JPH06117210A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

内燃機関の動弁装置

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JPH06117210A
JPH06117210A JP4266331A JP26633192A JPH06117210A JP H06117210 A JPH06117210 A JP H06117210A JP 4266331 A JP4266331 A JP 4266331A JP 26633192 A JP26633192 A JP 26633192A JP H06117210 A JPH06117210 A JP H06117210A
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JP
Japan
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hydraulic
valve
oil
operating force
operating
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Application number
JP4266331A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Shimizu
潔 清水
Masao Kubodera
雅雄 窪寺
Hiroshi Sono
比呂志 園
Yoshihiro Fujiyoshi
美広 藤吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】内燃機関の動弁装置において、油圧式伝達手段
による作動力伝達ならびに機械式伝達手段による作動力
伝達のいずれか一方を選択し得るようにして機関弁の確
実な作動を可能とする。 【構成】作動力を油圧的に伝達可能な油圧式伝達手段T
O1、ならびに作動力を剛性的に伝達可能な機械式伝達手
段TM1による作動力発生手段PG1から作動力作用手段3
1 への作動力伝達を、油圧式伝達手段TO1における作
動油が作動力伝達に適した状態にあるか否かに応じて択
一的に切換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の動弁装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、機関の回転に応じた作動力を発生
する作動力発生手段と、機関弁を作動させる作動力作用
手段との間に、油圧により作動力を伝達可能な油圧式伝
達手段が設けられた内燃機関の動弁装置が、たとえば特
開昭61−229912号公報等により既に知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記動弁装
置では、油圧式伝達手段の作動力伝達態様を油圧制御に
よって変化させることにより、機関弁の開閉作動特性を
精密に制御し得る利点があるものの、油圧式伝達手段に
は、油圧を作動力に変換するために極小クリアランスを
有する摺動部材が必要であり、極低温時あるいは非適正
粘度の作動油の注入等により作動油の粘度が異常に高く
なった場合には、前記クリアランス部での摺動部材の摺
動抵抗ならびに異常に高い粘度の作動油の流通抵抗によ
り摺動部材に大きな作動抵抗を伴うことになり、機関弁
の作動に遅れが生じることがある。また油圧式伝達手段
での油路の異常閉塞および給油源の異常等が生じると、
油圧式伝達手段による作動力の伝達が困難となる。
【0004】一方、特公平3−7005号公報で開示さ
れるように、作動力発生手段および作動力作用手段間に
作動力の伝達を剛性的に行なう機械式伝達手段が設けら
れたものもあり、このものでは、作動力の確実な伝達が
可能であるものの、機関弁の開閉作動特性を精密に制御
することは困難である。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、油圧式伝達手段による作動力伝達と機械式伝
達手段による作動力伝達とを択一的に切換可能とし、油
圧伝達が不能である場合にも機関弁の確実な作動を確保
するようにした内燃機関の動弁装置を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明に従う装置は、機関の回転に応
じた作動力を発生する作動力発生手段と、機関弁を作動
させる作動力作用手段と、作動力発生手段および作動力
作用手段間で作動力を油圧的に伝達可能な油圧式伝達手
段と、作動力発生手段および作動力作用手段間で作動力
を剛性的に伝達可能な機械式伝達手段と、油圧式伝達手
段および機械式伝達手段による作動力発生手段から作動
力作用手段への作動力伝達を択一的に切換可能な選択切
換手段と、油圧式伝達手段の作動油が作動力伝達に適し
た状態にあるか否かを検出する作動油状態検出手段と、
前記作動油が作動力伝達に適した状態にあることを作動
油状態検出手段が検出したときに油圧式伝達手段を選択
するようにして選択切換手段の作動を制御する制御手段
とを含む。
【0007】また請求項2記載の発明によれば、請求項
1記載の発明の構成に加えて、作動油状態検出手段は、
作動油の油温を検出する油温センサである。
【0008】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1または2記載の発明の構成に加えて、前記制御手段
は、作動油状態検出手段の検出結果による制御に加え
て、機関に与えられる負荷および機関回転数が予め設定
された高負荷・高回転領域にあるかどうかを判断すると
ともに高負荷・高回転領域にあると判断したときには前
記作動油が作動力伝達に適した状態にあっても機械式伝
達手段を選択するようにして選択切換手段の作動を制御
する機能を有する。
【0009】さらに請求項4記載の発明によれば、上記
請求項3記載の発明の構成に加えて、機関に与えられる
負荷を代表する指標としてアクセル開度を検出するアク
セル開度センサが制御手段に接続される。
【0010】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例について説
明する。
【0011】図1ないし図9は本発明の第1実施例を示
すものであり、図1は機関の動弁系および吸気系を示す
図、図2は吸気側動弁系の全体構成を示す模式図、図3
は機関の一部縦断側面図であって図4の3−3線に沿う
断面図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図4の5
−5線に沿う機関の一部縦断側面図、図6は油圧解放弁
