JPH0610B2 - 乗用芝刈機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は乗用芝刈機に関し、詳しくは、走行車輪、芝刈
用のブレード、運転座席各々を有して芝刈専用に構成さ
れている乗用芝刈機に関する。

〔従来の技術〕

従来、上記の如く芝刈専用に構成されている芝刈機で
は、前後車輪の中間位置に芝刈用のブレードが配置され
ると共に、機体の後部に集草器が配置され、ブレードか
らの刈芝がダクトを介して集草器に送り込まれるように
構成されている（例えば、実開昭６１−２０４４３４号
公報）。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、前記引例のように構成されている芝刈機では、
後車輪より更に後方位置に集草器が配置されているので
機体の重量バランスが悪化し易く、又、ダクトを必要と
するので部品数も増大し易い傾向にある。

本発明の目的は、機体の重量バランスを良好に保ち、か
つ、できるだけ少ない部品で乗用芝刈機を構成する点に
ある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の特徴は、左右一対の前車輪と、左右一対の後車
輪との中間位置に、縦向き軸芯周りで回転する芝刈用の
ブレードと、このブレードの上方に位置させた集草器と
で成る芝刈装置を配置し、この芝刈装置の上方位置に運
転座席を配置して成る点にあり、その作用、及び、効果
は次の通りである。

〔作用〕

上記特徴を例えば第１図に示すように構成すると、前後
車輪(1)，(2)の中間位置にブレード(4)と集草器(5)が配
置されるので、集草器(5)の刈芝が満杯状態に達しても
機体の重量バランスを悪化させることが無く、しかも、
刈芝を送るためのダクトを必要としない。

尚、第１図の芝刈装置(A)では、ブレード(4)で芝を刈取
ると共に、このブレード(4)の回転によって発生する上
方への気流で刈芝を上方に送り、集草器(5)の上部の開
口(5a)に刈芝を送り込むようになっている。

〔発明の効果〕

従って、機体の重量バランス良好に保ち、かつ、少ない
数の部品で乗用芝刈機が構成されたのである。

特に本発明では、芝刈装置の上面に運転座席を取付ける
ことも可能であり、このように取付けると、運転座席を
保持するための部材を必要としないため一層の部品数低
減が可能となる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図には本発明の乗用芝刈機の側面視を表してあり、
この芝刈機では、左右一対の前車輪(1)と左右一対の後
車輪(2)との中間位置に芝刈装置(A)が配置されると共
に、この芝刈装置(A)の上面に運転座席(3)が設けられ、
又、機体の前部には運転操作部(B)、機体の後部には原
動部(C)が夫々配置されている。

第１図乃至第３図に示すように、前記芝刈装置(A)は縦
向き軸芯(Y)周りで回転する芝刈用のブレード(4)と、こ
のブレード(4)の上方に配置された集草器(5)と、これら
を収めるケーシング(6)とを備えて成り、ブレード(4)で
刈取られた刈芝は集草器(5)の外側部とケーシング(6)の
内側面との間に形成される円筒状の空間(S)を上方に送
られ、該装置(A)の上部下面に形成された複数の翼対(7)
…で内方に送られた後、集草器(5)の上部に形成された
開口(5a)に落し込まれるように構成されている。

又、前記運転操作部(B)には、ハンドルポスト(8)、前車
輪(1)を繰向操作するステアリングハンドル(9)、操作ペ
ダル(10)、ステップ(11)等が備えられ、前記原動部(C)
にはエンジン(12)、エンジン(12)からの動力を後車輪
(2)に伝えるための伝動ケース(13)が備えられ、更に、
エンジン(12)と芝刈装置(A)との間には２つのプーリ(1
4)，(15)と無段ベルト(16)とで成るベルト伝動機構が配
設されている。

又、この芝刈装置(A)では前記ケーシング(6)の上部の蓋
状部(6a)が上方へ分離できるよう構成されると共に、こ
の蓋状部(6a)から後方に延設されたカバー部(17)が前記
原動部(C)の上方を覆うよう構成されている。

又、前記ケーシング(6)の下端には、接地転輪(18)を備
えた筒体(19)が上下動自在に内嵌し、ブレード(4)は、
この筒体(19)の内面に取付けたブラケット(20)に対して
支持され、又、筒体(19)の上下動を許容するため、ブレ
ード(4)の駆動軸(21)の中間にはスプライン嵌合部(21a)
が形成されている。

更に、前記カバー部(17)の後端部が横向きの支軸(22)周
りでの揺動を行えるように支持されることで、第２図に
示す如く蓋状部(6a)とカバー部(17)とを一体的に上方へ
開放して集草器(5)の取出しを可能に構成され、この開
放操作を許容するよう、エンジン(12)の出力軸(12a)、
ブレード(4)の駆動軸(21)夫々とベルト伝動機構との間
は分離可能な嵌合構造に構成されている。

因みに、この芝刈装置(A)ではブレード(4)で発生する上
方向きの気流が、前記円筒状の空間(S)を龍巻きのよう
に旋回し乍ら上方に流れるので、前記翼体(7)…は第３
図に示す如く渦巻き型に設定され、又、ブレード(4)の
回転によって生ずる気流は外周側で上方に向かい、中心
側で下方に向かうため、ブレード(4)の外端部で芝を刈
取る際には地面の芝を垂直姿勢に立ち上げて正確な刈取
寸法を確保し、又、下方に向かう気流の吸引力も集草に
利用するよう集草器(5)の底面には網状部(5b)が形成さ
れている。

尚、芝刈装置(A)における気流は第１図の矢印の如く流
れ、同図に示す如く、装置の上部に達した気流の多くの
部分は後方に流れ、又、一部は集草器内の刈芝(G)を通
過して下方に抜け出るようになっている。

〔別実施例〕

本発明は上記実施例以外に例えば、集草器の中央を上方
に向けて刈芝を送るよう構成する等、様々に実施でき
る。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為
の符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構造
に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る乗用芝刈機の実施例を示し、第１図
は該芝刈機の縦断側面図、第２図は蓋状部を上方に揺動
させた状態の側面図、第３図は該芝刈機の平面図であ
る。 (1)……前車輪、(2)……後車輪、(3)……運転座席、(4)
……ブレード、(5)……集草器、(A)……芝刈装置、(Y)
……縦向き軸芯。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】左右一対の前車輪(1)と、左右一対の後車
   輪(2)との中間位置に、縦向き軸芯(Y)周りで回転する芝
   刈用のブレード(4)と、このブレード(4)の上方に位置さ
   せた集草器(5)とで成る芝刈装置(A)を配置し、この芝刈
   装置(A)の上方位置に運転座席(3)を配置して成る乗用芝
   刈機。