JPH06117716A - 液化冷凍装置の予冷方法及び装置 - Google Patents

液化冷凍装置の予冷方法及び装置

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JPH06117716A
JPH06117716A JP26623992A JP26623992A JPH06117716A JP H06117716 A JPH06117716 A JP H06117716A JP 26623992 A JP26623992 A JP 26623992A JP 26623992 A JP26623992 A JP 26623992A JP H06117716 A JPH06117716 A JP H06117716A
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JP
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temperature side
heat exchanger
turbine
line
pressure line
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JP26623992A
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Inventor
Tetsuro Matsumoto
哲朗 松本
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 全熱交換器及び膨張タービンをバランス良く
予冷して装置全体の予冷時間を大幅に短縮する。 【構成】 高圧ライン3に沿って最高温側熱交換器5a
を通過することにより補助冷却されたヘリウムガスを、
予冷用バイパスライン16を通じて、低圧ライン4にお
いて最低温側熱交換器5fの近傍に位置する部分に供給
するとともに、定圧ライン4において低温側膨張タービ
ン12入口のすぐ高温側に位置する熱交換器5dとこの
熱交換器5dの低温側に隣接する熱交換器5eとの間の
部分に供給し、これによって上記熱交換器5d及び低温
側膨張タービン12の予冷を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の熱交換器及び寒
冷発生用のタービン式膨張機を備えた液化冷凍装置の予
冷方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ヘリウム液化冷凍装置をはじめ
とする極低温液化冷凍装置は、複数の熱交換器を備え、
この熱交換器に圧縮機の動力によって冷媒を循環させる
ことにより、冷凍や冷媒の液化が行われる。
【0003】図5は、従来の一般的な液化冷凍装置の一
例を示したものである。図において、90は圧縮機、9
1は被冷却体、92は保冷箱であり、この保冷箱92内
には高温側(図では上側)から順に6つの熱交換器93
a,93b,93c,93d,93e,93fが設けら
れている。圧縮機90の吐出側及び吸込み側は、それぞ
れ、上記各熱交換器93a〜93fを通る高圧ラインH
L及び低圧ラインLLを介して冷凍負荷91に接続され
ている。高圧ラインHLにおいて上記熱交換器93b,
93cの間に位置する部分は、タービンライン94を介
し、低圧ラインLLにおいて熱交換器93e,93fの
間に位置する部分に接続されており、このタービンライ
ン94の途中には高温側膨張タービン95a及び低温側
膨張タービン95bが設けられ、高圧ラインHLにおい
て熱交換器93fよりも下流側の位置にはJT弁96が
設けられている。また、最高温側熱交換器93aは3流
体熱交換器とされ、この熱交換器93aに補助冷却用の
液体窒素ライン97が通されている。
【0004】このような装置では、起動前の常温状態か
ら通常運転時の極低温状態まで予冷を行う必要がある。
この予冷は、上記熱交換器93aの液体窒素ライン97
を流れる液体窒素で冷媒を補助冷却し、さらに膨張ター
ビン95a,95bの発生する寒冷を利用して行われ
る。
【0005】ところが、このような予冷方法では、上記
最高温側の熱交換器93aに近い熱交換器93bから順
に冷却されるため、最低温側の熱交換器93fまで十分
に冷却するには非常に長い時間を要し、液化冷凍機全体
の予冷時間が長大となる不都合がある。
【0006】そこで、特公平2−50382号公報で
は、上記図5に示した高圧ラインHLにおいて最高温側
