JPH06119469A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH06119469A
JPH06119469A JP4286602A JP28660292A JPH06119469A JP H06119469 A JPH06119469 A JP H06119469A JP 4286602 A JP4286602 A JP 4286602A JP 28660292 A JP28660292 A JP 28660292A JP H06119469 A JPH06119469 A JP H06119469A
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JP
Japan
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rom
selectively
ion implantation
semiconductor device
mosfet
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Application number
JP4286602A
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English (en)
Inventor
Koichiro Hashimoto
鋼一郎 橋本
Yutaka Shinagawa
裕 品川
Kazufumi Suzukawa
一文 鈴川
Tatsuro Totani
達郎 戸谷
Yoshimichi Shibukawa
義導 渋川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Microcomputer System Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Microcomputer System Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボンディング処理を施すことなく内蔵するマ
スクROMを使用不能な状態にしうるシングルチップマ
イクロコンピュータ等の半導体装置を実現する。これに
より、マイクロコンピュータ等の低コスト化を推進しつ
つ、その初期のユーザから得た情報の漏洩を防止する。 【構成】 マスクROMからなるリードオンリーメモリ
ROMの起動部ROMSに、予め少なくともそのチャン
ネル上部の保護膜が部分的に除去又は薄くされかつ保護
膜形成後にイオン注入処理が選択的に施されることでそ
のしきい値電圧が選択的に変化される起動制御MOSF
ETCN1を設け、この起動制御MOSFETCN1を
選択的にオン状態とすることでリードオンリーメモリR
OMに対する起動制御信号ROMEを選択的に無効とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体装置に関する
もので、例えば、マスクROM(リードオンリーメモ
リ)を内蔵するシングルチップマイクロコンピュータ等
に利用して特に有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フォトマスクの一部を部分的に変更して
記憶素子となるMOSFET(金属酸化物半導体型電界
効果トランジスタ。この明細書では、MOSFETをし
て絶縁ゲート型電界効果トランジスタの総称とする)の
コンタクト又は配線等を選択的に形成することで、ユー
ザ仕様に従ったプログラム等の書き込みを製造時に行う
いわゆるマスクROMがある。また、ストアドプログラ
ム方式の中央処理装置とマスクROMやランダムアクセ
スメモリ等の周辺デバイスとを1個の半導体基板に搭載
したいわゆるシングルチップマイクロコンピュータがあ
る。
【0003】ROMを内蔵するシングルチップマイクロ
コンピュータについては、例えば、平成2年5月25
日、株式会社技術評論社発行の『シングルチップ・マイ
コンH8 活用全科』第13頁等に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】マスクROMを内蔵す
るシングルチップマイクロコンピュータでは、ユーザに
よってマスクROMに必要とされる記憶容量が異なり、
あるいはシステムの開発期間を縮小する意味あいから、
記憶容量の大きなマスクROMや書き換え可能ないわゆ
るプログラムROMを外付けするケースが多く、これに
