JPH06117585A - 金属製パイプと金属製構造部材との接合方法 - Google Patents

金属製パイプと金属製構造部材との接合方法

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JPH06117585A
JPH06117585A JP28970292A JP28970292A JPH06117585A JP H06117585 A JPH06117585 A JP H06117585A JP 28970292 A JP28970292 A JP 28970292A JP 28970292 A JP28970292 A JP 28970292A JP H06117585 A JPH06117585 A JP H06117585A
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pipe
metal
adhesive
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metal pipe
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JP28970292A
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Yasuaki Shiomura
恭朗 塩村
Yukio Fukuura
幸男 福浦
Tamito Kanbara
民人 神原
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属製パイプを、金属製構造部材のパイプ連
結口に挿入し、金属製パイプと金属製構造部材とを気密
状態に接合する方法において、該パイプ外周面と該連結
口の内周壁との間に周方向に沿って少なくとも0.1m
m以上の空隙を有する空隙部を軸方向に沿って設けると
共に、この空隙部に室温で液状ないしはペースト状の反
応硬化型接着剤を充填し、硬化することを特徴とする金
属製パイプと金属製構造部材との接合方法を提供する。 【効果】 上記接合方法によれば、金属製パイプと金属
製構造部材とを、作業性良く、金属製パイプを熱劣化さ
せることなく、かつ気密性良く接合することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用、その他各種
産業用として用いられる燃料用パイプ、冷媒輸送用パイ
プ、油圧用パイプ、プロパンガス用パイプなどの金属製
パイプと金属製構造部材とを接合する方法に関し、更に
詳述すると接合されたパイプの耐疲労性を劣化させない
と共に、接合に要する作業性を大幅に向上させた接合方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用、その他各種産業用として用い
られる燃料輸送用パイプ、冷媒輸送用パイプ、油圧用パ
イプ、プロパンガス用パイプなどの金属製パイプの端部
を管状の連絡口を持った金属製構造部材に気密を保つよ
うに接続することが行われており、このような方法とし
ては、従来、金属製パイプを構造部材のパイプ連結口に
挿入し、連結口開口周縁とパイプとを溶接により接合す
る方法、又は連結口に挿入したパイプの挿入部分を押し
広げる方法、いわゆる加締法が採用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年これらの
パイプの使用条件が更に過酷になり、前者の溶接法で
は、溶接により熱劣化したパイプが振動などにより破損
し、特にアルミニウム製パイプの場合には溶接時の熱劣
化部から破断し、中の液体や気体が漏洩することを完全
に防止できないという問題があり、更に形状が複雑にな
るにつれて溶接に費やす時間が長くなり、しかも溶接部
に防錆処理を必要とするため、コスト高になるという問
題もある。また、後者の加締法では、溶接法ほどの強度
を確保するのが困難であり、その上加締を適用し得る形
状が限定され、用途が限られてしまうという問題があ
る。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、金属製パイプの耐疲労性を劣化させないと共に、接
合に要する作業性を大幅に向上させることができる金属
製パイプと金属製構造部材との接合方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、金属製パイプを金属製構造部材のパイプ連
結口に挿入し、金属製パイプと金属製構造部材とを気密
状態に接合する方法において、該パイプ外周面と該連結
口の内周壁との間に周方向に沿って少なくとも0.1m
m以上の空隙を有する空隙部を軸方向に沿って設けると
