JPH06121859A - スポーツ用手袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 手の挿入を容易にし、多数の異なる解剖学的
形状の手に適合し、また手の機能領域に密接に適合で
き、改善された緊締の配分を保存することができるスポ
ーツ用手袋を提供する。 【構成】 緊締用帯状体（３）を含む緊締兼引張手段を
備え、この帯状体の第一の端（３１）は手袋（１）の中
手骨甲部領域（１０）上に固定され、かつ第一の軸
（Ｘ、Ｘ′）に沿う方向に延在し、他端はこの手袋
（１）と一体の中間バックル（４）に挿入され、上記緊
締用帯状体（３）が上記中間バックル（４）から、第二
の軸（Ｙ，Ｙ′）に沿う方向に延在し、かつ上記手袋上
で少なくとも部分的に取り外し可能に固定された第二の
端で終端するスポーツ用手袋において、上記第一の軸
（Ｘ，Ｘ′）と上記第二の軸（Ｙ，Ｙ′）とがゼロでは
ない角度（α）で互いにずれるよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明はスポーツ用手袋、より詳しくは、
手が物（特にゴルフクラブ）を正確に保持する上で重要
な役割を演じる活動に用いられる手袋に関するものであ
る。

【０００２】ゴルフ、ラケットボール、オートレースの
ようなスポーツで一般に用いられる手袋は従来から革で
一体的に作られ、かつ、正確な保持と緊締を確保するた
め、手の輪郭と大きさにより良く合致するように裁断さ
れる。その機能は特に汗を吸収し、物体上で手が滑らな
いようにし、それによって把持と緊締を向上させること
にある。「裁断師」達の腕前を総動員しても、手袋は実
在する手のあらゆる解剖学的形状に適合するに至ってい
ない。

【０００３】アメリカ合衆国特許第 3,588,917号は、中
手骨領域における手袋の甲部分上で、弾性手段に連接さ
せた横断方向緊締用帯状体（バンド）を特に設けること
によって改良を加えた。この種の緊締は、確かに、手袋
をいろいろなタイプの手に適合させることを可能にする
が、手袋の諸部分の全体、特に、物体上で弛んだままあ
るいは締まった手がどのような位置にあっても、完全に
平滑でなければならない部分の全体に均一な形で行なわ
れるのではない。

【０００４】アメリカ合衆国特許第 4,691,388号は、
「ヴエルクロ（商標名）」型の単一帯状体で緊締され、
それによって斜めの張力を生じる、手首の基部から小指
の基部の近傍に到る斜めの開口部を含む。この方式は、
一方では、手袋の製造を著しく複雑にし、また他方で
は、何回も使用すれば急速に変形する開口部を有すると
いう大きな欠点を含む。なお、反転バックルのない帯状
体を利用すれば、手袋の基部の調整を常に必要とする緊
締に際して不快な回転を引き起こす。

【０００５】本発明の目的は、上述の欠陥を排除し、調
整のための特別な動作なしに手の容易な挿入と、より数
多くの異なる解剖学的特徴への適合と、手袋の諸部分を
手の機能領域に密接に適合させる緊締のより良い配分と
を保存することを可能にし、それによって活動の実施と
成績を向上させる、単純な設計の手袋を提供することに
ある。

【０００６】この目的のために、本発明のスポーツ用手
袋は、伸縮性が僅かにあるか、あるいは伸縮性が全くな
い緊締用帯状体を含む緊締兼引張手段を備え、該帯状体
の第一の端は手袋の中手骨甲部の領域に固定され、かつ
第一の軸Ｘ，Ｘ′に沿う方向に第一の長さに亙って延在
し、また、該手袋と一体で、しかも手袋の側面を構成す
る領域の近くでずらして位置させた中間バックルに挿入
され、この緊締用帯状体が該中間バックルから、第二の
軸Ｙ，Ｙ′に沿う方向に第二の長さに亙って延在し、か
つ該中手骨の領域または手首の領域上で少なくとも部分
的に取外し可能に固定された第二の端で終っており、該
第一の軸Ｘ，Ｘ′と第二の軸Ｙ，Ｙ′とがゼロでない角
度αで互にずれていることを特徴とする。

【０００７】以下に、本発明を更に詳細に説明する。本
発明の他の利点および特徴は非限定的な例を示す添付の
諸図に照らして明らかとなろう。

【０００８】手袋というものは、形状が固有の対称法則
のない幾何学的形状を呈する３次元の複雑な物体であ
る。せいぜい、本発明から特に明らかになるであろう特
徴を「地理的に」同定可能にする共通の解剖学的領域を
画定できるに過ぎない。

