JPH0611125Y2 - 多軸穿孔装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は主に木板を穿孔加工する多軸穿孔装置に関する
ものである。

［従来の技術］ 木板特に家具用板材の穿孔加工においては、通常３０，
６０mmピッチ等３０mmの倍数ピッチで多数並列した孔を
穿孔することが要求されており、これよりすると３０mm
ピッチでドリルを並設して、各ドリルを選択降下させる
穿孔装置が望ましいが軸間隔が狭いため技術的解決に苦
慮している。

(イ)昭和５２年１２月２６日発行、特許庁公報周知、慣
用技術集（木工機械）Ｐ・２５４〜２５６ 狭い間隔で多数並設したドリルスピンドルの各基端にそ
れぞれギアーを固着して互いに連絡し、そのうちの一軸
をモータ軸に直結して全ドリルスピンドルを回動する。

(ロ)６０mmピッチで正回転ドリルを並設した穿孔装置。

３０mmピッチを穿孔する場合は一度穿孔した後に３０mm
ずらして再度穿孔する。

［考案が解決しようとする問題点］ 前記従来技術（イ）は多数並設したドリルスピンドルが
互いにギア伝達によって連絡しているため隣接のドリル
が順次逆回転となる。従って正逆すなわち左右のリード
ドリルを必要とし、しかもドリルの装着手段においても
回転方向に適した正逆ネジを設ける必要がある。

（ロ）の穿孔装置は狭い間隔で穿孔する作業において加
工工程が多くなる。

本考案は上記に鑑み狭い間隔で多数並設したドリル全て
が同一方向に回転し、しかも各ドリルを選択することに
より他の間隔でも穿孔加工できる穿孔装置を提供するこ
とを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は前記目的を充足するために基盤の前面に立設固
定した下向きのシリンダーと昇降可能に装設したドリル
スピンドルを対向させて一対となした複数のドリル昇降
機構を垂直に並設すると共に該基盤の上位にドリルの駆
動機構を配設してなり、前記各シリンダーのロッド端は
対向する各ドリルスピンドルに連絡し、各ドリルスピン
ドルは下端にドリルを装着すると共に上端に前記駆動機
構に連絡するスプライン軸を連設し、駆動機構は前記各
スプライン軸が挿通噛合するスプライン孔を軸心とする
歯車列と、該歯車列の隣接する双方一対宛噛合する中間
歯車列及び中間歯車の隣接する双方に噛合する主歯車列
からなり、主歯車列の一軸を前記基盤に固設したモータ
に連絡したものである。

［作用］ モータにより主歯車の一軸を回動し、これに噛合する中
間歯車を介して他の主歯車及び小歯車を回動することに
より該小歯車のスプライン孔に挿通噛合したスプライン
軸、ドリルスピンドル及びドリルの全てを旋回して多数
並列したドリルのうち所望の加工作業に適したピッチに
相当するドリルのみをこれに対設したシリンダーにより
降下して被加工物を穿孔する。

［効果］ 並設した各ドリルに昇降用のシリンダーを配設してある
ため、所望の穿孔加工に適したピッチのドリルのみを選
択降下して切込みできるだけでなく、各ドリルを旋回す
る歯車が中間歯車を介して主歯車に伝達しているため全
てのドリルが同一方向に旋回するので一方向のリードド
リルでたり作業性、作業能率に富むものである。

［実施例］ 図中符号１は機体で、機体１の滑面１′に昇降可能に基
盤２を摺嵌し、基盤２の前面に、下向きのシリンダー３
と昇降管４を対設して一対とした複数のドリルの昇降機
構Ａ，Ａを３０mmの間隔を存して垂直に並設すると共に
該基盤２の上位にドリルの駆動機構Ｂを配設してなり、
前記下向きの各シリンダー３，３は基端を基盤２に立設
固定し、シリンダーロッド３′に連結片５を止着して各
連結片５，５を各昇降管４，４に固定する。

前記各昇降管４，４は中空内に該昇降管４と共に昇降動
するドリルスピンドル６を挿設し、各ドリルスピンドル
６，６は下端にチャック７を介してドリルＴを装着し上
端に前記駆動機構Ｂに連絡するスプライン軸８を連設す
る。

駆動機構Ｂは各図に示すごとく、３０mmピッチで林立す
る前記各スプライン軸８，８の軸間の許容範囲におい
て、隣接した歯車が交互に高低差をもって重なり合いな
がら並列した複数の小歯車列９，９と、該各小歯車９，
９の軸心であるスプライン孔９′，９′に挿通し噛合す
る前記各スプライン軸８，８と、段差を有する隣接の小
歯車９，９の双方一対宛に噛合する中間歯車列１０，１
０及び該隣接した中間歯車１０，１０の双方に噛合して
互いに伝達せる主歯車列１１，１１からなり、主歯車列
１１，１１の一軸を駆動軸１１′として前記基盤２に固
設したモータ１２とベルト１３及びプーリー１４を介し
て連絡したものである。

実施例は上述の構成からなるもので、モータ１２により
主歯車の駆動軸１１′を回動し、これに噛合する中間歯
車１０，１０を介して他の主歯車１１，１１及び小歯車
９，９を回動することにより該小歯車９，９のスプライ
ン孔９′，９′に挿通噛合したスプライン軸８，８、ド
リルスピンドル６，６及びドリルＴの全てを旋回して該
３０mmピッチで並列したドリルＴのうち所望の加工作業
に適したピッチに相当するドリルＴのみをこれに対設し
たシリンダー３により降下して被加工物を穿孔する。

実施例によれば、ドリルを旋回するための小歯車が交互
に高低差をもって並設してあるため３０mmという狭い間
隔で並列することができ、しかも各ドリルに昇降用のシ
リンダーを配設してあるため、主に家具材穿孔加工にお
いて要求される３０mm若しくはその倍数ピッチの孔を穿
孔できるだけでなく、各ドリルを旋回する小歯車が中間
歯車を介して主歯車に伝達しているため全てのドリルが
同一方向に旋回するので一方向のリードドリルを装着す
ればたりるので装着時の作業性ひいては作業能率が向上
する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る多軸穿孔装置の一実施例を示すもの
で、第１図は平面図、第２図は第１図Ｉ−Ｉ断面図、第
３図は第１図II−II断面図である。 ２…基盤、３…シリンダー、３′…シリンダーロッド、
６…ドリルスピンドル、８…スプライン軸、９…歯車、
９′…スプライン孔、１０…中間歯車、１１…主歯車、
１２…モータ、Ａ…ドリル昇降機構、Ｂ…駆動機構、Ｔ
…ドリル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基盤の前面に立設固定した下向きのシリン
   ダーと昇降可能に装設したドリルスピンドルを対向させ
   て一対となした複数のドリル昇降機構を垂直に並設する
   と共に、該基盤の上位にドリルの駆動機構を配設してな
   り、前記各シリンダーのロッド端は対向する各ドリルス
   ピンドルに連絡し、各ドリルスピンドルは下端にドリル
   を装着すると共に上端に前記駆動機構に連絡するスプラ
   イン軸を連設し、駆動機構は前記各スプライン軸が挿通
   噛合するスプライン孔を軸心とする歯車列の各歯車が、
   各スプライン軸の軸間の許容範囲において、隣接した歯
   車との間で交互に高低段差をもって重なり合いながら並
   列し、しかも当該歯車列の隣接する双方一対宛噛合する
   中間歯車列及び中間歯車の隣接する双方に噛合する主歯
   車列からなり、主歯車列の一軸を前記基盤に固設したモ
   ータに連絡してなる多軸穿孔装置。