JPH0611192B2 - インバ−タ駆動用同期電動機の始動方法 - Google Patents

インバ−タ駆動用同期電動機の始動方法

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JPH0611192B2
JPH0611192B2 JP59064449A JP6444984A JPH0611192B2 JP H0611192 B2 JPH0611192 B2 JP H0611192B2 JP 59064449 A JP59064449 A JP 59064449A JP 6444984 A JP6444984 A JP 6444984A JP H0611192 B2 JPH0611192 B2 JP H0611192B2
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P1/00Arrangements for starting electric motors or dynamo-electric converters
    • H02P1/16Arrangements for starting electric motors or dynamo-electric converters for starting dynamo-electric motors or dynamo-electric converters
    • H02P1/46Arrangements for starting electric motors or dynamo-electric converters for starting dynamo-electric motors or dynamo-electric converters for starting an individual synchronous motor

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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、インバータからのパルス制御された出力を停
止中の同期電動機に加え、これを同期速度まで加速させ
るインバータ駆動用同期電動機の始動方法に関するもの
である。
(従来技術) 回転子内に永久磁石を備える同期電動機は誘導機と同期
機との特性を併有するものであるから、同期電動機を自
己始動させる場合には、始動時に誘導電動機として始動
させ、その後に同期引入れが自然に行なわれ、同期電動
機として同期速度にて回転する。
自然に同期引入れが行なわれる場合には種々の制約があ
るため、誘導電動機特性のすべりが小さくなければなら
ないが、この種の同期電動機を誘導電動機として始動さ
せるには、一般に汎用の誘導電動機のすべりの約1/2程
度でないと実用的でない。このため回転子に設けられた
ダンパ巻線の断面積を大にしてすべりを小さくしても、
同期引入れトルクは負荷慣性モーメントGD(ここ
で、Gは回転体の全質量、Dは回転体の直径である)の
平方根に反比例するから、負荷慣性モーメントGD
大き過ぎると同期引入れが不能となる。さらに、前記し
たようにダンパ巻線の断面積を大にすると、始動時に定
格電流の約10倍以上の非常に大きな始動電流が同期電
動機の1次側巻線に流れるため、同期電動機を駆動制御
するインバータの始動容量を相当程度大きくしなければ
ならず、この点でコストが大となる欠点がある。その
上、回転子ダンパ巻線は銅又はアルミニュームなどの如
き電気的良導体により構成されているが、それらの金属
の機械的強度は銅のそれに比較して約1/2か、又はこれ
よりもさらに劣るものであるから、回転中に加えられる
機械的又は電磁気的力に対し脆弱であり、場合によって
は回転中に断線などの故障原因となり易く、またその材
質強度にはバラツキが多く、従って強度の点で信頼性に
欠けるという不都合な面があった。
(目的) 本発明は、前記した従来技術の有する欠点を解消するも
ので、停止中の同期電動機の1次側巻線の各相に低周波
