JPH061129B2 - 氷蓄熱式水熱源ヒートポンプシステム - Google Patents

氷蓄熱式水熱源ヒートポンプシステム

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JPH061129B2
JPH061129B2 JP3664188A JP3664188A JPH061129B2 JP H061129 B2 JPH061129 B2 JP H061129B2 JP 3664188 A JP3664188 A JP 3664188A JP 3664188 A JP3664188 A JP 3664188A JP H061129 B2 JPH061129 B2 JP H061129B2
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refrigerator
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征四郎 五十嵐
正明 郷
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Shimizu Construction Co Ltd
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Shimizu Construction Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主として大規模ビルの空調用として用される
ヒートポンプシステムに係わり、特に、水熱源ヒートポ
ンプを形成することにより、夏期には氷による蓄冷熱の
利用を可能とするとともに、冬期には水による蓄熱利用
を可能とし、これによって効率的な冷暖房を実現でき、
かつ、冷凍機と製氷器との間に2系統のブライン系を設
けることにより、冷凍機の低圧冷媒の使用を可能とした
氷蓄熱式ヒートポンプシステムに関するものである。
〔従来の技術〕
従来、冷凍サイクルの冷温熱源機器としては、一般に空
気熱源ヒートポンプ冷凍機が採用されてきた。この方式
では、屋外熱交換器において外気を熱交換面に通過さ
せ、空気の持つ顕熱を利用して夏期は冷媒を凝縮、冬期
は冷媒を蒸発させることによって熱交換を行っている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら空気熱交換器は熱交換効率が悪く、したが
って冷凍機のC.O.P(成績係数)も悪いものであった。
特に冬期には、熱交換器コイル面に付着する氷を溶かす
ためデフロストサイクルも加わって能力の低下を招いて
いた。また、空気熱交換器を利用するためには屋外まで
の冷媒配管が必要となり、低圧冷媒たるR−11(フロ
ン−11)の使用が難しく、R−12,R−22等の高
圧冷媒が使用されている。これら高圧冷媒は安全性に劣
り法的規制も大きいものであった。
それに対し、冷房用のクーリングタワー(冷却塔)を冬
期にヒーティングタワーとして利用する手段、すなわち
冷却用としての夏期の水に変えて不凍液を使用し、クー
リングタワー(すなわちヒーティングタワー)より外気
の熱を採熱し、それを熱源として冷凍機を運転し暖房に
使用する方法、も試みられており、これによれば液体
(不凍液)を熱源としていることから空気熱源のヒート
ポンプに比すれば効率的な熱交換を行うことができるこ
とにはなるが、不凍液を最悪時でも凍結しない濃度(約
40%)に維持する必要があり、不凍液として安全なポ
リプレングリコールが粘性上の問題から使用不可能で、
一般的にはエチレングリコールが使用され安全性に問題
があった。さらに、この方法によった場合、ヒーティン
グタワーにおける大気との熱対象時に発生する水分の出
入りに対する不凍液の正確な濃度コントロールが必要で
あり、運転上にも難があった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、水熱源利
用により冷媒配管の使用範囲を極力縮小せしめ低圧冷媒
の使用を可能ならしめると共に高効率の熱交換が行え、
しかも、不凍液を使用するなしに冬期低温熱回収を行え
る氷蓄熱式水熱源ヒートポンプシステムを提供すること
を目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
