JPH0611889B2 - A1―Li系合金の溶製方法 - Google Patents

A1―Li系合金の溶製方法

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JPH0611889B2
JPH0611889B2 JP1259904A JP25990489A JPH0611889B2 JP H0611889 B2 JPH0611889 B2 JP H0611889B2 JP 1259904 A JP1259904 A JP 1259904A JP 25990489 A JP25990489 A JP 25990489A JP H0611889 B2 JPH0611889 B2 JP H0611889B2
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雅康 豊嶋
一嘉 岡
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高純度のAl-Li系合金の溶製方法に関するも
のであり、特に、Liは活性度が高く耐火材料と反応しや
すいことから耐火物を特定することによって、溶製され
た合金中の不純物を軽減させるものである。
〔従来の技術〕
Al-Li系合金は、従来のAl合金に比較して軽量かつ高強
度であることから、航空機用材料等の分野で開発が進め
られている。Al-Li系合金の製造法としては、溶解鋳造
方式と粉末冶金方式がある。このうち、溶解鋳造方式で
は、Liの活性が高く、雰囲気ガス及び溶湯と接する耐火
炉材との反応により、合金汚染、Li含有量の減少、
耐火物の侵食、破損などが生じ、高純度の合金が得ら
れず、Li添加の効果が十分発揮されないという問題があ
った。
また、カルシャ質耐火物で構成された容器を用いて、非
酸化性雰囲気で溶製する方法(特開昭62−15883
5号公報)が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、これらの従来の製造方法のうち、溶解鋳
造方式では、Liが活性金属であることから、空気中の酸
素、窒素、水素、水分などと化合し易く、また、溶湯と
接する耐火炉材による合金汚染やLi2O系酸化物の生成、
Li含有量の減少等の問題が生起する。すなわち、溶製雰
囲気と反応して、 2Li+1/2O2 → Li2O 3Li+1/2N2 → Li3N Li+1/2H2 → LiH Li+H2O → LiOH+1/2H2 となり、溶湯中のLi含有量を減少させるとともにLi2O
は、溶湯中に残留し、介在物となり、合金汚染の原因と
なる。また、H2は溶湯中に残留し、鋳塊のガス欠陥とな
る。また、耐火物と反応して 4Li+3SiO2 → Si+2Li2SiO3 2Li+MgO → Mg+Li2O 6Li+Fe2O3 → 2Fe+3Li2O 6Li+Cr2O3 → 2Cr+3Li2O 2Li+Na2O → 2Na+Li2O 2Li+2C → Li2C2 3Li+2Al2O3 → Al+3LiAlO2 すなわち、耐火物の成分と反応して、耐火物を溶損、破
壊させる。また、Li含有量を減少させるとともに、Li2S
iO3,Li2O,Li2C2などは、溶湯中に残留し、介在物とな
り、合金汚染の原因となる。Si,Ca,Fe,Cr,Naなどは
溶湯中に遊離し、不純物元素を増加させる原因となる。
このようにAl−Li系合金は、通常の耐火物炉材を用いた
溶解では良質な合金は得られず、また、 Liは、溶解時に酸化揮発損失しやすい。
酸化物が溶湯に巻き込まれ、これは極めて除去しがた
い。
ガスを吸収するので材料中に気泡が発生しやすい。
等の様々な問題をもっている。
また、カルシャ耐火物炉材を使用し、上記問題点を解消
しようとするものは、酸化物としてのO2は低下するが、
Al−Li合金に有害なCaが溶出して、合金が汚染されると
いう問題がある。また、カルシャ耐火物は吸湿性であ
り、耐火物の保存や築炉から溶製までの管理に注意を要
する。
また、AlとLiを均一組成に溶製することは困難で、また
不純物が多いことから、得られるインゴットは塑性加工
に際し極めて割れやすいという欠点がある。
これに対し、粉末冶金方式は、粉末を混合・ホットプレ
ス法等で成形するため、この混合中に雰囲気ガスの巻き
込み等による酸化物の生成があり、しかも得られた粉末
は爆発しやすいことから、保存が困難であるという問題
もある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記従来の実情に鑑み、Al−Li系合金の工業
的に極めて有利な溶製方法を提供するものであって、Al
−Li系合金を溶製するに際し、溶解炉内面及び溶湯と接
触する部分がアルミナ含有量が95%以上の高アルミナ
質耐火物で構成された容器を用いて、Liに対し不活性な
ガス雰囲気(Al又はHe)中にて溶製することを特徴とす
るAl−Li系合金の溶製方法を要旨とするものである。
〔作用〕
本発明の構成と作用につき詳細に説明する。なお、本明
細書において「%」は「重量%」を示す。
本発明において、Al−Li系合金とは、(1.7〜2.9%)Li
−(0.4〜3.3%)Cu−(0.2〜1.9%Mg−(0.04〜0.16
%)Zrを含有するAl−Li系合金であって、その他の元素
として、Si,Fe,Mn,Cr,Zn,Ti,Na,Ca,Kを一定量
以下に制限する必要がある。このうち、Na,Ca,Kは、
靭性の改善のため、これらの全量で10ppm以下に制限
する必要がある。
本発明においては、このようなAl−Li系合金を、内面が
Al2O3が95%以上のアルミナ質耐火材料で構成された
