JPH06116204A - 脂肪酸、そのエステル及びこれらを有効成分とするガングリオシド代謝促進剤 - Google Patents

脂肪酸、そのエステル及びこれらを有効成分とするガングリオシド代謝促進剤

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JPH06116204A
JPH06116204A JP29800992A JP29800992A JPH06116204A JP H06116204 A JPH06116204 A JP H06116204A JP 29800992 A JP29800992 A JP 29800992A JP 29800992 A JP29800992 A JP 29800992A JP H06116204 A JPH06116204 A JP H06116204A
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acid
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fatty acid
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Hiroyasu Kumamoto
浩康 隈元
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Takasago International Corp
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガングリオシド代謝を促進することのできる
新規な脂肪酸及びそのエステルと、該脂肪酸又はそのエ
ステルを有効成分とするガングリオシド代謝促進剤を提
供する。 【構成】 本発明の脂肪酸及びそのエステルは、式 【化1】 (式中、R1は炭素数9乃至19の直鎖アルキル基を、
2は水素原子又はヒドロキシ基で置換されている炭素
数2乃至4の低級アルキル基をそれぞれ表す)で表され
ることを特徴とするものであり、又、本発明のガングリ
オシド代謝促進剤は上記式(1)で表される脂肪酸又は
そのエステルを有効成分とすることを特徴とするもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血漿中のガングリオシド
代謝を調節することのできる脂肪酸、そのエステル及び
これらを有効成分とするガングリオシド代謝促進剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】脳機能の低下は、脳卒中や痴呆症の発症
を引き起す原因となり、従って、脳機能を賦活すること
は、これらの疾患の予防や治療に貢献することができる
とされている。
【0003】従来より、脳卒中は高血圧症と合併症を起
こして発症することが多い為、その予防及び治療は血圧
降下剤の投与により間接的に対処しているが、血圧を下
げることにより他の機能に影響を与えることも多い。
【0004】又、抗痴呆薬としては、例えば脳循環改善
薬、脳代謝賦活薬、アセチルコリン関連薬物等が知られ
ており、これらのうちの脳循環改善薬は、主として脳血
管を拡張して脳血流量を増加させる薬剤で、血管平滑筋
に直接作用するか、アドレナリンのα、β受容体を介し
て脳血管を弛緩させるもの等がある。
【0005】又、前記脳代謝賦活薬は、主として解糖と
酸素消費により行なわれる脳細胞のエネルギー代謝を活
性化して、脳の代謝機能の改善を図る薬剤であり、その
メカニズムとしては、脳細胞の酸素消費の増加、グルコ
ース代謝の賦活作用や神経伝達物質の活性化作用等を挙
げることができる。
【0006】更に、前記アセチルコリン関連薬物は、老
人性痴呆における神経伝達物質の異常のうち、記憶に関
与しているアセチルコリンニューロンの異常を改善しよ
うという試みに基づくものである。
【0007】一方、神経成長因子(NGF)を直接脳内
に投与する方法(Fischer,W.ら:Natur
e 329:65〜68,1987)で改善が見られる
例もあるが、実用面で大きな問題があり、更に、カテコ
ールアミン類がNGF合成を活性化するので、これを治
療に応用しようという試み(Furukawa,Y.