熱交換器93a内に位置する部分と、低圧ラインLLに
おいて最低温側熱交換器93fよりも低温側に位置する
部分とをラピッドクール回路で接続し、上記最高温側熱
交換器93aにおいて液体窒素により補助冷却された冷
媒(ヘリウムガス)を最低温側熱交換器93fに供給す
ることにより、この最低温側熱交換器93fと最高温側
熱交換器93aとを並行して冷却するようにしたものが
提案されている。
【0007】また、特公平2−50381号公報では、
前記図5に示した最高温側熱交換器93aで補助冷却さ
れた冷媒を同図に示す低温側膨張タービン95bの入口
に直接供給することにより、この膨張タービン95bの
寒冷発生量を増大させて予冷時間の短縮を図るものが提
案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特公平2−503
82号公報の装置では、最低温側熱交換器の低温側にラ
ピッドクール回路が接続されているので、補助寒冷を最
低温側熱交換器の冷却には有効に利用することができる
が、低温側の膨張タービンの予冷には有効に利用できな
い。このため、高温側膨張タービンに比べて低温側膨張
タービンの入口温度が低下するまでには非常に長い時間
を要し、両膨張タービンを十分に良く活用できない不都
合がある。
【0009】より具体的に説明すると、例えば2台の膨
張タービンを直列に接続し、定格運転時の各膨張タービ
ンの入口温度を45K及び15Kとした場合、予冷運転
時にも2台の膨張タービンからバランス良く寒冷を発生
させるためには、予冷運転中の各膨張タービンの入口温
度を定格入口温度の比(この場合は45/15=3)に
維持しながら低下させるのが理想であるが、上記装置で
は、予冷時においてより低温になるべき低温側膨張ター
ビンの入口温度の方が高温側膨張タービンの入口温度よ
りも高いため、高温側膨張タービンを有効に働かせるこ
とができない。
【0010】一方、特公平2−50381号公報の装置
では、補助冷却された冷媒が直接低温側膨張タービンの
入口に供給されるので、この入口温度を補助冷却用の液
体窒素の温度レベルまでは迅速に低下させることができ
るが、低温側膨張タービン入口のすぐ高温側に位置する
熱交換器を有効に冷却することができないため、この熱
交換器が取り残されて長い期間ほぼ常温に近い状態を保
つことになり、最終的に液化冷凍装置全体の予冷を完了
するには依然として長い時間を要することとなる。ま
た、この熱交換器が冷却されないために、高温側膨張タ
ービンの発生寒冷を低温側膨張タービンの冷却に有効利
用することができず、このため、低温側膨張タービンの
入口温度を上記液体窒素の温度レベルまでは迅速に低下
できてもそれ以下の温度まで冷却させるには上記熱交換
器の温度低下を待たなければならない。従って、膨張タ
ービンの予冷が途中で停滞する欠点がある。
【0011】本発明は、このような事情に鑑み、全熱交
換器及び膨張タービンをバランス良く予冷して装置全体
の予冷時間を大幅に短縮することができる方法及び装置
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、冷媒を圧送す
る圧縮機と、この圧縮機から圧送された冷媒が循環され
る高圧ライン及び低圧ラインと、上記高圧ラインを流れ
る冷媒と上記低圧ラインを流れる冷媒との間で熱交換を
行わせる複数の熱交換器と、上記高圧ラインの途中部分
と低圧ラインの途中部分とを接続するタービンライン
と、このタービンラインに設けられる高温側タービン式
膨張機及び低温側タービン式膨張機とを備え、上記熱交
換器のうちの最高温側熱交換器で冷媒が補助冷却される
とともに、上記高温側タービン式膨張機の出口と低温側
タービン式膨張機の入口との間に少なくとも一つの熱交
換器が介在する液化冷凍装置の予冷方法であって、上記
高圧ラインを流れて上記最高温側熱交換器で補助冷却さ
れた後の冷媒を、上記低圧ラインにおいて上記低温側タ
ービン式膨張機入口のすぐ高温側に位置する熱交換器と
この熱交換器の低温側に隣接する熱交換器との間の部分
及び最低温側熱交換器の近傍部分に供給するものである
(請求項1)。
【0013】また本発明は、上記液化冷凍装置の予冷装
置であって、上記高圧ラインにおいて上記最高温側熱交
換器とこれに隣接する熱交換器との間に位置する部分
と、上記低圧ラインにおいて上記低温側タービン式膨張
機入口のすぐ高温側に位置する熱交換器とこの熱交換器
の低温側に隣接する熱交換器との間に位置する部分及び
