JP2002502880A - ハプテン改変化腫瘍細胞膜およびその使用 - Google Patents

ハプテン改変化腫瘍細胞膜およびその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、単離された腫瘍細胞膜、それらの組成物、その膜および組成物を作製する方法、ならびに癌を処置する方法に関する。本発明の組成物は、ハプテン改変化腫瘍細胞から調製された組成物を含む。本発明の腫瘍細胞膜および組成物は、上記腫瘍細胞と同じ型の悪性腫瘍に罹患した哺乳動物に投与される場合、哺乳動物の腫瘍を浸潤するTリンパ球を誘発する特性、哺乳動物の腫瘍に対する炎症性免疫応答を誘発する特性、および哺乳動物の腫瘍に対する遅延型の過敏性応答を誘発する特性を有する。本発明の膜および組成物はまた、インビトロでT細胞を刺激する。本発明の方法は、治療的に有効な量の腫瘍細胞膜を投与することを含む癌の処置に関する。本発明はまた、ハプテン改変化腫瘍細胞膜およびこの膜を含む投薬形態を作製する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (政府助成金への言及) 本明細書中に記載される本発明は、National Institutes of Health−National Cancer Institute
助成金番号CA−39248からの助成金または報酬金に基づく研究間に行われ
た。米国政府は本発明において特定の権利を有し得る。
【0002】 (発明の背景) 腫瘍細胞が正常な細胞上には存在しない特異的な抗原(TSA)を保有するこ
と、およびこれらの抗原に対する免疫応答は、個体が腫瘍を拒絶するのを可能に
し得ることが、1960年代に立証された。その後、TSAに対する免疫応答が
細胞上の新たな免疫学的決定基を導入することによって増加され得ることが示唆
された。Mitchison、Transplant、Proc.、1970、
2、92。このような「ヘルパー決定基」は、ハプテン、タンパク質、ウイルス
コート抗原、移植抗原、または外因性(xenogenous)細胞抗原であり
得、腫瘍細胞の集団に導入され得る。次いで、細胞は、改変されていない腫瘍細
胞の増殖に寛容であると予測される個体へ注射される。臨床的には、希望は、免
疫学的反応がヘルパー決定基に対して生じ、その結果として付随するTSAに対
する反応が増加され、そしてその他の点では寛容化される腫瘍細胞が崩壊される
ことである。Mitchison(前出)はまた、以下を含むヘルパー決定基の
作用のいくつかの様式を示唆する:1)改変されていない細胞が、それらの増殖
速度が遅くなるか、または免疫学的攻撃に対するそれらの感受性が増加されると
いう意味で、単に弱められるという様式;2)ヘルパー決定基が、単に攻撃の部
分を提供し、それによって、改変されている細胞がTSAに対して指向されない
免疫応答によって殺傷されることを可能にするという様式;3)ヘルパー決定基
が、抗体への結合、または免疫のための身体の正しい部分(特に、リンパ節)に
おける細胞の局在化の促進のような補助的な作用を有するという様式。
【0003】 Fujiwaraら、J.Immunol.、1984、132、1571は
、マウスがハプテン特異的サプレッサーT細胞の非存在下で最初にハプテンに対
して初めに感作されるという条件で、特定のハプテン処理された腫瘍細胞(すな
わち、ハプテントリニトロフェニル(TNP)と結合した腫瘍細胞)が、マウス
系において改変されていない腫瘍細胞に対する全身性免疫を誘導し得ることを示
した。処理されたマウス由来の脾臓細胞は、処理されていないレシピエント動物
における腫瘍の増殖を完全かつ特異的に妨害する。Floodら、J.Immu
nol.、1987、138、3573は、TNPが結合した紫外光誘導性の「
退行(regressor)」腫瘍で免疫されたマウスは、その他の点では非免
疫学的であるTNPが結合した「進行(progressor)」腫瘍を拒絶し
得ることを示した。さらに、これらのマウスは、引き続いて、結合していない「
進行」腫瘍でのチャレンジに対して抵抗性であった。別の実験系において、Fu
jiwaraら、J.Immunol.1984、133、510は、シクロホ
スファミドでの前処理後にトリニトロクロロベンゼン(TNCB)に対して感作
されたマウスが、腫瘍細胞のインサイチュでのハプテン処理によって大きな(1
0mm)腫瘍を治癒され得ること;引き続いて、これらの動物は、結合していな
い腫瘍細胞でのチャレンジに対して特異的に抵抗性であるを実証した。
【0004】 Fujiwaraらの教示は、以下を含むいくつかの理由のために本発明とは
異なる:A.Fujiwaraの組成物において使用された細胞は、自然発生し
たヒト腫瘍由来ではなく、誘導された移植可能なマウス腫瘍由来であり;B.F
ujiwaraの組成物は免疫予防において使用され−本発明は免疫療法を使用
し;C.Fujiwaraの組成物は局所療法として投与され−本発明の組成物
は全身接種によって投与され;D.Fujiwaraの組成物は腫瘍退行を生じ
なかった−本発明の組成物は、処置された患者の少なくとも実質的な部分につい
て退行および/または延長された生存を生じ;そしてE.Fujiwaraは腫
瘍細胞を投与し−本発明は腫瘍細胞膜の投与を教示する。
【0005】 改変されていない組織と交差反応するT細胞の存在が、近年、実証されている
。Weltzienおよび共同研究者らは、TNP改変同系リンパ球で免疫され
たマウスから産生されるMHCクラスI拘束T細胞クローンは、MHC関連TN
P改変「自系」ペプチドに応答することを示している。Ortmann,B.ら
、J.Immunol.1992、148、1445。さらに、TNP改変リン
パ球でのマウスの免疫が、TNP改変細胞に対する二次的な増殖性応答および細
胞傷害性応答をインビトロで示す脾臓T細胞の発生を生じることが確立されてい
る。Shearer,G.M.Eur.J.Immnol.、1974、4、5
27。改変されていない自系細胞に対して応答するDNP改変自系細胞またはT
NP改変自系細胞での免疫によって誘発されるリンパ球の能力は、非常に有益で
ある。なぜなら、それは、以下の2つの臨床的な問題に関連があり得るからであ
る:1)薬物誘導自己免疫疾患、および2)癌免疫療法。前者に関して、摂取さ
れた薬物がハプテンとして作用し、これが、T細胞によって認識される免疫原性
複合体を形成する正常な組織タンパク質と結合することが示唆されている。Ts
utsui H.ら,J.Immunol.、1992、149、706。引き
続いて、自己免疫疾患(例えば、全身性エリテマトーデス)は、不快感を与える
薬物の非存在の撤回後でさえ、進行および継続し得る。このことは、改変されて
いない組織と交差反応するTリンパ球の最終的な生成を示す。
【0006】 これらの実験の共通の特徴は、サプレッサー細胞が誘導されない環境下でのハ
プテンでの感作である。シクロホスファミドで予め処理されたTNCBで感作さ
れたマウス由来の脾細胞は、放射線抵抗性の「増幅されたヘルパー機能」を示し
た。すなわち、それらが抗TNP細胞傷害性のインビトロ生成を特異的に増加さ
せた。さらに、一旦これらの増幅されたヘルパーがTNP結合自系リンパ球への
インビトロ暴露によって活性化されると、それらは、さらに非関連抗原(腫瘍抗
原を含む)に対する細胞傷害性を増加し得た(Fujiwaraら、1984)
。Floodら、(1987;前出)は、この増幅されたヘルパー活性が、表現
型Lyt-+、Lyt--、L3T4+、I-+、を有するT細胞によって媒介 されることを示し、そしてこれらの細胞が、コントラサプレッサー細胞、免疫調
節T細胞の新しいクラスであったことを示唆する。
【0007】 黒色種を有する患者の免疫療法は、一次抗原キーホールリンペットヘモシアニ
ンでの感作の3日前に、高用量(1000mg/M2)または低用量(300m g/M2)でのシクロホスファミドの投与は、その抗原に対する遅延型の過敏症 の獲得を顕著に増加することを示した(Berdら、Cancer Res.1
982、42、4862;Cancer Res.1984、44、1275)
。低用量のシクロホスファミドでの前処理は、転移性黒色種を有する患者が、自
系黒色種ワクチンの注射に応答した自系黒色種細胞に対する遅延型過敏症を発症
させる(Berdら、Cancer Res.1986、46、2572;Ca
ncer Invest.1988、6、335)。シクロホスファミドの投与
は、おそらくCD4+、CD45R+サプレッサーインデューサーT細胞を枯渇
させることによって(Berdら、Cancer Res.、1988、48、
1671)、末梢血リンパ球非特異的Tサプレッサー機能の低減を生じる(Be
rdら、Cancer Res.、1984、44、5439;Cancer
Res.、1987、47、3317)。この免疫療法レジメンの抗腫瘍効果は
、ワクチン投与の開始と、腫瘍細胞に対する遅延型過敏症の発症との間の極度に
長い間隔によって限定されるようである(Berdら、Proc.Amer.A
ssoc.Cancer Res.、1988、29、408(#1626))
。従って、効力をより免疫原性にするようなワクチンの治療効力を増大する必要
性が存在する。
【0008】 ほとんどの腫瘍免疫学者は、現在、腫瘍免疫を担う白血球であるTリンパ球の
腫瘍塊への浸潤は、免疫系による腫瘍破壊に必須であることに同意する。結果的
に、多くの注意が、Stephen Rosenberg博士(NCI)によっ
て開発されるような「TIL」治療として公知になっている治療に集中されてい
る。Rosenberg博士および他の研究者らは、ヒト癌転移物から、天然に
存在するわずかなTリンパ球を抽出し、Tリンパ球についての増殖因子であるイ
ンターロイキン2(IL2)とともにインビトロでそれらを培養することによっ
てその数を非常に増殖させた。Topalianら、J.Clin.Oncol
.、1988、6、839。しかし、これらの治療は、それほど有効ではなかっ
た。なぜなら、注射されたT細胞は、腫瘍部位に「ホーミング」するそれらの能
力が制限されているからである。
【0009】 リンパ球が非特異的細胞傷害性キラー細胞になるのを誘導する、高濃度のIL
2の能力は、多くの研究において治療用に開発されている(Lotzeら、J.
Biol.Response、1982、3、475;Westら、New E
ngl.J.Med.、1987、316、898)。しかし、このアプローチ
は、高用量の静脈内IL2の重篤な毒性に起因する限界を有する。非常により低
い濃度のIL2が、抗原活性化T細胞の増殖を誘導することによって免疫学的ア
ジュバントとして作用し得るという観察に対する注目はより少なかった(Tal
madgeら、Cancer Res.、1987、47、5725;Meue
rら、Lancet、1989、1、15)。従って、免疫学的アジュバントと
してのIL2の使用を理解する必要性およびそれを開発する試みが依然として存
在する。
【0010】 ヒト黒色種は、Tリンパ球によって認識可能である固有の表面抗原を発現する
と考えられている。Old,L.J.、Cancer Res.、1981、4
1、361;Van der Bruggen,P.ら、Science,19
91、254、1643;Mukherji,B.ら、J.Immunol.、
1986、136、1888;およびAnichini,A.ら、J.Immu
nol.、1989、142、3692。しかし、本発明者らによってなされた
研究の前の免疫治療学的アプローチは、そのような抗原に対する有効なT細胞媒
介応答をインビボにて誘導する困難性によって制限されている。
【0011】 ヒト腫瘍関連抗原に対して寛容であるようであるものを説明するために提唱さ
れたいくつかのモデルが存在する。それらのモデルには以下が挙げられる: 1)初期の抗腫瘍応答をダウンレギュレートした腫瘍抗原特異的サプレッサー
細胞。Mukherjiら(前出);Berendt,M.J.およびR.J.
