JPH06121672A - 免疫反応性細胞の製造 - Google Patents

免疫反応性細胞の製造

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JPH06121672A
JPH06121672A JP4300489A JP30048992A JPH06121672A JP H06121672 A JPH06121672 A JP H06121672A JP 4300489 A JP4300489 A JP 4300489A JP 30048992 A JP30048992 A JP 30048992A JP H06121672 A JPH06121672 A JP H06121672A
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JP
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cells
patient
culture
tumor
mononuclear cells
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JP4300489A
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English (en)
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E Osband Michael
マイケル・イー・オズバンド
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SERUKO Inc
Cellcor Inc
Cellco Inc
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SERUKO Inc
Cellcor Inc
Cellco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 悪性腫瘍に関連した抗原性マーカーに対して
感作した免疫反応性細胞と、該細胞を含む医薬組成物
と、治療方法とを提供する。 【構成】 前記細胞は、腫瘍患者自身の単核細胞を採取
し、サプレッサーT細胞を除去し、好ましくは自己由来
の血清で前記単核細胞を懸濁し、患者の単核細胞を患者
の腫瘍に対して活性化し且つ免疫感作する条件でこれら
細胞を培養することにより、in vitroで製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、悪性腫瘍患者を、該患
者のヒト血液単核細胞を活性化し、これを注入により該
患者の体内に戻すことによって治療する方法に関する。
特に、腎細胞癌を治療するための免疫反応性感作細胞を
患者の体外で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】癌の治
療法の一種である養子免疫療法(adoptive i
mmuno−therapy)は、抗腫瘍免疫応答を生
起させる免疫反応リンパ球を患者に注入することを基本
とする。しかしながら、この療法の従来の実施方法は実
質的な毒性を伴う上にコストが高いため、この治療の実
行可能性及び実際の適用に関して大きな疑問が生じてい
る。我々は、養子免疫療法の実行可能性及び費用面での
効果を高めるために、該療法の新規な実施方法を開発し
た。本発明における養子免疫療法の実施方法は、患者自
身の末梢血リンパ球をin vitroで免疫感作し、
次いでこれらのin vitro免疫感作した細胞を患
者の体内に注入して戻すことにより、患者を当該腫瘍で
効果的に特異的に免疫することを基本とする。in v
itro免疫感作は、免疫プロセスにとって重要であり
得る幾つかの可変要因、例えば抗原濃度、抗原暴露時
間、抗原提示方法、免疫すべき細胞集団全体における種
々のリンパ球サブセットの増減、免疫用培養物(imm
unizing cultures)中のリンホカイン
及び他のイムノモジュレーターの存在等を厳密に制御で
きるため、従来のin vivo免疫感作より効果的で
あり得る。
【0003】1982年8月11日に出願されたOsb
andらの米国特許出願第407,236号、並びにそ
の継続出願として1985年1月30日に出願されたO
sbandらの米国特許出願第696,546号には、
