層プラ
スチック成形体の製造方法を提供している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多層プラスチック成形体
及びその製造方法に関するものであって、更に詳細に
は、インテークマニホールドなどのような自動車部品と
して使用されるダクトなどのプラスチック成形体及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】任意の二次元又は三次元に中心軸が変化
するプラスチック管をブロー成形によって成形すること
が可能な方法が提供されて以来、自動車に使用されるダ
クト類はプラスチック化が進められている。この様な任
意の二次元又は三次元の形状を有するプラスチック管を
提供することにより、自動車の例えばエンジンルームな
どのような狭い空間内にダクト類を配設する場合に、複
数個の部分を成形してそれらを組合わせることの必要性
なしに、1本の複雑な曲折した形状をしたダクトを提供
することにより、ダクト類の取付け作業が簡単化され、
又ダクトに継ぎ目が存在しないことから、流体の洩れが
発生する危険性がない。このために、自動車のエンジン
ルーム内において使用される従来ゴム製品から製造され
ていたダクト類は、次第にプラスチック管に変換されて
きている。
【0003】しかしながら、例えば、自動車のエンジン
ルーム内において使用されるダクトといっても、それら
の使用状態に応じて要求される条件は著しく異なってい
る。特に、インテークマニホールドのようなダクトは、
エンジンに直接取付けられるものであるから、かなりの
高温状態に露呈され、且つ振動が直接的に付与されるこ
とから、高度の耐久性も必要とされる。この様なことか
ら、従来は自動車のインテークマニホールドは、アルミ
ニウムなどのような金属から製造されるものが通常であ
る。しかしながら金属からダクトを製造する場合には、
作業が複雑且つ困難であり、且つ製造するダクトの形状
も限定的とならざるを得ない。
【0004】従って、インテークマニホールドなどのよ
うなダクトに対しても、プラスチックを使用する種々の
試みがなされているが、高度の耐熱性及び耐久性が要求
されるダクトであるために、いまだ実用的に使用可能な
プラスチック成形体及びその製造方法は提供されていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
とするところは、上述した如き従来技術の欠点を解消
し、所望の耐久性及び耐熱性を具備したダクトとして使
用することが可能な多層プラスチック成形体及びその製
造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、所望の
耐久性及び耐熱性を具備するプラスチック性のダクトな
どの多層プラスチック成形体及びその製造方法が提供さ
れる。
【0007】尚、この様な多層プラスチック成形体及び
その製造方法については、本発明者等は先に特願平2−
317985号において新規な多層プラスチック成形体
及びその製造方法について記載している。本発明は、先
の特願平2−317985号に記載した技術を更に改良
した多層プラスチック成形体及びその製造方法を提供す
るものである。
【0008】本発明の1側面によれば、多層プラスチッ
ク成形体は、プラスチック物質から所定の形状に形成さ
れた中空体を有している。該中空体の外側表面上の所定
の箇所にはプラスチック物質から形成されたスペーサ部
材が少なくとも1個設けられている。更に、該中空体の
外側表面上には該スペーサ部材と一体的に成形されたプ
ラスチック物質からなる外側層が設けられている。そし
て、該中空体が少なくとも部分的に二層又はそれ以上の
構成を有することを特徴としている。
【0009】好適実施例においては、該中空体は、ブロ
ー成形によって構成されたものであり、又スペーサ部材
は中空体をブロー成形する際に一体的に形成したもので
ある。スペーサ部材は中空体の一部として形成すること
も可能である。更に、好適には、該外側層は、それと一
体的に形成したフランジ部を有しており、該フランジ部
はプラスチック成形体の端部などに形成される。
【0010】好適には、中空体を内周面を有する内部層
と外周面を有する外部層の二層構成とする。この様に中
空体を二層構成とする場合には、内部層と外部層とをそ
れぞれの要求される条件に従って異なった物質から構成
することが可能である。例えば、中空体の内部を流動す
る流体に対しての摩擦抵抗を減少させるために内周面に
平滑性を与えるように内部層に対して所望の物質を選択
することが可能である。一方、中空体の内部を流れる流
体が化学的特性を有するために、その様な流体に対する
耐久性を与えるべく耐薬品性及び耐油性などの良好な材
料を選択することが可能である。一方、外周面を有する
外部層は、中空体に機械的強度を与えるように、例えば
繊維物質や充填物質などの強化物質を混合させた高強度
の物質を使用することが可能である。
【0011】本発明の別の側面によれば、同じく、中空
体と、スペーサ部材と、外側層とを有する多層プラスチ
ック成形体であって、中空体の内部空間に延在して架橋
部材を設けた多層プラスチック成形体が提供される。こ
の様な架橋部材は、好適には、その両端部を中空体の壁
に溶着などにより固着して設けられる。この様な架橋部
材は、好適には、中空体の内部空間が比較的大きな箇所
に設けられ、中空体の壁が振動することを防止する作用
を有している。この場合においては、中空体を単層とす
る場合も多層とする場合も可能である。
【0012】更に、本発明の別の側面によれば、同じ
く、中空体と、スペーサ部材と、外側層とを有する多層
プラスチック成形体において、少なくとも外側層内に埋
設して少なくとも1個のインサート部品を設けることを
特徴としている。この様なインサート部品は、好適に
は、金属製の部品であって、例えば、ブッシュ、カラ
ー、ボルト、ナットなどの所望の機械的要素とすること
が可能である。好適には、この様なインサート部品に溝
乃至はノッチ部を設け、インサート部品が外側層内に埋
設される場合に、外側層の一部がその様なノッチ乃至は
溝内に侵入してインサート部品を堅固に外側層内に保持
する構成とすることが望ましい。この様な溝又はノッチ
とする代わりに、又はそれに加えて、インサート部品の