ともなってマスクROMを必要としない比較的多くのユ
ーザが存在する。また、シングルチップマイクロコンピ
ュータを製造する側から見た場合、ユーザごとに仕様が
異なる製品を注文数よりも多く製造せざるを得ないた
め、余分な製品を他に転用できれば製造コストの低減に
寄与できる。しかるに、従来のシングルチップマイクロ
コンピュータでは、例えば図10に点線で示されるよう
に、ボンディングパッドPROMCと回路の接地電位と
の間をボンディングし、起動制御端子ENを定常的にハ
イレベルとすることで、マスクROMからなるリードオ
ンリーメモリROMを使用不能な状態にした後、シング
ルチップマイクロコンピュータをいわゆるパーシャル製
品として比較的低価格で提供する方法が採られる。
【0005】ところが、上記方法では、マスクROMを
使用不能にするためのボンディング処理が個別に必要と
なり、マイクロコンピュータの低コスト化が阻害され
る。また、衝撃等によってボンディングワイヤが外れあ
るいは故意にパッケージを分解してボンディングワイヤ
を外す等により、マスクROMをアクセス可能な状態に
戻してその保持データを読み出すことが可能となり、こ
れによって初期のユーザから得た情報が他のユーザに漏
れてしまう。
【0006】この発明の目的は、ボンディング処理を施
すことなく内蔵するマスクROMを使用不能な状態にし
うるシングルチップマイクロコンピュータ等の半導体装
置を提供することにある。この発明の他の目的は、マス
クROMを内蔵するシングルチップマイクロコンピュー
タ等の低コスト化を推進し、その初期のユーザから得た
情報の漏洩を防止することにある。
【0007】この発明の前記ならびにその他の目的と新
規な特徴は、この明細書の記述及び添付図面から明らか
になるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次
の通りである。すなわち、マスクROMを内蔵するシン
グルチップマイクロコンピュータ等において、マスクR
OMの起動部に、予め少なくともそのチャンネル上部の
保護膜が選択的に除去又は薄くされかつ保護膜形成後に
イオン注入処理が選択的に施されることでそのしきい値
電圧が選択的に変化される起動制御MOSFETを設
け、この起動制御MOSFETを選択的にオン状態とす
ることでマスクROMに対する起動制御信号を選択的に
無効とする。
【0009】
【作用】上記手段によれば、ボンディング処理を施すこ
となく、しかもウエハ状態で一括してあるいはパッケー
ジ封入前の任意の製造工程において、内蔵するマスクR
OMを選択的にかつ確実に使用不能な状態としうるシン
グルチップマイクロコンピュータ等の半導体装置を実現
することができる。この結果、マスクROMを内蔵する
シングルチップマイクロコンピュータ等の低コスト化を
推進し、その初期のユーザから得た情報の漏洩を防止す
ることができる。
【0010】
【実施例】図1には、この発明が適用されたシングルチ
ップマイクロコンピュータの一実施例のブロック図が示
されている。同図をもとに、まずこの実施例のシングル
チップマイクロコンピュータの構成及び動作の概要につ
いて説明する。なお、図1の各ブロックを構成する回路
素子は、公知の半導体集積回路の製造技術により、単結
晶シリコンのような1個の半導体基板上に形成される。
【0011】図1において、この実施例のシングルチッ
プマイクロコンピュータは、特に制限されないが、いわ
ゆるストアドプログラム方式の中央処理装置CPUとク
ロック発生回路CPGとを備え、内部バスIBUSを介
して上記中央処理装置CPUに結合されるタイマー回路
TIM,バスコントローラBUSC,リードオンリーメ
モリROM,ランダムアクセスメモリRAM,シリアル
コミュニケーションインタフェースSCI及びA/D変
換器を備える。マイクロコンピュータには、外部端子V
CC及びVSSを介して電源電圧VCC及び接地電位V
SSがそれぞれ供給され、外部端子AVCC及びAVS
Sを介して電源電圧AVCC及び接地電位AVSSがそ
れぞれ供給される。このうち、電源電圧VCC及び接地
電位VSSは、中央処理装置CPUを含むディジタル回
路の動作電源として供給され、電源電圧AVCC及び接
地電位AVSSは、A/D変換器等のアナログ回路の動
作電源として供給される。中央処理装置CPUには、外
部端子STBY及びRESを介して、システム制御信号
となるスタンバイ信号STBY及びリセット信号RES
がそれぞれ供給される。なお、電源電圧VCC及びAV
CCは、特に制限されないが、+5Vのような正の電源