患者がまだ暴露されていない抗原に患者の単核細胞をi
n vitroで暴露することにより(一次免疫)、抗
体と免疫反応性リンパ球とを産生する方法が開示されて
いる。患者が既に暴露されている抗原に対して単核細胞
を免疫感作する方法(二次免疫)はこれまでにも開示さ
れてきたが、前記米国特許出願明細書に記載されている
in vitro一次免疫プロセスは二次免疫/活性化
にとっても最適であり、その結果得られる細胞は、その
後患者の体内に注入することにより治療的に使用するの
に適している。
【0004】患者の健康を脅かすことなく患者の腫瘍に
対する免疫反応性リンパ球を産生する方法が実現されれ
ば、それは極めて望ましいことである。また、患者を細
胞か又は抗体のような細胞産生物で治療できるように、
細胞又は細胞産生物が長期にわたって継続的に得られる
ように、連続的な細胞系を形成できるような方法の実現
も望まれる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、癌患者の末
梢血リンパ球を、当該腫瘍に関連した抗原に対するこれ
らリンパ球の応答を活性化するように処理する。まず、
単核細胞を例えば患者の末梢血から採取する。次いで、
サプレッサーT細胞を除去し、非特異的リンパ球活性化
物質を含む組織培養培地に残りの細胞を懸濁させる。前
記培地には、患者の腫瘍の抽出物及び患者自身の(自己
由来の)血清も含ませるのが好ましい。次いで細胞を、
好ましくは温熱条件で適当な時間にわたりインキュベー
トして、患者の腫瘍に対して活性化させる。in vi
troで免疫感作した後は、活性化した細胞を1つ以上
の追加的処理にかけてマクロファージのような種々のサ
プレッサー細胞を再び除去し、これら細胞の活性を更に
増強するのが望ましい。次いで、腫瘍を縮小もしくは除
去するか、又は癌の再発を軽減もしくは防止するため
に、活性化細胞を患者に投与する。in vitroで
免疫感作した細胞の注入は抗腫瘍免疫応答を生起させ得
るが、患者の体内にin vivoサプレッサー細胞が
同時に存在していると、前記応答の効果が妨害される。
そこで本発明の免疫療法では、第2の必要事項として、
in vivoサプレッサー細胞活性を低下させる薬剤
を用いる処理を行う。本発明ではそのために、シメチジ
ン(cimetidine)をin vivoサプレッ
サー細胞ブロッカーとして使用するのが好ましい。シメ
チジンは抗潰瘍剤として開発されたものであるが、ヒト
及び動物の腫瘍及び非腫瘍セッティングで抗サプレッサ
ー細胞活性を示すことが判明した。この薬剤は経口投与
できるため、患者が摂取し易い。また、長期にわたって
使用しても比較的安全な薬剤である。
【0006】本発明の新規な方法によって産生される抗
原特異的免疫反応性リンパ球は本発明の一部分を構成す
る。本発明は、このような細胞もしくは細胞産生物を含
む医薬組成物、並びにこれらの細胞もしくは細胞産生物
が応答する悪性腫瘍の患者の治療における前記医薬組成
物の使用にも関する。本発明は、濃縮形態の感作し活性
化した抗原特異的細胞も開示する。
【0007】本発明に従って治療するのに適している腫
瘍の種類としては、腎細胞癌、結腸直腸癌、膵臓癌、黒
色腫及び肺の非小細胞癌(non−small cel
lcarcinoma)が挙げられる。また、従来の療
法形態では治療できない他の形態の腫瘍も本発明の方法
によって効果的に対処し得る。
【0008】
【発明の具体的な説明】本発明の方法では、腫瘍患者の
末梢血から単核細胞を採取する。血液試料の別の部分は
自己由来血清源として使用する。単核白血球は、例えば
白血球除去血輸血法及び/又は末梢血の密度勾配遠心の
ような多くの公知の方法によって患者から採取し得る。
後者の密度勾配遠心では、例えば、末梢血を生理食塩水
のような生理学的に許容し得る溶液で凝固防止及び希釈
処理し、Ficoll−Hypaque(Pharma
cia)のような遠心分離培地上に層状に存在させる。
【0009】次いで、単核細胞をこれらの細胞に対して
特異的親和性を示す抗原と接触させることにより、サプ
レッサーT細胞を除去する。単核細胞からサプレッサー
T細胞を除去するのに特に適している組成物は、(1)
H2受容体アンタゴニスト、例えばシメチジン(このH
2受容体アンタゴニストは、ヒトアルブミン、あるいは
予めクエン酸に結合することによって修飾したアルブミ
ンのような高分子に結合しているか又は複合したもので
もよい。クエン酸で処理するのは、結果として得られる
