JPH06113807A - 乾燥葉たばこ保存用シート - Google Patents

乾燥葉たばこ保存用シート

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Publication number
JPH06113807A
JPH06113807A JP29666992A JP29666992A JPH06113807A JP H06113807 A JPH06113807 A JP H06113807A JP 29666992 A JP29666992 A JP 29666992A JP 29666992 A JP29666992 A JP 29666992A JP H06113807 A JPH06113807 A JP H06113807A
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JP
Japan
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sheet
moisture
leaves
leaf tobacco
dry
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Application number
JP29666992A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Fujisaki
康彦 藤崎
Akio Fujikura
秋男 藤倉
Setsuo Kimura
節雄 木村
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Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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Publication date
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  • Manufacture Of Tobacco Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 透光率60%以下、透湿度10g/m2 ・2
4hr以下、酸素透過度10cc/m2 ・24hr・atm 以
下、炭酸ガス透過度10cc/m2 ・24hr・atm 以下で
あり、内面側に吸湿性部材を有する、乾燥葉たばこ保存
用シート。 【効果】 特に保存管理をしなくても、保存中に異常発
酵が起こることなく、白ボケ葉、乾葉の脱色が発生せ
ず、乾葉の変質、水分過多、発ばいを防止できる上に、
異臭葉の発生をも防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
【0002】本発明は乾燥葉たばこ保存用シートに関
し、詳細には、葉たばこ産地で乾燥した乾燥葉たばこを
保存する際に利用する、乾燥葉たばこ保存用シートに関
する。
【0003】
【従来の技術】
【0004】葉たばこ産地で収穫した葉たばこは、乾燥
することで乾燥葉たばこ(以下乾葉という)とした後、
平均で2〜3カ月、長い場合には5〜6カ月間保存(貯
蔵)する必要がある。
【0005】乾葉の保存においては、乾葉が保存期間中
に変色や変質をしないようにすることが大切である。
【0006】即ち、乾葉の保存の際には、次のような注
意が必要である。
【0007】第1に、乾葉は外気の湿度が高くなると吸
湿しやすくなるので、保存開始時の葉中水分を葉たばこ
現物重量あたり12〜13%とし、保存場所の湿度を、
黄色種では相対湿度60%以下、在来種とバーレー種で
は70%以下にする必要がある。
【0008】第2に、乾葉は相対湿度が70%より大き
くなると発ばいしやすくなるので、相対湿度が70%以
下になるように、乾葉の保存を、外気の影響を受けずに
冷涼で温湿度の変化が少なく、よく乾燥している場所で
行う必要がある。
【0009】第3に、乾葉は臭いの吸着性が高く、貯蔵
場所やその付近に悪臭があると、容易にその臭いを吸着