電圧とされる。
【0012】中央処理装置CPUは、リードオンリーメ
モリROMに格納されるユーザプログラムに従ってステ
ップ制御され、所定の演算処理を実行するとともに、マ
イクロコンピュータの各部を統括・制御する。また、ク
ロック発生回路CPGは、外部端子XTAL及びEXT
ALを介して図示されない外部の水晶発振子に結合さ
れ、所定の周波数のクロック信号を形成して、マイクロ
コンピュータの各部に供給する。タイマー回路TIM
は、クロック発生回路CPGから供給されるクロック信
号に従って時間を計時し、中央処理装置CPUの時間管
理に供する。また、バスコントローラBUSCは、内部
バスIBUSへのアクセスを統括し、中央処理装置CP
Uと各周辺デバイスとの間の情報授受を制御する。この
実施例において、バスコントローラBUSCは、後述す
るように、リードオンリーメモリROMを起動するため
のROM起動部ROMSを含む。
【0013】一方、リードオンリーメモリROMは、所
定の記憶容量を有するマスクROMからなり、中央処理
装置CPUの制御に必要なプログラムや固定データ等を
格納する。また、ランダムアクセスメモリRAMは、例
えば所定の記憶容量を有するスタティック型RAMから
なり、中央処理装置CPUによる演算結果や制御データ
等を一時的に格納する。さらに、シリアルコミュニケー
ションインタフェースSCIは、例えばマイクロコンピ
ュータの外部に結合されるシリアル入出力装置と中央処
理装置CPU又はランダムアクセスメモリRAMとの間
のデータ授受を統括・制御する。また、A/D変換器
は、外部の各種センサ等から図示されない外部端子Ai
nを介して入力されるアナログ入力信号を、例えば10
ビットのディジタル信号に変換し、内部バスIBUSを
介して中央処理装置CPU又はランダムアクセスメモリ
RAMに供給する。
【0014】なお、この実施例のシングルチップマイク
ロコンピュータでは、後述するように、保護膜形成後の
半導体基板に所定のイオン注入処理を施し、バスコント
ローラBUSCのROM起動部ROMSに含まれる起動
制御MOSFETをオフ状態とすることで、リードオン
リーメモリROMを使用不能な状態にすることができ
る。このようにリードオンリーメモリROMが使用不能
な状態とされたシングルチップマイクロコンピュータ
は、いわゆるパーシャル製品として、比較的低価格で初
期のユーザ以外のユーザに提供される。
【0015】この実施例のマイクロコンピュータは、さ
らに、外部装置とのインタフェースとなる9個の入出力
ポートIOP1〜IOP9とを備える。これらの入出力
ポートは、その一方において内部バスIBUSに結合さ
れ、その他方において外部の入出力装置ならびにセンサ
等に結合される。
【0016】図2には、図1のシングルチップマイクロ
コンピュータの一実施例の基板配置図が示されている。
同図により、この実施例のシングルチップマイクロコン
ピュータのレイアウトの概要について説明する。なお、
以下の説明では、図2の位置関係をもって半導体基板面
上での上下左右を表す。
【0017】図2において、シングルチップマイクロコ
ンピュータを構成する各部は、P型単結晶シリコンを基
体とする1個の半導体基板PSUB上に形成される。こ
のうち、9個の入出力ポートIOP1〜IOP9ならび
に各入出力端子に対応して設けられる多数のボンディン
グパッドを含む入出力部IOPは、半導体基板PSUB
の四辺にそって配置され、その内側左上部には、中央処
理装置CPUが配置される。中央処理装置CPUの下左
部には、マスクROMからなるリードオンリーメモリR
OMが配置され、その右側には、スタティック型RAM
等からなるランダムアクセスメモリRAMが配置され
る。また、ランダムアクセスメモリRAMの上部には、
ROM起動部ROMSを含むバスコントローラBUSC
が配置される。さらに、中央処理装置CPUの右側に
は、クロック発生回路CPG及びタイマー回路TIMが
配置され、その右側には、A/D変換器及びシリアルコ
ミュニケーションインタフェースSCIが配置される。
【0018】この実施例において、ROM起動部ROM
Sは、後述するように、素子及び配線等を保護するため
の保護膜がそのチャンネル上部において部分的に除去又
は薄くされる起動制御MOSFETを含む。言い換える
ならば、半導体基板PSUB上に形成される保護膜は、
ROM起動部ROMSの起動制御MOSFETのチャン
ネル上部を除いて所定の厚さとされ、その下層に形成さ
れた素子及び配線等を確実に保護する。保護膜形成後の