高分子上で適当なネットチャージを確保するためであ
る)、又は(2)ヒトサプレッサーT細胞上に発現され
た抗原に対する抗体、例えばOKT8(Ortho)も
しくはLeu−2A(Becton−Dickinso
n)である。シメチジンに結合したヒトアルブミンを使
用すると、表面にヒスタミンH2型受容体を有する細胞
だけを除去することができ、従って非付着細胞からサプ
レッサーT細胞が大量に除去される。
【0010】次いで、(a)熱不活性化自己由来血清
(予め調製しておく)と(b)非特異的リンパ球活性化
物質とを加え、好ましくは更に(c)当該腫瘍の抗原性
成分をも加えた培養培地中に、サプレッサーT細胞除去
単核細胞を懸濁させる。この処理により、サプレッサー
細胞除去単核細胞は腫瘍関連抗原に関して活性化され
る。
【0011】腫瘍関連抗原を使用する場合は、その量を
約0.001マイクログラム/ml〜約10マイクログ
ラム/mlとし、場合によってはそれより少なくするか
又は多くし得る。尚、本発明の技術を用いて使用する腫
瘍関連抗原の最適量は、抗体の量又は活性化培養物(a
ctivation culture)におけるT細胞
活性化度を測定するだけで試行錯誤しながら簡単に決定
できる。あるいは、サプレッサー細胞除去単核細胞を、
任意に腫瘍関連抗原で予めパルスした(pulsed)
マクロファージ単層とともにインキュベートしてもよ
い。単核細胞は患者の体内で予め腫瘍関連抗原に暴露さ
れているため、免疫培養物中での腫瘍関連抗原(この抗
原は、得るのが難しい場合がある)の使用は、好ましい
ことではあるが必ずしも必要ではない。
【0012】本発明では、別のヒト由来の血清(即ち同
種血清)又は非ヒト動物由来の血清(即ち異種血清)で
はなく、熱不活性化自己由来血清を免疫培養物中で使用
するのが最も好ましい。特定の患者の単核細胞の最適な
活性化には自己由来血清が必要と考えられる。自己由来
血清の使用量は通常培養培地の約2〜15%である。各
培養物培地の単核細胞濃度は約0.5〜約5.0×10
6細胞/mlの範囲で変化させ得る。最も好ましい濃度
は約1.0×106細胞/mlである。本発明の方法で
は、任意の標準的な組織培養培地、例えばM.A.Bi
o−Productsから市販されているRPMI 1
640を使用し得る。
【0013】本発明の方法では非特異的リンパ球活性化
物質を使用する。代表的な適当な活性化物質としては、
フィトヘマグルチニン(PHA)、インターロイキン1
(IL−1)、インターロイキン2(IL−2)、ポー
クウィードマイトジェン(PWM)、PHA、PWM、
IL−1もしくはIL−2で刺激したヒト単核細胞の培
養物の上清、又は照射した同種刺激細胞に対する応答ヒ
ト細胞をインキュベートすることによって得た混合リン
パ球培養物(MLC)の上清が挙げられる。MLCから
得た、又はヒト単核細胞をPHA、PWM、IL−1も
しくはIL−2と共に培養することによって得たこれら
の調整上清(conditionedsupernat
ant)は、最終の培養培地で0〜50%、好ましくは
約20〜33%の量で使用し得る。この調整上清は即座
に、又は−20℃で凍結して貯蔵し次いで解凍し後に、
活性化/免疫培養物に使用し得る。条件付け培養(co
nditioning culture)は、上清回収
前約24〜約60時間にわたって行う。PHA、PW
M、IL−1又はIL−2の最適濃度はロット毎に、且
つ製造業者毎に異なり得る。従って、使用する前に、各
ロットを検査して各材料バッチを最適化しなければなら
ない。これらの非特異的活性化物質は単独で又は様々な
組合わせで使用し得る。
【0014】このようにして活性化し且つ免疫感作した
細胞は患者の体内に注入によって戻すか、又はサプレッ
サー細胞の再除去によって活性を更に増強し得る。この
ように、in vitro免疫感作の後でサプレッサー
細胞を更に除去する操作は、下記の3つの方法のいずれ
か1つ、好ましくは全部を使用して行う:(1)例えば
抗抗体を用いるB細胞の除去(B細胞は、免疫感作され
ていても、臨床的抗癌効果には必要ない)、(2)例え
ばプラスチック面に付着させることによるマクロファー
ジの除去、並びに(3)免疫感作細胞を例えば50〜4
00radの低量ガンマ照射で処理することによる放射
線感受性サプレッサー細胞の除去。この追加的なサプレ
ッサー細胞除去処理にかけた細胞は、前記1つ以上の再
除去ステップにかけなかった場合と比べて有意に大きい
