JPH06117216A - 筒状フィルタ装置 - Google Patents

筒状フィルタ装置

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JPH06117216A
JPH06117216A JP4266366A JP26636692A JPH06117216A JP H06117216 A JPH06117216 A JP H06117216A JP 4266366 A JP4266366 A JP 4266366A JP 26636692 A JP26636692 A JP 26636692A JP H06117216 A JPH06117216 A JP H06117216A
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JP
Japan
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heater
filter
tubular filter
exhaust gas
heat
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JP4266366A
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English (en)
Inventor
Akiji Anahara
明司 穴原
Makoto Tsuzuki
誠 都築
Ryuta Kamiya
隆太 神谷
Hiroshi Matsuura
宏 松浦
Yoshiharu Yasui
義治 安居
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルタに堆積した堆積物を燃焼させる際に
フィルタの損傷を招くことなく、又、フィルタ装置を構
成する発熱材あるいはフィルタの交換を必要とする際、
交換を必要とする一方のみを簡単に交換可能とする。 【構成】 筒状フィルタユニット1は耐熱性繊維で形成
された円筒織物からなる筒状フィルタ2と、筒状フィル
タ2の内表面に沿って非結合状態で配設された発熱材と
してのヒータ3とから構成されている。筒状フィルタユ
ニット1はその第1端部に閉塞部材が、第2端部に排ガ
ス導入口を有する支持部材がそれぞれ嵌合固定され、被
ろ過流体が内側から外側へ通過する状態で使用される。
筒状フィルタ2に堆積物がある程度堆積したとき、ヒー
タ3に通電されて堆積物が燃焼除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は筒状フィルタ装置に係
り、詳しくは高温度のエンジン排気ガスに含まれるパテ
ィキュレート(カーボン微粒子とエンジンオイル、未燃
燃の混合物)の捕集に好適で、捕集した堆積物を燃焼に
より再生可能とした筒状フィルタ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれ
るパティキュレートを除去するフィルタ装置として、従
来、種々のものが提案されている。フィルタ装置は使用
により一定量以上堆積物が溜まり、ろ過効果が低下して
くると、堆積物を除去してろ過機能を再生する必要があ
る。堆積物の除去方法として、フィルタ装置を分解して
堆積物を洗浄する方法や堆積物を燃焼させる方法があ
る。しかし、堆積物の除去のためにフィルタ装置を取り
外したり分解するのは手間がかかるため、フィルタ装置
をディーゼルエンジンの排気システムに組み込んだま
ま、フィルタの再生を可能にした装置が特開平2−25
6812号公報に提案されている。
【0003】この装置は通気性支持材(多数の透孔が形
成された金属製円筒)の周面に、セラミック繊維ろ過材
料と電気加熱素子(ヒータ)とが交互に複数の層状に巻
付けられている。従って、通気性支持材の半径方向に種
々の大きさの空隙がセラミック繊維ろ過材料により形成
され、ディーゼルエンジンの排ガスを通過させると、排
ガス中のパティキュレートがヒータに近接した状態で捕
集される。そして、ヒータに通電すると効率よくパティ
キュレートが燃焼する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、堆積物を燃
焼させるためにヒータに通電した発熱時には、1000
℃以上に昇温されるためヒータの熱膨張率とセラミック