数でかつ低い電圧レベルを持つインバータからの出力パ
ルスを加えて交流予備励磁し、ゆっくりと電圧レベルを
増加させ、検出電流値から同期引入れ可能時に流れる電
流値を設定値とし、この設定電流値と検出電流とを比較
して、前記検出電流値が設定電流値以下になったことで
同期引入れに入ったことを検知して、周波数と電圧レベ
ルを増加させて加速するもので、非常に小さい始動電流
でしかも他の加速手段を用いることなく同期電動機を始
動させるインバータ駆動用同期電動機の始動方法を提供
することを目的とする。
(発明の構成) 本発明は、停止中の同期電動機の1次側巻線の各相に、
インバータから出力される低い周波数を持ちかつ低い電
圧レベルを持つパルスを入力して交流予備励磁し、非同
期時に大電流が流れないように電圧をゆっくりと増加さ
せて励磁し、1次側巻線の流れる電流の検出値から同期
引入れに入ったことを検知し、これ以後は周波数と電圧
レベルを時間と共に直線的に増加するパルスを加えて加
速させるものである。
(実施例) 以下に、本発明のインバータ駆動用同期電動機の始動方
法の一実施例を説明する。
実施例を説明する前に、本発明のインバータ駆動用同期
電機の始動方法の基礎となる概念を述べる。
同期電動機を自己始動させる場合に、始動時には誘導電
動機として始動させ、その後に同期引入れが行なわれる
が、同期電動機を同期引入れする条件として、同期電動
機を誘導電動機としてどこまで加速すればよいかという
ことを示す条件式がある。この条件式は同期引入れ可能
すべりを示す式として知られているが、 で表わされる、ここでSは同期引入れ可能すべり、Nは
同期引入れ可能すべり時同期回転速度、Tは脱出トル
ク、Jは回転体の合計慣性モーメント、kは定数であ
る。
いま、例えば2極の同期電動機を50Hzで運転するとす
ると、その同期速度は3,000rpmである。この場
合、同期引入れ可能すべりが1%であるとすると、前記
の式において脱出トルクTと、回転体の合計慣性モーメ
ントJと、定数kは設計時に既にきまっている値である
から、これを除外して前記式にS=1%と、N=3,
000rpmを代入すると、N=2,970rpmとなる。こ
のことは、同期電動機を始動時から2,970rpmに達
するまで誘導電動機として加速させると同期引入れをす
ることができることを意味している。
そして、その場合すべりSが1%のときの回転数は30
rpmである。この30rpmの周波数は、同期速度3,00
0rpmを50Hzで除算して1Hzあたりの回転数を求める
と60rpmであり、この60rpmを30rpmで除算する
と、0.5Hzとなる。つまり、30rpmは0.5Hzの周
波数における回転数を示している。
ここで、前記した同期引入れ可能すべりSを示す式にお
いて、設計時にきまっている脱出トルクT、回転体の合
計慣性モーメントJ、定数kの3諸量より導びかれる値
が30であるとすると、同期速度N=30を前記式に代
入すると同期引入れ可能すべりSは100%となる、こ
のことは、同期電動機を誘導電動機として運転する場
合、停止中でありながら同期引入れ可能条件を充たして
いることを示している。
従って、同期電動機に0.5Hzの電源周波数を有する電
圧を加えて予備励磁すると、電動機は静止状態である
が、その他の加速手段の助力なしに停止したままで同期
引入れすることができる。そして、同期引入れした後
に、周波数と電圧を直線的に増加させると、同期に入っ
たままで加速することができる。
第1図は本発明のインバータ駆動用同期電動機の始動方
法を実施する装置の一例である電圧型PWM(パルス幅
変調)インバータを示し、同図(A)はその装置のブロッ
クを、同図(B)はその装置の比較部の詳細を示す。
第1図(A)において、1は3相母線より供給される母線
電流を整流器により直流に変換する順変換部であり、2
は後述の制御装置4により導通制御されるパワートラン
ジスタと、帰還ダイオードをブリッジ接続した整流器と
からなる逆変換部であり、順変換部1から供給される整
流電圧をパルス幅制御を行なって不等幅パルスを出力
し、これを母線R,S,Tに加え、同期電動機3の駆動