外周面上の少なくとも一部にローレット加工を施すこと
が可能である。又、好適には、インサート部品を外側層
と中空体との間の界面を介して部分的に中空体内に延在
して設ける構成とすることも可能である。この場合にお
いても、中空体は単層とする場合も多層とする場合も可
能である。
【0013】本発明の更に別の側面によれば、第一プラ
スチック物質から所定の形状に成形した中空中子の外側
表面上に第二プラスチック物質からなる外側層を一体的
に成形して多層プラスチック成形体を製造する方法が提
供される。本発明方法によれば、金型を構成する複数個
の割型を型閉めしてキャビティを画定する。その際に、
中空中子を該キャビティの表面と間隙を維持した状態で
該キャビティ内に位置させる。次いで、第二プラスチッ
ク物質を溶融状態で且つ500kg/cm2 以下の所定
の圧力範囲内において該間隙内へ供給する。該間隙内に
供給した第二プラスチック物質を硬化させて中空中子と
一体化させることにより、多層プラスチック成形体を成
形する。この成形方法は、いわゆる射出成形技術方法に
類似したものであるが、いわゆる射出成形技術は500
kg/cm2 以上の比較的高い圧力で樹脂を注入するも
のであるのと対照的に、本発明方法では、比較的低い圧
力範囲、即ち500kg/cm2 以下の圧力で樹脂をキ
ャビティ内に供給することを特徴としている。
【0014】本発明方法においては、好適には50乃至
400kg/cm2 の圧力範囲内で樹脂即ちプラスチッ
クをキャビティ内へ注入する。本発明者等の鋭意研究結
果によれば、注入圧力が低ければ低いほど複雑な形状を
有する成形体の場合であってもキャビティの隅々までプ
ラスチックを注入することが可能となるが、50kg/
cm2 以下とした場合には、供給路に設けたゲートから
キャビティ内への注入圧力が低すぎるために、溶融状態
にあるプラスチックが途中で固化する場合があり、その
ためにプラスチックがキャビティ内に十分に供給されな
い場合がある。更に、供給路の途中が閉塞されて、供給
が全く停止する場合もあり、又キャビティ内においてボ
イドが発生する場合もある。従って、本発明方法におい
ての注入圧力の下限は50kg/cm2 とすることが望
ましい。
【0015】一方、注入圧力を大きくすれば、キャビテ
ィ内に短時間でプラスチックを供給することが可能であ
るが、本方法により製造する多層プラスチック成形体
は、その中子が中空なものであるために、注入圧力を大
きくしすぎると、キャビティ内へ溶融状態にあるプラス
チックが供給される供給路から中空中子に局所的に大き
な圧力が付与されて、中空中子が局所的に変形したり位
置ズレを発生する場合がある。このために、所望の形状
を有する多層プラスチック成形体が成形されないことと
なる。このために、キャビティ内への溶融状態にあるプ
ラスチックの供給圧力は400kg/cm2 以下とする
ことが望ましい。
【0016】尚、上述した注入圧力範囲は、中空中子内
に充填物質を充填させた場合、又は中空中子の中空空間
内に少なくとも一時的に高圧ガスを注入する場合におい
ても同一である。又、本発明方法は、中空体中子が単層
の場合であっても又は多層の場合であっても等しく適用
可能である。更に好適には、本発明方法を適用する場合
に、キャビティへの溶融状態にあるプラスチックの供給
を複数個の供給点から供給する構成とすることが望まし
い。この様な多点供給構成とすることにより、供給時間
を短縮することが可能であるばかりか、中空中子とキャ
ビティ表面との間の間隙の隅々にまで十分にプラスチッ
クを供給することが可能となり、従って成形すべきプラ
スチック成形体の形状が複雑な場合であっても何ら問題
を発生することはない。
【0017】
【実施例】図1(A)乃至(C)は、本発明の一実施例
に基づいて構成されたダクト形状の多層プラスチック成
形体1を示しており、それは、例えば、インテークマニ
ホールドなどのダクトとして使用するのに適している。
多層プラスチック成形体1は、第一プラスチック物質か
ら所定の形状に成形された中空体11を有しており、中
空体11の外側表面上の所定の箇所(図示例において
は、8箇所)には所定の厚さを有しており且つ第二プラ
スチック物質からなるスペーサ部材13が設けられてい
る。スペーサ部材13を除いた中空体11の外側表面上
には、第三プラスチック物質からなる外側層12が所定
の形状に成形されている。外側層12は、中空体11及
びスペーサ部材13と一体的に成形されている。例え
ば、外側層12は中空体11及びスペーサ部材13と接
着乃至は溶着によって一体成形されている。外側層12
は、多層プラスチック成形体1の両端部においては、フ
ランジ部12aを形成しており、各々のフランジ部12
aには取付け孔12bが穿設されている。
【0018】好適実施例においては、中空体11は、ブ
ロー成形によって成形されたものであり、所望の二次元
又は三次元に中心軸が曲折する形状を有している。スペ
ーサ部材13は、中空体11をブロー成形する時に同時
に一体成形することも可能であり、又中空体11をブロ
ー成形によって成形した後に、中空体11の外側表面上
の所定の位置に溶着又は接着によって一体化させること
も可能である。又、スペーサ部材13は、中空体11と
同一のプラスチック物質又は異なったプラスチック物質
から形成することも可能であり、又中空体11の一部と
して形成することも可能である。従って、スペーサ部材
13は、多層プラスチック成形体1が、例えば、局所的
に他の構成部品と接触するか、又は他の部品を取付ける
ために局所的に異なった特性を与えることが可能であ
る。
【0019】外側層12は、中空体11と一体成形され
ているが、中空体11のプラスチック物質と異なったプ
ラスチック物質から構成することが可能であり、従っ
て、多層プラスチック成形体1の使用条件に応じた所望
の特性を与えることが可能である。例えば、中空体11
は、その内部の通路を介して流体を通流させるものであ
るから、通流させる流体と関連して要求される所望の特
性を与える物質から構成することが可能である。例え
ば、多層プラスチック成形体1をインテークマニホール
ドとして使用する場合には、耐ガソリン性及び耐ブロー
バイガス性が良好なプラスチック物質から構成し、一
方、多層プラスチック成形体1をラジエータホースとし