最低温側熱交換器の近傍部分とを接続する予冷バイパス
ラインを備え、この予冷バイパスラインの途中に、同予
冷バイパスラインを開閉する開閉手段を設けたものであ
る(請求項2)。
【0014】この装置は、単一のタービンラインに上記
高温側タービン式膨張機及び低温側タービン式膨張機を
相互直列に配設し、このタービンラインにおいて両ター
ビン式膨張機の間に位置する部分を上記熱交換器のうち
の特定の熱交換器に通すとともに、低圧ラインにおいて
上記特定の熱交換器とこの熱交換器の低温側に隣接する
熱交換器との間の部分に上記予冷バイパスラインを接続
したものであってもよいし(請求項3)、高温側タービ
ン式膨張機が設けられる高温側タービンラインと、低温
側タービン式膨張機が設けられる低温側タービンライン
とを相互独立して配し、上記高温側タービンラインの出
口と上記低温側タービンラインの入口との間に特定の熱
交換器を配置するとともに、上記低圧ラインにおいて上
記特定の熱交換器とこの熱交換器の低温側に隣接する熱
交換器との間の部分に上記予冷バイパスラインを接続し
たものであってもよい(請求項4)。
【0015】なお、ここで「高温側」及び「低温側」と
いう表現は、液化冷凍装置の通常運転時における温度関
係に基づいて行うものとする。
【0016】
【作用】請求項1,2記載の方法及び装置によれば、最
高温側熱交換器で補助冷却された冷媒が低圧ラインにお
いて最低温側熱交換器と隣接する部分に供給されること
により、この最低温側熱交換器の予冷が促進されるのに
加え、上記冷媒が上記低圧ラインにおいて低温側膨張タ
ービン入口のすぐ高温側に位置する特定の熱交換器の低
温側部分に供給されることにより、この熱交換器も積極
的に冷却される。これにより、全熱交換器がバランス良
く冷却されるのに加え、上記特定の熱交換器の冷却に伴
って低温側膨張タービンの入口温度も迅速に低下し、両
膨張タービンはバランス良く予冷される。
【0017】すなわち、この装置では、補助寒冷を利用
して低温側膨張タービン及びその入口のすぐ高温側に位
置する熱交換器の双方を有効に予冷できる。
【0018】
【実施例】本発明の第1実施例を図1に基づいて説明す
る。なお、この実施例ではヘリウム液化冷凍装置を示す
が、本発明では冷媒の種類を問わず、圧縮機の作動によ
り冷媒が循環される種々の液化冷凍装置について適用が
可能である。
【0019】図において、1は冷凍負荷、2は保冷箱で
あり、保冷箱2の外部には圧縮機10が設けられ、この
圧縮機10の吐出側が高圧ライン3を介して冷凍負荷1
に接続されるとともに、この冷凍負荷1が低圧ライン4
を介して圧縮機10の吸込み側に接続されている。
【0020】保冷箱2内には、上記高圧ライン3及び低
圧ライン4の双方が通る熱交換器として、高温側から順
に6つの熱交換器5a,5b,5c,5d,5e,5f
が設置されており、最高温側の熱交換器5aには補助冷
却用の液体窒素が供給される液体窒素ライン7が通って
いる。また、高圧ライン3において、最低温側の熱交換
器5fの出口側の位置にはJT弁6が設けられている。
【0021】高圧ライン3における上記熱交換器5b,
5cの間の位置と、低圧ライン4における熱交換器5
e,5fの間の位置とは、タービンライン13を介して
接続されている。このタービンライン13には、寒冷発
生用の高温側タービン式膨張機(以下、高温側膨張ター
ビンと称する。)11及び低温側タービン式膨張機(以
下、低温側膨張タービンと称する。)12が相互直列に
配され、タービンライン13において両膨張タービン1
1,12の間に位置する部分が熱交換器5dを通ってい
る。
【0022】さらに、この装置の特徴として、上記高圧
ライン3と低圧ライン4とが予冷バイパスライン16を
介して接続されている。この予冷バイパスライン16の
一端は、高圧ライン3において上記熱交換器3a,3b
同士の間の部分に接続され、他端は低温側ライン18と
高温側ライン20とに分岐している。低温側ライン18
は、低圧ライン4において最低温側熱交換器5fよりも
低温側の位置に接続され、高温側ライン20は、上記低
圧ライン4において熱交換器5d(すなわち低温側膨張
タービン12入口のすぐ高温側に位置する熱交換器)
と、この熱交換器5dの低温側に隣接する熱交換器5e
との間の部分に接続されており、各ライン18,20に
はそれぞれを開閉する弁(開閉手段)21,22が設け
られている。
【0023】このような装置において、その予冷を行う