の拡大縦断面図、図7は制御手段による制御手順を示す
フローチャート、図8は油温による判断マップを示す
図、図9は負荷および機関回転数による判断マップを示
す図である。
【0012】先ず図1において、機関のシリンダヘッド
41には、燃焼室44に臨む吸気弁口43を開閉可能な
機関弁としての吸気弁VI と、燃焼室44に臨む排気弁
口18を開閉可能な排気弁VE とが開閉作動可能に配設
される。また機関のクランク軸19に1/2の減速比で
連動、連結される単一のカムシャフト32が吸気弁V I
および排気弁VE に共通にして配設され、カムシャフト
32に設けられるカム20によって揺動駆動される排気
側ロッカアーム21が排気側ロッカシャフト48に枢支
され、該排気側ロッカアーム21に排気弁VE が連動、
連結される。したがって排気弁VE は、カム20によっ
て定まるタイミングおよびリフト量で常時作動する。一
方、吸気弁VI は、カムシャフト32に設けられたカム
33によって発生する作動力を、択一的に選択される油
圧式伝達手段TO1および機械式伝達手段TM1のいずれか
を介して作動力作用手段としての駆動ロッカアーム31
1に伝達することにより、該駆動ロッカアーム311
より開閉駆動されるものであり、閉弁タイミングおよび
リフト量が可変に制御される。
【0013】上記油圧式伝達手段TO1および機械式伝達
手段TM1のいずれを択一的に選択するかは制御手段22
によって判断されるものであり、この制御手段22に
は、クランク軸19の回転数すなわち機関回転数を検出
する回転数センサ23、油圧式伝達手段TO1における作
動油が作動力伝達に適した状態にあるかどうかすなわち
作動油温を検出する作動油状態検出手段としての油温セ
ンサ24、ならびにアクセルペダル26の踏込み量すな
わち機関に与えられる負荷としてのアクセル開度を検出
するアクセル開度センサ25がそれぞれ接続される。ま
た制御手段22には、油圧式伝達手段TO1における作動
油が作動力伝達に適した状態にあるかどうかを示すもの
として、機関が始動状態にあるか否か、ならびに油圧式
伝達手段T O1で油圧失陥が生じたか否かの情報も入力さ
れており、それらのセンサ23,24,25の検出値な
らびに前記各情報に応じて制御手段22は油圧式伝達手
段T O1および機械式伝達手段TM1のいずれかを択一的に
選択する。
【0014】また吸気弁口43に連なる吸気ポート44
に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁28がシリンダヘッ
ド41に取付けられ、吸気ポート44に通じる吸気通路
29にはアクチュエータ30により開閉作動されるスロ
ットル弁VTHが配設され、このスロットル弁VTHの開度
すなわちアクチュエータ30の作動は、アクセル開度セ
ンサ25の検出値に応じて制御手段22により制御され
る。
【0015】図2において、吸気弁VI を開閉駆動する
ための動弁装置は、機関の回転すなわちカム33の回転
に応じた作動力を発生する作動力発生手段PG1と、吸気
弁V I を作動させる作動力作用手段としての駆動ロッカ
アーム311 と、作動力発生手段PG1からの作動力を駆
動ロッカアーム311 に油圧的に伝達可能な油圧式伝達
手段TO1と、作動力発生手段PG1からの作動力を剛性的
に駆動ロッカアーム311 に伝達可能な機械式伝達手段
M1と、油圧式伝達手段TO1を介しての作動力発生手段
G1から駆動ロッカアーム311 への作動力伝達ならび
に機械式伝達手段TM1を介しての作動力発生手段PG1
ら駆動ロッカアーム311 への作動力伝達を択一的に切
換可能な選択切換手段AC1 とを備える。
【0016】作動力発生手段PG1は、カムシャフト32
に設けられるカム33と、該カム33により揺動駆動さ
れる自由ロッカアーム34とから成る。油圧式伝達手段
O1は、自由ロッカアーム34の作動に応じた油圧を発
生する油圧発生部351 と、油圧発生部351 からの油
圧を作動力に変換して駆動ロッカアーム311 に伝達す
るための作動力変換部361 と、作動力変換部361
油圧を解放可能な油圧解放弁37とを備える。機械式伝
達手段TM1は、相互に隣接して配置される駆動ロッカア
ーム311 および自由ロッカアーム34と、両ロッカア
ーム311 ,34間を連結する位置ならびにその連結を
解除する位置間で移動可能な連結ピン38とを備える。
さらに選択切換手段AC1 は、ばね39で連結位置側に
付勢される連結ピン38に、高、低に切換制御可能な油
圧室40の油圧による連結解除位置側への付勢力を与え
るように構成される。
【0017】このような作動力発生手段PG1、油圧式伝
達手段TO1、機械式伝達手段TM1、選択切換手段AC1
および駆動ロッカアーム311 の詳細な構成について、
図3、図4および図5を参照しながら次に説明する。
【0018】先ず図3において、シリンダヘッド41に
開閉作動可能に設けられた吸気弁V I は、シリンダヘッ
ド41との間に縮設した弁ばね45により閉弁方向に向
けて付勢される。
【0019】シリンダヘッド41上には支持ブロック4
6が固定されており、この支持ブロック46およびシリ
ンダヘッド41間に、カムシャフト32が回転自在に支
承される。また支持ブロック46には、吸気側ロッカシ
ャフト47と、排気側ロッカシャフト48とが、カムシ
ャフト32と平行にして固定される。
【0020】作動力発生手段PG1は、カムシャフト32
に設けられているカム33と、吸気側ロッカシャフト4
7に揺動可能に支承された自由ロッカアーム34とから
成るものである。自由ロッカアーム34には、カム33
に摺接するローラ49が軸支されており、この自由ロッ
カアーム34は、油圧式伝達手段TO1における油圧発生
部351 によりローラ49をカム33に摺接させる方向
に付勢されている。而して機関の回転に応じてカムシャ
フト32の回転作動により、カム33の形状に応じた特
性で自由ロッカアーム34が揺動作動することになる。
【0021】駆動ロッカアーム311 は、自由ロッカア
ーム34に隣接した位置で吸気側ロッカシャフト47に
揺動可能に支承されており、この駆動ロッカアーム31
1 には、吸気弁VI の上端に当接するタペットねじ50
が進退位置を調節可能にして螺合される。したがって、
駆動ロッカアーム311 が揺動作動することにより、吸
気弁VI が開閉作動せしめられることになる。
【0022】駆動ロッカアーム311 には、自由ロッカ
アーム34側に開放した有底のガイド穴51が吸気側ロ
ッカシャフト47と平行にして穿設されており、自由ロ
ッカアーム34には、前記ガイド穴51に対応した有底
のガイド穴52が駆動ロッカアーム311 側に開放して
前記ロッカシャフト47と平行に穿設される。而して両