活性を示した。従って、これらのステップは極めて望ま
しいものである。
【0015】細胞を37℃で、又は好ましくは38〜約
41℃の温熱条件、好ましくは39℃でインキュベート
する。活性化培養の最後、通常は約3日目に、患者の活
性化し且つ免疫感作したリンパ球を患者に注入し得る。
一度に注入する細胞の数は約1.0×107〜1×10
11個とし得、適量(約50〜100cc)の注射可能キ
ャリヤー、例えば普通の生理食塩水中に懸濁させて使用
する。このような培養物は所定の間隔で調製し、患者に
注入する。細胞培養物は各注入に先立って周期的に調製
する。1ケ月間隔で6回注入するのが最良と思われる
が、これは患者毎に異なり得、臨床応答に応じて調整し
得る。患者の血液中の単核細胞数に比べて比較的少ない
活性化細胞が、以下の実施例の結果で示されるように、
患者にとって療法的であるin vivo応答に作用し
得るというのは驚くべきことである。
【0016】癌患者の体内に注入した場合の活性化し免
疫感作した細胞の効果を増加させるためには、患者の体
内に既に存在しているサプレッサー細胞を不活性化する
ことが望ましい。そのためには、H2ヒスタミン受容体
をブロックし従って患者のサプレッサー細胞を阻害する
薬剤、例えばシメチジンを、前記治療の期間全体にわた
って患者に投与し得る。同様の効果を有する他の薬剤と
しては、インドメタシン又はサプレッサー細胞に対する
モノクローナル抗体が挙げられる。このようにin v
ivoでサプレッサー細胞を抑制すれば、注入したin
vitro活性化細胞の活性を増幅させることができ
る。前述の条件で腫瘍抗原に対してinvitroで特
異的に免疫感作したこれらのサプレッサー細胞除去リン
パ球を、免疫感作細胞の効果を妨害し得るin viv
oのサプレッサー細胞の活性化を妨害する経口投与シメ
チジンのような薬剤と組合わせると、他の養子免疫療法
に比べて新規で有意な改善が得られる。
【0017】また、患者の腫瘍に反応する感作したリン
パ球(T細胞及びB細胞)は、Epstein−Bar
rウイルスへの暴露、公知のKohler及びMils
teinの方法による黒色腫細胞への通常の融合、又は
T細胞系を含む他の無限増殖性細胞系との融合のような
任意の一般的方法によって無限増殖性にし得る。
【0018】本発明は、他の形態の療法には応答せず、
特定の生物学的属性、例えば増殖速度及び患者の免疫系
に対する関係を共有する腫瘍形成(neoplasi
a)に最も有用である。その具体例としては、胃腸管の
腫瘍(例えば結長直腸癌)、膵臓癌、非小細胞肺癌、腎
細胞癌、中枢神経系の腫瘍(例えば膠芽腫)及び黒色腫
が挙げられる。
【0019】以下の実施例は本発明をより明らかにする
ためのものであって、本発明を限定するものではない。
【0020】実施例1 培養培地A :100%の自己由来血清(v/v、予め静
脈穿刺によって患者から採取し、56℃で30分間熱処
理して不活性化し、−20℃で使用時まで貯蔵したも
の)と、25%(v/v)の混合リンパ球培養物上清
(下記のように調製)とを含むRPMI 1640培
地。更に、培養培地Bに、Hepes緩衝液0.025
Mと、グルタミン0.002Mと、ペニシリン(1単位
/ml)と、ストレプトマイシン(1マイクログラム/
ml)とを加える。
【0021】培養培地B:5%自己由来血清(v/v)
及び上記Aの追加成分を含むRPMI1640培地。
【0022】混合リンパ球培養物上清の調製 1.自己由来末梢血単核細胞を上記のようにして採取し
た。
【0023】2.これらの細胞を2×106細胞/ml
で培養培地Bに再懸濁させる。
【0024】3.同種末梢血単核細胞を採取し、2.0
×106細胞/mlで培養培地Bに再懸濁させ、300
0radで照射した。
【0025】4.応答細胞(responder ce
ll)(免疫ドナーに対して自己由来)懸濁液と、刺激
細胞(stimulator cell)(同種源)懸
濁液とを1:1 vol/volで混合する。
【0026】5.最終的細胞懸濁液(応答細胞及び刺激
細胞各1×106細胞/mlからなる2×106細胞/m
lの懸濁液)を、5%のCO2を含む湿潤空気インキュ
ベーター内37℃で48時間培養した。
【0027】6.48時間後に培養物を遠心分離にかけ
て細胞をペレット化する。上清は即座に使用するか、又
は解凍して使用するまで−20℃で凍結する。
【0028】腫瘍関連抗原の調製 1.予め単離しておいた患者の腫瘍の一部分をWari