場合には、弁21,22を開く。この状態で、圧縮機1
0の作動によりヘリウムガスの循環が行われると、ま
ず、高圧ライン3を流れるヘリウムガスが最高温側熱交
換器5aにおいて液体窒素ライン7を流れる液体窒素で
補助冷却され、その後高圧ライン3に沿って熱交換器5
bを通過することにより、この熱交換器5bやその下流
側の高温側膨張タービン11等が順に予冷される。これ
と同時に、上記ヘリウムガスの一部が予冷バイパスライ
ン16に分流し、弁21及び低圧ライン4を通じて最低
温側熱交換器5fに供給されることにより、この最低温
側熱交換器5fの予冷が促される。これに加え、上記冷
媒が弁20を通じて熱交換器5dのすぐ低温側に供給さ
れることにより、熱交換器5dの冷却も促進され、さら
には、この熱交換器5dの冷却に伴って、そのすぐ低温
側に位置する低温側膨張タービン12の入口温度が高温
側膨張タービン11の入口温度と同様に迅速に低下す
る。
【0024】その後、熱交換器5dや熱交換器5fの温
度が液体窒素の温度レベル以下まで低下した後は、上記
弁21,22を適宜閉じ、膨張タービン11,12の発
生する寒冷により定常運転状態まで予冷を進める。
【0025】このような予冷方法及び装置によれば、補
助冷却された冷媒を3つの熱交換器5b,5f,5dに
同時供給することにより、すべての熱交換器5a〜5f
をバランスよく予冷することができ、特に従来は冷却さ
れにくかった熱交換器5dも予冷開始時から有効に予冷
できるとともに、この熱交換器5dと熱交換器5bとの
間に挾まれる熱交換器5cも上下両側から迅速に冷却す
ることができる。
【0026】しかも、上記補助寒冷を利用して熱交換器
5dを積極的に予冷することにより、この熱交換器5d
のすぐ低温側に位置する低温側膨張タービン12の入口
温度を迅速に低下させることができ、これにより両膨張
タービン11,12もバランス良く予冷できる効果があ
る。
【0027】図3(a)は、従来のように最高温側熱交
換器5aを通った冷媒を熱交換器5b及び最低温側熱交
換器5fにのみ供給した時の両膨張タービン11,12
の入口温度の経時変化を示し、同図(b)は上記実施例
のように最高温側熱交換器5aを通った冷媒を熱交換器
5dにも供給するようにした時の両膨張タービン11,
12の入口温度の経時変化を示しており、各グラフにお
いて実線L1が膨張タービン11の入口温度、破線L2
が膨張タービン12の入口温度をそれぞれ示している。
【0028】上記従来装置では、図3(a)に示すよう
に、予冷開始時には高温側の膨張タービン11の入口温
度の方が低温側の膨張タービン12の入口温度よりも低
く、予冷完了直前に両温度が逆転するため、この予冷時
に高温側の膨張タービン11の入口圧力を上げると低温
側の膨張タービン12が先に過回転となり、高温側の膨
張タービン11が十分な仕事をしていないにもかかわら
ずそれ以上昇圧できなくなる。すなわち、高温側膨張タ
ービン11を十分に働かせることができない不都合があ
る。
【0029】これに対し、本実施例装置では、図3
(b)に示すように、上記熱交換器5dの積極的な予冷
によって低温側膨張タービン12の冷却も促進してお
り、また高温側膨張タービン11の発生寒冷を低温側膨
張タービン12の冷却に有効に利用しているので、高温
側の膨張タービン11の入口温度は低温側の膨張タービ
ン12の入口温度よりも常に高く、両者が逆転すること
がない。従って、従来装置に比べて高温側の膨張タービ
ン11により大きな仕事を行わせることが可能となる。
【0030】図4は、温度と、各熱交換器5a〜5fの
一般的な材料であるアルミニウムの定圧比熱を温度で積
分した値との関係を示したものである。この図から明ら
かなように、単位重量当たりのアルミニウムを常温(約
293K)から液体窒素で冷却できる温度(80K)ま
で冷却するのに要する寒冷量(すなわち点A−B間の縦
方向の距離)と、単位重量当たりのアルミニウムを常温
から液化冷凍装置の通常運転時の温度レベル(20K)
まで冷却するのに要する寒冷量(すなわち点A−C間の
縦方向の距離)との比は約0.95であり、このこと
は、液化冷凍装置を定常運転状態まで予冷するのに要す
る寒冷量の大部分を液体窒素の補助寒冷で賄えることを
示している。
【0031】換言すれば、ヘリウム液化冷凍装置全体の
予冷時間を効果的に短縮するには、補助寒冷を最大限に
利用して各熱交換器や膨張タービン、内部配管等を80
K程度まで予冷し、かつ膨張タービンによって可能な限