半導体基板PSUB上には、多数のマイクロコンピュー
タチップが形成されたウエハ状態において一括して、あ
るいはパッケージ封入前の任意の工程において個別に、
所定のイオン注入処理が選択的に施される。この結果、
上記起動制御MOSFETは、そのしきい値電圧が選択
的に高くされ、オフ状態となって、リードオンリーメモ
リROMに対するアクセスが選択的に禁止されるものと
なる。
【0019】図3には、図1のシングルチップマイクロ
コンピュータに含まれるROM起動部ROMSのイオン
注入前における一実施例の回路図が示され、図4には、
そのイオン注入後における一実施例の回路図が示されて
いる。また、図5には、図3及び図4のROM起動部R
OMSに含まれる起動制御MOSFETCN1の一実施
例の断面構造図が示されている。これらの図をもとに、
この実施例のマイクロコンピュータに含まれるROM起
動部ROMSの具体的構成及び動作ならびにその特徴に
ついて説明する。なお、以下の回路図において、そのチ
ャンネル(バックゲート)部に矢印が付されるMOSF
ETはPチャンネル型であって、矢印の付されないNチ
ャンネルMOSFETと区別して示される。
【0020】図3において、ROM起動部ROMSは、
特に制限されないが、そのドレインにROM起動制御信
号ROMEを受けるNチャンネル型の起動制御MOSF
ETCN1を含む。この起動制御MOSFETCN1の
ゲートは、回路の接地電位に結合される。また、そのソ
ースは、リードオンリーメモリROMの起動制御端子E
Nに結合されるとともに、PチャンネルMOSFETQ
P1を介して回路の電源電圧に結合される。MOSFE
TQP1は、そのゲートが回路の接地電位に結合される
ことで、定常的にオン状態とされる。なお、回路の電源
電圧は、前記電源電圧VCCすなわち+5Vのような正
の電源電圧とされる。また、ROM起動制御信号ROM
Eは、図示されないブレークコントローラBRCの前段
回路によって形成され、リードオンリーメモリROMの
非選択時において回路の電源電圧のようなハイレベルと
され、リードオンリーメモリROMの選択時において回
路の接地電位のようなロウレベルとされる。
【0021】この実施例において、起動制御MOSFE
TCN1は、素子又は配線等を形成するための一連の製
造工程が終了した通常の状態で、言い換えるならばイオ
ン注入処理が施されない状態で、比較的低いしきい値電
圧(Vth)を持つように設計される。また、素子又は
配線等を保護するために半導体基板PSUBの最上層に
形成される保護膜PVは、図5に示されるように、起動
制御MOSFETCN1のチャンネル上部つまりはゲー
ト層FG上部において部分的に除去され、起動制御MO
SFETCN1は、保護膜形成後、半導体基板PSUB
の全面にわたって所定のイオン注入処理が施されること
で、そのしきい値電圧が選択的に高くされる。なお、図
5の実施例では、起動制御MOSFETCN1のゲート
層FG上部に形成される層間絶縁膜ISBは、ロコスL
OCOS上部やその他のMOSFETのゲート層FG上
部に形成される層間絶縁膜と同様な厚みとされる。ま
た、起動制御MOSFETCN1のドレイン及びソース
となる二つのN型拡散層DNは、対応する金属配線層M
Lを介してブレークコントローラBRCの前段回路又は
リードオンリーメモリROMの起動制御端子ENにそれ
ぞれ結合される。
【0022】イオン注入処理が施されず、起動制御MO
SFETCN1のしきい値電圧が比較的低くされると
き、ROM起動部ROMSでは、起動制御MOSFET
CN1が定常的にオン状態となり、リードオンリーメモ
リROMの起動制御端子ENには、図示されない前段回
路によって形成されるROM起動制御信号ROMEが伝
達される。このため、リードオンリーメモリROMは、
ROM起動制御信号ROMEがロウレベルとされること
で、選択的に選択状態とされる。このとき、リードオン
リーメモリROMは、内部バスIBUSのアドレスバス
を介して供給されるi+1ビットのアドレス信号A0〜
Aiに従ってj+1個のメモリセルを選択してその保持
データを読み出し、読み出しデータD0〜Djとして内
部バスIBUSのデータバスを介して中央処理装置CP
U等に出力する。
【0023】一方、図4に示されるように、保護膜形成
後の半導体基板PSUBにイオン注入処理が施され、起
動制御MOSFETCN1のしきい値電圧が比較的高く
されると、ROM起動部ROMSでは、起動制御MOS
FETCN1がオフ状態となる。したがって、リードオ
