JPH0611199Y2 - ラミネート紙の粘着防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ．考案の目的 （産業上の利用分野） 本考案は、角材、板材等に化粧紙等をラミネートするプ
ロフィールラミネータ等に用いるラミネート紙の粘着防
止装置。詳しくはラミネート紙から下側に滲出した接着
剤を除去シートにより拭い取らせ、ラミネート紙が受板
へ粘着しないようにする装置に関する。

（従来の技術） 従来、第６図に示すようにラミネート紙21を供給部ａ′
から接着剤の塗布部ｂ′を通って、第７図に示す基材22
への貼着部ｃ′へ移動させ、基材22へラミネート紙21を
第７図に示すように貼着して化粧用の被覆を自動的に形
成させるプロフィールラミネータは公知である。

（考案が解決しようとする課題） 前記したプロフィールラミネータは、ラミネートシート
として、透液性の紙を用いた場合、塗布した接着剤が紙
を透過して裏側に滲出し、この接着剤が受板に付着して
層をなすと、これにラミネート紙が粘着して大きな抵抗
を生じるため、ラミネート紙が切断してしまうから、そ
の都度、接着剤の供給を止めると共に、機械の運転を停
止し、前記受台に付いた接着剤を奇麗に洗い取り、切れ
たラミネート紙の先端を接着剤を付けて貼着部まで導
き、基材へ止めて貼着の準備をする操作を行わなければ
ならない問題点があった。

本考案は、前記した従来の問題点を解決するためになさ
れたもので、ラミネート紙から裏側へ滲出した接着剤を
除去シートにより拭い取らせ、これが受台へ付かないよ
うにすることにより、ラミネート紙の粘着による紙切れ
が完全に防止される装置を提供することを目的としてい
る。

ロ．考案の構成 （課題を解決するための手段） 前記目的を達成するための本考案の手段は、供給部から
接着剤の塗布部を通って基材への貼着部へ移動するラミ
ネート紙の下側に、接着剤塗布部に於て接着剤の除去シ
ートを伴走させたラミネート紙の粘着防止装置の構成に
ある。

この装置に於て、接着剤の除去シートは、ラミネート紙
から滲出した接着剤をその表面に受け、下側の受台へは
付着させないようにするものであるから、これを使い捨
てにする場合は、非透液性のポリエチレン等の薄い合成
樹脂のフィルムを使用し、これをラミネート紙よりも遅
い速度でこれに伴走させ、接着剤の付着した部分を下方
において巻き取るか、受箱等へ手繰り込むようにし、
又、反復使用する場合は、合成樹脂等のシートか、合成
繊維の織布か、不織布等のシートか、その他の適当な素
材を用い、これを循環運動させて、接着剤の塗布部の下
でラミネート紙の下側に滲出した接着剤を拭い取らせ、
接着剤の付着した部分が洗滌部へ移動して来ると、シー
トから接着剤を洗い落とし、その後、乾燥させて接着剤
の塗布部へ戻るようにするものである。

（作用） 前記のように構成される装置は、ラミネート紙をその下
に接着剤除去シートを添えて接着剤の塗布部の下を通
し、その上面に接着剤を塗布させた後、基材への貼着部
に誘導して先端を基材に貼り付け、機械を運転すると、
基材はローラにより送られながら、貼着ローラによりそ
の表面へラミネート紙を順次に貼着されて、第３図に鎖
線で示すようにラミネート紙により表面を化粧された製
品になるもので、この自動ラミネート加工中、ラミネー
ト紙から接着剤が下側へ滲出しても、この滲出した接着
剤を下側を伴走する除去シートが拭い取り、受板は勿
論、後続の案内面にも付着させないから、ラミネート紙
は接着剤による移動抵抗を受けることなく軽快に移動し
て、途中切断を絶対に生じることがないものである。

（実施例） 以下に本考案に関する装置の実施例を図面に基づいて説
明する。

図面第２図において１は機台で、その上部中央に多数の
送材ローラ２を列設し、この送材ローラ２の両側に、支
持棒３に支持される第４図の貼着ローラ４，４をその取
付角度が順次に変化して、前記送材ローラ２により移送
される基材５上へ第３図に示すように供給されるラミネ
ート紙６を同図に鎖線で示すように基材５の各面へ密着
貼合させる貼着部ｃを設けてある。