冷房および暖房される二次側設備に冷房用の冷却水およ
び暖房用の温水を供給するための一次側設備としてのヒ
ートポンプシステムを、圧縮機、蒸発器、凝縮器を備え
てなる冷凍機と、該冷凍機の熱源となる水を貯えた熱源
槽とを設け、前記熱源槽に、該熱源槽の水と直接的に接
触可能とされた製氷器を設けると共に、該製氷器と前記
冷凍機との間に、製氷器・蒸発器間を循環する低温ブラ
イン配管と、製氷器・凝縮器間を循環する高温ブライン
配管との2系統のブライン配管をブライン系切替弁を介
して形成し、前記凝縮器に該凝縮器にて熱を授受された
水を直接二次側設備に供給するための管経路を設け、さ
らに、前記低温ブライン配管内を循環する低温ブライン
の冷熱を二次側設備用の水に付与するための水・ブライ
ン熱交換器、および前記熱源槽内の冷熱を二次側設備用
の水に付与するための水熱交換器、外部水源熱または外
気熱を前記熱源槽内の水に付与するための水熱交換器
を、それら各熱交換対象間をつなぐ管経路を介して設け
てなるものとした。
〔作用〕
冷凍機を運転させ、低温ブラインを蒸発器−製氷器間を
循環させることにより熱源槽内の水が冷却され、熱源槽
に冷熱が蓄熱される。
……(蓄冷熱運転) 冷凍機を運転する運転することにより、水・ブライン熱
交換器を介して低温ブラインの冷熱を二次側設備用水に
付与(つまり冷却水供給)することができる。
……(冷房運転) また熱源槽内の冷水は、水熱交換器により直接、二次側
設備用水に冷熱を付与する。 ……(蓄冷熱
直接放出による冷房運転) 熱源槽は冬期、水熱交換器を介して外気、下水、中水、
河川水、海水からの採熱を行う。
……(蓄熱運転) 冷凍機を運転させ、凝縮器からの廃熱を直接二次側設備
用水に付与する。この場合、冷凍機の熱源には上記蓄熱
運転により蓄熱された熱源槽内の水が用いられる。
……(暖房運転) 〔実施例〕 以下、本発明に係る氷蓄熱式水熱源ヒートポンプシステ
ムの実施例を説明する。
第1図は本システムの概略を示す構成図で、図中ほぼ中
心に示され符号1で示すものは冷凍機である。この冷凍
機は、圧縮機、および蒸発器、凝縮器等を備える点で一
般の冷凍機と同じであるが、このシステムでは特殊なも
のを使用している。この点に付いては第4図を用いて後
に詳述するものとする。
符号3で示す部分が冷凍機の蒸発器、符号4で示す部分
が凝縮器である。また符号5は、内部に冷凍機の熱源と
なる水Wを貯えた熱源槽(蓄熱槽)である。この熱源槽
5上方には製氷器100が設置されている。そしてこの
製氷器100と前記冷凍機1との間には、低温ブライン
配管6と高温ブライン配管7とが設けられている。ただ
し、これら両ブライン配管6,7は、前記冷凍機1側に
おいて、低温ブライン配管6は冷凍機1の蒸発器3の熱
交換面を、高温ブライン配管7は冷凍機1の凝縮器4の
熱交換面を通過するようになつている。ここで、これら
両ブライン配管6,7内を循環するブラインは、一般的
な塩化カルシウムブライン等である。両ブライン配管
6,7の製氷器100側との接続関係は、まずこの製氷
器100の構造を説明した後に説明するものとする。
製氷器100は、第2図に示す如き構造を有するもの
で、まず最上部には、水平方向に並ぶ多数の分配支管1
01,101,…があり、さらにそれら各分配支管10
1からは、鉛直方向に多数(この場合320本)の製氷
管(この場合25φ,約2m長)102が等間隔で立設
している。製氷管102上端部分は、第3図に示すよう
に散水パン103とセンションヘッダー104とにより
仕切られた散水室105となっている。製氷管102は
二重管構造とされ、内管106はポリエチレン製、外管
107は金属(SUS)製のものとなっており、内管1
06は、上端部が前記分配支管101に接続され、下端
は外管107内の下端部付近に開口している。一方外管
107は、下端が閉塞され、上端は前記セクションヘッ
ダー104に接続されている。つまり、内管106内を
流下してきた液体(後述するブライン)はその下端部か
ら外管内に放出された後、内管106と外管107との
間を上昇してセクションヘッダー104上に放出され
る。なお、図中符号108で示すものは断熱材、また符
号109は、製氷管外管107の散水室105内に形成
される部分に付設された断熱兼用散水ガイドカバーであ
る。製氷管102下部には、図示しない駆動機構により