繊維のそれとの差による両者の膨張量の違いが無視でき
ない大きさとなる。例えば、ヒータにカンタル線(18
00°Cまでもの高温度発熱体として使用されるサーメ
ット材料で、カンタル・ガデリウス株式会社の製品)を
用いると、セラミックの熱膨張率との違いは2倍に近
い。そのため例えば、長さ300mmのものは1000
℃〜常温の間で2mmものずれを起こす。そして、前記
従来装置では多層にわたって、ヒータとセラミック繊維
とが交互に密接状態で積層されているため、ヒータに通
電した発熱時には、両者の間に摺動摩擦が生じる。その
結果、摩擦に弱いセラミック繊維が破断損傷し易く、耐
久性に乏しいと推定される。
【0005】又、前記従来装置ではヒータがセラミック
繊維内に封じ込められているため、発熱部分及び発熱部
分に直接接している部分が過剰に昇温し、近辺に堆積し
た堆積物の燃焼熱も加わって温度勾配が大きくなる。そ
の結果、熱膨張の差による摩擦と、局部的高温とによっ
て、セラミック繊維が損傷を受ける。又、ヒータあるい
はセラミック繊維の一方が何らかの理由で損傷して交換
が必要な場合、一方のみを交換するには分解等に手間が
かかり、全体を交換すると損傷を受けていないものまで
交換することになり余分な費用がかかるという問題もあ
る。
【0006】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的はフィルタに堆積した堆積物を燃
焼させる際にフィルタの損傷を招くことなく、又、フィ
ルタ装置を構成する発熱材あるいはフィルタの交換を必
要とする際、交換を必要とする一方のみを簡単に交換で
きる筒状フィルタ装置を提供することにある。又、第2
の目的は前記の目的に加えてフィルタに堆積した堆積物
を少ない熱量で効率良く燃焼させることができ、フィル
タの再生に有利な筒状フィルタ装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため本発明においては、耐熱性繊維で形成された筒状
フィルタの表面に沿って、発熱材を非結合状態で配設し
た。又、第2の目的を達成するため請求項2に記載の発
明では、前記発熱材を筒状フィルタの内側に配置した。
【0008】
【作用】本発明のフィルタ装置は、一端が閉塞された状
態で筒状フィルタの内側から外側あるいは外側から内側
に向かってろ過すべき流体が通過するようにして使用さ
れる。そして、流体が筒状フィルタを通過する間に流体
中の不純物が筒状フィルタに捕集される。筒状フィルタ
の堆積物を燃焼除去するため発熱材に通電されると発熱
材が発熱し、筒状フィルタに捕集された堆積物が燃焼す
る。発熱材の発熱時に、発熱材と筒状フィルタを構成す
る耐熱性繊維との熱膨張率の違いにより、両者が相対移
動する。発熱材は筒状フィルタの表面に沿って非結合状
態で配設されているため、両者が相対移動しても耐熱性
繊維が発熱材で擦過されることがなく、耐熱性繊維の損
傷が防止される。又、筒状フィルタあるいは発熱材の交
換が必要な場合は、交換を必要とするもののみを簡単に
交換できる。
【0009】又、発熱材が筒状フィルタの内側に配置さ
れた場合には、堆積物を燃焼させる際に筒状フィルタが
保温材の役割を果たし、発熱材からの発熱により堆積物
が効率良く昇温されて少ない熱量で堆積物が効率的に燃
焼する。
【0010】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明を排ガスフィルタに具体化し
た第1実施例を図1〜図5に従って説明する。図1及び
図2に示すように、筒状フィルタ装置としての筒状フィ
ルタユニット1は耐熱性繊維で円筒状に形成された筒状
フィルタ2と、筒状フィルタ2の内表面に沿って非結合
状態で配設された発熱材としてのヒータ3とから構成さ
れている。
【0011】筒状フィルタ2は例えば、本願出願人が先
に提案した三次元織機(特開平2−221440号公
報)を用いて製織された円筒織物が使用される。耐熱性
繊維には炭化珪素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維(宇
部興産株式会社製:商品名)等のセラミック繊維が使用
される。織物に使用される糸は多数本の耐熱性繊維から
構成されている。円筒織物は三次元織物とする必要はな
く、平組織の1層の織物でもよい。
【0012】ヒータ3には高温耐久性に優れたカンタル