North.,J.Exp.Med.、1980、151、69; 2)Tヘルパー細胞を誘発するか、またはそれらのT細胞に同時刺激性シグナ
ルを提供することについてのヒト腫瘍細胞の不可能性。Fearon,E.R.
ら,Cell、1990、60、397;Townsend,S.E.およびJ
.P.Allison、Science、1993、259、368;および 3)T細胞によるそれらの認識を制限する腫瘍細胞上での主要組織適合産物の
減少された表面発現。Ruiter,D.J.、Seminars in Ca
ncer Biology、1991、2、35。これらの仮定のどれも、臨床
系においていまだに裏付けされていない。
【0012】 そのような説明が真実であるか否かにかかわらず、種々の悪性疾患のより有効
な処置の必要性が存在し続けている。
【0013】 急性骨髄性白血病(AML)に関して、AMLのための処置は、1または2の
初期の誘導期化学療法、および地固め療法としてもまた公知の寛解後のいくつか
の方法に分けられる。初期の誘導化学療法は、使用されるプロトコルに依存して
、患者の55〜88%において、完全な応答を誘導し得る。しかし、これらの患
者のうちの大多数は再発し、そしてAML患者の長期(5年+)の生存は、20
〜30%のみである。第1寛解期間に、この治療レジメに高用量の化学療法およ
び骨髄移植(BMT)を加えることは、結果として中程度改善をもたらし得る。
例えば、同種異系BMTを受ける患者は、5年の生存において5〜10%の増加
を与えられる。しかし、BMTについての厳密で適格な基準(例えば、年齢、H
LA適合ドナーの利用可能性)は、処置され得る患者の数を厳しく制限する。一
旦AML患者が再発すると、第2の寛解期を達成する見込みは30%のみであり
、そしてこれらの患者のうちの非常に少数のみが長期において疾患を有さないま
まである。再発に関する処置様式は、第1寛解期を達成することによって使用さ
れるプロトコルと同様のプロトコル(誘導治療、続く地固め療法のいくつかの方
法)を含むが、高用量の単一薬剤およびBMTもまた使用され得る(Keati
ngら)。
【0014】 骨髄移植に関する経験は、免疫学的拒絶がこの疾患の制御において役割を果た
し得ることを示唆した。対宿主性移植片病(GVHD)および再発は、BMTで
処置された患者の2つの主な死亡原因である。軽度のGHVDが生じる場合、再
発の危険性は減少する(Horowitzら)。従って、移植されたリンパ球は
、宿主の白血病細胞を免疫学的に拒絶し得る(対白血病性移植片拒絶、GVL)
ことが仮定されている。このGVL反応は、特定の白血球細胞抗原に対するT細
胞応答によって媒介され得るが、免疫原性ヒト白血病抗原はいまだ実証されてい
ない(同じことが、黒色種についても当てはまる)。ヒトAML細胞が、それぞ
れCD8媒介T細胞応答およびCD4媒介T細胞応答の誘導に必須である、クラ
スI主要組織適合複合体(MHC)抗原およびクラスII主要組織適合複合体抗
原の両方を強く発現することが知られている(Ashmanら;Andreas
enら)。しかし、白血病細胞に標的化されたT細胞応答の誘導は、首尾良いも
のではなかった。
【0015】 いくつかの免疫学的アプローチが、急性白血病の処置のために使用されている
(Foonら;CaronおよびScheinberg)。これらのアプローチ
は、非特異的アプローチ(例えば、Bacillus Calmette Gu
erin(BCG)、インターロイキン−2、レバミゾール、結核菌のメタノー
ル抽出残渣)、および特異的アプローチ(例えば、モノクローナル抗体およびワ
クチン(収集された白血病細胞、細胞を含まない抽出物、および培養された細胞
)に分けられる。これらの研究の大多数は、免疫療法が残りの疾患を制御するこ
とにおいて首尾よいものである必要のある、すでに寛解期にある患者において実
施されている。
【0016】 1960年代後期および1970年代初期において、R.Powlesの研究
グループ(St.Barthlomew’s Hospital、Englan
d)は、化学療法誘導寛解後のAML患者のワクチン処置の一連の研究を行った
(Powles、1974;Powlesら、1977)。彼らは、同種異系A
ML細胞を、アジュバントとしてのBCGとともに使用した。いくつかの試験が
行われたが、すべて小さいサンプルサイズであった(N=10〜15)。化学療
法単独と比較して、化学療法および免疫療法の組み合わせを使用して、幾分の生
存期間の延長が存在したが、再発なしの生存の延長は存在しなかった。深刻な毒
性は観察されず;自己免疫(例えば、正常な骨髄に対する毒性)は観察されなか
った。回想すると、これらの試験に関して多くの技術的な問題が存在した:1)
自系ではなく、同種異系の白血病細胞が使用された;2)ワクチン中の白血病細
胞の用量は、過剰であった(109細胞/用量まで);3)BCG用量が非常に 高く、そしてBCG投与は、白血病細胞ワクチンとは時間および位置で分かれて
いた;および4)ワクチンが投与され、一方で患者は細胞傷害性薬物(維持また
は地固め療法)を受けていた。
【0017】 上述の処置の成功が限定されていることの免疫化学的根拠は、推論のままであ
るが、いくつかの仮定が試験されている。KimおよびJang(1992)は
、特定のエピトープに対するT細胞応答の欠如が、T細胞レパートリーの非存在
に起因し得ず、特定のエピトープを生成する際の困難性に起因することを示唆し
た。Martinら(1993)は、「自系」ペプチドについての低い親和性の
ために胸腺選択を回避する自系反応性T細胞の存在を仮定することによって、そ
れらの結果を説明している。
【0018】 ヒト癌を処置する従来の試みは、成功していない。上記によって例示される組
成物の投与は、遅延型過敏性(DTH)、T細胞浸潤、および炎症性免疫応答に
よって示されるような細胞媒介免疫の発生を確実に誘導することに失敗した。
【0019】 従って、癌の処置において報告された免疫学的効果について提案された種々の
理論に基づく試みの数にもかかわらず、哺乳動物への投与の際に、腫瘍に浸潤す
るTリンパ球を誘発し得、腫瘍に対する炎症性免疫応答を誘発し得、そして腫瘍
に対する遅延型過敏症応答を誘発し得る組成物の必要性が依然として存在する。
ここで、驚くべきことに、出願人は、同系または同種異系のいずれかの腫瘍細胞
から単離された膜を使用することがこれらの所望の特性を有することを発見した
【0020】 (発明の要旨) 本発明は、単離された腫瘍細胞膜、そのような膜を含む組成物、腫瘍細胞膜お
よびそのような膜を含む組成物を単離および調製するための方法、ならびにイン
ビトロおよび癌を処置するためのそれらの使用に関する。腫瘍細胞膜は、ハプテ
ン改変され得、好ましくは同系または同種異系であり得る腫瘍細胞形質膜である
。同系腫瘍細胞膜は自系であり得る。処置される癌には、癌腫および非固形腫瘍
(白血病(例えば、急性骨髄性白血病)を含む)、リンパ腫、多発性骨髄腫、卵
巣癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、黒色腫、乳癌、肺癌、腎臓癌、および前立
腺癌が挙げられる。
【0021】 1つの局面において、本発明は、ハプテンで改変された、単離された哺乳動物
(好ましくは、ヒト)腫瘍細胞膜に関する。ハプテンは、ジニトロフェニル、ト
リニトロフェニル、N−ヨードアセチル−N’−(5−スルホン酸1−ナフチル
)エチレンジアミン(N−iodoacetyl−N’−(5−sulfoni
c 1−naphthyl)ethylene diamine)、トリニトロ
ベンゼンスルホン酸、フルオレセインイソチオシアネート、ヒ酸ベンゼンイソチ
オシアネート、トリニトロベンゼンスルホン酸、ホスホリルコリン、スルファニ
ル酸、アルサニル酸、およびジニトロベンゼン−S−マスタード、およびそれら
の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0022】 別の局面において、本発明は、ハプテン改変された哺乳動物腫瘍細胞膜を、単
独またはハプテン改変された哺乳動物腫瘍細胞とともに含む組成物に関する。
【0023】 さらに別の局面において、本発明は、腫瘍細胞膜と同じ型の悪性腫瘍を罹患す
る哺乳動物への投与のための、治療的に有効な量の哺乳動物(好ましくは、ヒト
)腫瘍細胞膜を含むワクチン組成物を提供する。
【0024】 本発明の別の局面において、この組成物は、アジュバント、例えばBacil
le Calmette−Guerin、QS−21、無毒化内毒素、およびサ
イトカイン(例えば、インターロイキン−2、インターロイキン−4、γインタ
ーフェロン(IFN−γ)、インターロイキン−12、インターロイキン−15
、およびGM−CSF)を含む。
【0025】 本発明の膜および組成物は、(膜が単離された腫瘍細胞と同じ型の悪性腫瘍を
罹患する、哺乳動物(好ましくは、ヒト)に投与される場合)以下の特性のうち
の少なくとも1つを有する:(i)処置される哺乳動物の腫瘍を浸潤するTリン
パ球を誘発する特性、(ii)哺乳動物の腫瘍に対する炎症性免疫応答を誘発す
る特性、および(iii)哺乳動物の腫瘍に対する遅延型過敏性応答を誘発する
特性。本発明の膜および組成物はまた、インビトロにおいてT細胞を刺激する特
性を有する。
【0026】 さらに、別の側面において、本発明は、治療的有効量のハプテン改変ヒト腫瘍
細胞膜を含む組成物を哺乳動物、好ましくはヒトに投与する工程を包含する癌を
治療する方法に関する。ここで、上記哺乳動物は、上記腫瘍細胞膜と同じ型の悪
性腫瘍に罹患している。
【0027】 なおさらに、本発明は、上記哺乳動物(好ましくはヒト)の上記腫瘍に湿潤す
る特性を有するTリンパ球を誘発し、そして必要に応じて、上記哺乳動物の上記
腫瘍に湿潤する上記Tリンパ球を測定する方法に関する。本発明はさらに、上記
哺乳動物の上記腫瘍に対する炎症性の免疫応答を誘発し、そして必要に応じて、
上記炎症性免疫応答を測定する方法に関し、または上記哺乳動物の上記腫瘍に対
する遅延型の過敏性応答を誘発し、そして必要に応じて上記遅延型の過敏性応答
を測定する方法に関する。本発明はまた、インビトロにおいてT細胞を刺激する