駆動される氷破砕機110が設けられている。また図示
例(第2図)のものでは、さらにその下部にガイドパン
111を備えた破砕装置112が設けられており、前記
氷破砕機110によって砕かれた氷をさらに細く砕いて
各方へ分配できるようになっており、複数の熱源槽5へ
の対応が可能なものとなっている。このような製氷器1
00と前記熱源槽5との間には散水用配管が設けられ、
熱源槽内の水Wを前記製氷室105内に放水できるよう
になっている。
そして、この製氷器100の前記分配支管101の吸入
側と吐出側とにはそれぞれ前方ブロック弁10および後
方ブロック弁11(ブライン系切替弁)が設けられてい
る。これら両ブロック弁10,11は共に三方弁で、前
記低温ブライン配管6および高温ブライン配管7がこれ
ら前方・後方ブロック弁10,11に接続されている。
すなわち、それら両ブロック弁10,11を切り換える
ことにより低温ブラインと高温ブラインとの双方を択一
的に製氷器100内に導くことが可能となっている。ま
た両ブライン配管6,7は、冷凍機1とこれらブロック
弁10,11との間にそれぞれ高温ブラインタンク1
2、低温ブラインタンク13を有している。
また、本システムは図中符号15,46,17,18で
示す熱交換器(それぞれ第1、第2、第3、第4の熱交
換器)を備えている。第1熱交換器15(水・ブライン
熱交換器)の一次側には三方弁20を介して前記低温ブ
ライン配管6、その二次側には第1水配管21が導か
れ、第2熱交換器16(水熱交換器)の一次側には前記
熱源槽5内の水Wを循環させる熱源水配管22、その二
次側には第2水配管23が導かれ、第3熱交換器17
(水熱交換器)の一次側には同じく熱源槽5内の水をW
循環させる熱源水配管24、その二次側には第3水配管
25が導かれている。これら第1〜第3熱交換器15,
16,17の二次側に配される前記第1〜第3水配管2
1,23,25は、いずれも第1サプライヘッダー26
および第1リターンヘッダー27に接続されている。両
ヘッダー26,27からはこれら3つの熱交換器15,
16,17との熱交換をした水を二次側設備(第1図に
おいて鎖線左側部分)に供給するための冷水供給配管2
8が配設されている。
また、冷凍機1の凝縮器4の熱交換面には、第2サプラ
イヘッダー30および第2リターンヘッダー31に接続
される第4水配管32、およびクーリングタワー(冷却
塔)34を循環する冷却塔用配管35が導かれている。
前記第2サプライヘッダー30および第2リターンヘッ
ダー31からは、前記凝縮器4との熱交換をした水を二
次側設備に供給するための温水供給配管36が配設され
ている。さらに、前記クーリングタワー34と前記第4
熱交換器18(水熱交換器)とが、冷却塔用配管35の
途中から三方弁29等を介して分岐した分岐配管37に
より循環系を形成することができるようになっており、
またその第4熱交換器18の二次側には、熱源水配管3
8により熱源槽5内の水Wが導かれるようになってい
る。
なお全図中、符号Pで示すものはポンプである。
上記構成となる氷蓄熱式水熱源ヒートポンプシステム
は、熱源槽5に貯えた水Wを熱源として冷凍機1を運転
し、夏期においては夜間、夜間電力を利用して冷凍機1
を運転して熱源槽5内の水Wを凍らせ(氷蓄熱)、昼間
その蓄冷熱を取り出して冷房用に利用し、また冬期に
は、冷凍機1を蓄熱槽5の水Wを熱源として運転し暖房
を行うものである。
以下、本システムの作用を各運転状態に分けて説明す
る。
(1)夏期/夜間蓄冷熱運転 製氷器100の入口および出口をそれぞれ仕切る前記前
方ブロック弁10および後方ブロック弁11を操作し
て、製氷器100内に低温ブラインが導かれる状態すな
わち低温ブライン系が形成された状態とした後、冷凍機
1を運転させる。またそれと同時に、散水ポンプP
作動させ、熱源水(熱源槽5内の水W)を製氷器散水室
105内、つまり散水パン103上に撒く。
低温ブライン配管6内のブラインは冷凍機1の蒸発器3
部分にて−5℃前後に冷却され、この冷却された低温ブ
ラインは前方ブロック弁10を介し、製氷器100内の
分配支管101に導かれる。分配支管101に入った低
温ブラインは各製氷管102の内管106内を流下し、
その後内管106と外管107との間を上昇する。これ
については上述した通りである。散水パン103を貫通
して設けられる製氷管102は、その貫通部との間に僅