線が使用されている。ヒータ3は筒状フィルタ2の内径
より若干小さな径のスパイラル状に形成され、筒状フィ
ルタ2の内部両端に嵌着された固定金具4にその両端部
がそれぞれ固定されている。ヒータ3は常温下では筒状
フィルタ2に接触していない状態にあるが、加熱のため
に通電されるとカンタル線の剛性が低下し、水平に近い
状態で使用される場合は、ヒータ3の中央部が垂れ下が
って筒状フィルタ2の内面に接触する虞がある。通電時
のヒータ3の剛性を上げて垂れ下がりを少なくするた
め、図4に示すようにカンタル線に代えて同材質のリボ
ンをスパイラル状に形成したヒータ3を使用してもよ
い。
【0013】前記筒状フィルタユニット1は一端を閉塞
部材で閉塞し、開放端側から内部に排ガスを導入する状
態で使用される。筒状フィルタユニット1は1個でも使
用されるが、ろ過面積を増大させるため、通常は多数本
の筒状フィルタユニット1を1個のハウジング内に並列
に組付けたフィルタ装置として使用される。
【0014】次に前記筒状フィルタユニット1を多数備
えた排ガス処理装置について説明する。図3に示すよう
に、円筒状に形成されたハウジング5の第1端部寄り周
面には排ガス導入管6が突設され、第2端部中央には排
気管7が突設されている。ハウジング5内には複数(こ
の実施例では7個)の筒状フィルタユニット1が設けら
れている。図4に示すように、ハウジング5内には一対
の円形状の区画板8,9がハウジング5の長手方向と直
交する状態で固定配置され、ハウジング5の第1端部寄
りに入口側空間10が、第2端部寄りに出口側空間11
がそれぞれ形成されている。両区画板8,9の対向する
面間には筒状フィルタユニット1が互いに平行に等間隔
で固定されている。前記排ガス導入管6は入口側空間1
0に連通している。
【0015】入口側空間10側の区画板8には入口側空
間10内に導入された排ガスを各筒状フィルタユニット
1の内側へ導くため、筒状フィルタ2の内径より小さな
透孔8aが各筒状フィルタユニット1と対応する位置に
形成されている。又、出口側空間11側の区画板9には
両区画板8,9で区画された空間を出口側空間11に連
通させるための透孔9aが形成されている。図4に示す
ように、筒状フィルタ2の第1端部には筒状の固定金具
4の第1端部が嵌着され、固定金具4の第2端部が区画
板8に形成された透孔8aに嵌着固定されている。区画
板9には筒状フィルタユニット1の第2端部を閉塞する
閉塞部材とヒータ3の固定金具の役割を兼ねた嵌合突部
9bが形成され、筒状フィルタ2の第2端部が嵌合突部
9bに嵌着されている。固定金具4及び嵌合突部9bに
は貫通孔が形成され、ヒータ3の端部は貫通孔に挿通さ
れるねじ13と、ねじ13に螺着されたナット14とに
より電線15に接続された状態で固定金具4及び嵌合突
部9bに固定されている。なお、ねじ13は絶縁体16
a,16bを介して貫通孔12に挿通され、固定金具4
及び嵌合突部9bには通電不能となっている。各ヒータ
3はヒータリレー17を介してバッテリ18に接続され
ている。ヒータリレー17はコントローラ19により開
閉制御され、ヒータリレー17が閉じたときにヒータ3
は通電される。
【0016】ハウジング5の入口側空間10側の側壁5
aには、各筒状フィルタユニット1と対向する位置にア
クチュエータ20が取付けられている。アクチュエータ
20は負圧を駆動源として作動し、入口側空間10内に
突出されたピストンロッド20aの先端には筒状フィル
タユニット1の開口部1aを開閉する蓋21が固着され
ている。アクチュエータ20は負圧源としてのバキュー
ムポンプ22に管路23を介して接続され、管路23の
途中にバキュームスイッチングバルブ24が設けられて
いる。バキュームスイッチングバルブ24はコントロー
ラ19と電気的に接続され、コントローラ19からの指
令により各アクチュエータ20に接続された管路23を
バキュームポンプ22に連通する状態と、大気に連通す
る状態とに切替えるようになっている。アクチュエータ
20は管路23がバキュームポンプ22に連通する状態
のとき、蓋21を開口部1aを塞ぐ位置に配置するよう
になっている。又、排ガス導入管6には導入される排ガ
スの圧力を検知する圧力センサ25が取付けられてい
る。圧力センサ25はコントローラ19に電気的に接続
されている。コントローラ19は圧力センサ25からの