ロッカアーム31,34とともに機械式伝達手段TM1
構成する連結ピン38は、両ガイド穴51,52にとも
に嵌合して両ロッカアーム31,34間を剛性的に連結
する位置(図4で示す位置)と、ガイド穴51のみに嵌
合した状態となって両ロッカアーム31,34間の剛性
的な連結を解除する位置との間にわたって移動可能とし
てガイド穴52に摺動自在に嵌合されている。
【0023】選択切換手段AC1 は、連結ピン38の一
端に当接してガイド穴52に摺動可能に嵌合される有底
円筒状の規制部材53と、ガイド穴52の閉塞端および
規制部材53間に縮設されるばね39と、連結ピン38
の他端に当接するとともにガイド穴51の閉塞端との間
に油圧室40を形成してガイド穴51に摺動自在に嵌合
される切換ピストン54とを備え、ガイド穴52の閉塞
端には開放孔55が穿設される。
【0024】かかる選択切換手段AC1 では、切換ピス
トン54が油圧室40の容積を縮小する側に最大限移動
した状態で、連結ピン38が両ガイド穴51,52に跨
がって嵌合するように、また規制部材53がガイド穴5
2の閉塞端に当接する位置まで移動した状態で連結ピン
38および切換ピストン54の当接面が両ロッカアーム
31,34の対向面間に位置するように、連結ピン3
8、規制部材53および切換ピストン54の軸方向長さ
がそれぞれ設定される。
【0025】駆動ロッカアーム311 には、油圧室40
に通じる連通路56が穿設されており、吸気側ロッカシ
ャフト47には、駆動ロッカシャフト31の揺動状態に
かかわらず連通路56に通じる油圧路57が同軸に設け
られる。
【0026】図3において、油圧路57は、シリンダヘ
ッド41に穿設された油路58に連通される。一方、オ
イルパン59から作動油を汲上げるポンプ60の吐出口
にはフィルタ61が接続されており、このフィルタ61
および油路58間には、フィルタ61を介して供給され
るポンプ60からの作動油を油路58に供給する状態、
ならびに油路58への作動油の供給を遮断して油路58
を開放する状態を切換可能な電磁切換制御弁62が介設
される。またポンプ60の吐出口および吸引口間にはリ
リーフ弁63が介設されている。さらにシリンダヘッド
41の上部において、カムシャフト32の下方位置に
は、油を貯留するためのオイルバス64が設けられる。
【0027】油圧式伝達手段TO1において、油圧発生部
351 は、支持ブロック46に嵌合、固定される第1シ
リンダ体65と、自由ロッカアーム34に一体に設けら
れる押圧部34aに摺接するとともに第1シリンダ体6
5との間に油圧発生室67を画成して第1シリンダ体6
5に摺動可能に嵌合される従動ピストン66とから成
り、カム33によって揺動駆動される自由ロッカアーム
34により従動ピストン66が摺動駆動され、それによ
り、油圧発生室67に油圧が発生する。
【0028】第1シリンダ体65および支持ブロック4
6には、油圧発生室67に通じる油路68が穿設されて
おり、この油路68に油圧発生室67からの油圧が作用
する。
【0029】油圧式伝達手段TO1における作動力変換部
361 は、支持ブロック46に吸気弁VI と同軸にして
固定される第2シリンダ体70と、駆動ロッカアーム3
1に連動、連結されるとともに第2シリンダ体70と
の間に油圧室71を画成して第2シリンダ体70に摺動
可能に嵌合される駆動ピストン72とを備える。この駆
動ピストン72には、駆動ロッカアーム311 の上部に
当接する調整ねじ37が、その進退位置を調整可能とし
て駆動ピストン72の下端部に螺合される。したがって
油圧室71の油圧増大に応じて駆動ピストン72が下方
に押下げられると、駆動ロッカアーム311 が吸気弁V
I を開弁する方向に揺動作動せしめられる。
【0030】第2シリンダ体70の内面には油路68に
通じる環状凹部74が設けられ、油圧室71を油路68
に連通させる絞り孔75が第2シリンダ体70に穿設さ
れる。また駆動ピストン72には、吸気弁VI すなわち
駆動ピストン72がその全閉位置から所定量だけ開弁方
向に作動した位置から全閉位置までの閉弁作動時に流通
面積を漸次小さくするようにして油圧室71を油路68
に通じさせる可変絞り孔76が設けられ、駆動ピストン
72には環状凹部74から油圧室71への作動油の流通
のみを許容するチェック弁77が設けられる。
【0031】このような油圧発生部351 および作動力
変換部361 においては、油圧室71および油圧発生室
67の油圧を解放しないときの吸気弁VI の全閉状態で
は図3で示す状態にあり、この状態からカム33の回転
に応じて従動ピストン66が押込まれると、油圧発生室
67で発生した油圧が絞り孔75およびチェック弁77
を介して油圧室71に導かれ、その油圧室71の油圧に
より駆動ピストン72が下方に押下げられ、吸気弁VI
が弁ばね45のばね力に抗して開弁する。
【0032】吸気弁VI が全開状態になった後に、カム
33による押圧力が解除されると、吸気弁33は弁ばね
45のばね力により上方すなわち閉弁方向に駆動され
る。この吸気弁VI の閉弁作動により駆動ピストン72
も上方に押上げられ、油圧室71の油は油圧発生室67
に戻される。而して吸気弁VI の閉弁作動途中で油圧室
71から油圧発生室67への作動油の戻り量が流通面積
を漸次小さくする可変絞り孔76により制限され、吸気
弁VI の上方への移動速度すなわち閉弁速度が閉弁作動
途中から緩められ、吸気弁VI が緩やかに着座すること
により、着座時の衝撃が緩和される。
【0033】油圧室71の油圧を、吸気弁VI の開弁作
動途中で解放すると、油圧室71は弁ばね45のばね力
に打勝って吸気弁VI を開弁し続けるだけの伝達機能を
失うことになり、カム33が従動ピストン66を押続け
るにもかかわらず、吸気弁V I は前記油圧解放時から弁
ばね45の弾発力により閉弁作動を開始し、油圧室71
の容積は縮小する。
【0034】油圧室71からの油圧解放時期すなわち吸
気弁VI のリフト量および閉弁時期を制御するために、
油圧解放弁37と、アキュムレータ79と、一方向弁8
0と、チェック弁81とが支持ブロック46に配設され
る。
【0035】アキュムレータ79は、支持ブロック46
に穿設された油路82の途中に介設されるものであり、
油路82にT字状に交わって支持ブロック46に穿設さ
れた摺動孔83に摺動可能に嵌合されるアキュムレータ
ピストン84と、摺動孔83の外端を閉じる閉塞部材8
5およびアキュムレータピストン84間に縮設されるば
ね86とを備える。
【0036】油圧解放弁37は、油路68に連通して支
持ブロック46に穿設される油路87と、油路82との
間に介設される電磁弁である。一方向弁80は、前記油
路87,82間で、前記油圧解放弁37を迂回して支持