共に、この空隙部に室温で液状ないしはペースト状の反
応硬化型接着剤を充填し、硬化することを特徴とする金
属製パイプと金属製構造部材との接合方法を提供する。
【0006】
【作用】上記接合方法によれば、溶接ではなく反応硬化
型接着剤を使用するので、反応を起こさせる温度ないし
は室温で硬化させることにより接合できるため、アルミ
ニウムパイプでも熱劣化が生じることがない。構造的に
は金属製パイプ外周面と金属製構造部材の連結口の内周
壁との間に少なくとも0.1mm以上の空隙(クリアラ
ンス)を設ければ良く、これには例えばパイプ又は連結
口に溝又は突起を形成すれば良いので、構造が簡単であ
ると共に、構造部材の形状に自由度が大きく、これまで
の形状をほとんど変更することなく使用できる。また、
このように形成した空隙部に室温で液状ないしはペース
ト状の反応硬化型接着剤を充填し、加熱等により硬化す
る作業で接合できるので、形状が複雑でも溶接法と比べ
て作業時間を大幅に短縮することができる。しかも、こ
のような空隙部はパイプを取り巻く円筒状であるので、
この空隙部に充填し、硬化された接着剤は、クリアラン
スがない場合と比較して確実にパイプと構造部材との気
密性を保つことができる。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の接合方法
について説明する。図1は、本発明の接合方法の一例を
示すもので、油圧ポンプなどに連結されている金属製構
造部材1のパイプ連結口2は金属製パイプ3の外径より
大径に形成されていると共に、この連結口2の内周壁2
aに周方向に沿って上記パイプの外径とほぼ同じ内径を
形成するようにリング状突起2bが一体に突設されてい
る。この連結口2にアルミニウムなどの金属製パイプ3
の一端部を挿入すると、パイプ3の一端外周面3aと構
造部材1の連結口2の内周壁2aとは、リング状突起2
bによりリング状突起2bが連結口2の内周壁2aから
突出する距離だけクリアランスが確保され、リング状突
起2bの左右に円筒状空隙部4,4’が形成されるよう
になっている。そして、パイプ3の一端部外周面3aに
あらかじめ所定量の反応硬化型接着剤5をへらなどで塗
着し、パイプ3の一端を連結口2に挿入すると、図2に
示すように、円筒状空隙部4,4’に接着剤5が充填さ
れ、然る後、接着剤の種類に応じて室温に放置又は加熱
して接着剤を硬化させ、金属製構造部材1と金属製パイ
プ3とを接合するものである。
【0008】この場合、リング状突起2bには、接着剤
5を奥の空隙部4’に通すために、切欠きを設けても良
い。また、接着剤5は、連結口2の内周壁2a側に予め
塗着しても良い。
【0009】図3は、構造部材1の連結口2はパイプ3
の外径とほぼ同じ内径を有し、この連結口2の内周壁2
aに周方向に沿ってリング状溝2cを形成した例を示す
もので、このリング状溝2cにより連結口2の内周壁2
aとパイプ3外周面3aとの間に接着剤5を充填する円
筒状空隙部4を確保することができる。
【0010】図4は、構造部材1の連結口2をパイプ3
の外径とほぼ同じ内径を有する開口先端から部材内部に
向かうに従い漸次内径を大きくしてテーパー状としたも
ので、このテーパー状連結口2に挿入したパイプ3の外
周面3aと連結口2の内周壁2aとの間にテーパー円筒
状空隙部4を設けるように構成したものである。
【0011】以上のように連結口2に少なくとも1箇所
においてパイプ外径と同一内径部分を形成することによ
り、パイプ3を連結口2内に挿入した時にこの同一内径
部分でパイプ3を確実に保持し得、パイプ接合時にパイ
プ3を特別な支持具で支持する必要を回避し得る。更
に、上記実施例では、パイプ接合後、パイプ3に一体化
された接着剤5がくさび状となるため、パイプ3が連結
口2から抜け出ることが確実に防止される。
【0012】また、図5は、構造部材1に図4に示すよ
うなテーパー状連結口を設けると共に、連結口2の開口
周縁に該連結口2の開口近傍のパイプ3外周縁に当接す
る山形の肉盛部6を設けたもので、このような肉盛部6
を設けることによりパイプ3の連結口2開口周縁近傍の
応力集中を避けることができ、パイプ3の疲労耐久性を
大きく向上させることができる。この場合、肉盛部6先
端とパイプの角度θは90°を越えるようにするもの
で、好ましくは120°以上、特に180°に近くなる
ように順次曲率を変更するようなテーパー形で肉盛部6
を形成することが良い。なお、このような肉盛部6の形
成は、本発明方法が構造部材1の先端面形状を自由に変
えてもパイプ接合操作が支障なく行えるために可能とな
るためである。
【0013】この場合、図1又は図3に示す円筒状空隙
部4の形状は、深さ(連結口2の内周壁2aとパイプ3
の外周面3aとのクリアランス)は少なくとも0.1m