かな隙間cを形成しており、散水室105内に撒かれた
水Wは、その隙間cより外管107の外周部をつたって
下方に流下する。すなわち、この外管107外周部を流
下する水が製氷管102内の低温ブラインにより冷却さ
れて凍結するわけである。
ここでの熱の授受により温度が上昇した低温ブライン
は、外管107上部からセクションヘッダー104を経
て後方ブロック弁11を介し、冷凍機1の蒸発器3部分
に戻る。
上記作用により製氷管102外面に生成された氷が所定
厚に達したならば、前方・後方ブロック弁10,11を
操作することにより低温ブライン系を閉鎖し、冷凍機凝
縮器4−製氷器100間の高温ブライン系を形成し、製
氷管102内に一時高温ブラインを通す。これにより製
氷管102外周部に付着した氷が剥離される(脱水)。
製氷管102から剥離した氷は製氷管102下部の前記
氷破砕機110により砕かれ、場合によってはさらに氷
破砕装置112に掛けられた後、熱源槽5内にストック
される。そして、上記操作を繰り返すことによって所要
の熱量(冷熱量)が氷として蓄熱されるわけである。
ここで、低温ブライン系と高温ブライン系を切り換える
ための前方・後方ブロック弁10,11の切換は、図示
されない制御手段により自動制御されるものとなってい
る。また、冷凍機1の運転により凝縮器4から放熱され
た熱は、高温ブライン配管6を循環させて前記高温ブラ
インタンクに蓄えられるか、あるいは前記クーリングタ
ワー34により外気に放出される。
(2)夏期/昼間冷房運転 夏期における冷房運転は、主として、前記熱源槽5に夜
間蓄えられた蓄冷熱を直接、二次側設備に導くことによ
り行うものである。
熱源槽5内の冷水を前記熱源水配管22により前記第2
熱交換機16を通過・循環させると共に、この第2熱交
換器16の二次側には、第2水配管23→第1サプライ
ヘッダー26→冷水供給配管28→第1リターンヘッダ
ー27→第2水配管23という循環系を形成する。これ
により二次側設備には、第2熱交換器16で冷却された
冷水(約5℃)が供給され、その冷熱が冷房に使用され
るのである。これは言わば、蓄熱源の冷熱を直接利用し
た形態である。またこの場合、第3熱交換器17により
上記同様の冷熱源直接利用も可能である。
一方、先に説明したように第1熱交換器15の一次側
には三方弁20を介して低温ブラインが導かれているか
ら、冷凍機1を運転することにより、該第1熱交換器1
5により第1水配管21を利用して冷却水を得ることも
可能である。
ここで、上記冷熱源の直接利用によれば、夜間電力によ
り蓄えられた蓄熱を利用し、かつ冷凍機1の運転も必要
としないものとなるから極めて効率的な冷房運転がなさ
れるわけである。ただし、熱源槽5の蓄冷熱を使い切っ
た場合、あるいは冷房の熱負荷が極めて大きい場合に
は、上記冷凍機運転による冷房も可能となるわけであ
る。
(3)冬期/蓄熱運転 蓄熱運転と表したが、実際には冬季蓄熱時には冷凍機1
は運転されない。熱源槽5内の水Wは、昼間の暖かい外
気や、下水、中水(排冷却水等)、河川、海水、あるい
は他の熱源廃熱等から第4熱交換器18を介して暖めら
れる(熱回収)。ここで、外気からの採熱は前記クーリ
ングタワー34により(この場合、クーリングタワー3
4はヒーティングタワーとして機能する)なされた後第
4熱交換器18を介して行なわれ、また、中水等の他の
水源からの採熱はそれら他の熱源水を、外部水源導入・
排出口39を介して冷却塔用配管内に導き、かつ前記第
4熱交換器18を循環させることにより行なわれる。こ
れらの熱回収は低温レベル(2℃以上)でも行なわれる
ものである。
(4)冬期/暖房運転 冬期における暖房は、前記熱源槽5に蓄えられた蓄熱を
冷凍機1の蒸発器3から採熱することにより行うもので
ある。
冷凍機1を運転すると同時に、低温ブライン系を活か
し、また製氷器100への熱源水(熱源槽5内の水W)
の散水を実施する。つまりこの運転は、上述した夏期蓄
冷熱運転と同じものとなる。この運転により、製氷器1
00の製氷管102において熱源水と低温ブラインとの
熱交換が行なわれ、低温ブラインが暖められる。暖めら
れた低温ブラインは冷凍機1の蒸発器3部分にてその熱
を奪われることとなる。つまり、冷凍機1内を循環する
冷媒は蒸発器3にてその熱を授受するわけである。蒸発
器3にて暖められた冷凍機1用の冷媒は、冷凍機一般の