ブロック46に配設されるものであり、油路82の油圧
が油路87の油圧よりも設定圧以上大きくなったときに
開弁してアキュムレータ79から油路87すなわち油圧
発生室67および油圧室71に向けての油の流通のみを
許容するものである。またチェック弁81は、油路58
から油路82に向けての作動油の流通のみを許容するよ
うにして支持ブロック46に配設される。
【0037】図6において、支持ブロック46には、そ
の側部外面に開口する取付孔88が油圧解放弁37を取
付けるべくほぼ水平な軸線を有して穿設される。この取
付孔88は、その軸方向に沿う内方側から順に小径孔部
89と、小径孔部89よりも大径の大径孔部90と、大
径孔部90よりも大径であるねじ孔部91とが同軸に連
設されて成る。しかも油路87は、取付孔88に近付く
につれて上方位置となるように傾斜して支持ブロック4
6に穿設されるものであり、この油路87の最上端部が
小径孔部89の中央部に開口される。小径孔部89に
は、小径孔部89および大径孔部90間の段差面と面一
にしてフィルタ92が嵌合される。また油路82は大径
孔部90における小径孔部89寄りの側面に開口され
る。しかも油路82は、その大径孔部90への開口端が
最上方位置となるようにして支持ブロック46に穿設さ
れている。
【0038】一方、油圧解放弁37のハウジング94
は、ハウジング主体95の前端に弁ハウジング部96が
設けられるとともにハウジング主体95の後端に固定コ
ア97が取付けられて成る。而してハウジング主体95
は、ねじ孔部91よりも小径である外筒部98と、該外
筒部98内に同軸に配置される内筒部99と、外筒部9
8および内筒部99の一端を連結する連結板部100
と、ねじ孔部91の内径よりもわずかに小さな外径を有
して外筒部98の一端から半径方向外方に張出される鍔
部101と、大径孔部90に嵌合する外径を有して外筒
部98および内筒部99とは反対側に延びながら連結板
部100に同軸に連設される連結筒部102とを有す
る。しかも内筒部99の連結板部100からの軸方向長
さは外筒部98の連結板部100からの軸方向長さより
も小さく設定される。
【0039】弁ハウジング部96は、外ガイド筒103
と該外ガイド筒103内に同軸に配置される内ガイド筒
104とから成り、連結板部100に内ガイド筒104
を当接させるようにして外ガイド筒103および内ガイ
ド筒104を連結筒部102に嵌合した状態で、該連結
筒部102の先端を外ガイド筒103にかしめ結合する
ことにより、弁ハウジング部96が構成されるとともに
該弁ハウジング部96がハウジング主体95の前端に連
設される。また固定コア97は外筒部98の後端にかし
め結合される。
【0040】このような油圧解放弁37のハウジング9
4は、その弁ハウジング部96をフィルタ92に当接さ
せるまでハウジング主体95の連結筒部102を大径孔
部90に嵌合するようにして取付孔88に挿入される。
またハウジング94の後部を覆う円筒状であって絶縁材
料から成る蓋105で閉塞される孔106を後端に有す
るカバー107の前端部が取付孔88のねじ孔部91に
螺合され、該カバー107を、その先端がハウジング9
4の鍔部101に当接するまで締付けることにより、油
圧解放弁37のハウジング94がカバー107および支
持ブロック46間に挟持、固定されることになる。而し
て油圧解放弁37におけるハウジング94の後部はカバ
ー107で覆われることになり、ハウジング94および
カバー107間には油溜108が形成されることにな
る。
【0041】弁ハウジング部96における外ガイド筒1
03の一端にはフィルタ92を介して油路87に通じる
入口ポート109が設けられ、該入口ポート109近傍
で外ガイド筒103の側壁には周方向に間隔をあけた複
数の出口ポート110が穿設される。しかも支持ブロッ
ク46の取付孔88における大径孔部90内面および外
ガイド筒103間には各出口ポート110および油路8
2に通じる環状通路111が形成され、ハウジング主体
95の連結筒部102外面には、環状通路111と外部
との間のシールを果たすための環状のシール部材112
が嵌着されている。
【0042】弁ハウジング部96内には、有底円筒状に
形成される主弁体113が、その外面を外ガイド筒10
3内面に摺接させるようにして嵌合されており、該主弁
体113は、入口ポート109の内端縁を囲むようにし
て外ガイド筒103に設けられるテーパ状の弁座114
に着座して入口ポート109および出口ポート110間
を遮断する位置と、弁座114から離反して入口ポート
109および出口ポート110間を連通する位置との間
で移動可能である。
【0043】主弁体113の背面を臨ませるようにして
弁ハウジング部96内には背圧室115が形成されてお
り、該背圧室115内には、主弁体113を弁座114
に着座せしめる方向のばね力を発揮するばね116が収
納される。したがって主弁体113には、入口ポート1
09の油圧が開弁方向に作用し、背圧室115の油圧が
閉弁方向に作用し、ばね116のばね力が閉弁方向に作
用することになる。しかも主弁体113には、入口ポー
ト109および背圧室115間を連通する絞り117が
軸線からずれた位置に穿設される。
【0044】弁ハウジング部96における内ガイド筒1
04は、主弁体113の開弁作動時に該主弁体113に
当接してストッパとしての機能を果たすものであり、主
弁体113の背面に対向する内ガイド筒104の先端部
にはパイロット弁孔118が同軸に穿設される。また内
ガイド筒104内にはパイロット弁孔118を閉鎖可能
なパイロット弁体119が摺動自在に嵌合されており、
該パイロット弁体119は、弁ハウジング部96との間
に介設したばね120により開弁方向すなわち後退方向
に付勢される。しかもパイロット弁体119には、その
開弁時にパイロット弁孔118に通じる連通路121が
同軸に穿設されており、該連通路121はパイロット弁
体119の後端で開口される。
【0045】ハウジング主体95における内筒部99内
にはスリーブ122を介して駆動ロッド123が軸方向
移動自在に配置されており、該駆動ロッド123の先端
はパイロット弁体119の後端に同軸に当接される。ま
た内筒部99の端部と固定コア97との間には、軸方向
の移動を可能として可動コア124が配置されており、
前記駆動ロッド123の後端が該可動コア124に結合
される。しかも可動コア124および固定コア97間に
はばね125が縮設されており、可動コア124はばね
125により内筒部99側に付勢される。さらに駆動ロ
ッド123および固定コア97には、前記連通路121
を油溜108に連通させる連通路126および連通孔1
27が穿設されている。
【0046】ハウジング主体95の外筒部98および内