ngブレンダーで4℃で均質化する。pH7.2のリン
酸緩衝溶液(PBS)を腫瘍組織1g当たり10ml使
用する。約5mgの腫瘍組織を均質化し、一度に抽出す
る。
【0029】2.均質化物質(homogenate)
が過度に過熱されないように、前記ブレンダーを約2分
間断続的に作動させる。
【0030】3.均質化物質を200×gで10分間遠
心分離して粒状物質及び細胞破片を除去する。
【0031】4.得られた上清を更に20,000×g
で20分間遠心分離してペレットを形成する。
【0032】5.このようにして得た細胞膜含有ペレッ
トを50mlの3M KClに再懸濁させ、4℃で18
時間振動処理する。
【0033】6.得られた混合物を4℃で1時間10
0,000×gの超遠心分離にかける。 7.溶解タンパク質及び他の膜由来分子を含んでいる上
清を集め、200倍量のPBSを用いて4℃で各回30
分間にわたり3回透析する。
【0034】8.得られた物質を0.45マイクロメー
トルフィルターに通して滅菌し、即座に使用するか、又
は使用時まで−20℃で貯蔵する。
【0035】免疫プロセス 以下は、ヒト細胞を腎細胞癌関連抗原に対してin v
itroで免疫感作するために使用するプロセスであ
る。
【0036】1.400ccの末梢静脈血を腎細胞癌患
者から防腐剤無含有ヘパリン中に集めた。
【0037】2.前記血液を普通の生理食塩水により
1:1で希釈し、リンパ球分離培地(2:1の血液混合
物対LSM)上に層状に配置し、室温で20分間800
×gで遠心分離した。
【0038】3.界面細胞(interface ce
lles)を集め、洗浄し、7.5%の熱不活性化ウシ
胎児血清を含むpH7.2のリン酸緩衝サリーン溶液中
に3〜10×107/mlで再懸濁させた。
【0039】4.ヒト血清アルブミン−シメチジンでコ
ーティングしたペトリ皿に細胞を層状に配置し、37℃
で60分間インキュベートした。60分後、ペトリ皿を
静かに回し、培地を除去した。ペトリ皿を静かに回しな
がら10mlのPBSで一回洗浄し、PBSを除去し
た。これら2つの除去液はサプレッサーT細胞除去細胞
集団を含んでいる。これらの細胞をHBSSで2回洗浄
し、腫瘍抽出物を最終濃度0.1マイクログラム/ml
で加えた培養培地Bに再懸濁させた。
【0040】5.5%のCO2を含んだ湿潤空気インキ
ュベーター内39℃で、培養培地A中の密度2×106
細胞/mlで細胞を培養した。培養3日後に、免疫感作
された自己由来リンパ球(100〜200×106
胞)を洗浄し、患者の体内に注入して戻した。
【0041】実施例2 この実施例では、免疫感作細胞の効果を妨害し得るin
vivoのサプレッサー細胞の活性化を防止すべく経
口投与したシメチジンと共に自己由来腫瘍抗原に対して
in vitroで特異的に免疫感作した自己由来ヒト
末梢血単核細胞の効果を調べた。in vitro免疫
感作細胞の製造方法は前述の方法と同様である。
【0042】一般的な治療形態には応答しない癌の一種
である転移性腎細胞癌の患者20人を養子免疫療法の臨
床的検査にかけた。患者の末梢血単核細胞(PBM)か
らサプレッサーT細胞を除去し、後述のように非特異的
リンパ球活性化物質の存在下で自己由来腫瘍抗原抽出物
に対してin vitroで免疫感作した。培養1週間
後に、in vitro免疫感作細胞を注入により患者
の体内に戻した。各患者に、50〜150×106細胞
/注入を1週間間隔で合計3回注入した。更に、総ての
患者に、抗サプレッサー細胞物質として600mg×4
回/日のシメチジンを経口投与した。20人の患者に免
疫感作細胞を合計60回注入したが、この療法では重大
な技術的問題は起こらなかった。
【0043】最初の手術の時に、又はその後の生検によ
り、5g以上の腫瘍組織試料を各被検患者から採取し
た。実施例1の手順で自己由来腫瘍抗原を調製した。非
特異的リンパ球活性化物質として使用するための混合リ
ンパ球培養物上清(MLC−S)を実施例1の手順で調
製した。
【0044】シメチジンに結合したヒトアルブミンでコ
ーティングしたペトリ皿(Cell−ect H2キッ
ト、Clinical Immunology,In
c.,Boston,MA)で細胞をパンニング(pa
nning)することにより、患者の末梢血単核細胞
(PBM)からH2ヒスタミン受容体サプレッサーT細
胞(H2R+細胞)を除去した。in vitro免疫