検知信号に基づいて、ヒータ3への通電時期を制御する
ようになっている。
【0017】次に前記のように構成された排ガス処理装
置の作用を説明する。排ガス処理装置はディーゼルエン
ジンの排気管の途中に連結されて使用される。排ガス導
入管6から入口側空間10内に導入された排ガスは筒状
フィルタユニット1の開口部1aを通って各筒状フィル
タユニット1の内側に導かれ、筒状フィルタ2を内側か
ら外側へ向かって通過する。そして、筒状フィルタ2を
通過する間に排ガス中に含まれるパティキュレート等が
ろ過され、清浄になった排ガスが区画板9の透孔9aか
ら出口側空間11を経て排気管7から排出される。
【0018】排ガス中のパティキュレートは慣性作用及
び拡散作用によって筒状フィルタ2に捕集される。慣性
作用はエアロゾルが繊維に衝突する際に生ずる渦流によ
る負圧によってエアロゾルが繊維に付着する作用であ
り、拡散作用はエアロゾルが繊維に衝突すると流速が小
さくなり、繊維の表面に堆積する作用である。筒状フィ
ルタ2には立体的に交錯した繊維に囲まれた多数の空隙
が存在する。そして、空隙の大きさがパティキュレート
の大きさより大きくても、排ガスが筒状フィルタ2を通
過する間に、パティキュレートが繊維に衝突して前記慣
性作用及び拡散作用により空隙に捕捉されるとともに蓄
積される。従って、パティキュレートが捕捉されてもそ
の空隙が完全に塞がれないため、長期間にわたりろ過性
能が持続される。
【0019】筒状フィルタ2は円筒織物により形態保持
がなされるため、形態保持のための金属製支持体が不要
となり、ろ過面積が円筒側面全体となって実質的なろ過
面積が大きくなる。又、円筒状の多孔体にセラミック繊
維や織物を巻付けた場合と異なって継ぎ目がないため、
過大な圧力が加わっても、特定箇所(継ぎ目部分)が破
裂してパティキュレートが捕集されずにフィルタを通過
するトラブルが発生しない。
【0020】ディーゼルエンジンの排気ガス温度は30
0〜600℃と高く、通常のろ過素材では耐熱性が不足
する。しかし、筒状フィルタ2が1000℃以上もの耐
熱性を持ったセラミック繊維で形成されているため、排
ガスの温度に十分耐えられる。又、排ガス中には硫黄酸
化物による酸性成分が含まれるが、セラミック繊維は高
温度酸性雰囲気中でも十分耐えられる。
【0021】バキュームスイッチングバルブ24は常に
は各アクチュエータ20に接続された管路23を大気に
連通する状態に保持され、蓋21が各筒状フィルタユニ
ット1の開口部1aを開放する位置に配置されている。
排ガス導入管6内の圧力(背圧)は筒状フィルタ2に捕
集されたパティキュレート量の増加に伴って上昇する。
コントローラ19は圧力センサ25の検出信号により排
ガス導入管6内の圧力を検知し、排ガス導入管6内の圧
力が所定圧力に達した時点で、1本の筒状フィルタユニ
ット1のヒータ3にヒータリレー17を介して通電発熱
させる。
【0022】ヒータ3への通電時に当該筒状フィルタユ
ニット1への排ガスの導入を制限しない場合は、筒状フ
ィルタ2を通過する排ガス流量がかなり多い。エンジン
の容量、回転数、負荷によっても異なるが、例えば、エ
ンジン容量3×103 cc、エンジン回転数1600rp
m、負荷8kgfmで2400×103 cc/min 、筒状フィ
ルタユニット1を7本とすると、排ガス流量は1本当た
りほぼ340×103cc/min となる。そして、ヒータ
3で発生した熱の大部分が排ガス流により持ち去られ、
パティキュレートを燃焼するに必要な約600℃まで筒
状フィルタ2の表面を昇温することができない。自動車
エンジンの排ガス処理に使用する場合、ヒータ3の電源
は自動車に搭載された小型のバッテリとなるため、ヒー
タ3の消費電力を少しでも軽減することが重要となる。
そして、電源として自動車のバッテリを使用して、ヒー
タ3の発熱により筒状フィルタ2の表面温度を約600
℃まで昇温するには、当該筒状フィルタ2を流れる排ガ
ス流量を10×103 cc/min 程度以下に抑える必要が
ある。
【0023】この装置ではヒータ3への通電時、当該筒
状フィルタユニット1と対応するアクチュエータ20が
作動されて蓋21が開口部1aを塞ぐ位置に配置され
る。筒状フィルタ2に堆積したパティキュレートはヒー
タ3の発熱によりヒータ3に近い位置のものがまず燃焼
し、以下ヒータ3の発熱及びパティキュレートの燃焼熱