周知の原理に従いその熱を凝縮器4側にて放熱するか
ら、これにより、凝縮器4面を通過する前記第4水配管
32内を循環する水が暖められ、さらに第2サプライヘ
ッダー30、第2リターンヘッダー31を介して設けら
れた前記温水供給配管36内の水が暖められ、二次側設
備への温水供給すなわち暖房、がなされるのである。
このように本システムによれば、夏期には、夜間、安価
なる夜間電力を利用して冷凍機1を運転することにより
氷という形で蓄冷熱し、昼間にその蓄冷熱を取り出して
冷房を行い、一方冬期には、外気熱あるいは他の熱源に
よる余剰廃熱から採熱してそれを熱源槽5に蓄熱し、そ
れを熱源とした冷凍機1の運転により暖房を行うことが
できる。しかも、熱源槽5内の水Wが常にシステムの熱
源となるもの(すなわち水熱源システム)であるから高
い熱交換率を得ることができる。また、冷媒は、冷凍機
内循環用としてのみ使用されるものであるから冷媒配管
を広範囲に配設する必要がなく、低圧冷媒(R−11)
を躊躇なく使用することができる。さらに。氷を生成す
るための蓄熱材として不等凍液を使用する必要がないた
め安全でかつシステムの管理を容易なものとし、しかも
剥離式製氷器を使用するために氷を効率的に生成でき高
いC.O.P.(成績係数)を得ることができる。加えては、
二次側に直接蓄熱水を使用せず、熱交換器および冷凍機
等を介して熱移動がなされるため、二次側設備の配管を
クローズシステム(閉鎖方式)とすることが可能とな
り、循環水内への空気混入を防止でき、二次側配管の防
錆上有利である他、高温ブラインタンク12を装備する
ことにより、夏期蓄熱時(製氷時)における凝縮器4か
らの熱を利用して温水をこれに貯蓄しておき、夏期、所
要の施設に温水を供給することもできる。高温ブライン
タンク12と低温ブラインタンク13はバランス配管4
0を介して接続されされ、双方のブライン温度が適度に
調節される。
ここで、上記システムの作用の理解を容易とするための
説明の順序を若干前後させたが、次に第4図は上記シス
テムに使用されるものとして最適な冷凍機を示したもの
で、上記システムにおいて実際には下記の冷凍機1が採
用されている。
この冷凍機1はターボ式のものとしているが、一般のタ
ーボ冷凍機と最も異なる点は、主圧縮機2Aと補助圧縮
機2Bとを備える点である。
まず主圧縮機2Aは、通常の圧縮機同様、蒸発器3−凝
縮器4間に冷媒配管41を介して設けられる。すなわ
ち、蒸発器3→主圧縮機2A→凝縮器4→蒸発器3とい
った冷凍サイクルが形成されるわけである。実際は、蒸
発器3と凝縮器4との間には膨張弁が設けられているが
図示を省略してある。そして、補助圧縮機2Bは、前記
冷媒配管41の低圧側(主圧縮機入力側)に並列に設け
られたものとなっている。その主圧縮機2A用の冷媒配
管41の低圧側における、補助圧縮機2Bと並列系を形
成する部分には圧縮機切替弁42が介在され、かつ並列
系の前段には容量制御用のインレットベーン43が介在
されたものとなっている。前記切換弁42を操作すれ
ば、上記冷凍サイクルに加え、補助圧縮機2Bが主圧縮
機2Aの前段に直列で接続された冷凍サイクル(蒸発器
3→補助圧縮機2B→主圧縮機2A→凝縮器4→蒸発器
3)を形成することができる。
該冷凍機1にあっては、上記説明によるところの夏期夜
間蓄冷熱運転時および冬期暖房運転時において、主圧縮
機2Aと補助圧縮機2Bとの同時運転が行なわれ、夏期
冷房時は主圧縮機2Aのみで運転される。ただし、ここ
で夏期冷房時と言うのは、既に説明したように、夏期冷
房は熱源槽5の蓄冷熱を熱交換器を介した直接利用によ
るものが主力となるから(その場合は冷凍機運転を必要
としない)、熱源槽5の蓄冷熱を使い切った場合あるい
は冷房の熱負荷が極めて大きい場合等、上記冷凍機1運
転による冷房を必要とする場合のことである。前記イン
レットベーン43は全ての運転パターンに使用される
が、特に補助圧縮機2Bを使用する場合は両圧縮機2
A,2Bの回転数制御とのコンビネーション制御とな
り、これら容量制御と回転数制御とで、冷媒流量と必要
圧力とが最適状態に制御される。これにより、多目的運
転の全てがより一層高効率に行なわれるものとなる。
なお、第1図では該システムに、屋外ユニット45を備
えた空冷ヒートポンプ46が組み込まれた構成となって
いるが、このように、他の熱源採取手段を設けることも