【０００９】したがって、図１で示すように、手袋１
は、各々が手の解剖学的領域に相当する複数の領域に
「分割」できる。主要領域は、中手骨の甲部領域（すな
わち、中手骨領域）１０と呼ばれる。甲部領域の外方へ
向って、図２に示す、手袋の側面から掌領域１５の境界
まで伸びている側面領域１１を識別することができる。
この手袋は、手を越えて、手根骨領域とも呼ばれる手首
１２のほぼ環状の領域に多かれ少なかれ延び出ている。

【００１０】なお、指を２の異なる領域、すなわち母指
球を含む親指の領域１３と各々が指の基部から指の先端
まで伸びる指節骨領域１４とに分けることができる。手
袋の指骨領域１４内で４本の指骨の厚みを構成し、かつ
４本の指骨の各々の内側に伸びている、通常、６個の嵌
め込み部材は、指の叉部１４０と呼ばれる。ここでは、
隣接する指部の側面と向かい合う指部の側面を指部の内
方側面と呼ぶことにする。

【００１１】本発明のスポーツ用手袋は、異なる緊締兼
引張手段を含み、その主要なものは、図３に示すよう
に、緊締用帯状体３である。手を挿入できるようにする
には、手袋は少なくともこの手の最も大きい断面区域に
対応る十分な大きさの開口部２を有していなければなら
ない。開口部の断面は、手を挿入する際、手袋１の本体
を構成する伸縮性部材の弾性によって広がることができ
るが、良好な緊締は手甲部の帯状体３を使用することに
よってのみ得られる。伸縮が僅かであるか、または伸縮
が全くないこの帯状体は、その第一の端３１が中手骨領
域１０上に固定され、かつ第一の軸Ｘ，Ｘ′に沿う方向
に、第一の長さ３２に亙って延在する。この帯は、手袋
と一体で、かつ側面１１の領域の近くでずれた位置にあ
る、中間バックル４に挿入される。帯状体３は、中間バ
ックル４から、軸Ｙ，Ｙ′に沿う方向に、第二の長さ３
３に亙って延在し、かつ中手骨領域１０または手首領域
１２上で少なくとも部分的に取外し可能に固定される端
部３４で終っている。第二の端３４の固定手段は、例え
ば「ヴエルクロ（商標名）」型のものにすれば有利であ
る。第一の軸Ｘ，Ｘ′と第二の軸Ｙ，Ｙ′は、中間バッ
クル４の中点４０に対してゼロでない角度αで、互に角
度的にずれている。このずれによって帯状体は、「Ｙ」
字で略示でき、かつ手袋の緊締の好ましい区域に対応す
る三方向に分散される引張力を作用させることができ
る。

【００１２】図５に示すように、第一の方向に対応する
軸Ｘ，Ｘ′は、引張力の中点４０から、指骨方向にほぼ
対応する長手方向軸Ｌ，Ｌ′に垂直な横断方向軸Ｏ，
Ｏ′と指骨領域１４における人差し指の先端を通過する
軸ｌ，ｌ′で限定された区域内で方向付けることができ
る。この区域内は、軸Ｘ，Ｘ′の異なる方向付けに対応
するが、引張力が親指と人差し指との間に作用すること
が特に有利である。したがって、軸Ｘ，Ｘ′が親指と人
差し指間の谷部１２０に位置する点Ａをほぼ通過するの
が好ましい。

【００１３】図６に示すように、引張力の第二の方向に
対応する軸Ｙ，Ｙ′は、中間バックル４の中点４０から
横断方向軸Ｏ，Ｏ′と長手方向軸Ｌ，Ｌ′とによって限
定された区域内で方向付けることができる。軸Ｙ，Ｙ′
は、ほぼ親指領域１３の基部と手首領域１２間に位置す
る区域内で、緊締が効果的であるよう、ほぼこの区域を
通過するのが好ましい。

【００１４】最初の２方向の合力である引張力の第三の
方向はほぼ横断方向軸Ｏ，Ｏ′に沿って方向付けられる
のが好ましく、これら諸力の作用点は、もちろん、バッ
クル４の中点４０に位置している。引張力がこの方向に
作用することによって、横断方向の良好な緊締が生じ
る。