により順次筒状フィルタ2の外側へ向かって類焼する。
蓋21による開口部1aの閉鎖状態は、開口部1aから
の排ガスの流入を完全に遮断する状態あるいは、微量の
排ガスが流入する状態のいずれでもよい。開口部1aか
らの排ガスの流入を完全に遮断した状態でも、燃焼は順
調に行われる。これは筒状フィル2の外周には他の筒状
フィルタユニット1によって処理された後の排ガスが多
量に流れており、排ガス中にも数%の酸素が存在する。
従って、処理された後の排ガスから酸素が供給されるた
め酸素不足による不完全燃焼とならず、筒状フィルタ2
の内側の熱を逐次外側へ移動させる効果をもつためと考
えられる。しかし、微量の排ガスが流入する状態の方が
パティキュレートは効果的に燃焼する。
【0024】蓋21が閉鎖位置に配置されると、それま
で7本であった排ガスの通路が6本に減少するため、背
圧は一時的に急上昇する。そして、ヒータ3に所定時間
(1〜1.5分)通電されて当該筒状フィルタユニット
1のパティキュレートが燃焼された後、通電が停止され
るとともにアクチュエータ20が作動されて蓋21が開
放位置に配置される。再生された筒状フィルタユニット
1に排ガスが再び流入する状態になると、排ガスの一部
がパティキュレートの堆積していない筒状フィルタユニ
ット1を通過するため背圧は急激に減少する。以下、背
圧が所定圧力まで上昇すると圧力センサ25の検知信号
に基づいて、コントローラ19は順次別の筒状フィルタ
ユニット1のパティキュレートを前記と同様に燃焼させ
る。この作業はエンジンの運転が継続される限り続けら
れる。従って、背圧は図5に示すようなパターンで変化
し、一定値以下に制御される。筒状フィルタユニット1
の再生時、背圧が急激に上昇するため、再生開始時の背
圧は上昇後の背圧がエンジンの運転に支障を与えない圧
力となるように設定されている。
【0025】パティキュレートの燃焼時、その発熱によ
りフィルタ温度が排ガス温度よりも高温になり、局部的
な温度上昇も起こる。しかし、筒状フィルタ2の構成素
材がセラミック繊維であるため、温度勾配があっても破
損せず、熱ショックにも強い。従って、燃焼条件を厳密
に調整しなくても、損傷などのトラブが発生しない。ヒ
ータ3を構成するカンタル線の熱膨張率は11〜15×
10-6/℃で、セラミック繊維の熱膨張率は3〜8×1
-6/℃でカンタル線のおよそ1/2〜1/3と小さ
い。従って、筒状フィルタ2とヒータ3とが圧接された
状態にあると、昇温、降温に伴う膨張、収縮により両者
で強い摩擦を繰り返し、脆いセラミック繊維が損傷す
る。しかし、ヒータ3は筒状フィルタ2から若干離れた
状態に配置されているため、筒状フィルタ2が損傷を受
けることはない。ヒータ3の発熱時に剛性が低下してヒ
ータ3の中央部が垂れ下がって筒状フィルタ2の内面に
接触した状態となっても、圧接状態ではないので接触部
は自由に移動でき、摩擦による損傷は発生しない。
【0026】又、この実施例ではヒータ3が筒状フィル
タ2の内側に配設されているため、筒状フィルタ2がヒ
ータ3を覆う状態となり、ヒータ3からの発熱がほとん
ど全てパティキュレート及び筒状フィルタ2に伝達され
る。しかも、筒状フィルタ2が保温材の役割を果たすた
め、ヒータ3からの発熱量がすくなくてもパティキュレ
ートが効率良く燃焼する。
【0027】筒状フィルタ2に単繊維径が15μmのセ
ラミック繊維を1000本束ねた繊維束を使用して織っ
た円筒織物(直径55mm、長さ300mm、織物密度
約700g/m2 )を、ヒータ3としてリボン状のカン
タル線を直径45mmのスパイラルに成形したものをそ
れぞれ用いた筒状フィルタユニット1を使用して、図3
に示す排ガス処理装置を構成して排ガス処理を行った。
背圧が80mmHg に達する毎に、1本の筒状フィルタユ
ニット1の開口部1aを塞ぎ、ヒータ3に1200W×
1.5分通電して堆積パティキュレートを燃焼する作業
を繰り返し、図5に示す背圧変化の挙動が確認された。
筒状フィルタユニット1の再生後に背圧は半減した。パ
ティキュレートの捕集率は80%以上であった。捕集率
はフィルタ装置を通過前の排ガス中のパティキュレート
量と、フィルタ装置を通過後の排ガス中のパティキュレ
ート量とを測定して求めた。
【0028】(実施例2)次に第2実施例を図6及び図
7に従って説明する。この実施例では複数の筒状フィル