て使用する場合には特に耐LLC性が良好なプラスチッ
ク物質から構成する。一方、外側層12は、特に、多層
プラスチック成形体1に機械的強度及び/又は耐熱特性
を与えることを目的とするものである。従って、外側層
12は、中空体11と基本的に同一のプラスチック物質
から形成することが可能であるが、強度を向上させるた
めの繊維物質や充填物質などの強化物質を混合したもの
を使用することが望ましい。その様な強化物質の例とし
ては、ガラスファイバ、カーボンファイバ、タルク、マ
イカなどがある。尚、中空体11とスペーサ部材13及
び外側層12は相溶性がある限り異なったプラスチック
物質を使用することも可能である。又、相溶性がかける
場合には、それらのプラスチック物質の間に接着剤層を
介在させることも可能である。更に、中空体11とスペ
ーサ部材13と外側層12とを全く同一のプラスチック
物質から構成することも可能である。中空体11及びス
ペーサ部材13を形成するプラスチック材料の例として
は、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6又は6・
6(グラスファイバ20%入り)、ナイロン11又は1
2、ナイロン4・6又は6・10又は6・12、ナイロ
ン系アロイ、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、
PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリ
ブチレンテレフタレート)、PES(ポリエーテルサル
フォン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、
ポリイミド、ポリアミドイミドなどがある。一方、外側
層12を形成するのに使用可能なプラスチック材料とし
ては、中空体11を形成するために使用可能な上述した
各プラスチック物質に30〜50%程度のガラスファイ
バなどの強化繊維を混合させたものを使用することが可
能である。
【0020】図1(A)乃至(C)に示した実施例にお
いては、外側層12が機械的強度が良好なプラスチック
物質から形成されているので、その一部にフランジ部1
2aを形成することが可能である。フランジ部12aに
は取付け孔12bが穿設されており、これを介してボル
トなどを挿通しフランジ12aを例えばエンジン又はラ
ジエータなどの本体に直接的に取付けることが可能であ
る。尚、図1(C)に示した実施例においては、スペー
サ部材13が上下の対向した位置に設けられているが、
スペーサ部材13は、中空体11の外側表面上の少なく
とも1箇所に設けることが可能なものであり、この様な
特定の対向した位置に配設することのみに限定されるべ
きものではない。例えば、スペーサ部材13の配設位置
は多層プラスチック成形体1の使用状態又はその製造方
法に応じて種々の形態を取り得るものである。例えば、
スペーサ部材13は、中空体11の外周面上に円周方向
又は螺旋方向又はその他の任意の配設状態に設けること
が可能であり、且つ円周方向に設ける場合には連続的に
又は間欠的に設けることも可能である。又、スペーサ部
材13の一つ又はそれ以上を金属その他の物質からなる
もので代用させることも可能である。
【0021】図1(A)乃至(C)に示した実施例にお
いては、中空体11を特に二層構成としたことを特徴と
している。即ち図1(A)及び(B)に示す如く、本実
施例における中空体11は内周面を有する内部層11a
と内部層11aの外周面上に一体的に成形されており且
つ外周面を有する外部層11bとから構成されている。
尚、この様な中空体11は、好適には、ブロー成形によ
り一体的に成形する。この実施例においては、中空体1
1を内部層11aと外部層11bとの二層構成としたの
で、中空体11の管路内を流れる流体に対して最適な物
質を使用して内部層11aを形成し、一方中空体11b
自体の機械的強度を最適なものとするために適切な物質
から外部層11bを形成することが可能である。即ち、
この中空体11は中空中子としてその外側表面上にスペ
ーサ部材13及び外側層12を一体的に形成して図1
(C)に示した如く多層プラスチック成形体1を構成す
るものである。この場合に、中空体11の外周面上に外
側層12を形成する場合に中空体11の外周面上に力が
付与されることとなる。そのために、中空体11が変形
して所望の形状を有する多層プラスチック成形体1が得
られない可能性がある。この様な問題を解消するため
に、本実施例においては、中空体11自身を二層構成と
し、少なくともその外部層11bに機械的強度を増加さ
せるための物質を使用することにより、中空体11自体
の機械的強度を向上させることが可能である。
【0022】例えば、図1(C)に示したプラスチック
管形状を有する多層プラスチック成形体1の場合には、
その管路内を流れる流体に対して中空体11の内周面が
最適な平滑性を有し且つ摩擦抵抗を減少させるのに適し
た物質を使用して内部層11aを形成することが可能で
ある。更に、管路内を流れる流体の性質により、例えば
耐薬品性及び耐油性が良好な物質を使用して内部層11
aを形成することが可能である。一方、外部層11bは
主に中空体11全体の機械的強度を向上させるために、
例えば強化繊維などのフィラを充填した物質を使用して
構成することが可能である。この様に、本実施例におけ
る中空体11は、それ自体の剛性が向上されているの
で、その外周面上に外側層12を一体的に被着形成する
場合に、中空体11が圧縮変形されることがないので、
より迅速に且つ任意の複雑な形状を有する多層プラスチ
ック成形体1を得ることが可能となる。尚、上述した本
実施例においては、中空体11を全体的に二層構成とし
たものについて説明したが、中空体11は少なくとも一
部二層構成とすることも可能であることは勿論である。
更に、機械的強度を向上させたり又はその他の理由によ
り、中空体11を三層以上の構成とすることも可能であ
り、且つ部分的に二層又は三層などのような局所的に異
なった構成を有する多層構成とすることも可能である。
【0023】次に、図2乃至5は本発明の別の実施態様
について構成された多層プラスチック成形体1を示して
いる。この場合の多層プラスチック成形体1は、インテ