【００１５】図３が示すように、中間バックル４は、側
面領域１１と一体で、かつ弾性変形可能な帯状体５１の
部分で少なくとも部分的に構成されるのが好ましい連結
用帯状体５０と一体である。この弾性部分は、例えば指
が動くときの手の嵩張りの変化がどのようであっても、
緊締を一定に保てるよう機能する。該帯状体のもう１つ
の部分５２は、伸縮性に乏しく耐久性のある材料、好ま
しくは革で構成される。この部分５２は、上底５２ａが
バックル４の方向に伸び、下底５２ｂが側面領域１１と
一体である、ほぼ台形であるのが有利である。この特定
の形状は、横断方向の引張力の分布を向上させる。

【００１６】緊締用帯状体３自体も、革で製作されるの
が有利である。もちろん、織物製またはその他の材料を
考えても良く、あるいはまた、場合によって補強材の使
用を考えてもよい。

【００１７】本発明の手袋は、手袋の各部分に一様で均
斉の取れた引張をもたらすよう、緊締用帯状体４と共働
する他の引張用手段を有する。そのために、特に外力の
作用を受けるか、あるいはより大きい変形を受ける或る
特定の部分を著しい伸縮性と弾性を有する材料でできた
嵌め込み部材で構成することが考えられる。エラスタン
（elasthane)をベースとする織物の使用が好ましい。

【００１８】したがって、指骨領域１４に位置する指の
叉部１４０は、上記の特徴を有するとともに、その展開
した形状における長さが正常な開位置における指の長さ
に対応する嵌め込み部材で構成されるのが有利である。
この種の部材を使用することによって、手袋は非常に異
なった断面を有する各種の指に適合可能である。また、
指骨の頻繁な動きによる外力は、このようにして大方吸
収される。

【００１９】もっとも、もちろん逆に、指の叉部１４０
を例えば革製のような伸縮性に乏しい材料で構成するこ
と、また指骨を覆うその他の領域を伸縮性と弾性を有す
る材料で構成することを考えてもよい。

【００２０】また、側面領域１１を少なくとも部分的に
占める、伸縮性嵌め込み部材１１０の配置構成を考える
こともできる。実際、この領域は、指を曲げたとき、特
に嵩張りにおいて、最も著しい変形をするところであ
る。この部材１１０は、緊締用帯状体３の第一の端３１
の固定区域の手前の限度まで、中手骨の甲部領域１１へ
向けて該側面領域１１を越えて、連続するよう伸びてい
ると有利である。その伸長は、帯状体３の緊締によるひ
だをより大きな面で吸収可能にするという利点がある。

【００２１】場合によって、該嵌め込み部材１１０は、
図３および図４が示すように、その側面区域１０を越え
て、小指の外側部分上で、かつ少なくとも小指の長さの
大部分に亙って連続的に伸びていてもよい。

【００２２】上述した本発明の説明は非限定的な例とし
て示したに過ぎず、また冒頭の特許請求の範囲に含まれ
るすべての包括概念および実施態様を含むことは言うま
でもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】解剖学的主要領域を略示する手袋の甲部の簡略
図である。

【図２】図１の手袋の掌の図である。

【図３】本発明の手袋の甲部の図である。

【図４】図３に示す本発明の手袋の掌の図である。

【図５】軸Ｘ，Ｘ′を包含できる区域を更に詳細に示
す、本発明の手袋の甲部を簡略化した図である。

【図６】軸Ｙ，Ｙ′を包含できる区域を更に詳細に示
す、本発明の手袋の甲部を簡略化した図である。

【符号の説明】

１ 手袋 ３ 緊締用バンド（帯状体） ４ 中間バックル １０ 中手骨甲部領域 １１ 側面領域 １２ 手首のほぼ環状をした領域 １３ 親指領域 １４ 指骨領域 ３１ 第一の端 ３２ 第一の長さ ３３ 第二の長さ ３４ 第二の端 ４０ 中点 ５０ 接続用バンド（帯状体） ５１，５２ バンドの部分 ５２ａ 上底 ５２ｂ 下底 １１０ 嵌合わせ部材 １２０ 谷部 １４０ 叉部