用培養物で使用するための腫瘍抗原抽出物の最適濃度を
決定するために、2×106個のサプレッサー細胞除去
PBMのアリコートを段階的対数濃度(serial
logarithmic concentration
s)の自己由来腫瘍抽出物(最終タンパク質濃度10-4
〜102マイクログラム/ml)の存在下で培養チュー
ブ内に分配して、スクリーニング培養を行った。7日間
インキュベートした後培養物を回収し、上清を標準的E
LISA法で分析して腫瘍抽出物特異的抗体を調べた。
次いで各患者毎に、培養上清の最大の抗腫瘍抗体レベル
を導き出す腫瘍抽出物濃度を選択し、患者のin vi
tro免疫用培養物で使用した。
【0045】in vitro免疫感作自己由来PBM
の調製:サプレッサー細胞除去PBMを前述のように調
製し、予め決定した最適濃度の自己由来腫瘍抽出物と1
0%の熱不活性化自己由来血清とを含む培養培地RPM
I 1640中に2×106細胞/mlで懸濁させた。
更に、総ての培養物に、非特異的リンパ球活性化物質と
して、25%のMLC−S(患者No.1〜8及び17
〜20)又はポークウィードマイトジェン(患者No.
9〜16)を加えた。5%のCO2を含む湿潤空気イン
キュベーター内で37℃で7日間インキュベートした
後、細胞を回収し、十分に洗浄し、5%の熱不活性化自
己由来血清を含む非発熱性無菌標準生理食塩水に2×1
6細胞/mlで再懸濁させた。注入に使用すべき総て
の免疫用培養物を病原体の存在について顕微鏡検査し
た。また、細胞の注入に先立ってこれらの培養物をグラ
ム染色し、病原体に関して培養した。
【0046】免疫感作細胞の注入:予備検査用量1×1
6個/0.5mlの自己由来免疫感作PBMを、標準
的血液投与フィルターを取付けた血管カテーテル(an
giocatherter)を用いて5分で静脈内に注
入した。有害な反応が見られない限り、残りの細胞も引
き続き30分で注入した。注入の前及び後に生命徴候を
モニターした。最初の細胞注入の1週間前から始めて、
患者に600mg×4回/日のシメチジンを経口投与し
た。
【0047】最初の細胞注入に先立って、完全な病歴及
び身体検査、血液、血清化学及び凝固の検査、尿検査、
並びに患者の転移性疾患の程度を評価するのに必要な総
ての関連した像検査を実施した。これらの検査を最初の
細胞注入後に一定の間隔で繰り返し、治療の安全性及び
効果を調べた。腫瘍病変を2つの直交する最大直径の積
として測定した。臨床応答を総ての腫瘍病変の合計に基
づいて評価し、標準的な腫瘍学的定義を用いて分類し
た。
【0048】結果を表1に示す。この表に示すように、
各患者に注入した免疫感作細胞の総数は1.5〜4.4
×108細胞であった。毒性は最小限であり、免疫感作
PBMの注入後に3人の患者に4件の発熱が起こっただ
けであった。治療した患者には、他の有害な反応又は合
併症は全く見られなかった。治療した患者には、自己免
疫として、過剰免疫として、又は免疫複合体の形成に関
連しているとして説明し得る有害反応は観察されなかっ
た。また、この療法が、治療した患者の自然な病気進行
を悪化させるか又は早めるという問題も見られなかっ
た。
【0049】このプロトコルで治療した20人の患者の
うち14人は臨床応答に関して評価可能であった(残り
の6人は検査開始時に終末状態にあり、最初の評価に先
立って死去した)。14人の評価可能な患者のうち9人
(64%)は療法に対して他覚的な臨床応答を示した。
3人の患者は部分的応答を示した(新しい病気は見られ
ず、総ての病変の合計が50%以上減少)。これらの部
分的応答の持続時間は2人の患者では18ケ月に及び、
そのうちの一人は36ケ月でも持続していた。他の2人
は腫瘍退行を示した(新しい病変は見られず、2人の独
立した検査員の評価では総ての病変の合計が25%以上
50%以下減少)。更に、他の4人の患者は、急速な腫
瘍成長の後で、長期間に渡り安定な状態を示した。
【0050】
【表1】 この検査の結果はこの療法の有望性を示すものであり、
患者による許容度が高く、毒性が最小限であり、従来型
の療法には応答しない種類の癌に対して確実な臨床応答
が得られることを明らかにしている。
【0051】本発明の他の実施態様は、本明細書の説明
から当業者には明らかであろう。尚、本明細書の説明及
び実施例は非限定的なものにすぎず、本発明の範囲及び
精神は特許請求の範囲によって規定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】患者の腫瘍に特異的な活性化し免疫感作した単