し異臭葉が発生するので、保存場所として、堆肥舎、畜
舎や、肥料、農薬、飼料、燃料等の置き場や車庫等をな
るべく避ける。
【0010】第4に、上記第3で述べたように、乾葉は
臭いの吸着性が高く、付近に存在する臭いを容易に吸着
し異臭葉が発生するので、貯蔵の際に使用する被覆材や
貯蔵箱や貯蔵場所で使う材料は、無臭のものとする。
【0011】従来、乾葉の保存は、湿気の多い空気を遮
断し、乾葉の吸湿を防ぐために、主に、内側にこも、む
しろ等を取り付けたトタン張りの貯蔵庫、貯蔵用箱、合
成樹脂製の貯蔵袋等を利用することで行っていたが、最
近、たばこ栽培農家の栽培面積の拡大により、多量の乾
葉を保存する適切な場所が少なくなってきた。
【0012】そこで、上記以外にも、乾葉の保存を、農
業で一般に使用されている農業用ポリ塩化ビニールシー
トや農業用ポリエチレンシート等で乾葉を包み込むこと
で行うことが多くなってきた。
【0013】従来、乾葉の保存中は、主に乾葉の水分等
を管理することで、底や周辺部等の吸湿しやすい箇所の
吸湿防止に努めることが必要であった。
【0014】具体的には、保存開始後、1〜2週間ごと
に乾葉状態を点検し、湿りすぎたり発熱していた場合に
は、葉さばきをして積替えをしたり、発ばいを発見した
場合には、半日程度葉柄部に日光を当ててカビを殺す等
の管理が必要であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】しかしながら、上記した乾葉の保存手段
は、次のような解決すべき課題を有していた。
【0017】第1に、貯蔵庫、貯蔵用箱等により乾葉を
保存する場合には、直射或いは散乱日射及び湿気の侵入
が頻繁に起こる。
【0018】そのため、日射が透過することで乾葉の温
度が上昇することにより異常発酵による変質や日射によ
る白ボケ葉、脱色等の変色が起こる。
【0019】また、湿気が侵入することで、変質、水分
過多、発ばいが起こりやすく、特に長雨等の不順天候時
には、乾葉は吸湿しやすく、変質、発ばいが多く発生す
る傾向にある。
【0020】第2に、合成樹脂製の貯蔵袋等により乾葉
を保存する場合には、可視光線透過率が高い材質のもの
を使用すると、日射中の主に紫外線によって乾葉が脱色
されたり、バーレー種においては白ボケ葉といわれる品
質低下葉が発生しやすい。
【0021】また、日射の熱量によって乾葉の温度が上
昇し、異常発酵による変質や品質低下が生じる。
【0022】第3に、農業用ポリ塩化ビニールシートや
農業用ポリエチレンシート等により乾葉を保存する場合
には、次の理由により、乾葉の吸湿による水分過多や異
臭の着臭が起こりやすく、年々、吸湿による水分過多葉
や異臭葉が増加する傾向にある。
【0023】農業用ポリ塩化ビニールシートは、工業用
ポリ塩化ビニールシートと異なり多量の可塑剤が混入さ
れているので、0.1mm厚のものの場合、透湿度が6
9g/m2 ・24hr、酸素透過度が2,280cc/m2
・24hr・atm 、炭酸ガス透過度が16,200cc/m
2 ・24hr・atm と極めて高く、防湿効果、ガスバリヤ
ー効果がほとんどない。
【0024】また、0.15mm厚のものの場合には、
透湿度が43g/m2 ・24hr、酸素透過度が1,39
0cc/m2 ・24hr・atm 、炭酸ガス透過度が9,78
0cc/m2 ・24hr・atm であり、厚さを増加させて
も、防湿効果、ガスバリヤー効果はほとんどない。
【0025】他方、農業用ポリエチレンシートは、低密
度ポリエチレンシート・高密度ポリエチレンシートなど
種々あるが、いずれも農業用ポリ塩化ビニールシートに
比べて、透湿度はかなり低いものの、酸素透過度や炭酸
ガス透過度は、やや低い程度であり、ガスバリヤー効果
がほとんどない。
【0026】第4に、近年の土地事情等により、乾葉の
保存を、堆肥舎、畜舎や、肥料、農薬、飼料、燃料等の
置き場や車庫等を避けた場所で行うことが困難であるこ
と、及び、貯蔵の際に使用する被覆材や貯蔵箱や貯蔵場
所で使う材料を無臭のものとすると、かなりのコスト高
となること等により、実際に異臭葉の発生要因を除くこ
とは困難である。