ら:J.Biol.Chem. 261:6039〜6
047,1986)もあるが、これらは神経伝達物質で
もあるため、精神機能を混乱させる恐れがある。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、これ
ら薬剤の全ては根本療法剤ではなく、周辺症状を改善す
るにとどまっている。
【0009】即ち、脳機能の低下は、脳内の神経機能の
低下によるものがほとんどであるが脳血流量の活性化や
グルコース代謝の活性化等は、神経細胞を直接活性化す
るものではなく、一時的処理にすぎず、根本的な治療は
望めないのである。
【0010】一方、脳卒中易発症高血圧自然発症ラット
(以下、SHR・SPと略す)に高魚タンパク食を与え
ると脳卒中の発症を抑制できることは既に知られている
(Yamori,Y.et at.:Jap.Hear
t J.:18:351:1977)が、本発明の発明
者を含む研究グループは、高魚タンパク食を与えたSH
R・SP群と通常食を与えたSHR・SP群の大脳皮質
部におけるガングリオシド量を比較した結果、高魚タン
パク食を与えた群は通常食を与えた群よりガングリオシ
ド量が有意に多いことを見い出した。
【0011】高魚タンパク食が大脳皮質部のガングリオ
シド量の低下を抑制することは、タンパク質が胃及び腸
で分解された後に血液内に吸収されるもののうち、ガン
グリオシドの代謝あるいは生合成に関与するものが存在
する可能性を示唆している。
【0012】ガングリオシド代謝酵素としてノイラミニ
ダーゼが知られているが、ノイラミニダーゼを賦活し、
ガングリオシド代謝を促進するものは知られていない。
【0013】
【問題点を解決するための手段】本発明は、上述した高
魚タンパク食の脳中ガングリオシドに対する影響に関す
る知見に基き、鋭意研究を続けた結果、完成されたもの
で、本発明の脂肪酸及びそのエステルは、式
【化3】 (式中、R1は炭素数9乃至19の直鎖アルキル基を、
2は水素原子又はヒドロキシ基で置換されている炭素
数2乃至4の低級アルキル基をそれぞれ表す)で表され
ることを特徴とするものであり、又、本発明のガングリ
オシド代謝促進剤は、式
【化4】 (式中、R1は炭素数9乃至19の直鎖アルキル基を、
2は水素原子又はヒドロキシ基で置換されている炭素
数2乃至4の低級アルキル基をそれぞれ表す)で表され
る脂肪酸又はそのエステルを有効成分とすることを特徴
とするものである。
【0014】即ち、本発明の発明者は、種々の天然物の
ガンクリオシド代謝促進活性について鋭意検討した結
果、セリナム テヌイフォリウム(Selinum t
enuifolium)が強い活性を有すること、そし
て、その活性成分が、式
【化5】 で表される新規な脂肪酸エステルであることを見い出
し、更に研究を続けた結果、本発明を完成したものであ
る。尚、上記セリナム テヌイフォリウム(Selin
um tenuifolium)は、インド生薬アユル
ベーダで精神安定薬として使用されており、又、この植
物中の成分研究としてクマリン成分の研究がある(Ph
ytochemistry,13,pp235〜23
8,1974;J.Indian Chem.So
c.,48,pp1067〜1069,1971)が、
ガングリオシド代謝の調節や脳機能の賦活に関しては全
く知られていない。
【0015】一方、近年ガングリオシドGQ1bが神経
突起伸長作用を有することが明かにされ(Tsuji
S.,Arita M.及びNagai Y.:J.B
iochem,94巻,303〜306,1983)、
ガングリオシドが神経機能を調節する重要な分子である
こがわかった。したがって、脳内のガングリオシドの生
合成を促進したり、逆に血液、肝臓等の器官でガングリ
オシドの代謝を促進することによって、例えば拮抗する
ガングリオシドの生合成能を高めたり、脳血液関門を通
過できない大きな分子種を通過可能な分子種として脳内
に移行させる等、脳内ガングリオシドを調節することが
可能であると考えられる。
【0016】以下に本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明の脂肪酸及びそのエステルは、上記
式(1)により表されるものである。そして、式(1)
中の置換基R1は、炭素数9〜19の直鎖アルキル基を
示すが、特にn−ウンデカニル基、n−トリデカニル
基、n−ペンタデカニル基が好ましく、又、置換基R2
は、水素原子、又は、ヒドロキシ基で置換されている炭
素数2〜4の低級アルキル基を示し、具体的には、2−
ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−
ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル
基、2,3−ジヒドロキシブチル基、2,4−ジヒドロ