制御を行なう。なお、順変換部1,逆変換部2,制御装
置4により電圧型PWMインバータを構成する。
制御装置4において、発振器41は制御部40から入力
される周波数指令信号aに従った周波数にて発振する。
発振器41の発振出力はカウンタ42と43とに入力さ
れ、そしてカウンタ42と43の計数出力はROMを有
する正弦波メモリ61,62,63と3角波メモリ64
とのアドレス入力となる。正弦波メモリ61,62,6
3には同一の正弦波形が量子化されて記憶されている
が、正弦波メモリ61,62,63の記憶波形はそれぞ
れ120゜づつ位相がずれている。そして、正弦波メモ
リ61,62,63から読出されたデジタルの正弦波出
力がD/A変換器71,72,73に入力され、アナログ
信号に変換された正弦波信号r,s,tが出力されて比
較器81,82,83の一方の入力端子に入力される。
なお、D/A変換器71,72,73には制御部40から
周波数指令信号aと同時に出力される電圧指令信号cを
ゲイン制御信号として入力され、この電圧指令信号cに
従って直線的に増加する電圧レベルを持つ正弦波信号
r,s,tを出力し、そして正弦波信号r,s,tは振
幅と周波数とが調整されることになる。
一方、カウンタ43の計数出力はROMを有する3角波
メモリ64のアドレス入力となり、このメモリから読出
されたデジタルの3角波信号がD/A変換器74に入力さ
れ、アナログの3角波信号dを出力し、これを比較器8
1,82,83の他方の入力端子に入力する。
なお、3角波メモリには、制御部40から出力される周
波数指令信号aに従った発振周波数にて発振する発振器
41からの発振周波数を入力されるカウンタ43が、そ
の周波数指令信号aに従った発振周波数を計数し、その
計数出力を3角波メモリ64に入力すると、3角波メモ
リには予備励磁モードに対応したデジタルの3角波信号
を出力し、また異なった周波数指令信号aに従った発振
器41の発振周波数を計数するカウンタ43からの計数
値を入力されると、加速モードの線形に増加するデジタ
ルの3角波信号を出力するパターンがテーブル化されて
いる。
比較部80の詳細を第1図(B)に基いて説明する。
第1図(B)において、比較器81,82,83は正弦波
信号r,s,tの振幅が3角波信号dの振幅よりも大な
るときにのみ、それぞれ位相を120゜異にする不等幅
のパルス信号を出力する。比較器81,82,83の出
力は2分され、その一方は増幅器84,85,86を介
して第1図(A)に示すU相,V相,W相のパワートラン
ジスタのベースに入力され、その他方はインバータ87
と増幅器90を介し、インバータ88と増幅器91を介
し、そしてインバータ89と増幅器92を介してX相,
Y相,Z相のパワートランジスタのベースに入力され
る。そしてこれらのパワートランジスタは比較器81,
82,83から出力されるそれぞれ120゜位相を異に
する不等幅のパルス信号と、同様に位相を120゜異に
してインバータ87,88,89から出力される不等幅
のパルス信号により導通制御され、同期電動機3に正弦
波近似の不等幅のパルスが加えられる。
PTは電圧変成器で、母線R,S間の線間電圧を検出
し、整流器Dに入力し、整流した電圧を2分し、その
一方を零交叉比較器31に入力する。零交叉比較器31
は整流電圧が零レベルを交叉するときにパルスを出力す
る。32は周波数検出器で、入力されたパルスの周期を
測定して周波数Fを求め、同期引入れ可能すべりに相当
する低周波に設定された周波数設定信号Fと共に比較
器Sに入力する。週比較器Sは検出周波数Fが設定
周波数Fより小であるか否かの比較を行ない、その比
較信号を制御部40の不図示の判定部に入力する。整流
器Dの整流電圧の他方は電圧検出回路34に入力さ
れ、その電圧Vを低い値に設定された電圧初期値V
設定電圧として入力される電圧比較器Sに加えられ
る。TとTは制御部40に内蔵されているタイマの
常開接点と常閉接点であり、内蔵されている不図示のタ
イマの作動により常開接点TAが閉じているときに検出
電圧Vが設定電圧Vより低いか、等しいかの比較を行