方法に関する。
【0028】 本発明のなおさらなる局面において、本発明は、ハプテン改変腫瘍細胞膜を作
製する方法に関する。
【0029】 (発明の詳細な説明) 本明細書中に引用される全ての特許、特許出願、および参考文献は、本明細書
中に参考として援用される。矛盾が生じた場合、本開示が優先する。
【0030】 本発明は、単離された改変腫瘍細胞膜および改変されていない腫瘍細胞膜、そ
のような膜を含む新規な組成物、膜およびそのような膜を含む組成物を単離およ
び作製する方法、ならびに本発明の膜および組成物を使用するための方法に関す
る。
【0031】 本発明の膜および組成物は、哺乳動物、好ましくはヒトにおける転移性のおよ
び原発性の癌、固形および非固形の癌(例えば、直腸癌、結腸直腸癌、黒色腫、
乳癌、肺癌、腎臓癌、および前立腺癌)を含む癌の処置のために使用され得る。
I、II、IIIまたはIV段階の癌は、本発明の単離され改変された膜、組成
物および方法を用いて処置され得、好ましくはIIIおよびIV段階の、さらに
より好ましくはIII段階の癌が処置され得る。前述の型の転移性癌を有する哺
乳動物(特にヒト)は、本発明の膜、組成物および方法で処置され得る。1つの
実施態様において、本発明は、家畜動物(例えば、ネコ科、イヌ科、ウマ科、お
よびウシ科のメンバー)の処置に用いられる。
【0032】 本発明の膜および組成物はまた、哺乳動物の腫瘍に湿潤する特性を有するTリ
ンパ球を誘発するため、哺乳動物の腫瘍に対する炎症性の免疫応答を誘発するた
め、哺乳動物の腫瘍に対する遅延型の過敏性応答を誘発するため、および/また
はインビトロにおいてTリンパ球を刺激するために使用され得る。
【0033】 単離された腫瘍細胞の使用に関する本明細書における任意の開示は、腫瘍細胞
膜の使用、または腫瘍細胞および腫瘍細胞膜の組み合わせに等しく適用されるこ
とが理解される。
【0034】 (腫瘍細胞膜およびそれらの組成物) 本発明の単離された改変腫瘍細胞膜は、哺乳動物、好ましくはヒトの腫瘍細胞
から調製される。本発明の1つの実施態様において、腫瘍細胞膜は、ネコ科、イ
ヌ科、ウマ科、またはウシ科の動物の腫瘍から単離される。
【0035】 本発明の目的のための腫瘍細胞の定義として、腫瘍細胞全体および破壊された
腫瘍細胞が含まれる。膜が単離される腫瘍細胞は、生細胞、弱毒化細胞または殺
傷された細胞であり得る。被験体への投与後に増殖および分裂せず、その結果実
質的に増殖しない状態にある腫瘍細胞が、本発明において使用される。このよう
な細胞は、患者に投与される場合、単独、または単離された腫瘍細胞膜との組み
合わせが好ましい。「増殖しない状態の細胞」は、生細胞、弱毒化細胞、または
殺傷された細胞、インビボで分裂しない細胞全体または破壊された細胞(あるい
は、細胞全体および破壊した細胞の両方)を意味することが理解されるるべきで
ある。増殖しない状態の細胞を懸濁する従来の方法は、当業者に公知であり、そ
して本発明において有用であり得る。例えば、細胞は、増殖および分裂しないよ
うに、使用する前に、照射され得る。腫瘍細胞は、投与後に細胞が増殖するのを
防ぐために、例えば、2500Rで照射され得る。あるいは、腫瘍細胞膜はまた
、インビボで増殖および分裂し得る腫瘍細胞から単離され得る。好ましくは、こ
のような場合、腫瘍細胞膜の調製物は、インビボで分裂し得る腫瘍細胞が混入さ
れない。
【0036】 腫瘍細胞膜は、処置される癌と同じ型の腫瘍細胞から単離される。例えば、卵
巣癌の処置に使用される膜は、卵巣癌細胞から単離される。好ましくは、腫瘍細
胞は、処置されるのと同じ被験体に由来する。腫瘍細胞は、好ましくは同系(例
えば、自系)であるが、被験体に対してまた同種異系であり得る。「同系」とし
て定義される腫瘍細胞は、処置される患者の腫瘍細胞または非腫瘍体細胞性細胞
のいずれかに完全に(すなわち、100%)遺伝的に同一である必要はない。腫
瘍細胞(膜が単離された腫瘍細胞)と患者との間のMHC分子の遺伝的同一性は
、一般的に十分である。さらに、膜の供給源として使用される腫瘍細胞の特定の
抗原と患者の腫瘍細胞に存在する抗原との間に遺伝的同一性が存在し得る。遺伝
的同一性は、当該分野で公知の方法に従って決定され得る。同系の腫瘍細胞はま
た、例えば、患者の特定のMHC分子および/または患者の癌細胞の特定の抗原
に関して遺伝的に同一となるように(例えば、組換えDNA技術を用いて)遺伝
的に変化させた細胞を意味し得る。遺伝的に異なる同種の動物からの腫瘍細胞(
例えば、同種異系の細胞)はまた、本発明の腫瘍細胞膜の調製に使用され得る。
腫瘍細胞は、生検試料または組織培養物から分離される細胞であり得、そしてこ
の細胞に限定されない。同種異系の細胞および幹細胞から単離される膜はまた、
本発明の範囲内である。
【0037】 腫瘍細胞膜としては、例えば、外膜、核膜、ミトコンドリア膜、小胞膜、小胞
体膜、ゴルジ複合体膜、およびリソソーム膜のような全ての細胞膜が挙げられ得
る。本発明の1つの実施態様において、膜の約50%より多くが腫瘍細胞質膜で
ある。好ましくは、膜の約60%より多くは、腫瘍細胞細胞質膜からなり、より
好ましくは、約70%より多く、さらにより好ましくは、約80%より多く、な
おより好ましくは90%より多く、なおより好ましくは、95%より多く、そし
て最も好ましくは、99%より多くが、腫瘍細胞細胞質膜からなる。
【0038】 好ましくは、単離された膜は、核および細胞を実質的に含まない。例えば、膜
調製物は、約2×108細胞当量(c.e.)の膜材料中、約100より少ない 細胞および/または核を含む場合、核または細胞を実質的に含まない。細胞当量
は、示された細胞数から単離された膜の量である。細胞および/または核を実質
的に含まない、単離された腫瘍細胞膜は、リンパ球および/またはリンパ球膜を
含み得る。
【0039】 好ましくは、単離された腫瘍細胞膜は、外細胞膜(すなわち、腫瘍細胞細胞質
膜)である。本発明の膜調製物は、外膜全体またはその画分を含み得る。外膜画
分を含む、本発明の単離された膜は、少なくとも外膜のMHC分子画分および/
または熱ショックタンパク質画分を含む。膜フラグメントのサイズは、重要では
ない。
【0040】 同種異系の腫瘍細胞膜はまた、同系(自系)の抗原提示細胞とともに、本発明
の方法において使用され得る。このアプローチは、患者自身の腫瘍以外の供給源
に由来する腫瘍細胞膜で患者を免疫することを可能にする。同系抗原提示細胞は
、患者の細胞媒介性免疫系がそれらに反応し得るように同種異系膜をプロセシン
グする。
【0041】 単離された腫瘍細胞膜および腫瘍細胞は、例えば、ハプテンを用いて改変され
得る。このような改変された腫瘍細胞膜(および腫瘍細胞)は、以下の特性のう
ち少なくとも1つを有する:(i)処置した哺乳動物の腫瘍に浸潤するTリンパ
球を惹起すること、(ii)哺乳動物の腫瘍に対して炎症性免疫応答を惹起する
こと、および(iii)哺乳動物の腫瘍に対する遅延型過敏性応答を惹起するこ
と。改変された腫瘍細胞膜および細胞はまた、インビトロでT細胞を刺激する特
性を有する。
【0042】 本明細書中で参照されるように、腫瘍細胞膜(改変されていてもよいし、改変
されていなくてもよい)は、任意の形態を含み、ここで、このような膜調製物(
例えば、希釈液中に再懸濁された膜、膜ペレット、または凍結もしくは凍結乾燥
された膜)が、保存または投与され得る。
【0043】 本発明の膜は、単独で、または他の化合物と組み合わせて、本発明の方法にお
いて使用され得る。この他の化合物としては、本発明の他の組成物が含まれるが
、これらに限定されない。従って、腫瘍細胞および腫瘍細胞膜は、単独で使用さ
れてもよいし、同時投与されてもよい。本発明の目的については、同時投与は、
ともに投与することおよび逐次的投与を含む。さらに、腫瘍細胞および腫瘍細胞
膜は他の化合物と同時投与され得る。これらの化合物としては、インターロイキ
ン−2、インターロイキン−4、γインターフェロン(IFN−γ)、インター
ロイキン−12、インターロイキン−15、およびGM−CSFが挙げられるが
、これらに限定されない。本発明の腫瘍細胞および腫瘍細胞膜はまた、他の癌処
置と組み合わせて使用され得る。これらの処置としては、化学療法、照射、抗体
、およびアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されな
い。しかし、本発明の利点は、これが、癌処置として、単独で有用であるために
、さらなる治療が不要であることである。
【0044】 本発明の組成物は、本発明の単離された腫瘍細胞膜(改変されていてもよいし
、改変されていなくてもよい)および薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤
(限定されないが、例えば、Hanks溶液、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食
塩水、スクロース溶液および水)を含み得る。一般に、薬学的に受容可能なキャ
リアは、意図された投与経路および標準的な薬務について選択される。有効成分
:キャリアの比率は、本質的には、組成物の化学的性質、溶解性、および安定性
、ならびに企図された用量に依存し、そして当該分野における常識によって最適
化され得る。
【0045】 本発明の1つの好ましい実施態様において、本発明の組成物は、有効量の単離
された改変腫瘍細胞膜を含むワクチン組成物である。本開示の目的については、
「有効量」は、所望の結果を達成するために必要な量である。例えば、癌を処置
する方法において、「有効量」は、以下のうちの少なくとも1つを引き起こす特
性を有する単離された改変腫瘍細胞膜の量を意味する:(i)腫瘍に浸潤するT
リンパ球を惹起すること、(ii)腫瘍に対する炎症性応答を惹起すること、(
iii)腫瘍に対する遅延型過敏性応答を惹起すること、および(iv)腫瘍減
退。同様に、インビトロでT細胞を刺激する方法において、「有効量」は、T細
胞刺激を生じる膜の量である。
【0046】 ワクチン組成物は、例えば、用量あたり、少なくとも104c.e.、好まし くは、少なくとも105c.e.、そして最も好ましくは、少なくとも106c.