タユニット1を1個のハウジング5内に組込んで使用す
る際、各筒状フィルタユニット1の外側に筒状の隔壁を
設けた点が前記実施例と異なっている。図7に示すよう
に、隔壁26は入口側空間10側の区画板8に突設され
た嵌合突部8bにその一端が嵌合固定され、他端が開放
された状態で出口側空間11側の区画板9の近傍まで延
出した状態で配設されている。隔壁26の材質にはセラ
ミックスあるいは金属が使用されている。
【0029】この実施例の構成では、各筒状フィルタユ
ニット1を通過した処理後の排ガスは、区画板9に形成
された透孔9aの近傍までは互いに混じらずに移動し、
透孔9aの近傍において合流して出口側空間11へと移
動する。隔壁26がない場合は、再生のためある筒状フ
ィルタユニット1への排ガスの導入が制限された状態に
なると、当該筒状フィルタユニット1の外面へ向かう気
流が非常に少なくなる。そして、再生中の筒状フィルタ
ユニット1以外のフィルタユニットで処理された排ガス
が再生中の筒状フィルタユニット1の外周に接触しなが
ら流れる状態となる。その結果、筒状フィルタユニット
1の外周に接触しながら流れる気流により再生中の筒状
フィルタユニット1の外周面から熱が奪われ、その分ヒ
ータでの発熱量が余分に必要となる。しかし、この実施
例のように各筒状フィルタユニット1の外周に隔壁26
を設けた場合は、各筒状フィルタユニット1の外周に沿
って他の筒状フィルタユニット1で処理された排ガスが
接触しながら流れることがなくなる。又、隔壁26が断
熱材の役割をも果たす。従って、筒状フィルタユニット
1の再生すなわち堆積物を燃焼するのに必要なヒータ3
の発熱量を少なくできる。特にエンジン回転数の高い、
負荷の大きい過酷な条件で運転を行う場合は、このよう
な隔壁26は効果を発揮する。しかし、通常の運転条件
で使用する場合は必ずしも必要ではない。
【0030】なお、本発明は前記両実施例に限定される
ものではなく、例えば、コイル状のヒータ3を設ける代
わりに、図8及び図9に示すように一対の固定金具4間
に多数の線状ヒータ3を筒状フィルタ2の軸方向にその
内面に沿って固定してもよい。この場合、各ヒータ3の
複数の中間点でヒータ3相互を環状部材で互いに連結
し、ヒータ3の発熱時における垂れ下がりを防止しても
よい。又、スパイラルに形成したヒータ3の通電時にお
ける変形を防止するため、ヒータ3を支承する筒状の芯
体を設けてもよい。その場合芯体の材質は耐熱性、低熱
容量、低熱膨張等の品質を満足する必要があり、例えば
セラミックスが使用される。又、ヒータ3は必ずしも筒
状フィルタ2と離間した状態で配置する必要はなく、両
者が一体的に結合されていなければ、ヒータ3と筒状フ
ィルタ2とが接触した状態で配置されてもよい。例え
ば、カンタル線を筒状フィルタ2の内径に対しほぼ同等
か若干大きめの直径のスパイラルに形成する。そして、
筒状フィルタ2の内部に挿入するとき、スパイラルの方
向にカンタル線を捩じるようにして見かけの直径を縮小
しておき、挿入後に捩じりをとると、スパイラルは拡大
してカンタル線が筒状フィルタ2の内面に部分的に軽く
接触した状態で配置される。しかし、両者は機械的に結
合されていないため、熱膨張等により相互に変形が起こ
ると、互いに自由に移動でき、筒状フィルタ2を構成す
る耐熱性繊維(セラミック繊維)に損傷が生じない。
【0031】又、筒状フィルタ2を構成する円筒織物は
前記の三次元織機で製織されたものに限らず、組紐機や
環状織機で製造したものでもよいが、繊維の損傷も少な
く、織物密度も高くできる点で三次元織機で製織された
ものが好適である。又、筒状フィルタ2は円筒織物単独
でもよいが、円筒織物の外側に通気性の断熱材として、
セラミック短繊維で構成された不織布あるいはセラミッ
ク長繊維を開繊集積したろ過層を内外2個の円筒織物で
挟持した構成としてもよい。この場合、円筒織物はセラ
ミック短繊維の脱落防止と、ろ過層の形態保持との機能
が有ればよく、必ずしもろ過材の機能がなくてもよいた
め織物密度が小さくてよい。
【0032】又、ヒータ3を筒状フィルタ2の内側に配
置する代わりに、筒状フィルタ2の外側に配置してもよ
い。この場合、複数の筒状フィルタユニット1からなる
フィルタ装置を構成する際は、第2実施例のように各筒
状フィルタユニット1毎に隔壁26を設けて、ヒータ3
への通電時に当該筒状フィルタユニット1以外の筒状フ