ークマニホールド組立体として構成した場合の一例であ
る。即ち、図2はこのインテークマニホールド組立体と
して構成した多層プラスチック成形体1の中空体11を
示しており、この中空体11は、好適には、ブロー成形
により一体的に成形する。図2に示した中空体11は、
吸入管路部11−1と、圧力室部11−2と、4本の分
岐管路部11−3とから一体的に構成されている。即
ち、流体が吸入管路部11−1を介して圧力室11−2
へ供給され、圧力室11−2から流体がそれぞれの4本
の分岐管路11−3へ供給されるものである。
【0024】図2に示した如く、この様な中空体11
は、図1に示したパイプ状の多層プラスチック成形体と
異なり、例えばW1及びW2で示した部分において比較
的内部空間が大きく且つ表面が幅広の区域が存在してい
る。即ち、区域W1においては、入口管路11−1が楕
円形状の断面を有しており、従って上下の部分において
比較的幅の広い対向した壁部分が存在している。更に、
区域W2においては、圧力室11−2がほぼ直方体の形
状であり、従って上側の壁と下側の壁との間には比較的
広い対向した壁部分が存在している。この様に比較的広
い面積を持った対向した壁部分が存在すると、中空体1
1がプラスチック物質から形成されるものであるから、
使用状態において振動を発生する場合があり、そのため
にノイズを発生したり、且つ極端な場合には中空体11
に亀裂が発生し損傷される場合がある。従って、図2に
示した中空体11においては、これらの区域W1及びW
2においては、上側の壁と、下側の壁との間に延在して
架橋部材15が設けられている。架橋部材15は、図示
例の場合においては、ロッド形状をしており、上側の壁
に一端を固着し且つ下側の壁に他端を固着している。こ
れらの架橋部材15は、好適には、プラスチック物質か
ら構成されており、その上端及び下端をそれぞれの接触
する中空体11の壁へ溶着又は接着により固着させるこ
とが望ましい。例えば、中空体11をブロー成形により
一体成形した後に、区域W1及びW2の所定の箇所にド
リルなどで対向した壁位置に孔を穿設し、プラスチック
物質からなる架橋部材15をその孔に挿通させ所定の寸
法に切断した後に、その両端部をそれぞれの壁に固着さ
せることが可能である。
【0025】図2におけるB−Bに沿ってとった断面図
を図4に示してある。図4に示した如く、中空体11の
圧力室11−2の上側の壁及び下側の壁にそれぞれ対向
して孔が穿設されており、それらの孔に架橋部材15を
挿通し、架橋部材15の両端を切断した後にそれらの両
端部を圧力室11−2の対応する壁に熱溶着などで固着
した状態が示されている。この様に、中空体11の内部
空間が比較的大きく且つその対向する壁面が比較的大き
な平坦状の壁である場合には、この様な架橋部材15を
設けることにより、中空体11の壁が激しく振動状態と
なることが防止される。尚、架橋部材15は任意の数及
び任意の位置に設けることが可能である。又、架橋部材
15はその全体をプラスチック物質から構成することが
必要ではなく、その一部又は全体を他の材質のものから
構成することも可能である。
【0026】図3は、図2の中空体11の外周面上に外
側層12を一体的に被着形成し多層プラスチック成形体
1を構成した状態を示している。この実施例において
も、外側層12は機械的強度を与えるために例えば強化
繊維などの強化物質を含有しており、従って入口管路及
び分岐管のそれぞれの端部においてフランジ部12aが
形成されている。又、フランジ部12aの適宜の箇所に
は取付け用の孔12bが穿設されている。又、外側層1
2を一体形成する場合に、インサート部品17が圧力室
の側面部に一体的に埋設して設けられている。
【0027】図5は、図3のC−C線に沿ってとった概
略断面図であり、中空体11の圧力室を構成する壁11
−2の外周面上に外側層12が一体的に被着形成されて
いる状態が示されている。この外側層12により中空体
11を包囲しているので、架橋部材15と中空体11−
2との間の接続部が完全に密封状態でなかったとして
も、外側層12を設けることにより中空体11の内部空
間は完全に密封状態とされる。更に、図5に示した如
く、外側層12と共に、中空体11の外周面上の適宜の
箇所にはスペーサ部材13が設けられている。この様な
スペーサ部材13を設けることにより、完成された多層
プラスチック成形体1の適宜の箇所に所望の特性を局所
的に与えることが可能となるばかりか、外側層12を形
成する場合にその厚さを所定の厚さに規制することが可
能となる。
【0028】又、図2に示した中空体11は、単層構成
のものとすることも可能であり、又は、その一部又は全
てを二層又はそれ以上の多層構成とすることが可能であ
ることは勿論である。
【0029】次に、図6乃至図17は本発明の別の側面
を示しており、インサート部品17を外側層12内に埋
設して設けることを特徴としたものである。まず、図6
及び7に示した一実施例においては、中空体11をブロ
ー成形で成形する場合にインサート部品17を部分的に
埋め込んだ状態で同時的に成形する。尚、図示したイン
サート部品17は、その外周面上に第一係止部17a及
び第二係止部17bとして溝が刻設されている。即ち、
第一係止部17aはブロー成形により中空体11を成形
する場合に中空体11の壁内部に埋め込まれるように位
置され、従って、インサート部品17と中空体11とを
ブロー成形で一体成形する場合に、中空体11のプラス
チック物質の一部が第一係止部の溝17a内に入込みイ
ンサート部品17を強固に保持する。インサート部品1
7は、予め内部に螺子部17cが刻設されている。次い
で、図7に示した如く、中空体11の外周面上に外側層
12を一体的に被着形成する。従って、外側層12の一
部はインサート部品17の第二係止部としての溝17b
内に入込み、インサート部品17は外側層12内に埋設
された形で強固に保持される。尚、図7に示した如く、
本実施例においては外側層12の外周面とインサート部
品17の端面とが実質的に同一面状とされている。従っ
て、この場合には、インサート部品17は、スペーサ部
材13の機能を発揮することが可能であり、スペーサ部
材13を一部置換することを可能としている。尚、イン
サート部品17は、金属製又はその他の所望の材料のも