e.の単離された膜を含み得る。用量は、単回投与で投与されるワクチン組成物
の量である。1つの実施態様において、ワクチン組成物は、用量あたり、約10 5 〜約2.5×107c.e.膜、より好ましくは約5×106c.e.を含む。 一般的に使用される、本発明の腫瘍細胞および腫瘍細胞膜の量は、癌細胞に対す
る化合物の親和性、存在する癌細胞の量、および組成物の可溶性のような因子に
依存する。投薬量は、患者の体重および臨床状態に関して設定され得る。
【0047】 本発明のワクチン組成物は、皮内、静脈内、腹腔内、筋肉内、および皮下投与
のために適切な投与形態で梱包され得る。あるいは、投与形態としては、投与時
に、例えば、適切な希釈剤で再構成するための単離された腫瘍細胞膜が挙げられ
得る。
【0048】 (ハプテン) 本発明の腫瘍細胞および腫瘍細胞膜は、改変腫瘍細胞、非改変腫瘍細胞、また
は改変腫瘍細胞および非改変腫瘍細胞の組み合わせ、ならびに腫瘍細胞膜として
使用され得る。本発明の目的について、改変される(た)は、ハプテンを用いた
改変を含むが、これらに限定されない。単独で免疫応答を誘導しない(しかし、
結合体化されたか、そうでなければ付着された別の分子に対する免疫応答を増強
する)任意の低分子は、ハプテンとして機能し得る。一般的に、使用される分子
は、約1,000mwより少なくあるべきである。
【0049】 例えば、以下のような種々のハプテンが当該分野で周知である:TNP(Ke
mpkesら、J.Immunol.1991 147:2467);ホスホリ
ルコリン(Jangら、Eur.J.Immunol.1991 21:130
3);ニッケル(Pistoorら、J.Invest.Dermatol.1
995 105:92);ヒ酸塩(NalefskiおよびRao、J.Imm
unol.1993 150:3806)。
【0050】 一般的に、本発明における使用のために適切なハプテンは、親水性アミノ酸(
例えば、リジンのような)に結合する特性を有する。ハプテンは、リジンのε−
アミノ基または−COOH基を介して細胞へ結合体化し得る。さらに、ジアザカ
ップリングを介して、チロシンおよびヒスチジンのような疎水性アミノ酸に結合
し得るハプテンもまた、使用され得る。本発明の使用のために適切なハプテンの
例は、以下である:ジニトロフェニル、トリニトロフェニル、N−ヨードアセチ
ル−N’−(5−スルホン 1−ナフチル)エチレンジアミン、トリニトロベン
ゼンスルホン酸、フルオロセインイソチオシアネート、ヒ酸ベンゼンイソチオシ
アネート、トリニトロベンゼンスルホン酸、ホスホリルコリン、スルファニル酸
、アルサニル酸、ジニトロベンゼン−S−マスタード(NahasおよびLes
kowitz、Cellular Immunol.1980 54:241)
ならびにそれらの組み合わせ。一旦本開示で理論武装すれば、当業者は、本発明
における使用のためのハプテンを選択し得る。例えば、ハプテンは、遅延型過敏
症(DTH)試験を用いて慣用的に試験され得る。
【0051】 (アジュバント) 1つの好ましい実施態様において、腫瘍細胞または腫瘍細胞膜は、免疫学的ア
ジュバントとともに投与される。アジュバントは、ハプテン改変された腫瘍細胞
および腫瘍細胞膜に対する免疫応答を強める特性を有する。アジュバントの代表
的な例は、カルメット−ゲラン桿菌、すなわちBCG、またはQuillaja
saponariaの樹皮から精製された均質なサポニンおよび一般的には無
毒化されたエンドトキシンCorynebacterium parvumのサ
ポニンならびにインターロイキン−2、インターロイキン−4、γインターフェ
ロン(IFN−γ)、インターロイキン−12、インターロイキン−15、GM
−CSFのようなサイトカイン、ならびにそれらの組み合わせを含む、合成アジ
ュバントQS−21(McCuneら、Cancer 1979 43:161
9)である。
【0052】 アジュバントは最適化される傾向にあり得ることは理解される。言い換えれば
、当業者は、慣用的な実験を行って、使用に最も適したアジュバントを決定し得
る。
【0053】 (本発明の腫瘍細胞膜を作製する方法) 本発明の使用のための腫瘍細胞は、以下の通りに調製され得る。腫瘍は、Be
rdら(1986)前出、Satoら(1997)、米国特許第5,290,5
51号、および米国特許出願第08/203,004号、同第08/479,0
16号、同第08/899,905号、同第08/942,794号、または対
応PCT出願PCT/US96/09511(これらの各々は、本明細書中にそ
の全体が参考として援用される)に記載されるように処理される。簡潔には、例
えば、コラゲナーゼおよびDNaseで酵素的解離によって、ブレンダーでの機
械的解離によって、ピンセットでほぐして、モーターおよび乳棒を使用して、メ
スなどを使用して小片に切断することによって、細胞を解離させて抽出する。流
体の腫瘍(liquid tumor)に関しては、血液または骨髄サンプルを
採取して、腫瘍細胞を密度勾配遠心分離によって単離し得る。
【0054】 腫瘍細胞膜は、例えば、低浸透圧ショック、機械的解離、および酵素的解離を
使用して細胞を破壊し、そして遠心分離によって種々の細胞成分を分離すること
によって腫瘍細胞から調製される。簡潔には、以下の工程を使用し得る:腫瘍細
胞を溶解する工程、溶解した腫瘍細胞から核を除去して、核を含まない腫瘍細胞
を得る工程、細胞および核を含まない、実質的に純粋な膜を得る工程、および腫
瘍細胞膜をハプテンに供して、ハプテン改変腫瘍細胞膜を得る工程。膜単離は、
Heikeらの方法に従って行われ得る。
【0055】 本発明の1つの実施態様において、インタクトな細胞および核は、膜が実質的
に核および細胞を含まないようになるまで(顕微鏡で決定される)連続遠心分離
によって除去され得る。例えば、溶解した細胞を、低速(例えば、500〜2,
000g)で約5分間遠心分離し得る。分離手順を、約100未満の細胞および
/または核が約2×108細胞当量(c.e.)の膜材料中に残るように行う。 膜を含む核除去(postnuclear)上清を、例えば、約100,000
gで約90分間超遠心してペレット化し得る。このペレットは、全膜性分を含む
。例えば、約8%スクロース、5mM Tris、pH7.6に膜を再懸濁して
、使用するまで約−80℃で冷凍し得る。任意の希釈剤(好ましくは、安定化剤
として使用するもの)を使用し得る。膜調製物(約6×107c.e.膜)の質 を決定するために、細胞を通常通り培養し得る。細胞コロニーを発生させるべき
ではなく、そして細胞または核は光学顕微鏡によって検出されるべきではない。
【0056】 DNPまたは別のハプテンを用いた、調製された細胞または細胞膜の改変を、
公知の方法(例えば、MillerおよびClaman、J.Immunol.
1976、117、1519(これは、その全体が本明細書中に参考として援用
される))によって行い得る。この方法は、滅菌条件下で腫瘍細胞または膜をハ
プテンとともに30分間インキュベートして、滅菌生理食塩水で洗浄する工程を
含む。ハプテン改変は、モノクローナル抗ハプテン抗体を使用してフローサイト
メトリーによって確認し得る。
【0057】 解離した細胞または単離した細胞膜を、新鮮なまま使用するか、または例えば
、速度制御冷凍庫または液体窒素中で必要なときまで凍結保存し得る。細胞およ
び膜を融解して、使える状態にする。好ましくは、細胞または膜は、患者に投与
する前に短時間で融解される。例えば、患者が皮膚試験または処置される日に、
細胞または細胞膜を融解し得る。必要に応じて、細胞または細胞膜を洗浄し、そ
して必要に応じて2500Rで照射し得る。それらを再び洗浄して、次いで、フ
ェノールレッドを含まないHanks平衡化塩類溶液に懸濁し得る。
【0058】 同種異系腫瘍細胞膜を上記に記載したように調製し得る。しかし、被験体に投
与する前に、これらは同系の(例えば、自己由来の)抗原提示細胞と共に同時イ
ンキュベートする。同系の抗原提示細胞は、患者の細胞媒介性免疫系が同種異系
膜に応答し得るように、同種異系膜をプロセスする。このアプローチは、患者自
身の腫瘍以外の供給源から発症する腫瘍細胞膜を用いて患者の免疫化を可能にす
る。同種異系腫瘍細胞膜を、約数時間から約数日間に変化する期間、抗原提示細
胞と共にインキュベートする。次いで、この膜パルス化抗原提示細胞を洗浄し、
そして患者に注射する。
【0059】 抗原提示細胞を多数の方法で調製し得る。これらの方法としては、例えば、G
rabbeら(1995)およびSienaら(1995)の方法が挙げられる
。手短に言えば、血液を、例えば、免疫化される患者から静脈穿刺により入手す
る。あるいは、骨髄を入手し得る。あるいは、血液白血球を白血球搬出法により
入手し得る。これらの供給源のいずれかから、単核性白血球を勾配遠心により単
離する。この白血球を、抗原(CD34)に対するモノクローナル抗体を使用す
る陽性選択によりさらに精製し得る。
【0060】 精製した白血球を、組織培養培地(例えば、血清(例えば、胎仔ウシ血清、プ
ールしたヒト血清、または自己血清)を補充したRPMI−1640)中で培養
しおよび拡大する。あるいは、血清を含まない培地を使用し得る。抗原提示細胞
の増殖を刺激するために、サイトカインを培養培地に加え得る。サイトカインと
しては、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、インターロ
イキン4(IL4)、TNF(腫瘍壊死因子)、インターロイキン3(IL3)
、FLT3リガンドおよび顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)が挙げられる
が、これらに限定されない。
【0061】 培養物中で単離しそして拡大した抗原提示細胞を、例えば、樹状細胞、単球、
マクロファージ、およびランゲルハンス細胞として特徴付け得る。
【0062】 (腫瘍細胞膜および組成物を使用する方法) (癌を処置するための方法)本発明は、薬学的に受容可能量のハプテン改変腫
瘍細胞膜、ハプテン改変腫瘍細胞、またはそれらの組み合わせを投与することに
より、癌を有すると診断されるか、または癌の疑いがある哺乳動物(好ましくは
、ヒト)を処置する方法に関する。膜および/または細胞を、免疫学的なアジュ
バントおよび/または薬学的に受容可能なキャリアと共に混合し得る。薬学的に
受容可能量の低用量のシクロホスファミドまたは別の低用量の化学療法を、この
組成物の投与に先行して投与し得る。このハプテン化組成物を必要に応じて投与
し得、次いで薬学的に受容可能量の非ハプテン化腫瘍細胞または非ハプテン化腫
瘍細胞膜を投与し得る。非ハプテン化組成物もまた、本発明の方法に従って投与
され得る。
【0063】 任意の悪性腫瘍を本発明に従って処置し得、悪性腫瘍としては、転移性癌およ
び原発性癌、ならびに固形腫瘍および非固形腫瘍が挙げられる。固形腫瘍として
は癌腫が挙げられ、そして非固形腫瘍としては血液学的な悪性疾患が挙げられる
。癌腫としては腺癌および上皮癌が挙げられるが、これらに限定されない。血液
学的な悪性疾患としては、白血病、リンパ腫、および多発性骨髄腫が挙げられる
。本発明の方法に従った、単離された改変腫瘍細胞膜で処置可能な癌の例は、以
下であるが、これらに限定されない:卵巣癌(進行した卵巣癌を含む)、白血病
(急性骨髄性白血病を含むが限定されない)、結腸癌(肝臓に転移した結腸癌を
含む)、直腸癌、結腸直腸癌、黒色腫、乳癌、肺癌、腎臓癌、および前立腺癌。
卵巣癌は、腺癌または上皮癌であり得る。結腸癌および前立腺癌は腺癌である。