m以上で1.0mm程度まで、幅は1〜10mm程度が
適当であり、図4に示すテーパー円筒状空隙部4の場合
は、連結口2の内周面2aとパイプ3の外周面3aとの
径差が0.1〜2.0mm、幅は1〜10mm程度とす
ることが好適である。かかる空隙部4の深さが0.1m
mより小さいと液状ないしはペースト状の接着剤を十分
に充填することができなくなり、一方あまりクリアラン
スをとると接着剤の硬化前に固定できない場合があるほ
か、接着力も低下するおそれがある。
【0014】なお、パイプ3の接合すべき外周面3aは
サンドペーパー、ショットブラストなどでバフがけし
て、粗面化することが好ましい。
【0015】本発明に用いられる接着剤としては、液状
ないしはペースト状の反応硬化型接着剤であり、具体的
には室温で粘度が100〜5000cpのエポキシ系、
フェノリック系、アクリル系、ウレタン系の接着剤が好
適に用いられる。
【0016】ここで、エポキシ系接着剤としては、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂などの主剤とその硬化剤を組み
合わせて用いることができる。硬化剤としては、脂肪族
ポリアミン、芳香族ポリアミン、脂環式ポリアミン、ポ
リアミドアミン、ジシアンジアミド、ジヒドラジド、酸
無水物、3フッ化ホウ素錯化合物などが一般に用いられ
る。
【0017】更に、エポキシ樹脂を他のPEI(ポリエ
ーテルイミド)のような熱可塑性樹脂、ビスマレイミ
ド、フェノール樹脂のような熱硬化性樹脂あるいはNB
Rのようなゴムなどと混合ないしは反応させた変性エポ
キシ樹脂を用いることにより、耐久接着性を大きく向上
させることができる。
【0018】フェノリック系接着剤としては、フェノリ
ック樹脂単独、又はポリビニルホルマールやポリビニル
ブチラールのようなビニル樹脂、NBRやネオプレンの
ようなゴム、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂とブレンド
した溶媒で溶液状にした形で用いることができる。
【0019】アクリル系接着剤としては、NBR、ハイ
パロンのような合成ゴムをアクリルモノマーに溶解し、
硬化触媒と安定剤を添加したもの、又はプライマーと併
用したものを用いることができる。この場合、硬化触媒
としては、ハイドロパーオキサイド、安定剤としてはフ
ェノール類、プライマーとしてはアミンを用いることが
できる。
【0020】また、アクリル系接着剤の発展型として、
エポキシアクリレートのような末端に2個以上のアクリ
ル基を持つオリゴマーをエチレングリコールジアクリレ
ートのような多官能モノマーに溶解し、過酸化物触媒を
添加したものも挙げることができる。
【0021】ウレタン系接着剤としては、ポリエステル
のジオールのようなポリオールとMDIのようなジイソ
シアネートの反応により得られる熱可塑ポリウレタンを
硬化触媒と併用したものを用いることができる。この場
合、硬化触媒としては、ポリイソシアネート、トリエチ
ルアミンのようなアミン触媒を用いることができる。
【0022】本発明の接合方法の対象が自動車等の高温
の環境下で使用される場合には、耐熱接着性が要求され
るため、このような場合、接着剤の100℃での弾性率
が25℃での1/100以上、好ましくは1/10以上
であることが好ましい。
【0023】また、これらの接着剤には、必要に応じて
アルミニウム粉末、炭酸カルシウムなどの充填剤やグリ
シジルエーテルのような希釈剤を添加することができ
る。
【0024】このような接合方法によれば、溶接によら
ないので、パイプがアルミニウムであっても熱劣化を起
こすことがなく、耐久性を劣化させることがない。ま
た、金属構造部材の連結口の形状を少し変えるだけで良
く、パイプの形状を変える必要がないので、これまでに
使われていた形状をほとんどそのまま使用することがで
きる。更に、溶接法や加締法に比較して接合面積を稼ぐ
ことができ、接合部の耐久性を向上させることができる
と共に、気密性が良好である。その上、接着剤を塗着し
てパイプを挿入した後、接着剤を硬化するという作業で
良いので、溶接作業の煩雑さを解消することができる。
【0025】次に実験例により本発明を更に具体的に説
明する。 [実験例]まず、反応硬化型接着剤として、表1に示す
方法により調整した接着剤を用い、表1に示す硬化条件
により硬化させ、下記方法により粘弾性特性、引張り剪
断接着力を測定した。なお、接着剤の種類は、変性エポ
キシ系接着剤、フェノリックニトリル系接着剤である。 (1)粘弾性特性 E’(弾性率)は岩本製作所製VES−HC(高周波粘
弾性スペクトロメーター)にて測定し、条件は周波数9
6Hz,歪0.02%に固定した。