のとすることが可能であり、且つ、一例としては、ブッ
シュ、カラー、ボルト、ナットなどの所望の機能を有す
る機械要素とすることが可能である。尚、本実施例にお
いては、インサート部品17を予めブロー成形により中
空体11と一体的に成形する構成としたが、インサート
部品17は、中空体11と一体的に成形する代わりに、
中空体11をブロー成形により成形した後に接着剤又は
その他の方法により中空体11と一体化させるものとす
ることも可能であり、その場合には、インサート部品1
7を中空体11の内部に部分的に埋設する構成とするこ
とも、又は埋設させない構成とすることも可能である。
この様に、本実施例においては、インサート部品17は
少なくとも外側層12内に埋設して設けられるので、イ
ンサート部品17は外側層12の一部を構成しており、
外側層12内に強固に保持される。
【0030】次に、図8乃至10に示した別の実施例に
ついて説明する。この実施例は、先の図6及び7につい
て示した実施例とほぼ同一のものであるが、インサート
部品17が予め螺子孔17cが設けられているものでは
ない点が異なっている。即ち、図8に示した如く、好適
にはブロー成形により、インサート部品17を部分的に
埋設した状態で中空体11と一体的に成形させる。イン
サート部品17は、第一係止部17a及び第二係止部1
7bを有しており、第一係止部17aの部分は中空体1
1の内部に埋設されている。
【0031】次いで、図9に示した如く、中空体11の
外周面上に外側層12を一体的に被着形成する。この場
合においても外側層12の外周面上はインサート部品1
7の端面と実質的に同一面状となっている。従って、イ
ンサート部品17の第二係止部17bは外側層12内部
に埋め込まれ、従ってインサート部品17は外側層12
内部に強固に保持される。次いで、図10に示した如
く、図9の状態において、機械加工を行ない、埋設され
ているインサート部品17に螺子孔17cを形成する。
本実施例においては、インサート部品17を貫通すると
共に、更に中空体11をも貫通して螺子孔17cが設け
られている。この場合には、螺子孔17cを介して多層
プラスチック成形体の内部空間と外部空間とが連通され
るので、例えば圧力計などを螺子孔17cを介して設け
ることにより内部空間における圧力を測定することが可
能である。
【0032】図11乃至13に示した別の実施例におい
ては、基本的には図8乃至10に示した実施例と同様の
構成であるが、インサート部品17の外周面上にローレ
ット加工を施した場合である。この様に、インサート部
品17の外周面上にローレット加工を施すことにより、
図12に示した如く外側層12を中空体11の外周面上
に被着形成させることによりインサート部品17を外側
層12内に埋設させた場合に、インサート部品17がそ
の中心軸周りに回転することを防止する効果が向上され
る。即ち、図13に示した如く、インサート部品17を
貫通して螺子孔17cを設ける場合に、インサート部品
17に回転力が付与され、その場合にインサート部品1
7が外側層12と相対的に回転し外側層12及び中空体
11が変形したり又は最悪の場合にはインサート部品1
7が離脱する場合がある。しかしながら、この様なロー
レット加工を施すことにより、インサート部品17が外
側層12に対して相対的に回転することが防止されるの
で、螺子孔17cを設ける場合などのようにインサート
部品17に回転力が付与される場合であっても、インサ
ート部品17と外側層12との一体性が劣化することは
ない。尚、この実施例の変形例としては、インサート部
品17の外周面上にローレット加工を施すことに加え
て、又は、その代わりに、インサート部品17の外周面
上を円周と異なった形状、例えば楕円形状や六角形状又
は星形形状などの半径方向の寸法が円周方向に異なった
形状とさせることが可能である。又は、インサート部品
17の外周面上に長手軸方向に平行又はそれと傾斜した
方向に延在する溝を設けることも可能である。この様な
変形実施例とすることにより、インサート部品17が外
側層12と相対的に回転することが効果的に防止され
る。
【0033】次に、図14乃至17は外側層12のみに
埋設してインサート部品17を設ける実施例を示してい
る。特に、この実施例においては、外側層12の一部と
して構成するフランジ12a内部にインサート部品17
を埋設した状態で設ける場合を示している。即ち、図1
6及び17に示した如く、中空体11の外周面上に外側
層12が設けられており、外側層12の一端部にはフラ
ンジ12aが一体的に形成されている。そして、フラン
ジ12aの一部には埋設した状態でインサート部品17
が設けられている。インサート部品17は、第二係止部
としての溝17bが外周面上に刻設されており、且つそ
れを貫通して螺子孔17cが設けられている。この場合
は、インサート部品17は外側層12、特にそのフラン
ジ12aに埋設して設けられているが、中空体11には
埋設されていない。
【0034】図16及び17に示した構成を製造する一
例を図14及び図15に示してある。即ち、図14に示
した如く、金型が割型21と割型20との割型として設
けられており、図示例においては、割型21が割型20
に対して相対的に上下動可能に設けられている。割型2
0は、凹所20bが形成されており、凹所20bの底か
ら上方に突出して突起20aが形成されている。一方、
割型21には、突起20aの先端部を受納可能なくぼみ
21aが形成されると共に、割型20の凹所20b内部
に挿入可能な凸部21bが形成されている。図14に示
した如く、突起20aに外挿してインサート部品17が
凹所20b内に配置されている。この状態において、割
型21を下降させて突起20aの先端部がくぼみ21a
内に挿入させる。この状態で、割型20と割型21とが
型閉め状態となり、両者の間にはキャビティ23が画定
される。又、割型20の凹所20bと割型21の凸部2
1bとの間には所定の間隙22が形成される。この間隙
22は、キャビティ23内に溶融状態にあるプラスチッ
ク物質が供給される場合にキャビティ23内に存在する
空気などのガスが流出することを許容するがキャビティ
23内に供給される溶融状態のプラスチックが通過する
ことを阻止する大きさを有している。
【0035】図15に示した型閉め状態において、溶融