白血病は、骨髄様の骨髄またはリンパ節に起因し得る。白血病は、急性(発生の
初期ステージでの成熟停止により提示される)、および慢性(成熟したリンパ様
細胞または骨髄様細胞の過剰な増加により提示される)であり得る。ステージI
、II、III、またはIVの癌を本発明の方法に従って処置し得、好ましくは
ステージIIIおよびステージIV、なおより好ましくはステージIIIの癌を
処置し得る。
【0064】 上記の型の転移性癌を有する哺乳動物(特に、ヒト)は、本発明の膜、組成物
および方法によって処置され得る。本発明の1つの実施態様において、家畜を処
置し得る。
【0065】 本発明のワクチン組成物の投与前に、被験体は、皮膚にハプテンを適用するこ
とによって、腫瘍細胞および膜を改変するために使用されるべきハプテンに対し
て免疫化され得る。例えば、ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)を使用し得
る。その後(例えば、約2週間後)、この被験体は腫瘍細胞膜組成物で注射され
得る。この組成物は、合計で少なくとも3回の処置、そして好ましくは少なくと
も6回の処置のために投与(例えば、再注射によって)され得る。1つの実施態
様においては、処置の投与数(最初の投与を含む)は8回であり得、そして別の
実施態様においては、10回であり得る。ワクチン接種スケジュールは、特定の
被験体の状態に適するように担当医より設計され得る。このワクチン注射は、例
えば、2週間間隔、そして好ましくは毎週、投与され得る。追加免疫ワクチンを
投与し得る。好ましくは、1回または2回の追加免疫ワクチンを投与する。この
追加免疫を、例えば、開始投与後、約6ヶ月後または約1年後に投与し得る。
【0066】 被験体の免疫応答は、薬物で増強され得る。例えば、シクロホスファミド(C
Y)は、各投与前に投与され得る。
【0067】 本発明は、従来の癌の処置(例えば、手術)の後に使用され得る。固形腫瘍(
例えば、卵巣癌)の場合、腫瘍は、最適に減量(optimally debu
lked)され得るか、またはやや最適に減量(sub−optimally
debulked)され得る。最適な減量されるとは、処置された被験体に小さ
な腫瘍片のみが残存するように腫瘍を切除することをいう。やや最適に減量され
るとは、腫瘍を切除するが、被験体に大きな腫瘍片が残存するをことをいう。非
固形腫瘍の場合、適切な血液サンプルまたは骨髄サンプルを収集し得、そして癌
細胞を任意の参考文献の公知技術により単離する。切除した腫瘍または収集した
腫瘍細胞を使用して、上記に記載の腫瘍細胞膜を調製し得る。
【0068】 腫瘍細胞膜を、任意の適切な経路(接種および注射(例えば、皮内、静脈内、
腹腔内、筋内、および皮下)を含む)により投与し得る。各ワクチン処置あたり
に多くの投与部位が存在し得る。例えば、ワクチン組成物を、皮内注射により、
投与あたりに少なくとも2ヶ所、好ましくは3ヶ所の連続する部位に投与し得る
。本発明の1つの実施態様において、ワクチン組成物を上腕または脚に投与する
【0069】 ワクチンの効力を、種々の生物学的応答修飾因子を投与することにより改良し
得る。これらの因子は、免疫応答を直接的または間接的に刺激することにより作
用する。本発明の生物学的応答修飾因子としては、インターロイキン−12、イ
ンターロイキン−15およびγインターフェロンが挙げられるが、これらに限定
されない。1つの好ましい実施態様において、各ワクチン注射の後にIL12を
投与する。炎症応答を有する患者へのIL12の投与は、腫瘍集団内にTリンパ
球を生じ、増殖およびより活性化し得る。増大されたT細胞数および機能的能力
は、腫瘍の免疫学的な破壊および後退を導く。
【0070】 ヒト癌ワクチンは、多くの研究者によって開発され、そして試験されてきた。
これらのワクチンは、時折、弱い免疫を患者の癌に誘導し得るが、まれに腫瘍の
後退または長期生存を引き起こす。炎症応答の証拠が、驚くべきことに本発明の
ワクチンで見出された。顕微鏡的に、Tリンパ球の浸潤が観察される。従って、
このアプローチ(これは、炎症応答およびリンパ球の数を増大する)は、当該分
野における有意な進歩である。従って、本発明はまた、T細胞を誘発する方法を
提供し、この方法は少なくとも1つの以下の特性を有する:(i)処置される哺
乳動物の腫瘍を浸潤するTリンパ球の誘発、(ii)哺乳動物の腫瘍に対する炎
症性免疫応答の誘発、および(iii)投与された場合の哺乳動物の腫瘍に対す
る遅延型過敏症応答の誘発。
【0071】 (T細胞を刺激するための方法)単離した腫瘍細胞膜を使用して、インビトロ
でT細胞を刺激し得る。このアッセイを使用して、例えば、特定の腫瘍膜を使用
する治療が成功する可能性があるか否かを評価し得る。このアッセイにおける使
用のためのT細胞を、以下の方法に従って入手し得る。この方法はヒトにおいて
記載されるが、任意の哺乳動物被験体に適用され得る。
【0072】 特定の型の癌を有すると診断された患者に、ハプテン改変腫瘍細胞、ハプテン
改変腫瘍細胞膜、またはそれらの組み合わせを含む、薬学的に受容可能量の組成
物を投与することによりT細胞を生成する。この組成物は、必要に応じて、免疫
学的なアジュバントおよび/または薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。薬
学的に受容可能量の低用量のシクロホスファミドまたは別の低用量の化学療法(
例えば、メルファラン、約5〜約10mg/M2であるが、これらに限定されな い)を、第1の腫瘍細胞組成物の投与に先行して、必要に応じて投与し得る。ハ
プテン化組成物を必要に応じて投与し、次いで、非ハプテン化膜、非ハプテン化
腫瘍細胞またはそれらの組み合わせを含む、薬学的に受容可能量の非ハプテン化
ワクチン組成物を投与し得る。非ハプテン化組成物を、本発明の方法に従って投
与し得る。
【0073】 ハプテン改変自己細胞またはハプテン改変自己細胞膜の投与の後の膜に対して
強力な遅延型過敏症(DTH)反応を発症する患者から末梢血リンパ球(PBL
)を入手し得る。このDTH反応は、好ましくは、直径が約10mmであり、な
おより好ましくは、約10mmより大きい。ハプテン改変癌細胞を用いて反復刺
激することにより、PBLからT細胞株を確立し得る。このT細胞を公知の技術
(例えば、単球の単細胞懸濁物、濾過物、枯渇物の調製、ならびにTCRサブタ
イプ特異的抗体の存在下、および/またはIL−2の存在下、および/またはス
ーパー抗原の存在下でサブセットを拡大することにより特定のT細胞レセプター
(TCR)型を発現するサブセットの単離)によって単離し得る。目的のT細胞
ですでに富化された腫瘍に由来する浸潤物、またはその腫瘍内の浸潤物からこの
T細胞を収集するので、目的のT細胞をインビボで拡大し得る。
【0074】 改変腫瘍細胞および改変腫瘍細胞膜の各々は、T細胞を刺激する特性を有する
。本発明の目的のための「刺激」とは、T細胞の増殖の誘導、ならびにインビト
ロでT細胞によりサイトカインの産生を誘導することをいう。膜および腫瘍細胞
は、各々独立して、T細胞を活性化する能力を有する。T細胞の増殖を、改変ヌ
クレオチド(例えば、3Hチミジン、125IUDR(ヨードデオキシウリジン)で
あるがこれらに限定されない);および色素(例えば、3−(4,5−ジメチル
チアゾール−2−yl)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT
)、これは生細胞を染色する)によるT細胞の取り込みによって検出および測定
し得る。さらに、サイトカインの産生(例えば限定はしないが、IFNγ、腫瘍
壊死因子(TNF)、およびIL−2)は、T細胞の増殖の提示において有用で
あり得る。サイトカインの産生を、当該分野に周知の試験を使用して検出および
測定し得る。サイトカインの産生はバックグラウンドレベルより上であるべきで
あり、これは、一般的に25pg/mlより上であり、好ましくは100pg/
mlより上である。
【0075】 T細胞は、2つの型の免疫学的機能(エフェクターおよび調節、分泌タンパク
質(リンホカイン)、および他の細胞の殺傷(細胞傷害性))を媒介するリンパ
球である。エフェクター機能は反応性(例えば、遅延型過敏性、同種移植拒絶、
腫瘍免疫、および対宿主性移植片反応性)を含む。リンホカイン産生および細胞
傷害は、T細胞のエフェクター機能によって実証される。T細胞の調節機能は、
他のT細胞による細胞媒介性細胞傷害およびB細胞によるイムノグロブリン産生
を増幅するそれらの能力によって提示される。この調節機能はまた、リンホカイ
ンの産生を必要とする。T細胞は、誘導刺激(マイトジェン、抗原、またはレク
チンを含むが、これらに限定されない)に応じてγインターフェロン(IFN)
を産生する。
【0076】 本発明の1つの実施態様において、T細胞株を以下のように発生し得る。PB
L(1×106)を、24ウェル平底プレートにて、リンパ球培養培地中で自己 DNP−結合体化Bリンパ芽球腫細胞(1×105)と混合する。7日間の培養 の後、IL2 100U/ml(Cetus Oncology,Emeryv
ille,CA)を加える。拡大T細胞培養物をIL2を含む培地中に維持し、
そして必要とされる場合、約2×106細胞の濃度を維持するように直径が22 mmのウェルに分割する。14日毎にこの培養物を、自己DNP−結合体化Bリ
ンパ芽球腫細胞を加えることにより再刺激する。表現型を、モノクローナル抗体
のパネルを有するフローサイトメトリー(BectonDickinson,S
an Jose,CA)により決定し得る。CD8+T細胞およびCD4+T細
胞の分離を、Wysocki,L.J.およびV.L.Sato,Proc.N
atl.Acad.Sci.USA,1978,75,2844(その全体にお
いて本明細書中に参考として援用される)の方法に従う標準的な技術を使用して
、間接的なパンニングにより達成し、このパンニングにおいて、抗CD8+モノ
クローナル抗体またはCD4+モノクローナル抗体で被覆されたT細胞は、抗イ
ムノグロブリン被覆ディッシュに付着する;付着した細胞を単離し、そしてDN
P−改変刺激因子(以下に記載されるものを含むがこれら限定されない、黒色腫
細胞およびβリンパ芽球腫細胞;ならびにIL2)を用いて拡張する。
【0077】 T細胞の表現型的に同質な亜集団を、例えば、丸底マイクロタイターウェルに
て、2×105の照射された同種異系フィーダー細胞、200U/mlのIL2 、および植物性赤血球凝集素を含むリンパ球培養培地中で、限界希釈で培養する
ことによって入手する。増殖中のリンパ球コロニーを有するウェルを、DNP−
改変Bリンパ芽球腫細胞に応じて増殖する能力についてスクリーニングする。陽
性ウェルをIL2において拡大し、そして自己DNP−結合体化Bリンパ芽球腫
細胞で14日毎に再刺激する。
【0078】 末梢血リンパ球を(PBL)を応答細胞としてテストし得る。これらの細胞を
リンパ球培養培地(RPMI−1640、10%のプールしたヒトAB+血清、 インスリン−トランスフェリン−亜セレン酸塩培地サプリメント(Sigma
Chemical Co.)2mM L−グルタミン、1%非必須アミノ酸、2
5mM HEPES緩衝液、ペニシリンおよびストレプトマイシン)中に懸濁し
、そして96ウェル丸底マイクロタイターウェルに、1×105細胞/ウェルで 加える。刺激細胞としては以下が挙げられ、これらもまた加える:1)自己PB
Lまたは同種異系PBL、2)エプスタイン−バーウイルスを用いてトランスフ
ェクションすることにより作製された自己Bリンパ芽球腫細胞株または同種異系