【0027】第5に、保存中の水分管理には、多大の労
力を要し、農家の労働力不足と相まって、たばこ栽培農
家にとって大きな負担である。
【0028】なお、本願の出願人は、先に、特願平3−
115876号として乾燥葉たばこの保存用シートを提
案した。
【0029】該乾燥葉たばこの保存用シートは、透光率
60%以下、透湿度10g/m2 ・day 以下の合成樹脂
フィルムの内面に、吸湿性部材を着設したものである。
【0030】上記の乾燥葉たばこの保存用シートは、保
存中に、異常発酵が起こることなく、白ボケ葉、乾葉の
脱色等の変色が発生せず、乾葉の変質、水分過多、発ば
いを防止できるものである。
【0031】しかし、該乾燥葉たばこの保存用シート
は、貯蔵場所やその周辺に存在する悪臭を完全に遮断す
ることはできず、異臭葉の発生まで防止するものではな
い。
【0032】したがって、特に保存管理をしなくても、
保存中に異常発酵が起こることなく、白ボケ葉、乾葉の
脱色が発生せず、乾葉の変質、水分過多、発ばいを防止
できる上に、異臭葉の発生をも防止することができる、
乾燥葉たばこ保存用シートが望まれていた。
【0033】
【課題を解決するための手段】
【0034】本発明の課題を解決するための手段は、下
記のとおりである。
【0035】第1に、透光率60%以下、透湿度10g
/m2 ・24hr以下、酸素透過度10cc/m2 ・24hr
・atm 以下、炭酸ガス透過度10cc/m2 ・24hr・at
m 以下であり、内面側に吸湿性部材を有することを特徴
とする乾燥葉たばこ保存用シートである。
【0036】上記性質を備えた乾燥葉たばこ保存用シー
トとしては、一種類の材質による単独シートを用いるこ
とができる他に、異なる素材を組み合わせた複合シート
を用いることもできる。
【0037】一種類の材質による単独シートは、例え
ば、ポリビニルアルコール、またはポリビニリデンクロ
ライド等の合成樹脂の単独重合体又はこれらの重合体を
構成する単重体を成分とする共重合体等によって形成で
きる。
【0038】ポリビニルアルコール系フィルムとして
は、例えば、エバールフィルム(クラレ(株)製)等を用
いることができ、ポリビニリデンクロライド系フィルム
としては、例えば、サランフィルム(昭和電工(株)製)
等を用いることができる。
【0039】その他の樹脂、例えばセロファン,フッ素
樹脂,ナイロン,ポリエステル,ポリプロピレン,ポリ
スチレン,ポリウレタンなどは上記した透湿度,酸素透
過度,炭酸ガス透過度の条件に適さないため単層フィル
ムとしては使用できない。
【0040】異なる素材を組み合わせた複合シートとし
ては、例えば、上記のポリビニルアルコール系フィルム
やポリビニリデンクロライド系フィルムやアルミハク等
を、層状に組み合わせたものを用いることができる。
【0041】上記の単独シートや複合シートは、例え
ば、カーボンブラック、チタン、ホワイト、アルミハク
粉末や、その他の着色剤を、練込・塗布・蒸着すること
で、透光率を60%以下にすることもできる。
【0042】また、上記の単独シートや複合シートは、
例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール
系、ニッケル錯塩系等の紫外線吸収剤或いは紫外線領域
に吸収体を有する顔料、染料などを、1種又は2種以上
混合して製造することで、紫外線の透過をほぼ完全に阻
止し、乾葉の脱色、白ボケ葉等の変色葉の発生を完全に
防止することができる。
【0043】さらに、上記の単独シートや複合シートに
は、必要に応じて、他の添加剤、例えば、酸化防止剤、
耐光安定剤、滑剤を混合して製造することもできる。
【0044】吸湿性部材は、粉末状の吸水性樹脂や吸湿
剤を保持した透湿性フィルムによって形成することがで
きる他、吸湿性繊維によっても形成できる。
【0045】該吸湿性部材は、単独シートや複合シート
の内面側に、接着剤や各種ラミネート方法によって付着
する。
【0046】透湿性フィルムは、合成樹脂、不織布、
布、紙などで形成できる。
【0047】該透湿性フィルムの透湿度は、湿気の透過
を妨げないように100g/m2 ・24hr以上である必