り低温の寒冷を多く発生させることが重要であり、この
観点からも、本発明のように補助寒冷を利用して3つの
熱交換器5b,5f,5dを同時冷却することは非常に
有効であることといえる。
【0032】次に、第2実施例を図2に基づいて説明す
る。
【0033】この実施例では、タービンラインが高温側
タービンライン13A及び低温側タービンライン13B
に分割されており、高温側タービンライン13Aに高温
側膨張タービン11が、低温側タービンライン13Bに
低温側膨張タービン12がそれぞれ設けられている。高
温側タービンライン13Aは、高圧ライン3において熱
交換器5b,5c同士の間に位置する部分と、低圧ライ
ン4において熱交換器5c,5d同士の間に位置する部
分とに接続され、低温側タービンライン13Bは、高圧
ライン3において熱交換器5d,5e同士の間に位置す
る部分と、低圧ライン4において熱交換器5e,5f同
士の間に位置する部分とに接続されており、従って、高
温側タービンライン13Aの出口と低温側タービンライ
ン13Bの入口との間に熱交換器5dが挾まれた状態と
なっている。
【0034】このような装置においても、前記第1実施
例における高温側ライン20を、低圧ライン4において
熱交換器5dとこの熱交換器5dの低温側に隣接する熱
交換器5eとの間の部分に接続することにより、補助寒
冷を利用して熱交換器5dの予冷を促し、ひいてはこの
熱交換器5dの低温側に位置する低温側膨張タービン1
2の入口温度も迅速に低下させることが可能となる。
【0035】ここで、従来のように低温側膨張タービン
12の入口に直接冷媒を供給する場合には、低温側膨張
タービン12の入口温度を液体窒素の温度レベル(80
K)まではすぐに低下させることができるものの、上記
熱交換器5dがすぐに冷却されないために高温側膨張タ
ービン11の発生寒冷を低温側膨張タービン12の冷却
には有効利用できず、このため、上記液体窒素の温度レ
ベルからさらに低い温度(20K)まで冷却するには熱
交換器5dの温度低下を待つ必要があり、予冷が停滞す
る不都合があるが、本実施例装置では、上記熱交換器5
dの冷却によって低温側膨張タービン12の予冷促進を
図っているので、高温側膨張タービン11の発生寒冷を
低温側膨張タービン12の予冷にただちに有効利用で
き、これにより低温側膨張タービン12の入口温度をよ
り迅速に極低温まで低下させて多くの寒冷を発生させる
ことができる利点がある。
【0036】なお、上記各実施例では低温側ライン18
を最低温側熱交換器5fの低温側に接続したものを示し
たが、最低温側熱交換器5fの高温側に接続するように
してもよい。
【0037】また、本発明では冷凍機内の熱交換器の具
体的な個数を問わず、高温側膨張タービンの出口と低温
側膨張タービンの入口との間に熱交換器が介在する装置
に広く適用することができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明は、最高温側熱交換
器で補助冷却された冷媒により、最低温側熱交換器を冷
却するのに加え、低温側膨張タービンの入口のすぐ高温
側に位置する特定の熱交換器を冷却するようにしている
ので、すべての熱交換器をバランスよく予冷することが
できるとともに、上記特定の熱交換器の予冷により、こ
の熱交換器のすぐ低温側に位置する低温側膨張タービン
の入口温度を補助冷却レベルよりもさらに低い温度まで
迅速に低下させることができ、これにより両膨張タービ
ンもバランス良く予冷して両膨張タービンを有効に活用
することができる。このため、装置全体の予冷時間を大
幅に短縮することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるヘリウム液化冷凍
装置のフローシートである。
【図2】本発明の第2実施例におけるヘリウム液化冷凍
装置のフローシートである。
【図3】(a)は従来装置における膨張タービン入口温
度の経時変化を示すグラフ、(b)は本発明装置におけ
る膨張タービン入口温度の経時変化を示すグラフであ
る。
【図4】温度とアルミニウムの定圧比熱を温度で積分し
た値との関係を示したグラフである。
【図5】従来のヘリウム液化冷凍装置のフローシートで
ある。
【符号の説明】