筒部99間には、ボビン128に巻装されたコイル12
9が配設されており、該コイル129に接続されるリー
ド線130が固定コア97から油溜108を経て蓋10
5から外部に引出される。
【0047】このような油圧解放弁37では、コイル1
29の励磁により可動コア124および駆動ロッド12
3がばね125のばね力に抗して後退し、駆動ロッド1
23に追随してパイロット弁体119が後退することに
よりパイロット弁孔118が開放される。それにより背
圧室115の油圧が油溜108に解放され、主弁体11
3の両面に作用する油圧のバランスがくずれ、その前面
に作用している入口ポート109の油圧による開弁力
が、背圧室115の油圧およびばね116による閉弁力
に打勝って開弁作動する。またコイル129の消磁状態
では可動コア124および駆動ロッド123がばね12
5のばね力により前進し、パイロット弁体119はパイ
ロット弁孔118を閉塞するまで前進する。これにより
絞り117を介して背圧室115に入口ポート109の
油圧が作用し、主弁体113が閉弁作動する。
【0048】カバー107における後方上部には、油路
87の油圧解放弁37側端部ならびに油路82の油圧開
放弁37側端部よりも上方位置となるようにして、油溜
108に通じる接続管部131が設けられており、該接
続管部131には、可撓性を有する管路132が接続さ
れる。この管路132は、その中間部が上方に向けて略
U字状に屈曲されるとともに、オイルバス64の直上位
置で開口するようにして配設される。
【0049】この油圧解放弁37によると、主弁体11
3、パイロット弁体119および可動コア124の周囲
に作動油を満たすことができ、作動部の作動による衝突
音の外部への伝播は周囲の油により減衰されることにな
る。しかもハウジング94は、該ハウジング94との間
に油溜108を形成するカバー107で覆われるので、
ハウジング94から外部に音が洩れたとしても、その音
は油溜108の油中を伝播して減衰されることになる。
したがって、油圧解放弁37から外部に放出される騒音
が大きく低減され、油圧解放弁37の作動頻度が高くて
も有効に騒音低減を図ることができる。
【0050】また油圧解放弁37は、油路87の最上端
位置および油路82の最上端位置間に位置するものであ
り、油圧解放弁37のハウジング94を覆うようにして
カバー107内に形成された油溜108が固定コア97
に設けれた連通孔127を介して油圧解放弁37の内部
に連通しているので、油路82,87等の油圧経路から
洩れた油を油溜108から補給することが可能であり、
それにより前記油圧経路内へのエアーの侵入を防止し、
エアーの侵入による異常挙動が生じるのを防止すること
が可能となる。
【0051】さらに油圧解放弁37のハウジング94
は、カバー107および支持ブロック46間に挟持、固
定されるものであり、カバー107は、油溜108を形
成する機能と、ハウジング94を固定する機能とを有す
ることになり、部品点数を低減することができる。しか
もハウジング94をカバー107および支持ブロック4
6間に挟持、固定することにより、油圧解放弁37内に
切粉等が侵入することを防止することができるととも
に、ハウジングを支持ブロック46に直接螺合する構造
のものではリード線130の位置を一定に定めるのが困
難であるのに対してリード線130の位置を一定位置に
定めることが容易となる。
【0052】選択切換手段AC1 の切換作動すなわち電
磁切換制御弁62の切換作動は、制御手段22により制
御されるものであり、この制御手段22には、図7で示
す制御手順が設定されている。
【0053】図7において、第1ステップS1では、機
関が始動時であるか否かが判断され、始動状態であった
ときには第2ステップS2において電磁切換制御弁62
を閉じることにより油路57の油圧を低下させるととも
に、油圧式伝達手段TO1における油圧解放弁37を開弁
させたままとする。そうすると、選択切換手段AC1
は、連結ピン38が両ガイド穴51,52に跨がる位置
までばね39のばね力が発揮され、機械式伝達手段TM1
は連結ピン38により両ロッカアーム31,34を剛性
的に連結した状態となり、油圧式伝達手段TO1では、油
圧発生部351で発生する油圧がアキュムレータ79で
吸収されることになって作動力変換部36の油圧室71
には駆動ピストン72を駆動するだけの油圧が導入され
ない。
【0054】第3ステップS3では、油圧式伝達手段T
O1における油圧系統に油圧失陥が生じていないかどうか
が判断される。すなわち、油圧式伝達手段TO1における
油路68,82,87等の異常閉塞およびポンプ60の
異常等により油圧失陥が生じていると判断したときには
第2ステップS2に進んで機械式伝達を選択し、油圧失
陥が生じて居なかったときには、第4ステップS4に進
む。
【0055】第4ステップS4では、油温センサ24で
検出された油温TO が図8で示すように予め設定された
設定油温TOC未満であるかどうかが判定される。而し
て、その判定結果がTO <TOCであったとき、すなわち
図8の右下がりの斜線で示す領域であったときには、作
動油の粘度が高くて油圧式伝達手段TO1による作動力伝
達が困難であるとして第2ステップS2に進み、TOC
O であったとき、すなわち図8の左下がりの斜線で示
す領域であったときには、第5ステップS5に進む。
【0056】第5ステップS5では、図9で示すよう
に、ヒステリシスを有して予め設定されたアクセル開度
θ−機関回転数NE のマップによる検索が実行され、次
の第6ステップS6において、上記検索の結果、アルセ
ル開度θが比較的高い状態であって機関回転数NE も高
い領域すなわち高負荷・高回転領域にあったときには、
第7ステップS7に進んで機械式伝達が選択される。す
なわち電磁切換制御弁62を閉じるとともに油圧解放弁
37を開弁させたままとする。
【0057】また第6ステップS6において、低負荷・
低回転領域にあると判断されたときには、第6ステップ
S6から第8ステップS8に進んで油圧式伝達が選択さ
れる。すなわち、電磁切換制御弁62によりポンプ60
および油路58間を連通し、油路57の油圧を上昇させ
る。そうすると、選択切換手段AC1 では、油圧室40
の油圧増大により連結ピン38がガイド穴52に押込ま
れ、機械式伝達手段T M1は連結ピン38を介しての両ロ
ッカアーム31,34の剛性的連結が解除されることに
なる。一方、油圧式伝達手段TO1では、油圧発生部35
1 で発生する油圧が作動力変換部361 の油圧室71に
作用することになり、油圧室71の油圧により駆動ピス
トン72が駆動されることになる。したがって、機械式
伝達手段TM1による作動力の伝達がなく、油圧式伝達手