核細胞を製造するための好ましい操作ステップを示す流
れ図である。但し、図のステップ全部が本発明の製造方
法に必要というわけではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/574 D 9015−2J

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)腎細胞癌にかかっている個々の患
    者の血液から単核細胞を採取するステップと、 (b)前記単核細胞を約39℃〜約40℃の温熱条件で
    有効量のH2受容体アンタゴニストと共にインキュベー
    トし、単核細胞からサプレッサーT細胞を除去するか又
    は化学的に不活性化するステップと、 (c)ステップ(b)で得られた単核細胞を培養培地に
    懸濁させ、この懸濁単核細胞を自己由来血清及び非特異
    的リンパ球活性化物質と混合するステップと、 (d)ステップ(c)の混合物を、約39℃〜約41℃
    の温熱条件で、サプレッサー細胞の活性を低下させるの
    に有効な量のシメチジンを存在させて、単核細胞を患者
    の腎細胞癌に対してex vivoで活性化し且つ感作
    するのに十分な時間にわたり培養するステップと、 (e)得られた免疫反応性感作細胞を有効量のガンマー
    線で照射して、活性化し且つ免疫感作した単核細胞の培
    養物中に存在し得る放射線感受性サプレッサー細胞を除
    去し、それによって患者の腎細胞癌に特異的な免疫反応
    性感作細胞を製造するステップとからなる免疫反応性感
    作細胞の製造方法。
  2. 【請求項2】 ステップ(c)で使用する非特異的リン
    パ球活性化物質が、フィトヘマグルチニン、インターロ
    イキン1、ポークウィードマイトジェン、フィトヘマグ
    ルチニンもしくはポークウィードマイトジェンで刺激し
    たヒト細胞の上清、混合リンパ球培養物の上清、又はこ
    れらの活性化物質のうち2つもしくはそれ以上を混合し
    たものである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 活性化物質が、フィトヘマグルチニン
    と、混合リンパ球培養物の調整上清とを組合わせたもの
    からなる請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 活性化物質が、混合リンパ球培養物の調
    整上清である請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ステップ(b)の細胞を、T細胞受容体
    の抗原非特異的CD3部分に対するマイトジェン抗体の
    存在下でインキュベートする請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 ステップ(c)で、培養培地に患者の腎
    細胞癌の抽出物を加える請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の方法によって製造した
    腎細胞癌に特異的な免疫反応性感作細胞。
  8. 【請求項8】 腎細胞癌を治療するための注射可能な医
    薬組成物であって、請求項1に記載の方法により製造し
    た免疫反応性感作細胞を注射可能な医薬的に許容し得る
    キャリヤーもしくは希釈剤と共に含んでいる医薬組成
    物。
  9. 【請求項9】 1×107〜1×1011個の細胞を含む
    単位投与形態の請求項8に記載の注射可能な医薬組成
    物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001509135A (ja) * 1996-10-11 2001-07-10 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア 混合リンパ球と組み合わせた腫瘍細胞を用いるガン免疫療法
CN114107202A (zh) * 2021-12-08 2022-03-01 杭州中赢生物医疗科技有限公司 一种可以预防肿瘤发生的免疫细胞及其制备方法与应用

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