ない、そして増幅器35と閉じている常開接点TAを介
して制御部40の判定部に入力される。制御部40は周
波数比較器Sと電圧比較器Sとの比較判定に基づい
て、周波数FをFに固定、即ち制御部40から出力さ
れる周波数指令信号aにより3角波メモリ64から出力
されるデジタルの3角波信号の周波数を固定し、そして
電圧指令信号cをD/A変換器71,72,73に入力
し、その正弦波信号r,s,tの振幅を直線的に増加さ
せる。所定時間経過した後に不図示のタイマの作動が終
了すると、閉じている常開接点TAは開となり、開いて
いる常閉接点TBは閉じる。これにより整流器Dから
の整流電圧Vは、同期引入れ可能すべりに相当する低周
波数である設定周波数Fに最適な電圧である設定電圧
が入力されている電圧比較器Sに入力され、検出
電圧Vが設定電圧Vに達したか否かの比較を行ない、
その比較電圧は増幅器36と常閉接点TBを介して制御
部40の不図示の判定部に入力される。また、母線R,
Sに設けられた変流器CTから検出した電流は、整流器
に入力され、同期引入れを確認できる電流値に設定
された設定電流Iが入力されている電流比較器S
導びかれ、同期に近づくにつれて減少して行く検出電流
Iが設定電流Iに等しいか又はこれよりも小であるか
否かの比較を行ない、制御部40の判定部に入力する。
第2図は、第1図に示す装置を用いて本発明のインバー
タ駆動用同期電動機の始動方法を実施するための手順を
示すフローチャートである。なお、1から7で示す数字
はステップを示し、1から5で示すステップは停止中の
同期電動機3を予備励磁し、同期電動機3を始動させる
始動モードにおいて行なわれる手順を示し、ステップ6
は同期電動機3を加速させる加速モードの手順を示し、
ステップ7は同期電動機3を所定速度で回転させる定常
モードを示す。
ステップ1において、停止中の同期電動機3に低い周波
数を持つ低い電圧を加えて予備励磁し、電圧変成器PT
から検出した整流電圧から周波数Fを求め、同期引入れ
可能すべりに相当する低周波数である設定周波数F
入力された周波数比較器Sにおいて、検出周波数Fが
設定周波数Fより低いか否かの比較を行ない、NOで
あるならその比較を繰返し、YESであるならステップ
2に進む、ステップ2において、電圧変成器PTから検
出し、整流された検出電圧Vと低い値の初期値Vに設
定されている設定電圧Vの入力されている電圧比較器
において、検出電圧Vが設定電圧Vより小さい
か、又は等しいかの比較を行ない、NOであるならこれ
を繰返し、YESであるならステップ3に進む。ステッ
プ3において、前記したステップ1と2における比較条
件が充たされると、制御部40から出力される周波数指
令信号aにより正弦波信号r,s,tと3角波信号dの
周波数が固定され、また電圧指令信号cの加えられるD/
A変換器71,72,73から出力される正弦波信号の
電圧レベルを直線的に増加させ、インバータ出力周波数
Fを設定周波数Fに固定した状態で、インバータ出力
電圧VをV+ktで示されるように時間と共に直線
的に増加させる。
なお、定数kは、非同期時には大電流が同期電動機3
の1次側巻線に流れるから、その大電流の流入を緩和す
るために徐々に電圧を上昇させることが必要となり、こ
のため低い値に設定されている。また、D/A変換機7
1,72,73のゲインを少しづつ上昇させて制御する
電圧指令信号cを出力することとが必要である。
ステップ4において、検出電圧Vが設定電圧Vに等し
くなった否かの比較を行ない、NOであるならその比較
を繰返し、YESであるならステップ5に進み、検出電
流Iが設定電流Iより小さいか、又は等しいかの比較
を行ない、この比較条件を充たすことにより、同期引入
れが行なわれたということを確認できると共に、加速準
備が完了したことを知ることができる。なお、ステップ
5において、NOであるならその比較を繰返し、YES
であるならステップ6に進む。ステップ4と5の比較条
件が充たされると、制御部40から出力される周波数指
令信号aと電圧指令信号cとにより、正弦波信号r,
s,tおよび3角波信号dの周波数と正弦波信号r,