ィルタユニット1に流れる排ガスがヒータ3の熱を奪う
のを抑制する必要がある。
【0033】又、第2実施例において図6に鎖線で示す
ように、隔壁26の区画板8寄りに透孔26aを形成し
たり、各筒状フィルタユニット1間を隔壁26で完全に
区画してもよい。又、多数の筒状フィルタユニット1を
1個のハウジング5内に組付けて使用するフィルタ装置
において、筒状フィルタユニット1の再生を1本ずつ行
う代わりに、複数本ずつ行ってもよい。
【0034】又、複数の筒状フィルタユニット1からな
るフィルタ装置を使用する場合、各筒状フィルタユニッ
トの再生開始時期を設定する場合、圧力センサ26で検
知した背圧に基づいて行う代わりに、コントローラでエ
ンジン回転数を積算し、所定積算数に達したときを再生
開始時期としてり、排ガス導入部の温度を温度センサで
検知し、高温の場合には前記積算回転数の設定値を低く
するようにしてもよい。この場合にはエンジンの回転速
度及び負荷が考慮され、再生開始時期をより適切な時期
に設定できる。さらには、ディーゼルエンジンの排ガス
ろ過装置に限らず、他の流体ろ過装置に適用してもよ
い。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、フ
ィルタに堆積した堆積物を燃焼させる際にフィルタの損
傷を招くことなく、又、フィルタ装置を構成する発熱材
あるいはフィルタの交換を必要とする際、交換を必要と
する一方のみを簡単に交換できる。
【0036】又、請求項2に記載の発明では、前記の効
果に加えて、堆積物を少ない熱量で効率良く燃焼させる
ことができ、フィルタ再生に必要な電力消費が少なくな
り、小型のバッテリが電源となる自動車の排ガス処理に
有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施例の筒状フィルタ
ユニットの概略斜視図である。
【図2】筒状フィルタユニットの模式断面図である。
【図3】多数の筒状フィルタユニットを備えた排ガス処
理装置の構成図である。
【図4】同じく排ガス処理装置の部分断面図である。
【図5】排ガス処理及び筒状フィルタユニットの再生を
繰り返した場合の背圧の変化を示すグラフである。
【図6】第2実施例の筒状フィルタユニット、隔壁及び
蓋との関係を示す概略斜視図である。
【図7】同じく排ガス処理装置の部分断面図である。
【図8】変更例の筒状フィルタユニットの概略斜視図で
ある。
【図9】同じく筒状フィルタユニットの断面図である。
【符号の説明】
1…筒状フィルタ装置としての筒状フィルタユニット、
2…筒状フィルタ、3…発熱材としてのヒータ、5…ハ
ウジング、20…アクチュエータ、21…蓋、26…隔
壁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 宏 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 安居 義治 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性繊維で形成された筒状フィルタの
    表面に沿って、発熱材を非結合状態で配設した筒状フィ
    ルタ装置。
  2. 【請求項2】 前記発熱材は筒状フィルタの内側に配置
    されている請求項1に記載の筒状フィルタ装置。
JP4266366A 1992-09-25 1992-10-05 筒状フィルタ装置 Pending JPH06117216A (ja)

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DE4394868T DE4394868T1 (de) 1992-09-25 1993-09-21 Hitzebeständiges Filter
US08/244,337 US5454845A (en) 1992-09-25 1993-09-21 Heat-resistant filter

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010147127A1 (ja) * 2009-06-17 2010-12-23 日立建機株式会社 ディーゼルエンジンの排出ガス処理装置

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