ンリーメモリROMの起動制御端子ENには、ROM起
動制御信号ROMEが伝達されず、MOSFETQP1
を介して回路の電源電圧のようなハイレベルが定常的に
供給される。このため、リードオンリーメモリROM
は、ROM起動制御信号ROMEの論理レベルに関係な
く定常的に非選択状態とされ、アクセス不能な状態とな
る。
【0024】つまり、この実施例のマイクロコンピュー
タでは、保護膜形成後の半導体基板PSUBにイオン注
入処理という特殊な処理を施すことで、言い換えるなら
ば所定のボンディングパッドに対するボンディング処理
を施すことなく、起動制御MOSFETCN1を選択的
にオフ状態とし、リードオンリーメモリROMを使用不
能な状態とすることができる。また、このようなイオン
注入処理は、周知のように、多数のマイクロコンピュー
タチップが形成されるウエハ状態で一括して、あるいは
パッケージ封入前の任意の工程において行うことができ
るとともに、一旦高くされた起動制御MOSFETのし
きい値電圧をもとに戻すことは困難であり、リードオン
リーメモリROMの内容を故意に読み取ることは困難と
なる。これらの結果、リードオンリーメモリROMを内
蔵するシングルチップマイクロコンピュータの低コスト
化を推進できるとともに、その初期のユーザから得た情
報の他のユーザへの漏洩を防止することができるもので
ある。
【0025】以上の本実施例に示されるように、この発
明をマスクROMを内蔵するシングルチップマイクロコ
ンピュータ等の半導体装置に適用することで、次のよう
な作用効果が得られる。すなわち、 (1)マスクROMの起動部に、予め少なくともそのチ
ャンネル上部の保護膜が部分的に除去されかつ保護膜形
成後にイオン注入処理が選択的に施されることでそのし
きい値電圧が選択的に変化される起動制御MOSFET
を設け、この起動制御MOSFETを選択的にオン状態
とすることでマスクROMに対する起動制御信号を選択
的に無効とすることにより、ボンディング処理を施すこ
となく、内蔵するマスクROMを選択的にかつ確実に使
用不能な状態としうるシングルチップマイクロコンピュ
ータ等を実現できるという効果が得られる。
【0026】(2)上記(1)項におけるイオン注入処
理は、多数のマイクロコンピュータチップが形成された
ウエハ状態で一括して、あるいはパッケージ封入前の任
意の製造工程において行うことができるため、シングル
チップマイクロコンピュータの製造工程を効率化できる
という効果が得られる。 (3)上記(1)項において、イオン注入という特殊な
処理によってマスクROMを使用不能な状態とすること
で、パッケージ分解等によりマスクROMが容易に使用
可能な状態に戻されるのを防止できるという効果が得ら
れる。 (4)上記(1)項ないし(3)項により、マスクRO
Mを内蔵するシングルチップマイクロコンピュータ等の
低コスト化を推進し、その初期のユーザから得た情報の
漏洩を防止することができるという効果が得られる。
【0027】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例に基づき具体的に説明したが、この発明は、上記実
施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない
範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例え
ば、図1において、シングルチップマイクロコンピュー
タは、ランダムアクセスメモリRAMやシリアルコミュ
ニケーションインタフェースSCI等を含まないもので
あってもよいし、そのブロック構成は、種々の実施形態
を採りうる。図2において、ROM起動部ROMSは、
リードオンリーメモリROMに含まれるものとしてもよ
いし、各部の具体的なレイアウトは、この実施例による
制約を受けない。
【0028】図3及び図4において、リードオンリーメ
モリROMは、例えば出力制御のための出力イネーブル
信号を備えることができるし、ROM起動部ROMSの
具体的な構成は、その論理条件が同一であることを条件
に、種々の実施形態を採りうる。ROM起動部ROMS
は、図8及び図9に例示されるように、イオン注入処理
が施されない通常の状態でそのしきい値電圧が比較的高
くされる起動制御MOSFETCN2をもとに構成する
ことができる。この場合、起動制御MOSFETCN2
は、回路の電源電圧とリードオンリーメモリROMの起
動制御端子ENとの間に設けられ、そのゲートは、回路
の接地電位に結合される。また、リードオンリーメモリ