要があり、不織布、布、紙においては、その製造工程に
おいて透湿度を調整できる。
【0048】透湿性フィルムにより保持するものとして
は、吸水性樹脂や吸湿剤の他にも、防かび剤、親水性繊
維等を混合して保持することもできる。
【0049】透湿性フィルムに保持される吸水性樹脂と
は、分子内に多量の親水性基を持ち、自身の重量の30
〜1000倍もの水分を吸収し、それを保持し、且つ、
条件によってはその水分を放出する性質を持つ高分子物
質を言う。
【0050】このような吸水性樹脂には、澱粉系、セル
ロース系、合成ポリマー系があるが、吸湿、放湿の可逆
性が優れている合成ポリマー系が好ましい。
【0051】また、吸湿剤としては、塩化カルシウム或
いはシリカゲル等の無機物を用いることができる。
【0052】吸水性繊維は、粉末状の吸水性樹脂とは異
なり、吸水性樹脂の持つ機能を有した繊維で、例えば、
超吸水加工した外層とアクリル繊維の内層を持つランシ
ール(商品名)などがある。
【0053】なお、乾燥葉たばこ保存用シートの透湿度
が10g/m2 ・24hrより大きい場合には、長期間、
例えば3箇月の不順天候時に合成樹脂フィルムを通し
て、900g/m2 (10g/m2 ・24hr×90日)
の水分が浸透し、内側に吸湿性部材があるにしても、そ
の能力にはるかに及ばないので、好ましくない。
【0054】すなわち、吸湿性部材は、内側に浸透した
水分の吸収にその能力の大半を費やすので、乾葉及び内
部の湿気を吸収できなくなる。
【0055】ここで、乾葉及び内部の湿気を吸収するた
めに、吸湿性部材の量を著しく増大したとしても、吸湿
性部材を有する乾燥葉たばこ保存用シートの重量がかな
り重くなるので、取り扱いや乾燥葉たばこ保存用シート
の再乾燥に長時間を要するので実用的でない。
【0056】ところで、九州や沖縄等のように気温が高
く、保存期間中に乾葉の葉温が上昇しやすい場所で使用
する場合には、異常発酵による変質が起こりやすいの
で、透光率を60%以下にする以外にも、日射吸収率を
60%以下にすることが好ましい。
【0057】日射吸収率を60%以下にするには、乾燥
葉たばこ保存用シートに、例えば、明度7以下の着色剤
を、練込み・塗布・蒸着する他、アルミハクを、蒸着・
練り込むことで行うことができる。
【0058】
【作用】
【0059】本発明の乾燥葉たばこ保存用シートで、例
えば、乾葉の周囲を囲むように被覆して乾葉を保存する
場合には、透光率が60%以下なので、直射又は散乱日
射による日射熱量による温度上昇を防止すると共に、日
光中の主に紫外線による影響も防止する。
【0060】また、透湿度が10g/m2 ・24hr以下
なので、湿気の侵入を防止すると共に、隙間等から侵入
した湿気及び内部の余分な水分を、内面側の吸湿性部材
で吸収することで、保存場所の湿度を一定以下に保ち、
水分管理を不要とする。
【0061】さらに、酸素透過度が10cc/m2 ・24
hr・atm 以下で、炭酸ガス透過度が10cc/m2 ・24
hr・atm 以下なので、ガスバリヤー効果を有し、臭いの
侵入を防止する。
【0062】
【実施例】
【0063】以下、図面を参照しながら本発明の乾燥葉
たばこ保存用シートの実施例について説明する。
【0064】
【実施例1】
【0065】図1は、本発明の乾燥葉たばこ保存用シー
トの実施例1の断面図である。
【0066】実施例1の乾燥葉たばこ保存用シート10
は、複合シート11の内面側に、吸湿性部材12を、押
出しラミネート法によってポリエチレン13で付着した
ものである。
【0067】該乾燥葉たばこ保存用シート10は、透光
率が10%、透湿度が0g/m2 ・24hr、酸素透過度
が0.5cc/m2 ・24hr・atm 、炭酸ガス透過度が
0.2cc/m2 ・24hr・atm である。
【0068】なお、透湿度はJISZ0208に規定さ
れた方法により、酸素透過度・炭酸ガス透過度はJIS
K7126に規定された方法により測定した。
【0069】また、透湿度は40℃,90%RHの測定
値であり、酸素透過度・炭酸ガス透過度は23℃,1気
圧,0%RHの測定値である。
【0070】なお、以下の同測定値も同一方法・同一条
件で測定した。