容器を用い、Liに対して不活性であるAr,He雰囲気下
で、常法例えば高周波あるいは低周波誘導加熱法等で加
熱して溶解させて溶解する。このようなアルミナ質耐火
材料のAl2O3含有量が高いほど、CaO,SiO2含有量が少な
いため、Liとの反応は少なく不純物の生成が軽減され
て、溶湯の汚染は防止される。したがって、Al2O3含有
量が95%以上の耐火材料を使用すべきである。
Al2O3は、高融点であると共に高温で極めて安定であ
り、Liと反応してLi2O酸化物を生成することがなくLiAl
O2(リチュウムアルミネート)となって、耐火物の表面
を覆いAl−Li溶湯に対して保護作用をもつため、Al−Li
系合金溶湯のLiを減少させたり、不純物により汚染する
ことがない。
3Li+2Al2O3 → Al+3LiAlO2 また、95%以上の高アルミナ耐火材料は、CaO,SiO2
含有量が少ないため、CaやSiで汚染されることがない。
このため、内面が95%Al2O3の炉材で構成された容器
を用いることにより、従来溶製困難とされた高純度なAl
−Li系合金の溶製が可能となった。
〔実施例〕
本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
実施例1 第1図は本発明の実施に使用する溶解炉の概要を示して
おり、加熱炉1内にArなど不活性雰囲気の流入するよう
にした気密容器2を装入し、該容器に溶湯4を入れた試
験用ルツボを収納する。気密容器には酸素濃度計の検出
部5が、試験用ルツボには熱電対6がそれぞれ設置され
る。このような溶解炉を用いAl−Li溶湯に対する不純物
量(溶湯汚染)を調査した。使用した耐火物は、第1表
に示す10種類であり、不純物成分がSi=160ppm、F
e=440ppm、Ca,Na,Cr,Mgが10ppm以下であるAl
−2.5%Li合金を、上記10種類の耐火物ルツボに装入
し(第1図)、これを気密容器に入れ、850℃で、Ar
を流通させながら溶解し、溶湯中の不純物の増加量を調
べた。その結果を第1表に示した。
NO.1およびNO.2は、本発明例の高アルミナ系耐火物を
使用した場合で、Siが240および200ppm、Feが5
00および480ppmに増加したが、Ca,Na,Cr,Mgの
増加は認められなかった。
しかし、比較例のNO.3は、90%のアルミナ耐火物を
使用した場合で、Siが1000ppm、Caが20ppmに増加
し、不純物が多くなり、好ましくない。
NO.4は、通常の85%のアルミナ耐火物を使用した場
合で、Siが1250ppm、Caが27ppmに増加し、不純物
が多くなり、好ましくない。
NO.5は、Al2O3−Cr2O3耐火物を使用した場合で、Siが
1500ppm、Caが2900ppm、Crが7%および不溶性
不純物が6%に増加し、不純物が多くなり、好ましくな
い。
NO.6は、MgO耐火物を使用した場合で、Si,Ca,Fe,Mg
が若干増加するほか、不溶性不純物が1%増加し、不純
物が多くなり、好ましくない。ただし、Mgは、本合金の
基本成分として含有する場合があるので、不純物とはな
らないこともある。
NO.7は、MgO−CaO耐火物を使用した場合で、Caが15
00ppmに増加し、好ましくない。
NO.8は、Al2O3−MgO耐火物を使用した場合で、Si,Fe
が若干増加した。
NO.9は、酸化物ボンドで固めたSiC耐火物を使用した場
合で、Si,Ca,Fe,Crおよび不溶性不純物が4%に増加
し、好ましくない。
NO.10は、窒化物ボンドで固めたSiC耐火物を使用した
場合で、Si,Ca,Feおよび不溶性不純物が5%に増加
し、好ましくない。
実施例2 実施例1と同様な溶解を行い、850℃で100時間保
持し、耐火物の耐破損性、溶湯浸透性、耐侵食性等を調
査した。その結果を第1表に示す。
NO.1の本発明例の高アルミナ系耐火物の場合は、溶湯
の浸透が若干見られたが、耐破損性、耐侵食性に優れる
ものであって、しかし、比較例の耐火物は、溶湯浸透が
大きく、破損や侵食が見られるものである。
〔発明の効果〕
以上詳述したとおり、本発明のAl−Li系合金の溶製方法
は、 酸化物介在物量が低減され、酸素、窒素、水素等のコ
ンタミの少ないAl−Li系合金を容易に得ることができ
る。
従って、得られる合金は極めて強度等の特性に優れた
ものとなる。
極めて均質な組成の合金が得られる。
このため、鋳造後のインゴットは、鋳造に際して割れ
ることがなく、Al−Li系合金の溶解、鋳造を安定かつ容
易に行える。
等の様々な効果が奏され、工業的に極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施に使用する溶解炉の概要図で
ある。 1…加熱炉 2…気密容器 3…試験用ルツボ 4…溶湯 5…酸素濃度計検出部 6…熱電対

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al−(1.5〜3.0%)Li系合金を溶製するに
    際し、溶解炉内面及び溶湯と接触する部分がAl2O3含有
    量が95%以上の高アルミナ質耐火物で構成された容器
    を用いて、Liに対して不活性であるAr,Heガス雰囲気中
    にて溶製することを特徴とするAl-Li系合金の溶製方
    法。
JP1259904A 1989-10-06 1989-10-06 A1―Li系合金の溶製方法 Expired - Lifetime JPH0611889B2 (ja)

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