段TO1の作動力伝達により吸気弁VI が開閉駆動される
ことになる。この際、油圧式伝達手段TO1における油圧
解放弁37による油圧解放時期を制御することにより、
吸気弁VI のリフト量および閉弁時期を制御することが
できる。
【0058】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると、油圧式伝達手段TO1での作動油が作動力伝達に適
していると判断されるとき、すなわち機関が始動時では
ないとき、作動油の粘度が充分に低くなるまで温度が上
昇したとき、ならびに油圧式伝達手段TO1で油圧失陥が
生じていない低負荷、低回転領域では、良好な作動力伝
達が可能である油圧式伝達手段TO1を選択し、油圧式伝
達手段TO1の作動力伝達により吸気弁VI のリフト量お
よび閉弁時期制御を可能とし、機関運転状態に応じた動
弁特性を得ることができる。
【0059】また作動油伝達手段TO1における作動油が
作動力伝達に適していな状態にあると判断されるとき、
すなわち機関の始動時に油圧式伝達手段TO1で充分な油
圧が確保されないとき、油温が低温であって作動油の粘
度が異常に高くなったとき、ならびに油圧式伝達手段T
O1における油路68,82,87等の異常閉塞およびポ
ンプ60の異常等による油圧失陥が生じたことが判った
ときには、油圧式伝達手段TO1による作動力伝達が不良
であるとして、機械式伝達手段TM1による作動力伝達を
選択し、作動力発生手段PG1から駆動ロッカアーム31
1 への機械式伝達手段TM1による剛性的な作動力伝達に
より吸気弁VI が開閉駆動されることになる。
【0060】また高負荷・高回転領域にあるときにも、
機械式伝達手段TM1による作動力伝達が選択されるもの
であり、高荷重および高速の作動力伝達が必要とされる
領域で作動力発生手段PG1から駆動ロッカアーム311
への迅速かつ確実な作動力伝達を、機械式伝達手段TM1
により剛性的伝達で確保することができる。
【0061】図10ないし図14は本発明の第2実施例
を示すものであり、図10は吸気側動弁系の全体構成を
示す模式図、図11は機関の一部縦断側面図であって図
12の11−11線に沿う断面図、図12は図11の1
3−13線断面図、図13は図12の13−13線に沿
う機関の一部縦断側面図、図14は図12の14−14
線に沿う機関の一部縦断側面図である。
【0062】この吸気側動弁装置は、機関の回転に応じ
た作動力を発生する作動力発生手段PG2と、吸気弁VI
を作動させる作動力作用手段としての駆動ロッカアーム
31 2 と、作動力発生手段PG2からの作動力を駆動ロッ
カアーム312 に油圧的に伝達可能な油圧式伝達手段T
O2と、作動力発生手段PG2からの作動力を駆動ロッカア
ーム312 に剛性的に伝達可能な機械式伝達手段T
M2と、油圧式伝達手段TO2から駆動ロッカアーム312
への出力と、機械式伝達手段TM2から駆動ロッカアーム
312 への出力とを択一的に切換可能な選択切換手段A
2 とを備える。
【0063】作動力発生手段PG2は、カムシャフト32
に設けられるカム33と、該カム33により揺動駆動さ
れる第1自由ロッカアーム151とから成る。油圧式伝
達手段TO2は、第1自由ロッカアーム151の作動に応
じた油圧を発生する油圧発生部351 と、駆動ロッカア
ーム312 に隣接して配置される第2自由ロッカアーム
152を構成要素として油圧発生部351 からの油圧を
作動力に変換して駆動ロッカアーム312 に伝達すべく
構成される作動力変換部362 と、作動力変換部362
の油圧を解放可能な油圧解放弁37とを備える。機械式
伝達手段TM2は、相互に隣接して配置される駆動ロッカ
アーム312 および第1自由ロッカアーム151と、駆
動ロッカアーム312 および第1自由ロッカアーム15
1間を連結するとともに駆動ロッカアーム312 および
第2自由ロッカアーム152間を遮断する位置ならびに
駆動ロッカアーム312 および第1自由ロッカアーム1
51間を遮断するとともに駆動ロッカアーム312 およ
び第2自由ロッカアーム152間を連結する位置間で移
動可能な連結ピン153とを備える。選択切換手段AC
2 は、駆動ロッカアーム312 および第1自由ロッカア
ーム151間を連結するとともに駆動ロッカアーム31
2 および第2自由ロッカアーム152間を遮断する側に
ばね39で付勢される連結ピン153に、高、低に切換
制御可能な油圧室40の油圧により駆動ロッカアーム3
2 および第1自由ロッカアーム151間を遮断すると
ともに駆動ロッカアーム312 および第2自由ロッカア
ーム152間を連結する側への付勢力を与えるように構
成される。
【0064】駆動ロッカアーム312 、第1自由ロッカ
アーム151および第2自由ロッカアーム152は、駆
動ロッカアーム312 の両側に第1および第2自由ロッ
カアーム151,152がそれぞれ隣接するようにして
吸気側ロッカシャフト47に揺動可能に支承される。
【0065】作動力発生手段PG2を構成する第1自由ロ
ッカアーム151には、カム33に摺接するローラ15
4が軸支されている。而して機関の回転に応じたカムシ
ャフト32の回転作動により、カム33の形状に応じた
特性で第1自由ロッカアーム151が揺動作動すること
になる。
【0066】吸気側ロッカシャフト47に揺動可能に支
承された駆動ロッカアーム312 は、タペットねじ50
を介して吸気弁VI に連動、連結されるとともに、カム
シャフト32に設けられている真円状の隆起部136に
摺接される。また駆動ロッカアーム312 には、両側の
第1および第2自由ロッカアーム151,152側にそ
れぞれ開放したガイド孔155が吸気側ロッカシャフト
47と平行にして穿設されており、第1自由ロッカアー
ム151には、前記ガイド孔155に対応した有底のガ
イド穴156が駆動ロッカアーム312 側に開放して前
記ロッカシャフト47と平行に設けられる。また第2自
由ロッカアーム152には、駆動ロッカアーム312
に開放した有底のガイド穴157がガイド孔155に対
応した位置で前記ロッカシャフト47と平行に穿設され
る。
【0067】駆動ロッカアーム312 および第1自由ロ
ッカアーム151とともに機械式伝達手段TM2を構成す
る連結ピン153は、ガイド穴155およびガイド孔1
56にともに嵌合して駆動ロッカアーム312 および第
1自由ロッカアーム151間を剛性的に連結するが駆動
ロッカアーム312 および第2自由ロッカアーム152
間の連結を解除する位置(図10および図12で示す位
置)と、ガイド孔155およびガイド穴157にともに
嵌合して駆動ロッカアーム312 および第1自由ロッカ
アーム151間の連結を解除するが駆動ロッカアーム3
2 および第2自由ロッカアーム152間を剛性的に連