Bリンパ芽球腫細胞株、3)培養自己黒色腫細胞;照射(5000R)により不
活性化される。大抵の実験において、応答細胞:刺激細胞の比は、好ましくは1
:1である。このプレートを、CO2インキュベーターにて37℃で5日間イン キュベートする;次いで、このウェルを125I−標識されたIUDR(ICN Radiochemical,Costa Mesa,CA)で6時間パルスし
、自動収集デバイスを用いて収集し、そしてγカウンタで計測する。3連のウェ
ルの平均値を算出する。培養したT細胞をまた、上記の方法に従ってリンパ球増
殖性応答について試験する。
【0079】 DNP−改変自己細胞に対する最大のDTHの反応性の時点で、患者から入手
され、凍結保存されたPBLを解凍し、そしてインビトロ増殖性応答について試
験する。DNFB適用単独では、循環している応答細胞の検出可能な数を生じな
い。反応性PBLは、DNP−改変黒色腫細胞を用いた先の研究に基づいて、D
NP−ワクチンの2回の注射(63日目)の後に検出されることが予期され、そ
してワクチン処置の期間を通して検出され続ける。
【0080】 サイトカイン産生について試験するために、T細胞を丸底マイクロタイタープ
レートに約1×105細胞/ウェルで加え得る。等量の刺激因子(DNP−改変 自己Bリンパ芽球腫細胞)を加え、そしてインキュベーションの18時間後に上
清を回収する。市販されているELISAキットを使用して、γインターフェロ
ンを測定する(Endogen,Boston,MA;感度=5pg/ml)。
【0081】 MHC依存性の応答を決定するために、応答性細胞を加える前に、刺激細胞を
、10μg/mlの濃度のMHCクラスI(W6/32)またはMHCクラスI
I(L243)に対するモノクローナル抗体と共に1時間予めインキュベーショ
ンし得る。同じ濃度の非特異的マウス免疫グロブリンを、陰性コントロールとし
て試験し得る。
【0082】 大量の集団をパンニングすることによって入手したDNP−反応性CD8+T
細胞を、DNP−改変自己Bリンパ芽球腫細胞を用いた反復刺激により、IL−
2を含む培地中で、長期間(>3ヶ月間)培養で維持し得る;これらの細胞は、
安定な表現型、CD3+、CD8+を保持した。2つの株の証拠は、これらの応
答が、以下によって制限されるMHCクラスIであることを示唆する:1)γイ
ンターフェロン産生は、抗クラスII抗体によってではなく、抗クラスIフレー
ムワーク抗体と共に刺激細胞を予めインキュベーションすることによってブロッ
クされる、2)このT細胞は、1つまたは両方のHLA−A位置で一致する同種
異系DNP−改変刺激物に応答し得るが、HLA−A不一致である刺激物に応答
し得ない。
【0083】 T細胞によるγインターフェロン産生について試験するために、患者の血液由
来のリンパ球を入手し得る。T細胞を刺激するために、約1,000,000の
リンパ球をDNP改変自己黒色腫細胞膜と混合する。7日毎に100U/mlの
インターロイキン−2を加え得る。このT細胞を継代により拡大する。次いで、
このT細胞をDNP改変自己黒色腫細胞膜で再刺激する。T細胞の豊富な集団は
、DNP改変自己黒色腫細胞に応答性の結果を生じる。T細胞によるγインター
フェロン産生の量により、刺激を決定する。一般的に、15pg/mlより多い
γインターフェロンの産生が有意であると考えられる。
【0084】 本発明は、以下の実施例によりさらに例示される。この実施例は例示のみを意
味し、本発明をこれらの特定の実施態様に限定することを意図しない。
【0085】 (実施例1:単離した黒色腫細胞膜によるT細胞のインビトロ刺激) T細胞株の確立 末梢血リンパ球(PBL)を、本発明の方法に従って、DN
P−ワクチン投与の後にDNP−改変自己黒色腫細胞に対して強力な遅延型過敏
性(DTH)応答を発症する患者から入手した。PBLを血液から密度勾配遠心
により分離し、凍結培地(例えば、2.5%ヒトアルブミンおよびDMSOを含
むRPMI−1640)中に懸濁した。速度制御フリーザー(control−
rate freezer)にて凍結し、そして使用するまで液体窒素中に保存
した(Satoら,1995)。
【0086】 T細胞株を、これらのPBLからDNP−改変自己黒色腫細胞(DNP−Me
l)での反復刺激により確立し、そして組換えインターロイキン2(IL−2)
を用いて維持する(Satoら,1995)。
【0087】 黒色腫細胞 黒色腫細胞を、同じ患者から外科的に摘出した転移性集団から、
上記に記載されるように酵素学的に抽出し、そして先に記載した方法(Sato
ら,1997)により凍結保存した。自己黒色腫細胞株を黒色腫細胞懸濁液から
確立した。手短に言えば、黒色腫細胞を、転移性集団から酵素学的に解離させ、
そして組織培養培地(胎仔ウシ血清またはヒト血清を含むRPMI−1640)
中に懸濁し、そして組織培養プレートに加えた。数日後、付着していない腫瘍細
胞を除去し、そして新鮮な培地を加えた。数週間後、付着した黒色腫細胞は急速
に増殖を開始した。この細胞が培養プレート上でコンフルエントまで増殖した場
合、それらをEDTAを用いてこの細胞を除去することにより分割し、そして新
鮮な組織培養プレートに加えた。
【0088】 黒色腫細胞株細胞を、DNPを用いて、MillerおよびClamanの方
法により修飾した。この方法は、滅菌条件下で腫瘍細胞をジニトロフルオロベン
ゼン(DNFB,Sigma,Chemical Co.)と共に30分間イン
キュベーションする工程、続いて、ハンクス溶液を用いて過剰のDNFBを洗い
流す工程を包含する。このDNP−修飾を、マウス抗DNPモノクローナル抗体
(SPE−7;Sigma Immunochemicals,St.Loui
s,MO)を用いるフローサイトメトリーにより確認した(DNPによって10
0%の細胞が修飾されることが示された)。
【0089】 代替の手順として、凍結保存された黒色腫細胞を、細胞株を確立する処置工程
を伴わないで、上記に記載されるようにDNPで修飾した。
【0090】 (細胞膜抽出)細胞膜をHeikeらの方法によってDNP改変黒色腫細胞(
DNP−Mel)から抽出した。簡潔に言えば、DNP改変細胞を5容量の30
mM重炭酸ナトリウム緩衝液、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(P
MSF)中での低張ショックによって、そしてDounceホモジネーション(
10〜20回)によって溶解した。残査のインタクトな細胞および核を、上清に
核および細胞がなくなるまで、1,000gでの5分間の連続的な遠心分離によ
り取り除いた。次いで、膜を100,000gでの90分間の遠心分離によって
ペレット化した。ペレット中の全ての膜を、8%スクロース、5mMトリス、p
H7.6中に、1ml当たり107細胞の当量単位(すなわち、107細胞から抽
出した膜)で再懸濁し、そして使用まで−80℃で凍結した。
【0091】 代替的な手順としては、細胞膜を、上記と同一の様式において非改変黒色腫細
胞から単離した。この膜を、アルブミンを除いたハンクス溶液中に、種々の細胞
当量濃度(1ml当たり105〜109細胞当量)で懸濁した。次いで、DNFB
を、上記のように添加した。次いで、この膜を、100,000gでの90分間
の遠心分離によりペレット化し、そして生理食塩水で2回洗浄した。
【0092】 (膜調製物に応答するサイトカイン産生)DNP改変黒色腫膜により誘導され
たT細胞応答を、IFNγ産生により測定した。患者のPBLから得られたT細
胞を、100μlの培養培地(10%ヒトAB血清、2mM L−グルタミン、
100mg/ml/100U/mlストレプトマイシン/ペニシリン、10mM HEPES、1%非必須アミノ酸を補充したRAMI 1640)中に、10 5 細胞/ウェルで96丸底ウェルプレートに播種した。細胞膜の種々の量(約1 05〜約108細胞当量)を、各ウェル中に添加し、そしてさらなる培養培地を添
加して、各ウェルの全容量を250μlにした。
【0093】 18時間のインキュベーション後に、上清をIFNγアッセイのために回収し
た。上清中のIFNγの濃度を、市販のELISAキット(Endogen、B
oston、MA;感度=5pg/ml)により測定した。
【0094】 T細胞による有意なIFNγ産生(750pg/ml)が、自己DNP−Me
l膜と共にインキュベーションした後に検出された。T細胞によるIFNγの産
生は、同時にインキュベートしたDNP−Mel膜の量に関連した。非改変Me
l膜に対する有意な応答は、誘発されなかった。2つのT細胞亜系(subli
ne)を、陽性パニング技術でCD4+およびCD8+T細胞について富化する
ことにより発達した。各亜系は、IFNγ産生によりDNP−Mel膜に応答し
た。DNP−Mel膜に対するCD4+T細胞亜系の応答を、MHCクラスII
に対する抗体によりブロックし、そしてCD8+亜系の応答を、MHCクラスI
に対する抗体によりブロックした(それぞれ、73%および80%のブロック)
【0095】 これらの結果は、ハプテン改変腫瘍細胞膜が、腫瘍処置を必要とする患者にワ
クチン接種するために首尾よく使用され得たことを示す。
【0096】 (実施例2:改変腫瘍細胞膜を用いる卵巣癌(病期III)の処置) 患者を、初めに、標準的な医療の実施(減量手術、続いて化学療法)に従って
処置し得た。化学療法の終了後、ハプテン、ジニトロフェニル(DNP)で改変
した卵巣癌細胞膜を含むワクチンを用いる6週間の処置を施し得る。低用量のシ
クロホスファミドを、第1回目の注射の前に投与し得る。処置過程の終了後、患
者を、癌細胞膜(DNP改変型および非改変型の両方)に対する遅延型過敏症に
ついて試験し得る。インビトロ研究を、転移性腫瘍から抽出した低温保存したリ
ンパ球、および/または末梢血から分離した低温保存したリンパ球を用いて実行
し得る。
【0097】 例えば、減量手術を受ける患者または化学療法により腫瘍の縮小を示す患者を
、処置のために選択し得る。各患者から切除した腫瘍の塊は、少なくとも100
×106の生存可能な腫瘍細胞を得るために十分であり得た。このような患者は 、化学療法(例えば、カルボプラチンおよびタキソール)を受け得、そして好ま
しくは、化学療法の終了後に臨床的な腫瘍が存在しない(すなわち、通常の物理
的試験およびCT研究および血清CA−125<35IU/L)。
【0098】 以下に基づく患者は、本発明の処置を受けることから除外され得る:ワクチン
を調製するためおよび皮膚試験をするための不十分な量の腫瘍細胞(100×1
6細胞未満)、80未満のKarnovsky実行状態、直前の6ヶ月以内の 主要部位の放射線治療、全身性コルチコステロイドの現在の投与、ヘマトクリッ
ト30%未満またはWBC3000未満、年齢18歳未満、活性自己免疫疾患、
活性で重篤な感染、別の活性な悪性疾患、B型肝炎ウイルス(循環している抗原
)またはHIV(循環している抗体)を有する感染の証拠、あるいはインフォー
ムドコンセントを提供することが不可能なこと。
【0099】 患者は、腫瘍の外科的な切除および転移の減量を受ける。最適または準最適な
減量のいずれかを受ける患者は、適格であり得る。腫瘍組織を研究室に配送し得
、そして膜を入手するために処理し得る。この膜を、液体窒素中で低温保存し得
、そして貯蔵し得る。
【0100】 同系腫瘍および同種異系腫瘍の細胞膜の両方を、本明細書中に記載されるよう
に調製し得、そして使用し得る。
【0101】 手術後6週間以内に開始して、以下の投薬計画に従い、患者は、化学療法(例