【0071】複合シート11は、アルミハク粉末を3%
練り込んだ20μの線状低密度ポリエチレンフィルム1
1aと、12μのEVOH(エチレン・ビニルアルコー
ル共重合体)フィルム11bと、20μの低密度ポリエ
チレンフィルム11cとの三層からなる。
【0072】吸湿性部材12は、粉末状の吸水性樹脂1
2aや塩化カルシウムによる吸湿剤12bを保持したセ
ルロースパルプ乾式不織布による透湿性フィルム12c
から構成されている。
【0073】
【実施例2】
【0074】図2は、本発明の乾燥葉たばこ保存用シー
トの実施例2の断面図である。
【0075】実施例2の乾燥葉たばこ保存用シート20
は、複合シート21の内面側に、吸湿性部材22を、押
出しラミネート法によってポリエチレン23で付着した
ものである。
【0076】該乾燥葉たばこ保存用シート20は、透光
率が0%、透湿度が1g/m2 ・24hr以下、酸素透過
度が1.3cc/m2 ・24hr・atm 、炭酸ガス透過度が
2.6cc/m2 ・24hr・atm である。
【0077】複合シート21は、20μの低密度ポリエ
チレンフィルム21aと、9μのアルミハク21bと、
20μの低密度ポリエチレンフィルム21cとの三層か
らなる。
【0078】吸湿性部材22は、吸水性樹脂22aや吸
湿剤22bを保持したポリプロピレン製スパンボンド不
織布による透湿性フィルム22cから構成されている。
【0079】透湿性フィルム22cにより吸水性樹脂2
2aや吸湿剤22bを保持するには、上下に配置したポ
リプロピレン製スパンボンド不織布の間に、吸水性樹脂
22aや吸湿剤22bを挟みながら、エンボスロールに
よる熱接着で上下のポリプロピレン製スパンボンド不織
布を一部溶かすことで行う。
【0080】吸水性樹脂22aは、スミカゲルS−50
(商品名)であり、70g/m2 含有されている。
【0081】吸湿剤22bは、塩化カルシウムであり、
30g/m2 含有されている。
【0082】
【実施例3】
【0083】図3は、本発明の乾燥葉たばこ保存用シー
トの実施例3の断面図である。
【0084】実施例3の乾燥葉たばこ保存用シート30
は、複合シート31の内面側に、吸湿性部材32を、ポ
リエチレンを延伸することで得た繊維を織ってシート状
にしたポリエチレンシート33によって付着したもので
ある。
【0085】該乾燥葉たばこ保存用シート30は、透光
率が0%、透湿度が2.8g/m2・24hr、酸素透過
度が4.2cc/m2 ・24hr・atm 、炭酸ガス透過度が
8.1cc/m2 ・24hr・atm である。
【0086】なお、ポリエチレンシート33の透湿度は
1000g/m2 ・24hrである。
【0087】複合シート31は、20μの低密度ポリエ
チレンフィルム31aと、15μのポリビニリデンクロ
ライドフィルム31bと、20μの低密度ポリエチレン
フィルム31cとの三層からなる。
【0088】吸湿性部材32は、粉末状の吸水性樹脂3
2aの他に、乾式解繊したセルロースパルプ32b、フ
ローパック(商品名)によるパウダー状接着剤32c、
サイブイゾール400(商品名)による防かび剤32d
を保持したものである。
【0089】吸湿性部材32に、吸水性樹脂32a、セ
ルロースパルプ32b、パウダー状接着剤32c、防か
び剤32dを保持するには、複合シート31とポリエチ
レンシート33との間に、吸水性樹脂32a、セルロー
スパルプ32b、パウダー状接着剤32c、防かび剤3
2dの他に、SWP(商品名)による熱粘着性繊維32
eを混合したものを挟み、内部の空気を吸引した後にオ
ーブンで加熱し、プレスして、複合シート31とポリエ
チレンシート33とを接着することで行う。
【0090】吸水性樹脂32aは、アクアキープ(商品
名)であり、90g/m2 含有されている。
【0091】なお、熱接着性繊維としては、SWP(商
品名)の他に、EA(商品名)やメルティ(商品名)等
を用いることができる。
【0092】
【実施例4】
【0093】図4は、本発明の乾燥葉たばこ保存用シー
トの実施例4の断面図である。
【0094】実施例4の乾燥葉たばこ保存用シート40