キシブチル基、3,4−ジヒドロキシブチル基等が挙げ
られ、特に2,3−ジヒドロキシプロピル基が好まし
い。
【0018】ここで、化合物(1)の類似化合物とし
て、Australian J.Chem.12巻、1
959、173−189に、合成中間体として(4E)
−3−ヒドロキシ−4−ヘキサデセン酸エチルが報告さ
れており、このような脂肪酸アルキルエステルもガング
リオシド代謝促進活性を有すると考えられる。しかしな
がら、このような代謝は酵素反応に関与しており、又、
体内吸収の観点からも水溶性を有する成分がより好まし
い。よって、本発明では化合物(1)のような脂肪酸、
あるいはエステル基に親水性置換基であるヒドロキシ基
を導入した化合物を採用した。
【0019】上記脂肪酸及びそのエステルは、例えば特
開昭56−65842号公報に示されるように、次式に
従って合成することができる。
【化6】 (式中、Xはハロゲン原子を示し、R1及びR2は前記と
同じ意義を有す。)即ち、α,β−不飽和アルデヒド
(a)とハロ酢酸又はエステル(b)を、亜鉛の存在
下、5〜150℃でレホルマツキー反応させることによ
り得ることができるのである。
【0020】ここで、前記α,β−不飽和アルデヒド
(a)は、例えばYu−Hui Changら;Syn
thesis 1990(11)1033に示されるよ
うに、次式に従って合成することができる。
【化7】 (式中、Acはアセチル基を示し、R1は前記と同じ意
義を有す。)即ち、アルデヒド(c)とアリルアニオン
(d)を反応させて1−アルケン−4−オール(e)を
得、これを(1)アセチル化して(2)オゾン分解し、
更に(3)ジメチル硫黄で処理することにより得ること
ができるのである。
【0021】このようにして得られる本発明の脂肪酸及
びそのエステル(1)としては、例えば、 (4E)−3−ヒドロキシ−4−テトラデセン酸 (4E)−3−ヒドロキシ−4−ヘキサデセン酸 (4E)−3−ヒドロキシ−4−オクタデセン酸 (4E)−3−ヒドロキシ−4−イコセン酸 (4E)−3−ヒドロキシ−4−ドコセン酸 (4E)−3−ヒドロキシ−4−テトラデセン酸2’,
3’−ジヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ペンタデセン酸2’,
3’−ジヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ヘキサデセン酸2’,
3’−ジヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ヘプタデセン酸2’,
3’−ジヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−オクタデセン酸2’,
3’−ジヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ノナデセン酸2’,
3’−ジヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−イコセン酸2’,3’
−ジヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ヘンイコセン酸2’,
3’−ジヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ドコセン酸2’,3’
−ジヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−トリコセン酸2’,
3’−ジヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−テトラコセン酸2’,
3’−ジヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−テトラデセン酸2’−
ヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ペンタデセン酸2’−
ヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ヘキサデセン酸2’−
ヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ヘプタデセン酸2’−
ヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−オクタデセン酸2’−
ヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ノナデセン酸2’−ヒ
ドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−イコセン酸2’−ヒド
ロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ヘンイコセン酸2’−
ヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ドコセン酸2’−ヒド
ロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−トリコセン酸2’−ヒ
ドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−テトラコセン酸2’−
ヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−テトラデセン酸3’−
ヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ヘキサデセン酸3’−
ヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−オクタデセン酸3’−
ヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−イコセン酸3’−ヒド
ロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ドコセン酸3’−ヒド
ロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−テトラコセン酸3’−
ヒドロキシプロピル (4E)−3−ヒドロキシ−4−テトラデセン酸2’−
ヒドロキシエチル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ヘキサデセン酸2’−
ヒドロキシエチル (4E)−3−ヒドロキシ−4−オクタデセン酸2’−
ヒドロキシエチル (4E)−3−ヒドロキシ−4−イコセン酸2’−ヒド
ロキシエチル (4E)−3−ヒドロキシ−4−ドコセン酸2’−ヒド
ロキシエチル (4E)−3−ヒドロキシ−4−テトラコセン酸2’−
ヒドロキシエチル 等が挙げることができ、特に(4E)−3−ヒドロキシ
−4−ヘキサデセン酸2’,3’−ジヒドロキシプロピ
ル、(4E)−3−ヒドロキシ−4−オクタデセン酸
2’,3’−ジヒドロキシプロピル、(4E)−3−ヒ
ドロキシ−4−イコセン酸2’,3’−ジヒドロキシプ
ロピルが好ましい。
【0022】又、上記脂肪酸及びそのエステル(1)
中、前記式(2)で表されるものは、例えば次のような
方法で分画することによっても得ることができる。即
ち、セリナム テヌイフォリウム(Selinum t
enuifolium)を直接、種々の有機溶媒で抽出
してもよいが、収量良く得るためには、メタノール抽出
物を乾燥後、水に溶解し、有機溶媒で分配抽出すれば良
く、この方法により、前記式(2)で表わされる脂肪酸
エステルを簡単に濃縮することができるのである。
【0023】この場合、使用する有機溶媒としてはクロ
ロホルムが好ましいが、塩化メチレン、酢酸エチル、ベ
ンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、n−ブタノー
ル、炭化水素を使用してもよい。得られた粗活性画分の
精製は、有機溶媒層を濃縮後、シリカゲルやアルミナ等
のカラムクロマトグラフィーで行うことができ、この場
合に使用する溶媒としては、クロロホルムとメタノール
の混合液を使用するのが好ましいが、ヘキサンと酢酸エ
チルあるいはヘキサンとジエチルエーテルの混合液等で
もよい。
【0024】又、セファデックス(ファルマシア株式会
社製)等を用いたゲル濾過、アンバーライト(オルガノ
株式会社製)、MCIゲル(三菱化成株式会社製)等を
用いた吸着クロマトグラフィーを使用し、適当な溶媒を
用いて展開することによって精製することができる。
【0025】このようにして得られた本発明の脂肪酸及
びそのエステルは、無色油状物質であり、本発明のガン
グリオシド代謝促進剤は、例えばこの脂肪酸又はそのエ
ステルとデンプン、ステアリン酸マグネシウム、タル
ク、乳糖等と適当な割合で混合して製剤することがで
き、又、必要に応じて胃腸薬、鎮痛剤、ビタミン類等を
混入することもできる。剤形としては粉末剤、錠剤、液
剤等があり、内服薬、注射薬等で使用することができる
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】又、本発明ガングリオシド代謝促進剤は、
上記脂肪酸又はそのエステルを、一剤中に0.005乃
至0.1重量部、好ましくは0.01乃至0.05重量
部含むものであり、その投与量としては、1日に2〜5
0mg/kg体重、好ましくは5〜20mg/kg体重
という範囲を例示することができる。
【0027】
【実施例】以下本発明を実施例及び試験例を掲げ詳細に
説明する。
【0028】実施例1 セリナム テヌイフォリウム(Selinum ten
uifolium)より脂肪酸エステルの分離 (1)セリナム テヌイフォリウムメタノール抽出物よ