状態にあるプラスチック物質をキャビティ23内に供給
し、次いで、キャビティ23内に供給したプラスチック
物質を硬化させる。次いで、割型21を上昇させて割型
20から離脱させ、成形された多層プラスチック成形体
を取出す。この様なプロセスにより、図16及び17に
示した如く、外側層12のフランジ12aに埋設した状
態でインサート部品17を設けることが可能である。図
14及び15に示した如く、この実施例においては、イ
ンサート部品17が割型20と割型21との間隔を規制
する作用を有しているので、前述したスペーサ部材13
の機能を発揮することが可能である。
【0036】次に、図18乃至22を参照して、本発明
の低圧射出成形による多層プラスチック成形体の製造方
法について説明する。まず、図18に示した如く、好適
には、ブロー成形により、所望の形状を有する中空体1
1を形成する。図示例の場合においては、中空体11は
二次元又は三次元の管路形状を有している。ブロー成形
により中空体11を成形した後に、好適には、中空体1
1の内部空間を充填物24で充填する。充填物24の例
としては、例えば砂粒などの粒子又はその他の物質とす
ることが可能である。充填物24で充填した後に、充填
物24を充填する場合に使用した中空体11の開口部を
密封状態にシールする。この状態を25で示してある。
従って、中空体11は、その内部に密封状態に充填され
た充填物24を有している。
【0037】次いで、図19に示した如く、充填物24
で充填した中空体11を金型のキャビティ内にセットす
る。即ち、図19においては、金型は割型20と割型2
1の一対の割型から構成されている。割型20と割型2
1とは相対的に移動可能であり、図19においては、割
型20と割型21とを型合わせし型閉めした状態を示し
ている。割型20及び割型21は相対的に反対方向に移
動させて互いに離脱した状態とさせることが可能であ
る。即ち、割型20と割型21とを離脱した状態におい
て、図18に示した中空体11を例えば割型20上に載
置する。この場合に、図示した割型20においては、そ
の左右の両端部に台座部20cが形成されており、中空
体11の両端部をこの台座部20c上に載置させる。更
に、スペーサ部材13を割型20の型溝内の適宜の箇所
に配置し、その上に中空体11を載置する。更に、中空
体11の上側の適宜の箇所にもスペーサ部材13を配置
する。この状態において割型21を割型20と型閉めし
て図19の状態とさせる。この場合に、割型21の左右
の端部には台座部21cが形成されており、これらの台
座部21cが中空体11と接触状態となり、且つ割型2
1の型溝の表面がスペーサ部材13と実質的に接触状態
となる。従って、割型20と割型21とにより画定され
るキャビティ内に中空体11が配置され、スペーサ部材
13により、キャビティの表面と中空体11との外周面
との間には所定の間隙27が維持されることとなる。
【0038】尚、上述した実施例においては、スペーサ
部材13と中空体11とを別々に設ける場合について説
明したが、中空体11をブロー成形により成形するのと
同時的にスペーサ部材13を一体成形することも可能で
あり、又、中空体11をブロー成形により成形した後
に、スペーサ部材13を中空体11の所望の箇所に溶着
又は接着により一体化させることも可能である。又、中
空体11にインサート部品17を設ける場合には、スペ
ーサ部材13の一つ又はそれ以上をその様なインサート
部品17で置換させることも可能である。
【0039】次いで、図19に示した如く、割型20と
割型21とを型閉めし、中空体11をキャビティ内に配
置させた状態で、間隙27へ高温溶融状態にあるプラス
チックを供給する。この場合に、割型20及び割型21
には、プラスチック物質の供給路26がそれぞれ複数個
設けられている。即ち、割型20においては、後にフラ
ンジ部を形成する両端部にそれぞれ一つずつ及び中央の
位置に一つ合計で3本の供給路が形成されている。割型
21は割型20と対称的に供給路26が設けられてい
る。これらの供給路26は、一つ又はそれ以上の溶融プ
ラスチック供給源へ連通されており、そこから高温で溶
融状態とされたプラスチックが加圧状態で供給される。
【0040】供給路26を介してプラスチック物質を間
隙27へ供給した状態を図20に示してある。即ち、供
給されたプラスチック物質により、中空体11の外周面
上に外側層12が形成されており、且つ外側層12の一
部として両端にフランジ12aが形成されている。尚、
供給路26を介して溶融状態にあるプラスチック物質を
間隙27へ供給する場合の圧力は500kg/cm2
下で特に50乃至400kg/cm2 の範囲内に設定す
る。即ち、間隙27の隅々にまで十分にプラスチック物
質を供給しその際にボイドの発生や不所望の局所的肉厚
又は肉薄部分が発生することを防止するためにはできる
だけ低い注入圧力を使用することが望ましい。しかしな
がら、本発明者等の知見によれば、50kg/cm2
満の注入圧力を使用した場合には、高温溶融状態にある
プラスチック物質が供給路26を通過する間に冷却固化
し、供給路26が閉塞したり、又は間隙27の途中にお
いて冷却固化することが判明した。従って、この様な問
題を回避するためには、注入圧力を50kg/cm2
上とする必要がある。一方、間隙27内へプラスチック
物質をできるだけ迅速に且つ隅々にまで供給するために
はできるだけ高い注入圧力とすることが望ましい。しか
しながら、注入圧力を余り高くすると、中空体11が局
所的に移動したり又は変形したりする場合がある。例え
ば、図22(B)に示した如く、供給路26から供給さ
れる溶融状態にあるプラスチック物質が余り高い圧力で
間隙27内に供給されると、中空体11が局所的に変形
されて変形部Dを構成する場合がある。一方、図22
(A)は、供給路26からの供給圧力が適性である場合
には、中空体11が変形されることがない状態を示して
いる。この様な中空体11の変形や位置の移動及び材質
の不均一性などを回避するためには、注入圧力を500
kg/cm2以下で特に400kg/cm2以下とするこ
とが必要であることが判明した。従って、本発明の射出
成形方法においては、供給路26から間隙27へ供給す
る高温溶融状態にあるプラスチック物質の注入圧力を5