s,tの電圧レベルとを直線的に増加させ、検出周波数
FがF+kt,検出電圧VがV+ktとなるま
で電動機を加速する。なお、kとkは定数である。
このようにして、ステップ6において周波数Fと電圧V
を直線的に増加させ、同期電動機3を所定期間加速さ
せ、そしてステップ7において、同期電動機3は定常モ
ードで回転する。
第3図は、同期電動機3を予備励磁する始動モード時に
おけるR−S間に入力される正弦波近似の不等幅パルス
の線間電圧を示す。
始動モード時において、第1図(A)に示す比較器81と
82,83から出されるU相〜W相のパワートランジス
タを導通させるパルス信号と、X相〜Z相のパワートラ
ンジスタを導通させるパルス信号とにより、所定のPW
M制御を行なって予備励磁するものであるが、かかる予
備励磁の1ステップとして例えば順変換部1から出力さ
れる整流電圧が、U相パワートランジスタと、R相と、
Y相パワートランジスタとを流れるように制御し、また
V相パワートランジスタと、S相と、X相パワートラン
ジスタとを流れるように制御すると、R−S間の線間電
圧は第3図の点線で示すような正弦波近似の電圧パター
ンが得られるのである。
第4図は加速モード時における正弦波信号r,s,tと
3角波信号dとを比較し、例示的に正弦波信号rと3角
波信号dとの比較により得られた不等幅のパルス信号を
示し、第5図はこのようにして比較器81,82,83
から出力されるパルス信号を逆変換部2におけるパワー
トランジスタに加えて導通制御し、同期電動機3のR,
S,T相に入力して得られたR−SのPWM線間電圧波
形、S−TのPWM線間電圧波形、T−RのPWM線間
電圧波形を示す。
なお、第4図においてはすべてを図示していないが1サ
イクルのr,s,tの正弦波信号の振幅と、正弦波信号
に対し6倍周期の3角波信号dの振幅とを比較し、その
結果それぞれ位相を120゜異にした3列の不等幅パル
ス信号が得られるが、第5図に示すようにPWM信号群
の1サイクルを6等分し、60゜の各位相区間P〜P
に1つのパルスを含む6個の不等幅パルス列が正弦波
近似となってR−S相,S−T相,T−R相の線間電圧
を形成するのである。
次に、第1図に示す電圧型PWMインバータを用いて本
発明のインバータ駆動用同期電動機の始動方法の実施例
の作用を説明する。
制御部40から出力される周波数指令信号aを発振器4
1に加えると、発振器41はその周波数指令信号aに従
った発振を行ない、その発振出力をカウンタ42,43
に入力する。カウンタ42の計数出力は正弦波メモリ6
1,62,63にアドレス入力として入力され、正弦波
メモリ61,62,63からは位相をそれぞれ120゜
異にするデジタルの正弦波信号が出力され、次いでD/A
変換器71,72,73に入力され、アナログの正弦波
信号r,s,tとなって比較器81,82,83の一方
の入力端子に入力される。なお、制御部40から出力さ
れる電圧指令信号cがD/A変換器71,72,73にゲ
イン制御信号として入力され、D/A変換器7,72,7
3から出力される正弦波信号r,s,tの振幅を自動的
にコントロールする。
一方、カウンタ43からの計数出力が3角波メモリ64
に入力されると、予備励磁モードに対応した低周波のデ
ジタルの3角波信号が出力され、これをD/A変換器74
に入力され、アナログの低周波の3角波信号dを比較器
81,82,83の他方の入力端子に入力される。比較
器81,82,83からは正弦波信号r,s,tと3角
波信号dとを比較し、逆変換部2のU相,V相,W相,
X相,Y相,Z相のパワートランジスタの導通を制御す
る第3図に示す如き不等幅のパルス信号が得られる。順
変換部1から出力される整流電圧を、前記したパルス信
号によるパワートランジスタの導通を制御し、不等幅パ
ルスとして停止中の同期電動機3の1次側巻線の各相に
入力する。このようにして入力された不等幅パルスによ
り、第3図の点線で示される正弦波状のR−の線間電圧
が発生される。このようにして低周波でかつ低レベルの
電圧が、停止中の同期電動機3の1次側巻線を予備励磁
し、同期電動機3を静止状態にとどめておく。