り粗活性画分の分離セリナム テヌイフォリウムメタノ
ール抽出物300gを蒸留水1500mlに溶解し、ク
ロロホルム(100ml×2回)で分配抽出して得られ
たクロロホルム層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(φ10cm×80cm)にかけ、ヘキサン
/酢酸エチル=1/2(容量比)で十分溶出させた後、
クロロホルム/メタノール=1/2(容量比)で溶出し
た。この画分を濃縮し、粗活性画分13.1gを得た。
【0029】(2)粗活性画分より化合物(2)の単
離、精製 (1)で得た粗活性画分を再びシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー{φ2cm×100cm、溶出溶媒;クロ
ロホルム/メタノール=95/5(容量比)}にかけ、
濃縮した後、HPLC分取{カラム:JAI−SIL
(日本分析工業株式会社製)、溶出溶媒;ヘキサン/イ
ソプロパノール=9/1(容量比)}で精製することに
より、(4E)−3−ヒドロキシ−4−オクタデセン酸
2’,3’−ジヒドロキシプロピル(式(2)で表され
る化合物)を単離した。1 H−NMR(400MHz,CDCl3 δppm):
0.89(3H,t,J=5.6Hz),1.30(2
2H),2.05(2H,m),2.38(1H,
m),2.45(1H,m),3.60(1H,dd,
J=5.9,11.5Hz),3.70(1H,dd,
J=4.0,11.5Hz),3.95(1H,m),
4.17(2H,m),4.30(1H,m),5.3
8(1H,dd,J=8.1,14.0Hz),5.7
6(1H,m),9.50(1H,s) FAB−MS(m/z)=373(M+H+),395
(M+Na+)
【0030】実施例2 0.1M酢酸緩衝液(pH4.8)10mlに上記実施
例1で得られた脂肪酸エステル((4E)−3−ヒドロ
キシ−4−オクタデセン酸2’,3’−ジヒドロキシプ
ロピル)を2mg加えて溶解し、本発明のガングリオシ
ド代謝促進剤を調製した。
【0031】試験例1 市販ガングリオシド{GT1b、GD1a、GD1b(株
式会社ヤトロン製)}100μgに、ノイラミニダーゼ
(ナカライテスク株式会社製)20ミリユニット、0.
1M酢酸緩衝液(pH4.8)0.5ml及び実施例2
で調製した発明剤0.5mlを加えたものを検体とし
た。又、ノイラミニダーゼ20ミリユニット、0.1M
酢酸緩衝液(pH4.8)0.5mlのみを加えたもの
をコントロールとした。
【0032】検体及びコントロールを37℃で酵素反応
を行い、経時的にサンプリングを行い、TLCで展開後
(展開溶媒;クロロホルム/メタノール/0.2%塩化
カルシウム水溶液=55/45/10(容量比))、塩
酸ノゾルシノール試薬を噴霧し、95℃で30分間加熱
発色させ、デンシトメーターを用いて580nmの透過
光で定量した。
【0033】上記試験の結果を図1〜図3に示す。これ
らの図から明らかなように、本発明剤を加えた検体にお
いては、ノイラミニダーゼによるGT1b、GD1a及び
GD 1bの代謝が著しく促進されている。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明脂肪酸又はそのエ
ステルはガングリオシドの代謝を著しく促進し、更に、
これらを有効成分とするガングリオシド代謝促進剤は、
脳機能賦活剤としても極めて有効であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】検体とコントロールにおけるGT1bの分解の
様子を示すグラフである。
【図2】検体とコントロールにおけるGD1aの分解の
様子を示すグラフである。
【図3】検体とコントロールにおけるGD1bの分解の
様子を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 (式中、R1は炭素数9乃至19の直鎖アルキル基を、
    2は水素原子又はヒドロキシ基で置換されている炭素
    数2乃至4の低級アルキル基をそれぞれ表す)で表され
    ることを特徴とする脂肪酸及びそのエステル。
  2. 【請求項2】 式 【化2】 (式中、R1は炭素数9乃至19の直鎖アルキル基を、
    2は水素原子又はヒドロキシ基で置換されている炭素
    数2乃至4の低級アルキル基をそれぞれ表す)で表され
    る脂肪酸又はそのエステルを有効成分とすることを特徴
    とするガングリオシド代謝促進剤。
JP29800992A 1992-10-08 1992-10-08 脂肪酸、そのエステル及びこれらを有効成分とするガングリオシド代謝促進剤 Pending JPH06116204A (ja)

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