結する位置との間にわたって移動可能としてガイド孔1
55に摺動自在に嵌合されている。
【0068】選択切換手段AC2 は、連結ピン153の
一端に当接してガイド穴157に摺動可能に嵌合される
有底円筒状の規制部材158と、ガイド穴157の閉塞
端および規制部材158間に縮設されるばね39と、連
結ピン153の他端に当接するとともにガイド穴156
の閉塞端との間に油圧室40を形成してガイド穴156
に摺動自在に嵌合される切換ピストン159とを備え、
ガイド穴157の閉塞端には開放孔160が穿設され
る。また油圧室40は吸気側ロッカシャフト47内の油
圧路57に常時連通される。
【0069】かかる選択切換手段AC2 では、切換ピス
トン159が油圧室40の容積を縮小する側に最大限移
動した状態で、連結ピン153がガイド孔155および
ガイド穴156に跨がって嵌合するとともに連結ピン1
53および規制部材158の当接面が駆動ロッカアーム
312 および第2自由ロッカアーム152の対向面間に
位置するように、また規制部材158がガイド穴157
の閉塞端に当接する位置まで移動した状態で連結ピン1
53および切換ピストン159の当接面が駆動ロッカア
ーム312 および第1自由ロッカアーム151の対向面
間に位置するとともに連結ピン153がガイド孔155
およびガイド穴156間に跨がって嵌合するように、連
結ピン153、規制部材158および切換ピストン15
9の軸方向長さがそれぞれ設定される。
【0070】油圧式伝達手段TO2において、油圧発生部
351 は、第1自由ロッカアーム151に一体に設けら
れる押圧部151aに従動ピストン66を摺接させるよ
うに支持ブロック46に配設されており、第1自由ロッ
カアーム151により従動ピストン66が摺動駆動さ
れ、それにより、油圧発生室67に油圧が発生する。
【0071】油圧式伝達手段TO2における作動力変換部
362 は、支持ブロック46に固定される第2シリンダ
体70と、第2シリンダ体70との間に油圧室71を画
成して第2シリンダ体70に摺動可能に嵌合される駆動
ピストン72と、該駆動ピストン72に連動、連結され
る第2自由ロッカアーム152とを備える。
【0072】而して、第2シリンダ体70および駆動ピ
ストン72に関連する構造は、上記第1実施例と同様に
構成される。また油圧解放弁37と、アキュムレータ7
9と、一方向弁80と、チェック弁81とが第1および
第2実施例と同様にして支持ブロック46に配設され
る。
【0073】この第2実施例の作用について説明する
と、油圧式伝達手段TO2による作動油が作動力伝達に適
していると判断されるとき、すなわち始動時ではないと
き、作動油の粘度が充分に低くなるまで温度が上昇した
とき、ならびに油圧式伝達手段TO2において油圧失陥が
生じていない状態での低負荷・低回転領域では、電磁切
換制御弁62によりポンプ60および油路58間を連通
し、油路57の油圧を上昇させる。そうすると、選択切
換手段AC2 では、油圧室40の油圧増大により連結ピ
ン153が、切換ピストン159との当接面を駆動ロッ
カアーム312 および第1自由ロッカアーム151の対
向面間に位置させるとともにガイド穴157に嵌合する
まで移動せしめられ、機械式伝達手段TM2は連結ピン1
53を介しての剛性的連結が解除されることになる。一
方、油圧式伝達手段TO2では、第2自由ロッカアーム1
51が駆動ロッカアーム312 に連結されることによ
り、油圧発生部351 で発生した油圧が作動力変換部3
2 で作動力に変換されて駆動ロッカアーム312 に作
用することになる。したがって機械式伝達手段TM2によ
る作動力の伝達がなく、油圧式伝達手段TO2の作動力伝
達により吸気弁VI が開閉駆動されることになる。この
際、油圧式伝達手段TO2における油圧解放弁37による
油圧解放時期を制御することにより、吸気弁VI のリフ
ト量および閉弁時期を制御することができる。
【0074】また油圧式伝達手段TO2での作動油が作動
力伝達には適していない状態にあると判断したとき、す
なわち機関始動時、低温時に作動油の粘度が異常に高く
なった場合、ならびに油圧式伝達手段TO3において油圧
失陥が生じた場合には、電磁切換制御弁62によりポン
プ60および油路58間を遮断し、油路57の油圧を低
下させる。そうすると、選択切換手段AC2 では、連結
ピン153がガイド孔155およびガイド穴156に跨
がる位置までばね39のばね力が発揮され、機械式伝達
手段TM2は連結ピン153により駆動ロッカアーム31
2 および第1自由ロッカアーム151を剛性的に連結し
た状態となる。一方、選択切換手段AC 2 は、駆動ロッ
カアーム312 および第2自由ロッカアーム152間を
遮断した状態となっており、作動力変換部362 および
駆動ロッカアーム312 間が遮断される。したがって油
圧式伝達手段TO2による作動力の伝達は行なわれない。
この結果、機械式伝達手段TM2による作動力発生手段P
G2から駆動ロッカアーム312 への剛性的な作動力伝達
により吸気弁VI が開閉駆動されることになる。この
際、油圧式伝達手段TO2における油圧解放弁37を開弁
状態とし、駆動ピストン72の作動を休止させておくこ
とにより、駆動ピストン72の戻り不良回避および摩擦
抵抗低減を図ることができる。
【0075】また油圧失陥が生じていなくとも、高負荷
・高回転領域にある場合にも機械式伝達手段TM2により
作動力伝達が選択され、高負荷・高回転領域での確実な
作動力伝達が可能となる。
【0076】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0077】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明に従う
装置は、機関の回転に応じた作動力を発生する作動力発
生手段と、機関弁を作動させる作動力作用手段と、作動
力発生手段および作動力作用手段間で作動力を油圧的に
伝達可能な油圧式伝達手段と、作動力発生手段および作
動力作用手段間で作動力を剛性的に伝達可能な機械式伝
達手段と、油圧式伝達手段および機械式伝達手段による
作動力発生手段から作動力作用手段への作動力伝達を択
一的に切換可能な選択切換手段と、油圧式伝達手段の作
動油が作動力伝達に適した状態にあるか否かを検出する
作動油状態検出手段と、前記作動油が作動力伝達に適し
た状態にあることを作動油状態検出手段が検出したとき
に油圧式伝達手段を選択するようにして選択切換手段の
作動を制御する制御手段とを含むので、作動油が作動力
伝達に適していると判断されるときには、油圧式伝達手
段による作動力伝達を選択して機関弁の作動特性を精密
に制御し、それ以外のときには機械式伝達手段により確