は、複合シート41の内面側に、吸湿性部材42を、押
出しラミネート法によってポリエチレン43で付着した
ものである。
【0095】該乾燥葉たばこ保存用シート40は、透光
率が10%、透湿度が1g/m2 ・24hr、酸素透過度
が0.1cc/m2 ・24hr・atm 、炭酸ガス透過度が1
cc/m2 ・24hr・atm である。
【0096】複合シート41は、カーボンブラックを
3.5%練込んだ20μの線条低密度ポリエチレンフィ
ルム41aと、12μのEVOH(エチレン・ビニルア
ルコール共重合体)フィルム41bと、20μの低密度
ポリエチレンフィルム41cとの三層からなる。
【0097】吸湿性部材42は、ランシールF(商品
名)による吸水性繊維である。
【0098】
【使用例】
【0099】次に、上記実施例1による乾燥葉たばこ保
存用シート10の使用例を説明するが、上記実施例2,
3,4による乾燥葉たばこ保存用シート20,30,4
0についても同様に使用できる。
【0100】図5は、本発明の乾燥葉たばこ保存用シー
トを使用した箱の斜視図である。
【0101】該箱50は、容器51に蓋52を組み合わ
せたものであり、該容器51及び蓋52の内面に上記実
施例1による乾燥葉たばこ保存用シート10を取り付け
たものである。
【0102】なお、図示は省略するが、乾燥葉たばこ保
存用シートによって、乾葉保存用の袋を製作することも
できる。
【0103】上記の箱50の内部に乾葉53を入れるこ
とで、乾葉53の周囲を乾燥葉たばこ保存用シートで囲
むように被覆して乾葉を保存すると、乾葉の保存場所に
照射する直射や散乱日射は、透光率が60%以下なの
で、箱50の内部にあまり透過しない。
【0104】そのため、箱50の内部に保存した乾葉の
温度が上昇せず、異常発酵が起こらないため変質、品質
低下が生じない。
【0105】その上、日光、主に紫外線によって生じる
乾葉の脱色、白ボケ葉の発生を防止できる。
【0106】また、透湿度が10g/m2 ・24hr以下
なので、長雨等による湿気の侵入を防止すると共に、隙
間等から侵入した湿気を、内面側の吸湿性部材で吸収す
ることで、保存場所の湿度を一定以下に保ち、変質、水
分過多、かびの発生を防止するので、水分管理を不要と
する。
【0107】さらに、酸素透過度10cc/m2 ・24hr
・atm 以下、炭酸ガス透過度10cc/m2 ・24hr・at
m 以下であるために、ガスバリヤー効果を有し、悪臭を
ほとんど透過せず、乾葉への着臭を防止することができ
る。
【0108】なお、保存開始時に乾葉がやや湿っていた
としても、吸湿性部材によって湿気が吸収される。
【0109】
【試験例】
【0110】タバコ植物の品種みちのく1号(本葉着
位)の乾葉を、厚さ0.1mmの梨地タイプの農業用ポ
リ塩化ビニルを用いた対照区と、上記の実施例2による
乾燥葉たばこ保存用シートを用いた発明区とで、同一条
件下で保存した。
【0111】保存条件は、著しく強烈な臭いがする合板
で構成した試験室の中に、保存室内の温湿度条件を自然
条件の成りゆきとし、保存期間中の保存管理を一切行わ
ずに1カ月間保存した。
【0112】また、乾葉は、保存開始時の含水分が、や
や過水分(葉タバコ現物重量当たり水分15.5%)の
ものと、過水分(葉たばこ現物重量当たり水分17.5
%)のものとの2種類を、同時に保存した。
【0113】対照区は、乾葉の周囲をこもで被覆し、さ
らに、厚さ0.1mmの梨地タイプの農業用ポリ塩化ビ
ニル(透光率80%、透湿度69g/m2 ・24hr、酸
素透過度2,280cc/m2 ・24hr・atm 以下、炭酸
ガス透過度16,200cc/m2 ・24hr・atm )で被
覆することで保存した。
【0114】発明区は、実施例2による乾燥葉たばこ保
存用シートにより、乾葉全体を被覆することで保存し
た。
【0115】なお、該乾燥葉たばこ保存用シートの最大
吸湿量は、350g/m2 ・24hr(20℃、相対湿度
90%)であった。
【0116】そして、保存試験終了時に、乾葉の外観性
状、乾葉の含水分(葉たばこ現物重量あたり水分)、乾
葉に着臭した合板臭強度を調べた。
【0117】なお、乾葉の合板臭強度は、LSD(0.