ROMの起動制御端子ENには、直接ROM起動制御信
号ROMEが供給される。この結果、リードオンリーメ
モリROMは、イオン注入処理が施されず起動制御MO
SFETCN2のしきい値電圧が比較的高くされると
き、その起動制御端子ENがROM起動制御信号ROM
Eに従って選択的にロウレベルとされ、アクセス可能な
状態とされるが、イオン注入処理が施され起動制御MO
SFETCN2のしきい値電圧が比較的低くされると、
その起動制御端子ENが定常的にハイレベルとされ、ア
クセス不能な状態とされる。
【0029】起動制御MOSFETCN1は、図6に示
されるように、そのゲート層FGを他のMOSFET
(第2のMOSFET)に比較して薄くすることで、イ
オン注入処理にともなうしきい値電圧の変化を大きくす
ることができる。また、図7に示されるように、保護膜
PVを起動制御MOSFETCN1の上部で部分的に薄
くすることで、保護膜PVの効果を残しながらイオン注
入処理を行うこともできる。保護膜形成後のイオン注入
処理は、例えばFIB(Focused IonBea
m)装置を用いることで、起動制御MOSFETCN1
の付近だけ部分的に行うことができる。また、イオン注
入後、起動制御MOSFET上部の保護膜PVを補強す
ることで、保護膜PVが部分的に除去又は薄くされるこ
との影響を少なくすることができる。保護膜PVは、起
動制御MOSFETCN1のチャンネル上部を含みかつ
他のMOSFET等の特性に影響を与えることのない比
較的広い範囲て除去又は薄くすることができる。さら
に、起動制御MOSFETCN1の具体的なデバイス構
造は、これらの実施例による制約を受けない。
【0030】以上の説明では、主として本発明者によっ
てなされた発明をその背景となった利用分野であるマス
クROMを内蔵するシングルチップマイクロコンピュー
タならびにマスクROMのアクセス制御に適用した場合
について説明したが、それに限定されるものではなく、
例えば、マスクROMを内蔵する各種のディジタル集積
回路装置やダイナミック型RAM及びスタティック型R
AM等の欠陥救済等にも適用できる。また、イオン注入
処理によってその電気的特性が変化される素子は、例え
ばPチャンネルMOSFETであってもよいし、拡散抵
抗等のようなMOSFET以外の素子であってもよい。
この発明は、少なくともその電気的特性が選択的に変化
される素子を含む半導体装置に広く適用できる。
【0031】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。すなわち、マスクROMを内蔵するシ
ングルチップマイクロコンピュータ等において、マスク
ROMの起動部に、予め少なくともそのチャンネル上部
の保護膜が選択的に除去又は薄くされかつ保護膜形成後
にイオン注入処理が選択的に施されることでそのしきい
値電圧が選択的に変化される起動制御MOSFETを設
け、この起動制御MOSFETを選択的にオン状態とす
ることでマスクROMに対する起動制御信号を選択的に
無効とする。これにより、ボンディング処理を施すこと
なく、しかもウエハ状態で一括してあるいはパッケージ
封入前の任意の製造工程において、内蔵するマスクRO
Mを選択的にかつ確実に使用不能な状態としうるシング
ルチップマイクロコンピュータ等の半導体装置を実現す
ることができる。この結果、マスクROMを内蔵するシ
ングルチップマイクロコンピュータ等の低コスト化を推
進し、その初期のユーザから得た情報の漏洩を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用されたシングルチップマイクロ
コンピュータの一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1のシングルチップマイクロコンピュータの
一実施例を示す基板配置図である。
【図3】図1のシングルチップマイクロコンピュータに
含まれるROM起動部のイオン注入前における第1の実
施例を示す回路図である。
【図4】図3のROM起動部のイオン注入後における回
路図である。
【図5】図3のROM起動部に含まれる起動制御MOS
FETの第1の実施例を示す断面構造図である。
【図6】図3のROM起動部に含まれる起動制御MOS
FETの第2の実施例を示す断面構造図である。
【図7】図3のROM起動部に含まれる起動制御MOS
FETの第3の実施例を示す断面構造図である。
【図8】図1のシングルチップマイクロコンピュータに
含まれるROM起動部のイオン注入前における第2の実