えば、カルボプラチンまたはシスプラチンおよびタキソールを用いる)を開始し
得る:カルボプラチンAUC7.5またはシスプラチン75mg/M2(3週間 毎)、3時間にわたるタキソール175mg/M2の静脈注射(3週間毎)。6 回の化学療法を施し得る。任意の他の化学療法を施し得る。
【0102】 化学療法の終了のおよそ4週間後、患者は、コンピューター断層撮影法(CT
)胸部−腹部−骨盤を含む、転移の評価を経験する。再発した癌の証拠がない患
者のみが、ワクチン処置に適格であり得る。CA125の血清レベルの上昇を示
す患者は、CT研究が再発に陰性である場合、適格であり得る。この腫瘍細胞膜
治療を、化学療法の最後の投与後の少なくとも4週間後(12週間を超えない)
に開始し得る。
【0103】 7日目に、患者を、以下を用いて皮膚試験し得る:1)DNPで改変した自系
の卵巣癌細胞または膜、2)希釈剤(0.1%ヒトアルブミンを含むハンクス平
衡塩類溶液)、および3)PPD中間体。DTH反応を、5日目に測定し得る。
0日目に、患者は、急速な静脈注射の注入としてシクロホスファミド300mg
/M2を受け得る。3日後に、患者は、腫瘍細胞膜組成物を皮内に注射され得、 そしてこれは6週間にわたって毎週繰り返され得る。ワクチンは、BCGと混合
したDNPで改変した卵巣癌細胞膜からなり得る。ワクチンを、上腕に注射し得
る。いくつかの理由で左の腋窩のリンパ節の切開が実施されている場合、右腕を
使用し得る。
【0104】 6回目のワクチンの2.5週間後に、患者は、CBC、SMA−12、CA1
25、および胸部X線からなる臨床の評価を経験し得る。患者を、以下の物質に
対するDTHについて試験し得る:自系癌細胞(DNP改変および非改変の両方
);自系末梢血リンパ球(DNP改変および非改変の両方);希釈剤;ならびに
PPD中間体。また、患者を、ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)に対する
接触感受性について試験し得る。
【0105】 再発しないままである患者に、6ヶ月目の時点(ワクチンプログラムの開始か
ら測定)で7回目(追加免疫)のワクチンを与え得る。各患者について、腫瘍細
胞膜の少なくとも1つの低温保存されたバイアルを、6ヶ月目の追加免疫注射の
ために保存し得る。利用可能な細胞数が6週間毎のワクチンと6ヶ月目の追加免
疫に不十分であると予測された場合、次いで、毎週の注射の最初の経過を5に減
少し得る。しかし、十分な数の細胞が利用可能である場合のみ、別の追加免疫ワ
クチンを一年以内に投与し得る。1年後の追加免疫の直前に、患者は、患者の以
前の免疫のレベルが維持されているか否かを決定するために、自系腫瘍細胞また
は膜で皮膚試験され得る。
【0106】 (実施例3:改変腫瘍細胞膜を用いる黒色腫癌の処置) 腫瘍塊を以前に記載したように処理し得る。簡潔には、細胞を、コラゲナーゼ
およびDNaseを用いる酵素的解離によって、ならびに機械的解離によって抽
出し得る。細胞膜を、本明細書中に記載されるように単離し得、そして制御化速
度フリーザー中で凍結し得、そして必要とされるまで液体窒素中で保存し得る。
患者を処置すべき日に、この膜を解凍し得、洗浄し得、そしてフェノールレッド
を含まないハンクス平衡塩類溶液に再懸濁し得る。DNPを用いる改変を、Mi
llerおよびClaman(1976)の方法により実行し得る。この方法は
、無菌条件下で、ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)を用いる腫瘍細胞の3
0分間のインキュベーション、続いて滅菌生理食塩水を用いる洗浄を含む。
【0107】 ワクチン組成物は、0.2mlのハンクス溶液中に懸濁した、最少の2.5×
106c.e.トリパンブルー排除黒色腫細胞膜、および最大の7.5×106
.e.黒色腫細胞膜を含み得る。各ワクチン処置は、隣接部位への3回の注射か
らなり得る。
【0108】 凍結乾燥した物質を、1mlの滅菌水またはリン酸緩衝化生理食塩水、pH7
.2(PBS)で再構成し得る。適切な希釈を、滅菌緩衝化生理食塩水中でなし
得る。次いで、0.1mlをとり、そして注射の直前にワクチンと混合し得る。
第1および第2のワクチンを、0.1mlの1:10希釈のタイス(Tice)
BCG(「タイス−1」)と混合し得る。BCGは、Organon Tekn
ika Corporation(Durham、NC)から得られるタイス株
(パスツール研究所の菌株の亜菌株)である。第3および第4のワクチンを、0
.1mlの1:100希釈(「タイス−3」)と混合し得る。第5および第6の
ワクチンならびに追加免疫ワクチンを、0.1mlの1:1000希釈(「タイ
ス−5」)と混合し得る。理想的なワクチン反応は、小さい(5mm未満)中心
潰瘍化以下の炎症性丘疹である。
【0109】 皮膚試験を、0.1mlの試験物質の前腕への皮内注射によって実行し得、そ
してDTHを、硬変の平均直径を測定することによって48時間で評価する。以
下の物質を試験し得る:1)DNPで改変していないおよび改変した1×106 の自系黒色腫細胞膜細胞;酵素的に解離した(TCE)および機械的に解離した
(TCM)腫瘍細胞の両方が使用され得る;2)DNPで改変していないおよび
改変した3×106の自系末梢血リンパ球;3)ハンクス溶液;ならびに4)P PD中間体強度。また、DNFBに対する接触感受性は、上腕の下方表面の皮膚
に200μgのDNFBを供し、そして48時間で硬変輪の領域を検査すること
によって試験され得る。一連の完全なDTH試験を、ワクチン投与の6週間経過
後に実行し得る。前処置DTH試験を、DNP改変黒色腫細胞膜、PPD、およ
び希釈剤に限定し得る。このストラテジーは、以下を回避するように設計される
:1)患者をDNP改変リンパ球に感作すること、および2)非改変腫瘍細胞の
注射により患者を寛容化すること。
【0110】 全ての患者は、皮膚試験を実施する各時間に、リンパ球および血清の分離およ
び低温保存のために回収される血液を有し得る。この血液を、定期的に、以下に
ついて試験し得る:増殖、サイトカイン放出、および細胞傷害性により測定され
るような、自系癌細胞に対する応答。
【0111】 患者を、ワクチン治療の開始の前に、転移性疾患について評価し得る。ワクチ
ン治療の始めの8週間の終了後に、評価を3ヶ月毎に実行する。評価を2年目ま
では3ヶ月毎、3年目は4ヶ月毎、それ以降は6ヶ月毎に実行し得る。物理的な
試験および慣用的な血液作業(bloodwork)(CBC、SMA−12、
およびCA125)を、各評価を用いて実行し得る。胸部−腹部−骨盤のCTを
、6ヶ月および12ヶ月(ワクチン追加免疫の前)でのワクチンの投与の前に実
行し得、次いで臨床的に指示され得る。再発していないおよび総生存を測定し得
る。全ての患者を、少なくとも5年または死亡の時点まで追跡し得る。
【0112】 患者は、BCGに対する局所反応を発達することが期待される。この反応は、
痘瘡ワクチン様の瘢痕を残して2〜3ヶ月で治癒する、排出、圧痛のプステルか
らなる。患者がBCGに対する感受性を発達する場合、これらの反応の強度は増
強し得る。アナフィラキシー、他のアレルギー現象、および自己免疫は、ハプテ
ン化されたワクチンを用いた患者では全く観察されていない。
【0113】 ワクチン部位での反応を、以下のように分類し得る:0−症状なし;1−かゆ
みまたは不快感、しかし腕の動作または通常の活動に支障なし;2−不快感、腕
の動作に支障を生じるが、通常の活動の変更を必要としない;3−不快感、腕の
動作に主要な支障を生じ、そして通常の活動の変更を必要とする;および4−不
快感、通常の活動での四肢の使用不能を生じる。
【0114】 シクロホスファミドを滅菌水中で再構成し得、そして適切な用量を急速な静脈
注射の注入により投与し得る。代表的には、患者の約1/3が、悪心を経験し、
そして約10%が、低用量のシクロホスファミドの後に嘔吐を経験する。白血球
減少症、脱毛症、および膀胱炎は、この用量で生じない。このプロトコルが悪心
および嘔吐の低い発生数と関連することが期待される。なぜなら、シクロホスフ
ァミドは、最終のワクチン接種と組み合わせて1回だけ投与され得るからである
【0115】 患者は、ワクチンの注射後に観察され得る。予期しない症状または徴候を経験
する患者は、即座に評価されるように医師と接触するように指示される。不快感
を生じる熱は、アセトアミノフェンを用いて処置され得る。低用量のシクロホス
ファミドにより引き起こされる悪心は、経口のプロクロルペラジン(Compa
zine)を用いて処置され得る。重篤な局所反応(5mmの潰瘍を超える)が
ワクチン部位で生じる場合、後のBCGの用量は、減少され得る(上記を参照の
こと)。
【0116】 1年の評価で再発していない患者は、最終のワクチンの追加免疫注射を受け得
る。次いで、患者の状態は、さらなる処置を伴わないで追跡され得る。転移を発
生する患者は、研究から除外され得、そして臨床的な指示(通常は、手術または
化学療法)通りに処置され得る。
【0117】 DNPワクチンが、これらの患者において再発しないことおよび/または総生
存を延長するか否かについて決定するための効力の研究をまた実施し得る。生存
パラメータ(Kaplan−Meierの方法)を測定し得る。
【0118】 インフォームドコンセントに関しては、インフォームドコンセントに関するT
homas Jefferson大学、NIH、およびFDAの全ての規則に従
う。
【0119】 ハプテン改変黒色腫細胞を使用する、黒色腫についてのDNP改変自己ワクチ
ンの本発明者らの以前の研究は、以下の結果を示した:100%の患者(N=6
0)が、処置後にDNP改変自系腫瘍細胞に対する陽性DTH応答(直径が5m
m以上の硬変)を発生し、そして85%が大きい陽性応答(直径が10mm以上
の硬変)を発生した。同様の成功が、DNP改変自系癌膜ワクチンのワクチンで
期待される。すなわち、患者は、DNP改変および非改変自系癌細胞膜に対する
DTHを発生することが期待される。
【0120】 本明細書中に示される改変および記載される改変に加えて本発明の種々の改変
は、上記の記載から当業者に明らかである。このような改変はまた、添付の特許
請求の範囲の範囲内にあることが意図される。 参考文献
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】
【表3】
【0124】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 佐藤 隆美 アメリカ合衆国 ペンシルバニア 19086, ウォーリングフォード, クリークサイ ド レーン 611 Fターム(参考) 4C085 AA03 BB01 BB11 CC03 CC04 EE06 FF18

Claims (52)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1用量当たり最大7.5×106細胞当量(c.e.)の単 離されたハプテン改変化ヒト腫瘍細胞膜を含む、組成物。
  2. 【請求項2】 前記腫瘍細胞膜が、癌腫細胞および非固形腫瘍細胞からなる
    群から選択される腫瘍細胞から単離される、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記腫瘍細胞膜が、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、卵巣
    癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、黒色腫、乳癌、肺癌、腎臓癌、および前立腺