Claims (16)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 伸縮性が僅かにあるか、あるいは伸縮性
   が全くない緊締用帯状体（３）を含む緊締兼引張手段を
   備え、前記帯状体の第一の端（３１）は手袋（１）の中
   手骨甲部領域（１０）上に固定され、かつ第一の軸
   （Ｘ、Ｘ′）に沿う方向に第一の長さ（３２）に亙って
   延在し、かつ前記手袋（１）と一体で、しかも該手袋の
   側面（１１）を構成する領域の近くでずらして位置させ
   た中間バックル（４）に挿入され、前記緊締用帯状体
   （３）が前記中間バックル（４）から、第二の軸（Ｙ，
   Ｙ′）に沿う方向に第二の長さ（３３）に亙って延在
   し、かつ前記手袋の中手骨甲部領域（１０）または手首
   領域（１２）上で少なくとも部分的に取り外し可能に固
   定された第二の端（３４）で終端するスポーツ用手袋に
   おいて、 前記第一の軸（Ｘ，Ｘ′）と前記第二の軸（Ｙ，Ｙ′）
   とがゼロではない角度（α）で互いにずれることを特徴
   とするスポーツ用手袋。
2. 【請求項２】 前記第一の軸（Ｘ，Ｘ′）が、前記中間
   バックル（４）の中点（４０）から、前記手袋の横断方
   向軸（Ｏ，Ｏ′）と人差指の端を通過する軸（１，
   １′）とによって画定される区域内に方向付けられるこ
   とを特徴とする請求項１によるスポーツ用手袋。
3. 【請求項３】 前記第二の軸（Ｙ，Ｙ′）が、前記中間
   バックル（４）の中点（４０）から、前記手袋の横断方
   向軸（Ｏ，Ｏ′）と長手方向軸（Ｌ，Ｌ′）とによって
   画定される区域内に方向付けられることを特徴とする請
   求項１または２によるスポーツ用手袋。
4. 【請求項４】 前記第一の軸（Ｘ，Ｘ′）が、ほぼ親指
   と人差指間の谷部（１２０）内に位置する点（Ａ）を通
   過することを特徴とする請求項２によるスポーツ用手
   袋。
5. 【請求項５】 前記第二の軸（Ｙ，Ｙ′）が、ほぼ前記
   親指領域（１３）の基部と前記手首領域（１２）との間
   にある区域内を通過することを特徴とする請求項３によ
   るスポーツ用手袋。
6. 【請求項６】 前記第一の軸（Ｘ，Ｘ′）と前記第二の
   軸（Ｙ，Ｙ′）に沿って加えられる引張力の合力が横断
   方向軸（Ｏ，Ｏ′）に沿って方向付けられることを特徴
   とする請求項２ないし５のいずれか１によるスポーツ用
   手袋。
7. 【請求項７】 前記中間バックル（４）が、それ自体前
   記側面区域（１１）と一体の接続用帯状体（５０）と一
   体であることを特徴とする請求項１ないし６のいずれか
   １によるスポーツ用手袋。
8. 【請求項８】 前記接続用帯状体（５０）が、少なくと
   も部分的に、弾性変形可能な帯状体の一部分（５１）か
   らなることを特徴とする請求項７によるスポーツ用手
   袋。
9. 【請求項９】 前記接続用帯状体（５０）が、前記帯状
   体の少なくとも２の部分の連続からなり、その少なくと
   も一方（５２）は革のような伸縮性の非常に僅かな材料
   からなることを特徴とする請求項８によるスポーツ用手
   袋。
10. 【請求項１０】 前記伸縮性の非常に僅かな接続用帯状
    体の部分（５２）がほぼ台形状であることを特徴とする
    請求項９によるスポーツ用手袋。
11. 【請求項１１】 伸縮性と弾性の高い材料でできた嵌合
    わせ部材を変形のより大きな領域に位置させることを特
    徴とする請求項１ないし１０のいずれか１によるスポー
    ツ用手袋。
12. 【請求項１２】 前記伸縮性を有する嵌合わせ部材が
    「エラスタン」をベースとする織物であることを特徴と
    する請求項１１によるスポーツ用手袋。
13. 【請求項１３】 前記嵌合わせ部材が指骨領域（１４
    ０）に位置する叉部（１４）を構成することを特徴とす
    る請求項１１または１２によるスポーツ用手袋。
14. 【請求項１４】 前記叉部が、その展開した形状におい
    て、通常の開位置における指骨の長さに対応する長さを
    有することを特徴とする請求項１３によるスポーツ用手
    袋。
15. 【請求項１５】 前記嵌合わせ部材の少なくとも一方
    （１１０）が前記側面領域（１１）を少なくとも部分的
    に占めることを特徴とする請求項１１または１２による
    スポーツ用手袋。
16. 【請求項１６】 前記嵌合わせ部材の少なくとも一方
    が、前記側面領域（１１）を越え、甲部領域（１０）に
    向かって、前記緊締用帯状体（３）の第一の端（３１）
    の固定区域の手前の境界まで延在することを特徴とする
    請求項１５によるスポーツ用手袋。