施例を示す回路図である。
【図9】図8のROM起動部のイオン注入後における回
路図である。
【図10】この発明に先立って本願発明者等が開発した
シングルチップマイクロコンピュータに含まれるROM
起動部の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
CPU・・・中央処理装置、CPG・・・クロック発生
回路、IBUS・・・・内部バス、TIM・・・タイマ
ー回路、BUSC・・・バスコントローラ、ROM・・
・リードオンリーメモリ、RAM・・・ランダムアクセ
スメモリ、SCI・・・シリアルコミュニケーションイ
ンタフェース、A/D・・・A/D変換器、IOP1〜
IOP9・・・入出力ポート。PSUB・・・P型半導
体基板、IOP・・・入出力部、ROMS・・・ROM
起動部。CN1〜CN2・・・NチャンネルMOSFE
T(起動制御MOSFET)、QP1〜QP2・・・P
チャンネルMOSFET、N1・・・インバータ、NA
G1・・・ナンド(NAND)ゲート。PV・・・保護
膜、ML・・・金属配線層、ISB・・・絶縁膜、LO
COS・・・ロコス、FG・・・ゲート層、DN・・・
N型拡散層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴川 一文 東京都小平市上水本町5丁目22番1号 株 式会社日立マイコンシステム内 (72)発明者 戸谷 達郎 東京都小平市上水本町5丁目22番1号 株 式会社日立マイコンシステム内 (72)発明者 渋川 義導 東京都小平市上水本町5丁目22番1号 株 式会社日立マイコンシステム内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素子及び配線等を形成するための一連の
    製造工程が終了した後にイオン注入処理が選択的に施さ
    れることでその電気的特性が選択的に変化される素子を
    具備することを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 上記イオン注入処理が選択的に施される
    ことでその電気的特性が選択的に変化される素子は、M
    OSFETであって、上記電気的特性は、そのしきい値
    電圧であることを特徴とする請求項1の半導体装置。
  3. 【請求項3】 上記MOSFETは、そのしきい値電圧
    が選択的に変化されることで選択的にオン状態又はオフ
    状態とされるものであることを特徴とする請求項2の半
    導体装置。
  4. 【請求項4】 上記イオン注入処理は、保護膜形成後に
    施されるものであって、上記保護膜は、予め少なくとも
    上記MOSFETのチャンネル上部において部分的に除
    去され又は薄くされるものであることを特徴とする請求
    項2又は請求項3の半導体装置。
  5. 【請求項5】 上記MOSFETのゲート層は、上記イ
    オン注入処理が施されることでその電気的特性が変化さ
    れない他のMOSFETに比較して薄くされるものであ
    ることを特徴とする請求項4の半導体装置。
  6. 【請求項6】 上記半導体装置は、マスクROMを内蔵
    するシングルチップマイクロコンピュータであって、上
    記イオン注入処理が選択的に施されることでそのしきい
    値電圧が選択的に変化されるMOSFETは、上記マス
    クROMに対するアクセスを選択的に禁止するためのも
    のであることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項
    3,請求項4又は請求項5の半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100856438B1 (ko) * 2006-07-31 2008-09-04 미쓰미덴기가부시기가이샤 싱글·칩 반도체 집적회로 장치의 제조방법, 프로그램디버그 방법, 마이크로 컨트롤러의 제조방법

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KR100856438B1 (ko) * 2006-07-31 2008-09-04 미쓰미덴기가부시기가이샤 싱글·칩 반도체 집적회로 장치의 제조방법, 프로그램디버그 방법, 마이크로 컨트롤러의 제조방법

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