この状態において、同期電動機3のR−Sの線間電圧を
電圧変成器PTにより検出し、これを整流器Dにより
整流し、零交叉比較器31に入力し、その出力パルス周
波数検出回路32に入力し、その周期から周波数Fを求
め、これを同期引入れ可能すべりの低周波数に設定した
設定周波数Fが入力されている周波数比較器Sに入
力し、検出周波数Fが設定周波数Fよりも小さいか否
かの比較を行ない、その偏差信号を増幅器33を介して
制御部40内の不図示の判定部に入力される。また、整
流器Dの出力電圧を電圧検出回路34を介し、検出電
圧Vとして低い値の初期値に設定されている設定電圧V
が入力されている電圧比較器Sに入力する。なお、
このとき制御部40に内蔵されているタイマが作動して
常開接点Tを閉じ、常閉接点Tを開にする。従っ
て、電圧比較器Sにおいて検出電圧Vが設定電圧V
より低いか、又は等しいかの比較を行ない、その偏差信
号は増幅器35と閉じている常開接点Tを介し制御部
40内の不図示の判定回路に入力される。
検出周波数Fが設定周波数Fに等しくかつ検出電圧V
が設定電圧Vに等しくなったことを判定回路が検出す
ると、制御部40は、周波数指令信号aをFに固定し
たままで電圧指令信号cをゲイン制御信号としてD/A変
換器71,72,73に入力し、時間tと共に徐々に電圧
レベルを増加する正弦波信号r,s,tを出力する。ま
た、制御部40から周波数指令信号aが出力され、この
指令信号aに従った発振をする発振器41の出力はカウ
ンタ43に入力され、その出力を3角波メモリ64に入
力し、デジタルの3角波信号の周波数を固定し、D/A変
換器74からは周波数固定の3角波信号dが出力され
る。このようして、同期電動機3の1次側巻線に周波数
が固定でかつ電圧が直線的に徐々に増加する電圧V
=V+ktが印加される。
電圧変成器PTにより検出された電圧Vを設定電圧V
の入力された電圧比較器Sに入力される。電圧比較器
において検出電圧Vが設定電圧Vに等しいか否か
の比較を行なう。なお、常閉接点Tは、タイマの作動
停止により初期状態に復帰するから、電圧比較器S
偏差信号は増幅器36と常閉接点Tを介して制御部4
0内の不図示の判定回路に入力される。次に、変流器C
Tからの検出電流Iを整流器Dを介し、同期又は非同
期を確認できる電流値に設定された設定電流Iの入力
されている電流比較器Sに入力され、検出電流Iが設
定電流Iと等しいか又は小さいかの比較を行ない、そ
の偏差電流を制御部40の不図示の判定回路に入力す
る。判定回路にて検出電流Iと設定電流IとがI≦I
の関係にあると判定すると、このときには同期引入れ
が可能でありかつ加速準備が完了した状態になっている
から、判定部40から周波数指令信号aと電圧指令信号
cとを時間の経過と共に上げて行く信号が出力される。
周波数指令信号aが発振器41に入力されると、発振器
41は周波数指令信号aに従った発振をし、その発振出
力をカウンタ43に入力する。カウンタ43の計数出力
は3角波メモリ64に入力され、加速モードの時間と共
に線形に増加するデジタルの3角信号が3角波メモリ6
4から出力され、D/A変換器74から時間と共に周波数
が線形に増加する3角波信号dが出力され、比較器8
1,82,83に入力される。
電圧指令信号cはD/A変換器71,72,73に時間と
共に振幅を増加させるゲイン制御信号として入力される
から、D/A変換器71,72,73からは時間と共に電
圧レベルが増加する正弦波信号r,s,tが出力され、
比較器81,82,83に入力される。比較器81,8
2,83からは第4図に示される不等幅パルス出力さ
れ、これによりパワートランジスタの導通制御を行なっ
て同期電動機3の1次側巻線に時間と共に増加する周波
数F=F+ktと電圧V=V+ktとを印加
し、始動させる。その際、R−S相,S−T相,T−R
相にあらわれる線間電圧は第5図に示される。
このように時間と共に直線的に増加する周波数と電圧を
加えて同期電動機3を加速する。
同期電動機3が所定速度に達して定常運転に入ったとき
は、定常モードのPWMパターンで運転する。