【0026】また、Tgは同測定でのtanδピーク温
度とした。 (2)引張り剪断接着力 被着剤として1100mm×w25mm×d3mmのア
ルミニウム材(A3003)を用い、JIS K685
0に準拠して測定を行った。硬化は全て表1の条件にて
行い測定は島津製オートグラフにて5mm/minの速
度で行った。 (3)粘度測定 東京計器製B型粘度計を用いJIS K6830に準拠
して行った。200mlの容器を用いA−7の針で条件
25℃,20rpmの速度で測定した。
【0027】
【表1】
【0028】次に、外径12mmのアルミニウムパイプ
(A3003材)を深さ10mmの連結口を有する構造
部材(材質A3003材)に上記接着剤を用いて接合
(接合深さ10mm)し、下記方法により耐久評価、エ
アー漏れテストを行った。結果を表2に示す。
【0029】なお、実験例1、2では、構造部材として
図1に示すような連結口内周壁に高さ0.3mmの断面
半円状のリング状突起を連結口開口縁から5mmのとこ
ろに設け、突起により分割された2個の円筒状空隙部を
0.3mmに保った。実験例3は突起を設けず、連結口
とパイプとの間のクリアランスを設けなかった。実験例
4は、比較のためのもので、連結口とパイプとの間にク
リアランスを設けず、通常の溶接方法により接合したも
のである。 (4)耐久評価 図6に示すように、構造部材1に接合したパイプ3の接
合部から170mmのパイプの位置に270gのウエイ
ト7を固定し、図中bに示す方向に加振させ、振動テス
トにより接合部の耐久性評価を行った。なお、表中の振
動テストAの条件は、全振幅が10mm、加速度が4
G、周波数が15Hz、振動テストBは、全振幅が10
mm、加速度が8G、周波数が30Hzである。 (5)エアー漏れテスト 構造部材とパイプとを接合したものを20℃の雰囲気下
に16時間放置した後、圧力10kg/cm2からスタ
ートし、10kg/cm2ずつ加圧し、各圧力下で5分
間保持し、最高50kg/cm2まで加圧を実施して初
期の気体の漏れを確認し、更に上記振動テストBを温度
100℃で105回行った後、同様に加圧試験を行い、
漏れを確認した。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明の接合方法によれば、金属製パイ
プと金属製構造部材とを、作業性良く、金属製パイプを
熱劣化させることなく、かつ気密性良く接合することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接合方法の一実施例を説明するもの
で、金属製パイプと金属製構造部材とを分離した状態を
示す断面図である。
【図2】図1の金属製パイプと金属製構造部材とを接合
した状態を示す断面図である。
【図3】本発明の接合方法の他の実施例を説明する図2
と同状の断面図である。
【図4】本発明の接合方法の別の実施例を説明する図2
と同状の断面図である。
【図5】本発明の接合方法の更に別の実施例を説明する
図2と同状の断面図である。
【図6】耐久評価方法を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 金属製構造部材 2 パイプ連結口 2a パイプ連結口の内周壁 2b リング状突起 3 金属製パイプ 3a 金属製パイプの外周面 4,4’ 円筒状空隙部 5 反応硬化性接着剤 6 肉盛部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製パイプを金属製構造部材のパイプ
    連結口に挿入し、金属製パイプと金属製構造部材とを気
    密状態に接合する方法において、該パイプ外周面と該連
    結口の内周壁との間に周方向に沿って少なくとも0.1
    mm以上の空隙を有する空隙部を軸方向に沿って設ける
    と共に、この空隙部に室温で液状ないしはペースト状の
    反応硬化型接着剤を充填し、硬化することを特徴とする
    金属製パイプと金属製構造部材との接合方法。
  2. 【請求項2】 金属製構造部材のパイプ連結口の開口周
    縁に該連結口の開口近傍のパイプ周縁に当接する肉盛部
    を設けた請求項1記載の金属製パイプと金属製構造部材
    との接合方法。
  3. 【請求項3】 反応硬化型接着剤の25℃での粘度が1
    0cp以上である請求項1又は2記載の金属製パイプと
    金属製構造部材との接合方法。
JP28970292A 1992-10-02 1992-10-02 金属製パイプと金属製構造部材との接合方法 Pending JPH06117585A (ja)

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