05)0.66として、24名の判定パネラーによっ
て、次の6段階評定を行い、その平均を求めることで行
った。
【0118】0:無臭 1:やっと感知できる 2:何の臭いかわかるが弱い 3:楽に感知できる 4:強い 5:強烈な
【0119】対照区の結果を、次に示す。
【0120】やや過水分の乾葉の外観性状は、乾葉全体
に青かびが発生し、特に葉元がひどい他に、白ボケ葉が
散見され、乾葉が一部分脱色されていた。
【0121】やや過水分の乾葉の含水分は、19.0%
であり、開始時より3.5%増加していた。
【0122】やや過水分の乾葉の合板臭強度は、4.2
1であった。
【0123】過水分の乾葉の外観性状は、乾葉全体が一
つの塊になっており、乾葉全体に青かび、黒かびが発生
している他に、白ボケ葉が散見され、乾葉が一部分脱色
されていた。
【0124】過水分の乾葉の含水分は、20.0%であ
り、開始時より2.5%増加していた。
【0125】過水分の乾葉の合板臭強度は、4.41で
あった。
【0126】対照区では、やや過水分の乾葉、過水分の
乾葉ともに、かびの発生が多く、かび臭く、特に過水分
の乾葉が際だって特徴を示しており、また、合板板の着
臭が著しく、強い着臭があり、特に葉元、葉先で着臭が
強かった。
【0127】発明区の結果を、次に示す。
【0128】やや過水分の乾葉の外観性状は、かび、白
ボケ葉、乾葉の脱色も皆無で、中骨も良く乾燥してい
た。
【0129】やや過水分の乾葉の含水分は、12.4%
であり、開始時より3.1%減少していた。
【0130】やや過水分の乾葉の合板臭強度は、0.2
4であった。
【0131】過水分の乾葉の外観性状は、極わずかに葉
元に青かびが発生しているが、品質上問題となるほどで
はなく、中骨も良く乾燥していた。
【0132】過水分の乾葉の含水分は、12.5%であ
り、開始時より5.0%減少していた。
【0133】過水分の乾葉の合板臭強度は、0.46で
あった。
【0134】発明区では、やや過水分の乾葉、過水分の
乾葉ともに、かびの発生がほとんど無く、白ボケ葉、乾
葉の脱色もみられず、含水分が減少して適正水分となっ
ており、合板臭の着臭もほとんど無かった。
【0135】なお、発明区については、保存試験期間中
の乾燥葉たばこ保存用シートの吸湿量の推移を調べ、そ
の結果を図6に示した。
【0136】図6中、やや過水分の乾葉の吸湿量は○印
及び点線で示し、過水分の乾葉の吸湿量は●印及び実線
で示した。
【0137】図6によると、やや過水分の乾葉、過水分
の乾葉共に、保存開始から8日目頃までの吸湿量の増大
が著しく、その後、吸湿量の増大は緩やかになってい
る。
【0138】そして、過水分の乾葉は、保存終了時の3
0日目でも、吸湿量が85g/m2・24hrである。
【0139】該吸湿量は、最大吸湿量の約5分の1なの
で、発明区によれば、4カ月以上保存した後でも、吸湿
が行われることを示唆している。
【0140】
【発明の効果】
【0141】本発明の乾燥葉たばこ保存用シートは以上
のように構成されているので、次のような効果を有す
る。
【0142】本発明の乾燥葉たばこ保存用シートは、透
光率が60%以下なので、直射又は散乱日射による日射
熱量による温度上昇を防止することで、異常発酵を防止
すると共に、日光中の主に紫外線による、白ボケ葉、乾
葉の脱色も防止する。
【0143】また、透湿度が10g/m2 ・24hr以下
なので、湿気の侵入を防止すると共に、隙間等から侵入
した湿気及び内部の余分な水分を、内面側の吸湿性部材
で吸収することで、保存場所の湿度を一定以下に保ち、
保存中の乾葉の変質、水分過多、発ばいを防止し、水分
管理を不要とするので、省力的である。
【0144】さらに、酸素透過度が10cc/m2 ・24
hr・atm 以下で炭酸ガス透過度が10cc/m2 ・24hr