0乃至400kg/cm2 の範囲内の圧力に設定するこ
とが望ましい。
【0041】更に、図19及び20に示した如く、本実
施例においては、割型20及び21にそれぞれ複数個の
供給路26を設けており特に、間隙27の全ての場所に
一様にプラスチック物質が供給されるように供給路26
が配設されている。この様に複数個の供給路26から間
隙27へプラスチック物質を供給することにより、より
迅速に供給を行なうことが可能であるばかりか、形成さ
れる外側層12の組成を均一とさせ且つ肉厚を所望の肉
厚とさせることを確保することが可能である。図20の
状態において、外側層12を形成するプラスチック物質
が硬化した後に、割型20と割型21とを離脱させ、プ
ラスチック成形体を取出す。次いで、中空体11の両端
部の不要部分を切除し、図21に示した如く、所望の形
状を有する多層プラスチック成形体が得られる。尚、以
上説明した製造方法においては、中空体11を単層のも
のとすることも又は少なくとも一部を多層のものとする
ことも可能であることは勿論である。又、図21に示し
た多層プラスチック成形体は比較的形状が簡単なもので
あるが、例えば図3に示した如き複雑な形状を有する多
層プラスチック成形体も本発明方法を使用して製造する
ことが可能であることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】以上詳説した如く、本発明によれば、耐
熱性及び/又は耐久性を有する多層プラスチック成形体
が提供される。特に、本発明によれば、スペーサ部材を
使用することにより、プラスチック成形体の全体に亘っ
て一様の特性を有する多層プラスチック成形体を提供す
ることが可能である。従って、本発明によれば、極めて
設計条件に近い特性を有する多層プラスチック成形体を
提供することが可能となり、その信頼性は極めて向上さ
れる。更に、本発明によれば、再現性が高く且つ繰返し
て同一の性能を有する多層プラスチック成形体を製造す
ることが可能な方法が提供される。従って、例えば、イ
ンテークマニホールドやラジエータホースなどのような
高温及び高振動が付与される自動車部品をプラスチック
物質から製造することを可能としている。更に、本発明
によれば、自動車部品の軽量化を図ることが可能であ
り、金属物質を使用した場合と比較して、50%以上の
軽量化を図ることを可能としている。更に、本発明方法
は、複雑な形状及び構成を有するものであっても、迅速
且つ正確に所望の形状寸法を有する多層プラスチック成
形体を成形することを可能としている。
【0043】以上、本発明の具体的実施の態様について
詳細に説明したが、本発明は、これら具体例にのみ限定
されるべきものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱す
ることなしに種々の変形が可能であることは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)乃至(C)は本発明の一実施例に基づ
いて構成されたパイプ状の多層プラスチック成形体を示
した各概略図。
【図2】 本発明の別の実施例に基づいてインテークマ
ニホールド組立体を構成する場合に使用する中空体を示
した概略斜視図。
【図3】 図2の中空体の外側表面上に外側層を被着形
成して多層プラスチック成形体を成形した状態を示す概
略斜視図。
【図4】 図2におけるB−B線に沿ってとった概略断
面図。
【図5】 図3におけるC−C線に沿ってとった概略断
面図。
【図6】 本発明の別の実施例に基づいてブロー成形時
に中空体と一体的にインサート部品を設けた状態を示し
た概略図。
【図7】 図6の構成に外側層を被着形成した状態を示
した概略図。
【図8】 中空体をブロー成形により成形する場合に一
体的にインサート部品を設けた状態を示した概略図。
【図9】 図8の構成に外側層を設けた状態を示した概
略図。
【図10】 図9の状態においてインサート部品を貫通
して貫通孔を穿設した状態を示した概略図。
【図11】 中空体をブロー成形により成形する場合に
同時に外周面上にローレット加工を施したインサート部
品を設けた状態を示した概略図。
【図12】 図11の状態から外側層を設けた状態を示
した概略図。
【図13】 図12の状態においてインサート部品を貫
通して貫通孔を穿設した状態を示した概略図。
【図14】 割型と割型とが離脱した状態でインサート
部品を割型内に配置した状態を示した概略図。
【図15】 図14の状態から割型と割型とを型閉めさ
せた状態を示した概略図。
【図16】 図14及び15の方法によりインサート部
品をフランジに埋設して設けた状態を示した概略斜視
図。
【図17】 図16のD−D線に沿ってとった概略断面
図。
【図18】 本発明低圧射出成形方法に使用する中空体
を示した概略図。
【図19】 図18に示した中空体を型閉めした割型と
割型との間に形成されるキャビティ内に配置させた状態
を示した概略図。
【図20】 図19の状態から中空体とキャビティ表面
との間の間隙にプラスチック物質を供給した状態を示し
た概略図。
【図21】 図20で形成された成形体から不要部分を
除去して多層プラスチック成形体を完成した状態を示し
た概略図。
【図22】 (A)及び(B)はプラスチック物質の注
入圧力の状態による影響を示した各概略図。
【符号の説明】
1多層プラスチック成形体 11 中空体 12 外側層 13 スペーサ部材 15 架橋部材 17 インサート部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 3/14 7016−4F 3/26 A 7016−4F 27/18 Z 6122−4F // B29K 105:06 4F B29L 9:00 4F 22:00 4F 31:30 4F

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック物質から所定の形状に形成
    された中空体、前記中空体の外側表面の所定の箇所に設
    けられ所定の厚さを有する少なくとも1個のスペーサ部
    材、前記スペーサ部材を除いた前記中空体の外側表面上
    に前記スペーサ部材と共に一体成形されたプラスチック
    物質からなる外側層、を有しており、前記中空体を少な