以上の実施例の説明において、電圧型PWMインバータ
を用いて同期電動機を始動させる本発明の方法について
述べたが、電圧振幅の変化する電圧型PAM(パルス振
幅変調)インバータを用いても本発明の方法を実施する
ことができる。
本発明の方法は、第6図に示す電流型PWMインバータ
を用いても実施できる。
第6図において、電流型PWMインバータは順変換部1
と、リアクトルRと、逆変換部2と、制御装置4と、
負荷側の電磁エネルギーを整流する整流器5と、回生さ
れる電磁エネルギーを吸収する電解コンデンサ6と、吸
収した電磁エネルギーを消費する抵抗7とにより構成さ
れている。
このように構成された電流型PWMインバータは第1図
(A),(B)に示す電圧型PWMインバータと同様な手法に
て同期電動器3を始動させることができるものであり、
エネルギー吸収用の整流器5と、電解コンデンサ6と、
抵抗7とを備えている点で相違するだけである。なお、
この場合においても電流型PAMインバータを用いて本
発明の方法を同様に実施することができる。
さらに、本発明の方法は第7図に示す電流制御型PWM
インバータを用いても実施することができる。
第7図において、電流制御型PWMインバータは、順変
換部1と、リアクトルReと、逆変換部2と、制御装置
4とから構成されており、制御装置4から出力されるパ
ルス信号を逆変換部2のパワートランジスタに加えて導
通制御し、同期電動機3を始動させる作用とその効果は
第1図に示す電圧型PWMインバータのそれと同様であ
り、単に制御装置4の内部構成が相違するだけである。
その内部構成は周知であるから、簡単に述べると、8,
9,10はそれぞれ位相を120゜異にするアナログの
正弦波信号を発生する基準電流発生器であり、11,1
2,13は変流器CTにより検出された電流と電流基準
信号との比較を行なうヒステリシス比較器であり、1
4,15,16はゲート回路、17,18,19はイン
バータである。ゲート回路14,15,16の出力は逆
変換部2のU相,V相,W相のパワートランジスタに印
加され、インバータ17,18,19の出力はX相,Y
相,Z相のパワートランジスタに印加され、順変換部1
から出力される整流電流を不等幅パルス信号により制御
し、同期電動器3に正弦波近似の不等幅パルス信号を入
力する。
また、この場合においても、本発明の方法は電流制御型
PAMインバータを用いても実施することができる。
以上説明した本発明の実施例によると、同期引入れ可能
すべりに相当する低周波数と低い電圧レベルとを持つパ
ルスにより同期電動機を予備励磁して始動させるから、
その同電流は非常に少なくてすみ、従来方法によると定
格電の約10倍の始動電流を必要とするのに対し、定格
電流の約1.5倍程度すみ、従って従来方法に用いるイ
ンバータと同一容量のインバータを使用して同期電動機
を始動させる場合には約6倍以上の負荷慣性モーメント
GD2を持つ負荷を始動させることができると共に、回
転子のダンパ巻線の断面積を大にする必要がないから、
従来方法によるものと比較して約2倍程度の高い回転数
にて回転子を回転させることができる。
さらに、インバータ1台にて多数の同期電動機を運転す
る場合には、静止状態から同一の回転角度にて加速で
き、完全に同期運転することができる。
(効果) 以上説明したように本発明によると、停止中の同期電動
機の1次側巻線の各相に、同期引入れ可能すべりに相当
する周波数Fよりも低い周波数でかつ低い電圧レベル
を有するインバータからのパルスにより交流予備励磁を
行ない、次に周波数をFに固定し、時間と共にゆっく
りと増加する電圧レベルを持つパルスを入力し、検出電
流値から同期引入れ可能時に流れる電流値を設定値と
し、この設定電流値と検出電流とを比較して、検出電流
値が、設定電流値以下になったことで同期引入れに入っ
たことを検知し、周波数と電圧レベルを時間と共に直線
的に増加するパルスを入力して加速させるものであるか
ら、始動時の始動電流が従来方法によるものと比較して
大幅に少なくなり、このためインバータの始動容量が小
さいものですみ、そして従来方法を実施するインバータ