1 冷凍負荷 3 高圧ライン 4 低圧ライン 5a〜5f 熱交換器 7 液体窒素ライン 10 圧縮機 11 高温側膨張タービン(高温側タービン式膨張機) 12 低温側膨張タービン(低温側タービン式膨張機) 13 タービンライン 13A 高温側タービンライン 13B 低温側タービンライン 16 予冷バイパスライン 21,22 弁(開閉手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を圧送する圧縮機と、この圧縮機か
    ら圧送された冷媒が循環される高圧ライン及び低圧ライ
    ンと、上記高圧ラインを流れる冷媒と上記低圧ラインを
    流れる冷媒との間で熱交換を行わせる複数の熱交換器
    と、上記高圧ラインの途中部分と低圧ラインの途中部分
    とを接続するタービンラインと、このタービンラインに
    設けられる高温側タービン式膨張機及び低温側タービン
    式膨張機とを備え、上記熱交換器のうちの最高温側熱交
    換器で冷媒が補助冷却されるとともに、上記高温側ター
    ビン式膨張機の出口と低温側タービン式膨張機の入口と
    の間に少なくとも一つの熱交換器が介在する液化冷凍装
    置において、上記高圧ラインを流れて上記最高温側熱交
    換器で補助冷却された後の冷媒を、上記低圧ラインにお
    いて上記低温側タービン式膨張機入口のすぐ高温側に位
    置する熱交換器とこの熱交換器の低温側に隣接する熱交
    換器との間の部分及び最低温側熱交換器の近傍部分に供
    給することを特徴とする液化冷凍装置の予冷方法。
  2. 【請求項2】 冷媒を圧送する圧縮機と、この圧縮機か
    ら圧送された冷媒が循環される高圧ライン及び低圧ライ
    ンと、上記高圧ラインを流れる冷媒と上記低圧ラインを
    流れる冷媒との間で熱交換を行わせる複数の熱交換器
    と、上記高圧ラインの途中部分と低圧ラインの途中部分
    とを接続するタービンラインと、このタービンラインに
    設けられる高温側タービン式膨張機及び低温側タービン
    式膨張機とを備え、上記熱交換器のうちの最高温側熱交
    換器で冷媒が補助冷却されるとともに、上記高温側ター
    ビン式膨張機の出口と低温側タービン式膨張機の入口と
    の間に少なくとも一つの熱交換器が介在する液化冷凍装
    置において、上記高圧ラインにおいて上記最高温側熱交
    換器とこれに隣接する熱交換器との間に位置する部分
    と、上記低圧ラインにおいて上記低温側タービン式膨張
    機入口のすぐ高温側に位置する熱交換器とこの熱交換器
    の低温側に隣接する熱交換器との間に位置する部分及び
    最低温側熱交換器の近傍部分とを接続する予冷バイパス
    ラインを備え、この予冷バイパスラインの途中に、同予
    冷バイパスラインを開閉する開閉手段を設けたことを特
    徴とする液化冷凍装置の予冷装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の液化冷凍装置の予冷装置
    において、単一のタービンラインに上記高温側タービン
    式膨張機及び低温側タービン式膨張機を相互直列に配設
    し、このタービンラインにおいて両タービン式膨張機の
    間に位置する部分を上記熱交換器のうちの特定の熱交換
    器に通すとともに、低圧ラインにおいて上記特定の熱交
    換器とこの熱交換器の低温側に隣接する熱交換器との間
    の部分に上記予冷バイパスラインを接続したことを特徴
    とする液化冷凍装置の予冷装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の液化冷凍装置の予冷装置
    において、高温側タービン式膨張機が設けられる高温側
    タービンラインと、低温側タービン式膨張機が設けられ
    る低温側タービンラインとを相互独立して配し、上記高
    温側タービンラインの出口と上記低温側タービンライン
    の入口との間に特定の熱交換器を配置するとともに、上
    記低圧ラインにおいて上記特定の熱交換器とこの熱交換
    器の低温側に隣接する熱交換器との間の部分に上記予冷
    バイパスラインを接続したことを特徴とする液化冷凍装
    置の予冷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170015568A (ko) * 2010-05-12 2017-02-08 브룩스 오토메이션, 인크. 극저온 냉각용 시스템 및 방법

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