・atm 以下なので、ガスバリヤー効果を有し、臭いの侵
入を防止することで、乾葉への着臭を防止する。
【0145】したがって、本発明の乾燥葉たばこ保存用
シートは、特に保存管理をしなくても、保存中に異常発
酵が起こることなく、白ボケ葉、乾葉の脱色が発生せ
ず、乾葉の変質、水分過多、発ばいを防止できる上に、
異臭葉の発生をも防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乾燥葉たばこ保存用シートの実施例1
の断面図である。
【図2】本発明の乾燥葉たばこ保存用シートの実施例2
の断面図である。
【図3】本発明の乾燥葉たばこ保存用シートの実施例3
の断面図である。
【図4】本発明の乾燥葉たばこ保存用シートの実施例4
の断面図である。
【図5】本発明の乾燥葉たばこ保存用シートを使用した
箱の斜視図である。
【図6】発明区の保存試験期間中の乾燥葉たばこ保存用
シートの吸湿量の推移を示す図である。
【符号の説明】
10 実施例1の乾燥葉たばこ保存用シート 11 複合シート 11a 線条低密度ポリエチレンフィルム 11b EVOHフィルム 11c 低密度ポリエチレンフィルム 12 吸湿性部材 12a 吸水性樹脂 12b 吸湿剤 12c 透湿性フィルム 13 ポリエチレン 20 実施例2の乾燥葉たばこ保存用シート 21 複合シート 21a 低密度ポリエチレンフィルム 21b アルミハク 21c 低密度ポリエチレンフィルム 22 吸湿性部材 22a 吸水性樹脂 22b 吸湿剤 22c 透湿性フィルム 23 ポリエチレン 30 実施例3の乾燥葉たばこ保存用シート 31 複合シート 31a 低密度ポリエチレンフィルム 31b ポリビニリデンクロライドフィルム 31c 低密度ポリエチレンフィルム 32 吸湿性部材 32a 吸水性樹脂 32b セルロースパルプ 32c パウダー状接着剤 32d 防かび剤 32e 熱粘着性繊維 33 ポリエチレンシート 40 実施例4の乾燥葉たばこ保存用シート 41 複合シート 41a 線条低密度ポリエチレンフィルム 41b EVOHフィルム 41c 低密度ポリエチレンフィルム 42 吸湿性部材 43 ポリエチレン 50 箱 51 容器 52 蓋 53 乾葉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 節雄 岩手県盛岡市緑が丘2の13の1 日本たば こ産業株式会社盛岡葉たばこ技術センター 内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光率60%以下、透湿度10g/m2
    ・24hr以下、酸素透過度10cc/m2 ・24hr・atm
    以下、炭酸ガス透過度10cc/m2 ・24hr・atm 以下
    であり、内面側に吸湿性部材を有することを特徴とする
    乾燥葉たばこ保存用シート。
JP29666992A 1992-10-09 1992-10-09 乾燥葉たばこ保存用シート Pending JPH06113807A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102871208A (zh) * 2011-07-15 2013-01-16 湖南华望熏蒸消毒有限公司 一种烟叶快速降氧杀虫方法
CN106509962A (zh) * 2016-10-31 2017-03-22 中国农业科学院烟草研究所 一种晒黄烟烟叶捂黄工艺和调制加工方法
WO2021220790A1 (ja) 2020-04-28 2021-11-04 日本たばこ産業株式会社 加工済葉たばこの製造方法、及び葉たばこの保管方法

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