可能である。例えばこの空冷ヒートポンプ46によれ
ば、冬期夜間において深夜電力を利用して屋外ユニット
45から外気熱を採熱し、その熱をヒートポンプ用配管
47、および第1リターンヘッダー27、第3水配管2
5、第3熱交換器17を介することにより熱源槽5内に
導き高い温度で蓄熱し、早朝のピーク暖房負荷用熱源と
して使用することができる。
〔発明の効果〕
以上説明したとおり、本発明に係る氷蓄熱式水熱源ヒー
トポンプシステムによれば、夏期には、夜間、安価なる
夜間電力を利用して冷凍機を運転することにより氷とい
う形で熱冷熱し、昼間にその蓄冷熱を取り出して冷房を
行い、一方冬期には、外気熱あるいは他の熱源による余
剰廃熱から採熱してそれを熱源槽に蓄熱し、それを熱源
とした冷凍機の運転により暖房を行うことができる。し
かも、熱源槽内の水Wが常にシステムの熱源となるもの
(すなわち水熱源システム)であるから高い熱交換率を
得ることができる。また、冷媒が冷凍機内循環用として
のみ使用されるものであるから冷媒配管を広範囲に配設
する必要がなく、R−11(フロン−11)等の低圧冷
媒を躊躇なく使用することができる。さらに、氷を生成
するための蓄熱材に不等凍液を使用する必要がないため
安全でかつシステムの管理を容易なものとし得る。加え
ては、二次側に直接蓄熱水を使用せず、熱交換器および
冷凍機等を介して熱移動がなされるため、二次側設備の
配管をクローズシステムとすることが可能となり、循環
水内への空気混入を防止して二次側配管の防錆を図れ
る、等の種々の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る氷蓄熱式水熱源ヒートポンプシス
テムの一実施例を示す概略構成図、第2図は製氷器を概
略的に示した全体斜視図、第3図は製氷管を示す立断面
図、第4図は冷凍機を示す概略構成図である。 1……冷凍機、 2……圧縮機、 2A……主圧縮機、 2B……補助圧縮機、 3……蒸発器、 4……凝縮器、 5……熱源槽、 6……低温ブライン配 管、 7……高温ブライン配管、 10……前方ブロツク弁(ブライン系切替弁)、 11……後方ブロツク弁(ブライン系切替弁)、 15……第1熱交換器(水、ブライン熱交換器)、 16……第2熱交換器(水熱交換器)、 17……第3熱交換器(水熱交換器)、 18……第4熱交換器(水熱交換器)、 21……第1水配管、 22……熱源水配管、 23……第2水配管、 24……熱源水配管、 25……第3水配管、 28……冷水供給配管、 32……第4水配管、 36……温水供給配管、 38……熱源水配管、 39……外部水源導入・排出口、 41……冷媒配管、 P……ポンプ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷房および暖房される二次側設備に冷房用
    の冷却水および暖房用の温水を供給するための一次側設
    備としてのヒートポンプシステムにおいて、 圧縮機、蒸発器、凝縮器を備えてなる冷凍機と、該冷凍
    機の熱源となる水を貯えた熱源槽とを有し、前記熱源槽
    には、該熱源槽の水と直接的に接触可能とされた製氷器
    が設けられると共に、該製氷器と前記冷凍機との間に
    は、製氷器・蒸発器間を循環する低温ブライン配管と、
    製氷器・凝縮器間を循環する高温ブライン配管との2系
    統のブライン配管がブライン系切替弁を介して形成さ
    れ、前記凝縮器には該凝縮器にて熱を授受された水を直
    接二次側設備に供給するための管経路が設けられ、さら
    に、前記低温ブライン配管内を循環する低温ブラインの
    冷熱を二次側設備用の水に付与するための水・ブライン
    熱交換器、および前記熱源槽内の冷熱を二次側設備用の
    水に付与するための水熱交換器、外部水源熱または外気
    熱を前記熱源槽内の水に付与するための水熱交換器が、
    それら各熱交換対象間をつなぐ管経路を介して設けられ
    てなる氷蓄熱式水熱源ヒートポンプシステム。
JP3664188A 1988-02-19 1988-02-19 氷蓄熱式水熱源ヒートポンプシステム Expired - Lifetime JPH061129B2 (ja)

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