の始動容量と同一の始動容量を持つものを用い、本発明
の方法により同期電動機を始動させる場合には、より大
きな負荷慣性モーメントGD2を持つ負荷を始動させる
ことができるから、その始動可能領域を大幅に拡大でき
ると共に、誘導電動機として始動させる際に必要とされ
るすべりを小さくするためのダンパ巻線の断面積を大に
する必要がなく、このため回転子強度が大となり、これ
により高速回転に充分に耐えることができるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明のインバータ駆動用同期電動機の始
動方法を実施するための装置の回路図、第1図(B)はそ
の装置の比較部の詳細を示す回路図、第2図は本発明の
方法を実施するための手順を示すフローチャート、第3
図は始動モードにおけるR−S間に入力される不等幅パ
ルスと点線で示すR−Sの線間電圧とを示す波形図、第
4図は加速モードにおける正弦波信号r,s,tと3角
波信号dとの波形と正弦波信号rと3角波信号dとの比
較から得られた不等幅パルスとの波形図、第5図は加速
モードにおけるR−S相,S−T相,T−R相の線間電
圧を示す正弦波近似のパルス波形図、第6図は電流型P
WMインバータの回路ブロック図、第7図は電流制御型
PWMインバータの回路ブロック図である。 図中、1は順変換部、2は逆変換部、3は同期電動機、
4は制御装置、40は制御部、41は発振器、42と4
3はカウンタ、61,62,63は正弦波メモリ、64
は3角波メモリ、71,72,73,74はD/A変換
器、80は比較部、81,82,83は比較器、84,
85,86,90,91,92は増幅器、87,88,
89はインバータ、Sは周波数比較器、S,S
電圧比較器、Sは電流比較器、31は零交叉比較器、
32は周波数検出回路、34は電圧検出回路、33,3
5,36は増幅器を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インバータの出力電圧、出力周波数をイン
    バータの制御部で制御し、可変電圧、可変周波数を回転
    子に永久磁石とダンパ巻線を備えた同期電動機の一次側
    巻線に印加して同期電動機を誘導電動機として始動し、
    その速度を定格速度まで上昇させるインバータ駆動用同
    期電動機の始動方法であって、最初に停止している同期
    電動機の1次巻線の各相に低い周波数と低い電圧を加え
    て予備励磁し、同時に同期電動機の印加電圧の周波数と
    電圧値とを検出し、この検出周波数Fとあらかじめ設定
    した (但し、Sは同期引入れ可能すべり、Nは同期引入れ可
    能すべり時同期回転速度、Tは脱出トルク、Jは回転体
    の合計慣性モーメント、Kは常数)で表される誘導電動
    機として同期引入れ可能すべりに相当する設定周波数F
    1とを比較し、また検出電圧値Vとあらかじめ低い値の
    初期値に設定した設定電圧値V1とを比較してF<F1
    V≦V1の条件を充したとき、インバータの出力周波数
    を一旦固定し、この固定した状態でインバータ出力電圧
    Vを時間とともに直線的に増加させて同期引入れ可能す
    べりに相当する設定周波数F1に最適な電圧である設定
    電圧V2と比較してV=V2となし、次に同期電動機の入
    力電流を検出してその検出電流Iとあらかじめ同期引入
    れを確認できる電流値に設定した設定電流値I1とを比
    較し、I≦I1の条件を充したときインバータの出力周
    波数、出力電圧を直線的に増加させて同期電動機を同期
    状態で定格回転数まで加速させることを特徴とするイン
    バータ駆動用同期電動機の始動方法。
  2. 【請求項2】前記インバータが電圧型PWMインバータ
    又は電圧型PAMインバータである特許請求の範囲第
    (1)項記載のインバータ駆動用同期電動機の始動方
    法。
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