実に作動力を伝達させるようにして機関弁の確実な作動
を確保することができる。
【0078】また請求項2記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の構成に加えて、作動油状態検出手段
は、作動油の油温を検出する油温センサであるので、油
温が高いときには粘度が充分に低いことにより油圧式伝
達手段による作動力伝達が可能として油圧式伝達手段を
選択することができる。
【0079】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1または2記載の発明の構成に加えて、制御手段は、作
動油状態検出手段の検出結果による制御に加えて、機関
に与えられる負荷および機関回転数が予め設定された高
負荷・高回転領域にあるかどうかを判断するとともに高
負荷・高回転領域にあると判断したときには前記作動油
が作動力伝達に適した状態にあっても機械式伝達手段を
選択するようにして選択切換手段の作動を制御する機能
を有するので、高荷重および高速の作動力伝達が必要と
する領域では機械式伝達手段による剛性的な作動力伝達
を選択することができる。
【0080】さらに請求項4記載の発明によれば、上記
請求項3記載の発明の構成に加えて、機関に与えられる
負荷を代表する指標としてアクセル開度を検出するアク
セル開度センサが制御手段に接続されるので、機関に与
えられる負荷をアクセル開度で容易に検出することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における機関の動弁系および吸気系
を示す図である。
【図2】吸気側動弁系の全体構成を示す模式図である。
【図3】機関の一部縦断側面図であって図4の3−3線
に沿う断面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】図4の5−5線に沿う機関の一部縦断側面図で
ある。
【図6】油圧解放弁の拡大縦断面図である。
【図7】制御手段による制御手順を示すフローチャート
である。
【図8】油温による判断マップを示す図である。
【図9】負荷および機関回転数による判断マップを示す
図である。
【図10】第2実施例の吸気側動弁系を示す模式図であ
る。
【図11】機関の一部縦断側面図であって図12の11
−11線に沿う断面図である。
【図12】図11の12−12線断面図である。
【図13】図12の13−13線に沿う機関の一部縦断
側面図である。
【図14】図12の14−14線に沿う機関の一部縦断
側面図である。
【符号の説明】
22……制御手段 24……作動油状態検出手段としての油温センサ 25……アクセル開度センサ 311 ,312 …作動力作用手段としての駆動ロッカア
ーム AC1 ,AC2 ……選択切換手段 PG1,PG2……作動力発生手段 TM1,TM2……機械式伝達手段 TO1,TO2……油圧式伝達手段 VI ……機関弁としての吸気弁
フロントページの続き (72)発明者 藤吉 美広 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の回転に応じた作動力を発生する作
    動力発生手段(PG1,PG2)と、機関弁(VI )を作動
    させる作動力作用手段(311 ,312 )と、作動力発
    生手段(PG1,PG2)および作動力作用手段(311
    312 )間で作動力を油圧的に伝達可能な油圧式伝達手
    段(TO1,TO2)と、作動力発生手段(PG1,PG2)お
    よび作動力作用手段(311 ,312 )間で作動力を剛
    性的に伝達可能な機械式伝達手段(TM1,TM2)と、油
    圧式伝達手段(TO1,TO2)および機械式伝達手段(T
    M1,TM2)による作動力発生手段(PG1,PG2)から作
    動力作用手段(311 ,312 )への作動力伝達を択一
    的に切換可能な選択切換手段(AC1 ,AC2 )と、油
    圧式伝達手段(TO1,TO2)の作動油が作動力伝達に適
    した状態にあるか否かを検出する作動油状態検出手段
    (24)と、前記作動油が作動力伝達に適した状態にあ
    ることを作動油状態検出手段(24)が検出したときに
    油圧式伝達手段(TO1,TO2)を選択するようにして選
    択切換手段(AC1 ,AC2 )の作動を制御する制御手
    段(22)とを含むことを特徴とする内燃機関の動弁装
    置。
  2. 【請求項2】 前記作動油状態検出手段(24)は、作
    動油の油温を検出する油温センサであることを特徴とす
    る請求項1記載の内燃機関の動弁装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段(22)は、作動油状態検
    出手段(24)の検出結果による制御に加えて、機関に
    与えられる負荷および機関回転数が予め設定された高負
    荷・高回転領域にあるかどうかを判断するとともに高負
    荷・高回転領域にあると判断したときには前記作動油が
    作動力伝達に適した状態にあっても機械式伝達手段(T
    M1,TM2)を選択するようにして選択切換手段(A
    1 ,AC 2 )の作動を制御する機能を有することを特
    徴とする請求項1または2記載の内燃機関の動弁装置。
  4. 【請求項4】 機関に与えられる負荷を代表する指標と
    してアクセル開度を検出するアクセル開度センサ(2
    5)が制御手段(22)に接続されることを特徴とする
    請求項3記載の内燃機関の動弁装置。
JP4266331A 1992-10-05 1992-10-05 内燃機関の動弁装置 Pending JPH06117210A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012225340A (ja) * 2011-04-14 2012-11-15 Crf Soc Consortile Per Azioni 改良ソレノイドバルブを備えた吸気バルブの可変駆動システムを有する内燃エンジン、および同エンジン用ソレノイドバルブ

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JP2012225340A (ja) * 2011-04-14 2012-11-15 Crf Soc Consortile Per Azioni 改良ソレノイドバルブを備えた吸気バルブの可変駆動システムを有する内燃エンジン、および同エンジン用ソレノイドバルブ

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