ａは前記機台１の上方に設けたラミネート紙６の供給部
で、その一端に２個の転換切換式のリール７，７を設け
て、これらにラミネート紙６を支持させ、その前方には
下方の受板８の上において上方の接着剤タンク９よりス
ライドバー10と11とにより調量された接着剤を塗布する
塗布部ｂを設け、該塗布部ｂの後方に熱風式等の長い接
着剤の乾燥筐12を設けてあり、この乾燥筐12の前部から
ラミネート紙６を引き出し、前記機台１上に設けたガイ
ドローラ13を迂回させて貼着部ｃの基材５上へ供給させ
るようにしてある。

14は前記したラミネート紙６のリール７と接着剤塗布部
ｂとの間の下方に設けた使い捨ての接着剤除去シート
で、安価なポリエチレン薄シートのロール巻きのものを
用い、この除去シート14を受板８の手前に設けたコロ15
を迂回させてラミネート紙６の下側に供給し、受板８上
をラミネート紙６と伴走させて受板８の前方に設けたコ
ロ16を迂回させ、ピンチローラ17，18により下方へ引き
落させて、ある量が溜まると廃棄するもので、この除去
シート14をラミネート紙６と伴走させる速度は、ラミネ
ート紙６よりもこれを遅くすると、シートの使用量が少
なくて済むから経済的であり、その速度はラミネート紙
６が毎分30〜40ｍで給送される場合は、毎分0.04m程度
で好ましい結果が得られた。

14′は反復使用する接着剤除去シートで、受板８の前，
後に設けたコロ15，16とその下方に配置した回折コロ19
及びピンチローラ17，18とにナイロン布製の除去シート
無端状に懸張し、これを循環運動させて、受板８上をラ
ミネート紙６と伴走するときに、これから接着剤を拭い
取った部分が回折コロ19の部分に移動したとき、この部
分に設けた洗滌装置20により接着剤を洗い落とさせ、水
溶性接着剤の場合は、その後に配設した乾燥手段により
乾燥させて、再びラミネート紙と伴走させることによ
り、同じ除去シート14′をを反復使用するもので、その
循環速度は前記した使い捨ての除去シート14の移動速度
に準じさせるものとする。

前記実施例に示した装置は、使い捨ての除去シート14を
用いるものも、反復使用する除去シート14′を用いるも
のも、これらのシート14，14′がラミネート紙６の下側
に滲出した接着剤を拭い取り、これを受台８や後続の案
内面へ付着させないから、ラミネート紙６は付着接着剤
の抵抗を受けずに軽快に移動し、途中で切断することな
くこれを使い尽くす迄、連続して基材のラミネート加工
をすることができた。

ハ．考案の効果 本考案に関する装置は、ラミネート紙の下側へ滲出する
接着剤を除去シートにより拭い取らせて、受板や後続案
内面へ付着させないから、ラミネート紙の途中切断が防
止されて、これを使い終わる迄、連続的にラミネートす
ることができるため、１０分置きにラミネート紙が切れ
て、その都度、機械を止めて接着剤を除去し、ラミネー
ト紙を基材への貼着部まで誘導して基材に貼着する操作
を行なった従来のラミネータに比べて、全く人手が掛か
らず、作業能率が大巾に増進される大きな効果を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に関する装置の実施例を示す一部を縦断
した側面図。第２図は同上装置を使用したプロフィール
ロミネータの概要を一部を切除して示す側面図。第３図
は同上により基材をラミネートする状態の縦断正面図。
第４図は同上に於けるラミネート紙の貼着ローラ群の位
置変化を示す正面図。第５図は同上装置の他の実施例を
示す側面図。第６図は従来のプロフィールラミネータの
概要を一部を切除して示す側面図。第７図同上によりラ
ミネートした基材の縦断正面図ある。 図において６はラミネート紙、ａは供給部、ｂは接着剤
の塗布部、ｃは基材５へのラミネート紙の貼着部、14及
び14′は接着剤の除去シートである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】供給部から接着剤の塗布部を通って基材へ
   の貼着部へ移動するラミネート紙の下側に、接着剤塗布
   部に於て接着剤の除去シートを伴走させたことを特徴と
   するラミネート紙の粘着防止装置。