    くとも部分的に二層又はそれ以上の構成としたことを特
    徴とする多層プラスチック成形体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記中空体がブロー
    成形により形成されたものであることを特徴とする多層
    プラスチック成形体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記外側層が
    一体成形されたフランジ部を有することを特徴とする多
    層プラスチック成形体。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のうちの何れか1項にお
    いて、前記スペーサ部材と前記外側層とは実質的に同一
    の厚さを有することを特徴とする多層プラスチック成形
    体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のうちの何れか1項にお
    いて、前記外側層用のプラスチック物質は前記中空体用
    のプラスチック物質に強化物質を添加したものであるこ
    とを特徴とする多層プラスチック成形体。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のうちの何れか1項にお
    いて、前記中空体が内周面を有する内部層と外周面を有
    する外部層とを有しており、前記中空体の内部層は内面
    平滑性、耐薬品性、耐油性のうちの少なくとも一つの所
    定の特性を与える第一材料から構成されており、一方前
    記中空体の外部層は所定の機械的強度を与える第二材料
    から構成されていることを特徴とする多層プラスチック
    成形体。
  7. 【請求項7】 プラスチック物質から所定の形状に形成
    された中空体、前記中空体の外側表面の所定の箇所に設
    けられ所定の厚さを有する少なくとも1個のスペーサ部
    材、前記スペーサ部材を除いた前記中空体の外側表面上
    に前記スペーサ部材と共に一体成形されたプラスチック
    物質からなる外側層を有しており、前記中空体の内周面
    上の一点から他の点へ中空体の内部空間を延在しており
    且つそれぞれの前記点に固着された架橋部材が少なくと
    も1個設けられていることを特徴とする多層プラスチッ
    ク成形体。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記架橋部材が前記
    中空体の内部空間が比較的大きな箇所に配設されている
    ことを特徴とする多層プラスチック成形体。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8において、前記架橋部材
    もプラスチック物質から構成されており、前記中空体に
    熱溶着により固着されていることを特徴とする多層プラ
    スチック成形体。
  10. 【請求項10】 プラスチック物質から所定の形状に形
    成された中空体、前記中空体の外側表面の所定の箇所に
    設けられた所定の厚さを有する少なくとも1個のスペー
    サ部材、前記スペーサ部材を除いた前記中空体の外側表
    面上に前記スペーサ部材と共に一体成形されたプラスチ
    ック物質からなる外側層、少なくとも前記外側層内に埋
    設して設けた少なくとも1個のインサート部品、を有す
    ることを特徴とする多層プラスチック成形体。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記インサート
    部品が前記外側層と中空体との界面を介して前記中空体
    内に部分的に埋設されていることを特徴とする多層プラ
    スチック成形体。
  12. 【請求項12】 請求項10において、前記インサート
    部品が金属製であることを特徴とする多層プラスチック
    成形体。
  13. 【請求項13】 第一プラスチック物質から所定の形状
    に成形した中空中子の外側表面上に第二プラスチック物
    質からなる外側層を一体的に成形して多層プラスチック
    成形体を製造する方法において、金型を構成する複数個
    の割型を型閉めしてキャビティを画定すると共に前記中
    空中子を前記キャビティの表面と間隙を維持した状態で
    前記キャビティ内に位置させ、次いで前記第二プラスチ
    ック物質を溶融状態で且つ500kg/cm2 以下の所
    定の圧力範囲内において前記間隙へ供給し、前記間隙に
    供給した第二プラスチック物質を硬化させて前記中空中
    子と一体化させることを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記キャビティ
    の複数個の供給点から前記第二プラスチック物質を前記
    間隙へ供給することを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 請求項13又は14において、前記所
    定の圧力範囲が50乃至400kg/cm2 であること
    を特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 請求項13乃至15のうちの何れか1
    項において、前記キャビティ表面と前記中空中子間に少
    なくとも1個のスペーサを介在させることにより前記中
    空中子と前記キャビティ表面とに間隙を位置させること
    を特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 請求項16において、前記スペーサを
    前記外側層と一体成形させることを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 請求項13乃至17のうちの何れか1
    項において、前記中空中子内に予め充填物を充填してお
    き、前記外側層を形成した後に前記充填物を前記中空中
    子から除去することを特徴とする方法。
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