    癌からなる群から選択される腫瘍に由来する、請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記白血病が、急性骨髄性白血病である、請求項3に記載の
    組成物。
  5. 【請求項5】 1用量あたり少なくとも105c.e.を含む、請求項1に 記載の組成物。
  6. 【請求項6】 1用量あたり少なくとも106c.e.を含む、請求項5に 記載の組成物。
  7. 【請求項7】 1用量あたり約2.5×106〜約7.5×106細胞当量(
    c.e.)を含む、請求項1に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記ハプテンが、ジニトロフェニル、トリニトロフェニル、
    N−ヨードアセチル−N’−(5−スルホン酸1−ナフチル)エチレンジアミン
    、トリニトロベンゼンスルホン酸、フルオレセインイソチオシアネート、ヒ酸ベ
    ンゼンイソチオシアネート、トリニトロベンゼンスルホン酸、およびジニトロベ
    ンゼン−S−マスタードからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 さらにアジュバントを含む、請求項1の記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記アジュバントが、Bacille Calmette
    −Guerin、QS−21、無毒化エンドトキシンおよびサイトカインからな
    る群から選択される、請求項9に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の組成物であって、少なくとも1つの以下
    の特性: (i)哺乳動物の腫瘍を浸潤するTリンパ球を誘発する特性、 (ii)哺乳動物の腫瘍に対する炎症性免疫応答を誘発する特性、 (iii)哺乳動物の腫瘍に対する遅延型の過敏性応答を誘発する特性、および
    (iv)インビトロでT細胞を刺激する特性、 を有する、組成物。
  12. 【請求項12】 さらに抗原提示細胞を含む、請求項1に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記抗原提示細胞が、前記腫瘍細胞に対して同種異系であ
    る、請求項12に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記抗原提示細胞が、前記腫瘍細胞に対して自系である、
    請求項12に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 前記膜が外層細胞膜である、請求項1に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 前記膜が、MHC分子、熱ショックタンパク質またはそれ
    らの組み合わせを含む膜画分を含む、請求項1に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 治療的に有効な量の請求項1に記載の組成物を含む組成物
    を、ヒトに投与する工程を含む、ヒトにおいて癌を処置する方法であって、ここ
    で該ヒトが、前記腫瘍細胞膜と同じ型の悪性腫瘍に罹患している、方法。
  18. 【請求項18】 前記ヒトの前記腫瘍を浸潤するTリンパ球を誘発する工程
    、および該ヒトの該腫瘍を浸潤する該Tリンパ球を測定する工程を含む、請求項
    17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記ヒトの前記腫瘍に対して炎症性免疫応答を誘発する工
    程、および該炎症性免疫応答を測定する工程を含む、請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記ヒトの前記腫瘍に対して遅延型過敏性応答を誘発する
    工程、および該遅延型過敏性応答を測定する工程を含む、請求項17に記載の方
    法。
  21. 【請求項21】 前記悪性腫瘍が、癌腫および非固形腫瘍からなる群から選
    択される、請求項17に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記悪性腫瘍が、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、卵巣
    癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、黒色腫、乳癌、肺癌、腎臓癌、および前立腺
    癌からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記白血病が、急性骨髄性白血病である、請求項22に記
    載の方法。
  24. 【請求項24】 前記腫瘍細胞膜が、同系の腫瘍細胞膜および同種異系の腫
    瘍細胞膜からなる群から選択される腫瘍細胞膜である、請求項17に記載の方法
  25. 【請求項25】 前記同系の腫瘍細胞膜が自系である、請求項24に記載の
    方法。
  26. 【請求項26】 前記ハプテンが、ジニトロフェニル、トリニトロフェニル
    、N−ヨードアセチル−N’−(5−スルホン酸1−ナフチル)エチレンジアミ
    ン、トリニトロベンゼンスルホン酸、フルオレセインイソチオシアネート、ヒ酸
    ベンゼンイソチオシアネート、トリニトロベンゼンスルホン酸、およびジニトロ
    ベンゼン−S−マスタードからなる群から選択される、請求項17に記載の方法
  27. 【請求項27】 前記組成物が、さらにアジュバントを含む、請求項17に
    記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記アジュバントが、Bacille Calmette
    −Guerin、QS−21、無毒化エンドトキシンおよびサイトカインからな
    る群から選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 請求項17に記載の方法であって、ここで、前記腫瘍細胞
    膜は同種異系であって、前記組成物が、さらに抗原提示細胞細胞を含む、方法。
  30. 【請求項30】 前記抗原提示細胞が同系である、請求項29に記載の方法
  31. 【請求項31】 前記抗原提示細胞が自系である、請求項29に記載の方法
  32. 【請求項32】 請求項1に記載のハプテン改変化腫瘍細胞膜を調製する方
    法であって、腫瘍細胞を溶解し、溶解された腫瘍細胞を得る工程、該溶解された
    腫瘍細胞から核を取り除き、無核腫瘍細胞を得る工程、該無核腫瘍細胞から実質
    的に細胞を含まない腫瘍細胞膜を得る工程、および該腫瘍細胞膜とハプテンを結
    合し、ハプテン改変化腫瘍細胞膜を得る工程を含む、方法。
  33. 【請求項33】 前記溶解工程が、低浸透圧ショック、機械的分離、および
    酵素的分離からなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記ハプテンが、ジニトロフェニル、トリニトロフェニル
    、N−ヨードアセチル−N’−(5−スルホン酸1−ナフチル)エチレンジアミ
    ン、トリニトロベンゼンスルホン酸、フルオレセインイソチオシアネート、ヒ酸
    ベンゼンイソチオシアネート、トリニトロベンゼンスルホン酸、およびジニトロ
    ベンゼン−S−マスタードからなる群から選択される、請求項32に記載の方法
  35. 【請求項35】 単離されたハプテン改変化家畜腫瘍細胞膜。
  36. 【請求項36】 前記哺乳動物が、イヌ科、ネコ科、ウシ科、およびウマ科
    から選択される動物である、請求項35に記載の膜。
  37. 【請求項37】 前記膜が、癌腫細胞および非固形腫瘍細胞からなる群から
    選択される腫瘍細胞から単離される、請求項35に記載の膜。
  38. 【請求項38】 前記膜が、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、卵巣癌、結
    腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、黒色腫、乳癌、肺癌、腎臓癌、および前立腺癌から
    なる群から選択される腫瘍に由来する、請求項35に記載の膜。
  39. 【請求項39】 前記白血病が、急性骨髄性白血病である、請求項38に記
    載の膜。
  40. 【請求項40】 同系腫瘍細胞膜および同種異系腫瘍細胞膜からなる群から
    選択される、請求項35に記載の膜。
  41. 【請求項41】 前記同系腫瘍細胞膜が自系である、請求項40に記載の膜
  42. 【請求項42】 前記ハプテンが、ジニトロフェニル、トリニトロフェニル
    、N−ヨードアセチル−N’−(5−スルホン酸1−ナフチル)エチレンジアミ
    ン、トリニトロベンゼンスルホン酸、フルオレセインイソチオシアネート、ヒ酸
    ベンゼンイソチオシアネート、トリニトロベンゼンスルホン酸、およびジニトロ
    ベンゼン−S−マスタードからなる群から選択される、請求項35に記載の膜。
  43. 【請求項43】 請求項35に記載の膜であって、少なくとも1つの以下の
    特性:(i)哺乳動物の腫瘍を浸潤するTリンパ球を誘発する特性、(ii)哺
    乳動物の腫瘍に対して炎症性免疫応答を誘発する特性、(iii)哺乳動物の腫
    瘍に対して遅延型の過敏性応答を誘発する特性、および(iv)インビトロでT
    細胞を刺激する特性、を有する、膜。
  44. 【請求項44】 前記膜が外層細胞膜である、請求項35に記載の膜。
  45. 【請求項45】 前記膜がMHC分子を含む、請求項35に記載の膜。
  46. 【請求項46】 請求項35に記載の膜を含む、組成物。
  47. 【請求項47】 哺乳動物の腫瘍を浸潤するTリンパ球を誘発する方法であ
    って、請求項1または46に記載の治療的に有効な量の組成物を該哺乳動物に投
    与する工程を含み、ここで該哺乳動物は、前記腫瘍細胞膜と同じ型の悪性腫瘍に
    罹患している、方法。
  48. 【請求項48】 前記哺乳動物が、ヒト、またはイヌ科、ネコ科、ウシ科、
    およびウマ科から選択される動物である、請求項47に記載の方法。
  49. 【請求項49】 哺乳動物の腫瘍に対して炎症性免疫応答を誘発する方法で
    あって、請求項1または46に記載の治療的に有効な量の組成物を該哺乳動物に
    投与する工程を含み、ここで該哺乳動物は、前記腫瘍細胞膜と同じ型の悪性腫瘍
    に罹患している、方法。
  50. 【請求項50】 前記哺乳動物が、ヒト、またはイヌ科、ネコ科、ウシ科、
    およびウマ科のファミリーから選択される動物である、請求項49に記載の方法
  51. 【請求項51】 哺乳動物の腫瘍に対して遅延型の過敏性応答を誘発する方
    法であって、請求項1または46に記載の治療的に有効な量の組成物を該哺乳動
    物に投与する工程を含み、ここで該哺乳動物は、前記腫瘍細胞と同じ型の悪性腫
    瘍に罹患している、方法。
  52. 【請求項52】 前記哺乳動物が、ヒト、またはイヌ科、ネコ科、ウシ科、
    およびウマ科から選択される動物である、請求項51に記載の方法。
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